JP3909827B2 - 車両用電源システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等を含む種々の車両に搭載可能な車両用電源システムに関し、より詳細には、近年開発が進められている高電圧電源部を搭載した車両における種々の電気負荷に電力を供給するための車両用電源システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
14ボルト(以下、“ボルト”または“V”と称す)のオルタネータおよび充放電可能な12Vバッテリを有する定格直流12V〜14V出力の電源部を搭載した自動車(即ち、所謂14V車)は、従来の車両として一般的に知られている。この14V車において用いられている車両用電源システムの一例を図2に基づき説明する。図2は車両用電源システムおよび電気負荷を示すブロック回路図である。
【0003】
図2に示されるように、車両用電源システム1には電源部2と電力分配部6とが設けられている。電源部2は充放電可能なバッテリ4とオルタネータ3とを備えており、電源部2の定格出力電圧値は直流12V〜14Vである。オルタネータ3はエンジン(不図示)の回転により14Vの電力を発電する。このオルタネータ3によりバッテリ4は充電される。
【0004】
電力分配部6は、例えばジャンクションブロック(即ち、所謂J/B)であり、電力線5により電源部2と電気的に接続され、該電力線5を介して電源部2から直流12V〜14Vの電力供給を受けている。電力分配部6には種々の電気負荷が電気的に接続されており、これらの電気負荷に電力分配部6から電力が供給される。図2では、当該電気負荷の例として、電気負荷群EL1およびランプL1が示されている。電気負荷群EL1には、種々の電気装置を制御するためのCPUやドライバー回路等(不図示)を有する複数の電子制御ユニットECU1〜ECU3の他、様々な電気負荷が含まれており、これらの電気負荷は電力分配部6から直流12V〜14Vの電力を供給されている。
【0005】
電力分配部6におけるDC/DCコンバータSR1、中央処理装置CPU1、ドライバー回路D1およびパワートランジスタTr1は、電気負荷であるランプL1を駆動するための回路である。DC/DCコンバータSR1は、半導体素子等により構成された公知のシリーズレギュレータであり、電力線5に電気的に接続され、直流12V〜14Vを直流5Vに変換して、この直流5Vの電力を中央処理装置CPU1およびドライバー回路D1へ供給する直流電圧変換器として働く。パワートランジスタTr1のベース端子はドライバー回路D1と電気的に接続され、コレクタ端子は過電流保護用ヒューズF1を介して電力線5と電気的に接続され、そしてエミッタ端子はランプL1およびドライバー回路D1と電気的に接続されている。ドライバー回路D1からパワートランジスタTr1のベース端子に電圧が印加されると、パワートランジスタTr1がON状態となりコレクタ端子からエミッタ端子に電流が流れランプL1が点灯する。
【0006】
図2に示されるように、中央処理装置CPU1は、LAN(即ち、Local Area Network)と接続されており、車両内に設けられた種々の電気装置と通信を行う。例えば、中央処理装置CPU1がランプL1を点灯させるための信号を当該LANを通して所定の電気装置から受信すると、中央処理装置CPU1はドライバー回路D1に指令信号を送信して前述のようにランプL1を点灯させる。パワートランジスタTr1のエミッタ端子にも電気的に接続されているドライバー回路D1は、エミッタ端子(ランプL1)の電圧を検出し、この検出結果を示す検出信号を中央処理装置CPU1に送信する。中央処理装置CPU1は、当該検出信号に基づきランプL1の点灯または消灯状態を判定して、当該ランプL1の状態を示す信号を所定の電気装置へLANを通して送信する。
【0007】
このような車両用電源システム1において電源部2からランプL1へ流れる電流およびパワートランジスタTr1等の損失が起因する無効電流を除くと、電力分配部6内で直接消費される電流はDC/DCコンバータSR1によって消費される電流に略等しくなる。DC/DCコンバータSR1から電力を供給される中央処理装置CPU1およびドライバー回路D1は、低電圧(即ち、5V)で駆動されるが、これらの消費電力は低いため、電力分配部6のグランドラインGには大きな電流は流れない。従って、電力分配部6のグランドラインGに対するDC/DCコンバータSR1の出力電圧や各信号ライン等の電位は安定している。尚、車両用電源システム1、ランプL1および電気負荷群EL1のグランドラインGは車両の導電性のボディにそれぞれ電気的に接続され、互いに導通している。
