JP3906358B2 - 環境蘇生方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、土壌汚染浄化および大気中のCO2削減を促進するための環境蘇生方法に関する。特に、本発明は、微生物群を利用した土壌汚染浄化および大気中のCO2削減を促進するための環境蘇生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、公害物質等による土壌、河川、湖等における土壌汚染は一層加速している。また、大気中に存在するCO2の増大による地球温暖化も、地球規模で深刻な問題になっている。
【0003】
このような悪化した環境を改善するために、従来より、微生物を用いた生物学的汚泥処理技術が用いられている。
【0004】
特開平5−146769号公報では、細菌を利用した、簡潔かつ低コストの生ごみの処理容器および方法を開示している。該方法は、乳酸菌、放線菌、および光合成細菌を液体培養した後、これを乾燥したものを固形細菌資材として生ごみ容器に投入し、上記細菌によって生ごみを分解・発酵処理するものである。しかしながら、該方法は、上記細菌を生ごみ容器に投入した後は放置するものであり、環境蘇生を促進する(加速する)処理は施していない。
【0005】
特開平4−503528号公報には、特定種のクロロフェノール分解細菌を用いてクロロフェノール類で汚染された土壌を浄化する方法を開示している。該浄化方法は、ロドコッカス属および/またはマイコマクテリウム属のクロロフェノール分解細菌を固体の多孔質有機支持体中に固定化する処理を施すとともに、汚染物質を含む土壌の物理的・化学的パラメータ(例えば、温度、pH、水分、酸化還元電位、栄養、通気など)を調整して該細菌の生育条件を整えることによって、汚染土壌のクロロフェノール類の分解を加速させるものである。しかしながら、該方法は、クロロフェノール分解細菌一種による土壌汚染浄化の加速ための物理的・化学的な調整を開示したものであり、該細菌一種が優占する状態を、複数の細菌が必要な汚染浄化や種々の汚染環境状況における汚染浄化に適用し、浄化を継続するのは現実には難かしい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
実際の土壌汚染では、種々の汚染物質が混合したり、様々な汚染環境状況(温度、酸性度、湿度、通気等)があり、その上、例えば降雨による温度、湿度、酸性度、通気などの変化や降雨による泥流に混じった雑菌の繁殖等の種々の要因によってこれらの汚染環境が変化する。このような変化する汚染環境に対応するために、複数種の細菌により様々な汚染物質を同時に分解等したりする必要があること、特に本州以北では冬季や寒冷の地において細菌が活性化する温度が必要となること、さらに細菌が活性化する湿度または酸性度が必要となること、および細菌にとっての栄養と呼吸等が必要となること等、環境再生を効率よく達成するには種々の要因が挙げられる。
【0007】
特開平8−84983号公報は、1種以上の細菌を利用し、かつ種々の環境に対して土壌汚染浄化の加速を行うことのできる環境蘇生加速方法および装置を開示している。該方法では、公害物質を含む処理物質に有効微生物(EM)を施し、処理物質の物理的データ(処理物質の導電率、酸性度、温度、湿度など)に基づいて光および電磁波のレベルおよび嫌気性雰囲気を制御しつつ、光および電磁波を該処理物質に照射して有効微生物を活性化し、該有効微生物による嫌気性発酵と光合成を促進させて有害物質を動植物が利用し得る有機物に転化させる方法であり、処理環境に応じて効果が発揮されるものと期待される。
【0008】
一方、上記の技術においても、微生物による公害物質の発酵分解や光合成によるCO2削減の効果がより発揮されることが求められている。特に、CO2に関しては、大気中に存在するCO2の多くの割合が土壌中の微生物の好気呼吸による放出であることが知られており、好気性微生物から放出されるCO2の発生を効率的に抑制する方法が求められる。
【0009】
