JP3910500B2 - 高周波スイッチ、単極双投スイッチおよび多極多投スイッチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、高周波回路において使用される高周波スイッチ、単極双投スイッチおよび多極多投スイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図13は例えばTHE IEEE MICROWAVE AND WIRELESS COMPONENTS LETTERS、FEB.15.2001に示された従来の高周波スイッチを示す斜視図であり、図において、101は基板、102a,102bはグランド面、103a,103bは信号線、104a,104bはアンカー、105はメタルブリッジ、106は線路、107は誘電体膜である。アンカー104a,104bとメタルブリッジ105を介して、信号線103aと信号線103bとが接続されている。線路106により、グランド面102aとグランド面102bとが接続されている。また、メタルブリッジ105と誘電体膜107とは空間的に分離されている。アンカー104a,104bは導電性材料から成る。信号線103a,103bと、その両脇に存在するグランド面102a,102bとでコプレーナ線路が形成されている。
【0003】
図14は従来の高周波スイッチを示す回路図であり、図において、108a,108bは信号線103a,103bに相当する伝送線路、109はスイッチの動作状態によりキャパシタンスが変化する可変キャパシタ、110はインダクタ、111は抵抗である。
【0004】
次に動作について説明する。
信号線103a,103bに電圧を印加しない場合、信号線103aに入力された高周波信号は、アンカー104a,104bとメタルブリッジ105を介して信号線103bへ伝送する。その際、メタルブリッジ105は、誘電体膜107と空間的に分離されているので、可変キャパシタ109は、非常に小さなキャパシタンスを呈し、ほぼオープンと見なすことができる。この時、スイッチはオン状態である。
【0005】
信号線103a,103bに電圧を印加した場合、例えば、正の電圧を印加した場合、メタルブリッジ105の表面上に正電荷が発生すると共に、静電誘導により線路106の上面に負電荷が現れ、両者間の吸引力により、メタルブリッジ105は線路106側に引き寄せられる。その際、メタルブリッジ105は、誘電体膜107に接触し、高周波的に線路106を介してグランド面102a,102bと接続される。信号線103aに入力された高周波信号は、誘電体膜107が呈する可変キャパシタ109と、線路106が呈するインダクタ110および抵抗111を介してグランド面102a,102bに流れるため、信号線103bに信号は伝送しない。この時、スイッチはオフ状態である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の高周波スイッチは以上のように構成されているので、基板101上に形成されるため、基板101の抵抗率によっては損失が大きくなってしまう課題がある。また、アンカー104a,104bによる不整合が生じる恐れがあり、結果として損失が大きくなってしまうなどの課題があった。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、マイクロ波帯もしくはミリ波帯にて、低損失でかつ高アイソレーションな高周波スイッチ、単極双投スイッチおよび多極多投スイッチを得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る高周波スイッチは、キャビティを有する基板と、キャビティ面に形成された第1の電極および地導体と、キャビティ空間を介して形成された支持層と、支持層面上に形成された第2の電極および高周波信号伝送線路とを備え、第1の電極に与えられた制御信号に応じて、第1の電極および第2の電極間に働く静電力により支持層を変位し、地導体および高周波信号伝送線路間を、金属同士の直接接触により、接触状態または非接触状態にして、スイッチをオフ状態またはオン状態に切換えるようにしたものである。
【0009】
この発明に係る高周波スイッチは、キャビティを有する基板と、キャビティ面に形成された第1の電極および地導体と、キャビティ空間を介して形成された支持層と、支持層面上に形成された第2の電極および高周波信号伝送線路とを備え、第1の電極に与えられた制御信号に応じて、第1の電極および第2の電極間に働く静電力により支持層を変位し、地導体および高周波信号伝送線路間を容量を介して接触状態または非接触状態にして、電気的結合の強弱によってスイッチをオフ状態またはオン状態に切換えるようにしたものである。
