JP3906226B2 - 非線形性測定方法,非線形性測定装置,磁気記録再生装置および磁気記録再生用lsi - Google Patents
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Description
従来のNLTS測定手法として、1994年、IEEE Transactions on Magnetics,Vol.30,No.6,p.4236にX.Che、M.J.PeekおよびJ.Fitzpartickの“A Generalized frequency domain nonlinearity measurement method”と題する論文(非特許文献1)が知られている。この論文には、磁化反転の連続が2ビット(Dibit)を含むビット列パターンの信号を媒体に磁気記録して生じるNLTS測定方法が記載されている。
このNLTS測定方法について以下に説明する。このNLTS測定方法は以下の3つのステップから構成される。
ステップ1においては、1ビットのパルス幅をTとして15ビット毎に(15Tで)極性が反転する30Tのビット列パターンを繰り返す基準信号によりデータを媒体上に記録し、その再生信号の第5高調波信号(以下、5次成分と記す)を測定する。この5次成分をV5refとする。上記基準信号を、媒体上に記録するデータの記録符号をレベルで表示するNRZ表記および記録符号をレベルの反転で表示するNRZI表記によって以下に示す。
ステップ2においては、Dibitパターンを含む30Tのビット列パターンを繰り返す被測定信号によりデータを媒体上に記録し、その再生信号の5次成分V5patを測定する。上記被測定信号を、NRZ表記およびNRZI表記により以下に示す。
ステップ3においては、ステップ1およびステップ2で測定した5次成分をV5refおよびV5refから比率Vab=V5pat/V5refを算出する。次いで、Dibitで生じるNLTS(Dibit)を下式(a)から算出する。ここで、NLTSは1Tで規格化した値、すなわち1Tのパルス幅を1(100%)とした値である。
上式(a)は、下式(b)により近似できる。
また、上記論文には、磁化反転がさらに連続した場合のNLTS測定方法も記載されているが、同論文の著者J.Fitzpatrickに加えて、A.Taratorin、S.X.Wang、B.Wilsonが、後の1996年1月に、IEEE Transactions on Magnetics,Vol.33,No.1,P956−961に発表した“Non−Linear Interactions in a Series of Transitions”と題する論文(非特許文献2)では、再生ヘッドにMR(磁気抵抗効果)型のものが使用された場合、再生ヘッドの非線形性を取除かなければNLTS測定値に大きな誤差が生じることが記載されている。
さらに、NLTSの一つとして前記録データによる遷移シフト(HTS:Hard Transition ShiftまたはO/W(Over Write)NLTS)があり、その測定方法として、単一ビット列パターンを繰り返す基準信号(f)とその1/2周波数の被測定信号(f/2)とからNLTSを算出する方法が知られている。
また、2つの磁化反転が連続するダイビット(Dibit)以外に、3つの磁化反転が連続するトリビット(Tribit)や2Tのビット列パターンを繰り返す信号で生じる非線形遷移シフト(NLTS)を、手間がかからずに、電磁誘導型再生ヘッドのみならずMR(磁気抵抗効果)型再生ヘッドに起因する非線形性に対する測定誤差をも少なくし、測定方法の変更をせずに様々な種類のNLTSを容易に測定できるようにすることを目的とする非線形性の測定手法(特許文献1参照)も知られている。
しかしながら、これらの従来のNLTS測定手法においては、NLTS被測定パターン(ビット列パターン)に先行して存在するビット列の磁化反転状況については何ら考慮されておらず、実際に即したNLTSを測定するものではないという課題がある。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、先行するビット列の磁化反転状況を考慮した、より精度の高いNLTSを測定可能な非線形性測定方法,非線形性測定装置,磁気記録再生装置および磁気記録再生用LSIを提供することを目的とする。
なお、第1の所定高調波成分および第2の所定高調波成分がそれぞれ次数Mの第M高調波成分であり、基準信号および複数種類の被測定信号が、いずれもビット周期Nのビット列として構成され、ビット周期Nが所定高調波成分の次数Mの倍数であるとともに、高調波次数Mに対するビット周期Nの比R(R=N/M)が2の倍数であってもよい。
また、被測定信号が、磁化反転パターンP1と非線形性の測定対象ビットとをそなえて構成されたNLTS測定パターン列Pの最終ビットから2δビット(ただし、δは媒体上における前ビットからのNLTSの影響を無視し得るビット長)以上離れた後続位置で、且つ、NLTS測定パターン列Pの先頭ビットから(n1+0.5)R番目(ただし、n1は自然数)の後続位置を始点として、NLTS測定パターンPの最終ビットを除いたビット列P2を配置し、磁化反転パターンP1の最終ビットからδビット以上離れた後続位置であって、その被測定信号の最終ビットから2δビット以上離れた先行位置であり、且つ、NLTS測定パターン列Pの最終ビットから(n2+0.5)R番目(ただし、n2は自然数)の後続位置に第1の磁化反転ビットC1をそなえてもよい。
さらに、磁化反転するビットを1で表記して、被測定信号が、磁化反転位置が第4,5,22,35ビットにある000011000000000000000010000000000001000000000000000000000000の60ビット列(ビット周期N=60)のパターンであってもよく、又、磁化反転するビットを1で表記して、被測定信号が、磁化反転位置が第4,5,6,12,22,23,36,42ビットにある000011100000100000000011000000000000100000100000000000000000の60ビット列(ビット周期N=60)のパターンであってもよい。
また、被測定信号が、NLTS測定パターン列Pにおける磁化反転ビットの数が奇数の場合に、NLTS測定パターン列Pの最終ビットからδビット以上離れた後続位置であり、且つ、ビット列P2パターンの先頭ビットからδ以上離れた先行位置に第2の磁化反転ビットC2と、第1の磁化反転ビットC1からδビット以上離れた後続位置であって、その被測定信号の最終ビットからδビット以上離れた先行位置であり、且つ、第2の磁化反転ビットC2から(n3+0.5)R番目(ただし、n3は自然数)の後続位置に第3の磁化反転ビットC3をそなえてもよい。
さらに、磁化反転するビットを1で表記して、被測定信号が、磁化反転位置が第1,2,4,5,19,20,22,35ビットにある0110110000 00000000011010000000000001000000000000000000000000の60ビット列(ビット周期N=60)のパターンであってもよく、又、磁化反転するビットを1で表記して、被測定信号が、磁化反転位置が第0,2,4,5,18,20,22,35ビットにある1010110000 00000000101010000000000001000000000000000000000000の60ビット列(ビット周期N=60)のパターンであってもよい。
またさらに、磁化反転するビットを1で表記して、被測定信号が、磁化反転位置が第0,1,2,4,5,12,18,19,20,22,35,42ビットにある11101100000010000011101000000000000100000010000000 0000000000の60ビット列(ビット周期N=60)のパターンであってもよく、又、磁化反転するビットを1で表記して、被測定信号が、磁化反転位置が第1,2,4,5,6,12,19,20,22,23,36,42ビットにある011011100000100000011011000000000000100000100000000000000000の60ビット列(ビット周期N=60)のパターンであってもよい。
