JP3903850B2 - インバーターモジュール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂封止型インバーターモジュール、特に、絶縁破壊を防止し信頼性を向上させた樹脂封止型インバーターモジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、IGBT(insulated gate bipolar transistor)等の素子が搭載されたインバーターモジュールでは、高耐電圧化が望まれている。
図5は、特開2000−91472号公報に開示されている従来の樹脂封止型半導体パワーモジュールの構成を示す断面模式図である。図5において、21は銅箔、22は窒化アルミニウム(以下AlNという)基板、23は半導体素子、24はリード線、25は放熱板、26はケース、27は外部端子用リード線、28は蓋、29は開口部、30はシリコーンゲル、31は封止材、32は樹脂被覆物である。
【0003】
この半導体パワーモジュールは、絶縁性の無機基板であるAlN基板22の上面に、その周辺部を残して導体箔である銅箔21がつけられており、この銅箔21上に複数の半導体素子23が配置され、各半導体素子23が互いにリード線24を介して接続されている。
AlN基板22の底面は金属製の放熱板25の中央部に取り付けられ、放熱板25の周辺部上にはAlN基板22の周囲を囲うようにケース26が取り付けられている。また、ケース26の内側上部には外部端子用リード線27と開口部29とを有する蓋28が取り付けられている。なお、外部端子用リード線27はケース内の半導体素子と外部との間で電気的導通をとるための部材である。
【0004】
また、放熱板25、ケース26、蓋28で囲まれたモジュール内部には、開口部29を介して絶縁部材であるシリコーンゲル30が流しこまれ、シリコーンゲル30の硬化後、開口部29が封止材31にて密封されている。
そして、AlN基板22の周囲上とこの周囲部に面した銅箔21の端部とに樹脂で固められた樹脂被覆物32が設けられている。樹脂被覆物32に用いる樹脂(以下被覆樹脂という)としては、シリコーンゲル30より高い破壊電圧を有し、AlN基板22との良好な接着性を有するエポキシ樹脂やポリエステル樹脂にアルミナ(以下Alという)の粉末またはAlNの粉末を充填したものが用いられる。
【0005】
樹脂封止型半導体パワーモジュールに用いられるシリコーンゲル30は、その破壊電圧が通常の固体絶縁物に比べて低いという性質をもっており、半導体素子23の端部からAlN基板22の端部までの沿面距離が短いと、シリコ−ンゲル30とAlN基板22との界面で沿面の絶縁破壊が起こり易い。また、シリコ−ンゲル30はAlN基板22との接着性が悪いので沿面放電も起こり易い。
しかし、特開2000−91472号公報に開示されている樹脂封止型半導体パワーモジュールでは、樹脂被覆物32に用いる被覆樹脂がエポキシ樹脂やポリエステル樹脂にAl(比誘電率約8.3)の粉末またはAlN(比誘電率は約8.8)の粉末を充填したものであるので、樹脂被覆物32が、シリコーンゲル9(比誘電率は約2.9)とAlN基板2(比誘電率は約8.8)との中間の比誘電率を有する部材であり、銅箔21の端部の電界を緩和し、耐電圧を向上できる。また、特開2000−91472号公報に開示されている樹脂封止型半導体パワーモジュールでは、導体箔として、銅箔の替りにアルミ箔を用いても同様な効果がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
インバーターモジュールは、大容量化に伴ない、半導体素子が大形化しており、半導体素子を搭載する絶縁基板も大形にする必要がある。しかし、インバーターモジュールは、容量が大きくなっても、寸法はなるべく小さくコンパクトとしたいため、絶縁基板をあまり大きくすることなく、絶縁基板上での導体箔の占有面積を大きくとり、大形の半導体素子を搭載できるようにしている。すなわち、絶縁基板の端から導体箔までの沿面距離が更に短くなり、より一層の電界緩和が必要となるとともに、より大きな電界集中による絶縁破壊を防止するため、樹脂被覆物を厚くする必要がある。
【0007】
樹脂被覆物は、半導体素子近傍で用いるため、耐熱性が要求され、被覆樹脂には加熱硬化型の樹脂が用いられる。すなわち、樹脂被覆物は、温度をあげて硬化させる被覆樹脂から形成される。しかし、被覆樹脂が、前記特開2000−91472号公報に開示されている極性基を多く有するエポキシ樹脂やポリエステル樹脂であると、温度上昇による粘度低下が大きく、硬化時に被覆樹脂が流動し、厚さの大きな樹脂被覆物が形成できない。すなわち、エポキシ樹脂やポリエステル樹脂の被覆樹脂からなる樹脂被覆物は、厚さが薄いため、導体箔の端部と無機基板の端部までの沿面距離が短く電界集中が大きいインバーターモジュールでは、耐電圧が十分でないとの問題があった。
