JP3905127B2 - パスツレラ・ヘモリチカ白血球毒素に対する免疫 - Google Patents

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Description

本発明は、生ワクチンとしての使用に適した修飾微生物に関する。本発明はまた、生物ベクターとしての修飾微生物の使用に関する。本発明は、更に、ワクチン組成物に関する。
ウシ呼吸器系疾患(BRD)コンプレックス、輸送熱または肺炎パスツレラ症は、ウイルス感染、有害環境および貧免疫状態が併合することにより動物が細菌感染しやすくなる多因性疾患である。BRDは、ウシフィードロット産業における経済的損失の主たる原因である。この疾患に関連する主要な微生物は、細菌パスツレラ・ヘモリチカ(Pasteurella harmolytica)血清型1である。(Schiefer et al.,1978)。正常条件下では、P.ヘモリチカは上気道の正常フローラの1種であり、肺クリアランス機構が害された場合のみ肺のコロニー形成が起こって疾病に至る(Frank and Smith, 1983)。菌力因子(virulence factors)の多くは、P.ヘモリチカに関連しており、夾膜ポリサッカライドなどの表面構造(Adam et al.,1984)および熱不安定性の反芻動物白血球に特異的な分泌化外毒素(Shewen and Wilkie,1982)を含む。
この外毒素または白血球毒素(Lkt)は、主な肺の防御や続く免疫応答を害したり、白血球溶解の結果炎症を引き起こすことにより病原性に関与し得る。Lktの特性対比により、それが、アクチノバシラス種、プロテウス・ブルガリス、モルガネラ・モルガニイ、ボルデテラ・ペルツシスを含む種々の細菌により産生されるRTXファミリー毒素の一員であること、それらの殆どがE.coliにより産生されるものであることが示されている(Strathdee and Lo,1989)。全てのRTX毒素は、標的細菌内に小孔を開けることによって、浸透圧バランスを妨害し、標的細菌の破壊を導くという働きをする。作用様式はRTX毒素と同一であるが、その標的細胞は、タイプや交差種特異性の点で大きく変わる。この毒素ファミリーは、構造的に、毒素内にグリシン豊富反復構造があることを特徴とし、これはカルシウムに結合し、標的細胞における認識および結合の役割、小孔形成にかかわる疎水性ドメインの領域、翻訳後活性化のための必要条件、および分泌のためのC−末端シグナル配列への依存関係を持つ。活性RTX毒素の産生および分泌は、少なくとも4つの遺伝子、C、A、BおよびDの活性を必要とする。A遺伝子は、構造毒素をコードし、C遺伝子は翻訳後アクチベーターをコードし、BおよびD遺伝子は、活性毒素の分泌に必要なタンパク質をコードする。Lktは、一つのプロモーターにより転写される4つの隣接遺伝子(CABD)からなるオペロンによりコードされている。Lktは、広い宿主細胞特異性を持つその他多くのRTX毒素とは異なり、反芻動物の白血球に限定される標的細胞特異性を持つ(概説:Coote,1992)。
Lktは、実験的攻撃後のフィードロットにおける肺炎の発病率と重篤度を減少する効果を示すLkt(Gentry et al.,1985;Mosier et al.,1986;Shewen and Wilkie,1987;Shewen et al.,1988)を含有する疾病耐性に関する分野の抗毒素抗体および市販の培養上清ワクチンによる防御免疫にも関連している(Presponse;Langford Inc.,Guelph,Ontario,Canada)。この培養上清ワクチンは、抗Lkt抗体を含む以外に、培養上清に存在するその他の可溶性抗原に対する免疫応答も刺激するので、抗Lktと防御との間に直接的な相関関係は要求されないこともある。
この分野でのパスツレラ細菌ワクチン(不活性ワクチン)の使用は、肺炎性パスツレラ症を制御するという限られた成功しか収めておらず、数回の実地試験では、細菌ワクチンベースのワクチンを投与しても疾病を防御せず、または疾病の増大を導く場合もあった(Bennett,1982;Morter et al.,1982)。細菌ワクチンには、部位反応をもたらし得るアジュバントの使用が必要であるという不利点もあり、防御のためには多くの場合で多回用量を必要とする。
本発明の目的は、従来技術のもつ課題を1つ以上解決することである。
従って、一態様では、本発明は、部分的にまたは完全に不活性化されているLkt毒素を産生する修飾微生物を提供する。
“修飾”という用語は、組換えDNA技術またはその他の技術、例えば、化学的にまたは放射能により引き起こされる突然変異誘発、による修飾を含む。組換えDNA技術は、外来DNAの宿主細胞への導入に関連し、そのDNAはあらゆる適切な方法により導入できる。適切な方法には、コンピーテント細胞の形質転換、形質導入、接合および電気穿孔がある。
本発明の更なる実施態様では、微生物のLkt構造遺伝子および/または翻訳後アクチベーターを含むLkt毒素オペロンが部分的にまたは完全に不活性化されている修飾微生物が提供される。
請求の範囲および説明で使用した“Lkt毒素オペロン”という用語は、Lkt毒素オペロン産物であるLkt毒素の発現にかかわるような遺伝子を含むことを意図する。Lkt毒素オペロンに含まれる遺伝子には、翻訳後アクチベーター遺伝子(C)、構造遺伝子(A)および活性化Lkt毒素の分泌に必要なタンパク質をコードするBおよびD遺伝子がある。
請求の範囲および説明で使用した“部分的にまたは完全に不活性化”という用語は、組換えDNA技術および化学的にまたは放射能により引き起こした突然変異誘発または部位特異的突然変異誘発による遺伝子の修飾を含み、組換えDNA技術には、標的構築物またはプラスミド分離を用いる、DNAの導入およびDNAの遺伝子からの欠失があり、単一または複数ヌクレオチド置換、付加および/または欠失を含み、その欠失には遺伝子の完全または部分的欠失がある。
