JP3909616B2 - サンドイッチパネル及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、サンドイッチパネル及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、一対のアルミニウム合金製(以下にアルミニウム製という)の表面板と、表面板間に介在されるコア材とをろう付あるいは接着により一体接合してなるサンドイッチパネルは、軽量で断熱及び遮音性等に優れているため、内装や外装等の建材として広く使用されている。
【0003】
このサンドイッチパネルは、一枚の大きさが限られるため、上記のように一対の表面板間にコア材を介在してなる複数のパネル体を接合してより大きな形状のサンドイッチパネルとしている。
【0004】
そのため従来では、所定寸法に分割したパネル体を作製し、このパネル体の表面板(母材)とタングステン電極の間にアークを発生させ、ノズルよりイナートガスを流し、溶接部の酸化、窒化を防ぎながら溶接するTIG(Tungsten Inert Gas)溶接、あるいは、パネル体の表面板(母材)と電極ワイヤとの間にアークを発生させて溶接するMIG(Metal Inert Gas)溶接等を用いて複数のパネル体を接合して所望の大きさの幅広サンドイッチパネルを製造している。
【0005】
また、別の製造方法として、所定寸法に分割したパネル体をボルト,ナット等の固定部材を用いて接合して、幅広のサンドイッチパネルとしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者すなわち溶接を用いてパネル体を溶接する場合、溶接部が表面に露呈する上、溶接時の熱により歪みが発生してパネルが変形するため、美観が損なわれるという問題があった。
【0007】
また、表面板同士の接合は強度上問題があるため、枠材同士を接合する必要がある。そのため両パネル体の枠材の当接面(溶接面)に面取り(開先)を設ける必要があり、その分加工に手間を要するという問題があった。更には、必要以上に厚肉の部分が存在し過剰品質となる傾向にあり、コストが嵩むという問題もあった。
【0008】
一方、後者すなわちパネル体をボルト,ナット等の固定部材を用いて接合するものは、接合部分の加工が煩雑であると共に、ボルト,ナットの締め付けにも多くの工数が必要である上、ボルト,ナット等の露呈をなくすなどの美観上の配慮が必要であった。また、接合部分の強度を配慮して予め強度部材例えば押出形材製の枠材を配置するなどの必要があり、多くの構成部材を要すると共に、重量が嵩むという問題もあった。
【0009】
この発明は上記事情に鑑みなされたもので、溶接部を表面に露呈することなく、表面板を接合してなり、しかも、溶接時の熱の影響による歪み(変形)のないサンドイッチパネル及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載のサンドイッチパネルは、一対のアルミニウム製表面板と、これら表面板間に介在されるコア材とを具備するサンドイッチパネルにおいて、 上記表面板は、複数の表面板単体同士を当接してなると共に、上記コア材側の当接部を表面側に掛からない範囲で摩擦溶接にて接合し、上記表面板単体同士の当接部表面に、当接線を目隠しすべく線状ろう材を埋設してなることを特徴とする。
【0011】
また、請求項2記載のサンドイッチパネルは、一対のアルミニウム製表面板と、これら表面板間に介在されるアルミニウム製コア材とをろう付により接合してなるサンドイッチパネルにおいて、 上記表面板は、母材の片面にろう材をクラッドしたブレージングシートにて形成された複数の表面板単体同士を当接してなると共に、上記コア材側に位置する上記ろう材及び母材の当接部を表面側に掛からない範囲で摩擦溶接にて接合し、上記表面板単体同士の当接部表面に、当接線を目隠しすべく線状ろう材を埋設してなることを特徴とする。
【0012】
この場合、好ましくは、埋設された線状ろう材の表面に塗布される塗料を用いる方がよい(請求項3)。
