JP3908547B2 - 建設機械 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば油圧ショベル、油圧クレーン等のキャブを備えた建設機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、建設機械としては油圧ショベル、油圧クレーン等の旋回式建設機械が知られており、例えば油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体と、該上部旋回体の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置とにより構成されている。
【0003】
また、上部旋回体は、旋回フレームと、該旋回フレームの後側に搭載されたエンジンと、前記旋回フレームの前側に設けられ、オペレータが搭乗するキャブと、該キャブの後側に位置して前記エンジンを覆うエンジンカバーとによって大略構成されている。
【0004】
ここで、油圧ショベルには、ミニショベルと呼ばれる小型の油圧ショベルがあり、例えば特開2001−163268号公報等によって知られている。この従来技術による小型の油圧ショベルは、狭い作業スペースでも旋回作業等を行なうことができるように上部旋回体をコンパクトに形成している。具体的には、キャブ内のスペースを確保しつつ上部旋回体の前,後方向の寸法を短くするために、エンジンは左,右方向に延在する横置き状態とし、キャブは後部側がエンジンの上方に重なるように配置している。また、上部旋回体には、エンジンの上側にキャブの後部側を支持するサポートが設けられている。
【0005】
また、サポートは、エンジンを左,右方向または前,後方向に跨ぐ複数本の脚体と、該脚体に取付けられ、エンジンの左側を覆う左カバー、右側を覆う右カバーおよびキャブ内とエンジンとの間を仕切る前カバーからなるエンジンカバーの前側部分とにより強度部材として構成されている。また、サポートの後部側には、エンジンの後側を覆う後カバー(エンジンカバーの後側部分)が開閉可能に取付けられている。
【0006】
そして、サポートは、各脚体の下側部分を旋回フレームにボルト止めすることにより、該旋回フレームに取付けられている。この状態でサポートは、左カバー、右カバーおよび前カバーによってエンジンの前側部分を覆うと共に、キャブの後部側を支持する台座を兼ねている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術による油圧ショベルでは、サポートがエンジンを跨ぐように設けられているから、該サポートがキャブを支持する位置は、エンジンよりも上方の高い位置になる。このため、キャブは、横方向から荷重を作用させる安全試験(TOPS試験)に対して強度面で不利な構造となる。また、サポートは、ボルトを用いて旋回フレームに取付ける構造であるため、フレームに対するサポート、キャブの取付強度が弱くなる。
【0008】
これらの点から、従来技術によるフレーム、サポート等には、取付部周辺の強度を向上するための対策が必要になるから、フレーム、サポートの製造コストが嵩む上に、重量も重くなるという問題がある。
【0009】
また、サポートはボルトを用いて旋回フレームに取付けているから、旋回フレームとキャブとの間に取付公差が累積してしまい、旋回フレームに対してキャブが位置ずれし易くなるという問題がある。
【0010】
さらに、サポートにはエンジンカバーの左カバー、右カバー、前カバーが一体的に取付けられ、しかも、サポートはキャブの後部側を支持している。従って、キャブの位置を合わせるためにサポートの脚体の位置を調整すると、該脚体と一緒にエンジンカバーが移動し、該エンジンカバーが位置ずれしてしまう。このため、これらの調整作業に多大な時間と労力を要してしまうという問題がある。
【0011】
また、エンジン、各種機器類の点検、修理作業を行うときにサポートが邪魔になる場合には、該サポートを取外す必要がある。しかし、サポートはキャブの後部側を支持しているから、サポートを取外すためには旋回フレームからキャブを取外さなければならず、作業性が悪いという問題がある。