また、被覆樹脂の硬化温度における粘度を上げるため、被覆樹脂に用いるAlの粉末またはAlNの粉末の充填量を増やすと、被覆樹脂を塗布する時の粘度が高くなり過ぎ塗布性が低下し、塗布に時間を要するとともに、塗布時に気泡を巻き込む。それと、前記被覆樹脂は高チクソ性を有するので、脱泡性が良くなく、この気泡が樹脂被覆物中に残り、インバーターモジュールの運転時にこの部分に放電がおこり絶縁破壊おこるなどの問題があった。
【0008】
本発明は前記のような課題を解決するためになされたものであり、絶縁基板の端から導体箔までの沿面距離の短くても、気泡のない、十分な厚さの樹脂被覆物を有し、導体箔端部の電界を緩和するとともに、樹脂被覆物での絶縁破壊が防止されたインバーターモジュールを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わるの第1のインバーターモジュールは、ベースとなる金属板と、この金属板上に接合された無機基板と、この無機基板の周囲部を露出させるように前記無機基板上に形成された導体箔と、この導体箔上に搭載された半導体素子と、前記金属板の周囲に取付けられた外囲ケースと、この外囲ケース内に充填されたシリコーンゲルと、前記導体箔の外周側面部および前記無機基板の周囲部を被覆する樹脂被覆物とを備えたインバーターモジュールであって、前記樹脂被覆物は、前記導体箔の端部と前記無機基板の端部までの沿面に設けられ、マトリックス樹脂として、シリコーン樹脂を用い、前記マトリックス樹脂100重量部に対して10〜50重量部の充填比率でチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウムおよびチタン酸ストロンチウムとチタン酸カルシウムとの共晶物のうちの少なくとも1種類を充填したものであり、かつ、前記樹脂被覆物の誘電率は前記シリコーンゲルの誘電率より大きいものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1におけるインバーターモジュールの構成を示す断面模式図である。図1において、1,1aは導体箔、2は無機基板、3は半導体素子、4はリード線、5は放熱板、6はケース、7は外部端子用リード線、8はシリコーンゲル、9は封止材、10は樹脂被覆物である。
【0014】
すなわち、本実施の形態のインバーターモジュールでは、金属製の放熱板5の上面に、複数の絶縁性の無機基板2を接合し、各無機基板2の上面に、各無機基板2の周辺部を残して、導体箔1または1aが設けられている。外部端子リード線7が接合された導体箔1a以外の各導体箔1上には半導体素子3が配置され、各半導体素子はリード線4により、外部端子リード線7が設けられ導体箔1aに接続されている。
放熱板5の周辺部には、各無機基板2が内蔵されるように周囲を囲うケース6が取り付けられている。また、放熱板5とケース6とで囲まれたモジュール内部には、少なくともリード線が埋まるまでのシリコーンゲル8が流しこまれ、シリコーンゲル8が硬化後、その上部に封止材9を注入し蓋をする。
また、無機基板2の周囲部上と、この周囲部に面した導体箔1の側面部とが樹脂被覆物10で被覆されている。
【0015】
本実施の形態のインバーターモジュールでは、無機基板2として、AlNの基板やAlの基板が用いられるが、IGBT素子やダイオード素子を搭載している基板には、熱伝導性が優れているAlNの基板が特に好ましい。
本実施の形態のインバーターモジュールでは、樹脂被覆物10用の被覆樹脂には、マトリックス樹脂として、加熱硬化型で硬化後にエラストマとなるシリコーン樹脂が用いられ、充填剤として、チタン酸化合物の粉末が用いられる。
被覆樹脂のマトリックス樹脂が、加熱硬化型で硬化後にエラストマとなるシリコーン樹脂であるので、樹脂被覆物10はシリコーンゲルより高い破壊電圧を有し、且つ、無機基板2との接着性が優れている。シリコーン樹脂はエポキシ樹脂やポリエステル樹脂に比べて極性が小さく、粘度の温度依存性が小さいので、塗布時の粘度に対する加熱硬化時の粘度の低下が少ない。すなわち、被覆樹脂は、塗布時における厚さを硬化温度においても保持できるので、所望厚さの樹脂被覆物10が形成でき、高い絶縁破壊電圧を有するインバーターモジュールが得られる。
【0016】
本実施の形態のインバーターモジュールでは、導体箔1又は1aの端部と無機基板2の端部までの沿面距離が0.5〜1.0mm程度であるので、樹脂被覆物10の厚さとしては、0.2mm以上の厚さが必要である。この厚さの上限は、特に限定されないが、被覆樹脂の塗布性の点から、用いる導体箔1または1aの厚さ以下であることが好ましい。