【0010】
この発明に係る高周波スイッチは、支持層の一部を細くするようにしたものである。
【0011】
この発明に係る高周波スイッチは、第2の電極および支持層を貫通する貫通口を設けるようにしたものである。
【0012】
この発明に係る高周波スイッチは、基板とキャビティ同士が対向するように配置された蓋基板と、蓋基板のキャビティ面に形成された第3の電極およびシールド導体とを備え、支持層の地導体および高周波信号伝送線路間の接触状態からの復元時に、第3の電極に与えられた制御信号に応じて、第3の電極および第2の電極間に働く静電力による吸引力により支持層を復元方向に変位させるようにしたものである。
【0013】
この発明に係る高周波スイッチは、第2の電極を支持層の第1の電極に対向する面上に形成するようにしたものである。
【0014】
この発明に係る単極双投スイッチは、請求項1から請求項6記載のうちのいずれかの高周波スイッチを組み合わせて構成したものである。
【0015】
この発明に係る多極多投スイッチは、請求項1から請求項6記載のうちのいずれかの高周波スイッチを組み合わせて構成したものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による高周波スイッチを示す斜視図、図2は平面図、図3はA−A′矢視図、図4はB−B′矢視図であり、図において、1は基板、2は誘電体層、3は地導体、4a,4bは制御端子、5a,5bは制御信号線、6a,6bは第1の電極、7は誘電体支持層(支持層)、8a,8bは第2の電極、9は信号線(高周波信号伝送路)、10はコンタクト部、11はキャビティである。
高周波スイッチにおいて、基板1は上面からエッチング等を施すことによりキャビティ11が形成されている。基板1上に誘電体層2が、誘電体層2上に同一面内に地導体3と制御端子4a,4bと制御信号線5a,5bと第1の電極6a,6bが形成されている。基板1と第1の電極6a,6bとは、誘電体層2によりDC的に分離されている。誘電体支持層7は、地導体3の端部で支えられることによって中空上に構成されており、誘電体支持層7上に第2の電極8a,8bと信号線9とが形成されている。コンタクト部10は、信号線9と同一の導電性材料から成り、信号線9から誘電体支持層7を貫通して下面まで伸びて存在している。
地導体3と第2の電極8a,8bと信号線9とコンタクト部10とでグランデッドコプレーナ線路を構成している。第2の電極8a,8bは、信号線9に対する側面グランドの役割も兼ねている。
地導体3と第2の電極8a,8bとは、コンタクトホール(図示せず)を介して接続され、同電位に保たれている。
【0017】
次に動作について説明する。
制御端子4a,4bに電圧を印加していない場合、信号線9に入力された高周波信号は、グランデッドコプレーナ線路を伝送する。地導体3と信号線9の空間は真空(比誘電率1)であるため、誘電体損は非常に小さい。この時、スイッチはオン状態である。
【0018】
制御端子4a,4bに電圧を印加した場合、例えば正の電圧を印加した場合、第1の電極6a,6bの表面上に正電荷が発生すると共に、静電誘導により第2の電極8a,8bの下面に負電荷が現れ、両者間の吸引力により、第2の電極8a,8bは第1の電極6a,6b側に引き寄せられる。その際、誘電体支持層7上に形成されている信号線9も同時に第1の電極6a,6b側に引き寄せられ、コンタクト部10は地導体3に接触する。高周波的にグランドに接続されるため、信号線9に入力された高周波信号は地導体3に流れ、信号は伝送しない。この時、スイッチはオフ状態である。
以上により、高周波スイッチは、制御端子4a,4bに電圧を印加するか否かにより、信号線9と地導体3との関係を接触状態もしくは非接触状態に切り換える。すなわち、スイッチのオン状態とオフ状態を切り換える。
【0019】
以上のように、この実施の形態1によれば、中空上に形成した信号線9の一部を静電力により駆動させる構造となっているので、基板1上にスイッチ構造を形成している従来の技術に比べて低損失である。
また、従来の技術のアンカーに相当する箇所が存在しないので、構造上の不整合による損失を回避できる。
さらに、信号線9は、中空上および基板1上に拘らず、同じプロセスで製作できるので、整合性に優れている。
【0020】
なお、上記実施の形態1の高周波スイッチにおいて、グランデッドコプレーナ線路としたが、同様な機能を有する構造であれば、マイクロストリップ線路等どのような形式でも良い。
また、第1の電極6a,6bおよび第2の電極8a,8bを省き、信号線9に電圧を印加して、地導体3との間に働く吸引力により信号線9を地導体3側に引き寄せる構造としても良い。
