JP3910429B2 - オーバーラップ包装用フィルム及び包装体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は高速、低圧下における低温ヒートシール性に優れ、且つ耐ブロッキング性、帯電防止性(静防性)、スリップ性、透明性等を有するオーバーラップ包装用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下OPPフィルムと呼ぶことがある)は、その優れた透明性、機械的強度、防湿性、剛性等を活かして包装材料をはじめ広い分野で使用されている。しかし、OPPフイルムは単層ではヒートシール可能温度が高くしかもヒートシールの適正な温度範囲が狭いという欠点がある。そこで、OPPフイルムのヒートシール性を改善するために、OPPフイルムの片面又は両面に低融点のプロピレン・エチレン共重合体層を積層した二軸延伸複合フィルム(特公昭49−14343号公報)、特定の三元ランダム共重合体層をヒートシール層としたフィルム(特公平8−5174号公報)、特定のプロピレン・1−ブテンランダム共重合体と結晶性プロピレン・α―オレフィンランダム共重合体との組成物を積層したポリプロピレン複合フィルム(特公昭61−42626号公報)等、ポリプロピレンに比べて低融点の樹脂を積層させる方法が多数提案されている。
【0003】
しかしながら、かかる方法で得られる複合フィルムを自動包装機等で被包装物を高速下で包装した場合に、包装条件によっては、側面のヒートシールが不十分である場合があり、高速包装下においても安定したヒートシール強度が得られるオーバーラップ包装用フィルムが望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、オーバーラップ特性に優れた二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムを開発することを目的として種々検討した結果、被覆層に特定のプロピレン系重合体組成物を用いることにより、高速、低圧下における低温ヒートシール性が改良できることが分り、本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】
【発明の概要】
本発明は、プロピレン重合体を主体とした二軸延伸フィルムの両面に、融点が120〜140℃のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)、融点が80〜120℃未満でありプロピレン含有量が55〜80モル%のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)及び融点が40〜100℃のブテンー1・α―オレフィンランダム共重合体(C)とのプロピレン系重合体組成物、好ましくは被覆層を形成するプロピレン系重合体組成物が、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)が5〜40重量%、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)が40〜90重量%及びブテンー1・α―オレフィンランダム共重合体(C)が1〜30重量%の範囲にあるプロピレン系重合体組成物からなる被覆層が積層されてなることを特徴とするオーバーラップ包装用フィルム及び当該オーバーラップ包装用フィルムで包装されてなる包装体である。
【0006】
【発明の具体的説明】
プロピレン重合体
本発明に係わるオーバーラップ包装用フィルムの基層である二軸延伸フィルムの主体となるプロピレン重合体は、プロピレンの単独重合体、またはプロピレンと10重量%以下、好ましくは5重量%以下のα−オレフィンとの共重合体、あるいは単独重合体と共重合体との組成物である。α−オレフィンは、プロピレン以外の通常炭素数2〜10のα−オレフィンであって、例えば、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1―ペンテン、3―メチル―1―ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1―へキセン、1―オクテン等を挙げることができる。これらα−オレフィンの中でも、二軸延伸フィルムにした場合の耐熱性の面からプロピレン単独重合体が好ましい。かかるプロピレン重合体は、二軸延伸フィルムとして成形できる限り、特に限定はされないが、MFR(メルトフローレート;ASTM D−1238 荷重2160g、温度230℃)が、通常0.1〜100g/10分、好ましくは1〜50g/10分の範囲にある。
本発明に係わるプロピレン重合体には後述の帯電防止剤を、通常0.1〜3重量%、好ましくは0.3〜1重量%の範囲で添加しておくと、帯電防止性に優れたオーバーラップ包装用フィルムが得られる。
【0007】