本発明は、電磁波を照射することにより微生物を活性化することを利用した環境蘇生方法であって、用いる微生物群や実際の土壌の現場に工夫を持たせることなどにより、微生物による汚染物質の処理および大気中CO2の減少をより効果的に促進させる環境蘇生を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の実施態様において、以下の(1)から(3)の工程を含むことを特徴とする環境蘇生方法 を提供する:(1)微生物用母材に、光合成細菌および発酵性細菌を含む嫌気性細菌と該嫌気性細菌と栄養および呼吸が相補的な関係にある好気性細菌とを含む細菌群と、公害物質を含む処理物質とを混ぜ合わせた混合物を、溝部を有する土壌の該溝部に設置する工程、(2)前記混合物に覆土する工程、および(3)光線をレンズで集光し、集光した光線を筒内を通って前記土壌中に導き、該筒の出口から前記混合物中へ向けて光線を照射することにより前記細菌群を活発化させ、前記嫌気性細菌による前記公害物質の分解および光合成を促進させる工程。
【0011】
上記の本発明方法の実施形態において、前記好気性細菌は、窒素固定菌、亜硝酸菌、硝酸菌の硝化細菌、およびこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0013】
上記の本発明方法の実施形態において、前記溝部を有する土壌の下に設置した熱供給部から前記混合物へ熱を供給することにより前記細菌群を活発化させ、前記嫌気性細菌による前記公害物質の分解および光合成をさらに促進させてもよい。
さらに、前記電磁波を照射する際、太陽光をレンズで集光し、集光した太陽光を筒内を通って前記土壌中に導き、該筒の出口から前記混合物中へ向けて太陽光を照射してもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
上述の通り、本発明の環境蘇生方法 は、以下の(1)から(3)の工程を含む:(1)微生物用母材に、発酵性細菌および光合成細菌からなる嫌気性細菌と該嫌気性細菌と栄養および呼吸が相補的な関係にある好気性細菌とを含む細菌群と、公害物質を含む処理物質とを混ぜ合わせた混合物を、溝部を有する土壌の該溝部に設置する工程、(2)前記混合物に覆土する工程、および(3)光線をレンズで集光し、集光した光線を筒内を通って前記土壌中に導き、該筒の出口から前記混合物中へ向けて光線を照射することにより前記細菌群を活発化させ、前記細菌群による公害物質の分解によって前記公害物質の減少を促進させる工程。
【0015】
図1は、本発明の環境蘇生方法を実施するのに用いられる環境蘇生基盤の概略図である。図1中、1は太陽熱温水器、2は揚水ポンプ、3は微生物等埋設断層構造、4はラジエター、5は光または電磁波を照射する機器(加速器)、6は独立電源系である。図2は、微生物用母材等を含む混合物を土壌溝部に配置した微生物等埋設断層構造3に電磁波照射器を配置し、覆土した状態を示す断面概略図である。図2中、21は溝部を有する土壌、22は微生物用母材等の混合物、23は覆土した土壌である。ただし、図面は、本発明の環境蘇生方法を説明するための例示であり、本発明の範囲をこれに限定するものではない。
【0016】
以下、本発明の方法を上記工程(1)から(3)にしたがって説明する。
【0017】
工程(1)
まず、微生物用母材に、光合成細菌および発酵性細菌を含む嫌気性細菌と該嫌気性細菌と栄養および呼吸が相補的な関係にある好気性細菌とを含む細菌群と、処理物質とを混ぜ合わせた混合物を、溝部を有する土壌の該溝部に設置する。
【0018】
上記の「微生物用母材」とは、本発明の方法で用いられる細菌が生存するために提供される場所であり、また、土壌中の細菌生育に必要な湿度を保つことができ、細菌の栄養源ともなり得る。微生物用母材には、米糠、生ごみ堆肥、下草堆肥、雑草堆肥、落ち葉堆肥、鶏糞などのほか、従来の有機農法で用いられていた好気性細菌用有機母材も使用することができる。
【0019】
本発明方法で用いられる細菌は、光合成細菌および発酵性細菌を含む嫌気性細菌と好気性細菌とを含む細菌群である。嫌気性細菌と該嫌気性細菌と栄養および呼吸が相補的な関係にある好気性細菌とを共生化させて、両者の相乗効果を促すことにより、光合成細菌および発酵性細菌の活動を活発化させることができる。すなわち、好気的細菌にとっての栄養である糖類および呼吸する酸素が、嫌気性細菌から排出され供給される一方で、好気性細菌からは嫌気性呼吸のための炭酸ガス(CO2)や分解した栄養分を嫌気性細菌に与えることで、相補対称的に強力な共生関係を人工的に構築することにより両者の共同作用を促進する。そして、両者の共生化により、集団的に対環境外乱への耐性を増し、また、当初の処置のまま放置しても、永続的に優占状態が継続し、自動的に展開していく利点がある。また、好気性細菌の放出するCO2を嫌気性光合成細菌が利用することにより大気中に放出されるCO2を抑制することができる。
【0020】
