JP3912978B2 - 水素貯蔵・供給システムおよび水素貯蔵・供給装置ならびに水素貯蔵・供給用触媒 - Google Patents

水素貯蔵・供給システムおよび水素貯蔵・供給装置ならびに水素貯蔵・供給用触媒 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素を貯蔵し、自動車あるいは家庭用等の燃料電池に水素を供給する水素貯蔵・供給システムおよび水素貯蔵・供給装置ならびに水素貯蔵・供給用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
年々、エネルギーの消費量が増大し、特に都市部では発電所からの電力供給が追いつかなくなる等の問題が発生している。現在、日本の電力は、その約半分を火力発電に、約3割〜4割を原子力に、残りを水力発電や風力発電等に依存している。
【0003】
しかし、火力発電の燃料である石油は、化石燃料であるため、その供給に限りがある。さらに、石油を燃やした後に発生する二酸化炭素、NOX等の排ガスは、地球温暖化をはじめとする地球環境悪化の元凶となっている。また、原子力は、放射性廃棄物の処理あるいは発電所における事故が問題視されている。
【0004】
しかしながら、快適な生活を求め、それを維持するには、ある程度の環境問題や放射線発生のリスクに目をつぶり、火力発電や原子力発電に頼らざるを得ないというのが、日本のみならず世界の現状である。なお、水力発電は、季節による電力供給の不安定さ、発電所建設に伴う森林伐採、発電効率の低さが問題であり、電力供給方法としては衰退してきている。また、風力発電や地熱発電は、まだまだコスト的に高いものであり、小規模に留まっている。
【0005】
一方、自動車の燃料に目を向けると、現在、ガソリン、軽油、プロパンガス等の炭化水素系の燃料が主として用いられている。最近では、「環境にやさしい」ことがキャッチフレーズになってきており、排ガスをできるだけ抑えるべく、電気とガソリンの両方で切換走行できるハイブリッド自動車が実用化されている。しかし、ハイブリッド自動車の場合でも、依然としてガソリン等の炭化水素燃料を使用せざるを得ない。
【0006】
このような発電や自動車開発の現状から、最近、水素燃料が注目されてきている。水素は、水の電気分解により生成できる。このため、海水や河川の水を電気分解することを考えれば、水素燃料は無尽蔵に存在することになる。また、水素は、燃焼後に二酸化炭素を発生しないクリーンなエネルギー源である。このような長所から、水素は、ガソリン、石油のような炭化水素燃料の代替燃料として注目されている。
【0007】
しかし、水素は常温で気体であるため、液体や固体に比べて、貯蔵や運搬が難しい。しかも、水素は可燃性物質であり、空気と所定の混合比になると、ちょっとした電気火花の存在下でも爆発してしまう。このため、水素は、取り扱いに極めて注意を要する燃料である。水素を気体の状態で高圧ボンベに貯蔵することも可能であるが、貯蔵量が限られると共に高圧封入にコストがかかる。
【0008】
このような問題を解決する技術に、特開平7−192746号公報に開示されるように、水素吸蔵合金に水素を反応させて貯蔵する方法が知られている。しかし、La−Ni系、Ti−Fe系等の水素吸蔵合金は重く、可搬式の水素貯蔵装置としては問題がある。また、既存の水素吸蔵合金は、吸蔵できる水素量が多くても約3重量%に過ぎず、貯蔵する水素量をもっと多くしたいとの要求もある。さらに、水素吸蔵合金が高価であることも問題である。
【0009】
そこで、安全性、運搬性、貯蔵能力、低コスト化にすぐれた水素貯蔵方法として、ベンゼンやシクロヘキサンのような炭化水素が注目されている。これらの炭化水素は、常温で液体であるため、運搬性に優れている。
【0010】
ベンゼンとヘキサンは同じ炭素数を有する環状炭化水素であるが、ベンゼンは炭素同士の結合が二重結合である不飽和炭化水素であるのに対し、シクロヘキサンは二重結合を持たない飽和炭化水素である。ベンゼンの水素付加反応によりシクロヘキサンが得られ、シクロヘキサンの脱水素反応によりベンゼンが得られる。すなわち、これらの炭化水素の水素付加・脱水素反応を利用することにより、水素の貯蔵および供給が可能となるのである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ベンゼンとシクロヘキサンとの反応に代表される水素付加反応と脱水素反応とを利用して水素の貯蔵および供給を実用化するには、さらに反応効率を高める必要がある。特に、ベンゼンあるいはシクロヘキサンといった液体原料と触媒との作用が問題となっている。
【0014】
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、水素の貯蔵あるいは供給に必要な原料の反応性を高めることを目的とする
【0030】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明は、水素と反応して、その水素を貯蔵する芳香族化合物から成る水素貯蔵体と、水素を放出して芳香族化合物に変化する水素供給体との間における水素付加反応または脱水素反応を利用して水素の貯蔵または供給を行う水素貯蔵・供給装置であって、水素貯蔵体を入れた第一液槽または水素供給体を入れた第二液槽の内少なくともいずれか1つの液槽と、液槽から送られた水素貯蔵体の水素付加反応または水素供給体の脱水素反応の内、少なくともいずれか1つの水素反応を行うと共に、水素反応に利用する触媒とを備えた反応炉と、触媒を加熱するヒータであって、そのヒータの表面に触媒を付着させた触媒一体型ヒータと、反応炉で生成した水素貯蔵体または水素供給体を冷却する冷却槽と、を備えた水素貯蔵・供給装置とするようにしている。このため、触媒の温度低下を効率よく防止できる。すなわち、ヒータと触媒とが直に接触していて触媒への熱伝達が速いため、触媒の温度が下がりにくい。したがって、水素の貯蔵量あるいは水素の供給量をより多くすることができる。
【0031】
また、別の発明は、上述の発明において、水素反応の原料であって、反応炉に供給する水素貯蔵体または水素供給体を、触媒に向けて、複数の噴射孔から霧状に噴射する噴射ノズルを持つ噴射機構部を、さらに備え、噴射機構部は、水素貯蔵体と水素供給体とを反応炉内に噴射する共通の噴射経路を備え、水素貯蔵体または水素供給体の噴射を停止した際に、噴射ノズル内の圧力を開放し、水素貯蔵体または水素供給体が反応炉内に液だれすることを防止するようにした水素貯蔵・供給装置としている。このため、原料を供給した後に供給配管内に残存する余分な原料を反応炉内に供給しなくて済む。特に、水素貯蔵体と水素供給体の切り替えを行った際に、前の原料が混入する可能性が低くなる。したがって、水素発生量あるいは水素貯蔵量を多くすることができる。
【0032】
また、別の発明は、上述の発明における触媒一体型ヒータを、格子状のヒータ表面に触媒を付着させた格子状触媒ヒータ、渦巻き状のヒータ表面に触媒を付着させた渦巻き状触媒ヒータ、触媒中にヒータを埋め込んだ埋め込み式触媒ヒータまたは触媒を筒状ヒータで囲った囲い式触媒ヒータとした水素貯蔵・供給装置とするようにしている。このため、触媒とヒータとの接触面積を大きくすることができる。また、触媒と共に水素反応を起こさせる反応炉の内部も加熱できる。したがって、水素の貯蔵量あるいは水素の供給量をより多くすることができる。
【0033】
