JP3910116B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高周波加熱装置(以下、「電子レンジ」と記すことがある)に関し、より詳細には回転アンテナ方式の高周波加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子レンジの加熱室における均一加熱方式としては大きく分けて、ターンテーブル方式とスタラー方式、回転アンテナ方式とがある。これらの均一加熱方式について以下に簡単に説明しておく。まずターンテーブル方式は、加熱室の底面に配置したターンテーブルに被加熱物を載せ、ターンテーブルを回転させることにより、加熱室の側壁面又は天上面に設けられた開口から放射される高周波を、被加熱物全体に均一に照射し加熱するものであって、電子レンジの中では現在最も広く用いられている方式である。図10及び図11に、この方式の電子レンジの一例を示す断面図及び斜視図を示す。加熱室1の底外面にモータ5が配設され、このモータ5の軸51は加熱室1の底面に穿設された貫通孔を通って加熱室1の底面に突出している。そして、加熱室1の底面に突出したこの軸51に円盤状のターンテーブルTが軸支され、モータ5の駆動によりターンテーブルTは回転する。一方、マグネトロン(高周波発生装置)2から放射された高周波は、導波管33を通り加熱室1側面の開口101から加熱室1に放射され、回転するターンテーブルT上の被加熱物(不図示)を照射し加熱する。この他にもターンテーブルTの回転駆動方式として磁気結合を利用するものが、例えば特公昭61−13359号公報や特開昭58−220387号公報、特開昭59−14294号公報に開示されている。
【0003】
スタラー方式は一般に、図12及び13に示すように、加熱室1の天上面に設けた開口101の加熱室側近傍に金属製の電波拡散羽根32を設け、これをモータ31で回転させることによりマグネトロン2から放射された高周波の電界の強弱を変化させて開口101から加熱室1内に放射する方式である。この方式によれば、被加熱物を移動させることなく均一に加熱することができる。被加熱物は略四角形の誘電体(通常はガラス、セラミック等で構成される)からなる載置台T’に載置される。
【0004】
回転アンテナ方式は、例えば図14に示すように、マグネトロン2から放射された高周波を導波管3により加熱室1の外底部に導く一方、加熱室1の底面に形成した開口11にアンテナ4の受信部41を挿通し導波管3内に突出させ、導波管3内の高周波をこの受信部41から放射部42へと伝搬させ、そしてこのアンテナ4の放射部42をモータ5で回転させることにより高周波で被加熱物を均一に加熱する方式である(例えば特開平11−8057号公報)。被加熱物は、アンテナ4の上方近傍で加熱室1を仕切る形で設けられた、誘電体(通常はガラス、セラミック等)で構成される載置台6に載置される。この方式は、高周波が放射されるアンテナ4の放射部42の近傍に被加熱物を載置できるため、他の方式に比べて一般に加熱効率に優れる。現在、業務用・コンビニエンスストアー等で用いる電子レンジとして普及しつつある方式である。
【0005】
以上の被加熱物の均一加熱方式において、ターンテーブル方式は被加熱物の回転移動させて加熱するのに対し、スタラー方式及び回転アンテナ方式は被加熱物を静止させた状態で加熱する。加熱の均一性の観点からはターンテーブル方式、回転アンテナ方式、スタラー方式の順で優れていると一般に言われている。
【0006】
一方、加熱室内の被加熱物を載置し得る領域は、ターンテーブル方式では円形のターンテーブル領域のみであるのに対し、スタラー方式及び回転アンテナ方式では、被加熱物を移動させる必要がないので加熱室の底面全体となる。したがって、後者の方が加熱室を有効に利用することができ、加熱室の容積が同じ場合には、加熱可能な被加熱物の量は後者の方が多くなる。
【0007】
また加熱室底面の清掃性の観点からは、磁気結合によるターンテーブル方式、及びスタラー方式では加熱室底部に貫通孔を穿設する必要がなく、ターンテーブルや載置台を取り除けば加熱室の底面はほぼ平面となり比較的簡単に清掃ができる。一方、回転アンテナ方式の場合も、アンテナの上に固定配置された載置台が実用上は加熱室の底壁に相当し、この載置台の表面は平面で、しかもターンテーブル方式やスタラー方式と異なり、その材質がガラスやセラミックなどの誘電体材料であるため極めて清掃性に優れる。
【0008】
近年、加熱効率、加熱室内の有効利用容積、加熱室の清掃の容易さの観点が重要視されるようになり、回転アンテナ方式の電子レンジが一般家庭用としても見直されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近の電子レンジでは高周波加熱による加熱方式に加えて、ヒータによるグリル加熱やオーブン加熱等もできる複合機能を備えたものが開発されている。グリル加熱は、加熱室天上部の中心を外した位置にガラス管ヒータやシーズヒータを配設し、これらのヒータを表面温度で600℃以上に加熱し、被加熱物を回転移動させて全体を均一に高速で焼き上げるものである。