本出願人は、Lkt毒素前駆体が有毒活性を低減することを見いだした。意外にも、本出願人は、Lkt毒素前駆体が、Lkt毒素を産生する微生物による異種攻撃に対する交差防御を表す動物の免疫応答を誘発できることも見いだした。
従って、本発明の好ましい実施態様では、不活性化Lkt毒素は、Lkt毒素前駆体である。前駆体は、Lkt構造遺伝子のプロセッシングされない発現産物であり得る。Lkt構造遺伝子は、Lkt A遺伝子であり得る。
微生物は、天然にはLkt毒素を産生しないものであってもよい。その微生物は、その中にLkt A遺伝子などのLkt構造遺伝子が導入されている、細菌、ウイルスまたはカビであり得る。
しかしながら、好ましい実施態様では、微生物は、Lkt毒素を天然に産生するものである。Lkt毒素を天然に産生する微生物は、パスツレラ・ヘモリチカであり得る。
本出願人は、Lkt毒素を天然に産生する微生物は、前駆体産物の翻訳後アクチベーターを除去することにより、不活性Lkt毒素前駆体を産生するように操作できることを見いだした。従って、好ましい実施態様では、この微生物はLkt毒素前駆体の翻訳後アクチベーターを産生できないか、または不活性化された、Lkt毒素前駆体の翻訳後アクチベーターを産生する。翻訳後アクチベーターは、Lkt C遺伝子産物であり得る。
好ましい実施態様では、微生物のLkt C遺伝子は、不活性化されているか、または部分的または完全に欠失している。Lkt C遺伝子は、部位特異的突然変異誘発により不活性化することができる。Lkt C遺伝子は、どのような単一または複数ヌクレオチド置換、付加および/または欠失によっても不活性化できる。好ましくは、Lkt C遺伝子は、標的構築物を用いる相同的組換えにより不活性化する。標的構築物は、所望の挿入部位のフランキング配列に相同な配列によりフランクされた選択マーカーを含み得る。選択マーカーは、水銀などの有害物質に対する耐性を与える遺伝子であることができ、または抗生物質耐性決定子であってもよい。抗生物質耐性決定子は、アンピシリン耐性、カナマイシン耐性またはストレプトマイシン耐性をコードする遺伝子であり得る。
ある環境では、修飾微生物内に取り込まれた機能性抗生物質耐性遺伝子を持つのは望ましくない場合もある。従って、本発明は、反復配列などの遺伝子エレメントを含む標的構築物を包含し、この遺伝子エレメントは、標的構築物が一旦、宿主染色体による相同的組換えを受けると、抗生物質耐性遺伝子の削除を容易にするものである。
本発明は、選択マーカーを含まない標的構築物も包含する。例えば、標的構築物は、欠失のあるLkt C遺伝子のセグメントを含むこともある。宿主染色体と共に標的構築物が相同的組換えを受けた結果、欠失箇所が染色体Lkt C遺伝子へ導入されることになる。この場合、Lkt毒素の産生がないことに基づいて組換え体を選択できる。
標的構築物は、宿主細胞へ鎖状形態で直接導入できる。あるいは、標的構築物は自殺(スイサイド)または非複製ベクターを介して導入することもできる。自殺ベクターは、宿主微生物中で複製できないどのようなプラスミドであってよい。天然にLkt毒素を産生する微生物は、pEPベクターに対して非許容宿主であることが多い。従って、pEPベクターは、本発明で使用できる自殺ベクターの例である。
その他の実施態様では、部位特異的突然変異誘発は、プラスミド分離の技術により達成できる。例えば、選択マーカー遺伝子で分断されたLkt C遺伝子のフラグメントを含有するプラスミドを微生物へ導入することができる。続いて、その微生物は、第2の選択マーカー遺伝子を含有する第2のプラスミドで形質転換させることができる。その後、両方のプラスミドを含む宿主細胞は、第1のプラスミドに対してのみ選抜する培地により継代できる。そのため、第1のプラスミドは失われるが、選択マーカーを含む分断Lkt C遺伝子フラグメントの染色体への組換えが起こる場合もある。そのため、このプロセスは、分断Lkt C遺伝子の染色体Lkt C遺伝子への組換えを促進でき、そうして染色体Lkt C遺伝子を不活性化する。
本発明の更なる態様では、部分的にまたは完全に不活性化されているLkt毒素をコードする発現ベクターを提供し、該ベクターはLkt構造および/または翻訳後アクチベーター遺伝子を含むLkt毒素遺伝子をコードしており、該Lkt毒素オペロンは部分的または完全に不活性化されている。
請求の範囲および説明で使用した“発現ベクター”という用語は、外来DNA配列を含むDNA配列を発現する染色体または染色体エレメントを含む。
Lkt A遺伝子産物は、染色体Lkt A遺伝子から発現させることができる。染色体Lkt A遺伝子は、その本来の位置で染色体上にあることができ、またその本来の配置以外の位置で染色体へ挿入することもできる。更に、Lkt遺伝子産物は、プラスミドなどの染色体外エレメント上にあるLkt A遺伝子から発現させることができる。そのため、一実施態様では、Lkt A遺伝子を含有する染色体外エレメントは、機能的染色体Lkt A遺伝子と不活性化染色体Lkt C遺伝子をもつ微生物へ導入できる。染色体外エレメントから発現されるLkt A産物は、染色体遺伝子から発現されるLkt A産物を補うことができる。
あるいは、Lkt A遺伝子産物は、全体的にプラスミドなどの染色体外エレメント上にあるLkt A遺伝子または遺伝子群から発現させることができる。染色体外エレメント上にあるLkt A遺伝子は、染色体外エレメントに対する選択の存在下または存在下のいずれかで発現させることができる。そのため、一実施態様では、Lkt A遺伝子を含有する染色体外エレメントを、機能的染色体Lkt AおよびLkt C遺伝子を欠く微生物に導入することができる。機能的Lkt AおよびLkt C遺伝子を欠く微生物は、微生物の突然変異誘発により製造できる。突然変異誘発は、Lkt AおよびLkt C遺伝子またはその部分の欠失をもたらすものであり得る。
