JP3912746B2 - 燃料漏れ防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガソリンを燃料とするエンジン駆動作業機(以下、「作業機」という)における燃料漏れ防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、エンジン駆動溶接機等、作業機本体をガソリンエンジン(以下、「エンジン」という)で駆動し、所定の作業を行うための各種作業機が存在している。
【0003】
前記作業機は、気化器のフロート室と燃料タンクとが燃料供給管を介して接続され、当該燃料供給管の中途部には、燃料流路の開閉を行うための燃料コックが介設されていることが一般的である。そして、輸送時等(エンジン停止保管時も含む[以下同様])には、安全対策上、エンジンを停止させた後に燃料コックを「閉」にして運搬作業等を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、燃料コックを「閉」に操作し忘れた場合には、振動又は傾斜設置等が原因で気化器から燃料がオーバーフローして燃料漏れを起こし、燃料に引火することにより火災が発生する等の不測の災害が生じる恐れがあった。また、経年劣化等により前記燃料供給管が破損等した場合等にも同様の問題が発生する恐れがあった。
【0005】
一方、従来の作業機では、気化器の内部における燃料流路を電磁弁により閉止させることで、エンジン停止時におけるアフターバーンを防止する技術は存在していたが、前記問題点を直接的に解決する手段は存在していなかった。
【0006】
本発明は、前記の問題点を除くためになされたものであり、エンジン停止時における気化器からの燃料のオーバーフローを防ぎ、燃料漏れによる不測の災害を防ぐことを可能とした燃料漏れ防止装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の燃料漏れ防止装置は、ガソリンエンジンと、前記ガソリンエンジンにより駆動される作業機とを備えるエンジン駆動作業機における燃料漏れ防止装置であって、前記ガソリンエンジンの気化器のフロート室と燃料タンクとが燃料供給管を介して連通しており、前記燃料供給管の中間部に燃料流路の開閉を行うための燃料コックを配設し、前記燃料コックと前記燃料タンクとの間の上流側の前記燃料供給管に、前記ガソリンエンジンの停止と連動してコイルへの通電を遮断するように電気的に接続された電磁弁を設け、前記電磁弁は、前記ガソリンエンジンが停止したときに前記燃料タンクからの燃料の供給を自動的に遮断して、燃料流路を閉塞することを特徴としている。
【0009】
ここで、エンジン停止時における燃料タンクからの燃料の供給を確実に遮断するためには、当該燃料タンクにおける燃料排出部の近傍に設けることが好適である。
【0010】
本発明によれば、電磁弁の作用により、エンジン停止時において燃料供給管の燃料流路を自動的に閉塞して、燃料タンクから供給される燃料の供給を遮断できるため、燃料が気化器からオーバーフローすることにより生じる災害を未然に防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
本発明の燃料漏れ防止装置が取り付けられている作業機は、図示しないエンジンと、当該エンジンにより駆動される作業機本体を有している。図1に示されているように、前記エンジンの気化器20のフロート室21と燃料タンク10とは、中間部に燃料ストレーナ30を有している燃料供給管41,42を介して連通している。
【0013】
前記燃料ストレーナ30は、本体ケーシング31と濾過室32を有しており、当該本体ケーシング31の下部には、こし網33が水平に設けられている。そして、本体ケーシング31の中央部には、上流側の燃料供給管41(以下、「上流管」という)と接続されている入口流路34が、濾過室32におけるこし網33の下方に突出するように設けられているとともに、下流側の燃料供給管42(以下、「下流管」という)と接続されている出口流路35が、濾過室32の上面部から上方に突出して設けられている。また、入口流路34の中間部には、流路の開閉を切り替えるための燃料コック36が設けられている。
この構造により、前記燃料ストレーナ30は、上流管41から供給された燃料から異物等を除去し、処理後の燃料を下流管42に戻すことができるようになっている。
【0014】