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)
本発明に係わるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)は、融点が120〜140℃、好ましくは122〜135℃のプロピレンを主体としたα−オレフィンとのランダム共重合体である。融点が120℃未満のものはプロピレン系重合体組成物の一成分として被覆層に用いた場合に耐ブロッキング性、耐スクラッチ性等に劣る虞があり、一方、140℃を越えたものは低温ヒートシール性が改良されない虞がある。又、かかるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)は、融点が上記範囲にある限り、プロピレン含有量は特に限定はされないが、通常、プロピレン含有量が89〜98モル%、好ましくは90〜95モル%の範囲にある。α―オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−オクテン等が例示できる。これらの中では、エチレン及び1―ブテンが好ましく、更には、プロピレン・エチレンランダム共重合体及びプロピレン・エチレン・1−ブテン三元ランダム共重合体、特にプロピレン・エチレン・1−ブテン三元ランダム共重合体が好ましい。又、MFR(メルトフローレート;ASTM D−1238 荷重2160g、温度230℃)はフィルムとすることができる限り特に限定はされないが、通常0.1〜100g/10分、好ましくは1〜50g/10分の範囲にある。
【0008】
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)
本発明に係わるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)は、融点が80〜120℃未満、好ましくは90〜120℃未満であり、プロピレン含有量が55〜80モル%のプロピレンとα―オレフィンとのランダム共重合体であり、プロピレン含有量は、中でも好ましくは60〜75モル%のの範囲にある。融点が120℃以上のものは、プロピレン系重合体組成物の一成分として被覆層に用いた場合に低温ヒートシール性改良されない虞があり、一方、80℃未満のものは、べたが発生し、ブロッキングし易くなる虞がある。α―オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−オクテン等が例示できる。これらの中ではプロピレン・1−ブテンランダム共重合体等が好ましい。本発明に係わるプロピレン・α−オレフィン共重合体(C)のMFR(メルトフローレート;ASTM D−1238 荷重2160g、温度230℃)はフィルムとすることができる限り特に限定はされないが、通常0.1〜100g/10分、好ましくは1〜50g/10分の範囲にある。
【0009】
1−ブテン・α―オレフィンランダム重合体(C)
本発明に係わる1−ブテン・α―オレフィンランダム重合体(C)は、融点が40〜100℃、更に好ましくは50〜90℃の1−ブテンとα―オレフィンとのランダム共重合体であり、好ましくは1−ブテン含有量が65〜90モル%、更に好ましくは70〜85モル%の範囲にある。融点が100℃を越えるものは、プロピレン系重合体組成物の一成分として被覆層に用いた場合に低温ヒートシール性改良されない虞があり、一方、40℃未満のものは、プロピレン系重合体組成物の一成分として被覆層に用いた場合にべたが発生し、ブロッキングし易くなる虞がある。α―オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−オクテン等が例示できる。これらの中では1−ブテン・プロピレンランダム共重合体等が好ましい。本発明に係わる1−ブテン・α―オレフィンランダム重合体(C)のMFR(メルトフローレート;ASTM D−1238 荷重2160g、温度190℃)はフィルムとすることができる限り特に限定はされないが、通常0.1〜100g/10分、好ましくは1〜50g/10分の範囲にある。
【0010】
プロピレン系重合体組成物
本発明に係わる被覆層を形成するプロピレン系重合体組成物は、前記融点が120〜140℃のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)、融点が80〜120℃未満であり、プロピレン含有量が55〜80モル%のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)及び融点が40〜100℃のブテンー1・α―オレフィンランダム共重合体(C)とのプロピレン系重合体組成物、好ましくはプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)が5〜40重量%、更に好ましくは15〜35重量%、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)が40〜90重量%、更に好ましくは35〜85重量%、及びブテンー1・α―オレフィンランダム共重合体(C)が1〜30重量%、更に好ましくは5〜25重量%の組成物である。