【0012】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、フレームに対してキャブを強固に取付けると共に、キャブとエンジンカバーとを独立して取付け、取外しすることができるようにした建設機械を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明による建設機械は、前側に作業装置が設けられたフレームと、該フレームの後側に搭載されたエンジンと、該エンジンの前側に位置して前記フレーム上に設けられたキャブと、該キャブの後側に位置して前記エンジンを覆うエンジンカバーとを備えている。
【0014】
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記フレームには、上端側で前記キャブの後部側を支持する左,右のキャブ支持部材を、前記エンジンの前側近傍となる位置に溶接手段を用いて立設し、該左,右のキャブ支持部材は上,下方向の高さ寸法が前記エンジンよりも低くなるように形成し、前記左,右のキャブ支持部材には、前記エンジンの上方に向けて後側へと屈曲して延び、前記エンジンカバーが取付けられるカバー取付ブラケットを設け、前記カバー取付ブラケットは、前記左,右のキャブ支持部材に対しねじ部材を用いて位置調整可能に取付ける構成としたことにある。
【0015】
このように構成したことにより、フレームに立設された左,右のキャブ支持部材はキャブを専用で支持するものであるから、キャブの取付強度を高めることができる。また、左,右のキャブ支持部材は、その下端をフレームに対し溶接手段を用いて固着しているので、ボルト止めに比較してキャブ支持部材をフレームに強固に固着することができる。そして、フレームにキャブ支持部材を立設した後に、キャブを取付けるための穴加工等を施すことができるから、キャブの取付穴をフレーム上の正確な位置に設けることができ、フレームとキャブとの間の位置ずれを小さくすることができる。また、キャブ支持部材は、上,下方向の高さ寸法がエンジンよりも低くなるように形成しているので、フレームに対する取付強度を高めることができ、キャブの後部側を支持する位置を低くし、フレームに対するキャブの取付強度も高めることができる。
【0016】
さらに、カバー取付ブラケットは、左,右のキャブ支持部材に対しねじ部材を用いて位置調整可能に取付ける構成としているので、キャブ支持部材に対してカバー取付ブラケットの取付位置を調整することができ、キャブとは別個にエンジンカバーの位置調整を容易に行うことができる。また、カバー取付ブラケットをキャブ支持部材に容易に着脱することができ、カバー取付ブラケットに取付けられるエンジンカバーの位置をフレーム、キャブに合わせて容易に調整することができる。また、カバー取付ブラケットは、エンジンカバーを支持するだけで強度部材とはならないから、構造を簡略化することができる。
【0017】
しかも、キャブとカバー取付ブラケット、エンジンカバーとは、フレーム上に立設された左,右のキャブ支持部材に対しそれぞれ独立して取付け、取外しすることができるから、エンジン等を点検、修理するときにカバー取付ブラケットとエンジンカバーが邪魔になる場合には、左,右のキャブ支持部材からキャブを取外すことなく、キャブ支持部材からカバー取付ブラケットとエンジンカバーだけを簡単に取外すことができる。また、フレーム上のキャブ支持部材に対しキャブだけを取付け、取外しすることもできる。
【0018】
請求項2の発明によると、前記左,右のキャブ支持部材は、前記フレームの後側寄りに位置して左,右方向に離間して立設された左,右の支柱により構成しているので、左,右のキャブ支持部材を簡単な構造で高強度に形成することができる。
【0021】
請求項3の発明によると、キャブは、内部にオペレータが着座する運転席を有するキャブボックスと、該キャブボックスの後面部の下側に設けられエンジンとの間を仕切る仕切板とによって構成し、該仕切板を前記キャブ支持部材に取付ける構成としている。
【0022】
このように構成したことにより、仕切板はキャブボックスと一体的に形成することができるから、エンジンの動作音、塵埃等がキャブ内に侵入するのを防止することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による建設機械として小型の油圧ショベルを例に挙げ、図1ないし図7に従って詳細に説明する。
【0024】
1は自走可能な下部走行体、2は該下部走行体1上に旋回可能に搭載された上部旋回体で、該上部旋回体2の前側には、掘削作業等を行うための作業装置3が俯仰動可能に設けられている。そして、上部旋回体2は、後述する旋回フレーム4、キャブ支持柱5,6、エンジン7、キャブ10、カバー取付ブラケット14、エンジンカバー16等によって大略構成されている。