導体箔1または1aの厚さとしては、インバーターモジュールの容量によっても変わるが、本実施の形態のような大容量のインバーターモジュールでは、0.3〜0.5mmの導体箔が用いられる。導体箔1または1aとしては、銅箔やアルミ箔を用いることができるが、酸化防止のため、銅箔にはニッケルめっきをしても良い。
【0017】
本実施の形態のインバーターモジュールでは、被覆樹脂の充填剤として、高い誘電率を有するチタン酸化合物の粉末が用いられ、マトリックス樹脂100重量部に対して、10〜50重量部の充填比率でも、樹脂被覆物10の誘電率がシリコーンゲルの誘電率より十分に大きくなり、導体箔1や1aの端部から無機基板2の端部までの沿面距離が短くても、無機基板2の周囲部に面した導体箔1や1aの端部での電界を緩和できる。
【0018】
前記、被覆樹脂の充填剤であるチタン酸化合物としては、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウムおよびチタン酸ストロンチウムとチタン酸カルシウムとの共晶物の内の少なくとも1種類が用いられる。
前記チタン酸化合物の充填比率は、被覆樹脂に用いるシリコーン樹脂の100重量部に対して、10〜50重量部である。充填比率が10重量部未満であると、得られる樹脂被覆物10の誘電率が小さく、樹脂被覆物による電界緩和が不十分で、インバーターモジュールの耐電圧が低下する。充填比率が50重量部より大きいと、被覆樹脂の粘度が高くなり過ぎて、被覆樹脂の塗布性が低下する。
【0019】
本実施の形態のインバーターモジュールでは、被覆樹脂のマトリックス樹脂として、加熱硬化型で硬化後にエラストマとなるシリコーン樹脂が用いられる。加熱硬化型で硬化後にエラストマとなるシリコーン樹脂としては、付加重合により硬化するものと、縮重合により硬化するもがあるが、付加重合により硬化するものが、特に好ましい。縮重合で硬化するシリコーン樹脂は、エポキシ樹脂やポリエステル樹脂よりは少ないが極性基を含有しており、無機充填剤を充填した時の粘度増加が大きく、塗布性の低下が認められる。また、硬化反応時に、アセトン、アルコール、オキシムなどのガスが発生するので、被覆樹脂を厚く塗布した場合、長時間かけて硬化した時は問題ないが、短時間で硬化した時に樹脂被覆物10中に気泡が残ることがある。
これに対して、付加重合で硬化するシリコーン樹脂は極性が低く、塗布性が優れているとともに、硬化反応時に前記のようなガスの発生がないので、被覆樹脂を厚く塗布し短時間で硬化しても気泡の発生はなく、絶縁信頼性の優れたインバーターモジュールを、高い生産性で得ることができる。
【0020】
また、本実施の形態のインバーターモジュールでは、被覆樹脂が、前記加熱硬化型で硬化後にエラストマとなるシリコーン樹脂であり、充填剤が高い誘電率を有するチタン酸化合物の粉末であるので、被覆樹脂を厚く塗布して、塗布した被覆樹脂が気泡を含有しても、真空脱泡処理により、容易に泡を除去できる。そのため、樹脂被覆物10中に気泡のない絶縁信頼性が高いインバーターモジュールを得ることができる。
【0021】
次に、本実施の形態のシリコーン樹脂にチタン酸化合物の充填剤を充填した被覆樹脂が、気泡のない厚い樹脂被覆物12が得られる機構について、図を用いて説明する。
図2は、チタン酸バリウムの粉末を充填した付加重合で硬化するシリコーン樹脂(硬化物の比誘電率が6.5)の粘度との剪断速度との関係を示す図である。図3は、Alの粉末を充填した付加重合で硬化するシリコーン樹脂(硬化物の比誘電率が4.7)の粘度との剪断速度との関係を示す図である。
Alの粉末を充填したシリコーン樹脂は、粘度が剪断速度に大きく影響され、高剪断速度では粘度が低いが、低剪断速度では粘度が大きく増大し、高いチクソ性を有する。それに対して、チタン酸バリウムを充填したシリコーン樹脂は、粘度が剪断速度にほとんど影響されず、ほぼ一定である。
【0022】
ディスペンサなどによる樹脂の塗布性は、高剪断速度における粘度が影響し、樹脂の消泡性は低剪断速度における粘度が影響する。Alの粉末を充填したシリコーン樹脂とチタン酸バリウムの粉末を充填したシリコーン樹脂とが、高剪断速度における粘度が同様であり塗布性が同じあっても、Alの粉末を充填したシリコーン樹脂は低剪断速度における粘度が非常に大きくなり、消泡性は大きく低下する。すなわち、Alの粉末を充填したシリコーン樹脂からなる樹脂被覆物10には気泡が残ってしまう。それに対して、チタン酸バリウムの粉末を充填したシリコーン樹脂は低剪断速度における粘度も低いので、脱泡が容易で、気泡のない樹脂被覆物10を得ることができる。
【0023】
【実施例】
次に、本発明を実施例にて、さらに詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0024】
実施例1.
