JP3904157B1 - マグネシウムろう付用ろう材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インジウムの含有量を低下させ、かつ低融点で良好なろう層を形成することができるろう材を提供する。
【解決手段】 このマグネシウムろう付用ろう材は、マグネシウム又はマグネシウム合金をろう付するためのろう材であって、マグネシウム(Mg)、スズ(Sn)、インジウム(In)を、SnをMg+Snに対して27〜42mass%含み、InをMg+Sn+Inに対して10〜30mass%含み、さらに、残部の不可避不純物からなることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マグネシウム又はマグネシウム合金をろう付するために用いるろう材に関する。
マグネシウムおよびマグネシウム合金は、軽量で比強度が高く、振動吸収性や切削性に優れている等の利点を有しており、次世代の金属材料として注目されている。近年のマグネシウム製錬技術の向上や、表面処理技術の発達によってダイカスト製品やチクソモールド製品を中心に実用化されつつある。また、最近の圧延技術やプレス技術の進歩によって、展伸材を用いた製品の需要が増加する傾向にある。
しかしながら、マグネシウム又はマグネシウム合金には、展伸材を用いた製品作りに不可欠である接合技術、特に、面と面との接合法として重要なろう付が困難であるという問題が有る。この理由としては、マグネシウムおよびマグネシウム合金の表面の酸化マグネシウム皮膜を除去する能力を有するフラックスの開発が遅れていること、および、母材に対して低融点でかつ良好なろう層を形成することができるろう材の開発が遅れていること、が挙げられる。
そこで、本発明者は、先に、大気中においてマグネシウム合金を450℃〜500℃の比較的低温度でろう付することができるろう材を提案した。そこでは、ろう材を構成する合金元素として、以下の条件を満たすものを考慮した。
(1)マグネシウムと合金を形成した際に、固溶して融点を低下させることができる。
(2)マグネシウムと金属間化合物を形成して強度を低下させることがない。
(3)人間に有害でない。
その結果、インジウムが好適な元素であることを確認し、50mass%から70mass%のインジウム(In)と20mass%から50mass%のマグネシウム(Mg)を基本成分とし、適宜に10mass%以下の亜鉛(Zn)を添加した合金を提案した。これにより、母材の過度の溶融を防止し、健全なろう層を形成して、充分な強度を有する接合部を形成することができた。
特開2004−50278号公報
しかしながら、インジウムは稀少元素であり、コストが高いという問題が有る。従って、本発明は、インジウムの含有量を低下させ、かつ低融点で良好なろう層を形成することができるろう材を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載のマグネシウムろう付用ろう材は、マグネシウム又はマグネシウム合金をろう付するためのろう材であって、マグネシウム(Mg)、スズ(Sn)、インジウム(In)を、SnをMg+Snに対して27〜42mass%含み、InをMg+Sn+Inに対して10〜30mass%含み、さらに、残部の不可避不純物からなることを特徴とする。
なお、スズを選択した理由は、マグネシウムと共晶反応を有し、マグネシウムと硬い金属間化合物を形成しにくく、かつマグネシウムへの固溶度が大きい元素であること、および、工業的に入手が容易で、安価な材料であることによる。
図1は、この発明のマグネシウムろう付用ろう材の基本成分系を示す三元系組成図を示すものである。本発明のマグネシウムろう付用ろう材を上記のように設定したのは、スズは基本的に、上記の(1)〜(3)の条件を満たす元素であり、インジウムに替わる元素として好適であると考えられるが、融点を低下させる作用はインジウムほど大きくないことが判明した。そこで、さらに、低融点化成分として、インジウムを用いることで、低融点化を達成することができるのではないかと考えた。そして、結果として、低融点化と強度とを並立させた接合部を形成することができた。
SnをMg+Snに対して重量にて27〜42mass%含むようにしたのは、Mg−Sn系合金はSnが36.9mass%の組成で共晶組成となり、最も低融点(561℃)となるからであり、27〜42mass%の範囲であれば、融点は約590℃程度となり、さらにインジウムを適宜に添加することにより、500℃以下に抑えることが可能となるからである。
請求項2に記載のマグネシウムろう付用ろう材は、請求項1に記載の発明において、さらに、AlをMg+Sn+In+Alに対して最大10mass%含むことを特徴とする。Alを添加することにより、融点をさらに低下させることができる。なお、Alの量がMg+Sn+In+Alに対して10mass%を超えると、ろう層の強度が低下し、接合強度を低下させるので、最大10mass%が好ましい。
請求項1ないし請求項2に記載のマグネシウムろう付用ろう材によれば、インジウムの含有量を低下させることにより、低コストで、かつ低融点で良好なろう層を形成することができるろう材を提供することができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