また、別の発明は、上述の発明におけるヒータを制御する制御部を、さらに備えた水素貯蔵・供給装置としている。このため、別の原料を用いる場合であっても、その原料の沸点や触媒表面での原料液膜の生成具合に応じて、温度条件を適切に制御できる。
【0034】
また、別の発明は、上述の発明における反応炉からの水素を排出する経路であって、冷却槽より外部側にフィルタを備え、そのフィルタに、フィルタに付着した水素貯蔵体または水素供給体を加熱して揮発させるフィルタ用ヒータを設けた水素貯蔵・供給装置としている。このため、活性炭フィルター等のフィルタが、液体原料の付着により機能低下することを防止できる。したがって、水素の排出を阻害しなくて済む。
【0035】
また、別の発明は、上述の発明における第一液槽と第二液槽とを隣接させて一個の容器内に配置し、容器のバルブの切り替えで、反応炉に水素貯蔵体または水素供給体を供給可能な構成とした水素貯蔵・供給装置とするようにしている。このため、装置をよりコンパクトにすることができる。したがって、家庭に設置したり、自動車に搭載する上で有利になる。
【0036】
また、別の発明は、上述の発明における反応炉に流入させる水素を供給し、反応炉から水素を排出する共通のポンプを1台備えた水素貯蔵・供給装置とするようにしている。このため、装置をよりコンパクトにできると共に、低コスト化を図ることができる。
【0037】
また、別の発明は、上述の発明における触媒を、ハニカム形状の触媒あるいはフェルトに担持した触媒とした水素貯蔵・供給装置とするようにしている。このため、触媒への原料の接触面積を大きくできるので、水素の貯蔵量あるいは水素の発生量を多くすることができる。また、フェルトへの担持により、触媒を任意な形状とすることができる。したがって、触媒の場所をとられない分、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0038】
また、別の発明は、上述の発明における芳香族化合物を、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ナフタレン、メチルナフタレン、アントラセン、ビフェニル、フェナスレンおよびそれらのアルキル置換体の内のいずれか1つまたはいずれかを複数混合したものとした水素貯蔵・供給装置とするようにしている。
【0039】
これらの原料は、炭素同士の二重結合に水素が付加することにより、水素を貯蔵する。水素付加後の水素供給体は、水素を放して元の水素貯蔵体に戻る。すなわち、上述の原料は、水素のリサイクルに適した原料である。一方、上述の原料の水素付加反応に際して利用される触媒は、すでに研究開発されて熟知されている。このため、上述の原料を用いると、実用化の上で開発コストを抑えることができる。
【0043】
また、別の発明は、水素と反応して、その水素を貯蔵する芳香族化合物から成る水素貯蔵体と、水素を放出して上記芳香族化合物に変化する水素供給体との間における水素付加反応および脱水素反応を利用して水素の貯蔵および供給を行う水素貯蔵・供給システムであって、水素貯蔵体を入れた第一液槽と、水素貯蔵体と水素とを、触媒を利用して反応させて水素供給体を生成する反応炉とを持つ水素供給体製造装置と、その水素供給体製造装置から供給される水素供給体を、触媒を利用して脱水素し、水素と水素貯蔵体とに分解する反応炉と、その分解により生成した水素を利用して発電する発電装置とを持つ水素製造装置とを備え、少なくとも一方の反応炉内に、触媒を加熱するヒータであって、そのヒータの表面に触媒を付着させた触媒一体型ヒータを備えた水素貯蔵・供給システムとしている。このため、触媒の温度低下を効率よく防止できる。すなわち、ヒータと触媒とが直に接触していて触媒への熱伝達が速いため、触媒の温度が下がりにくい。したがって、水素の貯蔵量あるいは水素の供給量をより多くすることができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る水素貯蔵・供給システム、水素貯蔵・供給装置ならびに水素付加反応・脱水素反応用触媒の各実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0045】
図1は、芳香族化合物の水素化反応と、その芳香族化合物の水素化反応により生成した化合物(以後、ケミカルハイドライドという)の脱水素反応とを利用して水素を貯蔵あるいは供給する原理を示す図である。
【0046】
ベンゼン等の芳香族化合物1は、水の電気分解等により生成した水素2と水素化反応をして、シクロヘキサン等のケミカルハイドライド3となる。具体的には、芳香族化合物1の炭素間の二重結合に水素2が付加する。すなわち、水素2は、ケミカルハイドライド3の形で貯蔵されることになる。
【0047】
また、ケミカルハイドライド3は、脱水素反応により、芳香族化合物1と水素2となる。一方、水素2は、酸素4と共に燃料電池5内に供給される。燃料電池5は、水の電気分解と逆の原理で、電気をつくる。
【0048】
このように、芳香族化合物1は、水素を貯蔵できる水素貯蔵体として機能し、ケミカルハイドライド3は水素を外部に供給する水素供給体として機能する。このため、芳香族化合物1とケミカルハイドライド3とのサイクルを利用した水素貯蔵・供給システムが形成できる。
【0049】
次に、図1に示した原理を利用した水素貯蔵・供給システムの一例について説明する。なお、以後、ケミカルハイドライド等の原料に、番号を付さない。
【0050】
図2は、エネルギー自立型の家庭用自家発電を例とした水素貯蔵・供給システムを模式的に示す図である。
【0051】
家屋10に設けた水素貯蔵・供給システムは、主に、屋根等に設置した太陽電池11と、風力発電機12と、電解装置13と、水素反応装置14と、燃料電池15とを備えている。
【0052】
水素反応装置14は、ベンゼンに代表される芳香族化合物からなる水素貯蔵体を入れた第一液槽としての水素貯蔵体容器16と、シクロへキサンに代表されるケミカルハイドライドからなる水素供給体を入れた第二液槽としての水素供給体容器17と、反応炉18と、冷却器19とを備えている。
【0053】
水素貯蔵体容器16および水素供給体容器17には、各容器16,17内部の水素貯蔵体および水素供給体を加熱するヒータ20が設けられている。また、反応炉18には、水素付加反応および脱水素反応に必要な触媒21が設置されている。また、触媒21には、これを加熱するためのヒータ22が設置されている。さらに、反応炉18には、水素貯蔵体または水素供給体という液体原料を噴射する噴射ノズル23が設置されている。
【0054】
太陽電池11または風力発電機12によりつくられた電気は、インバータ24を経由して交流に変換される。変換された電気は、家庭用の電気機器25に使用されるか、電気機器25を使用していないときには、変換された電気は、電解装置13に供給される。電解装置13では、水の電気分解により水素(H2)と酸素(O2)が発生する。発生した水素は、水素反応装置14の反応炉18に供給される。
【0055】
太陽電池11または風力発電機12によりつくられた電気が過剰な場合、すなわち、家庭用の電気機器25によって使用される電気以上の発電がなされている場合にも、余分な電気は、電解装置13に送られる。そして、電解装置13で発生した水素は、反応炉18に送られる。一方、水素貯蔵体容器16内にあるベンゼンに代表される水素貯蔵体は、噴射ノズル23によって、反応炉18内の触媒21に噴射される。
【0056】