この染色体外エレメントは、Lkt A遺伝子を含む組換え発現ベクターであってもよい。好ましくは、組換え発現ベクターは、天然にLkt毒素を産生する微生物においてLkt A遺伝子を発現させるものである。この組換え発現ベクターは、P.ヘモリチカにおいてLkt A遺伝子を発現させることができる。組換え発現ベクターは、pIGプラスミドから得ることができる。組換えプラスミドは、pIG3Bから得ることができる。組換えプラスミドは、pIG3B−Lktであり得る。
APP(Ph)に基づく細菌ベクター系は、宿主細胞へ“裸の(naked)DNA”ワクチン分子を送達する別の手段を提供する。このような裸のDNAワクチン/発現系は、細菌系で複製可能なプラスミドと、対象の外来/組換え遺伝子の発現を制御する真核生物プロモーターを含む。
好ましい実施態様では、微生物は、Lkt毒素分子の分泌を促進する1種以上の機能性タンパク質を産生できる。この微生物は、機能性Lkt Bおよび/またはLkt D遺伝子を持つことができる。その他の実施態様では、微生物は、Lkt毒素分子の分泌にかかわる少なくとも1種のタンパク質を産生できないか、またはLkt毒素分子の分泌にかかわる少なくとも1種の不活性タンパク質を産生する。この微生物は、不活性Lkt Bおよび/またはLkt D遺伝子を持つことができる。従って、この微生物は、活性なまたは不活性なLkt毒素分子を分泌できないこともある。
その他の態様では、本発明は、Lkt毒素前駆体を含むワクチン組成物を接種した宿主動物において免疫学的応答を誘発するためのワクチン組成物を提供する。Lkt毒素前駆体は、Lkt構造遺伝子のプロセッシングされていない発現産物であり得る。Lkt構造遺伝子は、Lkt A遺伝子であり得る。
本発明は、更に、部分的にまたは完全に不活性化されているLkt毒素を産生する修飾微生物を含むワクチン組成物を提供する。好ましくは、不活性化Lkt毒素は、Lkt毒素の前駆体である。この前駆体は、Lkt構造遺伝子のプロセッシングされていない発現産物であり得る。Lkt構造遺伝子は、Lkt A遺伝子であり得る。好ましくは、微生物はパスツレラ・ヘモリチカである。好ましくは、微生物のLkt C遺伝子は不活性化されているか、または欠質している。
好ましい実施態様では、修飾微生物を含むワクチン組成物は、生ワクチンである。
本発明のワクチン組成物は、アジュバントまたは免疫刺激分子を追加しても、または追加しなくても医薬的に許容できるどのような媒体にも組み込むことができる。
そのアジュバントは適切な種類のものならどれでもよい。アジュバントは、植物油またはそのエマルション、界面活性物質、例えば、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミノ酸エステル、オクタデシルアミン、リソレシチン、ジメチル−ジオクタデシル−アンモニウムブロミド、N,N−ジオクタデシル−N'−N'ビス(2−ヒドロキシエチル−プロパンジアミン)、メトキシヘキサデシルグリセロール、およびプルロニック・ポリポル(pluronic polypols);ポリアミン、例えば、ピラン、デキストランスルフェート、ポリIC、カルボポル;ペプチド、例えば、ムラミルジペプチド、ジメチルグリシン、ツフシン(tuftsin);免疫刺激複合体(ISCOMS);油状エマルション;および鉱物ゲルおよび懸濁物から選択することができる。アルミなどの鉱物懸濁物、即ち、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、リン酸アルミニウムまたは硫酸アルミニウムが好ましい。アジュバントは、ワクチン組成物の総重量に対しおよそ1から75重量%の量で存在し得る。
Lkt毒素前駆体またはLkt毒素前駆体を産生する能力のある微生物を含む本発明のワクチンが、対応するLkt毒素を産生するある範囲の血清型の微生物に対する防御を提供する可能性を持つことは評価されるであろう。
その他の態様では、本発明は、活性なLkt毒素を産生できないように修飾したパスツレラ・ヘモリチカ細菌を含む生物ベクターを提供する。
好ましい実施態様では、この修飾細菌は、Lkt毒素前駆体の翻訳後アクチベーターを産生できないか、またはLkt毒素前駆体の不活性化翻訳後アクチベーターを産生する。翻訳後アクチベーターは、Lkt C遺伝子産物であり得る。好ましい実施態様では、修飾細菌のLkt C遺伝子は、不活性化されているかまたは欠失している。Lkt C遺伝子は、単一または複数ヌクレオチド置換、付加および/または欠失により不活性化できる。
Lkt C遺伝子は、選択マーカーを含有する標的構築物を部位特異的組換えを経てLkt C染色体遺伝子へ導入することにより、不活性化できる。標的構築物は、遺伝子エレメント、例えば反復単位を含むことができ、この遺伝子エレメントは、標的構築物が一旦、宿主染色体による相同的組換えを受けると、抗生物質耐性遺伝子の削除を容易にするものである。あるいは、選択マーカーを含有しない標的構築物を用いてLkt C染色体遺伝子内に欠失を導入することもできる。
Lkt A遺伝子産物は、染色体Lkt A遺伝子から発現させることができる。染色体Lkt A遺伝子は、その本来の位置で染色体上にあることができ、またその本来の配置以外の位置で染色体へ挿入することもできる。更に、Lkt遺伝子産物は、プラスミドなどの染色体外エレメント上にあるLkt A遺伝子から発現させることもできる。あるいは、Lkt A遺伝子産物は、全体的に、プラスミドなどの染色体外エレメント上にあるLkt A遺伝子または遺伝子群から発現させることもできる。