【0013】
また、請求項4記載のサンドイッチパネルの製造方法は、一対のアルミニウム製表面板と、これら表面板間に介在されるコア材とを具備するサンドイッチパネルの製造方法において、 上記表面板単体同士の当接部の片面側を表面側に掛からない範囲で摩擦溶接にて接合する工程と、 上記摩擦溶接部側を内面として表面板間にコア材を介在し、表面板とコア材とをろう付により接合する工程と、 上記表面板とコア材とをろう付により接合する工程と同時に行われ、上記表面板単体同士の当接部表面に、当接線を目隠しすべく線状ろう材を埋設する工程と、を有することを特徴とする。
【0014】
また、請求項5記載のサンドイッチパネルの製造方法は、請求項2記載のサンドイッチパネルの製造方法において、 上記表面板単体同士の当接部のろう材及び母材を表面側に掛からない範囲で摩擦溶接にて接合する工程と、上記ろう材側を内面として表面板間にコア材を介在し、表面板とコア材とをろう付により接合する工程と、 上記表面板とコア材とをろう付により接合する工程と同時に行われ、上記表面板単体同士の当接部表面に、当接線を目隠しすべく線状ろう材を埋設する工程と、を有することを特徴とする。
【0015】
請求項1,2,4又は5記載の発明によれば、表面板単体同士を当接し、その当接部を摩擦溶接にて接合し、摩擦溶接部を内側すなわちコア材側に向けて配置して表面板とコア材とを接合することにより、溶接部を表面に露呈することなく、また、表面板単体同士の当接部表面に線状ろう材を埋設することにより、表面板単体同士の当接線を外部から目隠しすることができるので、美観が損なわれることがない。また、表面板単体同士を摩擦溶接により接合した後、表面板とコア材とを接合することにより、熱歪みの発生がないサンドイッチパネルを提供することができる。
【0016】
また、請求項3記載の発明によれば、表面板単体同士の当接部表面に埋設された線状ろう材の表面に塗料を塗布することにより、表面板単体同士の当接線を外部から目隠しすることができるので、更にサンドイッチパネルの表面を一体化して化粧することができ、パネル全体の美観の向上を図ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
◎第一参考実施形態
図1はこの発明に係るサンドイッチパネルの第一参考実施形態を示す断面斜視図、図2は第一参考実施形態のサンドイッチパネルの要部拡大断面図、図3は第一参考実施形態のサンドイッチパネルの製造手順を示す概略断面図である。
【0019】
上記サンドイッチパネルは、一対の表面板10と、これら表面板10の辺部間に介在される枠材20と、一対の表面板10と枠材20とで形成される空間内に介在される多数の筒状例えば円筒状のコア材30とで構成されている。
【0020】
この場合、表面板10は、所定の寸法例えば最大幅1200〜1300mmの矩形状の表面板単体11同士を摩擦溶接40によって接合することにより幅広に形成されている。また、表面板単体11は、アルミニウム製の母材12の片面側にろう材13が被覆されたブレージングシートにて形成されている。また、コア材30はアルミニウム製の帯板を円筒状に屈曲形成したものあるいは円筒状体にて形成されており、枠材20は例えば中空矩形状のアルミニウム製押出形材にて形成されている。このように形成される表面板10とコア材30及び枠材20をろう付により一体接合することによりサンドイッチパネルが形成されている。
【0021】
上記のように構成されるサンドイッチパネルを製造するには、まず、ブレージングシートにて形成される矩形状の表面板単体11と、断面矩形状の枠材20及び円筒状の多数のコア材30とを用意する。次に、図3(a)に示すように、台板50上にろう材13側を上面にした表面板単体11同士を当接した状態で載置すると共に、表面板単体11同士が密接すべく側方から固定具60を押圧して両表面板単体11を保持する(図4参照)。
【0022】
