JP3905193B2 - Method for producing flame retardant resin composition excellent in dripping prevention - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高い滴下防止性と良好な表面外観を実現する熱可塑性樹脂組成物へのフッ素系樹脂の配合方法と、その方法により得られる難燃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
難燃化規制の強化に伴い、樹脂の難燃化技術は各分野で重要な技術となってきており、特にコンピュータやワープロ、複写機等のOA分野や、テレビ、ゲーム機等の一般家電分野で欠くことのできない特性の一つとなりつつある。
米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ(Underwriters Laboratories)規制によるUL燃焼試験(UL94)において樹脂が高い難燃レベルにランク付けされるには、試験片がUL燃焼試験の過程で滴下しないことが重要であり、実際の火災時における延焼を防ぐためにも、樹脂の滴下防止は重要な課題である。
【0003】
こうした要請を受けて、熱可塑性樹脂においては、燃焼時における樹脂の滴下を防ぐ目的で滴下防止剤を添加している。例えば、特公昭59−36657号公報、特開昭60−13844号公報に記載されている樹脂組成物はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の記載があり、さらに、特開昭61−89241号公報、特開昭63−135442号公報、特開平4−249563号公報、特開平6−49311号公報では、配合するPTFEの分子量、形状、粒度の規定はされているが、組成物中での形状形態については何も述べられて無く、また、最適な製造方法についての記述はされておらず、滴下防止を少量のPTFEで安定的に達成するのは困難であった。
【0004】
また、特公平6−18979号公報には、ABSの塩析時にPTFEのディスパージョンを配合し、共塩析する方法が開示されているが、PTFEの分散が十分でなく、高い滴下防止性能は達成されていない。
すなわち、PTFEは樹脂との相溶性に劣るため、分散が悪く、また、期待される滴下防止性能を充分に達成できないため、大量に配合する必要があり、機械的特性を低下させたり、押し出し加工時にストランド切れを起こしたり、スクリーンメッシュの目詰まりの原因となったりする等の問題点がある。
また、近年こうしたOA分野において、着色材の添加によるカラーリングが主で塗装はあまり行われておらず、成形加工時において、フローマーク、表面外観不良等の問題が生じている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、滴下防止効果に卓越した効果を示し、しかも表面外観の優れた、フッ素系樹脂の分散性に優れた、射出成形用難燃性樹脂組成物の製造方法とその方法により得られる難燃性樹脂組成物を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するにあたって、鋭意検討の結果、燃焼時の滴下防止には樹脂組成物中のフッ素系樹脂が特定の形態を持つことが必要であり、それは通常の配合方法では達成されず、特定の粘度領域にあるフッ素系樹脂を除く樹脂組成物に、フッ素樹脂を特定の方法で溶融混練することにより、フッ素系樹脂が特定の形態に制御され、滴下防止性能が大幅に改良され、難燃性と、表面外観に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
1.(A)熱可塑性樹脂100重量部に対し、(B)難燃剤0.1〜30重量部、(C)フッ素系樹脂0.01〜5重量部からなる樹脂組成物の製造において、10〜100重量部の(A)熱可塑性樹脂と30重量部以下の(B)難燃剤からなる組成物(M)の溶融粘度が、キャピラリーレオメータの、シェアレート240sec-1で、粘度3000〜12000poiseになる温度範囲で該組成物(M)と0.01〜5重量部の(C)フッ素系樹脂を溶融混練後、更に90重量部以下の(A)熱可塑性樹脂と30重量部以下の(B)難燃剤を配合し、溶融混練することを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
【0008】
2.(A)熱可塑性樹脂100重量部に対し、(B)難燃剤0.1〜30重量部、(C)フッ素系樹脂0.01〜5重量部を配合した樹脂組成物の製造において、10〜100重量部の(A)熱可塑性樹脂と30重量部以下の(B)難燃剤からなる組成物(M)の溶融粘度が、キャピラリーレオメータの、シェアレート240sec-1で、粘度3000〜12000poiseになる温度範囲で該組成物(M)を溶融混練し、その溶融混練した樹脂組成物に0.01〜5重量部の(C)フッ素系樹脂を溶融混練後、更に90重量部以下の(A)熱可塑性樹脂と30重量部以下の(B)難燃剤を配合し、溶融混練することを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
3.(C)フッ素系樹脂の配合を、テトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)のディスパージョンを用いて実施することを特徴とする1又は2に記載の樹脂組成物の製造方法。
【0009】
4.原料を溶融混練するにあたり、押し出し機を使用し、押し出し機の途中に開口部を設け、そこよりテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)のディスパージョンを滴下し、同時にディスパージョンに含まれる水分等の揮発分を除去しながら、溶融混練することを特徴とする3記載の樹脂組成物の製造方法。
5.(A)熱可塑性樹脂が、(D)ポリカーボネート系樹脂5〜98重量部と、ゴム状重合体に、該ゴム状重合体と共重合可能な1種以上のビニル化合物をグラフト重合して得られるグラフト重合体と、ビニル重合体を含む(E)ゴム強化樹脂95〜2重量部からなる、1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
6.(D)ポリカーボネート系樹脂が、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとからエステル交換法にて製造され、全末端に占める末端ヒドロキシ基の割合が5〜50モル%である、1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
【0010】
に関する。
【0011】
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明について用いられる(A)熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂や、ポリアミド系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂等のエンジニアプラスチック類、ポリメチルメタクリレート系樹脂等がある。また、これらを単独で使用しても、2種類以上混合してもよい。ここで、特に熱可塑性樹脂として、ポリスチレン系樹脂とポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が好ましい。ポリスチレン系樹脂は、ゴム変性スチレン系樹脂または、ゴム非変性スチレン系樹脂である。
【0012】
本発明に用いられる(D)ポリカーボネート樹脂は、2価フェノールとホスゲンまたは、炭酸ジエステルの反応により製造される。2価フェノールとしては、ビスフェノール類が好ましく、特に2,2−ビス(4ーヒドロキシフェニル)プロパン(以下ビスフェノールAと記す)が好ましい。また、ビスフェノールAの一部または、全部を他の2価フェノール化合物で置換してもよい。ビスフェノールA以外の2価フェノール化合物は、例えば、ハイドロキノン、4,4ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトンなどの化合物である。これらの2価フェノールのホモポリマー、または、2種以上のコポリマーあるいは、これらのブレンド品であってもよい。
【0013】
本発明では(D)ポリカーボネート系樹脂が、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとからエステル交換法にて製造されたポリカーボネート系樹脂が好ましく、例えば、米国特許5589564号明細書、プラスチック材料講座▲5▼・ポリカーボネート樹脂(日刊工業新聞社 初版1刷発行昭和44.9.30、初版4刷発行昭和56.3.1)等に記載の方法で製造されることができる。本発明のポリカーボネートの分子量は特に限定されないが、一般に重量平均分子量で通常5000〜300000の範囲であり、好ましくは7000〜100000の範囲であり、特に好ましくは10000〜80000の範囲にある。
【0014】
また、本発明に用いられるポリカーボネート系樹脂は、該ポリカーボネート系樹脂の全末端に占めるヒドロキシ基末端の割合が5〜50モル%が好ましく、更に好ましくは、10〜40モル%の範囲、特に好ましくは15〜35モル%の範囲にある。末端比率の測定方法は、一般に用いられている方法で可能である。例えば、NMRを用いて測定する方法や、チタン法や、UVもしくはIR法で直接求めたOH末端量と粘度法もしくはGPC法で得られた分子量とから計算で求める方法等がある。
【0015】
次に、本発明の(E)ゴム強化樹脂の組成および製造方法について述べる。本ゴム強化樹脂はゴム状重合体にグラフト重合可能なビニル化合物をグラフト重合させて得ることができるが、この重合過程において同時に重合されるビニル重合体が含まれてもかまわない。また、ビニル重合体を同時または別に重合して配合してもよい。
【0016】
本発明に使用するゴム状重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体などの共役ジエン系ゴム、エチレン−プロピレンゴム、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル系ゴムなどであるが、好ましくは共役ジエン系ゴムのポリブタジエンとブタジエン−スチレン共重合体およびブタジエン−アクリロニトリル共重合体である。また、これらは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0017】
ゴム強化樹脂中のゴム状重合体の含有量は3〜60重量%で、好ましくは5〜50重量%である。5重量%未満では耐衝撃性が得られず、また60重量%を越えると成形加工時の流動性や光沢が低下し好ましくない。