【0010】
一方、従来の回転アンテナ方式の電子レンジの場合には、被加熱物は載置台上に静止しているため、前記複合機能化、例えばグリル加熱機能を付加するには図15に示すように、加熱室1の天井面全体にヒータHを配置する必要がある。しかし天井面全体にヒータHを配設すると、占有面積が広がるためにヒータHの発熱温度が低下し加熱時間が増加する。また、加熱時間を短くしようとすればヒータの消費電力が増加する問題点がある。
【0011】
また、被加熱物が静止していることに起因して回転アンテナ方式では、微妙な加熱均一性が要求される茶碗蒸などの卵料理において満足な仕上がり状態が得られないことがあった。
【0012】
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、回転アンテナ方式の電子レンジにおいて従来の利点を保持しながら、グリル加熱やオーブン加熱による加熱効率を高め、また高周波加熱時の微妙な加熱均一性を得られるようにすることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明に係る高周波加熱装置では、被加熱物を加熱する加熱室と、高周波を発生する高周波発生装置と、この高周波発生装置で発生した高周波を前記加熱室に形成された開口に導く導波管と、この導波管内の高周波を前記開口を介して加熱室に供給する、受信部と放射部とを有する回転自在のアンテナと、このアンテナを回転させるためのモータと、前記アンテナの上方近傍に前記加熱室内を仕切る形で設けられた、誘電体からなる載置台とを備えた高周波加熱装置において、前記載置台上に回転部材を配置し、この回転部材及び前記アンテナの双方に磁石を設ける、又は一方に磁石を設けると共にもう一方に磁性体を設け、前記アンテナと前記回転部材と間の磁気的結合を利用して前記アンテナの回転に対応して前記回転部材を回転させると共に、前記アンテナ及び前記載置台の少なくとも一方に前記アンテナの軸方向の移動を規制する規制部材を設けた構成とした。かかる構成により、回転アンテナ方式の電子レンジでありながら被加熱物の回転載置が可能となり、グリル加熱やオーブン加熱の加熱効率が向上すると共に、被加熱物を均一に高周波加熱することができる。
【0014】
また、上記構成の電子レンジでは、回転部材とアンテナとが磁気的結合しているとき、磁石の引力によりアンテナは軸方向上方向に引き上げられる。ここでアンテナが軸方向上方に制限なく上昇すると、アンテナの放射部が載置台の下面に面接触し、摩擦により回転に不具合が生じるおそれがある。加えて、高周波の安定放射のためには、アンテナの放射部と加熱室底面との距離及び導波管への受信部の突出量を厳密に制御する必要があり、上記のように磁気的結合によってアンテナが軸方向に大きく移動すると、高周波を安定して放射できないおそれがあるところ、本発明の電子レンジでは、アンテナの軸方向の移動を規制する規制部材を設けているので、このような不具合は生じない。
【0015】
このような規制部材として、アンテナの放射部の上面に凸部を形成してもよいし、あるいは放射部に車輪を取り付けてもよい。
【0016】
アンテナとしては、円筒状の受信部の上端に略円盤状の放射部を同軸状に取り付けたものであって、前記凸部又は前記車輪を円周方向に等角度で前記放射部に取り付けたものが好ましい。また、高周波の安定放射などの観点から、アンテナの軸方向の移動距離を5mm以下とするのが望ましい。
【0017】
また使用の範囲を広げる等の観点から電熱ヒータをさらに設けてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の高周波加熱装置(電子レンジ)について図に基づいて説明する。ただし、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
【0019】
本発明の電子レンジの外観斜視図を図1に示す。そしてその正面断面図を図2に示す。この発明の電子レンジは、金属材から構成された略直方体形状の加熱室1と、この加熱室1の底面外側に加熱室1と隣接する形で設けられた導波管3とを備える。導波管3の一方側端部にはマグネトロン(高周波発生装置)2が取り付けられ、そしてもう一方端部には、加熱室に連通する開口11が形成されている。一方、加熱室1の底部にはアンテナ4が配設されている。アンテナ4は、円筒状の受信部41と、受信部41の上端部に同軸状に取り付けられた円盤状の放射部42とを備え、放射部42の上面には円周方向に等角度に第1の磁石43と凸部(規制部材)47が配置され、第1の磁石43を覆うように保護部材44が取り付けられている。
【0020】