すると、水素貯蔵体に水素が付加して、シクロへキサンに代表される水素供給体に変化する。ここで、水素貯蔵体は、ヒータ20により80℃という沸点近傍まで加熱されている。このため、水素付加反応に関与する水素貯蔵体の割合が高くなる。また、触媒21は、ヒータ22によって60〜120℃に加熱されている。この結果、水素付加反応による水素供給体の生成率は非常に高くなる。
【0057】
反応炉18内で生成された水素供給体は、冷却器19により液化されて、水素供給体容器17に送られる。一方、水素付加反応の際に余分な水素は、燃料電池15へと送られる。
【0058】
また、太陽電池11または風力発電機12によりつくられた電気では、電気機器25の電力をまかなえない場合には、水素供給体容器17内の水素供給体は、噴射機構を構成する噴射ノズル23によって、反応炉18内の触媒21に噴射される。
【0059】
すると、水素供給体の脱水素反応がおきて、ベンゼンのような水素貯蔵体と水素が生成する。ここで、水素供給体容器17内の水素供給体は、ヒータ20により80℃という沸点近傍まで加熱されている。このため、脱水素反応に関与する水素供給体の割合が高くなる。また、触媒21は、ヒータ22によって220〜400℃に加熱されている。このため、かかる脱水素反応による水素貯蔵体の生成率は非常に高くなる。なお、脱水素反応の効率を考慮すると、触媒21が240〜260℃となるように、ヒータ22によって加熱するのがより好ましい。
【0060】
反応炉18内で生成した水素貯蔵体は、冷却器19により液化されて、水素貯蔵体容器16に送られる。一方、脱水素反応により生成した水素は、燃料電池15へと送られる。
【0061】
燃料電池15では、水素反応装置14から送られてくる水素と、空気中から供給される酸素との反応により電気がつくられる。こうしてつくられた電気は、家庭用の電気機器25用に使用される他、電気自動車26の動力に供給される。このように、水素反応装置14は、家庭の電力の需要に応じて、シクロへキサンのような水素供給体の形でエネルギーを保存したり、水素供給体から脱水素反応によりエネルギーを作り出す。
【0062】
図3は、ベンゼンに代表される芳香族化合物からなる水素貯蔵体をシクロへキサンに代表されるケミカルハイドライドからなる水素供給体に変換する専用の地域ステーションと、地域ステーションから水素供給体の供給を受ける家庭や工場(以後、家庭等という)や自動車用の燃料スタンドとからなる水素貯蔵・供給システムを示す図である。
【0063】
この水素貯蔵・供給システムは、図2の水素貯蔵・供給システムと異なり、家庭等の中でのエネルギーの自立を確立するのではなく、地域全体でエネルギーの自立を確立するためのシステムである。したがって、水素を発生させてエネルギーを作り出す家庭等31と、家庭等31からの水素貯蔵体を回収して、これに水素を付加して水素供給体を製造する地域ステーション32との間で、原料の変換を分担している。
【0064】
地域ステーション32は、水素貯蔵体を入れた第一液槽としての水素貯蔵体容器33と、水素貯蔵体と水素との水素付加反応により水素供給体を製造する反応炉34とを備えた水素供給体製造装置である。地域ステーション32に供給される水素には、風力発電機35からの電気を利用して電解装置36で製造した水素、太陽電池37からの電気を利用して電解装置38で製造した水素、ナフサの分解プラントや生物由来の汚物処理場等39でゼオライト触媒40を使って有機物を製造する過程で生成した水素が含まれる。
【0065】
また、ベンゼンをはじめとする水素貯蔵体は、ゼオライト触媒40を使って有機物を製造する過程で生成したものである。水素貯蔵体容器33内の水素貯蔵体は、噴射ノズル41によって、水素雰囲気下にある反応炉34内に噴射される。噴射された水素貯蔵体は、触媒42の表面で均一かつ適度な液膜を形成する。この結果、触媒42表面における水素との水素付加反応が促進され、高効率で水素供給体が生成される。触媒42は、ヒータ43にて60〜120℃に加熱されている。したがって、水素供給体は、より高い変換効率で生成される。なお、変換効率を考慮すると、触媒42が95〜105℃となるように、ヒータ43によって加熱するのがより好ましい。
【0066】
反応炉34内で生成された水素供給体は、家庭等31に送られる。家庭等31には、水素製造装置44が設置されている。水素製造装置44は、反応炉45と、水素貯蔵体容器46と、発電装置としての燃料電池47とを備えている。地域ステーション32から送られてきた水素供給体は、反応炉45内の噴射機構である噴射ノズル48から噴射されて、触媒49の表面で均一かつ適度な液膜を形成する。
【0067】
この結果、触媒49表面での脱水素反応により、水素貯蔵体と水素とが生成される。触媒49は、ヒータ50にて220〜400℃に加熱されている。したがって、水素貯蔵体は、高い変換効率で生成される。なお、変換効率を考慮すると、触媒42が240〜260℃となるように、ヒータ50によって加熱するのがより好ましい。
【0068】
水素貯蔵体と水素の混合体は、水素貯蔵体容器46内で冷却されて、水素貯蔵体と水素とに分離される。常温で気体である水素は、燃料電池47へと送られる。燃料電池47では、水素と酸素との反応により電気を発生する。この電気は、家庭等31のいろいろな電気機器に利用される。一方、常温で液体の水素貯蔵体は、地域ステーション32の水素貯蔵体容器33へと送られる。
【0069】
また、家庭等31以外にも、水素製造装置51を設けることができる。水素製造装置51の構成は、水素製造装置44の構成と同じである。水素製造装置51で製造した電気は、発電所52から供給される電気の調整に利用される。すなわち、地域の電力需要が間に合わない場合には、水素製造装置51からの電力供給を多くし、地域の電力需要が十分な場合には、水素製造装置51からの電力供給を少なくする。水素製造装置51からの水素貯蔵体は、地域ステーション32のに水素貯蔵体容器33送られて、その後、水素供給体に変換される。
【0070】
さらに、地域ステーション32からの水素供給体は、自動車用の燃料にも利用できる。地域ステーション32から燃料供給スタンド53に送られた水素供給体は、自動車54の水素製造装置55に供給可能である。水素製造装置55は、反応炉56と、水素貯蔵体容器57と、発電装置である燃料電池58とを備えている。燃料供給スタンド53から供給された水素供給体は、反応炉56内の噴射機構である噴射ノズル59から噴射されて、触媒60の表面で液膜を形成する。
【0071】
この結果、触媒60表面での脱水素反応により、水素貯蔵体と水素とが生成する。触媒60は、ヒータ61にて220〜400℃に加熱されている。したがって、水素貯蔵体は、高い変換効率で生成する。なお、変換効率を考慮すると、触媒60が240〜260℃となるように、ヒータ61によって加熱するのがより好ましい。
【0072】
水素貯蔵体と水素の混合体は、水素貯蔵体容器57内で冷却されて、水素貯蔵体と水素とに分離される。常温で気体である水素は、燃料電池58へと送られる。燃料電池58では、水素と酸素との反応により電気を発生し、自動車の動力に利用される。一方、常温で液体の水素貯蔵体は、燃料供給スタンド53に回収される。その後、水素貯蔵体は、地域ステーション32へと送られ、その後、水素との反応により水素供給体に変換される。
【0073】
このように、水素貯蔵体から水素供給体への変換を地域ステーション32で行い、水素供給体から水素貯蔵体への変換を家庭等31、発電装置51あるいは自動車54の内部で行い、その水素貯蔵体を地域ステーション32に戻すことによって、地域全体で原料の供給・回収サイクルが形成される。水素と酸素の反応では、水しか生成されないので、二酸化炭素に起因する地球温暖化問題や、NOX等の有害物質の発生による公害問題を防止できる。