本発明の樹脂被覆物の効果を確認するため、図4に示す機能検証モデルを用いて、耐電圧特性を評価した。図4は機能検証モデルの上面(a)と横断面(b)との模式図である。但し、上面図(a)はシリコーンゲルが半透明であり、その下の銅箔、AlN基板等が見えるとして記載している。断面図(b)は上面図(a)のc−c断面である。
【0025】
機能検証モデルは、長さ51×幅36×厚さ0.635mmのAlN基板2の一方の表面に、長さ49×幅34×厚さ0.3mmの銅箔1を、AlN基板2の周囲に1mmの幅のAlN基板が露出する沿面絶縁部を設けて接合する。次に、この銅箔1を設けたAlN基板の3枚を、長さ207×幅70×厚さ3mmの銅板からなる放熱板5に、図4の(a)のよう載置し接合する。すなわち、各AlN基板2の間隔は10mmであり、各AlN基板2の端から、放熱板5の周囲までの間隔は17mmである。
次に、付加反重合型シリコーン樹脂{SE1714:東レ・ダウシリコーン(株)}100重量部にチタン酸バリウム粉末{BT−HP7:共立マティリアル(株)}10重量部の比率で添加し、3本ロールで混練し、被覆樹脂を調製する。得られた被覆樹脂は、減圧脱泡した後、加圧型ディスペンサを用いて、銅箔1の側端部からAlN基板2の端部までの部分に、最大厚さ0.3mmで塗布する。塗布された被覆樹脂を、5Torrの減圧下で1分間の脱泡処理を行い、125℃で1時間の加熱処理により硬化し、樹脂被覆物10とする。
【0026】
次に、隣接するAlN基板上の各銅箔1をリード線4で接続する。そして、中央のAlN基板2上の銅箔1にはさらに外部端子用リード線7を設ける。そして、放熱板5上に、長さ207×幅70×高さ40mmで板厚が2mmのプラスチックのケース6を接着剤で取り付ける。プラスチックケース6と放熱板5とで形成される箱部にシリコーンゲルを高さ30mmまで注入し、硬化して、銅箔1と樹脂被覆物10とが設けられ、各銅箔1がリード線で接続された3個のAlN基板2を封止する。
このようにして得られた機能検証モデルを用い、機能検証モデルの外部端子用リード線7と放熱板5との間に電圧を印加し、耐電圧特性を測定した。また、樹脂被覆物10の形状保持性と、樹脂被覆物10内部の気泡の有無を顕微鏡で観察した。得られた結果は表1に示す。本実施例の機能検証モデルは半導体素子を銅箔上に搭載していないが、本実施例の評価項目については半導体素子を搭載したインバーターモジュールと同様の結果が得られる。
【0027】
実施例2.
長さ51×幅36×厚さ0.635mmのAlN基板2の一方の表面に、長さ50×幅35×厚さ0.3mmの銅箔1を、AlN基板2の周囲に0.5mmの幅のAlN基板が露出する沿面絶縁部を設けて接合すること、および、被覆樹脂が、付加反重合型シリコーン樹脂{SE1714:東レ・ダウシリコーン(株)}100重量部にチタン酸バリウム粉末{BT−HP7:共立マティリアル(株)}15重量部の比率で添加していること以外、実施例1と同様にして機能検証モデル作製する。得られた機能検証モデルを用い、実施例1と同様にして耐電圧試験と、樹脂被覆物10の形状保持性と気泡の有無を調べた。得られた結果は表1に示す。
【0028】
実施例3〜5.