円筒状の受信部41は、加熱室1の底面に穿設された開口11に挿通されて、導波管3内に突出し、その下端部は導波管の外底面に配設されたモータ5の軸51に接続している。これにより、アンテナ4はモータ5の駆動により回転する。
【0021】
加熱室1内のアンテナ4の上方近傍には、加熱室1内を仕切る載置台6が取り付けられている。この載置台6はガラスやセラミックなどの誘電体からなり高周波を透過する。後述するように、高周波加熱のみで被加熱物を加熱する場合には、この載置台6に被加熱物Sを直接載置してもよい。ガラスやセラミックなどからなる載置台6は、金属部材に比べその表面が平滑で清掃性が格段に優れている。
【0022】
そしてこの載置台6の上面には、被加熱物Sを載置した回転部材7が配置されている。回転部材7は円盤状の支持体71とテーブル72とを備える。支持体71の周壁には複数の車輪75が軸76で支持されていると共に、支持体71の底面には第1の磁石43に対応する位置に第2の磁石73が取り付けられ、これを覆うように保護部材74が設けられている。一方テーブル72は、支持体71の周壁に取り付けられた車輪75によって接触・支持されている。また、加熱室1の天井壁の中央から外れた位置には、グリル加熱に用いるヒータHが取り付けられている。
【0023】
図2に示すように、ここで回転部材7を載置台6の上に設置すると、第1の磁石43と第2の磁石73との磁気的吸引力によりアンテナ4が上方に移動するが、アンテナ4の放射部42上面に形成された凸部47により、載置台6の下面に放射部42が面接触するのが防止されている。
【0024】
このような構成の電子レンジを用いて、高周波加熱のみの場合及び高周波加熱に加えてグリル加熱やオーブン加熱を行う場合、マグネトロン2を作動させると、マグネトロン2から発生した高周波は、導波管3を通ってアンテナ4の受信部41に至る。そして受信部41から放射部42に伝わり加熱室1内に放射される。このときアンテナ4はモータ5により回転する。このアンテナ4の回転に起因して、第1の磁石43と第2の磁石73との磁気的結合により支持体71はアンテナ4と同じ速度で回転する一方、車輪75に支持されるテーブル72はアンテナ4の回転速度の2倍の速度で回転する。したがって、テーブル72上に載置された被加熱物Sには放射部42から放射された高周波やヒータHからの熱が均一に当射される。なお、第1の磁石43及び第2の磁石73のいずれか一方を磁性体としても磁気的結合が生じ同様の作用が得られる。またアンテナ4は載置台6と凸部47で点接触するだけなので回転に伴う摩擦は小さく抑えられる。
【0025】
なお、高周波のみで被加熱物Sを加熱する場合には、図3に示すように、回転部材7を加熱室1から外し、載置台6上に被加熱物Sを直接載置して高周波加熱を行ってもよい。これにより従来の回転アンテナ方式の特徴はそのまま維持される。すなわち、前記の通り、被加熱物Sを置いた載置台6の直下でアンテナ4が回転して高周波を被加熱物Sに均一に照射するので、被加熱物Sはムラなく加熱される。また、この場合には加熱室1内の空間全部を有効に使える。この場合、磁気的吸引力は発生しないので、アンテナ4は自重により軸方向下方に移動し、凸部47は載置台6とは接触しない状態となる。
【0026】
また、グリル加熱やオーブン加熱を行う場合には、テーブル72の回転速度をアンテナ4の回転速度と同じとしても加熱性能に影響を与えないため、支持体71の車輪75にテーブル72の下面を接触させない状態で、テーブル72を支持体71に支持させても構わない。
【0027】
図4に、図2の電子レンジで使用しているアンテナの斜視図を示す。このアンテナにおいて高周波は、放射部42に形成された開口部45,46の端部から主に放射される。アンテナ4の形状はもちろんこれに限定されるものではなく、例えば放射部42が棒状や長板状であっても構わない。
【0028】
図5に、本発明で使用するアンテナの他の形態を示す。このアンテナでは、規制部材として、円盤状の放射部42の外周に軸支した車輪48を用いている。すなわち、車輪48の上端が放射部42および保護部材44の上面から突出するように車輪48が放射部42に取り付けられている。このアンテナを電子レンジに配置したときの部分断面図を図6に示す。この図から明らかなように、載置台6の上に回転部材を配置していないときには、車輪48の上端と載置台6との間には隙間dがある。一方、車輪48の下端は加熱室1の底面に接触している。この状態で電子レンジを使用すると、例えば高周波加熱だけを行うと、モータ5の駆動によりアンテナ4が回転し、これに伴い車輪48は加熱室1の底面を転動する。これにより放射部42と加熱室1の底面との平行性が確保される。もちろん、車輪48が加熱室1の底面と接触しない状態であっても本発明の技術的範囲には含まれる。
【0029】