ゴム強化樹脂中のゴム状重合体の好ましい粒子径については、マトリックスになるビニル重合体の種類により異なるため特に限定されないが、例えばABS樹脂の場合、粒子径が150〜600nmで、好ましくは200〜500nm、さらに好ましくは250〜450nmである。粒子径が150nmより小さいと耐衝撃性が得られず、また600nmを越えると光沢値が低下する。
【0018】
本発明に用いるゴム状重合体粒子にグラフト重合可能なビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルアクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類、アクリル酸、メタクリル酸等の(メタ)アクリル酸類、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体、無水マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−シクロヒキシルマレイミド等のマレイミド系単量体、グリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有化合物があげられるが、好ましくは、芳香族ビニル化合物、アルキル(メタ)アクリレート類、シアン化ビニル化合物、マレイミド系化合物であり、更に好ましくは、スチレン、アクリロニトリル、N−フェニルマレイミド、ブチルアクリレートである。
これらのビニル化合物は単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0019】
(E)ゴム強化樹脂に含むことのできるビニル重合体とは、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルアクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類、アクリル酸、メタクリル酸等の(メタ)アクリル酸類、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、無水マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−シクロヒキシルマレイミド等のマレイミド系化合物、グリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有化合物があげられるが、好ましくは、芳香族ビニル化合物、アルキル(メタ)アクリレート類、シアン化ビニル化合物、マレイミド系化合物であり、さらに好ましくは、スチレン、アクリロニトリル、N−フェニルマレイミド、ブチルアクリレートからなる重合体である。
【0020】
これらのビニル化合物は単独あるいは2種以上を組み合わせたり、共重合して用いることができる。
(E)ゴム強化樹脂の具体例としては、ハイインパクトポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、AAS樹脂等があげられる。
【0021】
本発明におけるゴム強化樹脂の製造方法としては、特に限定はされないが、乳化重合で製造されたゴム状重合体ラテックスにビニル化合物をグラフト重合させる乳化グラフト重合方式、および、乳化グラフト重合と溶液重合や懸濁重合を組み合わせた、二段重合法などが例示される。これらは、連続式、バッチ式、セミバッチ式いずれも可能である。また、上記の方法であらかじめ高ゴム含量のグラフト重合体をつくり、後に塊状重合、乳化重合や懸濁重合で製造したグラフト重合時に用いたビニル化合物を主成分とする熱可塑性樹脂を配合して目的のゴム含有量にする方法もとられる。
【0022】
本発明においては、乳化重合で製造されたゴム状重合体にビニル化合物を開始剤、分子量調節剤等とともに連続的に添加する乳化グラフト方式が好ましい。
また、重合時のpHにも特に限定はないが、中性付近(pH7〜9)がグラフト反応の面から好ましい。
【0023】
本発明における(B)難燃剤とは、いわゆる一般の難燃剤であり、リン系化合物やハロゲン系有機化合物の他、メラミン等の窒素含有有機化合物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の無機化合物、酸化アンチモン、酸化ビスマス、また、酸化亜鉛、酸化スズなどの金属酸化物、赤リン、ホスフィン、次亜リン酸、亜リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、無水リン酸などの無機系リン化合物、カーボンファイバー、グラスファイバーなどの繊維、膨張黒鉛、シリカ、シリカ系ガラス溶融物などが用いられるが、好ましくはリン系化合物、またはハロゲン系有機化合物および、ハロゲン系有機化合物と酸化アンチモンの併用である。
【0024】
ハロゲン系有機化合物としては、一般のハロゲン系難燃剤および含ハロゲンリン酸エステル全般を指す。例えば、ハロゲン系有機化合物としては、ヘキサクロロペンタジエン、ヘキサブロモジフェニル、オクタブロモジフェニルオキシド、トリブロモフェノキシメタン、デカブロモジフェニル、デカブロモジフェニルオキシド、オクタブロモジフェニルオキシド、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモフタルイミド、ヘキサブロモブテン、ヘキサブロモシクロドデカン等があるが、好ましくは、下記式(1)の構造を有するハロゲン系有機化合物であり、特に好ましいのは下記式(2)のハロゲン系有機化合物である。
【0025】
【化1】
【0026】
【化2】
【0027】
一方、含ハロゲンリン酸エステルとしては、トリス・クロロエチルホスフェート、トリス・ジクロロプロピルホスフェート、トリス・β−クロロプロピルホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチルホスフェート)およびこれらの縮合リン酸エステル等があるが、好ましくは、トリス(トリブロモネオペンチルホスフェート)、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェートである。これらのハロゲン系有機化合物は1種類でも、2種類以上組み合わせて用いることもできる。
【0028】
リン酸エステル系難燃剤としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、ジメチルエチルホスフェート、メチルジブチルホスフェート、エチルジプロピルホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェートなどのリン酸エステルやこれらを各種置換基で変成した化合物がある。
本発明の組成物中における縮合リン酸エステル系難燃剤は、下記式(5)
【0029】
【化3】
(式中、nは1〜10の整数であり、Ar1 〜Ar4 は各々独立に、フェニル基、トリル基またはキシリル基である。また、nが2以上の場合、複数あるAr4 は各々同一でも異なってもよい。)
で表され、好ましくは、
【0030】
【化4】
(式中、Ar5 〜Ar7 は各々同一又は異なっており、フェニル基、トリル基、又は、2,6−キシリル基以外のキシリル基であり、Rは前記のA4である。)
で表されるリン酸エステル化合物であり、このリン酸エステル化合物は難燃化効果、および、耐熱性が特によい。
これらは単独または2種類以上を併用して用いることができる。
【0031】
難燃剤の配合量は必要な難燃性のレベルに応じて決められるが、樹脂組成物の合計が100重量部に対して、0.1〜30重量部であることが必要である。0.1重量部未満では必要な難燃効果が発揮されない。30重量部を超えると樹脂の機械的強度を低下させる。好ましくは1〜25重量部の範囲であり、特に好ましい範囲としては3〜22重量部である。難燃剤としてハロゲン系化合物を用いる場合、難燃効果を高める為に難燃助剤を用いることが出来る。
【0032】
難燃助剤として好ましくは、元素周期律表におけるVAに属する元素を含む化合物で、具体的には、窒素含有化合物、リン含有化合物、酸化アンチモン、酸化ビスマス等がある。また、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化スズなどの金属酸化物も効果的である。この中でも特に好ましくは、酸化アンチモンであり、具体的には三酸化アンチモン、五酸化アンチモンがあげられる。これらの難燃助剤は樹脂中への分散を改善する目的および/または樹脂の熱的安定性を改善する目的で表面処理を施されているものを用いてもよい。
【0033】
難燃助剤の添加量は、0.5〜20重量部が好ましい、0.5部未満の場合、難燃助剤の効果が十分でなく、20重量部を越える場合、樹脂の機械的強度および加工流動性が低下する。より好ましくは1〜15重量部で、特に好ましくは1〜10重量部である。
【0034】
本発明において使用されるフッ素系樹脂(C)とは、一般に、テトラフルオロエチレン(TFE)樹脂等のパーフロロアルコキシ(PFA)樹脂、フッ化エチレンプロピレン(FEP)樹脂のことを示し、特に、TFE樹脂が好ましい。
フッ素系樹脂の添加量は、0.01〜5重量部が好ましい、0.01部未満の場合、滴下防止の効果が十分でなく、5重量部を越える場合、樹脂の機械的強度および加工流動性が低下する。より好ましくは0.02〜2重量部で、特に好ましくは0.1〜1重量部である。
【0035】
フッ素系樹脂は、ディスパージョンを用いるのが好ましい。ディスパージョンとは、例えば、フッ素系樹脂を乳化重合して得られるラテックスに、界面活性剤を加え、濃縮・安定化して製造される水性分散体のことを示す。ディスパージョン中のフッ素系樹脂の濃度は、5〜80重量%が好ましく、より好ましくは20〜80重量%である。5重量%未満の場合、配合量が多くなり、水の処理が困難となり、80重量%を越える場合、ディスパージョンの流動性が低下し、取り扱いが困難となる。
【0036】
次いで、本発明の樹脂組成物を製造する方法について述べる。フッ素系樹脂の配合は、本発明の規定する粘度範囲にある組成と温度で、溶融した樹脂組成物に配合することが好ましい。このことによって、樹脂組成物中にフッ素系樹脂のネットワーク構造、分岐構造が形成され易くなる。
【0037】
次に本発明において、好ましい樹脂組成物の溶融粘度について説明する。本発明においては、フッ素系樹脂を溶融混練する時に、(A)熱可塑性樹脂と(B)難燃剤からなる樹脂組成物(M)の溶融粘度が、キャピラリーレオメータの、シェアレート240sec-1で、3000〜12000poiseにある必要があり、さらに、3000〜10000poiseにあることが好ましい。
【0038】
すなわち、本発明において、フッ素系樹脂が配合される時に、配合前の樹脂組成物が特定の溶融粘度範囲にある組成、温度であることが重要であり、この条件でフッ素系樹脂が溶融混練されることにより、難燃性や表面外観に優れたフッ素系樹脂の形態が達成される。
溶融粘度範囲が3000poise未満であれば、フッ素系樹脂のフィブリル化が不十分となり、また、12000poiseを越える場合、フッ素系樹脂の分散が不良となり、十分な滴下防止の効果が達成できない。
【0039】
フッ素系樹脂を配合する前の樹脂組成物の溶融粘度の測定は、以下の方法で行う。