次に、図3(a)及び図4に示すように、両表面板単体11の当接部の上面に、図示しない回転保持手段にて保持される円柱状のショルダ71の下面に突設されるプローブ72を押し当て、そして、ショルダ71及びプローブ72を高速回転(例えば1000〜5000rpm)しつつ水平方向に移動すると、両表面板単体11の当接部が摩擦熱によって軟化されると共に、撹拌されかつメタルが移動方向後方に押し詰められて摩擦溶接40される。これにより、表面板単体11同士が接合されて幅広の表面板10が形成される。この場合、摩擦溶接40は少なくとも表面板単体11の母材12同士を溶接するものであればよく、例えば図2(a)に示すように、母材12の中程まで溶接したもの、あるいは、図2(b)に示すように、母材12の露出面に掛からない全域を溶接したもののいずれであってもよい。このように表面板単体11同士を摩擦溶接40により接合することにより、母材12の露出面側は表面板単体11の接合線のみが現れることになる。
【0023】
次に、図3(b)に示すように、矩形状に枠組みされた枠材20の片面側に摩擦溶接40部を上面にして表面板10を配設した後、その枠材20の内方空間にコア材30を配置すると共に、枠材20の他面側に摩擦溶接40部を下面にして表面板10を配置する。そして、これら表面板10、枠材20及びコア材30を熱処理し、これによりろう材13を溶かしてろう付し一体成形してサンドイッチパネルを形成する(図3(c)参照)。
【0024】
なお、上記ろう付けに際しては、枠材20の適宜箇所とコア材30の側面に空気抜き孔(図示せず)を設けておく方が好ましい。空気抜き孔を設けることにより、パネル成形時の高温度下においてコア材30の中空部内で膨脹する空気を外部に排出することができ、パネルの成形性の向上を図ることができるからである。なおこの場合、コア材30を、ろう材をクラッドしたブレージングシートにて形成することにより、コア材30が、アルミニウム合金製帯板を屈曲して形成される場合においても、パネルの成形後においては、帯板の両端の分離部はろう付によって接合され、コア材30は完全に円筒状になる。なおこの場合、コア材30の形状は円筒状以外に、例えば三角,四角,五角あるいは六角以上の多角形等の筒状であってもよい。
【0025】
上記のようにして製造されるサンドイッチパネルは、所定の寸法に分割された表面板単体11同士を摩擦溶接40によって接合した幅広の表面板10を有するので、軽量の幅広のパネルとすることができる。また、表面板10の摩擦溶接40部をコア材30側に向けて配置してなるので、パネルの表面には表面板単体11同士の接合線14が現れるのみであり、美観が損なわれることはない。なお、必要であれば、表面板10に塗装等を施すことで、接合線14を目隠しすることができ、美観の向上を図ることができる。また、上記サンドイッチパネルは、表面板単体11同士を摩擦溶接40によって接合した後、表面板10と枠材20及びコア材30をろう付により一体接合するため、パネル自体は摩擦溶接時の熱の影響を受けることがなく、歪みや変形の虞れがない。
【0026】
◎第二参考実施形態
図5はこの発明に係るサンドイッチパネルの第二参考実施形態の製造手順を示す概略断面図である。
【0027】
上記第一参考実施形態では、表面板10(具体的には表面板単体11)が、ろう材13をクラッドしたブレージングシートにて形成される場合について説明したが、表面板10は必しもブレージングシートである必要はなく、アルミニウム製部材であればよい。この場合、表面板単体11同士を摩擦溶接40によって接合した表面板10と、枠材20及びコア材30とをろう材13Aを介在してろう付することによりサンドイッチパネルを製造することができる。
【0028】
第二参考実施形態のサンドイッチパネルを製造するには、まず、矩形状の表面板単体11と、断面矩形状の枠材20及び円筒状の多数のコア材30とを用意する。次に、図5(a)に示すように、台板50上に表面板単体11同士を当接した状態で載置すると共に、表面板単体11同士が密接すべく側方から固定具(図示せず)を押圧して両表面板単体11を保持する。
【0029】