他方、載置台6の上に回転部材を配置したときの部分断面図を図7に示す。このとき第1の磁石43と第2の磁石73との磁気的吸引力によりアンテナ4は軸方向上方に移動するが、放射部42の外周に軸支された車輪48の上端が載置台6の下面に当接することによりその移動が規制される。このアンテナの軸方向の移動距離は5mm以下とするのが好ましい。アンテナの移動距離が5mmを超えると、アンテナの放射部と加熱室底面との距離及び導波管への受信部の突出量の変化が大きすぎ、安定して高周波を放射できないおそれがあるからである。より好ましい移動距離は1mm以下である。このアンテナの移動距離は、図6に示した車輪48の上端面と載置台6下面との隙間dを調整することにより実質的に調整できる。
【0030】
この状態で電子レンジを使用すると、例えば高周波加熱とグリル加熱を併用すると、モータ5の駆動によりアンテナ4が回転し、これに伴い車輪48は載置台6の下面上を転動する。これにより、磁気的吸引力による放射部42の周縁部の軸方向上方への撓みが防止され、放射部42と載置台6との平行性が確保される。
【0031】
本発明で使用する支持体71はヒータ加熱時の耐熱性や強度などを考慮すると金属材料から構成するのが望ましい。しかし、この場合は金属材料は高周波を透過しないので、例えば図8に示すように高周波が通過できる開口部77を設ける、あるいは図9に示すように支持体71の骨格を残してそれ以外の部分を切り欠いて空間とするのが望ましい。
【0032】
また本発明で使用するテーブル72は高周波加熱のときには、高周波を透過するものであれば特に限定はなく、強度や清掃性の観点からはガラスやセラミックなどからなるものが推奨される。また、グリル加熱、コンベクション加熱のときには、非磁性体の金属製のテーブルが望ましい。
【0033】
【発明の効果】
本発明に係る高周波加熱装置では、載置台上に回転部材を配置し、この回転部材及びアンテナの双方に磁石を設ける、又は一方に磁石を設けると共にもう一方に磁性体を設け、アンテナと回転部材と間の磁気的結合を利用して、アンテナの回転に対応して回転部材を回転させる構成としたので、回転アンテナ方式の電子レンジでありながら被加熱物を回転載置することができ、グリル加熱やオーブン加熱の加熱効率が向上すると共に、被加熱物を均一に高周波加熱することができる。
【0034】
また、回転部材とアンテナとが磁気的結合しているとき、アンテナの軸方向の移動距離を規制部材で制限するので、アンテナの放射部が載置台の下面に面接触することがなく、アンテナを円滑に回転させることができる。また、アンテナの放射部と加熱室底面との距離及び導波管への受信部の突出量を厳密に制御でき、高周波を安定して放射できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電子レンジの外観図の一例である。
【図2】 図1の電子レンジの正面断面図である。
【図3】 回転部材を用いない場合の電子レンジの正面断面図である。
【図4】 アンテナの一例を示す斜視図である。
【図5】 アンテナの他の例を示す斜視図である。
【図6】 図5のアンテナを電子レンジに配置したときの部分断面図である。
【図7】 図6の装置おいて回転部材を配置したときの部分断面図である。
【図8】 支持体の一例を示す斜視図である。
【図9】 支持体の他の例を示す平面図である。
【図10】 従来のターンテーブル方式の高周波加熱装置を示す正面断面図である。
【図11】 従来のターンテーブル方式の高周波加熱装置を示す斜視図である。
【図12】 従来のスタラー方式の高周波加熱装置を示す正面断面図である。
【図13】 従来のスタラー方式の高周波加熱装置を示す斜視図である。
【図14】 従来の回転アンテナ方式の高周波加熱装置を示す側面断面図である。
【図15】従来のヒータ付の回転アンテナ方式の高周波加熱装置を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1 加熱室
2 マグネトロン(高周波発生装置)
3 導波管
4 アンテナ
5 モータ
6 載置台
7 回転部材
S 被加熱物
H ヒータ
11 開口
41 受信部
42 放射部
43 第1の磁石
47 凸部(規制部材)
48 車輪(規制部材)
71 支持体
72 テーブル
73 第2の磁石
75 車輪
【発明の属する技術分野】
本発明は高周波加熱装置(以下、「電子レンジ」と記すことがある)に関し、より詳細には回転アンテナ方式の高周波加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子レンジの加熱室における均一加熱方式としては大きく分けて、ターンテーブル方式とスタラー方式、回転アンテナ方式とがある。これらの均一加熱方式について以下に簡単に説明しておく。まずターンテーブル方式は、加熱室の底面に配置したターンテーブルに被加熱物を載せ、ターンテーブルを回転させることにより、加熱室の側壁面又は天上面に設けられた開口から放射される高周波を、被加熱物全体に均一に照射し加熱するものであって、電子レンジの中では現在最も広く用いられている方式である。