【0021】
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2による高周波スイッチを示すA−A′矢視図であり、図において、7aは誘電体支持層(支持層)、9aは信号線(高周波信号伝送路)であり、上記実施の形態1の図3と比較してコンタクト部10が設けられていないのが特徴である。
【0022】
次に動作について説明する。
図5において、動作については図3に示した構成とほぼ同一になるが、信号線9aと地導体3とが誘電体支持層7aを介して接触することになる。
これら信号線9aおよび地導体3の接触時における誘電体支持層7aは、容量とみなすことができ、この実施の形態2による高周波スイッチでは、電気的結合の強弱によってスイッチをオフ状態またはオン状態に切換えることができる。
【0023】
以上のように、この実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果が得られると共に、コンタクト部10を省き、信号線9aと地導体3とを誘電体支持層7aを介して接触させる構造としたので、接触部の耐久性を向上させることができる。
【0024】
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3による高周波スイッチを示すA−A′矢視図であり、図において、23は地導体、26a,26bは第1の電極、28a,28bは第2の電極、29は信号線(高周波信号伝送路)である。上記実施の形態1の図3と比較して、地導体23および第1の電極26a,26bを誘電体支持層7上に設け、信号線29および第2の電極28a,28bを基板1の誘電体層2上に設けたことが特徴である。
【0025】
次に動作について説明する。
図6において、第1の電極26a,26bに電圧を印加した場合、例えば正の電圧を印加した場合、それら第1の電極26a,26bの表面上に正電荷が発生すると共に、静電誘導により第2の電極28a,28bの下面に負電荷が現れ、両者間の吸引力により、第1の電極26a,26bは第2の電極28a,28b側に引き寄せられる。その際、誘電体支持層7上に形成されている地導体23も同時に第2の電極28a,28b側に引き寄せられ、コンタクト部10は信号線29に接触する。高周波的にグランドに接続されるため、信号線29に入力された高周波信号は地導体23に流れ、信号は伝送しない。この時、スイッチはオフ状態である。
以上により、高周波スイッチは、第1の電極26a,26bに電圧を印加するか否かにより、地導体23と信号線29との関係を接触状態もしくは非接触状態に切り換える。すなわち、スイッチのオン状態とオフ状態を切り換える。
【0026】
なお、図6では、図3と比較して、地導体23および第1の電極26a,26bを誘電体支持層7上に設け、信号線29および第2の電極28a,28bを基板1の誘電体層2上に設けたものを示したが、図7に示すように、コンタクト部10を省き、地導体23aと信号線29とを誘電体支持層7aを介して接触させる構造としても良く、接触部の耐久性を向上させることができる。
【0027】
以上のように、この実施の形態3によれば、図6に示した構成では実施の形態1と同様の効果が得られると共に、図7に示した構成ではコンタクト部10を省き、地導体23aと信号線29とを誘電体支持層7aを介して接触させる構造としたので、接触部の耐久性を向上させることができる。
【0028】
実施の形態4.
図8はこの発明の実施の形態4による高周波スイッチを示す平面図であり、図において、誘電体支持層7および第2の電極8a,8bの一部を細くしたものである。その他、図2と同一または相当する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0029】
次に動作について説明する。
誘電体支持層7および第2の電極8a,8bにて、静電誘導により電荷が発生する箇所の両端の形状を細くすることにより、ばね定数を小さくしている。第2の電極8a,8bを第1の電極6a,6b側に引き寄せるために必要な電圧の大きさは、一般にばね定数の平方根に比例するので、駆動電圧を低減することができる。
なお、この実施の形態4では、実施の形態1に示した構成に適用した例について説明したが、実施の形態2,3に示した構成に適用しても良く、同様な効果を奏することができる。
【0030】
以上のように、この実施の形態4によれば、実施の形態1と同様の効果が得られると共に、誘電体支持層7を第1の電極6a,6b側に引き寄せるために要する電圧の大きさを低減できる。
【0031】
実施の形態5.