さらにまた、磁化反転するビットを1で表記して、被測定信号が、磁化反転位置が第0,2,4,5,6,12,18,20,22,23,36,42ビットにある101011100000100000101011000000000000100000100000000000000000の60ビット列(ビット周期N=60)のパターンであってもよく、又、磁化反転するビットを1で表記して、被測定信号が、磁化反転位置が第0,1,2,4,5,6,18,19,20,22,23,36ビットにある111011100000000000111011000000000000100000000000000000000000の60ビット列(ビット周期N=60)のパターンであってもよい。
また、基準信号が、先頭位置に第1の磁化反転ビットR1をそなえるとともに、第1の磁化反転ビットR1からδビット以上離れた後続位置に第2の磁化反転ビットR2と、第2の磁化反転ビットR2からδビット以上離れた後続位置であって、且つ第1の磁化反転ビットR1からn4×R番目(ただし、n4は自然数)の後続位置に第3の磁化反転ビットR3と、第3の磁化反転ビットR3からδビット以上離れた後続位置であって、その基準信号の最終ビットからδビット以上離れた先行位置であり、且つ、第2の磁化反転ビットR2から(n5+0.5)R番目(ただし、n5は自然数)の後続位置に第4の磁化反転ビットR4とをそなえてもよい。
さらに、磁化反転するビットを1で表記して、基準信号が、磁化反転位置が第0、18、24、48ビットにある100000000000000000100000100000000000000000000000100000000000の60ビット列(ビット周期N=60)のパターンであってもよい。
また、算出ステップにおいて、第1の所定高調波成分と第2の所定高調波成分との比率に基づいて、NLTSを算出してもよく、又、被測定信号の磁化極性を反転させて作成した反転被測定信号を被測定信号として用いてもよい。
さらに、被測定信号記録ステップにおいて、被測定信号における非線形性の測定対象ビットの記録位置を変更可能な変更ステップをそなえ、第2測定ステップにおいて、記録位置を移動後の被測定信号に基づいて第2の所定高調波成分を測定してもよい。
また、記録位置を移動後の被測定信号基づいて測定された第2の所定高調波成分の最小値VpatMinに基づいて、第2の所定高調波成分を補正する補正ステップをそなえてもよく、又、この補正ステップにおいて、記録位置を移動前の被測定信号基づいて測定された第2の所定高調波成分Vpat、記録位置を移動後の被測定信号基づいて測定された第2の所定高調波成分Vpat′とした場合に、
となるように補正を行なってもよい。
さらに、基準信号および複数種類の被測定信号が、いずれもビット周期60(N=60)のビット列であり、第1の所定高調波成分および第2の所定高調波成分がそれぞれ次数5(M=5)の第5高調波成分であってもよく、又、基準信号および複数種類の被測定信号が、いずれもビット周期50(N=50)のビット列であり、第1の所定高調波成分および第2の所定高調波成分がそれぞれ次数5(M=5)の第5高調波成分であってもよい。
また、本発明の非線形性測定装置は、媒体における磁気記録再生における非線形遷移シフト(NLTS:Non Linear Transition Shift)を算出する非線形性測定装置であって、媒体に磁気記録された基準信号の再生信号から第1の所定高調波成分を測定する第1測定部と、媒体に磁気記録された複数種類の被測定信号の各々に、その再生信号から第2の所定高調波成分を測定する第2測定部と、第1の所定高調波成分と各々の被測定信号に対応する第2の所定高調波成分とからNLTSを算出する算出部とをそなえ、複数種類の被測定信号が、それぞれ、NLTSの測定対象ビットに先行して磁化反転パターン列P1をそなえることを特徴としている。
さらに、本発明の磁気記録再生装置は、媒体に磁気記録された基準信号の再生信号から第1の所定高調波成分を測定する第1測定部と、媒体に磁気記録された複数種類の被測定信号の各々に、その再生信号から第2の所定高調波成分を測定する第2測定部と、第1の所定高調波成分と各々の被測定信号に対応する第2の所定高調波成分とから、媒体における磁気記録再生における非線形遷移シフト(NLTS:Non Linear Transition Shift)を算出する算出部とをそなえ、複数種類の被測定信号が、それぞれ、NLTSの測定対象ビットに先行して磁化反転パターン列P1をそなえることを特徴としている。
また、本発明の磁気記録再生用LSIは、媒体に磁気記録された基準信号の再生信号から第1の所定高調波成分を測定する第1測定部と、媒体に磁気記録された複数種類の被測定信号の各々に、その再生信号から第2の所定高調波成分を測定する第2測定部と、第1の所定高調波成分と各々の被測定信号に対応する第2の所定高調波成分とから、媒体における磁気記録再生における非線形遷移シフト(NLTS:Non Linear Transition Shift)を算出する算出部とをそなえ、複数種類の被測定信号が、それぞれ、NLTSの測定対象ビットに先行して磁化反転パターン列P1をそなえることを特徴としている。
本発明の非線形性測定方法,非線形性測定装置,磁気記録再生装置および磁気記録再生用LSIによれば、以下の効果ないし利点がある。
(1)NLTSの測定対象ビットに先行して磁化反転パターン列P1をそなえる被測定信号の所定高調波成分に基づいてNLTSを算出することにより、磁化反転パターン列P1に依存するNLTSを容易に定量的に測定することができ、磁気記録再生装置(磁気ヘッド,電送系等)や媒体の開発におおいに効果を発揮するものである。
(2)NLTSが最小になるように容易に補正を行なうことができる。
図2は本発明の一実施形態としての磁気ディスク装置の非線形性測定部において用いられる基準パターンおよび被測定パターンの例を示す図である。
図3は本発明の一実施形態としての磁気ディスク装置のハードウェア構成を模式的に示す図である。
図4は本発明の一実施形態としての磁気ディスク装置に用いられるパターン発生回路の構成例を模式的に示す図である。
図5(a),図5(b),図5(c),図6(a),図6(b),図6(c)はそれぞれ本発明の一実施形態としての磁気ディスク装置における、複数種類の被測定NLTSパターンに関するNLTSのシミュレーションによる測定誤差の例を示す図である。
図7(a),図7(b),図7(c),図8(a),図8(b),図8(c)はそれぞれ本発明の一実施形態としての磁気ディスク装置における、複数種類の被測定NLTSパターンに関する補正後のNLTSのシミュレーションによる測定誤差の例を示す図である。
図9(a),図9(b),図10(a),図10(b),図11(a),図11(b),図12(a),図12(b)はそれぞれ本発明の一実施形態としての磁気ディスク装置における複数種類の被測定NLTSパターンに関するNLTSの実測例を示す図である。
図13は本発明の一実施形態としての磁気ディスク装置の非線形性測定部において用いられる他の基準パターンおよび被測定パターンの例を示す図である。
図1は、本発明の一実施形態としての磁気ディスク装置(磁気記録再生装置)にそなえられた非線形性測定部(非線形性測定装置)の機能構成を模式的に示す図である。
本磁気ディスク装置(磁気記録再生装置)100は、例えばコンピュータシステム等における記憶装置として用いられ、複数の磁気ディスク2をそなえ、これらの磁気ディスク2に磁気ヘッド3を用いてデータの記録/読み取りを行なうものであり、磁気ディスク(媒体)2(図3参照)における磁気記録再生の非線形遷移シフト(NLTS:Non Linear Transition Shift)を算出する非線形性測定部1(図1参照)をそなえて構成されている。