【0011】
プロピレン系重合体組成物におけるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)の量が5重量%未満では、フィルム表面が白化し透明性が悪くなるとともに、被覆層に用いた場合に耐ブロッキング性が劣る虞があり、40重量%を越えると低温ヒートシール性が改良されない虞がある。プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)の量が40重量%未満では、被覆層に用いた場合に耐ブロッキング性が劣る虞があり、90重量%を越えるとフィルム表面が白化し透明性が悪くなるとともに、低温ヒートシール性が改良されない虞がある。プロピレン系重合体組成物のおけるブテンー1・α―オレフィンランダム共重合体(C)の量が1重量%未満では、被覆層に用いた場合に低温ヒートシール性が改良されない虞があり、40重量%を越えるとフィルム表面が白化し透明性が悪くなるとともに、被覆層に用いた場合に耐ブロッキング性が劣る虞がある。
【0012】
本発明に係わるプロピレン系重合体組成物は、前記プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)及びブテンー1・α―オレフィンランダム共重合体(C)とを種々公知の方法で混合することにより得られる。
【0013】
本発明に係わるプロピレン系重合体組成物には、更に、ブロッキング防止剤を0.01〜3.0重量%、好ましくは0.05〜1.0重量%を添加しておくと、透明性に優れ、且つブロッキング防止性を有するオーバーラップ包装用フィルムとすることができる。ブロッキング防止剤の量が0.01重量%未満では、得られるオーバーラップ包装用フィルムのブロッキング防止効果が充分でなく、一方、3.0重量%を越えると、得られるオーバーラップ包装用フィルムの透明性が劣る傾向にある。かかるブロッキング防止剤としては、種々公知のもの、例えば、シリカ、タルク、雲母、ゼオライトや更には金属アルコキシドを焼成して得た金属酸化物等の無機化合物粒子、ポリメタクリル酸メチル、メラミンホルマリン樹脂、メラミン尿素樹脂、ポリエステル樹脂等の有機化合物粒子等を用い得る。これらの中でも、シリカ、ポリメタクリル酸メチルがアンチブロッキング性、透明性の面から特に好ましい。
【0014】
本発明に係るプロピレン重合体、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)及びブテンー1・α―オレフィンランダム共重合体(C)若しくはプロピレン系重合体組成物には、夫々にあるいは何れかに、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、スリップ剤、核剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料、染料、無機または有機の充填剤等の通常ポリオレフィンに用いる各種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加しておいてもよい。
【0015】
耐熱安定剤(酸化防止剤)としては、例えば、3,5―ジーt−ブチルー4−ヒドロキシトルエン、テトラキス[メチレン(3,5―ジーt―ブチルー4―ヒドロキシ)ヒドロシンナメート]メタン、n−オクタデシルー3−(4'―ヒドロキシー3,5−ジーt―ブチルフェニル)プロピオネート、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系酸化防止剤、2(2'−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、置換ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系酸化防止剤、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、フェニルサルチレート、4−t−ブチルフェニルサリチレート等が挙げられる。
【0016】
帯電防止剤としては、例えば、アルキルアミンおよびその誘導体、高級アルコール、高級脂肪酸のグリセリンエステル類、ピリジン誘導体、硫酸化油、石鹸類、オレフィンの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル類、脂肪酸エチルスルフォン酸塩、アルキルスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、ナフタレンスルフォン酸塩、琥珀酸エステルスルフォン酸塩、リン酸エステル塩、多価アルコールの部分的脂肪酸エステル、脂肪アルコールのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、脂肪アミノまたは脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物、アルキルナフトールのエチレンオキサイド付加物、多価アルコールの部分的脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