図9はこの発明の実施の形態5による高周波スイッチを示す平面図であり、図において、12a〜12fはホール(貫通口)である。ホール12a〜12fは誘電体支持層7と第2の電極8a,8bを貫通している。その他、図2と同一または相当する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0032】
次に動作について説明する。
ホール12a〜12fを設けることにより、ダンピング効果を低減することができる。すなわち、誘電体支持層7の第1の電極6a,6b側にある空気の抜け道を設けることにより、誘電体支持層7が変位するスピードを速めることができる。また、図9に示す高周波スイッチの製作プロセス中にて、例えば、誘電体支持層7の第1の電極6a,6b側にあるレジストを取り除くエッチングホールとして使用し、レジストをより取り除きやすくすることもできる。
なお、この実施の形態5では、実施の形態1に示した構成に適用した例について説明したが、実施の形態2,3に示した構成に適用しても良く、同様な効果を奏することができる。
【0033】
以上のように、この実施の形態5によれば、実施の形態1から実施の形態3と同様の効果が得られると共に、誘電体支持層7と第2の電極8a,8bが変位するスピードを速めることができる。
【0034】
実施の形態6.
図10はこの発明の実施の形態6による高周波スイッチを示す断面図であり、図において、13は基板1とキャビティ同士が対向するように配置された蓋基板、14a,14bは第3の電極、15はシールド導体、16は第2の誘電体層である。蓋基板13は基板1と同様、キャビティを有している。蓋基板13上に第2の誘電体層16が、第2の誘電体層16上に第3の電極14a,14bおよびシールド導体15が形成されている。蓋基板13と第3の電極14a,14bとは、第2の誘電体層16によりDC的に分離されている。
その他、図3と同一または相当する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0035】
次に動作について説明する。
第3の電極14a,14bとシールド導体15とを備えた蓋基板13を設けることにより、損失を低減することができる。すなわち、電磁界を基板1と蓋基板13とで形成される空間に閉じ込めることによって、放射損失をなくすことができる。
また、誘電体支持層7が第1の電極6a,6b側に変位している時、すなわち、スイッチがオフ状態の時、制御端子4a,4bに印加している電圧を取り除くと、復元力により誘電体支持層7が元の位置に戻る。同時に、第3の電極14a,14bに電圧を印加すると、例えば、正の電圧を印加すると、第3の電極14a,14bの下面に正の電荷が発生し、静電誘導により第2の電極8a,8bの上面に負の電荷が現れ、誘電体支持層7は第3の電極14a,14b側に引き寄せられる。つまり、誘電体支持層7が元の位置に戻るのを支援する働きをすることにより、スイッチのオフ状態からオン状態への切り換えスピードを速めることができる。
なお、この実施の形態6では、実施の形態1に示した構成に適用した例について説明したが、実施の形態2から5に示した構成に適用しても良く、同様な効果を奏することができる。
【0036】
以上のように、この実施の形態6によれば、上記実施の形態1から5と同様の効果が得られると共に、損失を低減できる。また、誘電体支持層7が元の位置に戻るスピードを速めることができる。
【0037】
実施の形態7.
図11はこの発明の実施の形態7による高周波スイッチを示す断面図であり、図において、17a,17bは第4の電極である。第4の電極17a,17bは、誘電体支持層7の下面に形成されている。
その他、図3と同一または相当する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0038】
次に動作について説明する。
第1の電極6a,6bと第4の電極17a,17bとの距離は、第2の電極8a,8bとの距離と比較して近いので、誘電体支持層7を第1の電極6a,6b側に変位させるために要する電圧は、より小さくて済む。
なお、この実施の形態7では、実施の形態1に示した構成に適用した例について説明したが、実施の形態2から6に示した構成に適用しても良く、同様な効果を奏することができる。
【0039】
以上のように、この実施の形態7によれば、実施の形態1から6と同様の効果が得られると共に、誘電体支持層7が第1の電極6a,6b側に変位させる、すなわち、スイッチをオフ状態にするのに要する電圧を低減する。
【0040】
実施の形態8.
