JP3912005B2 - 現像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、感光体ドラムや感光体ベルトなどの像担持体上に形成された静電潜像にトナーを付着させて顕像化するプリンタ、複写機、ファクシミリ装置などの電子写真方式の画像形成装置において用いられる現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の現像装置としては一成分系トナーを用いた一成分系現像方式の装置がある。例えば特開平7−44011号公報には、現像ローラ(現像スリーブ)の表面に非磁性トナーの薄層を形成し、これを所定の現像位置で像担持体たる感光体ドラムの表面に接触させることにより現像を行う装置が記載されている。より具体的には、この現像ローラは、感光体ドラムに対して弾性的にかつ、変形によりニップ幅をもって接触して感光体ドラムの回転方向と逆の方向に回転して像担持体に対向する現像位置にトナーを搬送するように構成されている。そして、この現像ローラを挟んで現像位置と反対側に供給ローラ(トナー供給体)が設けられており、現像器本体に設けられたトナー貯留部に貯留されている非磁性の一成分系トナーを現像ローラに供給する。また、現像ローラの下方側には、その先端部が現像ローラに当接するように規制ブレードが配設されており、現像ローラによる現像位置へのトナーの搬送量を規制し、現像ローラの表面にトナーの薄層を形成する。なお、こうして形成されたトナーは現像位置に搬送されて感光体ドラム上の潜像を現像する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように構成された現像装置では、長期間の使用により、非磁性一成分系トナーを劣化させてしまうことがあった。例えば、現像ローラ上のトナーが供給ローラや規制ブレードで摺擦されてトナーが割れてしまうことがあった。また、その接触位置でトナーと外添剤が擦られることにより、外添剤のトナー母粒子への埋まり込み等が発生したり、外添剤がトナーから離脱してしまう等の問題があった。さらに、このような劣化トナーは現像ローラや規制ブレードの表面にフィルム状に残存付着する、いわゆるフィルミングという現象を引き起こすことがある。このような要因によって、濃度ムラが発生したり、粒状性の低い画像が形成されてしまい、画像不良を招いてしまうことがあった。
【0004】
ここで、劣化トナーの影響を抑えるためには、劣化トナーをトナー貯留部に戻し、当該トナー貯留部に貯留されているフレッシュトナーと混合することが有効な対策の一つとなる。しかしながら、従来装置では、トナー貯留部への劣化トナーの回収効率が決して高いとはいえなかった。また、従来装置では、規制ブレードと現像ローラとが相互に当接する当接位置には比較的広い空間が形成されており、この空間に劣化トナーが圧粉状態で滞留することがあった。このため、トナー貯留部への劣化トナーの回収が進まず、劣化トナーに起因する画像不良を改善することを困難としている。
【0005】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、フレッシュトナーが貯留されたトナー貯留部への劣化トナーの回収効率を高めて劣化トナーによる画像不良を抑制し、像担持体上の潜像を高品質で、かつ安定してトナー現像することができる現像装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる現像装置は、上記目的を達成するため、トナーを担持しながら回転することによって、像担持体に対向する現像位置にトナーを搬送するトナー担持体と、前記トナー担持体の回転方向における前記現像位置に対する上流側で前記トナー担持体と接触しながら前記回転方向と逆の方向に回転することによって、前記トナー担持体にトナーを供給するトナー供給体と、前記トナー担持体と前記トナー供給体とが相互に接触する接触位置より前記トナー担持体の回転方向下流であり、かつ前記現像位置より上流の当接位置で、余剰のトナーを規制して前記トナー担持体の表面に帯電したトナー薄層を形成する規制手段と、前記トナー供給体の回転方向における前記接触位置に対する上流側でトナーを貯留するトナー貯留部と、前記トナー供給体の周面の一部に沿って前記トナー貯留部から前記規制手段に延設され、前記トナー供給体の周面とで挟まれたトナー循環領域を形成する循環領域形成手段とを備えている。ここで、前記トナー循環領域を挟む前記トナー供給体と前記循環領域形成手段との間隔が略一定とされ、しかも、前記トナー循環領域が前記トナー貯留部の下方に位置するように構成される。
【0007】
