JP3904747B2 - ナトリウム−硫黄電池用の絶縁リングと陰極金具との熱圧接合方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力貯蔵用などの二次電池として好適に利用されるナトリウム−硫黄電池の構成部材を熱圧接合する方法に関し、詳しくは電池の寿命に影響を及ぼす絶縁リングと陰極金具との接合温度を管理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ナトリウム−硫黄電池は、収納ケースたる陽極容器内に、有底円筒状の固体電解質管を配置し、当該固体電解質管の内側には陰極活物質としてのナトリウムを、外側には陽極活物質としての硫黄を収容した構成を有し、300〜350℃に加熱された状態で使用される。
即ち、イオン化したナトリウムが固体電解質管を透過して硫黄と反応し、多硫化ナトリウムが生成する際に電気を発生させる一方、これとは逆の反応により、ナトリウムと硫黄を生成させて、充電を行う仕組みとなっている。
【0003】
このようなナトリウム−硫黄電池は、発生した電気を取り出し、或いは充電の際に電気を送り込むための陰極金具を有している。当該陰極金具は陽極側と電気的に絶縁された状態で設置する必要があるため、α−アルミナ等の絶縁物質からなる中空円筒状の絶縁リングに熱圧接合されている。
【0004】
絶縁リングと陰極金具との熱圧接合は、例えば図2に示すように、下治具40、絶縁リング30、接合材31、中空管状の陰極金具32の外周面に形成された鍔部32a、上治具39を順次積層し、陰極金具32内周側に陰極金具32の変形防止用の円筒状治具37を緩挿して、高温条件下、治具39,40の一方又は双方から上下方向の圧力を加える方法により行われる。
【0005】
上記の熱圧接合後には、治具37,39,40を取り外し、接合された絶縁リング30と陰極金具32を、図示されない陽極容器内に装填してナトリウム−硫黄電池が組み立てられる。ナトリウム−硫黄電池においては、絶縁リング30の下端側の内周面41にβ−アルミナよりなる有底円筒状の固体電解質管がガラス接合され、当該固体電解質管内には陰極活物質たる金属ナトリウムが充填される。即ち、前記熱圧接合部分は電池運転時においては高温で腐食性の高いナトリウムに曝される位置にある。
【0006】
熱圧接合部分のナトリウムに対する耐食性が低いと、熱圧接合部分の腐食から外部へのナトリウムの漏洩に至るため、ナトリウム−硫黄電池全体の寿命の短縮につながり好ましくない。
熱圧接合部分のナトリウムに対する耐食性は、熱圧接合時の温度、雰囲気圧力、加圧荷重、加圧時間により決定されるため、これらの条件を管理することがナトリウム−硫黄電池の品質を管理する上で非常に重要となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の熱圧接合は、例えば図3に示すような前室52、加熱室53、放冷室54及び後室55に区分されたトンネル状のチャンバからなる連続炉51により行われる。
【0008】
当該連続炉によれば、台車56に積載した複数の被接合物57(以下、「ワーク」という。)は、チャンバの前室52側から、側面及び上下面に加熱体を配設した加熱室53内に連続的に押しこまれ、所定温度にまで加熱された後、加熱室53の末端のプレス部58において熱圧接合され、放冷室54を経て後室55側から連続的に取り出される。従って、大量のワークを効率的に熱圧接合することが可能である。
【0009】
しかしながら、連続炉における熱圧接合にあっては、既述の熱圧接合強度を決定する因子のうち、雰囲気圧力、加圧荷重及び加圧時間は機械的に管理・制御することが可能であるものの、温度の管理・制御については以下の問題点を生じていた。
まず、広い連続炉内には必然的に温度分布が生ずるという問題点がある。一般に、連続炉内の温度は温度センサにより制御・管理されているが、広い連続炉の全ての部分を厳密な意味で均一温度に保持することは至難である。
【0010】
次に、ワーク間で或いはワークの部分によって加熱の程度がばらつくという問題点がある。熱圧接合は真空条件下で行われるため、気体の対流による熱移動が期待できない。即ち、加熱は専らチャンバ側面及び上下面の加熱体からの輻射熱によることになる。従って、複数のワークを台車に載置した状態で搬送する方式では、加熱体との相対的な位置により、ワーク間で或いはワークの部分によって加熱の程度がばらつくのである。
