JP3912333B2 - 光ファイバケーブル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数本の光ファイバ心線を被覆樹脂体で被覆し、屋内外の配線、或いは引落とし等に用いる光ファイバケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高速、広帯域情報通信を可能にする光通信サービスの需要が高まっている。集合住宅やオフィスビル等への引落とし用光ファイバケーブルは、屋内のMDF(Main Distributing Frame)や、MC(Media Converter)等に接続されるが、光ファイバケーブル内の光ファイバ心線は、単心状態で接続する場合が殆どである。このため、このような光ファイバケーブルでは、テープ化されたリボン状或いはテープ心線は単心分離作業が別途必要となるため、単心光ファイバ心線を1心〜複数心収容して形成したものが多くなってきている。一個所で引き落とされる光ファイバの心数は限られているので、引落とし用光ファイバケーブルに収容する光ファイバの心数は、殆どが1心〜10数心である。
【0003】
このような、光ファイバケーブルとして、例えば、ファイバ取出し性を考慮して繊維状の介在物と単心線8本を収納した多心の光ドロップケーブルが知られている(例えば、非特許文献1参照)。図5(A)及び図5(B)は、上記非特許文献1に開示されているような光ファイバケーブルの一例を説明する図である。図中、1は光ファイバ心線、2は介在物、3は抗張力線、4はケーブル本体の被覆樹脂体、5は空隙部、6は切裂きノッチ、7は支持線被覆、8は首部、9は支持線、10,10’は光ファイバケーブルを示す。
【0004】
図5(A)の支持線無しの光ファイバケーブル10は、ケーブル本体の被覆樹脂体4の中央部に円形の空隙部5を有し、この空隙部5内に繊維状の介在物2を介して複数本の光ファイバ心線1を収納した形状となっている。光ファイバ心線1の周囲を覆う繊維状の介在物2は、ケーブル本体に加わる側圧で光ファイバ心線1同士が互いに押合って微小な曲がりを生じ、伝送損失増加(マイクロベンドロス)が発生するのを抑制している。空隙部5の両側には抗張力線3が一体に埋設され、また、光ファイバ心線1を取出すためのV字状の切裂きノッチ6が形成されている。この切裂きノッチ6に切込みを入れ、引き裂くことにより内部の光ファイバ心線1を取出すことができる。
【0005】
図5(B)の光ファイバケーブル10’は、自己支持型光ファイバケーブルとして構成されたもので、支持線9を備えている以外は、図5(A)の光ファイバケーブル10と同じ構成である。支持線9は、例えば、1.2mmφの鋼線からなり、支持線被覆7を首部8を介してケーブル本体の被覆樹脂体4と一体に成形している。通常、支持線部分は、ケーブル本体の被覆樹脂体4の抗張力線3−3間を結んだ軸線の延長上に設けられる。
【0006】
【非特許文献1】
2002年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会、2002年9月10日、B−10−11
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した種類の光ファイバケーブルで、支線用(40心以下)、ドロップ用(12心以下)の用途が考えられ、最大40心程度まで収納することが必要とされる。収納される光ファイバ心線は、通常、介在物によって側圧が緩和され、また心線同士が押合うことによるマイクロベンドの発生を抑制しているが、介在物による弊害もある。光ファイバケーブルの振動等により、ケーブル内で光ファイバ心線が移動するという現象がある。この現象は、ケーブル接続部に光ファイバ心線がそれぞれ突き出してきて、光ファイバ心線が急峻に曲がって大きな伝送損失増加を生じたり、光ファイバが破断したりする等の問題を起こす。
【0008】
光ファイバ心線の移動を防ぐためは、介在物を一定密度以上に詰め込んで光ファイバ心線に側圧を与え、それらの間の摩擦で光ファイバ心線の移動を防止することが必要となる。しかし、介在物の充填密度を上げ、光ファイバ心線との側圧を大きくすると、側圧抑制のための介在物そのものがマイクロベンドロスを発生させてしまうという問題があった。介在物としてケブラー(登録商標)等の細い繊維の束を用いることで、光ファイバに対する側圧を小さく均一に分散させて、マイクロベンドロスをある程度低減することが可能であるが、それでも光ファイバの移動防止とマイクロベンドロスの排除はトレードオフの関係にあり、完全な両立は困難であった。