本磁気ディスク装置100における非線形性測定部1は、図1に示すように、パターン発生部51,パターン記録部52,パターン再生部54,第1測定部55,第2測定部56,算出部57,変更部58および補正部59をそなえて構成されている。
パターン発生部51は、基準パターン(基準信号)および被測定パターン(被測定信号)を発生させて、これらの基準パターンおよび被測定パターンをパターン記録部52に渡すようになっている。
図2は本発明の一実施形態としての磁気ディスク装置100の非線形性測定部1において用いられる基準パターンおよび被測定パターンの例を示す図である。基準パターンおよび被測定パターンは、ともに磁気ディスク2にデータを磁気記録するための磁化と非磁化との状態を表わすビット列パターンであって、パターン発生部51は、図2に示すような基準パターンや被測定パターンを発生させるようになっている。
なお、図2中においては上段に各列の項目を示している。各項目は、左から順に第1列目はNLTSの測定種類、第2列目は被測定NLTSパターン、3列目はそのビット位置(Bit位置)を示している。このビット位置としては、上記基準パターンおよび被測定パターンがNRZI表記で示されている。これらのパターンから選択されたデータが、パターン発生部51から記録データとして供給されるようになっている。
なお、本実施形態においては、図2に示すように、基準パターンと被測定パターンとのいずれも、ビット周期Nが60ビット(60T;N=60)の0と1とからなるビット列であり、磁化反転位置を1で表わすものとして構成されている。
そして、図2中においては、基準パターンと被測定パターンとのそれぞれに、各パターンを構成する先頭から最後の各ビットに0〜59までの番号をビット位置として順番に付して、各被測定NLTSパターンにおける磁化反転位置を特定するものとする。又、この図2に示す各パターンは、前ビットからの影響を無視し得るビット長δ=4Tとした場合のものである。
本実施形態においては、基準パターンは、図2に示すように、磁化反転位置が第0,18,24,48ビットにあるビット列のパターンとして形成されている。
また、図2に示す例においては、被測定パターンは、NLTS種類としてダイビット(Dibit)パターンとトリビット(Tribit)パターンとの2種類用意されており、更に、ダイビットパターンとして8種類の被測定NLTSパターンをそなえるとともに、トリビットパターンとして8種類の被測定NLTSパターンをそなえている。
ここで、ダイビット(Dibit)パターンは、2つの磁化反転が連続するダイビット(Dibit)を含むパターン(…00110000…)であって、トリビット(Tribit)パターンは、3つの磁化反転が連続するトリビット(Tribit)を含むパターン(…00111000…)である。
また、図2に示す各ダイビットパターンは、いずれも、各先頭から4ビット目および5ビット目に2ビットの連続する磁化反転位置(ダイビット)をそなえており、又、各ダイビットに先行する0ビット目〜3ビット目に、それぞれ4ビットの磁化反転パターン列(先行パターン)P1をそなえている。
本実施形態においては、便宜上、各ダイビットパターンにおける、先行パターンP1とダイビットとからなる0〜5ビット目の6ビットの部分(NLTS測定パターン列P)を用いて各被測定NLTSパターンを識別するものとし、例えば、被測定NLTSパターン000011,被測定NLTSパターン001011,被測定NLTSパターン010011のように示すものとする。
そして、例えば、被測定NLTSパターン000011においては、磁化反転位置が第4,5,22,35ビットにあり、被測定NLTSパターン011011においては、磁化反転位置が第1,2,4,5,19,20,22,35ビットにあり、被測定NLTSパターン101011においては、磁化反転位置が第0,2,4,5,18,20,22,35ビットにあり、被測定NLTSパターン111011においては、磁化反転位置が第0,1,2,4,5,12,18,19,20,22,35,42ビットにある。
また、本実施形態においては、各被測定NLTSパターンにおけるダイビット位置(ダイビットを構成する連続する2つの磁化反転ビットの2ビット目)についてのNLTSを測定するものとする。すなわち、このダイビット位置が測定対象ビットである。
同様に、図2に示す各トリビットパターンは、いずれも、各先頭から4ビット目〜6ビット目に3ビットの連続する磁化反転位置(トリビット)をそなえており、又、各トリビットに先行する0ビット目〜3ビット目に、それぞれ互いに異なる4ビットの磁化反転パターン列(先行パターン)P1をそなえている。
本実施形態においては、便宜上、各トリビットパターンにおける、先行パターンP1とトリビットとからなる0〜6ビット目の7ビットの部分を用いて各被測定NLTSパターンを識別するものとし、例えば、被測定NLTSパターン0000111,被測定NLTSパターン0010111,被測定NLTSパターン0100111のように示すものとする。
そして、例えば、被測定NLTSパターン0000111においては、磁化反転位置が第4,5,6,12,22,23,36,42ビットにあり、被測定NLTSパターン0110111においては、磁化反転位置が第1,2,4,5,6,12,19,20,22,23,36,42ビットにあり、被測定NLTSパターン1010111においては、磁化反転位置が第0,2,4,5,6,12,18,20,22,23,36,42ビットにあり、被測定NLTSパターン1110111においては、磁化反転位置が第0,1,2,4,5,6,18,19,20,22,23,36ビットにある。
また、本実施形態においては、各被測定NLTSパターンにおけるトリビット位置(トリビットを構成する連続する3つの磁化反転ビットの3ビット目)についてのNLTSを測定するものとする。すなわち、このトリビット位置が測定対象ビットである。
パターン記録部(基準信号記録部,被測定信号記録部)52はパターン発生部51によって発生された基準パターンおよび被測定パターンを磁気ディスク2に記録するものであり、パターン再生部54は磁気ディスク2に記録された基準パターンおよび被測定パターンを読み取り再生するものである。
第1測定部55は、磁気ディスク2に磁気記録された基準信号の再生信号から第1の所定高調波成分(M次成分)を測定するものであり、パターン再生部54によって再生された基準パターンに基づいて、その第5高調波成分(以下、5次成分という場合もある)Vrefを測定するようになっている。
第2測定部56は磁気ディスク2に磁気記録された複数種類の被測定信号の各々に、その再生信号から第2の所定高調波成分(M次成分)を測定するものであり、パターン再生部54によって再生された被測定パターン(被測定NLTSパターン)に基づいて、その第5高調波成分Vpatを測定するようになっている。
そして、パターン発生部51によって発生された基準パターン(基準信号)は、パターン記録部52を介して磁気ディスク2に記録され、この磁気ディスク2に記録されたデータは、パターン再生部54を介して第1測定部55に入力され、同じく、パターン発生部51によって発生された被測定パターン(被測定信号)は、パターン記録部52を介して磁気ディスク2に記録され、この磁気ディスク2に記録されたデータが、パターン再生部54を介して第2測定部52に入力されるようになっている。
なお、以下、本実施形態においては、第1測定部55によって測定される第1の所定高調波成分も第2測定部56によって測定される第2の所定高調波成分も、次数5(M=5)の第5高調波成分の場合について説明するものとする。
算出部57は、第1測定部55によって測定された第1の所定高調波成分と、第2測定部56によって測定された各々の被測定信号に対応する第2の所定高調波成分とからNLTSを算出するものである。
具体的には、算出部57は、先ず、下記の式(1)によりVabを算出した後に、下記の式(2)により、NLTSを算出するようになっている。