好ましい実施態様では、微生物は、Lkt毒素分子の分泌を促進する1種以上の機能性タンパク質を産生できる。この微生物は、機能性Lkt Bおよび/またはLkt D遺伝子を持つことができる。その他の実施態様では、微生物は、Lkt毒素分子の分泌にかかわる少なくとも1種のタンパク質を産生できないか、またはLkt毒素分子の分泌にかかわる少なくとも1種の不活性タンパク質を産生する。
“生物ベクター”という用語は、生物学的に活性な分子の発現に適した生物学的手段を含むその最も広義で用いている。生物学的手段は、好ましくは生存能のある微生物であるが、死滅微生物を採用してもよい。生物ベクターは、非病原性であるか、または無毒化してもよく、または非病原性または無毒性の有効量で与えることもできる。“生物学的に活性な分子”という用語は、成長因子、ホルモン、酵素、抗原またはその抗原性部分、インターロイキンなどのサイトカイン、インターフェロンおよび腫瘍壊死因子などの機能性分子を含む。あるいは、この分子は、生物学的に活性な分子をコードする遺伝子または遺伝子群を持つプラスミドで生物ベクターを形質転換させ、その後それを発現させることにより;または、プラスミドおよび/または遺伝子または遺伝子群および/またはその部分を、その遺伝子または遺伝子群またはその部分が発現される染色体および/または天然または非天然の染色体外エレメントを含む宿主ゲノムへ組込んだ場合に、発現される組換え分子であってもよい。
本発明の生物ベクターを用いて1種以上の有用なタンパク質を宿主動物へ提供できることは評価されるであろう。そうして提供されるタンパク質は、協動的に作用して宿主動物において反応の増強を引き起こすことができる。例えば、生物ベクターは、宿主動物中で抗原に対する免疫原性応答を高める分子と共に抗原を産生できる。免疫原性応答を高める分子は、サイトカインであり得る。
本発明の生物ベクターを使用して多価ワクチンを提供できることは評価されるであろう。“多価ワクチン”という用語は、最も一般的な意味で用いており、修飾微生物上の、または修飾微生物によって発現される2つ以上の別個の抗原エピトープに対する免疫応答を誘発する能力があり、その2つ以上のエピトープがその修飾微生物に固有のものである、修飾微生物にまで及ぶものである。しかしながら、より一般的には、多価ワクチンは、該微生物の有毒形態並びに該微生物により発現される、微生物の固有のものではない、異種抗原(例えば、組換え抗原または形質導入、接合または形質転換により導入されるもの)に対する免疫応答を誘発する能力のある修飾微生物を含む。この点で、多価ワクチンは、2種以上の病原体に対するものであって良い。好ましい多価ワクチンは、Lkt毒素に対する、また1種以上の病原体由来の少なくとも1種の抗原性エピトープに対する免疫応答を誘発する能力のあるものである。病原体は、パスツレラ種、ヘモフィラス種、モラキセラ種、レプトスピラ種、ストレプトコッカス種、サルモネラ種、E.コリ、フソバクテリウム種、クロストリジウム種、マイコバクテリウム種などの細菌病原体から選択できる。病原体は、ヘモカス種、トリコストロンジラス種などの内部寄生体、またはブーフィラス種などの外部寄生体からも選択できる。あるいは、病原体は、ウシウイルス性下痢ウイルス(BVDV)、パラインフルエンザウイルス(PI3)、感染性ウシ鼻腔気管炎(IBR)、コロナウイルス、ロタウイルスなどのウイルス病原体から選択してもよい。
本発明は、更に、活性Lkt毒素を産生する微生物を提供し、そしてLkt C遺伝子を不活性化または欠失することを含む、部分的にまたは完全に不活性化されているLkt毒素を産生する修飾生物体の製法を提供する。
本発明は、更に、活性Lkt毒素を産生する能力のない微生物を提供し、そして機能性Lkt A遺伝子を該微生物内へ導入することを含む、部分的にまたは完全に不活性化されているLkt毒素を産生する修飾生物体の製法を提供する。
本発明は、更なる態様において、Lkt毒素産生微生物に対する動物のワクチン接種法を提供し、該方法は、本発明のワクチンの免疫学的有効量を該動物に投与することを含む。
このワクチン接種法は、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギなどの家畜の処置に有用である。このワクチン接種法は、ウマ、イヌやネコなどの伴侶動物の処置に使用することもできる。ワクチン接種法は、ヒトの処置に使用することもできる。好ましい実施態様では、ワクチン接種法は、ウシの処置に利用する。好ましくは、このワクチン接種法は、ウシ呼吸器系疾患(BRD)コンプレックスの処置に利用する。
本発明によるワクチンまたはワクチンベクターの投与は、経口または非経口投与などの適切な経路によるものである。この投与は、経鼻または経膣などの粘膜投与であることもできる。あるいは、筋肉内、経皮、皮下または腹膜内投与であってもよい。製剤は、乾燥または液体形態であり得る。選択した投与経路によっては、プロテアーゼ阻害剤、抗炎症剤などの付加成分を必要とする場合もある。
本発明は、更なる態様において、病原体に対する動物のワクチン接種法を提供し、該方法は、該病原体の免疫学的有効量の抗原を合成する本発明のワクチンベクターの有効量を該動物に投与することを含む。
更に別の態様では、本発明は、本発明の修飾微生物を培養し、該微生物によって産生された不活性毒素を回収することを含む、不活性Lkt毒素の製法を提供する。本方法により産生された不活性Lkt毒素は、例えばワクチン中の活性免疫原としてLkt毒素に対する防御免疫応答を刺激するために使用することができる。