【0008】
ところで、近年、42Vモータ/ジェネレータおよび充放電可能な36Vバッテリを有する定格直流36V〜42V出力の電源部を搭載した、燃費に有利な、高電圧自動車(即ち、所謂42V車)の開発が進められている。14V車から42V車への移行に向けて、14V車で用いられている汎用の種々の電気負荷を42V車においても用いることができれば42V車専用の電気負荷を新規に開発した場合と比較してコスト的に有利である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、定格直流36V〜42V出力の電源部が搭載された42V車において14V車で用いられている汎用の種々の電気負荷を用いるには、直流36V〜42Vを直流12V〜14Vに変換し且つ、当該直流12V〜14Vの安定した電圧を当該電気負荷に供給できる車両用電源システムを新規に設ける必要がある。
【0010】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高電圧電源部を搭載した車両において種々の電気負荷に安定した電圧を供給できる車両用電源システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明の車両用電源システムは、請求項1に記載したように、
高電圧電力線、第1グランドラインおよび第2グランドラインと電気的に接続し、前記高電圧電力線を介して高直流電圧の電力を出力する電源部と、
前記高電圧電力線と電気的に接続し、前記電源部から前記高直流電圧の電力の供給を受ける電力分配部と、
前記電力分配部内に設けられ、前記高直流電圧をその電圧値よりも低い低直流電圧に変換して当該低直流電圧の電力を電気負荷に供給する直流電圧変換器と、
を備え、
前記電気負荷が前記第1グランドラインと電気的に接続し、且つ前記直流電圧変換器が前記第2グランドラインと電気的に接続し、
前記直流電圧変換器と前記第2グランドラインとの接続箇所から前記電源部までの前記第2グランドラインの直流抵抗値が、前記電気負荷と前記第1グランドラインとの接続箇所から前記電源部までの前記第1グランドラインの直流抵抗値よりも小さいことを特徴としている。
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、直流電圧変換器と第2グランドラインとの接続箇所から電源部までの第2グランドラインの直流抵抗値が、電気負荷と第1グランドラインとの接続箇所から電源部までの第1グランドラインの直流抵抗値よりも小さいので、直流電圧変換器から第2グランドラインを通って電源部へ帰還する電流または電源部から第2グランドラインを通って直流電圧変換器へ供給される電流による直流電圧変換器と第2グランドラインとの接続箇所の電位変動を抑制することができる。そのため、直流電圧変換器と電源部とを電気的に接続する第2グランドラインに大きな電流が流れても、電気負荷と第1グランドラインとの接続箇所の電位は変動されない。従って、電気負荷と第1グランドラインとの接続箇所の電位が安定する。それ故、当該電気負荷が、例えば、直流電圧変換器の出力電圧を基に所定の電気装置の制御を行う電子制御ユニットである場合、当該電子制御ユニットに安定した制御動作を行わせることができる。
【0013】
また、本発明の車両用電源システムは、請求項2に記載したように、前記電気負荷が前記直流電圧変換器よりも前記電源部から遠方に配置されていることを特徴としている。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、このように配置した場合、直流電圧変換器と第2グランドラインとの接続箇所から電源部までの第2グランドラインの直流抵抗値が、電気負荷と第1グランドラインとの接続箇所から電源部までの第1グランドラインの直流抵抗値よりも小さいので、直流電圧変換器から第2グランドラインを通って電源部へ帰還する電流または電源部から第2グランドラインを通って直流電圧変換器へ供給される電流による直流電圧変換器と第2グランドラインとの接続箇所の電位変動を抑制することができる。
【0015】
尚、本発明の車両用電源システムは、請求項3に記載したように、前記第1グランドラインと前記第2グランドラインとが電気的に独立するように前記電源部で接続されており、前記電気負荷から前記電源部へ帰還する電流の経路と前記直流電圧変換器から前記電源部へ帰還する電流の経路が前記第1グランドラインおよび前記第2グランドラインにより分離されていることも望ましい。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、第1グランドラインと第2グランドラインとがインピーダンスの最も低い電源部で接続されて電気的に独立させられるので、直流電圧変換器から第2グランドラインを通って電源部へ帰還する電流または電源部から第2グランドラインを通って直流電圧変換器へ供給される電流による直流電圧変換器と第2グランドラインとの接続箇所の電位変動を抑制することができる。また、直流電圧変換器と第2グランドラインとの接続箇所の電位変動による第1グランドラインへの影響が完全に解消されるので、電気負荷と第1グランドラインとの接続箇所の電位が安定する。