【0074】
なお、図2および図3の水素貯蔵・供給システムにおいて、水素貯蔵体に、ベンゼンではなく、トルエン、キシレン、メシチレン、ナフタレン、メチルナフタレン、アントラセン、ビフェニル、フェナスレンおよびそれらのアルキル置換体の内のいずれか1つまたはいずれかを複数混合を用いても良い。
【0075】
次に、水素反応装置14に相当する水素貯蔵・供給装置の構造を、図4および図5に基づいて説明する。
【0076】
図4は、水素の貯蔵と供給の両方を行うことができる水素貯蔵・供給装置の構成を模式的に示す図である。また、図5は、図4で模式的に示す水素貯蔵・供給装置の外観図である。この水素貯蔵・供給装置70は、主に、原料供給槽71と、加圧タンク72と、ポンプ73と、反応炉74と、冷却槽75と、フィルタ76と、ポンプ77とを備えている。
【0077】
原料供給槽71は、水素貯蔵体であるベンゼンおよび水素供給体であるシクロへキサンとを、隔壁78で隔てられた第一液槽としてのベンゼン槽79および第ニ液槽としてのシクロへキサン槽80にそれぞれ入れた容器である。原料供給槽71には、各原料を加熱するために、それぞれヒータ81およびヒータ82が設けられている。各ヒータ81,82を設置したのは、各原料をその沸点近くまで加熱してから供給することによって、触媒表面への噴射時における原料の温度低下の影響を低減するためである。
【0078】
なお、ベンゼンとシクロへキサンの各沸点は、それぞれ80.1℃および80.9℃である。したがって、ベンゼンの供給時でもシクロへキサンの供給時でも、ヒータ81,82は、各原料を、その沸点以下で、かつその沸点に近い約80℃になるように制御し、各原料を液体状態で供給できるようにしている。
【0079】
加圧タンク72は、三方弁となる三方バルブ83を介して加圧タンク72内に導いたベンゼンあるいはシクロへキサンに対して、反応炉74に原料を噴射するための圧力をかける構成部である。この加圧は、加圧タンク72と原料供給槽71との間に配置したポンプ73によって行われる。なお、加圧タンク72には、原料を外部に排出するためのバルブ84が設けられている。
【0080】
また、加圧タンク72内の圧力を調整するため、圧力計85の数値が所定圧力値以上になると、バルブ86と三方弁となる三方バルブ87を開いて、加圧タンク72内の原料を、その原料が入っていたベンゼン槽79あるいはシクロへキサン槽80に戻すようにしている。また、逆に、圧力計85の数値が所定圧力値より低くなると、三方バルブ83を開いて、ベンゼン槽79あるいはシクロへキサン槽80から加圧タンク72内に、その加圧タンク72に入っている原料と同じ原料を供給するようにしている。
【0081】
反応炉74は、ベンゼンあるいはシクロへキサンを触媒88に噴射させて、水素付加反応または脱水素反応を起こす構成部である。反応炉74内の圧力を検知するため、反応炉74には圧力計74aが設けられている。ベンゼンあるいはシクロへキサンの噴射は、バルブ89とバルブ90を開いて、噴射ノズル91から行うようにしている。原料を噴射ノズル91から噴射することにより、容器93内の触媒88表面に、原料の液膜を形成しやすいようにしている。なお、噴射ノズル91と加圧タンク72とポンプ73は、噴射機構部の主要構成部である。
【0082】
バルブ89は、その開閉の時間制御によって原料の瞬時的な噴射、すなわちパルス噴射を可能とするバルブである。噴射している時間は、0.5〜30秒の範囲で可変できる。また、噴射を停止している時間は、0.0〜30秒の範囲で可変できる。但し、通常の運転の際には、噴射時間は5.0秒が上限となるように設定されている。
【0083】
なお、バルブ90は、原料の供給停止時に閉め、また原料供給時に開くためのバルブである。また、バルブ90aは、原料供給停止時に、その原料の液だれを防止するために開くバルブである。バルブ90aの開閉のタイミングについては、後述する。
【0084】
噴射ノズル91は、原料の噴射範囲角度Xが圧力0.3MPa時に50度となるように設計されている。原料の噴射量は、1秒間の連続噴射で5.0〜40.0mlの範囲で調整可能となっている。
【0085】
触媒88には、後述するように、直径130mmで高さ100mmのハニカム円筒形状の活性炭素地に白金触媒を担持させたものが用いられている。触媒88の重量は、100gとしている。なお、活性炭素地を、直径130mmで高さ100mmの単なる円筒形状としても良い。
【0086】
また、反応炉74には、触媒88を加熱するヒータ92が備えられている。ヒータ92は、触媒88を入れる容器93の外周壁に内蔵されている。また、ヒータ92は、最高600℃まで加熱可能であり、100〜600℃の範囲で制御可能となっている。ベンゼンの水素付加反応によりシクロへキサンを生成させる際には、約60〜120℃に加熱する。変換効率を考慮すると、好ましくは、95〜105℃に加熱するのが良い。
【0087】
また、シクロへキサンの脱水素反応によりベンゼンを生成させる際には、約220〜400℃に加熱する。同様に変換効率を考慮すると、好ましくは、250〜300℃に加熱するのが良い。水素付加反応は発熱反応であり、脱水素反応は吸熱反応であるため、後者の反応には熱エネルギーを必要とするからである。
【0088】
また、反応炉74には、炉内に水素を供給するためのバルブ94と、炉内の原料を抜くためのバルブ95と、炉内から発生する水素ガスを採取するためのバルブ96とが設けられている。バルブ94は、噴射ノズル91からベンゼンを噴射する前に開けられる。水素雰囲気下の反応炉74にしてから、ベンゼンを供給する方が、シクロへキサンの生成効率を上げる点で適しているからである。また、バルブ96は、水素ガスをガスクロマトグラフィにより分析する時に開けられる。また、反応炉74には、炉内の状況を観察できる2個ののぞき窓97が取り付けられている。
【0089】
冷却槽75は、水冷循環式の冷却装置である。冷却槽75は、反応炉74から送られてくるベンゼンまたはシクロへキサンを完全に液化させて、水素と分離するために設けられている。冷却は10〜20℃で行われ、かつ水温調節器98を用いて1℃単位に可変できる。また、冷媒には、30重量%のエチレングリコールと70重量%の水の混合溶液が用いられている。
【0090】
反応炉74でベンゼンと水素との水素付加反応を行った後に、バルブ99を開けると、主にシクロへキサンのガスが配管100を流れて冷却槽75に送られてくる。ここで、シクロへキサンは冷却され液化する。液化したシクロへキサンは、シクロへキサン槽80の側のみが開になるように三方弁となる三方バルブ101を開けてから、シクロヘキサン槽80に送られる。
【0091】
一方、反応炉74でシクロヘキサンの脱水素反応を行った後に、バルブ99を開けると、主にベンゼンと水素の混合ガスが配管100を流れて冷却槽75に送られてくる。ここで、ベンゼンは冷却され液化する。液化したベンゼンは、ベンゼン槽79の側のみが開になるように三方バルブ101を開けてから、ベンゼン槽79に送られる。
【0092】