【0017】
滑剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、高級アルコール、流動パラフィン等が挙げられる。
【0018】
紫外線吸収剤としては、例えば、エチレン−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2、2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4オクトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0019】
オーバーラップ包装用フィルム
本発明のオーバーラップ包装用フィルムの厚さは用途により種々決められるものであり、特に限定はされないが、通常、プロピレン重合体を主体とした層が10〜100μm、好ましくは15〜50μmの範囲、被覆層であるプロピレン系重合体組成物層が0.1〜5μm、好ましくは0.5〜3μmの範囲にある。
【0020】
本発明のオーバーラップ包装用フィルムは、種々公知の二軸延伸フィルムを製造する方法、例えば、プロピレン重合体を主体とした熱可塑性樹脂とその両面を形成するプロピレン系重合体組成物とを共押出し成形して得た多層シートを、公知の同時二軸延伸法あるいは逐次二軸延伸法等の二軸延伸フィルム製造方法により得られ得る。
【0021】
同時二軸延伸法としては、基層のプロピレン重合体およびプロピレン系重合組成物を別々の押出機より押出しダイス内で積層し共押出し、冷却ロール上にキャストし積層シートを作成する。ついで、テンターにて機械(縦)方向に通常4〜12倍、横方向に通常4〜12倍同時に延伸して目的のフィルムを製造することができる。また、基層のプロピレン重合体およびプロピレン系重合組成物を別々の押出機より押出しダイス内で積層し円筒ダイスより共押出し、チューブ状の積層体を作成する。ついで、機械(縦)方向に通常4〜12倍、横方向に通常4〜12倍同時に延伸して目的のフィルムを製造することができる。
【0022】
逐次二軸延伸法としては、基層のプロピレン重合体およびプロピレン系重合組成物を別々の押出機より共押出してダイス内で積層し、冷却ロール上にキャストし積層シートを作成する。ついで、機械方向に通常4〜8倍にロール延伸した後、テンターにて横方向に通常7〜12倍延伸して目的のフィルムを製造することができる。尚、ここで示した二軸延伸フィルムの製造方法は、一例であり特に限定されるものではない。
【0023】
本発明のオーバーラップ包装用フィルムは、被覆層の少なくとも片面に公知の帯電防止剤を塗布すると更に帯電防止性に優れたオーバーラップ包装用フィルムが得られる。かかる帯電防止剤としては、例えば、アルキルアミンおよびその誘導体、高級アルコール、高級脂肪酸のグリセリンエステル類、ピリジン誘導体、硫酸化油、石鹸類、オレフィンの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル類、脂肪酸エチルスルフォン酸塩、アルキルスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、ナフタレンスルフォン酸塩、琥珀酸エステルスルフォン酸塩、リン酸エステル塩、多価アルコールの部分的脂肪酸エステル、脂肪アルコールのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、脂肪アミノまたは脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物、アルキルナフトールのエチレンオキサイド付加物、多価アルコールの部分的脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール等、第4級アンモニウム類が挙げられる。かかる帯電防止剤は、通常0.5〜5重量%、好ましくは1〜3重量%の水溶液として被覆層に塗布し、塗布量は乾燥状態として、通常1〜20mg/m2、好ましくは5〜15mg/m2の範囲にある。
【0024】
本発明のオーバーラップ包装用フィルムは必要に応じて片面あるいは両面をコロナ処理、火炎処理等の表面処理をしてもよい。かかる処理をすることにより、更に帯電防止性が改良される。
【0025】
包装体