前記気化器20における本体部の下方にはフロート室21が設けられており、当該フロート室21の上部の入口部21aと下流管42とが接続されている。前記フロート室21内にはフロート22の昇降と連動して、前記入口部21aを閉開するニードルバルブ23が設けられており、燃料タンク10から供給された燃料の液面の高さを一定に保持した状態で、貯溜することができるようになっている。
【0015】
さらに、燃料タンク10の燃料排出部10a近傍における上流管41には、電磁弁45が設けられている。この電磁弁45は、コイルの通電の有無により、燃料流路の開放及び閉塞を切り替えることが可能である公知のソレノイドバルブであり、作業機の制御手段(図示せず)により、エンジンの稼働時には、エンジンが稼働した時の発電機出力、エンジンのマグネト電源又はキースイッチと連動したバッテリ電源等により、電磁弁45のコイルに通電させて燃料流路を開放し、エンジンが停止した場合には、前記電源がコイルへの通電を遮断することにより、燃料流路を閉塞することができるように構成されている。
【0016】
続いて、本発明の燃料漏れ防止装置の作用について説明する。
作業機の稼働時にはエンジンが稼働しており、電磁弁45は上流管41の燃料流路を開放しているため、燃料タンク10から送出された燃料は、燃料ストレーナ30で異物が除去された後に、気化器20のフロート室21に供給されている。
【0017】
一方、作業終了後にエンジンを停止させた場合には、電磁弁45のコイルへの通電が遮断されるため、当該電磁弁45が上流管41の燃料流路を自動的に閉塞して燃料の供給を遮断するため、燃料タンク10から送出された燃料は、気化器20のフロート室21に供給されることはない。
従って、燃料ストレーナ30の燃料コック36を閉め忘れた場合であっても、燃料タンク10から供給された燃料が流出しないため、振動等によりニードルバルブ23が開いても燃料が気化器20からオーバーフローすることがなく、燃料の漏出により生じる災害を未然に防止することができる。また、経年劣化等により上流管41及び下流管42が破損等した場合等であっても、当該上流管41及び下流管42から燃料が漏洩することがなく、燃料の漏出により生じる災害を未然に防止することができる。
【0018】
なお、気化器20のフロート室21には、エンジンの起動を行うために充分な燃料が残留しているため、一時的に燃料タンク10からの燃料の供給がなくとも支障なくエンジンの再起動を行うことができる。また、エンジンの起動後は、発電機出力又はマグネト電源等により電源の確保を行って電磁弁45を開放することができるため、起動用電源としてバッテリを有しない作業機にも適用することができる。
【0019】
以上、本発明について、好適な実施形態の一例を説明した。しかし、本発明は、前記実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜設計変更が可能である。
特に、本発明は、前記構成を有する作業機であれば、溶接機、発電機、圧縮機等の一般的に使用されている総ての作業機において適用可能である。
また、気化器は、種々の構造の装置を使用することができるとともに、燃料コックに関しても、燃料ストレーナに設けられるものに限られるものではない。
【0020】
【発明の効果】
本発明の燃料漏れ防止装置によれば、エンジン停止時における気化器からの燃料のオーバーフローを防ぎ、燃料漏れによる不測の災害を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料漏れ防止装置を示す構成図である。
【符号の説明】
10 燃料タンク
20 気化器
21 フロート室
22 フロート
23 ニードルバルブ
30 燃料ストレーナ
41,42 燃料供給管
45 電磁弁
Claims (1)
- ガソリンエンジンと、前記ガソリンエンジンにより駆動される作業機とを備えるエンジン駆動作業機における燃料漏れ防止装置であって、
前記ガソリンエンジンの気化器のフロート室と燃料タンクとが燃料供給管を介して連通しており、
前記燃料供給管の中間部に燃料流路の開閉を行うための燃料コックを配設し、
前記燃料コックと前記燃料タンクとの間の上流側の前記燃料供給管に、前記ガソリンエンジンの停止と連動してコイルへの通電を遮断するように電気的に接続された電磁弁を設け、
前記電磁弁は、前記ガソリンエンジンが停止したときに前記燃料タンクからの燃料の供給を自動的に遮断して、燃料流路を閉塞することを特徴とする燃料漏れ防止装置。
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