次に、図5(a)に示すように、上記第一参考実施形態と同様に、両表面板単体11の当接部の上面に、図示しない回転保持手段にて保持される円柱状のショルダ71の下面に突設されるプローブ72を押し当て、そして、ショルダ71及びプローブ72を高速回転(例えば1000〜5000rpm)しつつ水平方向に移動すると、両表面板単体11の当接部が摩擦熱によって軟化されると共に、撹拌されかつメタルが移動方向後方に押し詰められて摩擦溶接40される。これにより、表面板単体11同士が接合されて幅広の表面板10が形成される。この場合、摩擦溶接40は少なくとも表面板単体11の中程まで溶接したもの、あるいは、表面板単体11の露出面に掛からない全域を溶接したもののいずれであってもよい。このように表面板単体11同士を摩擦溶接40により接合することにより、表面板10の露出面側は表面板単体11の接合線のみが現れることになる。
【0030】
次に、図5(b)に示すように、矩形状に枠組みされた枠材20の片面側に摩擦溶接40部を上面にして表面板10を配設した後、その枠材20の内方空間にろう材13Aを介在させてコア材30を配置すると共に、枠材20の他面側にろう材13Aを介在させて摩擦溶接40部を下面にした表面板10を配置する。そして、これら表面板10、枠材20及びコア材30を熱処理し、これによりろう材13を溶かしてろう付し一体成形してサンドイッチパネルを形成する(図5(c)参照)。
【0031】
なおこの場合、コア材30を、ろう材をクラッドしたブレージングシートにて形成することにより、コア材30が、アルミニウム合金製帯板を屈曲して形成される場合においても、パネルの成形後においては、帯板の両端の分離部はろう付によって接合され、コア材30は完全に円筒状になる。
【0032】
なお、第二参考実施形態において、その他の部分は上記第一参考実施形態と同じであるので、説明は省略する。
【0033】
上記のようにして製造されるサンドイッチパネルは、上記第一実施形態と同様に、軽量の幅広のパネルとすることができ、また、表面板10の摩擦溶接40部をコア材30側に向けて配置してなるので、パネルの表面には表面板単体11同士の接合線14が現れるのみであるので、美観が損なわれることはない。しかも、上記サンドイッチパネルは、表面板単体11同士を摩擦溶接40によって接合した後、表面板10と枠材20及びコア材30をろう付により一体接合するため、パネル自体は摩擦溶接時の熱の影響を受けることがなく、歪みや変形の虞れがない。
【0034】
◎第三参考実施形態
図6はこの発明に係るサンドイッチパネルの第三参考実施形態の断面斜視図である。
【0035】
上記第一参考実施形態及び第二参考実施形態では、コア材が例えば円筒等の筒状に形成される場合について説明したが、コア材は必しも筒状である必要はなく、図6に示すように、アルミニウム製の帯状片を台形波形状に折曲して接着した蜂巣形状のコア材31としてもよい。
【0036】
このように蜂巣形状のコア材31を有するサンドイッチパネルを製造するには、上記第一実施形態あるいは第二実施形態と同様に、表面板単体11同士を摩擦溶接にて接合して幅広の表面板10を形成し、この表面板10の摩擦溶接40部を内側すなわちコア材側に配置して表面板10と枠材20及びコア材31とをろう付にて接合すればよい。
【0037】
なお、第三参考実施形態において、その他の部分は上記第一参考実施形態及び第二参考実施形態と同じであるので、説明は省略する。
【0038】
◎第四参考実施形態
図7はこの発明に係るサンドイッチパネルの第四参考実施形態の断面斜視図、図8は第四参考実施形態のサンドイッチパネルの製造手順を示す概略断面図である。
【0039】
第四参考実施形態は、コア材を発泡断熱性心材にて形成した場合である。すなわち、表面板単体11同士を摩擦溶接40によって接合してなる表面板10間に例えば発泡ポリウレタン等の発泡性断熱心材32を発泡充填してサンドイッチパネルを形成した場合である。
【0040】