【0009】
また、光ファイバケーブルを所定の区間毎にループ状にして輪取りを行ない、光ファイバ心線の移動を抑制するという方法も提案されているが、信頼性や輪取りのスペースを必要とする等での問題がある。さらに、このような細径の繊維の束を用いる場合、ケーブルの端末から所定の光ファイバ心線を取り出す際に、いずれも細径の光ファイバと繊維とを分離するのに時間を要し、この作業性の悪さから、光ファイバに不用意にダメージを与えてしまうという問題もあった。
【0010】
また、収納される光ファイバ心線の心数が多くなると、横列に並ぶ光ファイバ心線の本数も多くなり、V字形の切裂きノッチを引裂いたときに、列の端に位置する光ファイバ心線が取出しにくくなるという問題がある。V字形の切裂きノッチは、切裂きやすさを期待したものであるが、切裂き口より奥まった位置の光ファイバ心線は埋まったまま引裂け、さらに介在物が邪魔になって埋まったままの光ファイバ心線の取出しは容易でない。
【0011】
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、収納された光ファイバ心線の移動を抑制すると共に損失増加が抑制でき、また、切裂きノッチによる全光ファイバ心線の取出しが容易な光ファイバケーブルを提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明による光ファイバケーブルは、公称外径0.125mmのガラスファイバに外径0.25mm±0.015mmのファイバ被覆を施した3心以上の光ファイバ心線が、段以上で撚らずに束ねられて光ファイバ心線束を構成し、その外側に密着成型された被覆樹脂体により直接被覆されており、前記被覆樹脂体の外側軸方向に、前記光ファイバ心線束を挟んで切裂きノッチが形成され、前記切裂きノッチは断面形状が溝底部に短い線条部分を有する台形状に形成されており、光ファイバケーブルの許容曲げ半径をRとし、光ファイバ心線束の上下端段の光ファイバとケーブル曲げ中立線との離間距離をDとしたとき、D/R≦0.0125とする
【0013】
また、本発明による光ファイバケーブルで、上記の切裂き用ノッチの短い線状部分Eは、横列1段に並ぶ光ファイバ心線数をNとしたとき、0 . 25N/3≦E≦0 . 25Nとする。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の対象範囲とする光ファイバケーブルの使用形態を示す図である。図中、11は幹線光ケーブル、12は支線光ケーブル、13はドロップ光ケーブル、14はクロージャ、15は集合住宅、16は一般住宅、17は支柱を示す。
【0015】
光ファイバケーブル(以下、単に光ケーブルという)を用いた光アクセス網において、一般住宅への引き込みを最終目標としたFTTH(Fiber To The Home)が進展している。このFTTHは、図1に示すように、架空又は地下とう道に敷設された幹線光ケーブル11から、街路に適当な間隔で配設された支柱17等を用いて支線光ケーブル12が一般住宅区域に敷設される。集合住宅15或いは一般住宅16には、この支線光ケーブル12の適当な個所からクロージャ14により分岐(又は分離)された光ファイバを、ドロップ光ケーブル13に接続して引落としている。
【0016】
個人用の一般住宅に対しては、1〜2心のドロップ光ケーブル13を用いることが多いが、マンション等の集合住宅では数十心のドロップ光ケーブル13が用いられる。また、屋内の光配線においても、単心〜十数心の種々の光ケーブルを用いられる。本発明は、上記の1〜2心の光ケーブルを除く、3心〜数十心の心数を有する支線用、ドロップ用、屋内配線用の光ケーブルを対象とするものである。
【0017】
図2及び図3は、本発明の実施の形態を説明する図である。図中、20は光ファイバケーブル(光ケーブル)、21は光ファイバ心線束、21aは光ファイバ心線、22は被覆樹脂体、23は抗張力線、24は支持線、25は支持線被覆、26は首部、27は切裂きノッチ、Dは離間距離、Eは線状部分、Rは曲げ半径(許容曲げ半径)、Xは中立線を示す。
【0018】
本発明は、3心以上の光ファイバ心線束21aを収容する光ケーブルで、ケーブル外被となる被覆樹脂体22で、光ファイバ心線束21を密着成形した樹脂被覆体で直接被覆した構成を用いている。すなわち、光ファイバ心線束21と被覆樹脂体22との間に、従来のような繊維状の介在物や間隙を有しない構成である。光ケーブル20内に収納される光ファイバ心線21aには、標準規格とされている公称外径0.125mmのガラスファイバに、外径0.25±0.015mmのファイバ被覆を施した光ファイバ心線(光ファイバ素線という場合も含む)が用いられる。