図10及び図11に、この方式の電子レンジの一例を示す断面図及び斜視図を示す。加熱室1の底外面にモータ5が配設され、このモータ5の軸51は加熱室1の底面に穿設された貫通孔を通って加熱室1の底面に突出している。そして、加熱室1の底面に突出したこの軸51に円盤状のターンテーブルTが軸支され、モータ5の駆動によりターンテーブルTは回転する。一方、マグネトロン(高周波発生装置)2から放射された高周波は、導波管33を通り加熱室1側面の開口101から加熱室1に放射され、回転するターンテーブルT上の被加熱物(不図示)を照射し加熱する。この他にもターンテーブルTの回転駆動方式として磁気結合を利用するものが、例えば特公昭61−13359号公報や特開昭58−220387号公報、特開昭59−14294号公報に開示されている。
【0003】
スタラー方式は一般に、図12及び13に示すように、加熱室1の天上面に設けた開口101の加熱室側近傍に金属製の電波拡散羽根32を設け、これをモータ31で回転させることによりマグネトロン2から放射された高周波の電界の強弱を変化させて開口101から加熱室1内に放射する方式である。この方式によれば、被加熱物を移動させることなく均一に加熱することができる。被加熱物は略四角形の誘電体(通常はガラス、セラミック等で構成される)からなる載置台T’に載置される。
【0004】
回転アンテナ方式は、例えば図14に示すように、マグネトロン2から放射された高周波を導波管3により加熱室1の外底部に導く一方、加熱室1の底面に形成した開口11にアンテナ4の受信部41を挿通し導波管3内に突出させ、導波管3内の高周波をこの受信部41から放射部42へと伝搬させ、そしてこのアンテナ4の放射部42をモータ5で回転させることにより高周波で被加熱物を均一に加熱する方式である(例えば特開平11−8057号公報)。被加熱物は、アンテナ4の上方近傍で加熱室1を仕切る形で設けられた、誘電体(通常はガラス、セラミック等)で構成される載置台6に載置される。この方式は、高周波が放射されるアンテナ4の放射部42の近傍に被加熱物を載置できるため、他の方式に比べて一般に加熱効率に優れる。現在、業務用・コンビニエンスストアー等で用いる電子レンジとして普及しつつある方式である。
【0005】
以上の被加熱物の均一加熱方式において、ターンテーブル方式は被加熱物の回転移動させて加熱するのに対し、スタラー方式及び回転アンテナ方式は被加熱物を静止させた状態で加熱する。加熱の均一性の観点からはターンテーブル方式、回転アンテナ方式、スタラー方式の順で優れていると一般に言われている。
【0006】
一方、加熱室内の被加熱物を載置し得る領域は、ターンテーブル方式では円形のターンテーブル領域のみであるのに対し、スタラー方式及び回転アンテナ方式では、被加熱物を移動させる必要がないので加熱室の底面全体となる。したがって、後者の方が加熱室を有効に利用することができ、加熱室の容積が同じ場合には、加熱可能な被加熱物の量は後者の方が多くなる。
【0007】
また加熱室底面の清掃性の観点からは、磁気結合によるターンテーブル方式、及びスタラー方式では加熱室底部に貫通孔を穿設する必要がなく、ターンテーブルや載置台を取り除けば加熱室の底面はほぼ平面となり比較的簡単に清掃ができる。一方、回転アンテナ方式の場合も、アンテナの上に固定配置された載置台が実用上は加熱室の底壁に相当し、この載置台の表面は平面で、しかもターンテーブル方式やスタラー方式と異なり、その材質がガラスやセラミックなどの誘電体材料であるため極めて清掃性に優れる。
【0008】
近年、加熱効率、加熱室内の有効利用容積、加熱室の清掃の容易さの観点が重要視されるようになり、回転アンテナ方式の電子レンジが一般家庭用としても見直されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近の電子レンジでは高周波加熱による加熱方式に加えて、ヒータによるグリル加熱やオーブン加熱等もできる複合機能を備えたものが開発されている。グリル加熱は、加熱室天上部の中心を外した位置にガラス管ヒータやシーズヒータを配設し、これらのヒータを表面温度で600℃以上に加熱し、被加熱物を回転移動させて全体を均一に高速で焼き上げるものである。
【0010】
一方、従来の回転アンテナ方式の電子レンジの場合には、被加熱物は載置台上に静止しているため、前記複合機能化、例えばグリル加熱機能を付加するには図15に示すように、加熱室1の天井面全体にヒータHを配置する必要がある。しかし天井面全体にヒータHを配設すると、占有面積が広がるためにヒータHの発熱温度が低下し加熱時間が増加する。また、加熱時間を短くしようとすればヒータの消費電力が増加する問題点がある。
【0011】
また、被加熱物が静止していることに起因して回転アンテナ方式では、微妙な加熱均一性が要求される茶碗蒸などの卵料理において満足な仕上がり状態が得られないことがあった。
【0012】