ただし、Vpatは被測定パターンのM次成分、Vrefは基準パターンのM次成分である。
なお、Rは高調波次数Mに対するビット周期Nの比(R=N/M)であり、例えば、ビット周期Nが60ビット(60T;N=60)であり、所定高調波成分が次数5(M=5)である場合には、R=(60/5)=12である。すなわち、NLTSは、下記の式(3)によって算出することができる。
ここで、NLTSは1Tで規格化した値、すなわち1Tのパルス幅を1(100%)とした値である。
次に、上記式(3)のNLTS算出式について、ビット周期(パターン周期)が60Tのトリビットにかかる被測定NLTSパターン1010111(パターンA)を用いて説明する。
(1)パターンAの第5次成分の算出
パターンAの磁化反転位置は、0,2,4,5,6,12,18,20,22,23,36,42ビット目である。ここで、1ビット前によるNLTSをビット周期Tで正規化したものをtn1、2ビット前磁化反転によるNLTSをビット周期Tで正規化したものをtn2、3ビット前磁化反転によるNLTSをビット周期Tで正規化したものをtn3(=tn1−tn2)、前歴によるNLTSを正規化したものをtowとする。なお、前歴とは、上書きする前の直下の情報をいう。
第5次成分は5f0=5/T0=5/(60T)=1/(12T)であるので、ωT=2πfT=2π5f0T=π/6。ここでf0は繰り返し基準周波数を表わす。
従って、Va(f)の第5次成分Va(5f0)は以下の式によって表わすことができる。
(2)基準パターン(パターンB)の第5次成分の算出
同様に基本パターンの第5次成分Vb(5f0)を求める。
パターンBの磁化反転位置は、0,18,24,48ビット目である。
(3)NLTS算出式の導出
まず、Vab=Va(5f0)/Vb(5f0)を算出する。ここで、Va(5f0)及びVb(5f0)はスペクトラムアナライザ等で測定するため絶対値のみが測定されている。従って、Vabは上記式(4),(5)より、
f0の5次成分で見た場合のTはπ/6であるので、1Tに対するNLTS量は以下の式(6)によって算出される。
なお、他の被測定NLTSパターンについても、NLTSの算出式は同様である。
変更部58は、パターン記録部52により磁気ディスク2に被測定NLTSパターン(被測定パターン)を記録する際に、少なくとも一部のビットの記録位置を任意に変化(移動)させるものであり、これにより、ダイビット位置やトリビット位置を変化させてNLTSの値をシミュレートしたり、又、被測定パターンのM次成分Vpatの値をシミュレートしたりすることができるのである。
補正部59は、被測定パターンのM次成分Vpatの値を補正するものであって、変更部58によるシミュレーションの結果に基づいて、Vpatの値の最小値VpatMinを用いて被測定パターンのM次成分Vpatの値を補正するようになっている。本実施形態においては、補正部59は、例えば、以下の式(7)に基づいて補正後のVpatの値Vpat′を算出して補正するようになっている。
なお、上記式(7)は、
として表わすこともできる。
本磁気ディスク装置100の非線形性測定部1によるNLTSの測定手法は、磁化遷移点の非線形シフトを測定するものであるが、磁気記録の場合には、磁気ヘッド(再生ヘッド)3の非線形性やρ−Hカーブ非線形性等による再生振幅の非線形性も含まれる。この再生振幅の非線形性は本手法にかかるNLTSの測定誤差を生じるおそれがあるので、その補正を行なうことが望ましいのである。
図3は本発明の一実施形態としての磁気ディスク装置100のハードウェア構成を模式的に示す図である。本磁気ディスク装置100は、図3に示すように、磁気ディスク(媒体)2,磁気ヘッド(パターン記録部,パターン再生部)3,アクチュエータ4,ヘッドIC5,制御回路6,エンコーダ7,記録補正回路8,AGC回路9,信号検出回路10,デコーダ11,サーボ復調回路12,サーボ制御回路13,ドライブ回路14,FFT15およびパターン発生回路20をそなえて構成されている。
磁気ディスク(媒体)2は、高保持力の磁性膜を用い円板状の媒体上にトラックが形成されたものであり、スピンドルモータ(図示省略)によって回転されるようになっていて、磁気ヘッド3によって、その表面に記録された情報を読み取られたり、又、情報を書き込まれたりするようになっている。
磁気ヘッド(パターン記録部,パターン再生部)3は、磁気ディスク2に記録された種々のデータを読み取ったり、磁気ディスク3に種々の情報を書き込んだりするものである。具体的には、磁気ヘッド3は、磁気ディスク2に対向して配置され、記録電流が供給されることにより磁界を発生させるようになっており、磁気ディスク2をトラック進行方向に磁化することによって磁気ディスク2に種々のデータ(基準パターン,被測定パターン;詳細は後述)を記録するようになっている。
すなわち、磁気ヘッド3は、上述した基準パターンや被測定パターンを磁気ディスク2に書き込むパターン記録部(基準信号記録部,被測定信号記録部)52として機能するとともに、磁気ディスク2に記録された基準パターンおよび被測定パターンを読み取り再生するパターン再生部54として機能するものである。
アクチュエータ4は、磁気ヘッド3を磁気ディスク2の半径方向に移動させるものであり、例えば、磁気ヘッド3の位置決めに用いるVCM(Voice Coil Motor)(図示省略)等をそなえて構成されている。このアクチュエータ4は、ドライブ回路14からのドライブ信号に応じて駆動され、磁気ヘッド3を所定の位置に移動させるようになっている。
ヘッドIC5は、磁気ヘッド3による磁気ディスク2へのデータの読み出し/書き込みを制御するものであり、エンコーダ7は、制御回路6から供給された記録データや、パターン発生回路20によって発生された基準パターンや被測定パターンを、磁気ディスク2に記録するためにNRZ(Non−Return to Zero)のデータに変換して出力するものである。なお、NRZとは、非ゼロ復帰記録方式と呼ばれるもので、2値信号パルス列において、単位符号間隔の長さとパルスの長さとが同じになるパルス波形で記録を行なう記録方式である。エンコーダ7の出力信号は、記録補正回路8に供給されるようになっている。
記録補正回路(ライト補償回路(WPC:Write Precompensation Circuit))8は、エンコーダ7の出力記録信号のビット配列を検出してビット配列に応じた補正を行なうものであり、この記録補正回路8で補正された記録信号がヘッドIC5に供給されるようになっている。
また、記録補正回路8は、制御回路6において算出されたNLTSの算出結果に応じて記録信号を補償し、その記録信号をヘッドIC5に供給するようになっている。この記録補正回路8は、前述した比率Vab=1に等しいか、あるいはできるだけVab=1に近づくように補償量を修正して、最適化するようになっている。
ヘッドIC5は、記録補正回路8から供給された記録データに応じた記録電流を磁気ヘッド3に供給するものである。又、ヘッドIC5は、磁気ヘッド3によって再生された信号を増幅して、AGC回路9に供給するようになっている。
AGC(Automatic Gain Control)回路9は、ヘッドIC5から供給された信号の振幅を一定に制御するものであり、その制御信号をFFT15や信号検出回路10,サーボ復調回路12に出力するようになっている。
信号検出回路10は、AGC回路9の出力信号から再生データを検出するものであり、デコーダ11は、信号検出回路10によって検出された信号をデコードするものである。このデコードされた信号は制御回路6に供給されるようになっている。
サーボ復調回路12は、AGC回路9から供給された信号からサーボ信号を復調するものであり、この復調された信号はサーボ制御回路13に供給されるようになっている。
サーボ制御回路13は、サーボ復調回路12から供給されるサーボ信号と制御回路6から供給される制御信号とに応じて磁気ヘッド3の現在の位置と記録または再生を行なうべき位置との差に応じたドライブ制御信号を生成して、ドライブ回路14に供給するようになっている。