キャピラリーレオメーター:キャピログラフ1B(東洋精機社製)
サンプルの調整:フッ素系樹脂を配合する時点の原料をあらかじめ製造する設備で製造する温度で溶融混練したものを用いる。
キャピラリー長:10.00mm
キャピラリー径:1.00mm
測定温度 :溶融混練する樹脂に適する温度で、実際の製造する設備での樹脂温度
バレル径 :9.55mm
測定速度 :5、10、20、50、100、200、500mm/分にて測定し、Shear Rate/Viscosityカーブより、シェアレート240sec-1の溶融粘度を読みとる。
【0040】
溶融混練温度は、用いる熱可塑性樹脂の種類によって適当な温度が選択されるが、320℃以下であることが好ましく、更に好ましくは310℃以下である。また、熱可塑性樹脂がポリカーボネート系樹脂である場合には、240〜300℃の温度で溶融混練することが好ましく、樹脂の粘度、添加物等によって最適の温度で溶融混練することが出来る。
同様に、熱可塑性樹脂が、PPE系樹脂、ゴム強化スチレン等ビニル重合体樹脂、ポリカーボネート系樹脂とゴム強化スチレン等ビニル重合体樹脂のアロイの場合には、それぞれ280〜310℃、210〜260℃、220〜280℃の温度で溶融混練することが好ましく、樹脂の粘度、添加物等によって最適の温度で溶融混練することが出来る。
【0041】
溶融混練方法は、上記条件を満たすなら、従来から公知の方法で行うことが出来、特に限定されない。例えば、各成分をヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ターンブルミキサー、リボンブレンダー等で均一に混合した後、単軸押出機や二軸押出機、バンバリーミキサー等で溶融混練する方法等がある。
また、その際、本発明の趣旨を妨げない範囲で、公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤、フィラー等の添加剤を加えることは任意である。
【0042】
具体的に配合方法について例示すると、溶融混練に押し出し機を使用する場合、押し出し機の途中に液添用のノズルを設け、ポンプにより注入する方法がある。この場合、押し出し機中に注入するために、ポンプにチューブポンプ、ギアポンプ、プランジャーポンプ等を用いることが出来る。
【0043】
この他の好ましいフッ素系樹脂のディスパージョンの配合方法としては、図2に示す略図のように、押し出し機の途中にベント口等の開口部を設け、そこへ冷却用のジャケットを備えた配管を設置し、この配管よりディスパージョンを滴下する方法等がある。この方法を用いると、フッ素系樹脂のディスパージョンに圧力をかける必要が無く、ポンプ部分でのフッ素系樹脂のディスパージョンの凝集を防止でき、さらに、滴下部分の配管が押し出し機に接触していないためと、冷却用ジャケットのために、この部分でのフッ素系樹脂のディスパージョンの凝集を防止でき好ましい。さらに、フッ素系樹脂のディスパージョン中の水分や揮発分を取り除くことができる。
なお、図2は、フッ素系樹脂のディスパージョンの滴下位置やスクリューデザイン等を規定したものではなく、この図によって制限はされない。
【0044】
本発明において、好ましい樹脂組成物中のフッ素系樹脂の形態は以下のとおりである。主に0.5ミクロン以下の太さのフィブリル状の形態をなし、フィブリルが、ネットワーク構造、及び/または、分岐状で存在することが好ましい。
本発明で言う、ネットワーク構造、及び、または、分岐構造で存在するフッ素系樹脂の一例を以下に図1(模式図)及び図3〜5(SEM写真)で例示し、説明する。
フッ素系樹脂の形態は、7ミクロン×7ミクロンの範囲を観察して、次の条件を満たされる部分が観察されること好ましい。
フッ素系樹脂は、図3〜5のSEM写真では白く見える部分、図1の模式図では黒い実線で示した部分である。
【0045】
フッ素系樹脂のフィブリルは、0.5ミクロン以下の太さのものが主に存在する必要がある。0.5ミクロン以上の太さのフィブリルの存在は可能であるが、例えば図3に見られるように、7ミクロン×7ミクロンの範囲に観察されるフィブリルの総延長の70%以上、好ましくは90%以上が0.5ミクロン以下で存在している部分が存在することが好ましい。
【0046】
また、本発明においては、図1の模式図で示したaの部分で例示した様な2本以上のフィブリルが重なって観察される部分、及び、フィブリルが相互に連結した系をネットワーク構造と呼び、bの部分で例示した1点より2本以上のフィブリルが分かれた部分を分岐構造と呼ぶ。ネットワーク構造、分岐構造とも3次元の広がりを持つ。さらに、これらネットワーク構造、及び/または、分岐構造は、7ミクロン×7ミクロンの範囲に合わせて10箇所以上存在する部分が観察されることが好ましい。
【0047】
すなわち、SEMで観察されたネットワーク構造、分岐構造は必ずしも樹脂組成物中のネットワーク構造、分岐構造を示すものではないが、樹脂組成物中のフィブリルの密な存在を反映しており、SEM観察におけるネットワーク構造、及び、分岐構造の存在をもって、樹脂組成物中のネットワーク構造、及び、分岐構造の存在とする。
フッ素系樹脂のこの様な密なフィブリル形態の存在により、燃焼時のフィブリルの収縮が3次元的に生起し、効果的な滴下防止が達成されると推定される。
【0048】
本発明の樹脂組成物中のフッ素系樹脂の形態は具体的には以下の方法で観察される。すなわち、樹脂組成物のUL94燃焼試験用テストピースを射出成形で成形し、その引っ張り破断面を走査型電子顕微鏡(SEM)観察することにより、上記記載のフィブリルの存在を測定する。本発明において、他の条件は特に限定されないが、下記の条件で測定した。
【0049】
(1)射出成形
成型機 :M−JEC10(モダンマシナリー社製)
成形温度 :240℃
金型温度 :50℃
射出速度 :500(設定値)
テストピース:1/2×5×1/16inch
(2)SEM観察用サンプルの作成
上記のテストピースを引っ張り試験器(オートグラフ5000D、島津製作所製)を用いて、速度5mm/分で破断するまで引っ張る。
【0050】
(3)SEM観察
前処理 :サンプルに金蒸着を行う。
SEM :JSM−5300(日本電子社製)
加速電圧:15kV
さらに、これらの熱可塑性樹脂組成物からなる成形品の成型方法は、押し出し成形、圧縮成型、射出成形、ガスアシスト成形等があり、特に限定されない。成形品の例としては、OA機器筐体、OA機器シャーシ、ホイールキャップ、スポイラー、自動車のインパネ等が挙げられる。
【0051】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例における測定方法は以下の通りである。
(1)形態観察方法
明細書に記載の方法で観察した。その結果、明細書記載のネットワーク構造、及び/または、分岐状で存在するフッ素系樹脂の形態が観察された樹脂組成物は○で示し、観察されなかった樹脂組成物は×で示した。
(2)溶融粘度測定法
明細書に記載の方法で測定した。(単位、poise)
【0052】
(3)樹脂温度の測定
混練ゾーンに樹脂温度計を設置し、直接測定した。(単位、℃)
(4)ヒドロキシ基末端比率の測定
NMRにて測定した。(単位、モル%)
(5)難燃性
UL94規格垂直燃焼試験(厚み1/16インチ)に基づく試験により測定した。
【0053】
(6)燃焼時間
上記(5)の方法で測定したサンプルについて、その平均時間を燃焼時間とした。(単位、秒)
(7)光沢度
それぞれの樹脂組成物に適合した温度で射出成形した10cm×10cm×2mmの平板を成形し、ASTM−D−523−62Tに基づき、光沢計(Glossmeter)により、入射角、反射角を60度として表面光沢を求めた。
【0054】
(8)フローマーク
それぞれの樹脂組成物に適合した温度で射出成形した10cm×10cm×2mmの平板を成形し、その表面を目視によりフローマークまたはシルバーの有無を調べた。
○:フローマーク、シルバーの発生が無し
△:フローマーク、シルバーの発生が少し有り
×:フローマーク、シルバーの発生が多く有り
【0055】
以下に実施例に用いる配合剤を説明する。なお、部数は重量部とする。
(ポリカーボネート樹脂A−1)
芳香族ジヒドロキシ化合物として、ビスフェノールAを、炭酸ジエステルとしてジフェニルカーボネート(対ビスフェノールAモル比1.10)を、触媒としてビスフェノールAのジナトリウム塩(対ビスフェノールAモル比2.8E−8)を用いて、溶融エステル交換法でポリカーボネートを製造した。
Mw=22000
ヒドロキシ基末端量:23モル%
【0056】
(ポリカーボネート樹脂A−2)
ホスゲン法で製造された、ビスフェノールA系ポリカーボネート
Mw=22000
ヒドロキシ基末端量:2モル%
(ポリカーボネート樹脂A−3)
ホスゲン法で製造された、ビスフェノールA系ポリカーボネート
Mw=35000
ヒドロキシ基末端量:2モル%
(ポリカーボネート樹脂A−4)
ホスゲン法で製造された、ビスフェノールA系ポリカーボネート
Mw=15000
ヒドロキシ基末端量:3モル%
【0057】
(ポリフェニレンエーテル樹脂A−5)
ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル(以下PPEと略す)であり、米国特許4788277号明細書(特願昭62−77570号)に記載されている方法に従って、ジブチルアミンの存在下に、2,6−キシレノールを酸化カップリング重合して製造する。このPPEの粘度は280℃で140sec-1の剪断速度で測定し、49000poiseである、PPE樹脂75重量部と重量平均分子量210000の一般ポリスチレン樹脂30重量部をあらかじめ溶融混練した、変性PPE樹脂。
(ポリフェニレンエーテル樹脂A−6)
A−4と同じPPEと重量平均分子量380000の一般ポリスチレン樹脂30重量部をあらかじめ溶融混練した、変性PPE樹脂。
【0058】
(ゴム強化樹脂A−7)
ブタジエンゴムラテックス(透過型電子顕微鏡より求めたラテックスの重量平均粒子径は0.28ミクロン)40部、イオン交換水100部、ロジン酸カリウム0.3部を10リットル反応器に入れ、気相部を窒素置換した後、この初期溶液を70℃に昇温した。重合前のpHの調整は炭酸ガスを反応器内でバブルして調整した。次に以下に示す組成からなる水溶液1と単量体混合液3、さらに乳化剤としてロジン酸カリウムを含んだ水溶液2を反応器に5時間にわたり連続的に添加した。添加終了後、1時間温度を保ち、反応を完結させた。
【0059】
水溶液1の組成は次の通りである。
硫酸第一鉄0.005部、ソジウムフォルムアルデヒドスルホキシレート(SFS)0.1部、エチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム(EDTA)0.04部、イオン交換水50部。
水溶液2の組成は次の通りである。
ロジン酸カリウム1.0部、イオン交換水20部。
単量体混合液3の組成は次の通りである。
アクリロニトリル18部、スチレン42部、t−ドデシルメルカプタン(t−DM)0.6部、クメンハイドロパーオキサイド(CHP)0.1部。