フィルタ76は、活性炭を詰めた構造をしており、水素と混じっているベンゼンやシクロヘキサンをトラップして、外部に水素のみを排出するために設けられている。フィルタ76は、図示されていないが、ヒータによって加熱できるようになっている。フィルタを定期的に加熱して、トラップされたベンゼンやシクロヘキサンを強制的に揮発させることにより、フィルタ76の寿命を長くするためである。また、フィルタ76より外部方向には、ガス抜き用のバルブ102とガス分析の際に開けるバルブ103が設けられている。
【0093】
フィルタ76を通過した水素は、図4に示す配管104内を、それぞれ開状態のバルブ105、バルブ107、ポンプ77、バルブ109、バルブ110とすすみ、外部に排出される。このとき、バルブ106、バルブ108は閉状態であり、かつポンプ77は、バルブ108からバルブ106の方向に排気する方向に回転している。
【0094】
一方、外部から反応炉74内に水素を送る場合には、バルブ110、バルブ108、バルブ106、バルブ111を開けて、ポンプ77をバルブ108からバルブ106の方向に水素を入れる方向に回転している。このとき、バルブ109、バルブ107、バルブ112は閉状態である。こうして、水素は、配管113を通って、反応炉74に導入される。なお、配管113は、反応炉74を窒素雰囲気下とするときにも使用する。窒素を反応炉74に入れる際には、バルブ112とバルブ111を開にして、窒素を流す。
【0095】
ここで、水素貯蔵・供給装置70を用いてベンゼンの水素付加反応により水素を貯蔵する手順と、シクロヘキサンの脱水素反応により外部に水素を供給する手順の一例について、図4に基づいて簡単に説明する。
【0096】
外部からの水素を貯蔵する場合には、まず、ポンプ77を運転して反応炉74内の初圧を調整しながら、水素を反応炉74内部に充満させる。次に、ベンゼン槽79の温度調節を行い、ベンゼンを80℃にする。次に、反応炉74のヒータ92をオンにして、触媒88の温度を100℃に調整する。次に、三方バルブ83を開き、ポンプ73を運転し、ベンゼン槽79内のベンゼンを加圧タンク72に導くと共に、加圧タンク72内の初圧を調整する。次に、冷却槽75の冷却水の温度を10℃に調整する。そして、バルブ90を開いた後、バルブ89をパルス制御しながら、ベンゼンを反応炉74の触媒88に向けてパルス噴射する。パルス噴射の条件としては、1.0秒の噴射と1.0秒の停止を繰り返す方法が最適である。
【0097】
一方、水素を外部に供給する場合には、バルブ112を開にして、反応炉74に窒素を充満させる。予めガス分析を行うためである。次に、シクロヘキサン槽80の温度調節を行い、シクロヘキサンを80℃にする。次に、反応炉74のヒータ92をオンにして、触媒88の温度を250℃に調整する。次に、三方バルブ83とポンプ73を動作させ、シクロヘキサン槽80内のシクロヘキサンを加圧タンク72内に導くと共に、加圧タンク72内の初圧を調整する。次に、冷却槽75の冷却水の温度を10℃に調整する。そして、バルブ90を開いた後、バルブ89をパルス制御しながら、シクロヘキサンを反応炉74の触媒88に向けてパルス噴射する。パルス噴射の条件としては、1.0秒の噴射と1.0秒の停止を繰り返す方法が最適である。
【0098】
また、水素貯蔵・供給装置70に、水素のバッファとしての役割を持つ図6に示すような水素槽120を取り付けるようにしても良い。この水素槽120は、図4に示す水素貯蔵・供給装置70の右端Sにジョイントされる。水素槽120には、水素貯蔵・供給装置70の右端Sとジョイントする配管121と、圧力調整用の配管122と、水素槽120に水素を流入したり、または水素槽120から水素を排出するための配管123とが備えられている。
【0099】
配管122には、圧力調整用のバルブ124が設けられている。また、配管123には、配管123の温度を制御する温度制御装置125とバルブ126とが設けられている。温度制御装置125を設けているのは、水素貯蔵・供給装置70側から排出される水素を燃料電池に送る時に、燃料電池での発電効率を上げるために、予め水素の温度を上げておくためである。また、水素貯蔵・供給装置70側から、ベンゼンやシクロヘキサンのような液体原料が混入してきた場合に、揮発させて外部に排出させることもできる。
【0100】
外部から水素槽120に水素を供給する際には、バルブ126を開にして、水素槽120に水素を供給する。そして、水素槽120の水素は、水素貯蔵・供給装置70内のポンプ77を運転することによって、配管121から水素貯蔵・供給装置70へと流れていく。
【0101】
一方、外部に水素を排出する際には、ある程度、水素槽120内が加圧状態となるまで、水素貯蔵・供給装置70からの水素を貯めてから、バルブ126を開にする。水素槽120内の圧力は、バルブ124により調整可能である。
【0102】
次に、水素貯蔵・供給装置70の原料供給槽71の外観および内部構造について、説明する。図7に示すように、原料供給槽71のベンゼン槽79およびシクロヘキサン槽80の下部には、各原料を加圧タンク72へと排出するための排出口130および排出口131がそれぞれ設けられている。また、ベンゼン槽79およびシクロヘキサン槽80の上部には、冷却槽75から回収される各原料を入れるための流入口132および流入口133がそれぞれ設けられている。
【0103】
また、ベンゼン槽79およびシクロヘキサン槽80内部には、それぞれ投げ込みタイプのヒータ81,82が配置されている。なお、投げ込みヒータ以外のタイプのヒータでも良い。前述のように、ヒータ81,82を加熱して、各原料を80℃にしてから、反応炉74に送るようにしている。各原料の沸点を超えるまで加熱すると、各原料の送り込みに支障が生じやすくなる一方で、沸点より低温になるほど、触媒88への噴射の際に水素付加反応および脱水素反応の反応効率が低下する。したがって、75℃から80℃の範囲の温度が好ましく、理想的な温度範囲としては、78〜80℃が良い。
【0104】
次に、図8に基づいて、水素貯蔵・供給装置70の加圧タンク72につなげられたバルブの開閉機構について説明する。噴射ノズル91から原料を噴射した後に、バルブ89を閉じると、原料のパルス噴射が停止する。そして、バルブ89を閉じたとほぼ同時にバルブ90aを開くことにより、噴射ノズル91から原料が液だれせずに、配管140内の余分な原料は、より圧力の低い配管141へと吸引され、図4に示すバルブ86と三方バルブ87との間に移動する。その後、三方バルブ87から、ベンゼン槽79またはシクロヘキサン槽80へと戻される。
【0105】
このようにするのは、原料の液だれを放置すると、所定の量以上のベンゼンまたはシクロヘキサンが触媒88にかかることになり、触媒88の表面に適度な液膜を形成できず、反応率の低下を招くおそれがあるからである。また、水素付加反応あるいは脱水素反応の切り替えの正確性に欠け、前の原料の混入により、別の原料を用いた新たに行う水素反応の反応率の低下を招くおそれもあるからである。具体的には、バルブ89を閉じてから200msec後に、バルブ90aを開くと、最も液だれが少なく、スムーズな原料供給の停止が達成できる。ただし、バルブ89の開閉制御により、200msecというタイムロスは変化し得る。したがって、装置に応じて、バルブ89を閉じる時とバルブ90aを開く時のタイミングを決めるのが好ましい。
【0106】
次に、図9に基づいて、水素貯蔵・供給装置70の反応炉74の外観と内部構造について説明する。図9(A)に示すように、反応炉74の上部には、反応生成物を冷却槽75に送るための排出口150と、噴射ノズル91を取り付ける取付口151と、水素あるいは窒素を反応炉74に入れるための流入口152、炉内の原料を抜くためのバルブ95が接続される流出口153とが設けられている。