【0011】
上述の如く、連続炉という製造条件においては、各ワークを厳密な意味で均一の温度条件で熱圧接合することは困難であるため、各ワークの実際の接合温度を個別的に管理する方法を考慮する必要がある。例えば移動記憶式測温計(商品名:ファーネストラッカーシステム、データパック社(イギリス)製等)によれば、ワークと共に台車上に載置して連続炉内を搬送することにより、各ワークの実際の接合温度を直接的に測定することが可能である。
【0012】
但し、移動記憶式測温計は煩雑な取り付け作業を伴うため、全ての台車に設置すれば生産性が低下するのは必至である。従って、通常は1日当たり1台車にのみ移動記憶式測温計を設置して接合温度を測定し、当該日の代表サンプルとする方式を採用している。
【0013】
この方式では、代表サンプルで接合温度の不良が確認された場合には、当該日の全ワークを廃棄処分にする等して品質管理を行うことになるが、必ずしも効率の良い方法ではなく、炉内温度が経時変化をする以上、代表サンプルで接合温度の不良が確認されない場合でも、当該日の全ワークの接合温度が良好であることを保証できるわけではない。
【0014】
このように連続炉における熱圧接合では、ナトリウム−硫黄電池の品質管理上非常に重要である、各ワークの実際の接合温度を確認し、管理することが非常に困難であった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、絶縁リングと陰極金具との熱圧接合温度について、できる限り簡易、かつ、正確に管理することができる熱圧接合方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、熱圧接合後におけるワーク(熱圧接合体)の形状と熱圧接合時のワーク温度との間に高い相関関係があることを見出して本発明に想到した。
【0016】
即ち、本発明によれば、少なくとも、中空部を有する円筒状のナトリウム−硫黄電池用絶縁リングの上端面に、接合材を介した状態で、外周面に鍔部が形成された、前記中空部に嵌挿し得る中空管状のナトリウム−硫黄電池用陰極金具を載置するとともに、セラミックからなり、陰極金具の中空管部を嵌挿し得る中空円筒状のバックアップ用リングを有しており、かつ、前記陰極金具の鍔部上面に、接合材を介した状態で、バックアップ用リングを載置した構造、を備えたワークを構成し、当該ワークにおける、前記鍔部の上面側及び/又は絶縁リングの下端面側から加圧する熱圧接合の方法であって、熱圧接合後における前記ワークの形状を代用特性として熱圧接合温度を管理することを特徴とする熱圧接合方法が提供される。
【0017】
本発明の方法は、ワークが、下端に内向きの環状突起が形成された、絶縁リングを嵌挿し得る中空管状の陽極金具を有しており、かつ、前記環状突起の上面に、接合材を介した状態で、絶縁リングを載置した構造、を備えてなるものである場合にも好適に用いることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は、各ワークについて熱圧接合後におけるワーク(熱圧接合体)の形状を代用特性として熱圧接合温度を管理する熱圧接合方法である。
このような方法を採用することにより、通常は確認・管理が困難な各ワークの実際の熱圧接合温度を極めて簡便、かつ、正確に確認することができ、熱圧接合温度が不良の熱圧接合体のみを個別的に除去して効率の良い品質保証をすることが可能となる。以下、本発明の方法について説明する。
【0019】
本発明の方法は、ナトリウム−硫黄電池の絶縁リングと陰極金具との熱圧接合において接合温度を管理する方法である。
絶縁リングとは、管状の陰極金具を嵌挿し得る中空部を備えた、陽極金具と陰極金具との電気的絶縁性を保持するための円筒状の部材である。
通常は絶縁性材料のセラミックスで構成されるが、強度、コスト等に鑑みてα−アルミナが特に好適に用いられる。
【0020】
一方、陰極金具は、一般に厚さが1〜2mm程度のアルミニウム等の薄板で構成された、外周面に鍔部を有する中空管状の部材である。
陰極金具を構成する中空管の外径は、前記絶縁リングの中空部の内径と略一致する寸法に形成される。
【0021】
一般に、絶縁リングと陰極金具との熱圧接合は、540〜560℃付近で行われ、接合材としてはアルミニウム系のロウ材が用いられる。