第四参考実施形態のサンドイッチパネルを製造するには、上記第一参考実施形態ないし第三参考実施形態と同様に、台板50上に表面板単体11同士を当接した状態で載置すると共に、表面板単体11同士が密接すべく側方から固定具(図示せず)を押圧して両表面板単体11を保持する。
【0041】
次に、図8(a)に示すように、上記第一参考実施形態と同様に、両表面板単体11の当接部の上面に、図示しない回転保持手段にて保持される円柱状のショルダ71の下面に突設されるプローブ72を押し当て、そして、ショルダ71及びプローブ72を高速回転(例えば1000〜5000rpm)しつつ水平方向に移動すると、両表面板単体11の当接部が摩擦熱によって軟化されると共に、撹拌されかつメタルが移動方向後方に押し詰められて摩擦溶接40される。これにより、表面板単体11同士が接合されて幅広の表面板10が形成される。この場合、摩擦溶接40は少なくとも表面板単体11の中程まで溶接したもの、あるいは、表面板単体11の露出面に掛からない全域を溶接したもののいずれであってもよい。このように表面板単体11同士を摩擦溶接40により接合することにより、表面板10の露出面側は表面板単体11の接合線のみが現れることになる。
【0042】
次に、図8(b)に示すように、矩形状に枠組みされた枠材20の片面側に摩擦溶接40部を上面にして表面板10を配置すると共に、枠材20の他面側に摩擦溶接40部を下面にした表面板10を配置する。そして、これら表面板10と枠材20とで形成される空間15内に侵入するノズル80から例えば発泡ポリウレタン等からなる断熱性心材32を注入し、その後、発泡・充填させてサンドイッチパネルを形成する(図7及び図8(c)参照)。
【0043】
上記のようにして製造されるサンドイッチパネルは、上記第一参考実施形態と同様に、軽量の幅広のパネルとすることができ、また、表面板10の摩擦溶接40部を断熱性心材32側に向けて配置してなるので、パネルの表面には表面板単体11同士の接合線14が現れるのみであり、美観が損なわれることはない。しかも、上記サンドイッチパネルは、表面板単体11同士を摩擦溶接40によって接合した後、表面板10と枠材20とで形成される空間15内に断熱性心材32を発泡充填して表面板10と断熱性心材32とを接合するため、パネル自体は摩擦溶接時の熱の影響を受けることがなく、歪みや変形の虞れがない。更には、表面板10間に断熱性心材32を充填することで、断熱性能の高いサンドイッチパネルを提供することができる。
【0044】
◎第一実施形態
図9はこの発明に係るサンドイッチパネルの第一実施形態の一例を示す要部拡大断面図、図10は第一実施形態のサンドイッチパネルの製造手順を示す概略断面図である。
【0045】
第一実施形態は、上記表面板単体11同士の当接部の当接線14を外部から目隠し(化粧)するようにした場合である。すなわち、上記第一参考実施形態又は第二参考実施形態に示すように、表面板10、枠材20及びコア材30をろう付により一体接合する場合、表面板単体11同士の当接部表面に仕上用部材例えば線状ろう材90を介在し、表面板10と枠材20及びコア材30を熱処理して、これによりろう材13を溶かしてろう付し一体成形すると同時に、線状ろう材90を溶かして接合線14の表面側に埋設して、当接線14を目隠し(化粧)するようにした場合である。
【0046】
なおこの場合、図9に示すように、表面板単体11の当接側端部に面取り11aを設けることにより、表面板単体11と線状ろう材90との密着性を良好にすることができ、当接線14の目隠しを更に確実にすることができる。
【0047】
第一実施形態のサンドイッチパネルを製造するには、上記第一参考実施形態ないし第四参考実施形態と同様に、台板50上に表面板単体11同士を当接した状態で載置すると共に、表面板単体11同士が密接すべく側方から固定具(図示せず)を押圧して両表面板単体11を保持する。
【0048】