図12はこの発明の実施の形態8による単極双投スイッチを示す回路図であり、図において、18は高周波信号入力端子、19a,19bは高周波信号出力端子、20a,20bは高周波伝送線路、21a,21bは上記実施の形態1から7のいずれかに相当する高周波スイッチである。高周波伝送線路20a,20bの線路長は、所要中心周波数にて1/4波長とする。
【0041】
次に動作について説明する。
高周波スイッチ21aがオン状態かつ高周波スイッチ21bがオフ状態の場合、高周波スイッチ21bは信号線9と地導体3がRF的にショートの関係にある。この時、高周波伝送線路20bを介して、高周波信号入力端子18から高周波伝送線路20b側はオープン状態となる。したがって、高周波信号入力端子18から入力された高周波信号は、高周波信号出力端子19aに出力される。
【0042】
一方、高周波スイッチ21bがオン状態かつ高周波スイッチ21aがオフ状態の場合、高周波スイッチ21aは信号線9と地導体3がRF的にショートの関係にある。この時、高周波伝送線路20aを介して、高周波信号入力端子18から高周波伝送線路20a側はオープン状態となる。したがって、高周波信号入力端子18から入力された高周波信号は、高周波信号出力端子19bに出力される。
【0043】
以上のように、この実施の形態8によれば、実施の形態1から7で示す高周波スイッチを組み合わせることによって、単極双投スイッチを構成することができる。
【0044】
なお、図12においては、単極双投スイッチに限って説明したが、上記実施の形態1から7で示す高周波スイッチを組み合わせることによって、多極多投スイッチを構成しても良い。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、キャビティを有する基板と、キャビティ面に形成された第1の電極および地導体と、キャビティ空間を介して形成された支持層と、支持層面上に形成された第2の電極および高周波信号伝送線路とを備え、第1の電極に与えられた制御信号に応じて、第1の電極および第2の電極間に働く静電力により支持層を変位し、地導体および高周波信号伝送線路間を、金属同士の直接接触により、接触状態または非接触状態にして、スイッチをオフ状態またはオン状態に切換えるように構成したので、従来の技術のアンカーに相当する部材が存在しないので、構造上の不整合による損失を回避し、低損失で高アイソレーションな高周波スイッチが得られる効果がある。
【0046】
この発明によれば、キャビティを有する基板と、キャビティ面に形成された第1の電極および地導体と、キャビティ空間を介して形成された支持層と、支持層面上に形成された第2の電極および高周波信号伝送線路とを備え、第1の電極に与えられた制御信号に応じて、第1の電極および第2の電極間に働く静電力により支持層を変位し、地導体および高周波信号伝送線路間を容量を介して接触状態または非接触状態にして、電気的結合の強弱によってスイッチをオフ状態またはオン状態に切換えるように構成したので、従来の技術のアンカーに相当する部材が存在しないので、構造上の不整合による損失を回避し、低損失で高アイソレーションな高周波スイッチが得られる。また、接触部の耐久性を向上させることができる効果がある。
【0047】
この発明によれば、支持層の一部を細くするように構成したので、支持層のばね定数が小さくなり、支持層を変位させるための制御信号の電圧値を小さくすることができる高周波スイッチが得られる効果がある。
【0048】
この発明によれば、第2の電極および支持層を貫通する貫通口を設けるように構成したので、支持層の変位時の空気の抜け道として利用することができ、支持層の変位速度、すなわち、スイッチの切換え速度を速くすることができる高周波スイッチが得られる効果がある。
【0049】
この発明によれば、基板とキャビティ同士が対向するように配置された蓋基板と、蓋基板のキャビティ面に形成された第3の電極およびシールド導体とを備え、支持層の地導体および高周波信号伝送線路間の接触状態からの復元時に、第3の電極に与えられた制御信号に応じて、第3の電極および第2の電極間に働く静電力による吸引力により支持層を復元方向に変位させるように構成したので、支持層の復元時の変位速度、すなわち、スイッチのオフ状態からオン状態への切換え速度を速くすることができる。
また、第1の電極、地導体、第3の電極、シールド導体、基板、蓋基板により、高周波信号伝送線路による電磁界空間を閉じ込めることができ、放射損失を低減できる高周波スイッチが得られる効果がある。
【0050】
この発明によれば、第2の電極を支持層の第1の電極に対向する面上に形成するように構成したので、第1の電極および第2の電極間の距離が短くなり、支持層を変位させるための制御信号の電圧値を小さくすることができる高周波スイッチが得られる効果がある。
【0051】
この発明によれば、請求項1から請求項6記載のうちのいずれかの高周波スイッチを組み合わせて単極双投スイッチを構成したので、低損失で高アイソレーションな単極双投スイッチが得られる効果がある。