このように構成された現像装置では、トナー供給体がトナー担持体の回転方向と逆の方向に回転する、つまりウイズ回転すると、トナー循環領域においてトナー供給体の表面近傍ではトナー供給体の回転に引っ張られるようにトナーが規制手段側からトナー貯留部側に流動する。このようなトナー流動に乗って、接触位置の近傍や当接位置の近傍に存在する劣化トナーがトナー貯留部側に搬送回収され、トナー貯留部でフレッシュトナーと混合される。その結果、接触位置や当接位置で発生した劣化トナーが効率よく当該トナー流動に乗ってトナー貯留部に搬送回収される。
【0009】
また、前記規制手段としては、例えばその後端部が固定される一方、その先端部が前記当接位置で前記トナー担持体の表面に弾性的に当接するように構成されたものを採用することができるが、当接位置での過搬送を防止する観点から、トナー担持体の回転方向において先端部が後端部よりも上流側に配置されるように構成するのが望ましい。
【0010】
また、前記規制手段については、鉛直方向において前記接触位置よりも下方側に配置することができ、この場合、前記トナー供給体の回転中心を通過する仮想水平線および仮想垂直線によって形成された4つの象限のうち前記規制手段が配設される象限内において、前記トナー供給体と前記循環領域形成手段との間隔が最も狭くなるように構成すればよい。
【0011】
また、前記循環領域形成手段を鉛直方向において前記トナー供給体よりも高い位置まで延設すれば、劣化トナーをトナー貯留部に確実に回収することができる。
【0012】
さらに、この発明にかかる現像装置の他の構成は、請求項1ないし4のいずれかの現像装置と同一構成を有する複数の現像器と、回転自在に設けられるとともに、前記複数の現像器を回転方向に沿って配列したまま保持する現像器保持手段とを備え、前記現像器保持手段を回転位置決めすることによって、前記複数の現像器のうち一の現像器が選択的に前記像担持体に対向配置されて当該現像器による前記現像位置へのトナー搬送を行っている。このように構成されたロータリー現像装置においては、各現像器において劣化トナーがトナー貯留部に回収されるだけではなく、現像器保持手段の回転動作によって各現像器内において劣化トナーがフレッシュトナーと効率よく混合される。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明にかかる現像装置の一実施形態を装備する画像形成装置を示す図である。この画像形成装置では、装置本体1内に感光体2が同図の矢印方向D1に回転自在に設けられている。また、この感光体2の周りにその回転方向D1に沿って、帯電手段としての帯電器3、現像手段としてのロータリー現像ユニット4およびクリーニング部5がそれぞれ配置されている。帯電器3は帯電バイアス回路(図示省略)から帯電バイアスが印加されており、感光体2の外周面を均一に帯電させる。
【0014】
そして、この帯電器3によって帯電された感光体2の外周面に向けて露光ユニット6からレーザ光Lが照射される。この露光ユニット6は、画像形成指令を画像展開して得られる画像データに応じてレーザ光Lを感光体2上に走査露光して感光体2上に画像形成指令に対応する静電潜像を形成する。
【0015】
こうして形成された静電潜像は現像ユニット4によってトナー現像される。すなわち、この実施形態では現像ユニット4として、イエロー用の現像器4Y、シアン用の現像器4C、マゼンタ用の現像器4M、およびブラック用の現像器4Kが軸中心に回転自在に設けられている。これらの現像器4Y,4C,4M,4Kは回転位置決めされるとともに、感光体2に対して選択的に当接し、トナーを感光体2の表面に付与する。これによって、感光体2上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。なお、現像ユニット4の構成および動作については、後で詳細に説明する。
【0016】
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。また、一次転写領域TR1から周方向(図1の回転方向D1)に進んだ位置には、クリーニング部5が配置されており、一次転写後に感光体2の外周面に残留付着しているトナーを掻き落とす。
【0017】
転写ユニット7は、複数のローラに掛け渡された中間転写ベルト71と、中間転写ベルト71を回転駆動する駆動部(図示省略)とを備えている。そして、カラー画像をシート部材Sに転写する場合には、感光体2上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、所定の二次転写領域TR2において、カセット8から取り出されたシート部材S上にカラー画像を二次転写する。なお、こうしてカラー画像が形成されたシート部材Sは定着ユニット9を経由して装置本体1の上面部に設けられた排出トレイ部11に搬送される。
【0018】