【0107】
取付口151に取り付けられる噴射ノズル91のノズル先端91aには、図9(B)に示すように、複数の細孔91bが設けられている。各原料は、この細孔91bから触媒88に向けて噴射される。したがって、触媒88の表面に均一な厚さの液膜を形成しやすい。
【0108】
原料を液滴で供給する方法も考えられるが、触媒88の一部に偏った供給になりやすく、かつ余分な原料は触媒88から流れて反応に寄与しなくなる。しかも、流れ落ちた分の原料が無駄になる。したがって、液滴による供給よりも、噴射ノズル91を用いた噴射方式による原料供給が好ましい。なお、ノズル先端91aに単一孔を設けて、原料の噴射を行うようにしても良い。
【0109】
次に、水素貯蔵・供給装置70にて用いる触媒88の形態について、図10に基づいて説明する。図10(A)は、図4で反応炉74内部の断面を示す図である。触媒88は、図10(A)に示すように、上部を解放した有底円筒状の容器93に入れられている。図10(B)は、触媒88の上面と側面を示す図である。このように、触媒88は、蜂の巣のようなハニカム形状を呈する。かかるハニカム形状にすることによって、触媒88の体積あたりの反応に寄与する表面積を大きくすることができる。したがって、触媒88を介する水素付加および脱水素の両反応の反応率が向上する。
【0110】
また、図11に示す各形状の触媒88を採用することもできる。図11(A)は、網目状のヒータ92の表面に、触媒88を付着させた触媒一体型ヒータ155を示す図である。また、図11(B)は、渦巻き型のヒータ92の表面に、触媒88を付着させた触媒一体型ヒータ156を示す図である。
【0111】
これらの触媒一体型ヒータ155,156のように、ヒータ92の表面に触媒88を付着させることによって、原料の噴射時に一時的に触媒88の温度が低下しても、すぐに初期の温度に回復する。このため、水素付加反応および脱水素反応の反応率が低下する危険性を低くすることができる。特に、脱水素反応は、吸熱反応であるため、反応率は触媒88の温度低下に敏感である。したがって、脱水素反応の場合には、触媒一体型ヒータ155,156の採用は特に有効な手段となる。また、図12に示すように、立方体、直方体、円柱体等の定型の触媒88内部にヒータ92を埋め込んだ触媒一体型ヒータ157としても良い。
【0112】
次に、水素貯蔵・供給装置70の各種制御を行う制御部について説明する。図13に示すように、制御部160は、主に、制御パネル161と、CRTモニタ162と、キーボードおよびマウス等の操作部163と、パソコン本体164と、PCI拡張ユニット165とを備えている。
【0113】
制御パネル161には、100V電源の電源スイッチ170と、ポンプ用の200V電源の電源スイッチ171と、外部に排出する水素の流量を計測する流量計172と、外部から取り込む水素の流量を計測する流量計173と、反応炉74の温度調節器174と、ベンゼン槽79の温度調節器175と、シクロヘキサン槽80の温度調節器176と、バルブ調節計177と、噴射時間と噴射停止時間を設定する噴射時間設定タイマ178,179と、水素付加と脱水素との運転切り替えを行う切替スイッチ180と、ブザーによる警報部181と、運転スイッチ182と、運転状態を表示する状態表示灯183とが備えられている。
【0114】
制御部160では、触媒88の温度、反応炉74内の温度、ヒータ92表面の温度、各原料の温度、冷却槽75入口および出口の各温度、噴射原料の温度、反応炉74内部に供給する水素の温度の各制御が行なわれる。また、制御部160では、発生した水素の流量、反応炉74内部に供給する水素の流量が計測される。
【0115】
また、制御部160では、反応炉74の内部の圧力、原料供給槽71の圧力、加圧タンク72内の圧力、冷却後の水素圧、原料の噴射圧力、反応炉74内に供給する水素の圧力が検知される。さらに、ベンゼン槽79およびシクロヘキサン槽80の液面の上限と下限を設定でき、上限と下限の間に液面がない場合には、これを知らせる機構も備えられている。また、制御部160では、バルブの開閉やポンプ73,77等の運転を制御する。
【0116】
パソコン本体164は、反応炉74等の各種構成部における温度や圧力等の設定と制御を行う部分であると同時に、インストールされているガスクロマトグラフィの解析ソフトによって、水素の分析もできる。
【0117】
次に、水素貯蔵・供給装置70の運転前に、ラボスケールの装置で運転条件を把握した結果について説明する。
【0118】
図14は、シクロヘキサンの脱水素反応の反応温度依存性を調べた結果を示すグラフである。横軸は反応温度で、縦軸は毎分の水素発生量である。図14に示すように、反応温度が523K(=250℃)の時に、水素発生量が最も多いことがわかる。また、反応温度が高すぎると、水素発生量が減少している。これは、原料の揮発分が多くなり、触媒88表面での原料の液膜が形成されにくくなるからであると考えられる。
【0119】
図15は、シクロヘキサンの脱水素反応の基質量依存性を調べた結果を示すグラフである。横軸は基質量で、縦軸は毎分の水素発生量である。ここで、基質量とは、シクロヘキサンの供給量のことである。触媒88には0.5gの白金を用いた。また、反応温度は523Kとした。
【0120】
図15に示すように、シクロヘキサンの供給量が1.7mlの時に、水素発生量が最も多いことがわかる。シクロヘキサンの供給量が増えると、水素発生量が減少するのは、触媒88に必要以上のシクロヘキサンがかかり、触媒表面に適度な液膜を形成できなかったためと考えられる。
【0121】
以上は、シクロヘキサンの脱水素反応条件を調べるために行った実験結果であるが、シクロヘキサン以外にもデカリン等のケミカルハイドライドを使うこともできる。次に、デカリンを使ったラボスケールでの実験結果について説明する。
【0122】
図16は、デカリンの脱水素反応によりナフタレンと水素が生成し、逆にナフタレンの水素付加反応によりデカリンが生成するという可逆反応式を示す図である。デカリンを用いた場合にも、シクロヘキサンを用いた場合と同様に、炭素骨格を壊すことなく、水素のみを生成できる。したがって、デカリンは、二酸化炭素の放出に伴う地球温暖化を防止できるクリーンなエネルギー源となり得る。
【0123】
図17は、デカリンの脱水素反応の基質量依存性を調べた結果を示すグラフである。横軸は基質量で、縦軸は毎分の水素発生量である。ここで、基質量とは、デカリンの供給量のことである。触媒88には0.5gの白金を用いた。また、反応温度は523Kとした。
【0124】
図17に示すように、デカリンの供給量が1.4から1.75mlと多くなるにつれて、水素発生量が少なくなることがわかる。デカリンの供給量が増えると水素発生量が減少するのは、触媒88に必要以上のデカリンがかかり、触媒表面に適度な液膜を形成できなかったためと考えられる。
【0125】
図18は、ケミカルハイドライドの種類を変えて水素の発生量を比較した結果を示すグラフである。図中、白抜きの三角は、デカリンのみを用いた場合を示す。また、黒の菱形は、デカリンとメチルシクロヘキサンとの混液を用いた場合を、黒の四角は、デカリンとシクロヘキサンとの混液を用いた場合を、それぞれ示す。水素ガスの発生量は、時間毎に累積値で示している。反応温度は573Kで、原料の供給量は、3種類とも1.75ml/minとした。
【0126】