具体的には、図2(a)に示す如く、絶縁リング30の中空部に陰極金具32の中空管部32bを嵌挿するように、絶縁リング30、接合材31、陰極金具32の鍔部32aを順次積層してワークを構成する。当該ワークは、下治具40及び上治具39に挟持した形で台車に載置する。
【0022】
次いで、当該ワークを複数個載置した台車を既述の連続炉内へ送り込み、加熱室内でワークを徐々に加熱しながら搬送する。
最後に、加熱室末端に設けられたプレス部において、約540〜560℃、雰囲気圧力1×10-4Torr以下の条件下、上下方向の圧力を加えることにより絶縁リング30と陰極金具32とが強固に接合される。
【0023】
このような熱圧接合によれば、図2(b)に示すように鍔部32a下面と絶縁リング30の上端面が接合材31により接合されるとともに、展性に富むアルミニウムの薄板からなる鍔部32aが、熱と加圧荷重による圧力により絶縁リング30の上端面と上治具39下端面との間に延展される。
【0024】
ここで、熱圧接合後における鍔部32aの形状は、熱圧接合時の温度、加圧荷重、加圧時間の因子と相関して変化するが、加圧荷重と加圧時間の因子は連続炉中でも機械的に管理・制御されているため、温度条件にのみ相関して変化することになる。例えば、鍔部32a外縁部から中空管32bの外周部までの距離は、接合温度が高いほど長くなり、逆に接合温度が低ければ短くなる傾向がある。即ち、当該距離と接合温度との間に一定の相関関係がある。
【0025】
このような場合には、図4に示す如く鍔部32a縁端部の任意の点Xから、中空管32における鍔部32aを含む平面の中心Oに至る直線X−O上における距離xを測定するのみで、通常は確認・管理が困難な各ワークの実際の熱圧接合温度を極めて簡便、かつ、正確に確認することが可能となる。
【0026】
本発明における代用特性としては、熱圧接合温度と相関して変化する限りにおいて、上述のような鍔部32aの形状のみならず、熱圧接合後におけるワーク(熱圧接合体)の形状の全てが含まれる。例えば、図7に示すような陰極金具32上端から絶縁リング30の下端面までの距離l5(以下、「陰極金具高さ」という。)も熱圧接合温度との相関を有するため代用特性となり得る。
【0027】
本発明にいう熱圧接合体の形状には、熱圧接合体を構成する各部材の形状の他、各構成部材を組み合わせた際の熱圧接合体の全体形状の双方を包含する。
また、本発明のワークは、少なくとも絶縁リングと、陰極金具と、両者を接合するための接合材を含んで構成されるが、更に他の部材、例えばバックアップ用リングや、陽極金具を含んで構成されていてもよい。
【0028】
バックアップ用リングとは、セラミックで構成された中空円筒状の部材であって、熱圧接合時において治具と鍔部との癒着を防止し、また、電池とした後の高温運転時に陰極金具の伸縮、反り等を防止するための部材をいう。
【0029】
図5に示すように、バックアップ用リング13は、接合材11を介した状態で、鍔部12a上面側の中空管部12bに嵌合させるように配設され、バックアップ用リング13の上端面側及び絶縁リング10の下端面側から加圧して熱圧接合を行う。この場合には、図8に示すように陰極金具32の鍔部32aは絶縁リング30の上端面とバックアップ用リング33の下端面との間で延展されることになる。
【0030】
従って、図8に示すように熱圧接合後における鍔部32a外縁部からバックアップ用リング33の外周部までの距離、即ち、バックアップ用リング33の外周部から鍔部32aがはみ出した部分の距離l1(以下、「はみ出し長さ」という。)を代用特性とすることができる。
はみ出し長さは測定距離が短くて済み、より簡便な確認・管理が可能な代用特性である点において好ましい。
【0031】
また、鍔部32aは延展される際に反りを生じ、外周側が浮き上がるが、この浮き上がり量は接合温度に比例して大きくなる傾向にあるため、絶縁リング30上端面から鍔部32a外縁部までの高さl2(以下、「はみ出し高さ」という。)を代用特性としてもよい。
【0032】
更に、熱圧接合温度が高くなると陰極金具鍔部32aが薄くなることに起因して、絶縁リング30下端面からバックアップ用リング33上端面までの高さl3(以下、「バックアップ用リング高さ」という。)も小さくなる傾向にあるため、バックアップ用リング高さも代用特性となり得る。