本明細書の説明および請求の範囲全般にみられる、“含む”という用語やその変形の“含んでなる”という用語は、他の添加物、成分、集合体または工程の排除を意図するものではない。
本発明を一層容易に理解できるよう、下記に実施例を非限定的に提供する。
【図面の簡単な説明】
図1。E.コリのLkt発現カセットの構築。Lkt遺伝子は、Lktを発現させるためのポリHISリーダー配列をフレーム内に持つpQE中にクローン化した。pUC4K由来のカナマイシン耐性遺伝子は、pQE−Lktプロモーター/レギュレーター配列の5'のユニーク(唯一の)XhoI制限部位にクローン化した。得られたプラスミド、pQE−LktKは、カナマイシン耐性遺伝子に連結させた制御発現下のLkt遺伝子を含有する。
図2。アクチノバシラス・プルロニューモニアエのオーストラリア株から単離した、ストレプトマイシン耐性をコードする4.2kbプラスミドであるpIG3の部分的制限酵素地図(図2A)。2.3kbのPstIフラグメント(pIG317)は、プラスミド複製をコードし、自己ライゲーションした場合にストレプトマイシン耐性を与えるのに十分であることが分かっているので、これをE.コリまたはP.ヘモリチカへ形質転換した。マルチクローニングサイト(MCS)といlac遺伝子の一部を含有するプラスミドベクターpIG3Bは、pIC19RのHaeIIフラグメントをpIG317のユニークEcoRI部位へ導入することにより構築した(図2B)。MCSとプラスミド主幹にて切断するPstIを除くユニーク制限酵素部位は、pIG3B(C)で示す(図2C)。
図3。P.ヘモリチカで使用するLkt発現カセットの構築。カナマイシン耐性遺伝子と連結させた、pQE−LktK由来のこのLkt発現カセットは、Sph1I制限酵素フラグメントとして単離し、T4DNAポリメラーゼで処理して、平滑末端を作り、pIG3BのユニークEcoRVにクローン化した。pIG3Bのマルチクローニングサイトのユニーク制限酵素部位が全て示されているわけではない。
図4。Lkt発現カセットを含有するPh:Lkt-株のウエスタン・ブロット解析。P.ヘモリチカEMAI、Ph:Lkt-およびLkt発現カセット(pIG3B−Lkt)を含有するPh:Lkt-株の指数増殖培養由来のサンプルをウエスタン・ブロッティングにより試験した。毒素バンドは、Lktに対して生じたウサギ抗血清を用いて検出した。抗Lkt血清は、P.ヘモリチカ株EMAIの調製の際にLktに相当するサイズのポリペプチドとPh:Lkt-/pIG3B−Lktには結合したが、Lkt欠損株Ph:Lkt-の類似サイズのバンドは認識しなかった。
図5。Ph中のpIGベースのCAT発現カセット。一連のpIGベースの発現カセットをPh中でCAT遺伝子を発現させるために構築した。各プラスミドは、CAT遺伝子の5'側に並ぶプロモーターを持つ同じ構造であった。この研究に使用したプロモーターは、Ph Lktプロモーター;パスツレラ・マルトシダの皮膚懐死性毒素から単離したDNTプロモーター;アクチノバシラス・プルロニューモニアエのAPX1毒素から単離したAPX1プロモーターであった。
材料および方法
細菌株および生育条件
この研究に使用したP.ヘモリチカ株は、NSW Dept.Agriculture,Elizabeth Macarthur Institute,Menangle(EMAI;オーストラリア)またはAmerican Type Culture Collection(ATCC)から入手した。P.ヘモリチカ株は、ブレイン・ハート・インフュージョン培地(BHI)中37℃で連続振盪しながら生育させた。血液寒天は、5%滅菌脱繊維素ヒツジ赤血球をBHI寒天に添加することにより、調製した。抗生物質は、カナマイシンを最終濃度25μg/mlで使用した。Sambrook等(1989)に概説されている標準技術を用いて、E.コリ株DH5αを本研究に使用した。
P.ヘモリチカ ゲノムDNAの単離
BHIで生育させたP.ヘモリチカEMAIの一晩培養物1ml中に存在する細菌を遠心にて集め、上清を捨てた。ペレットをリソチーム(7.5mg/ml)含有TE(10mMトリス−HCl、pH8.5/1mM EDTA)1mlに再懸濁し、37℃で2時間インキュベートした。溶液を0.1M NaCl、1%SDSおよび2.5μg/mlプロテイナーゼKの最終濃度に調整した後、インキュベーションを50℃で一晩続けた。翌日、調製物を0.5M NaClに調製し、フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(100:99:1、V/V/V)で2回抽出し、次いで、0.6容量のイソプロパノールを添加してゲノムDNAを沈澱させた。
Lkt遺伝子の単離およびクローニング
Lkt遺伝子の増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて実施した。反応は、ゲノムDNA(EMAI)50ng、オリゴヌクレオチドプライマー3ng、50mM KCl、10mMトリス−HCl、pH8.3、2.5mM MgCl2、200mg/ml BSA、200mMのdATP、dCTP、dGTPおよびdTTPそれぞれ、更にTaq DNAポリメラーゼ(Perkin Elmer Cetus,USA)1単位を含んでなる50μl容量中で実施した。