【0017】
また、本発明の車両用電源システムは、請求項4に記載したように、前記高直流電圧を出力する前記電源部の定格出力電圧値が低くとも36ボルトであることを特徴としている。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、定格出力電圧値が低くとも36ボルトの電源部を搭載した例えば42V車に本発明の負荷駆動装置を搭載すれば、電気負荷として汎用の種々の電気負荷を用いることができる。汎用の種々の電気負荷を用いることができれば、コスト的に有利である。
【0019】
直流電圧変換器から出力される低直流電圧の電圧値を例えば28ボルトに設定した場合は、電気負荷として、例えばバス、トラック、等の所謂28V車で用いられる汎用の電気負荷を用いることができ、例えば当該電圧値を14ボルトに設定した場合は、電気負荷として、例えば汎用の14V車用電気負荷を用いることができる。従って、42車専用の電気負荷を用いた場合と比較して、より安価な汎用の電気負荷を用いることができる。それ故、直流電圧変換器から出力される低直流電圧の電圧値は高くとも28Vに設定することが望ましい。
【0020】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明の実施の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る好適な実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明の車両用電源システムの実施形態の構成を示すブロック回路図であり、特に、前述した現在開発が進められている高電圧自動車(即ち、所謂42V車)に本発明を適用した場合を例として示している。
【0022】
図1に示されるように、本発明の車両用電源システム30には電源部10と電力分配部20とが設けられている。電源部10は充放電可能な36Vバッテリ12と42Vモータ/ジェネレータ14とを備えており、電源部10の定格出力電圧値は直流36V〜42Vである。モータ/ジェネレータ14は、バッテリ12から電力供給を受けて車両の動力の一部として働くモータ機能と、エンジン(不図示)の回転により42Vの電力を発電するジェネレータ機能とを兼ね備えている。このモータ/ジェネレータ14によりバッテリ12は充電される。電源部10は、高電圧電力線16、第1グランドラインG1および第2グランドラインG2と電気的に接続しており、高電圧電力線16を介して36V〜42Vといった高直流電圧の電力を出力する。尚、第1グランドラインG1および第2グランドラインG2として車両の導電性のボディを用いてもよいが、当該車両のボディの他、電線、バスバー、等を適宜用いてもよい。
【0023】
電力分配部20は、例えばジャンクションブロック(即ち、所謂J/B)であり、高電圧電力線16により電源部10と電気的に接続され、該高電圧電力線16を介して電源部10から高直流電圧の電力供給を受けている。電力分配部20には種々の電気負荷が電気的に接続されており、これらの電気負荷に電力分配部20から電力が供給される。図1では、当該電気負荷の例として、電気負荷群EL1と42V車用のランプL2が示されている。電気負荷群EL1は、図2を基に既に説明した14V車用のものと同一である。尚、電気負荷群EL1は電力分配部20から直流14Vの電力を供給される。
【0024】
電力分配部20におけるDC/DCコンバータSR2、中央処理装置CPU2、ドライバー回路D2、パワートランジスタTr2およびヒューズF2は、電気負荷である42V車用のランプL2を駆動するための回路であるが、本実施形態を理解し易くするため既に図2を基に説明したDC/DCコンバータSR1、中央処理装置CPU1、ドライバー回路D1、パワートランジスタTr1およびヒューズF1と同様の回路構成とした。重複説明回避のため、図1に示されるLAN(即ち、Local Area Network)も含めた当該ランプ駆動回路の動作、作用、等に関しては、図2を基に説明した内容から容易に推察可能であるため説明を省略する。勿論、DC/DCコンバータSR2、中央処理装置CPU2、ドライバー回路D2、パワートランジスタTr2、ヒューズF2およびLANが電源部10の高直流電圧に適合されていることは言うまでもない。尚、本実施形態では、パワートランジスタTr2の一例として図1に示されるようにNPN型のバイポーラトランジスタを用いたが、その他、PNP型のバイポーラトランジスタ、MOS型トランジスタ、等を適宜用いてもよい。