ドライブ回路14は、サーボ制御回路13から供給されたドライブ制御信号に応じてアクチュエータ4を駆動するドライブ信号を生成するものであり、そのドライブ信号をアクチュエータ4に供給するようになっている。
FFT(高速フーリエ変換器)15は、AGC回路9の下流側にそなえられ、AGC回路9から出力される再生信号から5次高調波成分を検出(測定)し、制御回路6等に5次高調波成分を出力するようになっている。すなわち、このFFT15が、上述した第1測定部55および第2測定部56として機能するようになっている。
制御回路6は、本磁気ディスク装置100における種々の処理を制御するものであって、磁気ヘッド3の切り換え制御や、磁気ディスク2に対する磁気ヘッド3の位置決め制御、磁気ヘッド3によるデータの書き込み/読み取りの制御等を行なうようになっていて、外部から上述した記録データを受信して、エンコーダ7に供給するようになっている。
また、本磁気ディスク装置100において、NLTSの測定を行なう場合には、制御回路6は、例えばエンコーダ7に供給する基準パターンまたは被測定パターンをなすビット列パターンの記録データを選択する指令を外部から受け、パターン発生回路20に供給するようになっており、これにより、パターン発生回路20に対して基準パターンや被測定パターンを発生させるようになっている。
さらに、制御回路6は、FFT15によって測定された被測定パターンの5次成分Vpatや、基準パターンのM次成分5次高調波成分Vref等に基づいて、NLTSを算出するようになっている。すなわち、この制御回路6が、第1測定部55によって測定された第1の所定高調波成分と、第2測定部56によって測定された各々の被測定信号に対応する第2の所定高調波成分とからNLTSを算出する算出部57として機能するようになっている。又、制御回路6は算出したNLTSを記録補正回路8に供給するようになっている。
また、制御回路6は、上述した5次高調波法によるNLTSの算出結果を記録補正回路8に供給するようになっており、記録補正回路8は供給されたNLTSの算出結果に応じて補償した記録信号をヘッドIC5に供給するようになっている。
パターン発生回路20は、制御回路6の制御に基づいて、基準パターン(基準信号)および被測定パターン(被測定信号)を発生させ、これらの基準パターンおよび被測定パターンをエンコーダ7に供給するようになっており、上述したパターン発生部51として機能するようになっている。
図4は本発明の一実施形態としての磁気ディスク装置100に用いられるパターン発生回路20の構成例を模式的に示す図である。このパターン発生回路20は、制御回路6から供給される指令に応じて、予め選択回路30内の不揮発性メモリ(図示せず)に格納したそれぞれ60ビットからなる基準信号としての基準パターン(図2参照)および被測定信号としての複数種類の被測定パターン(被測定NLTSパターン)の中から一つの記録データ(パターン)を選択し、その60ビットの記録データをシフトレジスタ31に供給するようになっている。
シフトレジスタ31は、60ビット並列入力直列出力シフトレジスタであり、S/Lモードが0のとき60ビットの並列記録データを書き込み、S/Lモードが1のとき書き込まれたデータを任意のビットから1ビットづつサイクリックに直列シフトしてエンコーダ7に供給するようになっている。
そして、上述したエンコーダ7,AGC回路9,信号検出回路10,デコーダ11,サーボ復調回路12,サーボ制御回路13,ドライブ回路14,FFT15,制御回路6,記録補正回路8およびパターン発生回路20の少なくとも一部を、磁気記録再生用LSI(Large Scale Integration;大規模集積回路)として構成することができる。
上述の如く構成された本発明の一実施形態としての磁気ディスク装置100における5次高調波法によるNLTSの測定手法を説明する。このNLTS測定方法は下記の3つのステップから構成される。
まず、基準信号(基準パターン;図2参照)を磁気ヘッド3を用いて磁気ディスク2上に記録し、その再生信号をAGC回路9の出力から検出し、FFT15により、その第5高調波信号(以下、5次成分と記す)を測定する(ステップ1)。なお、この5次成分をVrefとする。
次に、被測定パターン(図2参照)を選択して、ステップ1と同様に磁気ディスク2上に記録し、その再生信号の5次成分VpatをFFT15により測定する(ステップ2)。
そして、ステップ1およびステップ2において測定した5次成分VrefおよびVpatに基づいて、比率Vab=Vpat/Vrefを算出した後、前述した式(2)からNLTSを算出する(ステップ3)。
そして、上述のステップ1〜ステップ3の処理を被測定パターンを逐次変更して複数行ない、複数のNLTSを測定する。
図5(a),(b),(c)および図6(a),(b),(c)はそれぞれ本発明の一実施形態としての磁気ディスク装置100における、複数種類の被測定NLTSパターン(被測定NLTSパターン1010111,被測定NLTSパターン1110111,被測定NLTSパターン0110111および被測定NLTSパターン0000111)に関するNLTSのシミュレーションによる測定誤差の例を示す図である。なお、図5(a)〜(c)および図6(a)〜(c)にかかるシミュレーションは、ビット周期Nが60ビット(60T;N=60)、所定高調波成分の次数5(M=5)、前ビットからの影響を無視し得るビット長δ=4T、R=N/M=12、GMR ρ−Hカーブありの場合に関するものである。
図5(a)〜(c)はトリビット位置におけるNLTS量とNLTS値との関係を示す図であり、(a)は再生信号の上下非対称比が0%(Asym=0%)の場合におけるシミュレーション結果を示す図、(b)は再生信号の上下非対称比が10%(Asym=10%)の場合におけるシミュレーション結果を示す図、(c)は再生信号の上下非対称比が−10%(Asym=−10%)の場合におけるシミュレーション結果を示す図である。
詳細には、図6(a)〜(c)はそれぞれダイビット位置におけるNLTS量とNLTS値との関係を示す図であり、(a)は再生信号の上下非対称比が0%(Asym=0%)の場合におけるシミュレーション結果を示す図、(b)は再生信号の上下非対称比が10%(Asym=10%)の場合におけるシミュレーション結果を示す図、(c)は再生信号の上下非対称比が−10%(Asym=−10%)の場合におけるシミュレーション結果を示す図である。
また、図7(a),(b),(c)および図8(a),(b),(c)はそれぞれ本発明の一実施形態としての磁気ディスク装置100における、複数種類の被測定NLTSパターン(被測定NLTSパターン1010111,被測定NLTSパターン1110111,被測定NLTSパターン0110111および被測定NLTSパターン0000111)に関する補正後のNLTSのシミュレーションによる測定誤差の例を示す図である。なお、図7(a)〜(c)および図8(a)〜(c)にかかるシミュレーションは、ビット周期Nが60ビット(60T;N=60)、所定高調波成分の次数5(M=5)、前ビットからの影響を無視し得るビット長δ=4T、R=N/M=12、GMR ρ−Hカーブありの場合に関するものである。
詳細には、図7(a)〜(c)はトリビット位置におけるNLTS量とNLTS値との関係を示す図であり、(a)は再生信号の上下非対称比が0%(Asym=0%)の場合におけるシミュレーション結果を示す図、(b)は再生信号の上下非対称比が10%(Asym=10%)の場合におけるシミュレーション結果を示す図、(c)は再生信号の上下非対称比が−10%(Asym=−10%)の場合におけるシミュレーション結果を示す図である。
また、図8(a)〜(c)はそれぞれダイビット位置におけるNLTS量とNLTS値との関係を示す図であり、(a)は再生信号の上下非対称比が0%(Asym=0%)の場合におけるシミュレーション結果を示す図、(b)は再生信号の上下非対称比が10%(Asym=10%)の場合におけるシミュレーション結果を示す図、(c)は再生信号の上下非対称比が−10%(Asym=−10%)の場合におけるシミュレーション結果を示す図である。