【0033】
陽極金具とは、陰極金具と同様に厚さが1〜4mm程度のアルミニウム等の薄板で構成された、下端に内向きの環状突起が形成され、絶縁リングを嵌挿し得る中空管状の部材である。陽極金具は、陰極金具とは電気的に絶縁する必要から絶縁リングの下端面に熱圧接合される。
【0034】
陽極金具を熱圧接合する際には、図9に示すように、陽極金具35の環状突起35aの上面に、接合材34を介した状態で絶縁リング30を陽極金具の中空管35bに嵌挿するように載置し、陽極金具の環状突起35a下面側及び陰極金具鍔部32a上面側から加圧する。
この場合には、図9に示すように陰極金具鍔部32aは勿論のこと、陽極金具の環状突起35aも延展されることになる。
【0035】
環状突起35aは延展される際に肉厚が薄くなり、その肉が陽極金具中空管部35bに逃げる。この逃げ量は、熱圧接合温度に比例して大きくなる傾向にあるため、陽極金具35下端面から陽極金具35最上端までの高さl4(以下、「陽極金具高さ」という。)を代用特性とすることができる。
なお、陽極金具をワークに含む場合には、図10に示すように、バックアップ用リング高さl3、陰極金具高さl5についても陽極金具35下端面からの高さを測定すればよい。
【0036】
上述のように熱圧接合後の種々のワーク形状、即ち、熱圧接合体の形状を代用特性として熱圧接合温度を管理することが可能であるが、熱圧接合時には偏心が生ずる場合もあるため、各代用特性は少なくとも6点以上について測定し、その平均値を使用することが好ましい。
なお、本発明の熱圧接合方法は、接合条件やワーク形状が異なる場合であっても、接合温度と熱圧接合体の形状との間に一定の相関関係が認められる限りにおいて適用することが可能である。
【0037】
【実施例】
本発明の方法の効果を証明すべく、台車上にワークと共に移動記憶式測温計を積載して熱圧接合を行い、実測したワークの接合温度と熱圧接合後のワーク(熱圧接合体)の形状との相関を確認した。なお、熱圧接合は以下の条件にて行った。
【0038】
ワークについては、図1(a)に示すように、陽極金具15、接合材14、下端側の内周面に固体電解質管21がガラス接合されている絶縁リング10、接合材11、陰極金具12の外周面に形成された鍔部12a、バックアップ用リング13を順次積層したものを用いた。
当該ワークは、下治具20、上治具19との間に挟持し、陰極金具12の内周側には陰極金具12の変形防止用の円筒状治具17を緩挿した。
【0039】
絶縁リング10は、内径60mmの中空部を備えた、外径80mm、高さ18mmのα−アルミナからなる中空円筒を使用し、陰極金具12は、外径60mm、高さ14mmの中空管12bの外周面の高さ3mmの位置に外径68mmの鍔部12aを形成したものを使用した。陰極金具12の中空管12b、鍔部12a及び陽極金具15はともに厚さ1〜4mmのアルミニウムからなる薄板で構成した。
【0040】
バックアップ用リング13は、内径60mmの中空部を備えた、外径74mm、高さ5mmのα−アルミナからなる中空円筒を用いた。接合材11,14は、アルミニウム系ロウ材を用いた。
【0041】
当該ワークを台車上に6個載置した状態で、移動記憶式測温計を取り付け、図3に示す連続炉51により熱圧接合した。移動記憶式測温計としては、ファーネストラッカーシステム(商品名、データパック社(イギリス)製)を使用した。炉内の真空度は1×10-4Torr以下、炉内温度は540〜600℃となるように制御した。
【0042】
加熱室53末端のプレス部58は図6に示す構造のものを用い、油圧シリンダ75により下プレスロッド71を台車72下側から貫通させて真空チャンバ76内のワーク及び治具73を押し上げ、上部に固定されている上プレスロッド74に対して押しつけるように荷重6tonで4分間加圧する方法により熱圧接合を行った。この際、20本のワークの絶縁リング10について、熱圧接合時の最高温度を移動記憶式測温計により直接測定した。
【0043】
熱圧接合後、室温まで放冷した熱圧接合体について、図1(b)に示すようにバックアップ用リング13外周部から延展された陰極金具鍔部12aの外周までの距離l1(はみ出し長さ)を測定した。
その結果、図11に示すように、ワークの熱圧接合時の最高温度と熱圧接合体のはみ出し長さl1との間には高い相関が得られた。