【0025】
4は上部旋回体2の支持構造体を形成する旋回フレームで、該旋回フレーム4は、図2ないし図5に示すように、全体形状が前,後方向に延びる長方形状に形成されている。
【0026】
また、旋回フレーム4は、前,後方向に延びた底板4Aと、該底板4Aの上面左寄りに立設された左縦板4Bと、前記底板4Aの上面右寄りに立設された右縦板4Cと、左縦板4B、右縦板4Cの上部前側に取付けられた上板4Dと、前記左縦板4B、右縦板4Cの後端部に取付けられたウエイト取付板4Eと、後側寄りに位置して左,右方向に延びるように前記底板4Aに立設された仕切縦板4Fと、該仕切縦板4Fとウエイト取付板4Eとの間に前,後方向と左,右方向に離間して設けられたエンジン支持ブラケット4G,4G,4H,4Hと、前記仕切縦板4Fの後面左側に固着された柱取付台4Jと、前記仕切縦板4Fの後面右側に固着された柱取付台4Kと、左,右方向の側面部、前面部を覆うように設けられた断面J字状のカバーフレーム4Lとによって大略構成されている。
【0027】
そして、旋回フレーム4の前側には作業装置3が俯仰動可能に取付けられ、後側にはウエイト取付板4Eを介して後述のカウンタウエイト9が取付けられている。また、旋回フレーム4には、後側寄りに位置して柱取付台4J,4Kに後述するキャブ支持柱5,6が立設されている。
【0028】
5は旋回フレーム4の後側寄りに位置して柱取付台4Jに立設された左側のキャブ支持部材としてのキャブ支持柱で、該キャブ支持柱5は、後述するキャブ10の後部側を支持するもので、下端が柱取付台4Jに溶接手段を用いて一体的に固着されている。また、キャブ支持柱5は、上,下方向に延びる角柱状(角筒状)をなし、その上端部にはキャブ10用のねじ座5Aが設けられ、上部後面側にはカバー取付ブラケット14用のねじ座5Bが設けられている。また、キャブ支持柱5の下部側には、左,右方向の外側に位置して取付ブラケット5Cが設けられ、該取付ブラケット5Cは、後述するエンジンカバー16の左カバー16Aの前側部分を取付けるものである。
【0029】
また、6は旋回フレーム4の後側寄りに位置して柱取付台4Kに立設された右側のキャブ支持部材としてのキャブ支持柱で、該キャブ支持柱6は、左側のキャブ支持柱5と同様に、キャブ10の後部側を支持するもので、下端が柱取付台4Kに溶接手段を用いて一体的に固着されている。また、キャブ支持柱6は、上,下方向に延びる角柱状(角筒状)をなし、その上端部にはキャブ10用のねじ座6Aが設けられ、上部左面側にはカバー取付ブラケット14用のねじ台6Bが設けられている。また、キャブ支持柱6の下部側には、左,右方向の外側に位置してエンジンカバー16の右カバーを取付けるための取付ブラケット6Cが設けられている。
【0030】
ここで、左,右方向に離間して立設された左,右のキャブ支持柱5,6は、旋回フレーム4に対する取付強度を高めるために、上,下方向の高さ寸法が小さく、例えば後述するエンジン7の高さ寸法よりも低くなっている。これにより、キャブ10の後部側を支持する位置が低くなるから、旋回フレーム4に対するキャブ10の取付強度も高めることができる。
【0031】
7は旋回フレーム4の後部側に搭載されたエンジン(図6中に図示)で、該エンジン7は、左,右方向に延在する横置き状態に配置されている。そして、エンジン7は、各エンジン支持ブラケット4G,4Hに取付マウント(図示せず)を介して取付けられている。また、エンジン7の左端側には油圧ポンプ8が取付けられ、エンジン7の右端側にはラジエータ、オイルクーラ等の熱交換器(図示せず)が配設されている。
【0032】
9はエンジン7の後側に位置して旋回フレーム4の後端部に設けられたカウンタウエイトで、該カウンタウエイト9は、作業装置3との重量バランスをとるもので、ウエイト取付板4Eに取付けられている。また、カウンタウエイト9は、左,右両側が旋回フレーム4の側方に回り込むように前側に屈曲して延びている。
【0033】
10は旋回フレーム4の前側に設けられたキャブで(図1、図5参照)、該キャブ10は、ボックス形状のキャブボックス11と、該キャブボックス11の後側に設けられた仕切板12と、キャブボックス11内に設けられたオペレータが着座する運転席と、該運転席の周囲に配設されたレバー、ペダル(いずれも図示せず)とによって大略構成されている。なお、油圧ショベルは小型なのでキャブ10は、旋回フレーム4の左,右方向の全幅に亘って配置されている。