光合成細菌と発酵性細菌とを同時に共存させるのは、実際の現場においては光合成細菌のみまたは発酵性細菌のみではいずれも生育が困難であるためである一方、光合成細菌はCO2の削減と同時に動植物に利用し得る有機物に変換することができ、また、発酵性細菌は公害物質の嫌気発酵分解という働きを同時に行うので、より効果的な環境蘇生を図ることができる。
【0021】
光合成細菌には、紅色硫黄細菌や緑色硫黄細菌などの各種光合成細菌が含まれる。光合成細菌は、市販の鑑賞魚飼育槽浄化用等の光合成細菌液として容易に入手することができる。
【0022】
発酵性細菌は、酵母発酵菌および乳酸発酵菌を用いることが好ましいが、これらに限定されるものではない。これらの発酵性細菌はいずれも市販のものを利用することができ、例えば乳酸菌であれば市販のヨーグルト等から簡便に入手できる。
【0023】
好気性細菌は、上記の嫌気性細菌と栄養および呼吸が相補的な関係にある好気性細菌であればよく、窒素固定菌、亜硝酸菌、硝酸菌の硝化細菌、およびこれらの組み合わせを用いることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0024】
上記細菌群は、液体培養したものを液状で上記微生物用母材に染み込ませることにより、該微生物用母材に含ませることが好ましいが、土壌などと混合して固形物として母材に加えてよい。細菌の液体および固体培養は任意の従来技術により行うことができる。さらに、上記細菌群は、土中に存在している嫌気性および好気性細菌群であってもよい。
【0025】
さらに、上記細菌有機母材に公害物質を含む処理物質を加える。このとき、微生物用母材に細菌を加えた後に処理物質を加えてもよし、微生物用母材に処理物質を加えた後に細菌培養液を加えてもよい。公害物質を含む処理物質は粉体化して土に混ぜておくのが好ましい。
【0026】
上記の細菌群、微生物用母材、および処理物質の混合物22は、溝部を有する土壌21の該溝部に設置される(図2参照)。上記混合物22の調製、溝部での設置順序は任意である。土壌21には、汚染湖沼の湖底、河川底などの水中の土壌も含まれる。微生物等埋設断層構造3を設けた理由は、上述のように、用いる細菌群が光合成細菌および発酵性細菌を含む嫌気性細菌と嫌気性細菌と栄養および呼吸が相補的な関係にある好気性細菌とを含む細菌群であり、両者の共生化により、集団的に対環境外乱への耐性を増し、また、当初の処置のまま放置しても、永続的に優占状態が継続し、自動的に展開させるものであるが、微生物等埋設断層構造3がこのような共生化による相乗効果をさらに促進できるからである。なお、該溝部は、上記目的を達成できるものであれば形態を任意に選択でき、例えば、上記図2に示される微生物等埋設用断層構造3を有しているものが好ましい。
【0027】
微生物等埋設断層構造3は図2では一列のみ配置されたものを示しているが、該微生物等埋設断層構造3を多数列で配置することにより実施することが好ましい。
【0028】
工程(2)
次いで、工程(1)で溝部に設置された微生物用母材等の混合物22の上に現場の土壌等の土壌23を覆土する。この覆土により、細菌の存在する微生物用母材において嫌気性が簡便に維持され、嫌気性細菌が生育できるようにすることができる。なお、好気性細菌は、共生化により、このような嫌気性条件下であっても嫌気性細菌から放出される酸素や栄養分を利用して活動・生育することができる。
【0029】
工程(3)
上記の溝部に設置された微生物用母材等の混合物22に電磁波照射器5から電磁波を照射することにより細菌群を活発化させ、発酵性細菌による公害物質の嫌気性発酵分解および光合成細菌の光合成によるCO2の削減を促進させる。微生物用母材等の混合物に電磁波を照射することにより細菌群が活発となるのは、微生物用母材において熱が発生してこの熱により細菌が活性化する場合のほか、細菌の活動を促す電磁波が当該細菌に照射されることにより直接活発化させたり、共生関係にある細菌も間接的に活発化する。
【0030】
当該電磁波は、上記細菌群の活動を活発化させる適当な電磁波を適宜使用することができ、特に嫌気性細菌の活動を活発化させる適当な電磁波を適宜使用することが好ましい。「電磁波」には、太陽光、白色光、赤外光などが含まれ、光レンズで太陽光を集光したものを微生物用母材にまで筒内で誘導したり、また、市販の白色ランプ、赤外線ランプ等によって照射することができる。このような人工的な電磁波照射は、気象環境条件に拠らず照射できる観点からは好ましい。人工的な電磁波照射としては、特に照射器5がLEDを備えていることが好ましく、該LEDから発せられる赤色、青色、緑色、およびこれらの組み合わせから選択される電磁波であることが好ましく、より好ましくはLEDから発生させる赤色、青色、緑色の同時照射である。一定の波長分布と発光効率の良い3原色のLEDを同時発光させることで、細菌群に有効な光量子を行き届かせることができ、特に光合成細菌などに有効である。