【0044】
上述条件の下では、接合温度の適正値は545〜555℃であるため、熱圧接合体のはみ出し長さが0.8〜1.3mmの範囲内であれば当該ワークの熱圧接合が適正な温度で行われたことを保証できる。
【0045】
この他、図10に示す、はみ出し高さl2、バックアップ用リング高さl3、陽極金具高さl4、陰極金具高さl5についても測定した。
その結果、図12〜図15に示すように、ワークの熱圧接合時の最高温度とこれらの測定値との間にも高い相関が得られた。
即ち、これらの測定値によっても接合温度を管理できることが確認された。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の熱圧接合方法によれば、極めて簡易な方法により、絶縁リングと陰極金具との接合温度を管理できる。
このような方法を採用することにより、通常は確認・管理が困難な各ワークの実際の熱圧接合温度を極めて簡便、かつ、正確に確認することができ、接合温度が不良の熱圧接合体のみを個別的に除去して効率の良い品質保証をすることが可能となる。更には、ナトリウムに対する耐食性が高く、寿命が長いナトリウム−硫黄電池を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法の一の実施態様を示す側面断面図(a)、上面断面図(b)である。
【図2】 熱圧接合の一の実施態様を示す側面断面図(a),(b)である。
【図3】 連続炉の構造を示す斜視図である。
【図4】 本発明の方法の他の実施態様を示す上面断面図である。
【図5】 熱圧接合の他の実施態様を示す側面断面図である。
【図6】 連続炉のプレス部の構造を示す正面断面図である。
【図7】 代用特性の測定方法を示す概略説明図である。
【図8】 代用特性の測定方法を示す概略説明図である。
【図9】 代用特性の測定方法を示す概略説明図である。
【図10】 代用特性の測定方法を示す概略説明図である。
【図11】 接合温度とはみ出し長さの相関を示すグラフである。
【図12】 接合温度とはみ出し高さの相関を示すグラフである。
【図13】 接合温度とバックアップ用リング高さの相関を示すグラフである。
【図14】 接合温度と陽極金具高さの相関を示すグラフである。
【図15】 接合温度と陰極金具高さの相関を示すグラフである。
【符号の説明】
10…絶縁リング、11…接合材、12…陰極金具(12a…鍔部、12b…中空管部)、13…バックアップ用リング、14…接合材、15…陽極金具、17…円筒状治具、19…上治具、20…下治具、21…固体電解質管、30…絶縁リング、31…接合材、32…陰極金具(32a…鍔部、32b…中空管部、)、33…バックアップ用リング、34…接合材、35…陽極金具(35a…環状突起、35b…中空管部、)、37…円筒状治具、39…上治具、40…下治具、41…絶縁リング内周面、42…間隙部、51…連続炉、52…前室、53…加熱室、54…放冷室、55…後室、56…台車、57…ワーク、58…プレス部、59…挿入台、60…取出台、61…真空ポンプ、71…下プレスロッド、72…台車、73…ワーク、74…上プレスロッド、75…油圧シリンダ、76…真空チャンバ。
Claims (2)
- 少なくとも、中空部を有する円筒状のナトリウム−硫黄電池用絶縁リングの上端面に、接合材を介した状態で、外周面に鍔部が形成された、前記中空部に嵌挿し得る中空管状のナトリウム−硫黄電池用陰極金具を載置するとともに、セラミックからなり、前記陰極金具の中空管部を嵌挿し得る中空円筒状のバックアップ用リングを有しており、かつ、前記陰極金具の鍔部上面に、接合材を介した状態で、バックアップ用リングを載置した構造、を備えたワークを構成し、
当該ワークにおける、前記鍔部の上面側及び/又は絶縁リングの下端面側から加圧する熱圧接合の方法であって、
熱圧接合後における前記ワークの形状を代用特性として熱圧接合温度を管理することを特徴とする熱圧接合方法。 - 前記ワークが、
下端に内向きの環状突起が形成された、前記絶縁リングを嵌挿し得る中空管状の陽極金具を有しており、かつ、前記環状突起の上面に、接合材を介した状態で、前記絶縁リングを載置した構造、を備えてなる請求項1に記載の熱圧接合方法。
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