【0060】
次に作成したグラフト重合体ラテックスに酸化防止剤を添加した後、塩析し、水洗浄、脱水した後加熱乾燥し、粉末を得た。
さらに、アクリロニトリル成分比27重量%のAS樹脂(アクリロニトリル−スチレン樹脂)と得られた粉末を混合し、以下の割合のABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂を得た。
ブタジエン成分比 33重量%
スチレン成分比 49重量%
アクリロニトリル成分比 18重量%
【0061】
(難燃剤B−1)
明細書記載の式(2)で表され、n=0又は自然数、R3 とR4 は式(4)に記載の基で表される化合物であって、軟化温度が105℃である難燃剤。
(難燃剤B−2)
トリフェニルホスフェート(大八化学社製)
【0062】
(難燃剤B−3)
以下の方法で合成した、式(7)と(8)の混合物を主成分とする縮合リン酸エステル系難燃剤。
ビスフェノールA114g(0.5モル)、オキシ塩化リン192g(1.25モル)、及び無水塩化マグネシウム1.4g(0.015モル)を攪拌機・還流管付きの500ml四つ口フラスコに仕込み、窒素気流下70〜140℃にて4時間反応させた。反応終了後、反応温度を維持しつつ、フラスコを真空ポンプにて200mmHg以下に減圧し、未反応のオキシ塩化リンをトラップにて回収した。ついでフラスコを室温まで冷却し、2,6キシレノール122g(1.0モル)、及び無水塩化アルミニウム2.0g(0.015モル)を加え、100〜150℃に加熱して4時間反応させた。
【0063】
ついでフラスコを室温まで冷却し、フェノール94g(1.0モル)を加え、100〜150℃に加熱して4時間保持し、反応を完結させた。そのままの温度で1mmHgまで減圧し、未反応のフェノール類を溜去した。反応時に発生する塩化水素ガスは水酸化ナトリウム水溶液にて捕集し、中和滴定によりその発生量を測定して反応の進行をモニターした。生成した粗リン酸エステルを蒸留水で洗浄した後、濾紙(アドバンテック社製#131)により固形分を除去した。真空乾燥して淡黄色透明な精製物を得た。
HPLC測定(島津製LC−10A、カラム:東ソーTSKgel ODS−80T、溶媒:メタノール/水 90/10)の結果、式(7)と(8)成分の合計の純度は75重量%であった。
【0064】
(フッ素系樹脂C−1)
ダイキン工業社製、ダイフロンD−1(PTFE60%含有ディスパージョン)
【0065】
【実施例】
実施例1〜5、7、9〜11、比較例1〜11
以上のように調製したフッ素系樹脂(C−1)を除く樹脂を、表1、2に記載した組成(単位は重量部)でブレンドし、2軸押出機(ZSK−25、W&P社製)で溶融混練し、押出機のホッパー付近から難燃剤をポンプで圧入し、その部分より後方の押出機の途中から図2の如き冷却用ジャケット付配管により冷却(3℃)したフッ素系樹脂(C−1)を溶融した樹脂組成物中に配合し、造粒し、ペレットを得て、溶融粘度以外の評価を行った。
また、フッ素系樹脂(C−1)を除く樹脂を、表1、2に記載した組成(単位は重量部)でブレンドし、2軸押出機(ZSK−25、W&P社製)で溶融混練し、押出機のホッパー付近から難燃剤をポンプで圧入し、造粒し、ペレットを得て表1、2に記載した温度で溶融粘度の測定を行った。
結果を表1、2に示す。
【0066】
実施例6
以上のように調製したフッ素系樹脂(C−1)を除く原料を、表1に記載した組成(単位は重量部)でブレンドし、2軸押出機(ZSK−25、W&P社製)で溶融混練し、押出機の途中から図2の如き冷却用ジャケット付配管により冷却(3℃)したフッ素系樹脂(C−1)を溶融した樹脂組成物中に配合し、造粒し、ペレットを得て、溶融粘度以外の評価を行った。
また、フッ素系樹脂(C−1)を除く原料を、表1に記載した組成(単位は重量部)でブレンドし、2軸押出機(ZSK−25、W&P社製)で溶融混練し、造粒し、ペレットを得て表1に記載した温度で溶融粘度の測定を行った。
結果を表1に示す。
【0067】
実施例8
以上のように調製したフッ素系樹脂(C−1)を除く樹脂を、表1に記載した組成(単位は重量部)でブレンドし、2軸押出機(ZSK−25、W&P社製)で溶融混練し、途中から図2の如き冷却用ジャケット付配管により冷却(3℃)したフッ素系樹脂(C−1)を溶融した樹脂組成物中に配合し、その部分より後方の押出機の途中から難燃剤をポンプで圧入し、造粒し、ペレットを得て、溶融粘度以外の評価を行った。
又、フッ素系樹脂(C−1)と難燃剤を除く樹脂を、表1に記載した組成(単位は重量部)でブレンドし、2軸押出機(ZSK−25、W&P社製)で溶融混練し、造粒し、ペレットを得て表1に記載した温度で溶融粘度の測定を行った。
結果を表1に示す。
【0068】
実施例12
以上のように調製した熱可塑性樹脂(A−1)の全量を2軸押出機(ZSK−25、W&P社製)で、表1に記載の温度で溶融混練し、押出機のホッパー付近から難燃剤(B−3)の全量をポンプで圧入し、その部分より後方の押出機の途中から図2の如き冷却用ジャケット付配管により冷却(3℃)したフッ素系樹脂(C−1)を溶融した樹脂組成物中に配合し、分散が達成された後、押出機の途中からサイドフィーダーを使用して熱可塑性樹脂(A−7)の全量を配合し、造粒し、ペレットを得て、溶融粘度以外の評価を行った。なお、それぞれの成分の組成比(単位は重量%)は表1に記載した。
また、熱可塑性樹脂(A−1)を2軸押出機(ZSK−25、W&P社製)で溶融混練し、押出機のホッパー付近から難燃剤をポンプで圧入し、造粒し、熱可塑性樹脂(A−1)80部、難燃剤(B−3)8部の組成物のペレットを得て表1に記載した温度で溶融粘度の測定を行った。
結果を表1に示す。
【0069】
これらの結果を表1、2にまとめた。実施例および比較例の結果から次のことが明らかである。
実施例の樹脂組成物は、フッ素系樹脂を最適な溶融粘度で混練することにより、フッ素系樹脂の分散が優れ、滴下防止効果が高く、いずれも難燃性と表面外観に優れている。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【発明の効果】
特定の溶融粘度領域を有するフッ素系樹脂を除く溶融した樹脂組成物に、フッ素系樹脂を配合し混練することにより、フッ素系樹脂が、樹脂組成物中でネットワーク構造、及び/または、分岐状で存在させることが可能になり、フッ素系樹脂の少量配合で、高い難燃性と、優れた表面外観を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂組成物成形品の破断面のフッ素系樹脂のフィブリル形態を表す模式図である。なお、図1において黒い実線で示した部分がフッ素系樹脂である。
【図2】本発明に用いる押し出し機の一例の概略図である。
【図3】実施例10の樹脂組成物成形品の破断面のフッ素系樹脂のフィブリル形態を観察した走査型電子顕微鏡写真である。
【図4】実施例11の樹脂組成物成形品の破断面のフッ素系樹脂のフィブリル形態を観察した走査型電子顕微鏡写真である。
【図5】比較例4の樹脂組成物成形品の破断面のフッ素系樹脂のフィブリル形態を観察した走査型電子顕微鏡写真である。なお、図3〜5の写真において、白く観察される部分がフッ素系樹脂である。
【符号の説明】
a ネットワーク構造
b 分岐構造[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for blending a fluororesin into a thermoplastic resin composition that achieves high dripping prevention and good surface appearance, and a flame retardant resin composition obtained by the method.
[0002]
[Prior art]
Resin flame retardant technology has become an important technology in each field due to stricter flame retardant regulations, especially in the field of office appliances such as computers, word processors and copiers, and in general household appliances such as TVs and game machines. It is becoming one of the indispensable characteristics.
In order for the resin to be ranked at a high flame retardant level in the UL flammability test (UL94) by the Underwriters Laboratories regulations in the United States, it is important that the specimen does not drip in the course of the UL flammability test, In order to prevent the spread of fire in an actual fire, prevention of dripping of the resin is an important issue.
[0003]
In response to these requests, a dripping inhibitor is added to thermoplastic resins for the purpose of preventing dripping of the resin during combustion. For example, the resin composition described in JP-B-59-36657 and JP-A-60-13844 has a description of polytetrafluoroethylene (PTFE), and further, JP-A-61-89241, In JP-A-63-135442, JP-A-4-249563, and JP-A-6-49311, the molecular weight, shape, and particle size of PTFE to be blended are defined, but the shape form in the composition No mention was made about the above, and an optimum production method was not described, and it was difficult to stably prevent dripping with a small amount of PTFE.