【0031】
なお、電磁波の照射機器5として、太陽光を導く普及タイプ加速器、独立電源をもつ人工照明による簡易タイプ、および誘導加熱殺菌と真空排気式脱酸素機能がある難関地タイプがあり、これらを用途にあわせて適宜用いることができる。処理物質の物理的指標(温度、湿度、酸性度、導電率など)や細菌(光合成植物を用いることができるならば該植物も利用できる)に蓄えられた有機物等の増減を計測把握しながら微生物の活動に適当な環境蘇生加速することが好ましく、従来技術、例えば、特開平8−84983号公報に開示された方法を用いることができる。
【0032】
該電磁波照射機器5の設置は上記工程(2)の前に行うことが好ましい。また、電磁波を照射する場所は、微生物用母材等の混合物22にできるだけ多く照射されるように電磁波供給口の配置を施す。
【0033】
さらに、本発明の方法の好ましい実施態様において、熱供給部4を溝部の下に設置し、該熱供給部4から、上記微生物用母材等の混合物へ熱を供給することにより上記の細菌群を活発化させることができる。このような熱の供給には、例えば、太陽熱温水器1からの温水をパイプとジェネレータとを土壌底部にネット状に網羅し、温水器への袋には揚水ポンプ2を用いる等することにより達成される。このような熱供給部を用いることにより、寒冷気候下等の低温条件下でも細菌の活性を保つことができる。
【0034】
なお、本発明の方法において、上記電磁波照射装置5および熱供給部4に供給されるエネルギー源として図5に示される自然独立エネルギー系統を用いることが好ましい。図5中、51は太陽電池パネル、52は風力発電、53は燃焼器とタービン、54はジェネレータ、55はバッテリー、56はコンバータ、57はエネルギー供給口である。このような電源は、自然からエネルギー源を確保できるため非常に経済的であり、電源系統を維持する限り種々の環境に応じて反永続的にエネルギー源を供給することができる利点がある。
【0035】
【実施例】
以下に、具体例な実施例を示して本発明を詳細に説明する。
【0036】
図3は、太陽光を導く普及タイプ加速器を用いた本発明の環境蘇生方法の一実施形態を示す図である。図中、301〜309は男爵芋、310および312は現場の土壌、311は微生物用母材、313は細菌群、314は太陽光、315は光レンズ、316は太陽光集光普及型加速器、317は光レンズ、318は乱反射導光路を示す。
【0037】
本発明の方法を実施するのに以下のように行った。
【0038】
スコップで現場の土壌を幅1m、深さ0.5m、長さ7mの溝を掘り、溝部を有する土壌を作成した。該溝部の底に米糠、落ち葉堆肥、および鶏糞からなる細菌有機母材311を現場の土壌310上の全区画に配置し、これに市販の乳酸菌が確認されている液を生ごみと一緒にして培養したものを水分を含む固形物313として、図3に示すように全区画の2/3を覆った。次いで、上記全区画の2/3に対応する位置に細菌群を含む微生物用母材の部分に7つの種芋の男爵芋(図中の301〜307)に配置し、全区画の1/3に細菌群を含まない微生物用母材の部分に2つの種芋の男爵芋(図中の308および309)を図3の通りに配置した。溝が埋設されるように、粒子を細かく粉砕した土壌で全体に覆土した。次に、太陽光集光普及型加速器316を1台用いて、太陽光314を光レンズ315に集光し、集光した太陽光314を筒内に乱反射させて乱反射導光路318を通って土壌中に導き、該筒の出口から土壌の全方向へ向けて太陽光を照射した。これを90日間実施した後、派生した男爵芋に蓄積した重量及び甘味を計測し、その結果を示したのが図4である。図4中、301から309は上記図3中の男爵芋301から309に対応する。横軸のサンプル番号は、各男爵芋種芋の断片から派生して実をつけた男爵芋の番号であり、縦軸棒グラフは該男爵芋の各々の重量(g)を示し、点線は甘味(%)を示す。甘味(%)は市販の糖度計(竹村製作所製;0〜32%計測計)を用いた。