図9(a),(b),図10(a),(b),図11(a),(b)および図12(a),(b)はそれぞれ本発明の一実施形態としての磁気ディスク装置100における、複数種類の被測定NLTSパターンに関するNLTSの実測例を示す図である。
詳細には、図9(a),(b)はエラーレート不良の磁気ヘッド3について非線形補正を行なわずにNLTSを測定した場合の例を示す図であり、(a)は複数のトリビット(被測定NLTSパターン1010111,被測定NLTSパターン0000111,被測定NLTSパターン0110111および被測定NLTSパターン1110111)に関する測定結果を示す図、(b)は複数のダイビット(被測定NLTSパターン101011,被測定NLTSパターン000011,被測定NLTSパターン011011および被測定NLTSパターン111011)にかかる測定結果を示す図である。
また、図10(a),(b)は正常な磁気ヘッド3について非線形補正を行なわずにNLTSを測定した場合の例を示す図であり、(a)は複数のトリビット(被測定NLTSパターン1010111,被測定NLTSパターン0000111,被測定NLTSパターン0110111および被測定NLTSパターン1110111)に関する測定結果を示す図、(b)は複数のダイビット(被測定NLTSパターン101011,被測定NLTSパターン000011,被測定NLTSパターン011011および被測定NLTSパターン111011)にかかる測定結果を示す図である。
図11(a),(b)はエラーレート不良の磁気ヘッド3について非線形補正を行なってNLTSを測定した場合の例を示す図であり、(a)は複数のトリビット(被測定NLTSパターン1010111,被測定NLTSパターン0000111,被測定NLTSパターン0110111および被測定NLTSパターン1110111)に関する測定結果を示す図、(b)は複数のダイビット(被測定NLTSパターン101011,被測定NLTSパターン000011,被測定NLTSパターン011011および被測定NLTSパターン111011)にかかる測定結果を示す図である。
図12(a),(b)は正常な磁気ヘッド3について非線形補正を行なってNLTSを測定した場合の例を示す図であり、(a)は複数のトリビット(被測定NLTSパターン1010111,被測定NLTSパターン0000111,被測定NLTSパターン0110111および被測定NLTSパターン1110111)に関する測定結果を示す図、(b)は複数のダイビット(被測定NLTSパターン101011,被測定NLTSパターン000011,被測定NLTSパターン011011および被測定NLTSパターン111011)にかかる測定結果を示す図である。
これらの図9(a),(b),図10(a),(b),図11(a),(b)および図12(a),(b)により、正常な磁気ヘッド3における先行パターンP1に依存するNLTS量の差は2%程度であるが、不良な磁気ヘッド3においては、先行パターンP1に依存するNLTS量の差は約20%であることがわかる。
なお、上記実測例においては、先行パターンP1に依存するNLTSであって、磁気ヘッド3に起因する例について示しているが、これに限定されるものではなく、磁気ディスク(媒体)2や記録伝送路(図示省略)においてもNLTSが発生し得ることは容易に推測できる。
次に、本磁気ディスク装置100の非線形性測定部1において用いられる基準パターン(基準信号)および被測定パターン(被測定信号)の生成アルゴリズムについて説明する。
本磁気ディスク装置100の非線形性測定部1において用いられる基準パターンおよび被測定パターンは、図2に示したものに限定されるものではなく、以下の条件を満たす他の基準パターンおよび被測定パターンを用いてもよい。ただし、前ビットからの影響を無視し得るビット長δとする。
(1)磁気ディスク2に磁気記録された基準パターンの再生信号と、同じく磁気ディスク2に磁気記録された被測定パターンの再生信号とから、それぞれ次数Mの第M高調波成分を取得するものであり、基準パターンおよび被測定パターンがいずれもビット周期Nのビット列として構成されている場合に、ビット周期Nが高調波成分の次数Mの倍数であるとともに、高調波次数Mに対するビット周期Nの比R(R=N/M)が2の倍数とする。
(2)基準パターンにおいて、その先頭位置に第1の磁化反転ビットR1をそなえるとともに、第1の磁化反転ビットR1からδビット以上離れた後続位置に第2の磁化反転ビットR2を、又、この第2の磁化反転ビットR2からδビット以上離れた後続位置であって、且つ第1の磁化反転ビットR1からn4×R番目(ただし、n4は自然数)の後続位置に第3の磁化反転ビットR3をそなえ、更に、この第3の磁化反転ビットR3からδビット以上離れた後続位置であって、この基準パターンの最終ビット(先頭からN番目のビット)からδビット以上離れた先行位置であり、且つ、第2の磁化反転ビットR2から(n5+0.5)R番目(ただし、n5は自然数)の後続位置に第4の磁化反転ビットR4とをそなえる。
(3)被測定パターンにおいて、先行パターンP1と非線形性の測定対象ビットとをそなえて構成されたNLTS測定パターン列Pの最終ビットから2δビット(ただし、δは媒体上における前ビットからのNLTSの影響を無視し得るビット長)以上離れた後続位置で、且つ、NLTS測定パターン列Pの先頭ビットから(n1+0.5)R番目(ただし、n1は自然数)の後続位置を始点として、NLTS測定パターンPの最終ビットを除いたビット列P2を配置し、磁化反転パターンP1の最終ビットからδビット以上離れた後続位置であって、その被測定パターンの最終ビット(N番目のビット)から2δビット以上離れた先行位置であり、且つ、NLTS測定パターン列Pの最終ビットから(n2+0.5)R番目(ただし、n2は自然数)の後続位置に第1の磁化反転ビットC1をそなえる。
(4)被測定パターンにおいて、NLTS測定パターン列Pにおける磁化反転ビットの数が奇数の場合には、更に、NLTS測定パターン列Pの最終ビットからδビット以上離れた後続位置であり、且つ、ビット列P2パターンの先頭ビットからδ以上離れた先行位置に第2の磁化反転ビットC2を、又、第1の磁化反転ビットC1からδビット以上離れた後続位置であって、その被測定パターンの最終ビットからδビット以上離れた先行位置であり、且つ、第2の磁化反転ビットC2から(n3+0.5)R番目(ただし、n3は自然数)の後続位置に第3の磁化反転ビットC3をそなえる。
そして、本磁気ディスク装置100の非線形性測定部1においては、上記(1)〜(4)の条件を満たすいずれの基準パターンや被測定パターンを用いてNLTSの測定を行なってもよい。
図13は本発明の一実施形態としての磁気ディスク装置100の非線形性測定部1において用いられる他の基準パターンおよび被測定パターンの例を示す図である。この図13に示す基準パターンおよび被測定パターンは、上記の条件(1)〜(4)を満たすものであり、基準パターンと被測定パターンとのいずれも、ビット周期Nが50ビット(50T;N=50)の0と1とからなるビット列であり、磁化反転位置を1で表わすものとして構成されている。
このように本発明の一実施形態としての磁気ディスク装置100(非線形性測定部1)によれば、NLTSの測定対象ビットに先行して先行パターンP1をそなえた被測定パターンの所定高調波成分(5次成分)に基づいてNLTSを算出することにより、先行パターンP1に依存するNLTSを容易に定量的に測定することができ、磁気ディスク装置(磁気ヘッド,電送系等)や媒体の開発におおいに効果を発揮するものである。
また、NLTSが最小になるように容易に補正を行なうことができ、又、ライト補償回路(WPC:Write Precompensation Circuit)の最適化に、NLTSを算出式で計算するまでも無く、基準信号と被測定信号との5次成分の比率Vabの値を使用することができ、容易に補正を行なうことができる。