次に、図1の画像形成装置に装備されたロータリー現像ユニット4の構成および動作について詳述する。図2は、この発明にかかる現像装置の一実施形態たるロータリー現像ユニットを示す図である。また、図3は、図2の現像器の部分拡大図である。このロータリー現像ユニット4は、図2に示すように、その中心に回転軸4aを有すると共にかかる回転軸4aに固定された支持フレーム4bを有しており、前述した4色の現像器4Y,4C,4M,4Kは固定金具(図示省略)によって支持フレーム4bに回転軸4aを中心として放射状に固定されている。また、回転軸4aには図示外の駆動部がクラッチを介して接続されており、この駆動部を駆動することで支持フレーム4bを回転させ、上記4つの現像器4Y,4C,4M,4Kの一の現像器を選択的に感光体2と対向する現像位置DP(図3)に位置決めできるようになっている。このように、この実施形態では、支持フレーム4bが本発明の「現像器保持手段」に相当する。
【0019】
この支持フレーム4bに保持されている現像器4Y,4C,4M,4Kはいずれも同一構成を有している。したがって、ここでは、現像器4Yの構成について詳述し、その他の現像器4C,4M,4Kについては同一符号を付し、その構成説明を省略する。
【0020】
現像器4Yでは、2つのハウジング部材41,42が一体的に組み合わされて現像装置の装置本体となるハウジング43が形成されている。このハウジング43内部には、ハウジング部材41の略中央部からハウジング部材42に向けて突設された隔壁411によってトナー収容部44とトナー貯留部45とに仕切られている。このトナー収容部44はイエロートナーを予め収容しておく空間である一方、トナー貯留部45はトナー現像時の使用量に相当する分のトナーTをトナー収容部44から受け取り、トナー現像処理中、現像に供するトナーを貯留しておくための空間である。したがって、この実施形態では、トナー貯留部45に比べてトナー収容部44が比較的大きく設定されている。
【0021】
このトナー貯留部45には、供給ローラ46が配置されており、ハウジング43の最先端側で回転駆動される現像ローラ47と接触しながら、現像ローラ47とウイズ方向に回転する。すなわち、この実施形態では、現像ローラ47はトナーTを担持しながら、感光体2の回転方向D1と反対方向D2に回転し、現像位置DP(図3)でトナーTを感光体2の表面に付着させるように構成されている。そして、この現像ローラ47にトナーTを供給すべく、現像ローラ47の回転方向D2における現像位置DPに対して上流側となる接触位置CP(図3)で供給ローラ46が現像ローラ47と接触しながら、現像ローラ47の回転方向D2と反対方向D3に回転する。これによって、イエロートナーTが現像ローラ47の表面に擦り付けられて所定厚み(例えば数10μm)のトナー層が現像ローラ47表面に形成される。このように、この実施形態では、供給ローラ46および現像ローラ47がそれぞれ本発明の「トナー供給体」および「トナー担持体」として機能している。
【0022】
また、接触位置CPと現像位置DPとに挟まれた当接位置EP(図3)には、本発明の「規制手段」に相当する規制ブレード48が配置されている。この規制ブレード48は、ステンレスや銅などの板状部材481と、板状部材481の先端部に取り付けられたゴムや樹脂部材などの弾性部材482とで構成されている。この板状部材481の後端部は、いわゆるカウンタ状態でハウジング部材41に固着されている。すなわち、現像ローラ47の回転方向D2において、板状部材481の先端部に取り付けられた弾性部材482が板状部材481の後端部よりも上流側に位置するように配設されている。そして、その弾性部材482は当接位置EPで現像ローラ47表面に弾性的に当接されている。このため、規制ブレード48によって現像ローラ47の表面に形成されるトナー層の厚みが最終的に10μm程度に規制される。このとき、規制ブレード48との摩擦によってもトナーは同じ極性に帯電される。このようにして現像ローラ47に対して所定極性に帯電されたトナーTが現像位置DPに供給され、感光体2上の静電潜像を現像ローラ47上のトナーTによって現像することができる。
【0023】
一方、規制ブレード48によって現像ローラ47から掻き取られた余剰のトナー、つまり劣化トナーについては、ハウジング部材41の底部412および隔壁411と、供給ローラ46とに挟まれた領域Rを経由してトナー貯留部45に回収される。つまり、この実施形態では、ハウジング部材41の底部412および隔壁411が本発明の「循環領域形成手段」に相当する循環領域形成部413として機能している。より詳しくは、この循環領域形成部413が供給ローラ46の周面から所定間隔Δだけ離間しながら、当該周面に沿ってトナー貯留部45から規制ブレード48に延設され、供給ローラ46の周面とで挟まれたトナー循環領域Rを形成している。そして、供給ローラ46が回転方向D3に回転することでトナー循環領域Rにおいて太矢印Fで示すようなトナー循環が発生し、このトナー循環に乗って劣化トナーがトナー貯留部45に効率良く回収される。なお、図3のトナー循環については、次に説明する種々の実験から合理的に考察することができる。以下、実験内容、実験結果ならびに考察結果について、図3ないし図7を参照しつつ詳述する。