[0004]
Japanese Patent Publication No. 6-18979 discloses a method of blending a PTFE dispersion at the time of ABS salting out and co-salting out, but PTFE is not sufficiently dispersed, and high anti-drip performance is obtained. Not achieved.
That is, PTFE has poor compatibility with the resin, so the dispersion is poor, and the expected anti-drip performance cannot be sufficiently achieved, so it is necessary to add a large amount, and the mechanical properties are lowered or the extrusion process is performed. There are problems such as sometimes causing strand breakage and clogging of the screen mesh.
In recent years, in the OA field, coloring by adding a colorant is mainly performed and coating is not performed so much, and problems such as flow marks and surface appearance defects occur during molding.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has an excellent effect on the dripping prevention effect, and has a superior surface appearance and excellent dispersibility of a fluorine-based resin, a method for producing a flame-retardant resin composition for injection molding, and the difficulty obtained by the method. An object of the present invention is to provide a flammable resin composition.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In solving the above problems, as a result of intensive studies, it is necessary for the fluororesin in the resin composition to have a specific form for dripping prevention during combustion, which is not achieved by a normal blending method, By melting and kneading the fluororesin with a specific method to a resin composition excluding the fluororesin in a specific viscosity region, the fluororesin is controlled to a specific form, dripping prevention performance is greatly improved, and difficult The present inventors have found that it is excellent in flammability and surface appearance and have completed the present invention.
[0007]
That is, the present invention
1. (A) In the production of a resin composition consisting of 0.1 to 30 parts by weight of a flame retardant and (C) 0.01 to 5 parts by weight of a fluororesin with respect to 100 parts by weight of a thermoplastic resin, 10 to 100 The melt viscosity of the composition (M) consisting of parts by weight of (A) thermoplastic resin and 30 parts by weight or less of (B) flame retardant has a shear rate of 240 sec of the capillary rheometer. -1 And after melting and kneading the composition (M) and 0.01 to 5 parts by weight of (C) a fluororesin in a temperature range where the viscosity is 3000 to 12000 poise, and further 90 parts by weight or less of (A) a thermoplastic resin and The manufacturing method of the resin composition characterized by mix | blending 30 weight part or less (B) flame retardant, and melt-kneading.
[0008]
2. In the production of a resin composition in which (A) 0.1 to 30 parts by weight of a flame retardant and (C) 0.01 to 5 parts by weight of a fluororesin are blended with respect to 100 parts by weight of a thermoplastic resin, The melt viscosity of a composition (M) comprising 100 parts by weight of (A) a thermoplastic resin and 30 parts by weight or less of (B) a flame retardant has a shear rate of 240 sec of a capillary rheometer. -1 Then, the composition (M) is melt-kneaded in a temperature range where the viscosity is 3000 to 12000 poise, and 0.01 to 5 parts by weight of (C) fluorine-based resin is melt-kneaded into the melt-kneaded resin composition. The manufacturing method of the resin composition characterized by mix | blending 90 weight part or less (A) thermoplastic resin and 30 weight part or less (B) flame retardant, and melt-kneading.
3. (C) The method for producing a resin composition according to 1 or 2, wherein the fluorine-based resin is blended using a dispersion of tetrafluoroethylene resin (PTFE).
[0009]
4). When melt-kneading the raw material, an extruder is used, an opening is provided in the middle of the extruder, and a dispersion of tetrafluoroethylene resin (PTFE) is dropped from there, and at the same time, volatile components such as moisture contained in the dispersion 3. The method for producing a resin composition according to 3, wherein melt-kneading is performed while removing water.
5. (A) A thermoplastic resin is obtained by graft polymerization of (D) 5 to 98 parts by weight of a polycarbonate-based resin and one or more vinyl compounds copolymerizable with the rubbery polymer on the rubbery polymer. The manufacturing method of the resin composition in any one of 1-4 which consists of 95-2 weight part of (E) rubber-reinforced resin containing a graft polymer and a vinyl polymer.
6). (D) The polycarbonate-based resin is produced by an ester exchange method from an aromatic dihydroxy compound and a carbonic acid diester, and the proportion of terminal hydroxy groups in all terminals is 5 to 50 mol%. The manufacturing method of the resin composition of description.
[0010]
About.
[0011]
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
As the thermoplastic resin (A) used in the present invention, polystyrene-type resin, polyolefin-type resin, polyamide-type resin, polyoxymethylene-type resin, polyphenylene ether-type resin, polycarbonate-type resin, polyester-type resin, and other engineer plastics And polymethyl methacrylate resin. These may be used alone or in combination of two or more. Here, polystyrene resin, polyester resin, and polycarbonate resin are particularly preferable as the thermoplastic resin. The polystyrene resin is a rubber-modified styrene resin or a rubber non-modified styrene resin.
[0012]
The (D) polycarbonate resin used in the present invention is produced by a reaction between a dihydric phenol and phosgene or a carbonic acid diester. As the dihydric phenol, bisphenols are preferable, and 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane (hereinafter referred to as bisphenol A) is particularly preferable. Moreover, you may substitute a part or all of bisphenol A by another dihydric phenol compound. Examples of dihydric phenol compounds other than bisphenol A include hydroquinone, 4,4 dihydroxydiphenyl, bis (4-hydroxyphenyl) sulfide, bis (4-hydroxyphenyl) sulfone, and bis (4-hydroxyphenyl) ketone. is there. It may be a homopolymer of these dihydric phenols, two or more kinds of copolymers, or a blended product thereof.
[0013]
In the present invention, the polycarbonate resin (D) is preferably a polycarbonate resin produced by transesterification from an aromatic dihydroxy compound and a carbonic acid diester. For example, US Pat. No. 5,589,564, Plastic Material Course (5) Polycarbonate resin (Nikkan Kogyo Shimbun Co., Ltd., first edition 1st edition issued 14.930, 1st edition 4th edition issued 1956, Showa 56.3.1) can be used. The molecular weight of the polycarbonate of the present invention is not particularly limited, but generally the weight average molecular weight is usually in the range of 5,000 to 300,000, preferably in the range of 7,000 to 100,000, and particularly preferably in the range of 10,000 to 80000.
[0014]
Further, the polycarbonate-based resin used in the present invention preferably has a hydroxy group terminal ratio of 5 to 50 mol%, more preferably 10 to 40 mol%, particularly preferably the total proportion of the polycarbonate-based resin. It exists in the range of 15-35 mol%. The terminal ratio can be measured by a commonly used method. For example, there are a method of measuring using NMR, a method of obtaining from a titanium method, an OH terminal amount directly obtained by UV or IR method and a molecular weight obtained by viscosity method or GPC method.
[0015]
Next, the composition and production method of the (E) rubber-reinforced resin of the present invention will be described. The rubber-reinforced resin can be obtained by graft-polymerizing a rubber-like polymer with a vinyl compound that can be graft-polymerized, but a vinyl polymer that is simultaneously polymerized in this polymerization process may be included. Further, the vinyl polymer may be blended by polymerizing simultaneously or separately.
[0016]
The rubbery polymer used in the present invention includes conjugated diene rubbers such as polybutadiene, polyisoprene, polychloroprene, butadiene-styrene copolymer, butadiene-acrylonitrile copolymer, ethylene-propylene rubber, ethyl acrylate, acrylic Acrylic rubbers such as butyl acid are preferable, but conjugated diene rubber polybutadiene, butadiene-styrene copolymer and butadiene-acrylonitrile copolymer are preferable. Moreover, these can be used in combination of 2 or more types.
[0017]
The content of the rubbery polymer in the rubber reinforced resin is 3 to 60% by weight, preferably 5 to 50% by weight. If it is less than 5% by weight, impact resistance cannot be obtained, and if it exceeds 60% by weight, fluidity and gloss at the time of molding are deteriorated.
The preferred particle size of the rubber-like polymer in the rubber-reinforced resin is not particularly limited because it varies depending on the type of vinyl polymer used as the matrix. For example, in the case of an ABS resin, the particle size is 150 to 600 nm, preferably 200 to It is 500 nm, More preferably, it is 250-450 nm. If the particle diameter is smaller than 150 nm, impact resistance cannot be obtained, and if it exceeds 600 nm, the gloss value decreases.
[0018]
Examples of vinyl compounds that can be graft-polymerized on the rubber-like polymer particles used in the present invention include aromatic vinyl compounds such as styrene, α-methylstyrene, and paramethylstyrene, and alkyls such as methyl methacrylate, methyl acrylate, butyl acrylate, and ethyl acrylate. (Meth) acrylates, (meth) acrylic acids such as acrylic acid and methacrylic acid, vinyl cyanide monomers such as acrylonitrile and methacrylonitrile, α, β-unsaturated carboxylic acids such as maleic anhydride, N-phenylmaleimide , N-methylmaleimide, N-cyclohexylmaleimide and other maleimide monomers, and glycidyl group-containing compounds such as glycidyl methacrylate, preferably aromatic vinyl compounds, alkyl (meth) acrylates, cyanide Vinyl compounds, A Reimido compound, more preferably, styrene, acrylonitrile, N- phenylmaleimide, butyl acrylate.
These vinyl compounds can be used alone or in combination of two or more.