反応物を、等容量のパラフィン油で覆い、94℃まで1分間加熱し、55℃まで2分間冷まし、72℃まで5分間加熱した。このサイクルをPerkin-Elmer-CetusのDNA熱循環を用いて35回繰り返した。特異的オリゴヌクレオチドは、公開されたLkt遺伝子の配列に基づき設計した(Lo et al.,1987;Highlander et al.,1989)。2つのオリゴヌクレオチドの配列は、5'CGCGGATCCCGGGCCATGGGAACTAGACTTACAACC3'と5'CGCGAATTCTTAAGCTGCTCTAGC3'であり、クローニングが容易なように5'末端にBamHI部位および3'末端にEcoRI部位を持つPCR産物を産生するように設計した。これらのオリゴヌクレオチドは、遺伝子アセンブラー・プラスDNA合成機(gene Assembler Plus DNA Synthesiser)(Pharmacia,Sweden)を用いて合成した。Lkt遺伝子の予想分子量に相当するPCR反応産物を遺伝子クリーニング(gene cleaning)(BRESATech,Australia)によりアガロースゲルから単離し、BamHIおよびEcoRIで制限酵素消化し、pUC18(Yanish-Perron et al.,1985)の対応する部位にクローン化して、プラスミドpUC−Lktを形成した。二本鎖塩基配列決定によりLkt遺伝子を含有するクローンを確認した(結果表示せず)。
プラスミドDNAによるP.ヘモリチカの形質転換
電気コンピーテントなP.ヘモリチカは、BHI培地に単一コロニーを接種し、BHI/血液寒天プレートで一晩培養することにより調製した。培養物はOD600が0.8になるまで生育させ、その時点で培養物は中間対数増殖中であった(データ表示せず)。遠心により細菌を回収し、15%グリセロールで3回洗浄し、元の容量の1/50に再懸濁した。電気コンピーテントなP.ヘモリチカのアリコート(50μl)を次の条件を用い、プラスミドDNAで形質転換した:1000Ω、2.25kVおよび25μF、0.2cmキュベット中。その後、適切な抗生物質選択を含有するBHI寒天上にまく前に、電気穿抗により形質転換した細胞を抗生物質選択なしに37℃で4時間振盪しながらBHI培地で生育させた。
抗血清の製造
PCRにより得られたLkt転写解読枠(オープン・リーディング・フレーム)をpUC−Lktから発現ベクターpGEX2Tへサブクローン化し、フレーム内にGST遺伝子があるようにした。GST−Lkt融合タンパク質を製造元使用説明書(Pharmacia,Sweden)に従いGSTアフィニティー・クロマトグラフィーにより精製した。
ウサギに精製タンパク質(100μg)を2週間間隔で計3用量与え、最初は完全フロイントアジュバント中で、続くワクチン接種は不完全フロイントアジュバント中であった。
ウエスタン・ブロット解析
ウエスタン・ブロット(イムノブロット)解析は、Sambrook et al.(1989)の方法により実施した。GST−Lkt融合タンパク質に対して製造したウサギ血清を50分の1希釈でLktの検出に使用した。1000分の1希釈で使用したコンジュゲートは、基質としてテトラメチルベンジジン(McKimm-Breschkin 1990)を持つヒツジ抗血清ウサギIgアファニティー単離HRPコンジュゲート化抗血清(sienus)であった。ウエスタン・ブロット解析用の細菌サンプルは、一晩培養物を適切な生育培地で20分の1に希釈し、37℃で勢いよく振盪しながらOD600が0.8になるまでインキュベートすることにより、調製した。この点で全培養物20μlを含有するサンプルをSDS−PAGEで解析し、バイオ−ラド・トランスブロット・セル(Bio-Rad Transblot Cell)を用いて製造元説明書に記載のようにタンパク質をニトロセルロース(Bio-Rad)に移した。
P.ヘモリチカのLkt発現カセットの構築
Lkt転写解読枠(ORF)をpUC−Lktから、図1に概説したようにフレーム内にポリHis精製シグナルを持つ発現ベクターpQE30(IQAGEN Inc.,Chatsworth,CA,USA)へサブクローンした。Lkt遺伝子のpQE30からの発現(pQE30−Lkt)は、E.コリファージT5プロモーターおよび2つのlacオペレーター配列の制限下であった。pQE−Lkt由来のこの発現エレメントを別のプラスミドへ容易にサブクローニングするために、図1に概説したようにpQE−Lktへクローニングする前にカナマイシン耐性遺伝子をpUC4K(Pharmacia)から単離し、pIC20Rを介してシャトルさせた。得られたプラスミド、pQE−LktKは、カナマイシン耐性遺伝子と、T5プロモーターに連結させたLkt遺伝子とを含有し、両方ともユニークSphI制限酵素部位にフランクされている(図1)。
P.ヘモリチカを形質転換するのに適したプラスミドは、我々の実験室にて開発した。親プラスミドをアクチノバシラス・プルロニューモニアエのオーストラリア株から単離し、図2A、2Bおよび2Cに概説したプラスミドベクターpIG3Bへと発展させた。Lkt遺伝子含有SphI制限酵素フラグメントおよび転写調節シグナルをpQE−T1Kから単離し、pIG3BのEcoRV部位にサブクローン化して、図3に概説したP.ヘモリチカLkt A遺伝子発現ベクターpIG3B−Lktを製造した。
P.ヘモリチカワクチン株の構築
Lkt C遺伝子の小部位を欠失するよう設計したP.ヘモリチカ(EMAI株)染色体の部位突然変異誘発プロセス中、血液寒天プレート上で溶血ゾーンを作ることのできない単離物を得た。この株(Ph:Lkt-)を更に特性化したところ、Lkt CとAの両方の生産について欠陥のあることが示された。
Ph:Lkt-株は、材料および方法のところで記載のようにpIG3B−Lktにより形質転換させ、DNAをカナマイシン耐性コロニーから単離し、制限酵素消化により解析して、pIG3B−Lktの予想プロフィールを確認した。
P.ヘモリチカワクチン株の特性化