次に、図10(a)に示すように、上記第一参考実施形態と同様に、両表面板単体11の当接部の上面に、図示しない回転保持手段にて保持される円柱状のショルダ71の下面に突設されるプローブ72を押し当て、そして、ショルダ71及びプローブ72を高速回転(例えば1000〜5000rpm)しつつ水平方向に移動すると、両表面板単体11の当接部が摩擦熱によって軟化されると共に、撹拌されかつメタルが移動方向後方に押し詰められて摩擦溶接40される。これにより、表面板単体11同士が接合されて幅広の表面板10が形成される。
【0049】
次に、図10(b)に示すように、矩形状に枠組みされた枠材20の片面側に摩擦溶接40部を上面にして表面板10を配設した後、その枠材20の内方空間にコア材30を配置すると共に、枠材20の他面側に摩擦溶接40部を下面にして表面板10を配置し、更に、表面板単体11同士の接合部表面側に線状ろう材90を配置する。そして、これら表面板10、枠材20及びコア材30を熱処理し、これによりろう材13及び線状ろう材90を溶かしてろう付し一体成形してサンドイッチパネルを形成する(図9及び図10(c)参照)。
【0050】
上記のようにして製造されるサンドイッチパネルは、表面板単体11同士の接合線14の表面にろう材90Aを埋設するので、接合線14を外部から積極的に目隠し(化粧)することができ、パネル全体の美観の向上を図ることができる。
【0051】
なお、上記説明では、仕上用部材として、線状ろう材90を用いる場合について説明したが、線状ろう材90に代えて、例えばパテ,接着剤又は塗料等を用いてもよい。これらパテ,接着剤又は塗料等を仕上用部材として用いる場合は、表面板10と枠材20及びコア材30を熱処理により一体ろう付した後、接合線14の表面にパテ等の仕上用部材を埋設する。また、接合線14の目隠しを更に確実にするには、上記線状ろう材90やパテ等の仕上用部材を埋設した後、その表面に塗料を塗布すればよい。
【0052】
また、上記説明では、表面板10と枠材20及びコア材30をろう材により一体接合する場合について述べたが、接着剤を用いた一体接合、あるいは断熱性心材32の発泡により接合する場合には、仕上用部材として、パテ,接着剤又は塗料のいずれか1種、あるいは、これらを適宜組み合わせたものなどを使用することができる。
【0053】
◎その他の実施形態
上記第一参考実施形態ないし第三参考実施形態では、表面板10とコア材30,31とをろう付により接合する場合について説明したが、ろう材に代えて接着剤を用いて表面板10とコア材30,31とを接合するようにしてもよい。また、上記第一実施形態ないし第三実施形態では、表面板10とコア材30,31がアルミニウム製部材にて形成される場合について説明したが、コア材30,31は必しもアルミニウム製部材である必要はなく、例えば紙製部材にて形成して、表面板10に接着剤を用いて接着してなるものであってもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、枠材20が中空矩形状のアルミニウム製押出形材にて形成される場合について説明したが、枠材20の形状は、上記実施形態のものに限定されるものではなく、任意の形状とすることができ、また、アルミニウム製部材以外に例えば合成樹脂製部材を用いることもできる。また、枠材20は必しも用いる必要はなく、枠材無しのサンドイッチパネルとすることも可能である。
【0055】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば、以下のような優れた効果が得られる。
【0056】
1)請求項1,2,4又は5記載の発明によれば、表面板単体同士を当接し、その当接部を摩擦溶接にて接合し、摩擦溶接部を内側すなわちコア材側に向けて配置して表面板とコア材とを接合するので、軽量の幅広のサンドイッチパネルを提供することができる。しかも、溶接部を表面に露呈することなく、また、表面板単体同士の当接部表面に線状ろう材を埋設することにより、表面板単体同士の当接線を外部から目隠しすることができるので、美観が損なわれることがない。また、表面板同士を摩擦溶接により接合した後、表面板とコア材とを接合するので、熱歪みの発生による変形のないサンドイッチパネルを提供することができる。