【0019】
被覆樹脂体22の形成に関して、一般に線条体に被覆を形成する場合、成形ダイスの構造により被覆樹脂を線条体に密着するように被覆する被覆方法と、被覆樹脂を線条体に軽く接する程度で被覆する被覆方法が知られている。本発明では、前者の被覆方法で、複数本の光ファイバ心線21aを束状にして光ファイバ心線束21とし、その外周に被覆樹脂体22を密着成形している。また、束状にされた光ファイバ心線21a間の隙間にも、被覆樹脂体22の一部が浸透されているのが望ましい。
【0020】
光ファイバ心線21a間の隙間にも被覆樹脂体22を浸透させるには、被覆樹脂を押出す被覆成形装置で、被覆される光ファイバ心線束21の部分を減圧して、心線束の隙間部分にも被覆樹脂が浸透するようにする。具体的には、成形用のクロスヘッド内を走行する光ファイバ心線束21の周りの空気をポンプで吸引し、被覆樹脂の内表面が光ファイバ心線束21の外表面に倣う程度に減圧するだけで良く、容易に実施することができる。
【0021】
新たな知見によれば、光ファイバ心線束21に被覆樹脂体22を密着させることにより、光ファイバ心線束21と被覆樹脂体22との接触面積が多くなり、被覆樹脂体22の外面から加えられる側圧を複数本の光ファイバに均一に分散させることができる。この結果、繊維状の介在物がなくてもマイクロベンドの発生を低減し、ロスの発生を抑制することができる。
【0022】
一方、それぞれの光ファイバ心線21aは、被覆樹脂体22に密着して摩擦力が増大しているため、ケーブル内での移動が抑制されている。また、光ファイバ心線21aの心数が多くなって、中心部に位置して被覆樹脂体22と直接には接していないものもあるが、複数本の光ファイバ心線21aは、被覆樹脂体22により全体が互いに密接するように束ねられ、心線間の摩擦力が大きくなっているので、ケーブル内での移動が抑制される。
【0023】
本発明において、光ケーブル20の形状自体は、複数本の光ファイバ心線21aの周囲に、空隙や介在物がない以外は、従来のケーブル構造とほぼ同じに構成することができる。図2(A)に示すように、光ファイバケーブル20は、ケーブル本体の被覆樹脂体22の中央部に複数本の光ファイバ心線21aを束状にして埋設された形状とされる。光ファイバ心線束21の形状は、円形状や矩形状になるように束ねることを意図して集線し、被覆成形装置に通すようにしても、多少の変形が生じ正確な形状に束ねることは難しい。例えば、図2(A)のように4列5段の矩形状に20本の光ファイバ心線21aを束ねて収納しようとしても、図2(C)のように形状が崩れてしまう。
【0024】
しかしながら、光ファイバ心線束21がバラバラになったり、大幅に崩れるようなことはなく、横列の本数が1〜2本程度部分的に増減し、積層段も1段程度増減する程度である。したがって、収納しようとする光ファイバ心線21aの心数を、予め所定の横列本数と積層段となるように集線して被覆することにより、それに近い配列形状で束ねることは可能である。また、光ファイバ心線束21に撚りをかけて樹脂被覆すると、撚りのため光ファイバ心線毎に接続トレイに収納しにくい等、作業性面でよくないので、撚りなしで収納する。
【0025】
光ファイバ心線束21の両側には抗張力線23が一体に埋設され、両側の抗張力線23を通る軸線の延長線上に支持線24が埋設される。支持線24は、例えば、1.2mmφの鋼線からなり、支持線被覆25を首部26を介してケーブル本体の被覆樹脂体22と一体に成形している。なお、図2〜3においては、自己支持型の光ケーブルとして支持線26を設けた例を示したが、支持線なしの場合は、首部26から除去した形状のものとなる。また、被覆樹脂体22の両側面には、光ファイバ心線束21を取出すための切裂きノッチ27が形成されている。
【0026】
以上のように構成された光ケーブル20は、光ファイバ心線束21とその両側に埋設される抗張力線23とが一列に並ぶため、ケーブル断面に異方性が生じる。このため、光ケーブル20を曲げるとき、抗張力線3−3間を結んだ軸線を中心に曲げるのが最も曲げ易くなる。以下、このような最も曲げ易い軸線を曲げの中立線Xという。また、光ケーブル20を図2(B)に示すように、曲げ半径Rで曲げたとき、曲げの中立線X上では伸び歪も圧縮歪も発生しないが、曲げの中立線Xより外側では伸び歪、内側では圧縮歪が発生する。この場合、特に内側に配され圧縮歪を受ける光ファイバ心線に曲げ損失が発生する。