【0034】
11はキャブ10の外周壁部を形成するキャブボックスで、該キャブボックス11は、前面部11A、後面部11B、左側面部11C、右側面部11Dおよび上面部11Eによって形成されている。
【0035】
12はキャブボックス11の後面部11B下側に設けられ、該キャブ10の一部を構成する仕切板(図5、図6参照)で、該仕切板12は、キャブ10内とエンジン7との間を仕切り、エンジン7の動作音、塵埃等がキャブ10内に侵入するのを防止するものである。そして、仕切板12は、後面部11Bを高さ方向の中間部から前側に折曲げ、各キャブ支持柱5,6の前側近傍位置で下向きに屈曲して延びるように形成されている。また、仕切板12の上側寄りには、左,右のキャブ支持柱5,6に対面する位置にそれぞれ取付ブラケット12A,12A(図6中に左側のみ図示)が設けられている。
【0036】
このように構成されたキャブ10は、前部側が旋回フレーム4の前部に図示しないボルトを介して取付けられ、後部側に位置する仕切板12の各取付ブラケット12Aがボルト13,13(左側のみ図示)を介して左,右のキャブ支持柱5,6に取付けられている。このように、キャブ10の後部側を、旋回フレーム4に強固に溶接された各キャブ支持柱5,6に取付けることにより、キャブ10は旋回フレーム4に対する取付強度、例えば横方向からの荷重に対して高い強度を有している。
【0037】
14は各キャブ支持柱5,6に取付けられたカバー取付ブラケットで、該カバー取付ブラケット14は、図5、図7に示すようにキャブ支持柱5,6と別体に設けられ、後述するエンジンカバー16の左カバー16A、右カバー、ボンネット16Bを支持するものである。
【0038】
そして、カバー取付ブラケット14は、図2、図6に示す如く、キャブ支持柱5,6から上側に延びた後に、エンジン7の上方に向けて後側に屈曲して延びた逆L字状の左,右の腕部14A,14Bと、エンジン7の上方に位置する該各腕部14A,14Bの後端部に左,右方向に延びて設けられ、下向きに開口する逆U字状に形成されたカバー取付枠14Cと、図3に示すように屈曲部の位置で左,右の腕部14A,14Bを連結する補強部材14Dと、前記カバー取付枠14Cに左,右方向に離間して設けられた2個のヒンジ14E,14Eとによって大略構成されている。
【0039】
ここで、カバー取付ブラケット14は、左側の腕部14Aがキャブ支持柱5のねじ座5Bに2本のボルト15,15を介して取付けられ、右側の腕部14Bがキャブ支持柱6のねじ台6Bに2本のボルト15,15を介して取付けられている。このときに、カバー取付ブラケット14は、例えば各腕部14A,14B側のボルト挿通穴を大きめに形成したり、腕部14A,14Bとキャブ支持柱5,6との間にスペーサ(図示せず)を介在させることにより、前,後方向、左,右方向、上,下方向に取付位置を調整できるようになっている。
【0040】
そして、カバー取付枠14Cの左側には左カバー16Aの後部側が取付けられ、カバー取付枠14Cの右側には右カバーの後部側が取付けられ、中央には各ヒンジ14E,14Eを介してボンネット16Bが開閉可能に取付けられる。また、カバー取付ブラケット14は、エンジンカバー16を取付けるものであるから、従来技術で述べたサポートのように強度を必要とせず、簡単な構造で軽量に形成されている。
【0041】
16はキャブ10の後側に位置してカバー取付ブラケット14に取付けられたエンジンカバーで、該エンジンカバー16は、エンジン7等の上側を覆うものである。また、エンジンカバー16は、エンジン7等の左側を覆う左カバー16Aと、右側を覆う右カバー(図示せず)と、後側を覆う後カバーとしてのボンネット16Bとによって構成されている。
【0042】
そして、左カバー16Aは、その前側部分が左側のキャブ支持柱5に設けられた取付ブラケット5Cにボルト止めされ、後側部分がカバー取付ブラケット14のカバー取付枠14Cにボルト止めされている。また、右カバーは、その前側部分が右側のキャブ支持柱6の取付ブラケット6Cにボルト止めされ、後側部分がカバー取付枠14Cにボルト止めされている。さらに、ボンネット16Bは、各ヒンジ14Eを介してカバー取付枠14Cに開閉可能に取付けられている。
【0043】
本実施の形態による油圧ショベルは上述の如き構成を有するもので、次に、旋回フレーム4、キャブ支持柱5,6、キャブ10、カバー取付ブラケット14、エンジンカバー16を組立てるときの作業手順について説明する。