【0024】
まず、上記のように構成された各現像器4Y,4C,4M,4Kにおけるトナー流動を調べるために、図4に示すように、トナー貯留部45に貯留されているトナーTに異なるトナー色を有するトナーT′を図4の斜線領域に局部的に仕込んだ後、感光体2、現像ローラ47および供給ローラ46をウイズ方向に回転動作させた(実験A)。すると、次の2つの現象が確認された(実験Aの結果)。
【0025】
まず第1点目に、図5の太矢印F1で示すように、トナー貯留部45の表層部において供給ローラ46の回転方向D3と逆向きでトナーが流動することが確認された。また第2点目として、供給ローラ46の回転開始から数秒程度でトナー循環領域Rを含む広い範囲(図5の斜線範囲)にわたってトナーT,T′が相互に混ざり合っていることが確認された。したがって、トナー循環領域Rでは、図3に示すように供給ローラ46の周面近傍のトナーは供給ローラ46の回転力の影響を強く受けて回転方向D3と同一方向に積極的に流動する一方、循環領域形成部413の近傍のトナーは供給ローラ46による積極的なトナー流動に追随する形で供給ローラ46の回転方向D3と反対方向に連動的に流動すると考えられる。また、トナー循環領域Rのうち最も接触位置CPや当接位置EPに近接する位置では、流動方向が折り返されると考えられる。
【0026】
次に、図6に示すように、トナー循環領域Rのトナー貯留部45側に樹脂フィルムや薄板などの蓋部材49を設けてトナー貯留部45からトナー循環領域Rへのトナー流入を規制する。そして、この状態のまま、感光体2、現像ローラ47および供給ローラ46をウイズ方向に回転動作させた(実験B)。すると、10分程度動作させたとしても、トナー循環領域Rに劣化トナーが充満するというわけではなく、図7に示すように、トナー循環領域Rの底部に劣化トナーがわずかに存在する程度である(実験Bの結果)。
【0027】
以上のように、この実施形態によれば、実験Bの結果から明らかなようにトナー現像を行っている際に発生する劣化トナー量はトナー循環領域Rの容積に比べて非常に少なく、接触位置CPや当接位置EPで発生した劣化トナーについては、トナー循環領域Rで形成される供給ローラ46の表面近傍の積極的なトナー流れに乗ってフレッシュトナーTが貯留されているトナー貯留部45に搬送され、フレッシュトナーTに混ぜ合わされる。しかも、実験Aの結果から明らかなようにトナー循環領域Rでのトナー循環流動は供給ローラ46の回転開始から短時間、例えば数秒程度で形成されており、初期段階で発生する劣化トナーについても確実に回収することができる。したがって、供給ローラ46表面に形成されるトナー流動によって劣化トナーがトナー貯留部45に確実に、しかも効率良く回収され、フレッシュトナーTと混ぜ合わされるため、劣化トナーによる画像不良を抑制し、像担持体上の潜像を高品質で、かつ安定してトナー現像することができる。
【0028】
また、ロータリー現像ユニット4では、トナー色を切り替えるたびに現像ユニット4を回転軸4aを中心として90゜ずつ回転させるため、その回転中に各現像器では、トナー貯留部45内のトナーと、トナー収容部44内のフレッシュトナーとが混合される。したがって、上記のようにしてトナー貯留部45に回収された劣化トナーをさらにより多くのフレッシュトナーと混合することができ、劣化トナーの影響をさらに抑制することができる。
【0029】
また、上記実施形態では供給ローラ46が現像ローラ47の回転方向D2と反対方向D3に回転する、いわゆるウイズ回転するように構成しているが、これは過搬送による当接位置EPでのトナー漏れを防止する上で効果的である。その理由について、比較例を示して説明する。
【0030】
図8は、図2の現像器において供給ローラをアゲインスト方向に回転させた場合のトナー流動を示す模式図である。同図に示す現像器では、供給ローラ46は現像ローラ47の回転方向D2と同一方向D4に回転し、いわゆるアゲインスト回転している。この場合、同図の太矢印F2で示すように、トナー貯留部45の表層部において供給ローラ46の回転方向D4と逆向きでトナーが流動することが確認されるとともに、当接位置EPからトナーの過搬送が確認された。このように過搬送が発生する主たる理由は、次のように考察することができる。
【0031】