(実施例1)
表1に、この発明のマグネシウムろう付用ろう材の第1の実施例である、Mg+Sn+Inの3成分系のろう材を溶製した結果を示す。ろう材の溶製は、黒鉛坩堝を用い、アルゴン雰囲気中で高周波誘導加熱により溶解した。この実施例では、SnをMg+Snに対して重量にてSnが36.9mass%含むようにした。
これらの、InをMg+Sn+Inに対して10〜30mass%含ませたサンプル(No.1〜4)について、融点(液相線温度)を測定し、ビッカース硬度を測定した。硬度から判断する限り、強度は問題が無いことが分かった。融点の変化を図2に示す。これにより、共晶組成のMg+Sn合金では561℃だった融点が、Inを10mass%添加することにより530℃程度まで低下し、Inを20mass%添加することにより485℃程度まで低下することが分かった。また、Inを25mass%以上添加しても、大きな融点低下作用は得られないことも分かった。
ろう付が必要とされる展伸材としてのマグネシウム合金AZ31B(3mass%Al−1mass%Znで残りはMg)は、固相線が565℃である。ろう材の融点が485℃程度であれば、ろう付温度は500℃以下でよいので、マグネシウム合金AZ31Bは溶融せず、劣化もしないと判断された。そこで、No.2のサンプルのろう材を用いて、ろう付を実施した。
供試材には、市販されている板厚0.9mmのマグネシウム合金AZ31B−H24を用いた。接合試験片は、図3に示すように、長さ30mm、幅10mmの短冊状で、その長手方向が圧延方向と直角になるように切り出した。また、十字引張試験のために両端にφ3.5mmの穴を開けた。試験片の表面処理は、エメリー紙#400まで湿式研磨を行い、その後10vol%フッ化水素酸中に5分間浸漬して酸洗いを行った。
ろう付は、試験片を十字に2枚重ね、ろう付面にCaCl2、LiCl、NaClを混ぜ合わせ溶融温度が約450℃になるように作製したフラックスを約50mg塗布、ろう材を約60mg挿入し、加熱速度10℃/
secで所定の温度まで加熱後30s保持し、大気中で高周波ろう付を行った。
ろう付後に十字引張試験、組織観察、EDS分析、ビッカース硬さ試験を行い、継手を評価した。
十字引張試験の結果は、約750Nの引張力において、図4に示すように母材で破断した。また、組織観察においては、ろう層部は、図5に示すように、金属間化合物を含有する相の形成は見られず、健全な組織が得られた。また、母材との境界部は、図6に示すように、母材の過度の溶融はなく、きれいなフィレットが形成されていた。
(実施例2)
次に、さらに融点を低下させるために、No.2の組成をベースとして、表2に示すようにAlを1〜6mass%添加した合金No.7〜9を、先の方法と同様にして溶製し、融点の測定を行った。その結果、図7に示すように、融点はAlの添加とともに直線的に低下することが分かった。測定した融点を基にろう付温度を決め、マグネシウム合金AZ31Bを供試材として図3に示す先の方法と同様の条件でろう付して十字継手を作製し、十字引張試験を行った。
アルミニウムを添加したNo.7〜9では、全て破断はろう層部で起こり、図8に示すように、添加量の増加に伴い引張強さは低下した。図9は、No.9の6mass%Alろうでろう付したときのろう層部の組織写真を示す。EDS分析の結果、ろう層部にアルミニウムが富化した相が観察された(同図の囲み部)。定量分析の結果、この相はMg-Al系の金属間化合物を含有する相であると推定される。従って、アルミニウムを添加すると継手強さが低下するのは、ろう層部に脆弱なMg-Al系の金属間化合物相が形成されたためであると考えられる。図10に示すように、融点と強度は相関関係があり、低融点を優先するか、強度を優先するかを、状況に応じて使い分けるようにすればよい。
この発明のマグネシウムろう付用ろう材の組成を示す図である。 インジウム含有量と融点の関係を示す図である。 十字引張試験のためのろう付サンプルの図である。 十字引張試験後のサンプルを示す図である。 ろう層部の組織を示す図である。 母材とろう層部の境界部の組織を示す図である。 Al含有量と融点の関係を示す図である。 Al含有量と破断強度の関係を示す図である。 Al含有ろう材のろう層部の組織を示す図である。 Al含有ろう材の融点と破断強度の関係を示す図である。

Claims (2)

  1. マグネシウム又はマグネシウム合金をろう付するためのろう材であって、
    マグネシウム(Mg)、スズ(Sn)、インジウム(In)を、
    SnをMg+Snに対して27〜42mass%含み、
    InをMg+Sn+Inに対して10〜30mass%含み、
    さらに、残部の不可避不純物からなる
    ことを特徴とするマグネシウムろう付用ろう材
  2. さらに、AlをMg+Sn+In+Alに対して最大10mass%含む
    ことを特徴とする請求項1に記載のマグネシウムろう付用ろう材。
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