【0044】
まず、底板4A、縦板4B,4C、上板4D等を溶接手段により固着して旋回フレーム4を形成する。このときに左,右のキャブ支持柱5,6を溶接手段を用いて旋回フレーム4に一体的に固着する。これにより、各キャブ支持柱5,6は、旋回フレーム4に強固に固着されて十分な取付強度を有する。また、各キャブ支持柱5,6を旋回フレーム4に固着した後に、キャブ10を取付けるためのねじ穴等を加工することにより、このねじ穴を旋回フレーム4上の正確な位置に設けることができ、旋回フレーム4に対するキャブ10の位置ずれを最小限に抑えることができる。
【0045】
従って、キャブ10の前部側を旋回フレーム4の前部にボルト止めし、後部側をキャブ支持柱5,6の上部にボルト13を用いて取付けたときには、旋回フレーム4に対して正確な位置にキャブ10を配置することができる。
【0046】
一方、エンジンカバー16の左カバー16A、右カバー、ボンネット16Bをカバー取付ブラケット14に取付ける作業を行なう。そして、エンジンカバー16が取付けられたカバー取付ブラケット14の腕部14A,14Bを、キャブ支持柱5,6に各ボルト15を用いて取付ける。このときに、カバー取付ブラケット14は、各ボルト15によってキャブ支持柱5,6に取付けられているから、ボルト15を緩めることによりキャブ10とは別個に位置調整を行なうことができ、エンジンカバー16を旋回フレーム4、キャブ10に対して容易に位置合わせすることができる。
【0047】
このようにして組立てられた油圧ショベルを操作する場合には、キャブ10に乗込んだオペレータは、レバー、ペダル類を操作することにより、下部走行体1を走行させて移動したり、作業装置3を俯仰動させて土砂の掘削作業等を行なうことができる。
【0048】
次に、エンジン7、油圧ポンプ8等の点検作業、修理作業を行う場合について説明する。
【0049】
まず、エンジン7等の後側部分の点検作業、修理作業を行なうときには、エンジンカバー16のボンネット16Bを開くことにより、エンジン7等を露出させて作業を行なうことができる。
【0050】
一方、エンジン7等の前側部分の点検、修理作業を行なうときには、左カバー16A、右カバー、カバー取付ブラケット14が邪魔になって作業を行なうことができない。そこで、カバー取付ブラケット14をキャブ支持柱5,6に取付けているボルト15を取外す。これにより、キャブ10を取外すことなく、カバー取付ブラケット14をエンジンカバー16と一緒に簡単に取外すことができ、エンジン7等の前側部分の点検、修理作業を行なうことができる。
【0051】
さらに、キャブ10の空調装置、キャブ10の下側に設けられた油圧機器の点検作業、修理作業、キャブ10の修理作業、交換作業を行なうために、旋回フレーム4からキャブ10を取外す場合について説明する。
【0052】
この場合には、キャブ10の前部側を旋回フレーム4に固定しているボルトを外し、後部側を左,右のキャブ支持柱5,6に固定しているボルト13を外す。この状態でキャブ10を吊上げることにより、エンジンカバー16とは別個にキャブ10を取外すことができる。
【0053】
以上のように、本実施の形態によれば、左,右のキャブ支持柱5,6は、左,右方向に離間して立設された角柱体として形成し、その上,下方向の高さ寸法を低く抑え、また旋回フレーム4に溶接手段を用いて一体的に固着する構成とし、このキャブ支持柱5,6によってキャブ10の後部側を支持している。これにより、旋回フレーム4に対するキャブ10の取付強度を高めることができ、例えば横方向からの荷重に対して高い強度を得ることができ、安全規格を満足することができる。
【0054】
この結果、従来技術のように取付部周辺に補強を施すことなく、簡単な構成で十分な強度を得ることができるから、旋回フレーム4等の製造コストの低減、軽量化を図ることができる。
【0055】
また、各キャブ支持柱5,6を旋回フレーム4に固着した後に、キャブ10を取付けるためのねじ穴等を加工することができるから、このねじ穴を旋回フレーム4上の正確な位置に設けることができる。これにより、旋回フレーム4に対してキャブ10を正確な位置に搭載することができるから、位置調整作業を省略することができ、組立作業性を向上することができる。
【0056】