この結果、デカリンのみを脱水素した場合には、水素ガスの発生が極めて多くなることがわかった。また、デカリンとメチルシクロヘキサンとの混液の場合には、最も水素ガスの発生量が少ないことがわかった。なお、デカリンの脱水素反応で生成するナフタレンは、融点(約80℃)が高くて常温では使いづらい。このため、デカリンよりも、シクロヘキサンを使用するのが好ましい。
【0127】
【表1】
Figure 0003912978
【0128】
表1は、各種ケミカルハイドライドを用いた水素放出結果を示す表である。ケミカルハイドライドとしては、シクロヘキサンあるいはデカリンの他に、メチルシクロヘキサンも使用できる。また、その他の水素を含む化合物として、メタノール、水素化リチウム、水素化カルシウムも使用可能である。水素の発生量(=同一重量の原料に対して発生する水素の重量)だけから判断すると、水素化リチウム、デカリン、シクロヘキサンが原料として優位性を持っている。
【0129】
しかし、水素放出後の原料の使いやすさの面からいうと、ナフタレンを生成するデカリンは、シクロヘキサンよりも劣る。ナフタレンは常温で固体となり、80℃以上では液化せずに昇華してしまうからである。また、水素化リチウムは、取り扱い上の危険性の面で、シクロヘキサンに劣る。シクロヘキサンは、脱水素反応後にベンゼンとなる。ベンゼンは沸点80.1℃であり、ほぼ同じ沸点を持つシクロヘキサンと同様に、使いやすい原料である。したがって、水素放出量と安全を含めた使用上の容易性の観点から、シクロヘキサンが最適の原料である。
【0130】
ただし、安全面での改善、使用条件の変更を行えば、シクロヘキサン以外の原料も使用できる。例えば、水素放出後に、キシレン、メシチレン、メチルナフタレン、アントラセン、ビフェニルまたはフェナスレンとなるケミカルハイドライドが使用できる。
【0131】
また、反応に用いる触媒の種類も検討した。具体的には、白金、4.5重量%タングステンを混ぜた白金、1.9wt%ロジウムを混ぜた白金を検討した。この結果、4.5重量%タングステンを混ぜた白金の触媒を用いた時に、水素発生量が最も多くなることがわかった。
【0132】
【参考例】
次に、下記に示す参考例において、シクロヘキサンを触媒にパルス噴射させる噴射条件を変えた場合の水素発生量の変化を調べた結果について説明する。
【0133】
使用した触媒は、アルミナに0.5重量%の白金を担持させた円筒形の顆粒状のものを用いた。触媒の量は20gとした。触媒温度は、240〜270℃とした。冷却温度は、13〜15℃とした。シクロヘキサンの噴射時間は、1秒間とし、噴射を停止している噴射間隔を10秒、20秒および30秒と変化させて、各噴射間隔と水素発生量との比較を行った。
【0134】
この結果を表2に示す。
【0135】
【表2】
Figure 0003912978
【0136】
表2に示すように、噴射間隔10秒の場合には、噴射後、17分後の水素発生速度計測値で11.0ml/secであり、実験開始から17分間の累積水素発生量から割り出した水素ガスの生成効率は、約81.7%であった。なお、水素ガスの生成効率は、理論上の水素ガス生成量に対する割合(%)をいう。
【0137】
また、噴射間隔20秒の場合には、噴射後、82分後の水素発生速度計測値で9.6ml/secであり、実験開始から82分間の累積水素発生量から割り出した水素ガスの生成効率は、約82.3%であった。
【0138】
また、噴射間隔30秒の場合には、噴射後、48分後の水素発生速度計測値で12.3ml/secであり、実験開始から48分間の累積水素発生量から割り出した水素ガスの生成効率は、約83.3%であった。
【0139】
水素発生速度は、実験開始からの時間の経過に伴い低下するため比較できないが、水素ガスの生成効率で比較すると、当実験における噴射間隔の範囲内では、噴射間隔に依存せずに、80%以上の高い効率で水素の生成が認められた。
【0140】
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されない。以下のような種々変更した実施の形態を採用しても良い。例えば、上述の実施の形態では、水素付加反応と脱水素反応の両反応を含むシステムを説明したが、いずれか一方のみの反応を行う装置やシステムを構成し、他方の反応を行う装置やシステムは、別のシステムとして構成しても良い。
【0141】
また、原料の選択によっては、原料のみを加熱して、触媒を加熱しなくても良い。また、原料の加熱も、水素供給体のみを加熱し、水素貯蔵体を加熱しなくても良い。さらに、触媒のみを加熱して、原料を加熱しなくても良い。また、原料の噴射に関して、水素貯蔵体のみを噴射したり、水素供給体のみを噴射しても良い。
【0142】
また、触媒一体型ヒータとして、ヒータの形状は、格子型や渦巻き型に限定されずに、種々の形状としても良い。また、ベンゼンとシクロヘキサンを一個の容器に入れずに、別個の容器に入れても良い。また、水素の排気用と供給用のポンプを分けても良い。
【0143】
また、燃料電池以外の発電装置を採用しても良い。例えば、水素を燃やして水を沸騰させ、タービンを回転させて発電機の回転によって、電気をつくるようにしても良い。さらに、従来の火力発電所や原子力発電所等の電気供給システムと、この水素貯蔵・供給システムとを併用しても良い。
【0144】
【発明の効果】
本発明によれば、水素付加反応あるいは脱水素反応の反応効率を高めることができる。また、別の本発明によれば、水素貯蔵体と水素供給体とが混じらないように、かつ適量の各原料をいつでも水素の供給あるいは貯蔵のために使用できるようにすることができる。また、別の本発明によれば、水素と液体原料とを効率良く分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水素貯蔵・供給システムの根幹をなす原理を示す図で、芳香族化合物の水素化反応と、その芳香族化合物の水素化反応により生成した化合物(以後、ケミカルハイドライドという)の脱水素反応とを利用して水素を貯蔵あるいは供給する流れを示す図である。
【図2】本発明の実施の形態の水素貯蔵・供給システムを示す図で、エネルギー自立型の家庭用自家発電を例とした水素貯蔵・供給システムを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態の水素貯蔵・供給システムを示す図で、ベンゼンのような水素貯蔵体をシクロへキサンのような水素供給体に変える専用の地域ステーションと、地域ステーションから水素供給体の供給を受ける家庭、工場または自動車用の燃料スタンドとからなる水素貯蔵・供給システムを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態の水素貯蔵・供給システムを示す図で、水素の貯蔵と供給の両方を行うことができる水素貯蔵・供給装置を模式的に示す図である。
【図5】図4で模式的に示した水素貯蔵・供給装置の外観図である。
【図6】図4の水素貯蔵・供給装置に取り付け可能な水素槽とその周辺の配管等を示す図である。
【図7】図4の水素貯蔵・供給装置に備えられた原料供給槽の外観および内部構造を示す図である。
【図8】図4の水素貯蔵・供給装置に備えられた加圧タンクとその周辺の配管を示す図である。
【図9】図4の水素貯蔵・供給装置の反応炉等の外観と内部構造を示す図であり、(A)は反応炉の外観と内部構造を、(B)は反応炉内部に設置する噴射ノズルを、それぞれ示す。
【図10】図4の水素貯蔵・供給装置に用いる触媒の形態を説明するための図であり、(A)は反応炉内部の断面を、(B)は触媒の上面と側面を、それぞれ示す。