【0025】
さて、電力分配部20内には、更に、電源部10から出力された36V〜42Vといった高直流電圧を直流14Vといった低直流電圧に変換し、当該直流14Vの電力を電気負荷群EL1に供給する直流電圧変換器として、DC/DCコンバータ22が設けられている。DC/DCコンバータ22の例としては、スイッチング用半導体素子、トランス、出力電圧平滑化素子、等により構成された公知のスイッチングレギュレータ、半導体素子等により構成された公知のシリーズレギュレータ、等が挙げられる。スイッチングレギュレータおよびシリーズレギュレータについては、変換効率、電圧変換比率、電力供給能力、コスト、等にそれぞれ固有の特徴があるため、それらの特徴を考慮した上でDC/DCコンバータ22は選定されるべきである。スイッチングレギュレータは、シリーズレギュレータと比較して、変換効率が高く、直流36V〜42Vのような幅広い入力電圧への対応が容易であり且つ、大きな消費電力を要する電気負荷への対応も容易であるため、電気負荷群EL1への電力供給に適している。従って、本実施形態では、DC/DCコンバータ22としてスイッチングレギュレータを用いた。
【0026】
DC/DCコンバータ22は、低電圧電力線24によって電気負荷群EL1に電気的に接続され、電気負荷群EL1に低直流電圧を印加する。既に説明したように電気負荷群EL1には、種々の電気装置を制御するためのCPUやドライバー回路等(不図示)を有する複数の電子制御ユニットECU1〜ECU3の他、様々な電気負荷が含まれており、電気負荷群EL1の消費電力は大きい。従って、DC/DCコンバータ22が電気的に接続されている第2グランドラインG2には大きな電流が流れる。
【0027】
本実施形態では、DC/DCコンバータ22としてスイッチングレギュレータを用いているが、周知のとおりスイッチングレギュレータは入力電圧をパルス電圧に一旦変換し、そして当該パルス電圧のパルスデューティー比を変化させて所望の出力電圧(出力電力)に調節する。それ故、DC/DCコンバータ22によって第2グランドラインG2に流される電流には、DC/DCコンバータ22から第2グランドラインG2を通って電源部10へ帰還する電流および電源部10から第2グランドラインG2を通ってDC/DCコンバータ22へ供給される(即ち、引き戻される)電流がある。尚、DC/DCコンバータ22としてシリーズレギュレータを用いた場合、DC/DCコンバータ22によって第2グランドラインG2に流される電流は、基本的にDC/DCコンバータ22から第2グランドラインG2を通って電源部10へ帰還する電流だけとなる。
【0028】
DC/DCコンバータ22によって第2グランドラインG2に流される大電流および第2グランドラインG2の直流抵抗により、第2グランドラインG2の電位は大きく変動する。本実施形態では、この第2グランドラインG2の電位変動の影響を電気負荷群EL1に与えないようにするため、電気負荷群EL1を第1グランドラインG1に電気的に接続している。そして、第1グランドラインG1および第2グランドラインG2は、DC/DCコンバータ22と電源部10との間で第2グランドラインG2に流れる電流による電気負荷群EL1と第1グランドラインG1との接続箇所の電位変動が抑制されるように、適宜接続されている。
【0029】
それ故、DC/DCコンバータ22と電源部10とを電気的に接続する第2グランドラインG2に大きな電流が流れても、電気負荷群EL1と第1グランドラインG1との接続箇所の電位は変動されない。従って、電気負荷群EL1と第1グランドラインG1との接続箇所の電位が安定する。即ち、このように電位が安定している第1グランドラインG1からみたDC/DCコンバータ22の出力電圧は安定しており、電圧降下や電圧の揺らぎは生じない。電気負荷群EL1における電気負荷のうちDC/DCコンバータ22の出力電圧を基に所定の電気装置の制御を行う電子制御ユニットECU1〜ECU3を例にとると、当該電子制御ユニットECU1〜ECU3に安定した制御動作を行わせることができる。尚、図1に示されるように、第1グランドラインG1、低電圧電力線24およびDC/DCコンバータ22と電気的に接続するモニター回路26を設けることが望ましい。モニター回路26は、第1グランドラインG1の電位を基準電圧としてDC/DCコンバータ22の出力電圧を監視し、所定の電圧を出力するようDC/DCコンバータ22を制御する。従って、電気負荷群EL1に印加される電圧の精度をモニター回路26により向上できる。