一方、各キャブ支持柱5,6にカバー取付ブラケット14を位置調整可能にボルト止めし、該カバー取付ブラケット14にエンジンカバー16を取付ける構成としているから、キャブ支持柱5,6に対してカバー取付ブラケット14の取付位置を調整することができ、旋回フレーム4、キャブ10に対するエンジンカバー16の位置調整を容易に行うことができる。
【0057】
また、カバー取付ブラケット14は、エンジンカバー16だけを支持するもので、従来技術によるサポートのように強度部材をなすものではないから、構造を簡略化することができ、製造コストの低減、軽量化を図ることができる。
【0058】
しかも、エンジン7等の点検作業、修理作業を行なうときにカバー取付ブラケット14とエンジンカバー16が邪魔になる場合には、該カバー取付ブラケット14をキャブ支持柱5,6に固定しているボルト15を緩めることにより、カバー取付ブラケット14とエンジンカバー16をキャブ10を取外すことなく簡単に取外すことができ、作業性を向上することができる。また、左カバー16A、右カバーを単体で取外すことができ、メンテナンス時の作業性を向上することができる。
【0059】
また、空調装置、油圧機器、キャブ10等を修理するために、旋回フレーム4からキャブ10を取外す場合には、エンジンカバー16とは別個にキャブ10だけを取外すことができるから、この点において作業性を向上することができる。
【0060】
さらに、キャブ10を構成するキャブボックス11の後面部11B下側には、エンジン7との間を仕切る仕切板12を設けているから、エンジン7の動作音、塵埃等がキャブ10内に侵入するのを防止することができ、キャブ10内の作業環境を良好にすることができる。
【0062】
なお、実施の形態では、キャブ支持柱5,6は、上,下方向に延びる角柱状(角筒状)に形成した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば断面L字状の鋼材(アングル材)、断面C字状の鋼材(チャンネル材)等の他のキャブ支持部材を適用してもよい。
【0064】
さらに、実施の形態では、建設機械として油圧ショベルを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば油圧クレーン等の他の建設機械にも適用することができる。
【0065】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明によれば、フレームには、上端側でキャブの後部側を支持する左,右のキャブ支持部材を、エンジンの前側近傍となる位置に溶接手段を用いて立設し、該左,右のキャブ支持部材は上,下方向の高さ寸法が前記エンジンよりも低くなるように形成し、前記左,右のキャブ支持部材には、前記エンジンの上方に向けて後側へと屈曲して延び、前記エンジンカバーが取付けられるカバー取付ブラケットを設け、このカバー取付ブラケットは、前記左,右のキャブ支持部材に対しねじ部材を用いて位置調整可能に取付ける構成としている。従って、フレームに溶接手段で立設された左,右のキャブ支持部材によってキャブを支持することができるから、フレームに対するキャブの取付強度を高めることができ、例えば横方向からの荷重に対して高い強度を得ることができる。そして、左,右のキャブ支持部材はフレームに対し溶接手段を用いて固着しているので、ボルト止めに比較してキャブ支持部材をフレームに強固に固着することができ、キャブの取付強度を高めることができる。この結果、従来技術のようにキャブの取付部周辺に補強を施すことなく、簡単な構成で十分な強度を得ることができるから、フレーム等の製造コストの低減、軽量化を図ることができる。
【0066】
また、フレームに左,右のキャブ支持部材を立設した後に、キャブを取付けるための穴加工等を施すことができるから、キャブの取付穴をフレーム上の正確な位置に設けることができ、フレームとキャブとの位置合せ作業を省略して、組立作業性を向上することができる。また、左,右のキャブ支持部材は、上,下方向の高さ寸法がエンジンよりも低くなるように形成しているので、フレームに対する取付強度を高めることができ、キャブの後部側を支持する位置を低くし、フレームに対するキャブの取付強度も高めることができる。
【0067】