本発明の包装体は、前記プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)及びブテンー1・α―オレフィンランダム共重合体(C)からなるプロピレン系重合体組成物層を被覆層とした二軸延伸フィルムからなるオーバーラップ包装用フィルムで種々公知の被包装材料を包装してなる包装体である。被包装材料としては、例えばチョコレート、ガム、キャンデー等の菓子類、たばこ、化粧品等の嗜好品、カセットテープ、ビデオテープ、CD、CDR、DVD、ゲームソフト等の記録材料、およびそれらの集積包装材料等が挙げられる。
【0026】
【発明の効果】
本発明のオーバーラップ包装用フィルムは、高速、低圧下における低温ヒートシール性に優れ、且つ耐ブロッキング性、帯電防止性(静防性)、スリップ性、透明性等を有するので、オーバーラップ包装機械適性が優れており、前記被包装物を従来に比べ、より高速下において、しかもより低い温度において充分なヒートシール強度が得られるので、高速包装が可能であり、省エネルギー化も可能である。
【0027】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例に制約されるものではない。
【0028】
本発明における各種試験法および評価法は次の通りである。
(1)融点の測定法
セイコー電子工業株式会社製示差走査熱量計DSC220を用い、試料約5mgを測定した。昇温速度10℃/分で室温(約20℃)〜200℃まで昇温し200℃で5分間保持した後100℃/分で0℃まで急冷し再度昇温速度10℃/分で200℃まで昇温したときの吸熱曲線のピーク値を融点とした。
(2)ヒートシール強度
東洋精機株式会社製ヒートシーラーHG−100を用いて、シール圧力9.8N、4.9N、2.9Nの3種類シール時間0.5秒で所定の温度範囲でヒートシールし試料を作成し、株式会社オリエンテック社製テンシロンを用いてヒートシール強度を測定した。
(3)帯電防止性
株式会社アドバンテスト社製デジタル超高抵抗/微少電流計R8340A、レジスティビティ・チェンバR12704を用いJIS K 6911に準じ表面固有抵抗値を測定した。
(4)透明性
日本電色工業株式会社製ヘイズメーターNDH2000を用い、JIS K 7105に準じ測定した。
(5)スリップ性
株式会社安田精機製作所製スリップテスターNo.162SLDを用い、傾斜角法から静摩擦係数を測定した。
(6)包装機械適性の評価
オーバーラップ包装機を用い、次の条件で包装した。包装適性は、開封時の官能試験にて評価した。
シール温度:115℃、125℃、135℃、速度:200ショット/分
【0029】
実施例及び比較例で使用した重合体は次の通りである。
(1) プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体(PEBR)
プロピレン含有量:92モル%、融点:128℃、MFR:5.0g/10分(230℃)、耐熱安定剤:0.1重量%。
(2) プロピレン・1−ブテンランダム共重合体(PBR)
プロピレン含有量:71モル%、融点:110℃、MFR:7.0g/10分(230℃)、耐熱安定剤:0.1重量%。
(3) ブテンー1・プロピレンランダム共重合体(BPR)
ブテン−1含有量:80モル%、融点:74℃、MFR:4.0g/10分(190℃)、耐熱安定剤:0.1重量%。
(4) プロピレン単独重合体(PP)
融点:160℃、MFR:2.0g/10分(230℃)、帯電防止剤:1重量%、耐熱安定剤:0.1重量%。
【0030】
実施例1
基材層用のプロピレン重合体として、PPを230℃で、被覆層用のプロピレン系重合体組成物として、PEBR:20重量%、PBR:69.9重量%及びBPR:10重量%、アンチブロッキング剤としてポリメチルメタクリレートを0.1重量%との混合物を200℃でそれぞれの押出機から共押出し、ダイス内で積層し、30℃の冷却ロール上にキャストし積層シートを作成した。次いで110℃で機械方向に5倍ロール延伸した後、テンターを用いて160℃で横方向に10倍延伸し、一方の表面をコロナ処理し基材層の厚さが23μm、被覆層の厚さが夫々1μmのオーバーラップ包装用フィルムを得た。次いで、かかるオーバーラップ包装用フィルムの物性等を測定した。結果を表1に示す。また、オーバーラップ包装機での評価結果を表1に示す。
【0031】
実施例2
実施例1示す方法で得た積層シートを110℃で機械方向に5倍ロール延伸した後、帯電防止剤を一方の表面に乾燥状態で7.5mg/m2になるように塗布した。次いでテンターを用いて160℃で横方向10倍延伸し他方の表面をコロナ処理し基材層の厚さが23μm、被膜層の厚さが夫々1μmのオーバーラップ包装用フィルムを得た。次いで、かかるオーバーラップ包装用フィルムの物性等を測定した。結果を表1に示す。また、オーバーラップ包装機での評価結果を表1に示す。
【0032】
比較例1