【0052】
この発明によれば、請求項1から請求項6記載のうちのいずれかの高周波スイッチを組み合わせて多極多投スイッチを構成したので、低損失で高アイソレーションな多極多投スイッチが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による高周波スイッチを示す斜視図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による高周波スイッチを示す平面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による高周波スイッチを示すA−A′矢視図である。
【図4】 この発明の実施の形態1による高周波スイッチを示すB−B′矢視図である。
【図5】 この発明の実施の形態2による高周波スイッチを示すA−A′矢視図である。
【図6】 この発明の実施の形態3による高周波スイッチを示すA−A′矢視図である。
【図7】 この発明の実施の形態3による高周波スイッチを示すA−A′矢視図である。
【図8】 この発明の実施の形態4による高周波スイッチを示す平面図である。
【図9】 この発明の実施の形態5による高周波スイッチを示す平面図である。
【図10】 この発明の実施の形態6による高周波スイッチを示す断面図である。
【図11】 この発明の実施の形態7による高周波スイッチを示す断面図である。
【図12】 この発明の実施の形態8による単極双投スイッチを示す回路図である。
【図13】 従来の高周波スイッチを示す斜視図である。
【図14】 従来の高周波スイッチを示す回路図である。
【符号の説明】
1 基板、2 誘電体層、3,23,23a 地導体、4a,4b 制御端子、5a,5b 制御信号線、6a,6b,26a,26b 第1の電極、7,7a 誘電体支持層(支持層)、8a,8b,28a,28b 第2の電極、9,9a,29 信号線(高周波信号伝送路)、10 コンタクト部、11 キャビティ、12a〜12f ホール(貫通口)、13 蓋基板、14a,14b 第3の電極、15 シールド導体、16 第2の誘電体層、17a,17b 第4の電極、18 高周波信号入力端子、19a,19b 高周波信号出力端子、20a,20b 高周波伝送線路、21a,21b 高周波スイッチ。
Claims (8)
- キャビティを有する基板と、
上記キャビティ面に形成された第1の電極および地導体と、
上記キャビティ空間を介して形成された支持層と、
上記支持層面上に形成された第2の電極および高周波信号伝送線路とを備え、
上記第1の電極に与えられた制御信号に応じて、上記第1の電極および上記第2の電極間に働く静電力により上記支持層を変位し、上記地導体および上記高周波信号伝送線路間を、金属同士の直接接触により、接触状態または非接触状態にして、スイッチをオフ状態またはオン状態に切換えることを特徴とする高周波スイッチ。 - キャビティを有する基板と、
上記キャビティ面に形成された第1の電極および地導体と、
上記キャビティ空間を介して形成された支持層と、
上記支持層面上に形成された第2の電極および高周波信号伝送線路とを備え、
上記第1の電極に与えられた制御信号に応じて、上記第1の電極および上記第2の電極間に働く静電力により上記支持層を変位し、上記地導体および上記高周波信号伝送線路間を、容量を介して接触状態または非接触状態にして、電気的結合の強弱によってスイッチをオフ状態またはオン状態に切換えることを特徴とする高周波スイッチ。 - 支持層の一部を細くしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の高周波スイッチ。
- 第2の電極および支持層を貫通する貫通口を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の高周波スイッチ。
- 基板とキャビティ同士が対向するように配置された蓋基板と、
上記蓋基板のキャビティ面に形成された第3の電極およびシールド導体とを備え、
上記支持層の上記地導体および上記高周波信号伝送線路間の接触状態からの復元時に、上記第3の電極に与えられた制御信号に応じて、上記第3の電極および上記第2の電極間に働く静電力による吸引力により上記支持層を復元方向に変位させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の高周波スイッチ。 - 第2の電極を、支持層の第1の電極に対向する面上に形成したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の高周波スイッチ。
- 請求項1から請求項6記載のうちのいずれかの高周波スイッチを組み合わせて構成したことを特徴とする単極双投スイッチ。
- 請求項1から請求項6記載のうちのいずれかの高周波スイッチを組み合わせて構成したことを特徴とする多極多投スイッチ。
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