[0019]
(E) The vinyl polymer that can be contained in the rubber-reinforced resin is an aromatic vinyl compound such as styrene, α-methylstyrene, paramethylstyrene, or an alkyl (meta) such as methyl methacrylate, methyl acrylate, butyl acrylate, or ethyl acrylate. ) (Meth) acrylic acids such as acrylates, acrylic acid and methacrylic acid, vinyl cyanide compounds such as acrylonitrile and methacrylonitrile, α, β-unsaturated carboxylic acids such as maleic anhydride, N-phenylmaleimide, N-methyl Maleimide compounds such as maleimide and N-cyclohexylmaleimide, and glycidyl group-containing compounds such as glycidyl methacrylate are preferable, and aromatic vinyl compounds, alkyl (meth) acrylates, vinyl cyanide compounds, maleimide compounds There, even more preferably, styrene, acrylonitrile, N- phenylmaleimide, a polymer consisting of butyl acrylate.
[0020]
These vinyl compounds can be used singly or in combination of two or more or copolymerized.
(E) Specific examples of the rubber reinforced resin include high impact polystyrene resin (HIPS), acrylonitrile-butadiene-styrene (ABS) resin, AAS resin, and the like.
[0021]
The method for producing the rubber-reinforced resin in the present invention is not particularly limited, but an emulsion graft polymerization method in which a vinyl compound is graft-polymerized to a rubber-like polymer latex produced by emulsion polymerization, and emulsion graft polymerization and solution polymerization, Examples thereof include a two-stage polymerization method in which suspension polymerization is combined. These can be continuous, batch, or semi-batch. In addition, a graft polymer having a high rubber content is prepared in advance by the above method, and a thermoplastic resin mainly composed of a vinyl compound used at the time of graft polymerization manufactured by bulk polymerization, emulsion polymerization or suspension polymerization is blended. The method of making the rubber content of.
[0022]
In the present invention, an emulsion graft method is preferred in which a vinyl compound is continuously added to a rubbery polymer produced by emulsion polymerization together with an initiator, a molecular weight regulator and the like.
Moreover, although there is no limitation in particular also at the time of superposition | polymerization, neutral vicinity (pH 7-9) is preferable from the surface of a graft reaction.
[0023]
The flame retardant (B) in the present invention is a so-called general flame retardant, a phosphorus compound or a halogen organic compound, a nitrogen-containing organic compound such as melamine, an inorganic compound such as magnesium hydroxide or aluminum hydroxide, Antimony oxide, bismuth oxide, metal oxides such as zinc oxide and tin oxide, inorganic phosphorus compounds such as red phosphorus, phosphine, hypophosphorous acid, phosphorous acid, metaphosphoric acid, pyrophosphoric acid, phosphoric anhydride, carbon Fibers such as fibers and glass fibers, expanded graphite, silica, silica-based glass melts, and the like are used. Preferred are phosphorus compounds, halogen-based organic compounds, and combinations of halogen-based organic compounds and antimony oxide.
[0024]
As the halogen-based organic compound, it refers to general halogen-based flame retardants and halogen-containing phosphate esters in general. For example, the halogen-based organic compounds include hexachloropentadiene, hexabromodiphenyl, octabromodiphenyl oxide, tribromophenoxymethane, decabromodiphenyl, decabromodiphenyl oxide, octabromodiphenyl oxide, tetrabromobisphenol A, tetrabromophthalimide, hexa Although there are bromobutene, hexabromocyclododecane and the like, a halogen organic compound having the structure of the following formula (1) is preferable, and a halogen organic compound of the following formula (2) is particularly preferable.
[0025]
[Chemical 1]
[0026]
[Chemical 2]
[0027]
On the other hand, halogen-containing phosphate esters include tris-chloroethyl phosphate, tris-dichloropropyl phosphate, tris-β-chloropropyl phosphate, tris (tribromophenyl) phosphate, tris (dibromophenyl) phosphate, tris (tribromoneo Pentyl phosphate) and condensed phosphoric acid esters thereof. Tris (tribromoneopentyl phosphate), tris (tribromophenyl) phosphate, and tris (dibromophenyl) phosphate are preferable. These halogen organic compounds can be used alone or in combination of two or more.
[0028]
Examples of phosphate ester flame retardants include trimethyl phosphate, triethyl phosphate, tripropyl phosphate, tributyl phosphate, tripentyl phosphate, trihexyl phosphate, tricyclohexyl phosphate, triphenyl phosphate, tricresyl phosphate, trixylenyl phosphate, There are phosphate esters such as dimethyl ethyl phosphate, methyl dibutyl phosphate, ethyl dipropyl phosphate, hydroxyphenyl diphenyl phosphate, and compounds obtained by modifying these with various substituents.
The condensed phosphate ester flame retardant in the composition of the present invention has the following formula (5):
[0029]
[Chemical 3]
(In the formula, n is an integer of 1 to 10, Ar 1 ~ Ar Four Each independently represents a phenyl group, a tolyl group or a xylyl group. When n is 2 or more, a plurality of Ar Four May be the same or different. )
And preferably,
[0030]
[Formula 4]
(Wherein Ar Five ~ Ar 7 Are the same or different and are a phenyl group, a tolyl group, or a xylyl group other than a 2,6-xylyl group, and R is A4 described above. )
The phosphoric acid ester compound represented by the formula (1) is particularly excellent in flame retardancy and heat resistance.
These can be used alone or in combination of two or more.
[0031]
Although the compounding quantity of a flame retardant is determined according to a required flame retardance level, it is necessary for the sum total of a resin composition to be 0.1-30 weight part with respect to 100 weight part. If it is less than 0.1 part by weight, the necessary flame retardant effect is not exhibited. If it exceeds 30 parts by weight, the mechanical strength of the resin is lowered. The range is preferably 1 to 25 parts by weight, and particularly preferably 3 to 22 parts by weight. When a halogen compound is used as the flame retardant, a flame retardant aid can be used to enhance the flame retardant effect.
[0032]
The flame retardant aid is preferably a compound containing an element belonging to VA in the periodic table of elements, and specifically includes a nitrogen-containing compound, a phosphorus-containing compound, antimony oxide, bismuth oxide, and the like. Metal oxides such as iron oxide, zinc oxide, and tin oxide are also effective. Of these, antimony oxide is particularly preferable, and specific examples include antimony trioxide and antimony pentoxide. These flame retardant aids may be used that have been surface-treated for the purpose of improving dispersion in the resin and / or improving the thermal stability of the resin.
[0033]
The addition amount of the flame retardant aid is preferably 0.5 to 20 parts by weight. When the amount is less than 0.5 part, the effect of the flame retardant aid is not sufficient. When the amount exceeds 20 parts by weight, the mechanical strength of the resin And processing fluidity is reduced. More preferably, it is 1-15 weight part, Most preferably, it is 1-10 weight part.
[0034]
The fluororesin (C) used in the present invention generally indicates a perfluoroalkoxy (PFA) resin such as a tetrafluoroethylene (TFE) resin, or a fluoroethylenepropylene (FEP) resin. Resins are preferred.
The addition amount of the fluorine-based resin is preferably 0.01 to 5 parts by weight. When the amount is less than 0.01 part, the effect of preventing dripping is insufficient, and when it exceeds 5 parts by weight, the mechanical strength and processing flow of the resin are exceeded. Sex is reduced. More preferably, it is 0.02-2 weight part, Most preferably, it is 0.1-1 weight part.
[0035]
As the fluororesin, it is preferable to use a dispersion. The dispersion refers to an aqueous dispersion produced by adding a surfactant to a latex obtained by emulsion polymerization of a fluororesin, and concentrating and stabilizing the dispersion. The concentration of the fluororesin in the dispersion is preferably 5 to 80% by weight, more preferably 20 to 80% by weight. When the amount is less than 5% by weight, the blending amount is increased, making it difficult to treat the water. When the amount exceeds 80% by weight, the fluidity of the dispersion is lowered and the handling becomes difficult.
[0036]
Next, a method for producing the resin composition of the present invention will be described. The fluorine-based resin is preferably blended into the molten resin composition at a composition and temperature within the viscosity range defined by the present invention. This facilitates formation of a network structure and a branched structure of the fluororesin in the resin composition.
[0037]
Next, the melt viscosity of a preferable resin composition in the present invention will be described. In the present invention, when the fluororesin is melt-kneaded, the melt viscosity of the resin composition (M) comprising (A) a thermoplastic resin and (B) a flame retardant is such that the shear rate of the capillary rheometer is 240 sec. -1 Therefore, it is necessary to be in the range of 3000 to 12000 poise, and preferably in the range of 3000 to 10,000 poise.
[0038]
That is, in the present invention, when the fluororesin is blended, it is important that the resin composition before blending has a composition and temperature within a specific melt viscosity range. Under these conditions, the fluororesin is melt-kneaded. Thus, a form of a fluororesin excellent in flame retardancy and surface appearance is achieved.
If the melt viscosity range is less than 3000 poise, the fibrillation of the fluororesin becomes insufficient, and if it exceeds 12000 poise, the dispersion of the fluororesin becomes poor and a sufficient drip prevention effect cannot be achieved.
[0039]
The melt viscosity of the resin composition before blending the fluororesin is measured by the following method.
Capillary rheometer: Capillograph 1B (Toyo Seiki Co., Ltd.)
Preparation of sample: Use a material melt-kneaded at a temperature at which the raw material at the time of blending the fluorine-based resin is manufactured in advance.