【0027】
したがって、光ファイバ心線束21の中心が中立線X上に位置するように束ねられるとして、光ファイバ心線束21の上下端段に位置する光ファイバ心線21aとケーブル曲げ中立線Xとの離間距離Dによって、曲げ損失が変化する。これについて、外径0.125mmのガラスファイバに外径0.25mmのファイバ被覆を施した光ファイバ心線21aを曲げ径方向(中立線Xから離間する方向)に5段以上に積層して、曲げ径と積層段による曲げ損失の関係を調べた。なお、実際上は図2(C)のような積層状態になることが予想されるが、調査に際しては図2(A)の積層状態を想定した。
【0028】
この結果、曲げ半径Rが50mmの場合は、曲げ損失を0.1dB以下とするには、積層段数は5段以内であった。積層段が5段の場合、上記の離間距離Dは、ほぼ0.625mm以下であり、その歪率(D/R×100%)は1.25%以下である。また、曲げ半径Rが40mmの場合は、曲げ損失を0.1dB以下とするには、積層段数は4段以内であった。この積層段が4段の場合、同離間距離Dは、ほぼ0.5mm以下であり、同歪率は1.25%以下である。また、曲げ半径30mmの場合は、曲げ損失を0.1dB以下とするには、積層段数は3段以内であった。積層段が3段の場合、同離間距離Dは、ほぼ0.375mm以下であり、同歪率は1.25%以下である。
【0029】
以上のことから、光ケーブルの許容曲げ半径がRであるとき、上下端段に位置する光ファイバ心線21aが中立線Xから最も離間し、歪が大きいこの離間距離をDとしたとき、その歪率(D/R×100%)が、1.25%以下である必要がある。すなわち、光ケーブルの曲げ損失を0.1dB以下に抑えるには、D/R≦0.0125であることが望ましい。
【0030】
図3(A)〜(C)は、光ファイバ心線束21の積層段を4段、3段、2段とした例を示す図である。積層段数は、D/R≦0.0125の範囲において、上述の曲げ損失の関係から光ケーブル20の許容曲げ半径によって異ならせることができる。大よその目安として、図2(A)の曲げ許容半径が50mmに設定されている光ケーブルの場合は、5段以下の積層段であれば、曲げ損失を0.1dB以下に抑えることができる。図3(A)の許容曲げ半径が40mmに設定されている場合は4段以下の積層段であれば、曲げ損失を0.1dB以下に抑えることができる。また、図3(B),(C)のように許容曲げ半径が30mmに設定されている場合は3段、本数が少ない場合は2段の積層段であれば、曲げ損失を0.1dB以下に抑えることができる。
【0031】
なお、光ファイバ心線束21の中心位置が、中立線Xから内側又は外側にずれる場合がある。このような場合は、あくまで、中立線Xからの離間距離Dで、許容曲げ半径が設定されていることが望ましい。また、収納される光ファイバ心線21aの心数が少ない場合は、中立線Xに沿って、横一列の1段で構成される場合がある。しかし、この場合、収納する光ファイバ心線21aの心数によっては、ケーブル断面の横列方向の寸法が大きくなり、また、次に述べる切裂きノッチ27からの光ファイバ心線21aの取出しが難しくなることある。
【0032】
光ケーブル20の中立線Xに平行な両側面には、軸方向に沿って被覆樹脂体22を容易に切裂いて、光ファイバ心線21aを取出しやすくするための切裂きノッチ27が設けられている。本発明では、切裂きノッチ27の断面形状を、溝底部に短い線状部分Eを有する台形状のノッチ形状としている。切裂きノッチ27の短い線状部分Eは、中立線Xに平行で、収納される光ファイバ心線束21の横列の中央部に位置するように形成される。線状部分Eは、種々実験を行なってみると、光ファイバ心線21aのファイバ被覆外径が0.25mmで、N本の光ファイバ心線が並んでいるとすると、0.25N/3≦E(mm)≦0.25Nとすることで良好な結果が得られている。
【0033】
図5に示す従来のV字状ノッチでは、線状部分Eが実質的にゼロで、切裂き口から奥まった位置にある光ファイバ心線の取出しが容易でない場合がある。しかし、図2,3のように、台形状の切裂きノッチ27の線状部分Eが収納された光ファイバ心線21aの横列線幅の1/3以上あると、切裂いた際に光ファイバ心線束21の全体を比較的容易に取出すことができる。その理由や詳細なメカニズムは解明しきれていないが、現象的には被覆樹脂のネッキング現象の範疇であると推定され、引裂く際に線状部分が伸びて中の光ファイバ心線を被覆樹脂の接着面から引離すように作用すると考えられる。
【0034】