男爵芋301から派生した男爵芋1〜12の合計量は299g、男爵芋302から派生した男爵芋13〜25の合計量は997g、男爵芋304から派生した男爵芋26〜45の合計量は1127g、男爵芋304から派生した男爵芋46〜53の合計量は571g、男爵芋から派生した男爵芋54〜72の合計量は747g、男爵芋306から派生した男爵芋73〜78の合計量は364g、男爵芋307から派生した男爵芋79〜83の合計量は372g、男爵芋308から派生した男爵芋84〜87の合計量は243g、男爵芋309から派生した男爵芋88〜93の合計量は341gである。男爵芋302および男爵芋303から派生した男爵芋の合計重量がその他の男爵芋のものと比較して栄養分の優れた蓄積があったことを示している。このような栄養分の増加は土中にいる光合成細菌による光合成活動が活発になったことを示しており、これにより土壌中のCO2を減少させることができることができるとともに、光合成細菌の活動の活発性から乳酸菌も該光合成細菌の生育を助け活動していることが確認された。
【0039】
【発明の効果】
以上の通り、光合成細菌および発酵性細菌を含む嫌気性細菌と該嫌気性細菌と栄養および呼吸が相補的な関係にある好気性細菌とを含む細菌群とを用い、さらに細菌群を微生物用母材と混合して土壌溝部に配置して電磁波照射することにより、細菌群の栄養合成と呼吸とを人工的に補強して、共生化により微生物を活発化させるとともに、上記共生化により適した環境を提供でき、集団的に対環境外乱への耐性を増し、また、当初の処置のまま放置しても、永続的に優占状態が継続し、自動的に展開させることができる。結果として、従来よりも効率的に、発酵性嫌気性細菌による発酵分解により公害物質を減少することを加速すると同時に、光合成嫌気性細菌を活動を活発化させ、大気中へ出るはずのCO2が地中において光合成嫌気性細菌により消費され、アミノ酸や糖に合成されるために使われ余りが無く排出しないという効果を得ることができる。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の環境蘇生方法を実施するのに用いられる一実施形態としての環境蘇生基盤の概略図である。
【図2】 微生物用母材等を含む混合物を土壌溝部に配置した微生物等埋葬断層構造に電磁波照射器を配置し、覆土した状態を示す断面概略図である。
【図3】 太陽光を導く普及タイプ加速器を用いた本発明の環境蘇生方法の一実施形態を示す図である。
【図4】 土壌中に植えた男爵芋に蓄積した栄養分(重量および甘味)を計測した結果を示す図である。
【図5】 本発明の方法に用いられる電磁波照射等のための自然独立エネルギー系統を示す概略図である。
【符号の説明】
1 太陽熱温熱器
2 揚水ポンプ
3 微生物等埋設断層構造
4 ラジエター
5 加速器
6 独立電源系
21 溝部を有する土壌
22 微生物母材等の混合物
23 覆土した土壌
301〜309 男爵芋
310 現場の土壌
311 微生物用母材
312 現場の土壌
313 固形物
314 太陽光
315 光レンズ
316 太陽光集光普及型加速器
317 光レンズ
318 乱反射導光路
51 太陽電池パネル
52 風力発電
53 燃焼器とタービン
54 ジェネレータ
55 バッテリー
56 コンバータ
57 エネルギー供給口

Claims (3)

  1. 以下の(1)から(3)の工程を含むことを特徴とする環境蘇生方法:
    (1)微生物用母材に、光合成細菌および発酵性細菌を含む嫌気性細菌と該嫌気性細菌と栄養および呼吸が相補的な関係にある好気性細菌とを含む細菌群と、公害物質を含む処理物質とを混ぜ合わせた混合物を、溝部を有する土壌の該溝部に設置する工程、
    (2)前記混合物に覆土する工程、および
    (3)光線をレンズで集光し、集光した光線を筒内を通って前記土壌中に導き、該筒の出口から前記混合物中へ向けて光線を照射することにより前記細菌群を活発化させ、前記嫌気性細菌による前記公害物質の分解および光合成を促進させる工程。
  2. 前記好気性細菌が窒素固定菌、亜硝酸菌、硝酸菌の硝化細菌、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の環境蘇生方法。
  3. 前記溝部を有する土壌の下に設置した熱供給部から前記混合物へ熱を供給することにより前記細菌群を活発化させ、前記嫌気性細菌による前記公害物質の分解および光合成をさらに促進させることを特徴とする請求項1または2に記載の環境蘇生方法。
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