【図11】図10に示す触媒以外の形態の触媒を示す図で、(A)は、網目状のヒータ表面に触媒を付着させた触媒一体型ヒータを、(B)は渦巻き型のヒータ表面に触媒を付着させた触媒一体型ヒータを、それぞれ示す図である。
【図12】図10および図11に示す触媒以外の形態の触媒を示す図で、定型の触媒内部にヒータを埋め込んだ触媒一体型ヒータを示す図である。
【図13】図4の水素貯蔵・供給装置の各種制御を行う制御部を示す図である。
【図14】本発明に用いられるシクロヘキサンの脱水素反応の反応温度依存性を調べた結果を示すグラフである。
【図15】本発明に用いられるシクロヘキサンの脱水素反応の基質量依存性を調べた結果を示すグラフである。
【図16】本発明に使用可能なデカリンの脱水素反応によりナフタレンと水素が生成し、逆にナフタレンの水素付加反応によりデカリンが生成する反応式を示す図である。
【図17】本発明に使用可能なデカリンの脱水素反応の基質量依存性を調べた結果を示すグラフである。
【図18】本発明に使用可能なケミカルハイドライドの種類を変えて水素の発生量を比較した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
13 水素供給装置
14 水素反応装置
15 発電装置
16 水素貯蔵体容器(第一液槽)
17 水素供給体容器(第二液槽)
18 反応炉
20 ヒータ
21 触媒
22 ヒータ
23 噴射ノズル
32 地域ステーション(水素供給体製造装置)
33 水素貯蔵体容器(第一液槽)
34 反応炉
42 触媒
43 ヒータ
44 水素製造装置
45 反応炉
46 水素貯蔵体容器
47 燃料電池(発電装置)
48 噴射ノズル
49 触媒
50 ヒータ
51 水素製造装置
55 水素製造装置
56 反応炉
57 水素貯蔵体容器
58 燃料電池(発電装置)
59 噴射ノズル
60 触媒
61 ヒータ
70 水素貯蔵・供給装置(水素反応装置)
71 原料供給槽(容器)
72 加圧タンク(噴射機構部の一部)
73 ポンプ(噴射機構部の一部)
74 反応炉
75 冷却槽
76 フィルタ
77 ポンプ
79 ベンゼン槽(第一液槽)
80 シクロヘキサン槽(第二液槽)
81 ヒータ(原料加熱用ヒータ)
82 ヒータ(原料加熱用ヒータ)
83 バルブ
88 触媒
91 噴射ノズル(噴射機構部の一部)
91b噴射孔
92 ヒータ(触媒加熱用ヒータ)
155 格子状触媒ヒータ(触媒一体型ヒータ)
156 渦巻き状触媒ヒータ(触媒一体型ヒータ)
157 埋め込み式触媒ヒータ(触媒一体型ヒータ)
160 制御部

Claims (10)

  1. 水素と反応して、その水素を貯蔵する芳香族化合物から成る水素貯蔵体と、水素を放出して上記芳香族化合物に変化する水素供給体との間における水素付加反応または脱水素反応を利用して水素の貯蔵または供給を行う水素貯蔵・供給装置であって、
    上記水素貯蔵体を入れた第一液槽または上記水素供給体を入れた第二液槽の内少なくともいずれか1つの液槽と、
    上記液槽から送られた上記水素貯蔵体の水素付加反応または上記水素供給体の脱水素反応の内、少なくともいずれか1つの水素反応を行うと共に、上記水素反応に利用する触媒とを備えた反応炉と、
    上記触媒を加熱するヒータであって、そのヒータの表面に上記触媒を付着させた触媒一体型ヒータと、
    上記反応炉で生成した上記水素貯蔵体または上記水素供給体を冷却する冷却槽と、
    を備えることを特徴とする水素貯蔵・供給装置。
  2. 前記水素反応の原料であって、前記反応炉に供給する前記水素貯蔵体または前記水素供給体を、前記触媒に向けて、複数の噴射孔から霧状に噴射する噴射ノズルを持つ噴射機構部を、さらに備え、
    上記噴射機構部は、前記水素貯蔵体と前記水素供給体とを前記反応炉内に噴射する共通の噴射経路を備え、前記水素貯蔵体または前記水素供給体の噴射を停止した際に、上記噴射ノズル内の圧力を開放し、前記水素貯蔵体または前記水素供給体が前記反応炉内に液だれすることを防止するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の水素貯蔵・供給装置。
  3. 前記触媒一体型ヒータは、格子状のヒータ表面に触媒を付着させた格子状触媒ヒータ、渦巻き状のヒータ表面に触媒を付着させた渦巻き状触媒ヒータ、触媒中にヒータを埋め込んだ埋め込み式触媒ヒータまたは触媒を筒状ヒータで囲った囲い式触媒ヒータであることを特徴とする請求項1または2記載の水素貯蔵・供給装置。
  4. 前記ヒータによる加熱条件を制御する制御部を、さらに備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の水素貯蔵・供給装置。
  5. 前記反応炉からの水素を排出する経路であって、前記冷却槽より外部側にフィルタを備え、そのフィルタに、上記フィルタに付着した前記水素貯蔵体または前記水素供給体を加熱して揮発させるフィルタ用ヒータを設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の水素貯蔵・供給装置。
  6. 前記第一液槽と前記第二液槽とを隣接させて一個の容器内に配置し、上記容器のバルブの切り替えで、前記反応炉に前記水素貯蔵体または前記水素供給体を供給可能な構成としたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の水素貯蔵・供給装置。
  7. 前記反応炉に流入させる水素を供給し、前記反応炉から水素を排出する共通のポンプを1台備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の水素貯蔵・供給装置。
  8. 前記触媒は、ハニカム形状の触媒あるいはフェルトに担持した触媒としたことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の水素貯蔵・供給装置。
  9. 前記芳香族化合物を、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ナフタレン、メチルナフタレン、アントラセン、ビフェニル、フェナスレンおよびそれらのアルキル置換体の内のいずれか1つまたはいずれかを複数混合したものとすることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の水素貯蔵・供給装置。
  10. 水素と反応して、その水素を貯蔵する芳香族化合物から成る水素貯蔵体と、水素を放出して上記芳香族化合物に変化する水素供給体との間における水素付加反応および脱水素反応を利用して水素の貯蔵および供給を行う水素貯蔵・供給システムであって、
    上記水素貯蔵体を入れた第一液槽と、上記水素貯蔵体と水素とを、触媒を利用して反応させて上記水素供給体を生成する反応炉とを持つ水素供給体製造装置と、
    その水素供給体製造装置から供給される上記水素供給体を、触媒を利用して脱水素し、水素と上記水素貯蔵体とに分解する反応炉と、その分解により生成した水素を利用して発電する発電装置とを持つ水素製造装置と、
    を備え、
    少なくとも一方の上記反応炉内に、上記触媒を加熱するヒータであって、そのヒータの表面に上記触媒を付着させた触媒一体型ヒータを備えたことを特徴とする水素貯蔵・供給システム。
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