また、上述したように、光ファイバ心線21aの周囲には繊維状の介在物が存在しないため、介在物からのより分けが不要で、その作業性はさらに向上する。なお、線状部分Eが長すぎると、被覆樹脂体22を引裂くのに大きな力を要するため作業性が悪くなり、場合によっては裂いた勢いでファイバ断線に至ることもあり、光ファイバ心線21aの横列線幅以下とするのが望ましい。
【0035】
図4は、上述した光ケーブルの製造方法の概略を説明する図である。図中、28は光ファイバ心線供給リール、29は集線装置、30は鋼線供給リール、31は被覆成形装置、32は被覆冷却装置、33はキャプスタンホイール、34は巻取りドラムを示す。その他の符号は、図2に用いたのと同じ符号を用い説明を省略する。
【0036】
図4に示されるように、光ケーブル20は、光ファイバ心線供給リール28から複数本の光ファイバ心線21aが供給される。光ファイバ心線21aは、公称外径0.125mmのガラスファイバに外径0.25mm±0.015mmのファイバ被覆が施されたものである。この光ファイバ心線21aは、集線装置29により所定の心数列と積層段の光ファイバ心線束となるように集線される。また、抗張力線23には、例えば、直径0.4mmの鋼線が鋼線供給リール30から供給されて、被覆成形装置31により光ファイバ心線束の外周に被覆樹脂体が押出し成形され、被覆冷却装置32により硬化される。
【0037】
被覆成形装置31では、被覆樹脂が光ファイバ心線束の外面に密着成形される。また、必要に応じて光ファイバ心線束の通路の減圧を減圧して、光ファイバ心線束の隙間部分にも被覆樹脂が十分浸透するようにする。光ケーブル20の被覆樹脂体が成形され、冷却された後は、キャプスタンホイール33に巻付けて引取られ、巻取りドラム34に巻取られる。
【0038】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、光ファイバ心線束を被覆樹脂体により直接被覆して、光ケーブルに加わる側圧を複数の光ファイバ心線に分散させることで側圧緩衝の介在物を不要とし、光ファイバの移動を抑制することができる。また、許容曲げ半径と光ファイバ心線束の積層段を所定の範囲に抑えることにより、曲げによる損失増加を抑制することができる。さらに、切裂きノッチを溝底部に線状部分を有する台形状とすることにより、光ファイバ心線の取出しを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象範囲とする光ファイバケーブルの使用形態を示す図である。
【図2】本発明の実施形態を説明する図である。
【図3】本発明の他の実施形態を説明する図である。
【図4】本発明による光ケーブルの製造方法の概略を説明する図である。
【図5】従来技術を説明する図である。
【符号の説明】
11…幹線光ケーブル、12…支線光ケーブル、13…ドロップ光ケーブル、14…クロージャ、15…集合住宅、16…一般住宅、17…支柱、20…光ファイバケーブル(光ケーブル)、21…光ファイバ心線束、21a…光ファイバ心線、22…被覆樹脂体、23…抗張力線、24…支持線、25…支持線被覆、26…首部、27…切裂きノッチ、28…光ファイバ心線供給リール、29…集線装置、30…鋼線供給リール、31…被覆成形装置、32…被覆冷却装置、33…キャプスタンホイール、34…巻取りドラム、D…離間距離、E…線状部分、R…曲げ半径(許容曲げ半径)、X…中立線。

Claims (2)

  1. 公称外径0.125mmのガラスファイバに外径0.25mm±0.015mmのファイバ被覆を施した3心以上の光ファイバ心線が、段以上で撚らずに束ねられて光ファイバ心線束を構成し、その外側に密着成形された被覆樹脂体により直接被覆されており、前記被覆樹脂体の外側軸方向に、前記光ファイバ心線束を挟んで切裂きノッチが形成され、前記切裂きノッチは断面形状が溝底部に短い線条部分を有する台形状に形成されており、光ファイバケーブルの許容曲げ半径をRとし、光ファイバ心線束の上下端段の光ファイバとケーブル曲げ中立線との離間距離をDとしたとき、D/R≦0.0125であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  2. 前記切裂きノッチの溝底部の線状部分E(mm)は、横列1段に並ぶ光ファイバ心線数をNとしたとき、0.25N/3≦E≦0.25Nであることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル。
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