トナー貯留部45の表層部におけるトナー流動方向が太矢印F2で示すように回転方向D4と反対方向となっていることから、トナー循環領域Rでのトナー循環は同図の太破線に示すように図3の実施形態と全く逆のトナー流動を示すと考えられる。つまり、図8に示すように供給ローラ46の周面近傍のトナーは供給ローラ46の回転力の影響を強く受けて回転方向D4と同一方向に積極的に流動し、トナー循環領域R内をトナー貯留部45側から当接位置EP側に搬送する一方、循環領域形成部413の近傍のトナーは供給ローラ46による積極的なトナー流動に追随する形でトナー貯留部45側に連動的に流動すると考えられる。したがって、供給ローラ46の回転力を受けて当接位置EP側に流動してきたトナーが当接位置EP近傍で圧粉状態となり、過搬送が発生したと考えられる。
【0032】
これに対して、供給ローラ46を現像ローラ47に対してウイズ回転させている実施形態(図3)では、常に供給ローラ46の回転力によって当接位置EP近傍のトナーをトナー貯留部45側に流動させているため、図8に示す比較例とは異なり、過搬送を効果的に防止することができる。
【0033】
さらに、上記実施形態では、規制ブレード48がカウンタ状態で配置されているが、これも過搬送による当接位置EPでのトナー漏れを防止する上で効果的である。その理由について、比較例を示して説明する。
【0034】
図9は、図2の現像器において規制ブレードをトレール状態で配置した場合のトナー流動を示す模式図である。同図に示す現像器では、現像ローラ47の回転方向D2において、板状部材481の先端部に取り付けられた弾性部材482が板状部材481の後端部よりも下流側に位置するように配設されている。この現像器では、供給ローラ46を現像ローラ47に対してウイズ回転させた場合であっても、当接位置EPからトナーの過搬送が確認された。このように過搬送が発生する主たる理由は、次のように考察することができる。
【0035】
図9の現像器では、トナー循環領域Rのうち接触位置CPや当接位置EPに近接する領域R1が図3の現像器に比べて大きく広がり、供給ローラ46の回転によるトナー回収力が当該領域R1全体に及ばないため、当該領域R1でトナーが圧粉状態となり、過搬送が発生したと考えられる。
【0036】
これに対し、この実施形態では、規制ブレード48がカウンタ状態で配置され、トナー循環領域Rのうち接触位置CPや当接位置EPに近接する領域をコンパクトとなるため、当該領域全体に供給ローラ46の回転によるトナー回収力が作用して当該領域のトナーをトナー貯留部45に回収可能となっている。したがって、当該領域でトナーは圧粉状態とならず、過搬送を効果的に防止することができる。
【0037】
なお、上記実施形態では、供給ローラ46と循環領域形成部413との間隔Δを均一に設定しているが、当該間隔Δが規制ブレード48の先端部近傍で最も狭くなるように設定してもよく、この場合、当該領域をより小さくすることができ、劣化トナーの回収効率をさらに高めることができる。より具体的には、図10に示すように、供給ローラ46の回転中心を通過する仮想水平線Xおよび仮想垂直線Yによって形成された4つの象限[1]〜[4]のうち規制ブレード48が配設される象限[4]内において、供給ローラ46と循環領域形成部413との間隔Δ[4]が最も狭くなるように構成すればよい。
【0038】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態はロータリー現像装置に本発明を適用しているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、各現像器4Y,4C,4M,4Kが独立して設けられる場合にも、各現像器に本発明を適用することによって上記実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0039】
また、上記実施形態では、規制手段として板状部材481の先端部に弾性部材482を取り付けてなる規制ブレード48を採用しているが、ステンレスや銅などの板状ブレードを採用している現像装置に対して本発明を適用可能であることはいうまでもない。
【0040】