pIG3B−Lkt含有Ph:Lkt-株、並びにP.ヘモリチカPh:Lkt-およびATCC株の一晩培養物を、GSTアフィニティー精製Lktタンパク質に対して生じるウサギの抗血清を用いてウエスタン・ブロッティングにより試験した。ウエスタン・ブロット(図4)から、Ph−Lkt-株は血清中に存在するどの抗体とも特異的に結合しないが、野生型ATCC株とpIG3B−Lkt含有Ph:Lkt-株の両方は、Lkt抗血清と反応する、Lktの予想分子量のタンパク質を産生することが理解できる。
実施例1
ウシでのPh毒素 - -ワクチンの評価
およそ1年齢のウシを使用前に採血して、Phに対する抗体が予め存在しないことを確認し、その後、それらを3匹ずつ2つの無作為グループに分けた。0日目に、1グループの3匹にPh−Lktの指数増殖培養物50ml(5×1010c.f.u.に等しい)を気管内接種により与えた。ワクチン接種実験に先立ち、ウシに5×1010から2×1011の範囲のPh−Lkt-ワクチン株用量を与えるという実験を実施し、臨床兆候について監視し、肺病変が発症したかどうかを測定するため攻撃後1週間で解剖した。試験した全ての用量で肺病変は現れず、またウシも正常範囲外の体温を示さなかった。第2グループは非ワクチン接種対照とした。14日目にウシに0日目のように再度ワクチン接種した。28日目に、全てのウシを野生型Phの指数増殖培養物100mlで気管内直接接種により攻撃した。臨床兆候を次の8日間監視し、その時点で全てのウシを安楽死させ、肺病変をスコアした。
攻撃後8日目の解剖時点で各動物に存在する肺病変の数および重篤度は表1に表す。非ワクチン接種対照をPhで攻撃すると、攻撃を受けたウシ3匹のうち2匹で急性肺炎が起こった。3番目のウシは、解剖時にPh感染のなんの兆候も示さなかったが、恐らく、気管を介し攻撃を送達する際のエラーによるか、あるいは、Phが多くのウシでは共生物であるので、このウシでは攻撃前にPhに対する免疫が発生したのかもしれない。ワクチン接種した動物グループの中で、1匹だけPh感染の兆候を発症した。それは、右先端葉における幾つかの小葉が硬化(1cm以下のサイズ)した形であった。
この実験は、明らかに、Ph誘導BRDからウシを防御するための生ワクチンとしてPh−Lkt-を使用できる可能性を示している。Ph−Lkt-株による攻撃はウシ肺において病変を誘導しない(1011c.f.u.の用量まで)ことが分かっているので、ワクチン株はウシに悪影響を及ぼさないであろう。最も適切な攻撃用量を測定するために実施した実験では、野生型Phによりこの実験に使用した用量で3回攻撃した結果、48時間以内に動物(3匹中3匹)を死に至らしめた。最高の1×1011c.f.u.で攻撃した場合でされ、たった1回のワクチン接種でPh感染の兆候を示し、これは、3匹の非ワクチン接種対照のうち2匹で観測されたレベルよりもかなり低いレベルであった。この動物における病変を更に特性化したところ、それが8日齢以上の慢性形態である(即ち、攻撃前に存在する)ことが示された。この病変から単離したPhは、Lktを産生することが分かっているので、ワクチン株ではない。恐らく、この病変はワクチン接種の際の日和見的な野生型Ph感染の定着から生じたと思われる。1匹は、Ph−Lkt-株のPh感染の軽い兆候を発症したが、防御免疫においてある役割を持つことが知られている不活性形態のLktがこの株から発現することにより、得られる防御レベルが増大すると結論付けるのが妥当である。この株からLktの不活性形態が発現する可能性は、この明細書のほかの部分にも示している(図4)。
外来タンパク質のPhベクターからの発現
Phから組換え遺伝子が発現される可能性は、本明細書の前述部分のLkt遺伝子がPh Tox-株内でプラスミドから発現されるところで示した。このプラスミドから発現されるLktは、ウェスタンブロットにおいてLktに対して産生される抗血清と反応することが分かった(図4)。LktをPhから発現させる以外に、別の抗原をLktオペロンの修飾により最初に無毒化しておいたPh株から発現させて、多価ワクチンを作ることも可能である。
更に、Phが細菌性ベクターとして働く可能性を示すため、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子の発現を支配する多くのプロモーターを使用した一連のpIGベースの発現カセット(図5)を構築した。CAT遺伝子は、抗生物質クロラムフェニコールに対する耐性を与え、かつ酵素反応において容易に定量される酵素をコードする。我々の研究室では、PhにおけるCAT遺伝子の発現を支配するために使用したプロモーターをパスツレラ科ファミリーに属する様々な細菌から単離した。様々なプロモーター/CATカセット(pIG−CAT)をE.コリにて構築し、次いでこれを材料および方法のところで記載のようにPhへ形質転換した。プラスミドDNAを抗生物質耐性コロニーから単離し、制限酵素消化により解析して、予想プロフィールを確認した。CAT発現カセットで形質転換した全てのPh株は、抗生物質クロラムフェニコールに対して耐性であることが分かった。各構築物により発現されるCAT活性のレベルは酵素アッセイにより定量した。
Ph/pIG−CATの指数増殖培養物のサンプルをペレット化し、細菌をトリスpH8.0に再懸濁した。可溶性タンパク質を超音波および遠心により細菌から単離して、抽出物をCATアッセイに使用したが、CAT酵素アッセイは、反応緩衝液(クロラムフェニコール1mg/ml、3H−CoA0.1μl/150μl(Amersham International)、トリスpH8.0)150μlおよびタンパク質抽出物50μlを含有した。反応を30分間進行させ、Econoflur(Dupont)シンチレーション液を用いるシンチレーションカウンティングによりCAT酵素活性レベルを見積もった。CAT酵素反応は、CAT酵素により3H基が有機溶媒(シンチレーション液)に不溶性の基質から有機可溶性産物へ転移することに基づく。評価した全てのプロモーターからは、全てのPh/pIG−CAT構築物のバックグラウンドレベルを有意に越える(表2)CATレベルが得られ、Ph内での外来遺伝子発現を達成するのに適していることが分かった。