Capillary length: 10.00mm
Capillary diameter: 1.00mm
Measurement temperature: A temperature suitable for the resin to be melt-kneaded, and the resin temperature in the actual manufacturing equipment
Barrel diameter: 9.55mm
Measurement speed: Measured at 5, 10, 20, 50, 100, 200, 500 mm / min, share rate 240 sec from Shear Rate / Viscosity curve -1 Read the melt viscosity.
[0040]
The melt kneading temperature is appropriately selected depending on the type of thermoplastic resin to be used, but is preferably 320 ° C. or lower, and more preferably 310 ° C. or lower. When the thermoplastic resin is a polycarbonate resin, it is preferably melt kneaded at a temperature of 240 to 300 ° C., and can be melt kneaded at an optimum temperature depending on the viscosity of the resin, additives, and the like.
Similarly, when the thermoplastic resin is an alloy of PPE resin, vinyl polymer resin such as rubber reinforced styrene, polycarbonate resin and vinyl polymer resin such as rubber reinforced styrene, 280 to 310 ° C., 210 to 260 ° C., respectively. It is preferable to melt-knead at a temperature of 220 to 280 ° C., and it can be melt-kneaded at an optimum temperature depending on the viscosity of the resin, additives and the like.
[0041]
The melt-kneading method can be performed by a conventionally known method as long as the above conditions are satisfied, and is not particularly limited. For example, after mixing each component uniformly with a Henschel mixer, a super mixer, a turn bull mixer, a ribbon blender or the like, there is a method of melt kneading with a single screw extruder, a twin screw extruder, a Banbury mixer, or the like.
Further, at that time, it is optional to add additives such as known antioxidants, ultraviolet absorbers, lubricants, mold release agents, antistatic agents, colorants, fillers and the like within the range not impairing the gist of the present invention. .
[0042]
As a specific example of the blending method, when an extruder is used for melt-kneading, there is a method of providing a nozzle for liquid addition in the middle of the extruder and injecting it with a pump. In this case, a tube pump, a gear pump, a plunger pump, or the like can be used as the pump in order to inject into the extruder.
[0043]
As another blending method of the dispersion of the preferred fluororesin, as shown in the schematic diagram of FIG. 2, an opening such as a vent port is provided in the middle of the extruder, and a pipe provided with a cooling jacket is provided there. There is a method of installing and dropping a dispersion from this pipe. When this method is used, it is not necessary to apply pressure to the dispersion of the fluororesin, it is possible to prevent aggregation of the dispersion of the fluororesin in the pump part, and the piping of the dropping part is not in contact with the extruder For this reason, the cooling jacket is preferable because it can prevent the dispersion of the fluororesin dispersion at this portion. Furthermore, moisture and volatile components in the dispersion of the fluororesin can be removed.
In addition, FIG. 2 does not prescribe | regulate the dripping position, screw design, etc. of the dispersion of a fluororesin, and is not restrict | limited by this figure.
[0044]
In the present invention, the preferred form of the fluororesin in the resin composition is as follows. It is preferably in the form of a fibril having a thickness of 0.5 microns or less, and the fibril is present in a network structure and / or in a branched form.
An example of the fluorine-based resin existing in the present invention in a network structure and / or a branched structure will be described below with reference to FIG. 1 (schematic diagram) and FIGS. 3 to 5 (SEM photographs).
As for the form of the fluororesin, it is preferable that a portion satisfying the following conditions is observed by observing a range of 7 microns × 7 microns.
The fluororesin is a portion that appears white in the SEM photographs of FIGS. 3 to 5 and a portion indicated by a solid black line in the schematic diagram of FIG.
[0045]
It is necessary that fluorinated resin fibrils mainly have a thickness of 0.5 microns or less. The presence of fibrils with a thickness of 0.5 microns or more is possible, but as seen for example in FIG. 3, more than 70% of the total fibril length observed in the 7 micron × 7 micron range, preferably 90 It is preferred that there is a portion where at least% is present at 0.5 microns or less.
[0046]
In the present invention, a part where two or more fibrils are observed as overlapped as illustrated in the part a shown in the schematic diagram of FIG. 1 and a system in which the fibrils are connected to each other are called a network structure. A portion where two or more fibrils are separated from one point exemplified by the portions b and b is called a branched structure. Both the network structure and the branch structure have a three-dimensional expanse. Further, in the network structure and / or the branched structure, it is preferable that 10 or more portions are observed in a range of 7 microns × 7 microns.
[0047]
That is, the network structure and branch structure observed by SEM do not necessarily indicate the network structure and branch structure in the resin composition, but reflect the dense presence of fibrils in the resin composition. The presence of the network structure and the branched structure is defined as the presence of the network structure and the branched structure in the resin composition.
Due to the presence of such a dense fibril form of the fluororesin, it is presumed that fibril shrinkage during combustion occurs three-dimensionally and effective dripping prevention is achieved.
[0048]
The form of the fluororesin in the resin composition of the present invention is specifically observed by the following method. That is, a UL94 combustion test test piece of the resin composition is molded by injection molding, and the presence of the fibrils described above is measured by observing the tensile fracture surface with a scanning electron microscope (SEM). In this invention, although other conditions are not specifically limited, It measured on the following conditions.
[0049]
(1) Injection molding
Molding machine: M-JEC10 (manufactured by Modern Machinery)
Molding temperature: 240 ° C
Mold temperature: 50 ℃
Injection speed: 500 (setting value)
Test piece: 1/2 x 5 x 1/16 inch
(2) Preparation of sample for SEM observation
The test piece is pulled using a tensile tester (Autograph 5000D, manufactured by Shimadzu Corporation) at a speed of 5 mm / min until it breaks.
[0050]
(3) SEM observation
Pretreatment: Gold vapor deposition is performed on the sample.
SEM: JSM-5300 (manufactured by JEOL Ltd.)
Acceleration voltage: 15 kV
Furthermore, there are no particular limitations on the method of molding a molded product comprising these thermoplastic resin compositions, including extrusion molding, compression molding, injection molding, gas assist molding, and the like. Examples of molded products include OA equipment casings, OA equipment chassis, wheel caps, spoilers, automobile instrument panels, and the like.
[0051]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The measuring method in the Example of this invention is as follows.
(1) Morphological observation method
Observed by the method described in the specification. As a result, the resin composition in which the network structure described in the specification and / or the form of the fluorinated resin existing in a branched shape was observed was indicated by ◯, and the resin composition not observed was indicated by ×.
(2) Melt viscosity measurement method
It was measured by the method described in the specification. (Unit, poison)
[0052]
(3) Measurement of resin temperature
A resin thermometer was installed in the kneading zone and measured directly. (Unit, ° C)
(4) Measurement of hydroxy group terminal ratio
Measured by NMR. (Unit, mol%)
(5) Flame resistance
It was measured by a test based on UL94 standard vertical combustion test (thickness 1/16 inch).
[0053]
(6) Combustion time
About the sample measured by the method of said (5), the average time was made into combustion time. (Unit, seconds)
(7) Glossiness
A 10 cm × 10 cm × 2 mm flat plate injection-molded at a temperature suitable for each resin composition is molded, and an incident angle and a reflection angle are set to 60 degrees with a gloss meter based on ASTM-D-523-62T. The surface gloss was determined.
[0054]
(8) Flow mark
A 10 cm × 10 cm × 2 mm flat plate injection-molded at a temperature suitable for each resin composition was molded, and the surface was visually inspected for the presence of flow marks or silver.
○: No flow mark or silver
△: Flow mark and silver are slightly generated
×: Many occurrences of flow mark and silver
[0055]
The compounding agent used for an Example below is demonstrated. The number of parts is parts by weight.
(Polycarbonate resin A-1)
Bisphenol A as an aromatic dihydroxy compound, diphenyl carbonate (molar ratio of bisphenol A to 1.10) as a carbonic acid diester, and disodium salt of bisphenol A (molar ratio of bisphenol A to 2.8E-8) as a catalyst Polycarbonate was produced by the melt transesterification method.
Mw = 22000
Hydroxy group terminal amount: 23 mol%
[0056]
(Polycarbonate resin A-2)
Bisphenol A polycarbonate manufactured by the phosgene method
Mw = 22000
Hydroxy group terminal amount: 2 mol%
(Polycarbonate resin A-3)
Bisphenol A polycarbonate manufactured by the phosgene method
Mw = 35000
Hydroxy group terminal amount: 2 mol%
(Polycarbonate resin A-4)
Bisphenol A polycarbonate manufactured by the phosgene method
Mw = 15000
Hydroxy group terminal amount: 3 mol%
[0057]
(Polyphenylene ether resin A-5)
Poly (2,6-dimethyl-1,4-phenylene) ether (hereinafter abbreviated as PPE), and according to the method described in US Pat. No. 4,788,277 (Japanese Patent Application No. 62-77570), In the presence, 2,6-xylenol is produced by oxidative coupling polymerization. The viscosity of this PPE is 140 sec at 280 ° C. -1 A modified PPE resin obtained by previously melt-kneading 75 parts by weight of a PPE resin and 30 parts by weight of a general polystyrene resin having a weight average molecular weight of 210,000, which is 49000 poise, measured at a shear rate of 25,000 poise.
(Polyphenylene ether resin A-6)
A modified PPE resin obtained by previously melt-kneading 30 parts by weight of a general polystyrene resin having the same PPE as A-4 and a weight average molecular weight of 380000.