被覆樹脂に用いる充填剤をチタン酸バリウムの粉末に替えて、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウムまたはチタン酸ストロンチウムとチタン酸カルシウムとの共晶物の粉末にした以外、実施例1と同様にして機能検証モデル作製する。得られた機能検証モデルを用い、実施例1と同様にして耐電圧試験と、樹脂被覆物10の形状保持性と樹脂被覆物10ボイドの有無を調べた。得られた結果は表1に示す。
【0029】
比較例1.
被覆樹脂のマトリックス樹脂に、ビスフェノール型エポキシ樹脂{エピコート828:ジャパンエポキシ(株)}52.4重量%と、液状酸無水物硬化剤{HN2200:日立化成工業(株)}47.1重量%と、2−エチル−4−メチルイミダゾール触媒0.5重量%とからなるものを用いて被覆樹脂を調製し、被覆樹脂の硬化温度を150℃で1時間とした以外、実施例1と同様にして、機能検証モデル作製する。得られた機能検証モデルを用い、実施例1と同様にして耐電圧試験と、樹脂被覆物10の形状保持性と樹脂被覆物10ボイドの有無を調べた。得られた結果は表1に示す。
【0030】
比較例2〜3.
被覆樹脂に用いる充填剤をチタン酸バリウムの粉末に替えて、AlまたはAlNの粉末にした以外、実施例1と同様にして機能検証モデル作製する。得られた機能検証モデルを用い、実施例1と同様にして耐電圧試験と、樹脂被覆物10の形状保持性と樹脂被覆物10ボイドの有無を調べた。得られた結果は表1に示す。
【0031】
表1から明らかなように、比較例1の被覆樹脂にエポキシ樹脂を用いたものは、硬化時に流失し、樹脂被覆物の厚さが0.1mmより薄くなり、耐電圧が低下した。また、比較例2〜3のように、マトリイクス樹脂が付加反重合型シリコーン樹脂であっても、充填剤がAlまたはAlNの粉末であると、要求の厚さの樹脂被覆物は形成できるが、樹脂被覆物中に気泡を含有し、やはり耐電圧が低下した。
それに対して、実施例にあるチタン酸化合物を充填した付加重合型シリコーン樹脂の被覆樹脂を用いたインバーターモジュールは、樹脂被覆物が電界集中に耐える厚さを有し、気泡を含有せず、高い誘電率を有するので、導体箔である銅箔周囲から無機絶縁基板端の部分までの距離が短くても、電界緩和が可能であり、絶縁信頼性の高いコンパクトで大容量なインバーターモジュールである。
【0032】
【表1】
Figure 0003903850
【0033】
【発明の効果】
本発明に係わるインバーターモジュールは、導体箔周囲から無機絶縁基板端の部分までの距離が短くても、電界緩和が可能であり、絶縁信頼性の高いコンパクトで大容量のインバーターモジュールである。さらに気泡を含有しない樹脂被覆物を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1におけるインバーターモジュールの構成を示す断面模式図である。
【図2】 チタン酸バリウムの粉末を充填した付加重合で硬化するシリコーン樹脂の粘度との剪断速度との関係を示す図である。
【図3】 Alの粉末を充填した付加重合で硬化するシリコーン樹脂の粘度との剪断速度との関係を示す図である。
【図4】 実施例における機能検証モデルの上面(a)と横断面(b)との模式図である。
【図5】 従来の樹脂封止型半導体パワーモジュールの構成を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1,1a 導体箔、2 無機基板、3 半導体素子、4 リード線、5 放熱板、6 ケース、7 外部端子用リード、8 シリコーンゲル、9 封止材、10 樹脂被覆物、21 銅箔、22 AlN基板、23 半導体素子 25 放熱板、32 樹脂被覆物。

Claims (1)

  1. ベースとなる金属板と、この金属板上に接合された無機基板と、この無機基板の周囲部を露出させるように前記無機基板上に形成された導体箔と、この導体箔上に搭載された半導体素子と、前記金属板の周囲に取付けられた外囲ケースと、この外囲ケース内に充填されたシリコーンゲルと、前記導体箔の外周側面部および前記無機基板の周囲部を被覆する樹脂被覆物とを備えたインバーターモジュールであって、
    前記樹脂被覆物は、前記導体箔の端部と前記無機基板の端部までの沿面に設けられ、
    マトリックス樹脂として、シリコーン樹脂を用い、前記マトリックス樹脂100重量部に対して10〜50重量部の充填比率でチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウムおよびチタン酸ストロンチウムとチタン酸カルシウムとの共晶物のうちの少なくとも1種類を充填したものであり、かつ、
    前記樹脂被覆物の誘電率は前記シリコーンゲルの誘電率より大きいことを特徴とするインバーターモジュール。
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