実施例1において、被覆層用のプロピレン系重合体組成物に代えて、PEBR70重量%及びPBR30重量%の組成物を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行い、基材層の厚さが23μm、被膜層の厚さが夫々1μmのオーバーラップ包装用フィルムを得た。次いで、かかるオーバーラップ包装用フィルムの物性等を測定した。結果を表1に示す。また、オーバーラップ包装機での評価結果を表1に示す。
【0033】
比較例2
実施例1において、被覆層用のプロピレン系重合体組成物に代えて、PBR70重量%及びBPR30重量%の組成物を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行い基材層の厚さが23μm、被膜層の厚さが夫々1μmのオーバーラップ包装用フィルムを得た。次いで、かかるオーバーラップ包装用フィルムの物性等を測定した。結果を表1に示す。また、オーバーラップ包装機での評価結果を表1に示す。
【0034】
比較例3
実施例1において、被覆層用のプロピレン系重合体組成物に代えて、PEBR70重量%及びBPR30重量%の組成物を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行い基材層の厚さが23μm、被膜層の厚さが夫々1μmのオーバーラップ包装用フィルムを得た。次いで、かかるオーバーラップ包装用フィルムの物性等を測定した。結果を表1に示す。また、オーバーラップ包装機での評価結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
表1の結果から明らかなように、実施例1に示す融点が120〜140℃のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)、融点が80〜120℃未満のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)及び融点が40〜100℃のブテンー1・α―オレフィンランダム共重合体(C)とのプロピレン系重合体組成物を被覆層としたオーバーラップ包装用フィルムは、低温ヒートシール性、帯電防止性、スリップ性、透明性及び高速包装適性に優れている。又、帯電防止剤を塗布したオーバーラップ包装用フィルム(実施例2)は、更に塗布面の帯電防止性が改良されていることが分かる。それに対して、融点が120〜140℃のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)、融点が80〜120℃未満のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)及び融点が40〜100℃のブテンー1・α―オレフィンランダム共重合体(C)の何れかを欠く組成物を被覆層としたオーバーラップ包装用フィルムは、低温ヒートシール性、高速包装適正が劣ったり(比較例1及び比較例3)、透明性が劣ったり(比較例2)して性能が優れたフィルムが得られない。
Claims (7)
- プロピレン重合体を主体とした二軸延伸フィルムの両面に、融点が120〜140℃のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)、融点が80〜120℃未満でありプロピレン含有量が55〜80モル%のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)及び融点が40〜100℃のブテンー1・α―オレフィンランダム共重合体(C)とのプロピレン系重合体組成物からなる被覆層が積層されてなることを特徴とするオーバーラップ包装用フィルム。
- 被覆層を形成するプロピレン系重合体組成物が、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(A)が5〜40重量%、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)が40〜90重量%及びブテンー1・α―オレフィンランダム共重合体(C)が1〜30重量%の範囲にある請求項1記載のオーバーラップ包装用フィルム。
- 被覆層を形成するプロピレン系重合体組成物が、融点が50〜140℃の範囲にある請求項1若しくは請求項2に記載のオーバーラップ包装用フィルム。
- プロピレン系重合体組成物が、ブロッキング防止剤を含んでなる請求項1〜3項の何れかに記載のオーバーラップ包装用フィルム。
- プロピレン重合体を主体とした二軸延伸フィルムが、帯電防止剤を含んでなる請求項1記載のオーバーラップ包装用フィルム。
- 被覆層の少なくとも片面に帯電防止剤が塗布されてなる請求項1〜5の何れかに記載のオーバーラップ包装用フィルム。
- 請求項1〜6の何れかに記載のオーバーラップ包装用フィルムで包装されてなる包装体。
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