[0058]
(Rubber reinforced resin A-7)
40 parts of butadiene rubber latex (latex weight average particle diameter determined by transmission electron microscope is 0.28 micron), 100 parts of ion-exchanged water and 0.3 part of potassium rosinate are put into a 10 liter reactor, and the gas phase part Was replaced with nitrogen, and then the initial solution was heated to 70 ° C. The pH before the polymerization was adjusted by bubbling carbon dioxide in the reactor. Next, an aqueous solution 1 having a composition shown below, a monomer mixed solution 3, and an aqueous solution 2 containing potassium rosinate as an emulsifier were continuously added to the reactor over 5 hours. After completion of the addition, the temperature was maintained for 1 hour to complete the reaction.
[0059]
The composition of the aqueous solution 1 is as follows.
Ferrous sulfate 0.005 part, sodium formaldehyde sulfoxylate (SFS) 0.1 part, disodium ethylenediaminetetraacetate (EDTA) 0.04 part, ion-exchanged water 50 parts.
The composition of the aqueous solution 2 is as follows.
1.0 part of potassium rosinate and 20 parts of ion exchange water.
The composition of the monomer mixture 3 is as follows.
18 parts of acrylonitrile, 42 parts of styrene, 0.6 part of t-dodecyl mercaptan (t-DM), 0.1 part of cumene hydroperoxide (CHP).
[0060]
Next, an antioxidant was added to the prepared graft polymer latex, and then salted out, washed with water, dehydrated and dried by heating to obtain a powder.
Further, an AS resin (acrylonitrile-styrene resin) having an acrylonitrile component ratio of 27% by weight and the obtained powder were mixed to obtain ABS (acrylonitrile-butadiene-styrene) resin having the following ratio.
Butadiene component ratio 33% by weight
Styrene component ratio 49% by weight
Acrylonitrile component ratio 18% by weight
[0061]
(Flame retardant B-1)
It is represented by the formula (2) described in the specification, and n = 0 or a natural number, R Three And R Four Is a compound represented by the group described in Formula (4), and has a softening temperature of 105 ° C.
(Flame retardant B-2)
Triphenyl phosphate (Daihachi Chemical Co., Ltd.)
[0062]
(Flame retardant B-3)
A condensed phosphate ester flame retardant composed mainly of a mixture of formulas (7) and (8) synthesized by the following method.
Bisphenol A (114 g, 0.5 mol), phosphorous oxychloride (192 g), and anhydrous magnesium chloride (1.4 g, 0.015 mol) were charged into a 500 ml four-necked flask equipped with a stirrer / reflux tube and a nitrogen stream. It was made to react at 70-140 degreeC below for 4 hours. After completion of the reaction, while maintaining the reaction temperature, the flask was decompressed to 200 mmHg or less with a vacuum pump, and unreacted phosphorus oxychloride was recovered with a trap. Next, the flask was cooled to room temperature, 122 g (1.0 mol) of 2,6 xylenol and 2.0 g (0.015 mol) of anhydrous aluminum chloride were added, and the mixture was heated to 100 to 150 ° C. and reacted for 4 hours.
[0063]
The flask was then cooled to room temperature, 94 g (1.0 mol) of phenol was added, heated to 100-150 ° C. and held for 4 hours to complete the reaction. The pressure was reduced to 1 mmHg at the same temperature, and unreacted phenols were distilled off. Hydrogen chloride gas generated during the reaction was collected with an aqueous sodium hydroxide solution, and the amount of the generated hydrogen chloride was measured by neutralization titration to monitor the progress of the reaction. The produced crude phosphate ester was washed with distilled water, and then the solid content was removed with a filter paper (# 131 manufactured by Advantech). It was vacuum dried to obtain a pale yellow transparent purified product.
As a result of HPLC measurement (LC-10A manufactured by Shimadzu, column: Tosoh TSKgel ODS-80T, solvent: methanol / water 90/10), the total purity of the components of the formulas (7) and (8) was 75% by weight.
[0064]
(Fluorine resin C-1)
Daiflon D-1 (Dispersion containing 60% PTFE) manufactured by Daikin Industries, Ltd.
[0065]
【Example】
Examples 1-5, 7, 9-11, Comparative Examples 1-11
Resins other than the fluororesin (C-1) prepared as described above were blended with the compositions (units are parts by weight) shown in Tables 1 and 2, and a twin screw extruder (ZSK-25, manufactured by W & P). Fluorine-based resin (C) which is melt-kneaded in the vicinity of the extruder and pressed with a pump from the vicinity of the hopper of the extruder, and cooled (3 ° C.) by a cooling jacketed pipe as shown in FIG. -1) was blended in the molten resin composition, granulated, pellets were obtained, and evaluations other than melt viscosity were performed.
In addition, resins other than the fluororesin (C-1) are blended with the compositions (units are parts by weight) shown in Tables 1 and 2, and melt-kneaded with a twin screw extruder (ZSK-25, manufactured by W & P). Then, a flame retardant was injected with a pump from the vicinity of the hopper of the extruder, granulated, pellets were obtained, and the melt viscosity was measured at the temperatures described in Tables 1 and 2.
The results are shown in Tables 1 and 2.
[0066]
Example 6
The raw materials excluding the fluororesin (C-1) prepared as described above were blended with the composition shown in Table 1 (unit: parts by weight) and melted with a twin screw extruder (ZSK-25, manufactured by W & P). Kneaded, blended in the molten resin composition (3 ° C.) cooled by a cooling jacketed pipe as shown in FIG. 2 from the middle of the extruder, and granulated to obtain pellets Evaluations other than melt viscosity were performed.
In addition, raw materials excluding the fluororesin (C-1) were blended with the composition shown in Table 1 (units are parts by weight), melt-kneaded with a twin screw extruder (ZSK-25, manufactured by W & P), Granules were obtained and pellets were obtained and melt viscosity was measured at the temperatures listed in Table 1.
The results are shown in Table 1.
[0067]
Example 8
Resins except for the fluororesin (C-1) prepared as described above were blended with the composition shown in Table 1 (unit: parts by weight) and melted with a twin screw extruder (ZSK-25, manufactured by W & P). Kneaded and mixed in the melted resin composition with the fluororesin (C-1) cooled (3 ° C.) by a cooling jacketed pipe as shown in FIG. 2, and from the middle of the extruder behind the portion. Flame retardants were injected with a pump, granulated, pellets were obtained, and evaluations other than melt viscosity were performed.
Also, the resin excluding the fluororesin (C-1) and the flame retardant is blended with the composition shown in Table 1 (unit is part by weight) and melt kneaded with a twin screw extruder (ZSK-25, manufactured by W & P). And granulated to obtain pellets, and the melt viscosity was measured at the temperatures described in Table 1.
The results are shown in Table 1.
[0068]
Example 12
The total amount of the thermoplastic resin (A-1) prepared as described above was melt-kneaded at a temperature shown in Table 1 with a twin-screw extruder (ZSK-25, manufactured by W & P), and difficult from the vicinity of the hopper of the extruder. The entire amount of the flame retardant (B-3) is injected with a pump, and the fluororesin (C-1) cooled (3 ° C.) with a cooling jacketed pipe as shown in FIG. 2 is melted from the middle of the extruder behind that portion. After the dispersion was achieved, the entire amount of the thermoplastic resin (A-7) was blended from the middle of the extruder using the side feeder, granulated, and pellets were obtained. Evaluations other than melt viscosity were performed. The composition ratio of each component (unit:% by weight) is shown in Table 1.
Further, the thermoplastic resin (A-1) is melt-kneaded with a twin-screw extruder (ZSK-25, manufactured by W & P), a flame retardant is pressed from the vicinity of the hopper of the extruder with a pump, granulated, and the thermoplastic resin. (A-1) 80 parts of a flame retardant (B-3) 8 parts of a pellet of the composition was obtained, and the melt viscosity was measured at the temperatures described in Table 1.
The results are shown in Table 1.
[0069]
These results are summarized in Tables 1 and 2. The following is clear from the results of Examples and Comparative Examples.
The resin compositions of the examples are excellent in dispersion of the fluorine-based resin and high anti-dripping effect by kneading the fluorine-based resin at an optimum melt viscosity, and both are excellent in flame retardancy and surface appearance.
[0070]
[Table 1]
[0071]
[Table 2]
[0072]
【The invention's effect】
By blending and kneading the fluororesin with the molten resin composition excluding the fluororesin having a specific melt viscosity region, the fluororesin has a network structure and / or a branched shape in the resin composition. It can be made to exist, and high flame retardancy and excellent surface appearance can be obtained with a small amount of fluorine-based resin.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing a fibril form of a fluororesin on a fracture surface of a resin composition molded article. In addition, the part shown with the black continuous line in FIG. 1 is a fluorine resin.
FIG. 2 is a schematic view of an example of an extruder used in the present invention.
3 is a scanning electron micrograph obtained by observing the fibril form of a fluororesin on the fracture surface of the resin composition molded article of Example 10. FIG.
4 is a scanning electron micrograph obtained by observing the fibril form of a fluororesin on the fracture surface of the resin composition molded article of Example 11. FIG.
5 is a scanning electron micrograph obtained by observing the fibril form of a fluororesin on the fracture surface of the resin composition molded article of Comparative Example 4. FIG. In addition, in the photograph of FIGS. 3-5, the part observed white is fluororesin.
[Explanation of symbols]
a Network structure
b Branch structure
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