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、回転アンテナ方式の電子レンジにおいて従来の利点を保持しながら、グリル加熱やオーブン加熱による加熱効率を高め、また高周波加熱時の微妙な加熱均一性を得られるようにすることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明に係る高周波加熱装置では、被加熱物を加熱する加熱室と、高周波を発生する高周波発生装置と、この高周波発生装置で発生した高周波を前記加熱室に形成された開口に導く導波管と、この導波管内の高周波を前記開口を介して加熱室に供給する、受信部と放射部とを有する回転自在のアンテナと、このアンテナを回転させるためのモータと、前記アンテナの上方近傍に前記加熱室内を仕切る形で設けられた、誘電体からなる載置台とを備えた高周波加熱装置において、前記載置台上に回転部材を配置し、この回転部材及び前記アンテナの双方に磁石を設ける、又は一方に磁石を設けると共にもう一方に磁性体を設け、前記アンテナと前記回転部材と間の磁気的結合を利用して前記アンテナの回転に対応して前記回転部材を回転させると共に、前記アンテナ及び前記載置台の少なくとも一方に前記アンテナの軸方向の移動を規制する規制部材を設けた構成とした。かかる構成により、回転アンテナ方式の電子レンジでありながら被加熱物の回転載置が可能となり、グリル加熱やオーブン加熱の加熱効率が向上すると共に、被加熱物を均一に高周波加熱することができる。
【0014】
また、上記構成の電子レンジでは、回転部材とアンテナとが磁気的結合しているとき、磁石の引力によりアンテナは軸方向上方向に引き上げられる。ここでアンテナが軸方向上方に制限なく上昇すると、アンテナの放射部が載置台の下面に面接触し、摩擦により回転に不具合が生じるおそれがある。加えて、高周波の安定放射のためには、アンテナの放射部と加熱室底面との距離及び導波管への受信部の突出量を厳密に制御する必要があり、上記のように磁気的結合によってアンテナが軸方向に大きく移動すると、高周波を安定して放射できないおそれがあるところ、本発明の電子レンジでは、アンテナの軸方向の移動を規制する規制部材を設けているので、このような不具合は生じない。
【0015】
このような規制部材として、アンテナの放射部の上面に凸部を形成してもよいし、あるいは放射部に車輪を取り付けてもよい。
【0016】
アンテナとしては、円筒状の受信部の上端に略円盤状の放射部を同軸状に取り付けたものであって、前記凸部又は前記車輪を円周方向に等角度で前記放射部に取り付けたものが好ましい。また、高周波の安定放射などの観点から、アンテナの軸方向の移動距離を5mm以下とするのが望ましい。
【0017】
また使用の範囲を広げる等の観点から電熱ヒータをさらに設けてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の高周波加熱装置(電子レンジ)について図に基づいて説明する。ただし、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
【0019】
本発明の電子レンジの外観斜視図を図1に示す。そしてその正面断面図を図2に示す。この発明の電子レンジは、金属材から構成された略直方体形状の加熱室1と、この加熱室1の底面外側に加熱室1と隣接する形で設けられた導波管3とを備える。導波管3の一方側端部にはマグネトロン(高周波発生装置)2が取り付けられ、そしてもう一方端部には、加熱室に連通する開口11が形成されている。一方、加熱室1の底部にはアンテナ4が配設されている。アンテナ4は、円筒状の受信部41と、受信部41の上端部に同軸状に取り付けられた円盤状の放射部42とを備え、放射部42の上面には円周方向に等角度に第1の磁石43と凸部(規制部材)47が配置され、第1の磁石43を覆うように保護部材44が取り付けられている。
【0020】
円筒状の受信部41は、加熱室1の底面に穿設された開口11に挿通されて、導波管3内に突出し、その下端部は導波管の外底面に配設されたモータ5の軸51に接続している。これにより、アンテナ4はモータ5の駆動により回転する。
【0021】
加熱室1内のアンテナ4の上方近傍には、加熱室1内を仕切る載置台6が取り付けられている。この載置台6はガラスやセラミックなどの誘電体からなり高周波を透過する。後述するように、高周波加熱のみで被加熱物を加熱する場合には、この載置台6に被加熱物Sを直接載置してもよい。ガラスやセラミックなどからなる載置台6は、金属部材に比べその表面が平滑で清掃性が格段に優れている。
【0022】
そしてこの載置台6の上面には、被加熱物Sを載置した回転部材7が配置されている。回転部材7は円盤状の支持体71とテーブル72とを備える。支持体71の周壁には複数の車輪75が軸76で支持されていると共に、支持体71の底面には第1の磁石43に対応する位置に第2の磁石73が取り付けられ、これを覆うように保護部材74が設けられている。一方テーブル72は、支持体71の周壁に取り付けられた車輪75によって接触・支持されている。また、加熱室1の天井壁の中央から外れた位置には、グリル加熱に用いるヒータHが取り付けられている。