一方、カバー取付ブラケットは、左,右のキャブ支持部材に対しねじ部材を用いて位置調整可能に取付ける構成としているので、左,右のキャブ支持部材に対するカバー取付ブラケットの取付位置を前,後方向と左,右方向等とに調整することができる。そして、キャブとは別個にエンジンカバーの位置調整を容易に行うことができ、組立作業性を向上することができる。また、カバー取付ブラケットを左,右のキャブ支持部材に容易に着脱することができ、点検作業、修理作業を容易に行なうことができる。そして、カバー取付ブラケットに取付けられるエンジンカバーの位置をフレーム、キャブに合わせて容易に調整することができ、組立作業性を向上することができる。
【0068】
さらに、カバー取付ブラケットは、エンジンカバーを支持するだけで強度部材とはならないから、構造を簡略化することができる。しかも、エンジン等を点検、修理するときにカバー取付ブラケットとエンジンカバーが邪魔になる場合には、該カバー取付ブラケットとエンジンカバーを左,右のキャブ支持部材から簡単に取外すことができ、エンジン等の点検作業、修理作業を効率よく行なうことができる。また、フレーム上のキャブ支持部材に対しキャブだけを取付け、取外しすることもでき、空調装置、油圧機器、キャブ等の修理作業を効率よく行なうことができる。
【0069】
請求項2の発明によれば、左,右のキャブ支持部材は、フレームの後側寄りに位置して左,右方向に離間して立設された左,右の支柱により構成しているので、左,右のキャブ支持部材を簡単な構造で高強度に形成することができ、製造コストの低減、軽量化を図ることができる。
【0072】
請求項3の発明によれば、キャブは、内部にオペレータが着座する運転席を有するキャブボックスと、該キャブボックスの後面部の下側に設けられエンジンとの間を仕切る仕切板とによって構成し、該仕切板を左,右のキャブ支持部材に取付ける構成としているので、仕切板はキャブボックスと一体的に形成することができ、これにより、エンジンの動作音、塵埃等がキャブ内に侵入するのを防止することができ、キャブ内の作業環境を良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に適用される油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】旋回フレーム、左,右のキャブ支持柱、カバー取付ブラケットを組立てた状態で示す正面図である。
【図3】旋回フレーム、左,右のキャブ支持柱、カバー取付ブラケットを組立てた状態で示す平面図である。
【図4】旋回フレーム、左,右のキャブ支持柱、カバー取付ブラケットを組立てた状態で示す右側面図である。
【図5】旋回フレーム、キャブボックス、カバー取付ブラケット、エンジンカバーを分解した状態で示す分解斜視図である。
【図6】上部旋回体の後側部分を拡大して示す一部破断の正面図である。
【図7】左,右のキャブ支持柱とカバー取付ブラケットとを分解した状態で旋回フレームと一緒に示す右側面図である。
【符号の説明】
4 旋回フレーム
5,6 キャブ支持柱(キャブ支持部材)
7 エンジン
10 キャブ
11 キャブボックス
12 仕切板
14 カバー取付ブラケット
15 ボルト
16 エンジンカバー
Claims (3)
- 前側に作業装置が設けられたフレームと、該フレームの後側に搭載されたエンジンと、該エンジンの前側に位置して前記フレーム上に設けられたキャブと、該キャブの後側に位置して前記エンジンを覆うエンジンカバーとを備えてなる建設機械において、
前記フレームには、上端側で前記キャブの後部側を支持する左,右のキャブ支持部材を、前記エンジンの前側近傍となる位置に溶接手段を用いて立設し、
該左,右のキャブ支持部材は上,下方向の高さ寸法が前記エンジンよりも低くなるように形成し、
前記左,右のキャブ支持部材には、前記エンジンの上方に向けて後側へと屈曲して延び、前記エンジンカバーが取付けられるカバー取付ブラケットを設け、
前記カバー取付ブラケットは、前記左,右のキャブ支持部材に対しねじ部材を用いて位置調整可能に取付ける構成としたことを特徴とする建設機械。 - 前記左,右のキャブ支持部材は、前記フレームの後側寄りに位置して左,右方向に離間して立設された左,右の支柱により構成してなる請求項1に記載の建設機械。
- 前記キャブは、内部にオペレータが着座する運転席を有するキャブボックスと、該キャブボックスの後面部の下側に設けられ前記エンジンとの間を仕切る仕切板とによって構成し、該仕切板を前記キャブ支持部材に取付ける構成としてなる請求項1または2に記載の建設機械。
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