さらに、本発明によれば、磁気ディスク装置100単独でNLTSの測定が可能である。
そして、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述した実施形態においては、第1測定部55によって測定される第1の所定高調波成分と第2測定部56によって測定される第2の所定高調波成分とが、次数5(M=5)の第5高調波成分の場合について説明しているが、これらの所定高調波成分が第5高調波成分に限定されるものではなく、次数5以外の高調波成分であってもよい。又、第1の所定高調波成分と第2の所定高調波成分とが違いに異なる次数の高調波成分であってもよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
また、パターン発生部51は上述した基準パターン(基準信号)の磁化極性を反転させて作成した反転基準信号を基準信号として出力してもよく、又、被測定パターン(非測定信号)の磁化極性をそれぞれ反転させて作成した反転被測定信号を被測定信号として出力してもよく、これらの反転基準信号および反転被測定信号に基づいて、上述の如く所定高調波成分を測定してNLTSを算出することにより、同一の先行パターンでのNLTS極性差を測定することもできる。
磁気記録再生においては、磁化反転の方向により2極性が交番で出力される。例えばダイビットパターンの再生信号においては、1ビット目が+極性であり2ビット目が−極性である振幅の場合と、1ビット目が−極性であり2ビット目が+極性である振幅の場合とが考えられる。本磁気ディスク装置100の非線形性測定部1において用いられる被測定パターンは、偶数個の磁化反転情報を有しているので、当該被測定パターンの磁化極性を反転させて生成した被測定パターンにおいても、2極性を生成することができるのである。
そして、これら反転基準信号や反転被測定信号の生成については、パターン発生部51から発生された基準パターンや被測定パターンの磁化極性を反転させる反転部をそなえ、この反転部によって磁化極性を反転させてもよい。
また、上述した実施形態においては、パターン発生回路20(パターン発生部51)によって基準信号や被測定信号のパターン(基準パターン,被測定パターン)を生成しているが、これに限定されるものではなく、例えば、制御回路6が、外部から基準信号や被測定信号のパターン信号を受信し、これらの受信したパターン信号を記録補正回路8を介してヘッドIC5に供給して記録し、再生するよう構成してもよい。
さらに、上述した実施形態においては、AGC回路9の下流側にFFT15をそなえて構成しているが、これに限定されるものではなく、例えばヘッドIC5の下流側であってAGC回路9の上流側の位置にFFT15をそなえてもよい。
また、上述した実施形態においては、制御回路6が、第1測定部55によって測定された第1の所定高調波成分と、第2測定部56によって測定された各々の被測定信号に対応する第2の所定高調波成分とからNLTSを算出する算出部57として機能するようになっているが、これに限定されるものではなく、算出部57として機能する回路等を制御回路6とは別にそなえてもよい。
さらに、上述した実施形態においては、基準パターンの再生信号に基づいて測定される第1の所定高調波成分と、被測定パターンの再生信号に基づいて測定される第2の所定高調波成分が同じ次数Mの第M高調波成分である場合について説明しているが、これに限定されるものではなく、第1の所定高調波成分と第2の所定高調波成分とが互いに異なる次数の高調波成分であってもよい。
なお、本発明の各実施形態が開示されていれば、当業者によって製造することが可能である。
Claims (20)
- 媒体における磁気記録再生における非線形遷移シフト(NLTS:Non Linear Transition Shift)を算出する非線形性測定方法であって、
該媒体に基準信号を記録する基準信号記録ステップと、
該媒体に複数種類の被測定信号を記録する被測定信号記録ステップと、
前記媒体に磁気記録された基準信号の再生信号から第1の所定高調波成分を測定する第1測定ステップと、
前記媒体に磁気記録された複数種類の被測定信号の各々に、その再生信号から第2の所定高調波成分を測定する第2測定ステップと、
前記第1の所定高調波成分と各々の被測定信号に対応する前記第2の所定高調波成分とから該NLTSを算出する算出ステップとをそなえ、
前記複数種類の被測定信号が、それぞれ、前記NLTSの測定対象ビットに先行して磁化反転パターン列P1をそなえることを特徴とする、非線形性測定方法。 - 該第1の所定高調波成分および該第2の所定高調波成分がそれぞれ次数Mの第M高調波成分であり、
該基準信号および前記複数種類の被測定信号が、いずれもビット周期Nのビット列として構成され、該ビット周期Nが前記所定高調波成分の次数Mの倍数であるとともに、該高調波次数Mに対する該ビット周期Nの比R(R=N/M)が2の倍数であることを特徴とする、請求項1記載の非線形性測定方法。 - 該被測定信号が、
該磁化反転パターンP1と前記非線形性の測定対象ビットとをそなえて構成されたNLTS測定パターン列Pの最終ビットから2δビット(ただし、δは該媒体上における前ビットからのNLTSの影響を無視し得るビット長)以上離れた後続位置で、且つ、NLTS測定パターン列Pの先頭ビットから(n1+0.5)R番目(ただし、n1は自然数)の後続位置を始点として、該NLTS測定パターンPの最終ビットを除いたビット列P2を配置し、
該磁化反転パターンP1の最終ビットからδビット以上離れた後続位置であって、当該被測定信号の最終ビットから2δビット以上離れた先行位置であり、且つ、該NLTS測定パターン列Pの最終ビットから(n2+0.5)R番目(ただし、n2は自然数)の後続位置に第1の磁化反転ビットC1をそなえることを特徴とする、請求項2記載の非線形性測定方法。 - 該被測定信号が、
該NLTS測定パターン列Pにおける磁化反転ビットの数が奇数の場合に、
該NLTS測定パターン列Pの最終ビットからδビット以上離れた後続位置であり、且つ、該ビット列P2パターンの先頭ビットからδ以上離れた先行位置に第2の磁化反転ビットC2と、
該第1の磁化反転ビットC1からδビット以上離れた後続位置であって、当該被測定信号の最終ビットからδビット以上離れた先行位置であり、且つ、該第2の磁化反転ビットC2から(n3+0.5)R番目(ただし、n3は自然数)の後続位置に第3の磁化反転ビットC3をそなえることを特徴とする、請求項3記載の非線形性測定方法。 - 該基準信号が、
先頭位置に第1の磁化反転ビットR1をそなえるとともに、
該第1の磁化反転ビットR1からδビット以上離れた後続位置に第2の磁化反転ビットR2と、
該第2の磁化反転ビットR2からδビット以上離れた後続位置であって、且つ該第1の磁化反転ビットR1からn4×R番目(ただし、n4は自然数)の後続位置に第3の磁化反転ビットR3と、
該第3の磁化反転ビットR3からδビット以上離れた後続位置であって、当該基準信号の最終ビットからδビット以上離れた先行位置であり、且つ、該第2の磁化反転ビットR2から(n5+0.5)R番目(ただし、n5は自然数)の後続位置に第4の磁化反転ビットR4とをそなえることを特徴とする、請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の非線形性測定方法。 - 該算出ステップにおいて、前記第1の所定高調波成分と前記第2の所定高調波成分との比率に基づいて、該NLTSを算出することを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の非線形性測定方法。
- 該被測定信号の磁化極性を反転させて作成した反転被測定信号を該被測定信号として用いることを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の被線形性測定方法。