【0023】
図2に示すように、ここで回転部材7を載置台6の上に設置すると、第1の磁石43と第2の磁石73との磁気的吸引力によりアンテナ4が上方に移動するが、アンテナ4の放射部42上面に形成された凸部47により、載置台6の下面に放射部42が面接触するのが防止されている。
【0024】
このような構成の電子レンジを用いて、高周波加熱のみの場合及び高周波加熱に加えてグリル加熱やオーブン加熱を行う場合、マグネトロン2を作動させると、マグネトロン2から発生した高周波は、導波管3を通ってアンテナ4の受信部41に至る。そして受信部41から放射部42に伝わり加熱室1内に放射される。このときアンテナ4はモータ5により回転する。このアンテナ4の回転に起因して、第1の磁石43と第2の磁石73との磁気的結合により支持体71はアンテナ4と同じ速度で回転する一方、車輪75に支持されるテーブル72はアンテナ4の回転速度の2倍の速度で回転する。したがって、テーブル72上に載置された被加熱物Sには放射部42から放射された高周波やヒータHからの熱が均一に当射される。なお、第1の磁石43及び第2の磁石73のいずれか一方を磁性体としても磁気的結合が生じ同様の作用が得られる。またアンテナ4は載置台6と凸部47で点接触するだけなので回転に伴う摩擦は小さく抑えられる。
【0025】
なお、高周波のみで被加熱物Sを加熱する場合には、図3に示すように、回転部材7を加熱室1から外し、載置台6上に被加熱物Sを直接載置して高周波加熱を行ってもよい。これにより従来の回転アンテナ方式の特徴はそのまま維持される。すなわち、前記の通り、被加熱物Sを置いた載置台6の直下でアンテナ4が回転して高周波を被加熱物Sに均一に照射するので、被加熱物Sはムラなく加熱される。また、この場合には加熱室1内の空間全部を有効に使える。この場合、磁気的吸引力は発生しないので、アンテナ4は自重により軸方向下方に移動し、凸部47は載置台6とは接触しない状態となる。
【0026】
また、グリル加熱やオーブン加熱を行う場合には、テーブル72の回転速度をアンテナ4の回転速度と同じとしても加熱性能に影響を与えないため、支持体71の車輪75にテーブル72の下面を接触させない状態で、テーブル72を支持体71に支持させても構わない。
【0027】
図4に、図2の電子レンジで使用しているアンテナの斜視図を示す。このアンテナにおいて高周波は、放射部42に形成された開口部45,46の端部から主に放射される。アンテナ4の形状はもちろんこれに限定されるものではなく、例えば放射部42が棒状や長板状であっても構わない。
【0028】
図5に、本発明で使用するアンテナの他の形態を示す。このアンテナでは、規制部材として、円盤状の放射部42の外周に軸支した車輪48を用いている。すなわち、車輪48の上端が放射部42および保護部材44の上面から突出するように車輪48が放射部42に取り付けられている。このアンテナを電子レンジに配置したときの部分断面図を図6に示す。この図から明らかなように、載置台6の上に回転部材を配置していないときには、車輪48の上端と載置台6との間には隙間dがある。一方、車輪48の下端は加熱室1の底面に接触している。この状態で電子レンジを使用すると、例えば高周波加熱だけを行うと、モータ5の駆動によりアンテナ4が回転し、これに伴い車輪48は加熱室1の底面を転動する。これにより放射部42と加熱室1の底面との平行性が確保される。もちろん、車輪48が加熱室1の底面と接触しない状態であっても本発明の技術的範囲には含まれる。
【0029】
他方、載置台6の上に回転部材を配置したときの部分断面図を図7に示す。このとき第1の磁石43と第2の磁石73との磁気的吸引力によりアンテナ4は軸方向上方に移動するが、放射部42の外周に軸支された車輪48の上端が載置台6の下面に当接することによりその移動が規制される。このアンテナの軸方向の移動距離は5mm以下とするのが好ましい。アンテナの移動距離が5mmを超えると、アンテナの放射部と加熱室底面との距離及び導波管への受信部の突出量の変化が大きすぎ、安定して高周波を放射できないおそれがあるからである。より好ましい移動距離は1mm以下である。このアンテナの移動距離は、図6に示した車輪48の上端面と載置台6下面との隙間dを調整することにより実質的に調整できる。
【0030】
この状態で電子レンジを使用すると、例えば高周波加熱とグリル加熱を併用すると、モータ5の駆動によりアンテナ4が回転し、これに伴い車輪48は載置台6の下面上を転動する。これにより、磁気的吸引力による放射部42の周縁部の軸方向上方への撓みが防止され、放射部42と載置台6との平行性が確保される。
【0031】