【0057】
2)請求項3記載の発明によれば、表面板単体同士の当接部表面に埋設された線状ろう材の表面に塗料を塗布することにより、表面板単体同士の当接線を外部から目隠しすることができるので、上記1)に加えて更にサンドイッチパネルの表面を一体化して化粧することができ、パネル全体の美観の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係るサンドイッチパネルの第一参考実施形態を示す断面斜視図である。
【図2】 第一参考実施形態のサンドイッチパネルの別の形態を示す要部拡大断面図である。
【図3】 第一参考実施形態のサンドイッチパネルの製造手順を示す概略断面図図である。
【図4】 第一参考実施形態における表面板単体の摩擦溶接を示す斜視図である。
【図5】 この発明に係るサンドイッチパネルの製造手順を示す概略断面図である。
【図6】 この発明に係るサンドイッチパネルの第三参考実施形態を示す断面斜視図である。
【図7】 この発明に係るサンドイッチパネルの第四参考実施形態を示す断面斜視図である。
【図8】 第四参考実施形態のサンドイッチパネルの製造手順を示す概略断面図である。
【図9】 この発明に係るサンドイッチパネルの第一実施形態の一例を示す要部拡大断面図である。
【図10】 第一実施形態のサンドイッチパネルの製造手順を示す概略断面図である。
【符号の説明】
10 表面板
11 表面板単体
12 母材
13 ろう材
13A ろう材
14 接合線
15 空間
20 枠材
30 コア材
31 蜂巣状コア材
32 断熱性心材
40 摩擦溶接
90 線状ろう材(仕上用部材)
90A ろう材(仕上用部材)
Claims (5)
- 一対のアルミニウム製表面板と、これら表面板間に介在されるコア材とを具備するサンドイッチパネルにおいて、
上記表面板は、複数の表面板単体同士を当接してなると共に、上記コア材側の当接部を表面側に掛からない範囲で摩擦溶接にて接合し、
上記表面板単体同士の当接部表面に、当接線を目隠しすべく線状ろう材を埋設してなることを特徴とするサンドイッチパネル。 - 一対のアルミニウム製表面板と、これら表面板間に介在されるアルミニウム製コア材とをろう付により接合してなるサンドイッチパネルにおいて、
上記表面板は、母材の片面にろう材をクラッドしたブレージングシートにて形成された複数の表面板単体同士を当接してなると共に、上記コア材側に位置する上記ろう材及び母材の当接部を表面側に掛からない範囲で摩擦溶接にて接合し、
上記表面板単体同士の当接部表面に、当接線を目隠しすべく線状ろう材を埋設してなることを特徴とするサンドイッチパネル。 - 請求項1又は2記載のサンドイッチパネルにおいて、
上記埋設された線状ろう材の表面に塗料を塗布してなることを特徴とするサンドイッチパネル。 - 一対のアルミニウム製表面板と、これら表面板間に介在されるコア材とを具備するサンドイッチパネルの製造方法において、
上記表面板単体同士の当接部の片面側を表面側に掛からない範囲で摩擦溶接にて接合する工程と、
上記摩擦溶接部側を内面として表面板間にコア材を介在し、表面板とコア材とをろう付により接合する工程と、
上記表面板とコア材とをろう付により接合する工程と同時に行われ、上記表面板単体同士の当接部表面に、当接線を目隠しすべく線状ろう材を埋設する工程と、
を有することを特徴とするサンドイッチパネルの製造方法。 - 請求項2記載のサンドイッチパネルの製造方法において、
上記表面板単体同士の当接部のろう材及び母材を表面側に掛からない範囲で摩擦溶接にて接合する工程と、
上記ろう材側を内面として表面板間にコア材を介在し、表面板とコア材とをろう付により接合する工程と、
上記表面板とコア材とをろう付により接合する工程と同時に行われ、上記表面板単体同士の当接部表面に、当接線を目隠しすべく線状ろう材を埋設する工程と、
を有することを特徴とするサンドイッチパネルの製造方法。
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