また、上記実施形態では、4色のトナーを用いたカラー画像を形成することができる画像形成装置に装備された現像装置に対して本発明を適用しているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、モノクロ画像のみを形成する画像形成装置に装備されるモノクロ専用の現像装置にも当然に適用することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、トナー供給体をトナー担持体の回転方向と逆の方向に回転する、つまりウイズ回転させてトナー供給体の表面近傍でトナー供給体の回転に引っ張られるようにトナーがトナー循環領域内で規制手段側からトナー貯留部側に流動するように構成しているので、当該トナー流動に乗って、接触位置の近傍や当接位置の近傍に存在する劣化トナーをトナー貯留部側に搬送回収することができ、トナー貯留部への劣化トナーの回収効率を高めることができる。したがって、トナー貯留部で劣化トナーをフレッシュトナーと混合させて劣化トナーによる画像不良を抑制し、像担持体上の潜像を高品質で、かつ安定してトナー現像することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる現像装置の一実施形態を装備する画像形成装置を示す図である。
【図2】この発明にかかる現像装置の一実施形態たるロータリー現像ユニットを示す図である。
【図3】図2の現像器の部分拡大図である。
【図4】図2の現像器内でのトナー流動状態を検証するための実験Aを説明するための図である。
【図5】実験Aを実行することによって得られた実験結果を示す図である。
【図6】図2の現像器内でのトナー流動状態を検証するための実験Bを説明するための図である。
【図7】実験Bを実行することによって得られた実験結果を示す図である。
【図8】図2の現像器において供給ローラをアゲインスト方向に回転させた場合のトナー流動を示す模式図である。
【図9】図2の現像器において規制ブレードをカウンタ状態で配置した場合のトナー流動を示す模式図である。
【図10】この発明にかかる現像装置の他の実施形態を示す部分拡大図である。
【符号の説明】
2…感光体(像担持体)
4…ロータリー現像ユニット
4Y,4C,4M,4K…現像器
4a…回転軸
4b…支持フレーム(現像器保持手段)
45…トナー貯留部
46…供給ローラ(トナー供給体)
47…現像ローラ(トナー担持体)
48…規制ブレード(規制手段)
411…隔壁(循環領域形成手段)
412…底部(循環領域形成手段)
413…循環領域形成部(循環領域形成手段)
481…板状部材
482…弾性部材
CP…接触位置
D1…(像担持体の)回転方向
D2…(トナー担持体の)回転方向
D3…(トナー供給体の)回転方向
DP…現像位置
EP…当接位置
R…トナー循環領域
T…トナー
X…仮想水平線
Y…仮想垂直線
Δ,Δ[4]…間隔
Claims (5)
- トナーを担持しながら回転することによって、像担持体に対向する現像位置にトナーを搬送するトナー担持体と、
前記トナー担持体の回転方向における前記現像位置に対する上流側で前記トナー担持体と接触しながら前記回転方向と逆の方向に回転することによって、前記トナー担持体にトナーを供給するトナー供給体と、
前記トナー担持体と前記トナー供給体とが相互に接触する接触位置より前記トナー担持体の回転方向下流であり、かつ前記現像位置より上流の当接位置で、余剰のトナーを規制して前記トナー担持体の表面に帯電したトナー薄層を形成する規制手段と、
前記トナー供給体の回転方向における前記接触位置に対する上流側でトナーを貯留するトナー貯留部と、
前記トナー供給体の周面の一部に沿って前記トナー貯留部から前記規制手段に延設され、前記トナー供給体の周面とで挟まれたトナー循環領域を形成する循環領域形成手段とを備え、
前記トナー循環領域を挟む前記トナー供給体と前記循環領域形成手段との間隔が略一定とされ、しかも、前記トナー循環領域が前記トナー貯留部の下方に位置することを特徴とする現像装置。 - 前記規制手段は、その後端部が固定される一方、その先端部が前記当接位置で前記トナー担持体の表面に弾性的に当接するように構成されており、しかも、
前記トナー担持体の回転方向において前記先端部が前記後端部よりも上流側に配置されている請求項1記載の現像装置。 - 前記規制手段は鉛直方向において前記接触位置よりも下方側に配置されており、
前記トナー供給体の回転中心を通過する仮想水平線および仮想垂直線によって形成された4つの象限のうち前記規制手段が配設される象限内において、前記トナー供給体と前記循環領域形成手段との間隔が最も狭くなっている請求項1または2記載の現像装置。 - 前記循環領域形成手段は鉛直方向において前記トナー供給体よりも高い位置まで延設されている請求項1ないし3のいずれかに記載の現像装置。
- 請求項1ないし4のいずれかの現像装置と同一構成を有する複数の現像器と、
回転自在に設けられるとともに、前記複数の現像器を回転方向に沿って配列したまま保持する現像器保持手段とを備え、
前記現像器保持手段を回転位置決めすることによって、前記複数の現像器のうち一の現像器が選択的に前記像担持体に対向配置されて当該現像器による前記現像位置へのトナー搬送が行われることを特徴とする現像装置。
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