- 該被測定信号記録ステップにおいて、該被測定信号における前記非線形性の測定対象ビットの記録位置を変更可能な変更ステップをそなえ、
該第2測定ステップにおいて、前記記録位置を移動後の該被測定信号に基づいて前記第2の所定高調波成分を測定することを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の非線形性測定方法。 - 該基準信号および前記複数種類の被測定信号が、いずれもビット周期60(N=60)のビット列であり、該第1の所定高調波成分および該第2の所定高調波成分がそれぞれ次数5(M=5)の第5高調波成分であることを特徴とする、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の非線形性測定方法。
- 該基準信号および前記複数種類の被測定信号が、いずれもビット周期50(N=50)のビット列であり、該第1の所定高調波成分および該第2の所定高調波成分がそれぞれ次数5(M=5)の第5高調波成分であることを特徴とする、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の非線形性測定方法。
- 媒体における磁気記録再生における非線形遷移シフト(NLTS:Non Linear Transition Shift)を算出する非線形性測定装置であって、
該媒体に磁気記録された基準信号の再生信号から第1の所定高調波成分を測定する第1測定部と、
該媒体に磁気記録された複数種類の被測定信号の各々に、その再生信号から第2の所定高調波成分を測定する第2測定部と、
前記第1の所定高調波成分と各々の被測定信号に対応する前記第2の所定高調波成分とから該NLTSを算出する算出部とをそなえ、
前記複数種類の被測定信号が、それぞれ、前記NLTSの測定対象ビットに先行して磁化反転パターン列P1をそなえることを特徴とする、非線形性測定装置。 - 該第1の所定高調波成分および該第2の所定高調波成分がそれぞれ次数Mの第M高調波成分であり、
該基準信号および前記複数種類の被測定信号が、いずれもビット周期Nのビット列として構成され、該ビット周期Nが前記所定高調波成分の次数Mの倍数であるとともに、該高調波次数Mに対する該ビット周期Nの比R(R=N/M)が2の倍数であることを特徴とする、請求項11記載の非線形性測定装置。 - 媒体に磁気記録された基準信号の再生信号から第1の所定高調波成分を測定する第1測定部と、
該媒体に磁気記録された複数種類の被測定信号の各々に、その再生信号から第2の所定高調波成分を測定する第2測定部と、
前記第1の所定高調波成分と各々の被測定信号に対応する前記第2の所定高調波成分とから、該媒体における磁気記録再生における非線形遷移シフト(NLTS:Non Linear Transition Shift)を算出する算出部とをそなえ、
前記複数種類の被測定信号が、それぞれ、前記NLTSの測定対象ビットに先行して磁化反転パターン列P1をそなえることを特徴とする、磁気記録再生装置。 - 該第1の所定高調波成分および該第2の所定高調波成分がそれぞれ次数Mの第M高調波成分であり、
該基準信号および前記複数種類の被測定信号が、いずれもビット周期Nのビット列として構成され、該ビット周期Nが前記所定高調波成分の次数Mの倍数であるとともに、該高調波次数Mに対する該ビット周期Nの比R(R=N/M)が2の倍数であることを特徴とする、請求項13記載の磁気記録再生装置。 - 該被測定信号が、
該磁化反転パターンP1と前記非線形性の測定対象ビットとをそなえて構成されたNLTS測定パターン列Pの最終ビットから2δビット(ただし、δは該媒体上における前ビットからのNLTSの影響を無視し得るビット長)以上離れた後続位置で、且つ、NLTS測定パターン列Pの先頭ビットから(n1+0.5)R番目(ただし、n1は自然数)の後続位置を始点として、該NLTS測定パターンPの最終ビットを除いたビット列P2を配置し、
該磁化反転パターンP1の最終ビットからδビット以上離れた後続位置であって、当該被測定信号の最終ビットから2δビット以上離れた先行位置であり、且つ、該NLTS測定パターン列Pの最終ビットから(n2+0.5)R番目(ただし、n2は自然数)の後続位置に第1の磁化反転ビットC1をそなえることを特徴とする、請求項14記載の磁気記録再生装置。 - 該基準信号が、
先頭位置に第1の磁化反転ビットR1をそなえるとともに、
該第1の磁化反転ビットR1からδビット以上離れた後続位置に第2の磁化反転ビットR2と、
該第2の磁化反転ビットR2からδビット以上離れた後続位置であって、且つ該第1の磁化反転ビットR1からn4×R番目(ただし、n4は自然数)の後続位置に第3の磁化反転ビットR3と、
該第3の磁化反転ビットR3からδビット以上離れた後続位置であって、当該基準信号の最終ビットからδビット以上離れた先行位置であり、且つ、該第2の磁化反転ビットR2から(n5+0.5)R番目(ただし、n5は自然数)の後続位置に第4の磁化反転ビットR4とをそなえることを特徴とする、請求項14又は請求項15に記載の磁気記録再生装置。 - 媒体に磁気記録された基準信号の再生信号から第1の所定高調波成分を測定する第1測定部と、
該媒体に磁気記録された複数種類の被測定信号の各々に、その再生信号から第2の所定高調波成分を測定する第2測定部と、
前記第1の所定高調波成分と各々の被測定信号に対応する前記第2の所定高調波成分とから、該媒体における磁気記録再生における非線形遷移シフト(NLTS:Non Linear Transition Shift)を算出する算出部とをそなえ、
前記複数種類の被測定信号が、それぞれ、前記NLTSの測定対象ビットに先行して磁化反転パターン列P1をそなえることを特徴とする、磁気記録再生用LSI。 - 該第1の所定高調波成分および該第2の所定高調波成分がそれぞれ次数Mの第M高調波成分であり、
該基準信号および前記複数種類の被測定信号が、いずれもビット周期Nのビット列として構成され、該ビット周期Nが前記所定高調波成分の次数Mの倍数であるとともに、該高調波次数Mに対する該ビット周期Nの比R(R=N/M)が2の倍数であることを特徴とする、請求項17記載の磁気記録再生用LSI。 - 該被測定信号が、
該磁化反転パターンP1と前記非線形性の測定対象ビットとをそなえて構成されたNLTS測定パターン列Pの最終ビットから2δビット(ただし、δは該媒体上における前ビットからのNLTSの影響を無視し得るビット長)以上離れた後続位置で、且つ、NLTS測定パターン列Pの先頭ビットから(n1+0.5)R番目(ただし、n1は自然数)の後続位置を始点として、該NLTS測定パターンPの最終ビットを除いたビット列P2を配置し、
該磁化反転パターンP1の最終ビットからδビット以上離れた後続位置であって、当該被測定信号の最終ビットから2δビット以上離れた先行位置であり、且つ、該NLTS測定パターン列Pの最終ビットから(n2+0.5)R番目(ただし、n2は自然数)の後続位置に第1の磁化反転ビットC1をそなえることを特徴とする、請求項18記載の磁気記録再生用LSI。 - 該基準信号が、
先頭位置に第1の磁化反転ビットR1をそなえるとともに、
該第1の磁化反転ビットR1からδビット以上離れた後続位置に第2の磁化反転ビットR2と、
該第2の磁化反転ビットR2からδビット以上離れた後続位置であって、且つ該第1の磁化反転ビットR1からn4×R番目(ただし、n4は自然数)の後続位置に第3の磁化反転ビットR3と、
該第3の磁化反転ビットR3からδビット以上離れた後続位置であって、当該基準信号の最終ビットからδビット以上離れた先行位置であり、且つ、該第2の磁化反転ビットR2から(n5+0.5)R番目(ただし、n5は自然数)の後続位置に第4の磁化反転ビットR4とをそなえることを特徴とする、請求項18又は請求項19に記載の磁気記録再生用LSI。
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