細菌ベクターシステムとしてのPhの開発により、商業的に重要な外来タンパク質をウシ粘膜に送達することが可能になるであろう。送達できるタンパク質種には、免疫系を制御および調節するサイトカインがあり、免疫系を非特異的にアップレギュレーションするのに役立つであろう。ベクター化分子は、その他の病原性細菌からの防御抗原でもあり、多価ワクチンを構築する可能性を提供する。このようなワクチンは、単回ワクチン接種後に1種以上の疾病から防御することが可能である。
Figure 0003905127
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最後に、様々な変形、修飾および/または追加が、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、既に記載した部分の構造および配置に導入できると理解される。
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Claims (19)

  1. (i)不活性白血球毒素(Lkt毒素)前駆体を、Lkt毒素を産生することなく、産生および分泌し、そして(ii)ウシに、天然に活性Lkt毒素を産生するパスツレラ・ヘモリチカ(Pasteurella harmolytica)に対する防御免疫応答を誘発する、遺伝子修飾パスツレラ・ヘモリチカ。
  2. 天然にLkt毒素およびLkt毒素前駆体を産生し、そして染色体上の天然の位置に、a)Lkt毒素前駆体を活性化する翻訳後アクチベーターをコードする翻訳後アクチベーター遺伝子を含むLkt毒素オペロン;b)Lkt毒素前駆体をコードするLkt構造遺伝子;およびc)Lkt毒素の分泌に必要なタンパク質をコードする2つの遺伝子を含有するパスツレラ・ヘモリチカから、翻訳後アクチベーターを産生しない遺伝子修飾パスツレラ・ヘモリチカを産生するための翻訳後アクチベーター遺伝子の部位特異的突然変異誘発を含む遺伝子修飾により得られる、請求の範囲第1項に記載の遺伝子修飾パスツレラ・ヘモリチカ。
  3. Lkt毒素前駆体が、Lkt構造遺伝子のプロセッシングされない発現産物である、請求の範囲第1項に記載の遺伝子修飾パスツレラ・ヘモリチカ。
  4. Lkt毒素前駆体が、Lkt構造遺伝子のプロセッシングされない発現産物である、請求の範囲第2項に記載の遺伝子修飾パスツレラ・ヘモリチカ。
  5. Lkt毒素前駆体が、LktA遺伝子によりコードされる、請求の範囲第2項に記載の遺伝子修飾パスツレラ・ヘモリチカ。
  6. 翻訳後アクチベーター遺伝子が部分的にまたは完全に欠失している、請求の範囲第2項に記載の遺伝子修飾パスツレラ・ヘモリチカ。
  7. 翻訳後アクチベーター遺伝子がLktC遺伝子である、請求の範囲第2項に記載の遺伝子修飾パスツレラ・ヘモリチカ。
  8. 翻訳後アクチベーター遺伝子が、組換えDNA技術、化学的に引き起こす部位特異的突然変異誘発、または放射能により引き起こす部位特異的突然変異誘発により修飾される、請求の範囲第2項に記載の遺伝子修飾パスツレラ・ヘモリチカ。
  9. 組換えDNA技術が、(i)単一または複数のヌクレオチド置換、付加および/または欠失、(ii)標的構築物を用いる相同的組換え、または(iii)プラスミド分離である、請求の範囲第8項に記載の遺伝子修飾パスツレラ・ヘモリチカ。
  10. 構造遺伝子が組換えDNA技術、化学的に引き起こす部位特異的突然変異誘発、または放射能により引き起こす部位特異的突然変異誘発により修飾されている、請求の範囲第2項に記載の遺伝子修飾パスツレラ・ヘモリチカ。
  11. 組換えDNA技術が、(i)単一または複数のヌクレオチド置換、付加および/または欠失、(ii)標的構築物を用いる相同的組換え、または(iii)プラスミド分離である、請求の範囲第10項に記載の遺伝子修飾パスツレラ・ヘモリチカ。
  12. 天然にウシにおいて活性Lkt毒素を産生するパスツレラ・ヘモリチカに対する防御免疫応答を誘発するためのワクチン組成物であって、該ワクチン組成物が、
    a)請求の範囲第1項に記載の遺伝子修飾パスツレラ・ヘモリチカ、
    b)医薬的に許容し得る媒体
    を組合せて含むものである、ワクチン組成物。
  13. 天然にウシにおいて活性Lkt毒素を産生するパスツレラ・ヘモリチカに対する防御免疫応答を誘発するためのワクチン組成物であって、該ワクチン組成物が、
    a)請求の範囲第2項に記載の遺伝子修飾パスツレラ・ヘモリチカ、
    b)医薬的に許容し得る媒体
    を組合せて含むものである、ワクチン組成物。
  14. 請求の範囲第1項に記載の遺伝子修飾パスツレラ・ヘモリチカを含む、細菌ベクター
  15. 生物学的に活性な分子をさらに発現する、請求の範囲第14項に記載の細菌ベクター
  16. 該遺伝子修飾パスツレラ・ヘモリチカ微生物に取込まれたプラスミドをさらに含み、該プラスミドが生物学的に活性な分子をコードする遺伝子を持つ、請求の範囲第15項に記載の細菌ベクター
  17. 請求の範囲第2項に記載の遺伝子修飾パスツレラ・ヘモリチカを含む、細菌ベクター
  18. 生物学的に活性な分子をさらに発現する、請求の範囲第17項に記載の細菌ベクター
  19. 該遺伝子修飾パスツレラ・ヘモリチカに取込まれたプラスミドをさらに含み、該プラスミドが生物学的に活性な分子をコードする遺伝子を持つ、請求の範囲第18項に記載の細菌ベクター
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