【0030】
尚、図1に示されるように、電気負荷群EL1をDC/DCコンバータ22よりも電源部10から遠方に配置することも望ましい。このように配置した場合、DC/DCコンバータ22と第2グランドラインG2との接続箇所から電源部10までの第2グランドラインG2の直流抵抗値が、電気負荷群EL1と第1グランドラインG1との接続箇所から電源部10までの第1グランドラインG1の直流抵抗値よりも小さいので、DC/DCコンバータ22から第2グランドラインG2を通って電源部10へ帰還する電流または電源部10から第2グランドラインG2を通ってDC/DCコンバータ22へ供給される電流によるDC/DCコンバータ22と第2グランドラインG2との接続箇所の電位変動を抑制することができる。従って、電気負荷群EL1と第1グランドラインG1との接続箇所の電位も安定させることができる。
【0031】
尚、第1グランドラインG1と第2グランドラインG2とが電気的に独立するように第1グランドラインG1および第2グランドラインG2を電源部10で接続して、電気負荷群EL1から電源部10へ帰還する電流の経路とDC/DCコンバータ22から電源部10へ帰還する電流の経路を第1グランドラインG1および第2グランドラインG2により分離することも好ましい。このようにすれば、第1グランドラインG1と第2グランドラインG2とがインピーダンスの最も低い電源部10で接続されて電気的に独立させられるので、DC/DCコンバータ22から第2グランドラインG2を通って電源部10へ帰還する電流または電源部10から第2グランドラインG2を通ってDC/DCコンバータ22へ供給される電流によるDC/DCコンバータ22と第2グランドラインG2との接続箇所の電位変動を抑制することができる。また、DC/DCコンバータ22と第2グランドラインG2との接続箇所の電位変動による第1グランドラインG1への影響が完全に解消されるので、電気負荷群EL1と第1グランドラインG1との接続箇所の電位が安定する。即ち、第1グランドラインG1と第2グランドラインG2の接続箇所は電源部10に近ければ近いほど好ましい。
【0032】
尚、図1に示されるように、DC/DCコンバータSR2、中央処理装置CPU2、ドライバー回路D2およびランプL2も電気負荷群EL1と同様に第1グランドラインG1に電気的に接続することが望ましい。ただし、ランプL2の消費電流が第1グランドラインG1の電位を大きく変動させるような場合は、ランプL2を第1グランドラインG1ではなく第2グランドラインG2に電気的に接続すればよい。
【0033】
尚、ランプL2は42V車用のランプであるが、ランプL2の代わりに図2に示される14V車用のランプL1を用いることもできる。例えば、パワートランジスタTr2をスイッチングパワートランジスタに変更し、当該スイッチングパワートランジスタのベース端子にドライバー回路D2からパルス電圧を印可し、当該パルス電圧のパルスデューティー比を変化させて、スイッチングパワートランジスタのエミッタ端子からランプL1に印加される電圧(即ち、ランプL1に供給される電力)をPWM制御(即ち、パルス幅変調制御)すればよい。
【0034】
尚、42V車を例にとり説明した本実施形態から理解されるように、定格出力電圧値が低くとも36ボルトの電源部を搭載した車両に本発明の車両用電源システムを採用すれば、少なくとも電気負荷群EL1に汎用の種々の電気負荷を用いることができる。汎用の種々の電気負荷を用いることができれば、コスト的に有利である。
【0035】
DC/DCコンバータ22から出力される低直流電圧の電圧値を例えば28ボルトに設定した場合は、電気負荷として、例えばバス、トラック、等の所謂28V車で用いられる汎用の電気負荷を用いることができ、例えば当該電圧値を14ボルトに設定した場合は、電気負荷として、例えば汎用の14V車用電気負荷を用いることができる。従って、42車専用の電気負荷を用いた場合と比較して、より安価な汎用の電気負荷を用いることができる。勿論、低直流電圧を5V等、より低い電圧値に設定してもよい。従って、当該低直流電圧の電圧値は高くとも28Vに設定することが望ましい。
【0036】
尚、図中の電気負荷群EL1には電気負荷の代表として複数のECU1〜ECU3が示されているが、電気負荷としてECUを一つだけ設けてもよいことは言うまでもない。
【0037】
尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形,改良,等が可能である。その他、前述した実施形態における各構成要素の形態,配置個所,数,数値,等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0038】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の車両用電源システムによれば、直流電圧変換器と電源部とを電気的に接続する第2グランドラインに大きな電流が流れても、電気負荷と第1グランドラインとの接続箇所の電位は変動されない。従って、電気負荷と第1グランドラインとの接続箇所の電位が安定する。それ故、当該電気負荷が、例えば、直流電圧変換器の出力電圧を基に所定の電気装置の制御を行う電子制御ユニットである場合、当該電子制御ユニットに安定した制御動作を行わせることができる。
【0039】
また、本発明によれば、直流電圧変換器と第2グランドラインとの接続箇所から電源部までの第2グランドラインの直流抵抗値が、電気負荷と第1グランドラインとの接続箇所から電源部までの第1グランドラインの直流抵抗値よりも小さいので、直流電圧変換器から第2グランドラインを通って電源部へ帰還する電流または電源部から第2グランドラインを通って直流電圧変換器へ供給される電流による直流電圧変換器と第2グランドラインとの接続箇所の電位変動を抑制することができる。従って、電気負荷と第1グランドラインとの接続箇所の電位も安定させることができる。
【0040】
尚、本発明によれば、第1グランドラインと第2グランドラインとをインピーダンスの最も低い電源部で接続して電気的に独立させてもよいので、直流電圧変換器から第2グランドラインを通って電源部へ帰還する電流または電源部から第2グランドラインを通って直流電圧変換器へ供給される電流による直流電圧変換器と第2グランドラインとの接続箇所の電位変動を抑制することができる。また、直流電圧変換器と第2グランドラインとの接続箇所の電位変動による第1グランドラインへの影響が完全に解消されるので、電気負荷と第1グランドラインとの接続箇所の電位が安定する。
【0041】
また、本発明によれば、定格出力電圧値が低くとも36ボルトの電源部を搭載した例えば42V車に本発明の負荷駆動装置を搭載すれば、電気負荷として汎用の種々の電気負荷を用いることができる。汎用の種々の電気負荷を用いることができれば、コスト的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用電源システムの実施形態の構成を示すブロック回路図である。
【図2】従来の14V車において用いられている車両用電源システムおよび電気負荷の一例を示すブロック回路図である。
【符号の説明】
10 電源部
16 高電圧電力線
20 電力分配部
22 DC/DCコンバータ(直流電圧変換器)
30 車両用電源システム
G1 第1グランドライン
G2 第2グランドライン
EL1 電気負荷群(電気負荷)
Claims (4)
- 高電圧電力線、第1グランドラインおよび第2グランドラインと電気的に接続し、前記高電圧電力線を介して高直流電圧の電力を出力する電源部と、
前記高電圧電力線と電気的に接続し、前記電源部から前記高直流電圧の電力の供給を受ける電力分配部と、
前記電力分配部内に設けられ、前記高直流電圧をその電圧値よりも低い低直流電圧に変換して当該低直流電圧の電力を電気負荷に供給する直流電圧変換器と、
を備え、
前記電気負荷が前記第1グランドラインと電気的に接続し、且つ前記直流電圧変換器が前記第2グランドラインと電気的に接続し、
前記直流電圧変換器と前記第2グランドラインとの接続箇所から前記電源部までの前記第2グランドラインの直流抵抗値が、前記電気負荷と前記第1グランドラインとの接続箇所から前記電源部までの前記第1グランドラインの直流抵抗値よりも小さいことを特徴とする車両用電源システム。 - 前記電気負荷が前記直流電圧変換器よりも前記電源部から遠方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載した車両用電源システム。
- 前記第1グランドラインと前記第2グランドラインとが電気的に独立するように前記電源部で接続されており、前記電気負荷から前記電源部へ帰還する電流の経路と前記直流電圧変換器から前記電源部へ帰還する電流の経路が前記第1グランドラインおよび前記第2グランドラインにより分離されていることを特徴とする請求項1に記載した車両用電源システム。
- 前記高直流電圧を出力する前記電源部の定格出力電圧値が低くとも36ボルトであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載した車両用電源システム。
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