本発明で使用する支持体71はヒータ加熱時の耐熱性や強度などを考慮すると金属材料から構成するのが望ましい。しかし、この場合は金属材料は高周波を透過しないので、例えば図8に示すように高周波が通過できる開口部77を設ける、あるいは図9に示すように支持体71の骨格を残してそれ以外の部分を切り欠いて空間とするのが望ましい。
【0032】
また本発明で使用するテーブル72は高周波加熱のときには、高周波を透過するものであれば特に限定はなく、強度や清掃性の観点からはガラスやセラミックなどからなるものが推奨される。また、グリル加熱、コンベクション加熱のときには、非磁性体の金属製のテーブルが望ましい。
【0033】
【発明の効果】
本発明に係る高周波加熱装置では、載置台上に回転部材を配置し、この回転部材及びアンテナの双方に磁石を設ける、又は一方に磁石を設けると共にもう一方に磁性体を設け、アンテナと回転部材と間の磁気的結合を利用して、アンテナの回転に対応して回転部材を回転させる構成としたので、回転アンテナ方式の電子レンジでありながら被加熱物を回転載置することができ、グリル加熱やオーブン加熱の加熱効率が向上すると共に、被加熱物を均一に高周波加熱することができる。
【0034】
また、回転部材とアンテナとが磁気的結合しているとき、アンテナの軸方向の移動距離を規制部材で制限するので、アンテナの放射部が載置台の下面に面接触することがなく、アンテナを円滑に回転させることができる。また、アンテナの放射部と加熱室底面との距離及び導波管への受信部の突出量を厳密に制御でき、高周波を安定して放射できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電子レンジの外観図の一例である。
【図2】 図1の電子レンジの正面断面図である。
【図3】 回転部材を用いない場合の電子レンジの正面断面図である。
【図4】 アンテナの一例を示す斜視図である。
【図5】 アンテナの他の例を示す斜視図である。
【図6】 図5のアンテナを電子レンジに配置したときの部分断面図である。
【図7】 図6の装置おいて回転部材を配置したときの部分断面図である。
【図8】 支持体の一例を示す斜視図である。
【図9】 支持体の他の例を示す平面図である。
【図10】 従来のターンテーブル方式の高周波加熱装置を示す正面断面図である。
【図11】 従来のターンテーブル方式の高周波加熱装置を示す斜視図である。
【図12】 従来のスタラー方式の高周波加熱装置を示す正面断面図である。
【図13】 従来のスタラー方式の高周波加熱装置を示す斜視図である。
【図14】 従来の回転アンテナ方式の高周波加熱装置を示す側面断面図である。
【図15】従来のヒータ付の回転アンテナ方式の高周波加熱装置を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1 加熱室
2 マグネトロン(高周波発生装置)
3 導波管
4 アンテナ
5 モータ
6 載置台
7 回転部材
S 被加熱物
H ヒータ
11 開口
41 受信部
42 放射部
43 第1の磁石
47 凸部(規制部材)
48 車輪(規制部材)
71 支持体
72 テーブル
73 第2の磁石
75 車輪
Claims (6)
- 被加熱物を加熱する加熱室と、高周波を発生する高周波発生装置と、この高周波発生装置で発生した高周波を前記加熱室に形成された開口に導く導波管と、この導波管内の高周波を前記開口を介して加熱室に供給する、受信部と放射部とを有する回転自在のアンテナと、このアンテナを回転させるためのモータと、前記アンテナの上方近傍に前記加熱室内を仕切る形で設けられた、誘電体からなる載置台とを備えた高周波加熱装置において、
前記載置台上に回転部材を配置し、
この回転部材及び前記アンテナの双方に磁石を設ける、又は一方に磁石を設けると共にもう一方に磁性体を設け、
前記アンテナと前記回転部材と間の磁気的結合を利用して、前記アンテナの回転に対応して前記回転部材を回転させると共に、
前記アンテナ及び前記載置台の少なくとも一方に前記アンテナの軸方向の移動を規制する規制部材を設けたことを特徴とする高周波加熱装置。 - 前記規制部材がアンテナの前記放射部の上面に形成された凸部である請求項1記載の高周波加熱装置。
- 前記規制部材がアンテナの前記放射部に取り付けられた車輪である請求項1記載の高周波加熱装置。
- 前記アンテナは、円筒状の受信部の上端に略円盤状の放射部を同軸状に取り付けたものであって、前記凸部又は前記車輪が前記放射部に円周方向に等角度で取り付けられた請求項1〜3のいずれかに記載の高周波加熱装置。
- 前記アンテナの軸方向の移動距離が5mm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の高周波加熱装置。
- 電熱ヒータがさらに備えられた請求項1〜5のいずれかに記載の高周波加熱装置。
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