JP3903669B2 - 紫外線照射器及びその照射量制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線照射器及びその照射量制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、紫外線硬化樹脂や接着剤や塗料などの被照射部に紫外線を照射して、硬化させるための紫外線照射器が提供されていた。ここで、照射対象である紫外線硬化樹脂や接着剤や塗料の種類は様々であり、その種類によって必要な紫外線量(UV強度)が異なるため、照射対象に応じて必要な紫外線量の紫外線を安定して照射することが重要である(例えば、特開平7−236828号公報参照)。
【0003】
図7は紫外線照射器の概略構成図であり、紫外線ランプ1と、紫外線ランプ1から照射された紫外光を出射口3に集光させる反射鏡2と、ヒューズ付きのACインレット12から電源スイッチSW1及びインターロックスイッチSW2を介して商用交流電源が供給され、紫外線ランプ1に電力を供給するランプ電源4と、紫外線ランプ1に高電圧を印加して紫外線ランプ1を始動させる高圧スタータ5と、出射口3を介して紫外線ランプ1から入射された紫外光を被照射部に導く例えば光ファイバーからなるライトガイド6と、紫外線ランプ1と出射口3との間の光路に配置され、紫外線ランプ1の紫外光を出射口3に全て入射させる位置と紫外光を全て遮光する位置との間で開閉自在に設けられた出射シャッター7と、後述する制御部10からの制御信号に応じて出射シャッター7を開閉させるモータ22と、操作パネル8の操作や外部制御端子9から入力される外部制御信号に応じてランプ電源4の出力や出射シャッター7の開閉状態を制御する例えばマイクロコンピュータからなる制御部10と、出射シャッター7と出射口3との間の光路に配置され、紫外光を全て出射口3に入射させる位置と紫外光を全て遮光する位置との間で移動自在に設けられ、遮光する紫外線量を変化させることによって被照射部への照射量を調光する調光手段としての調光シャッター11とで構成される。ここに、ランプ電源4及び高圧スタータ5から点灯手段が構成される。尚、図7中の20はランプ電源4や高圧スタータ5などを冷却するための冷却ファンである。
【0004】
調光シャッター11は、図8(a)(b)に示すように、遮光性を有する略扇形の遮光板11aからなり、遮光板11aにおける扇の中心部には軸11bが突設され、軸11bを中心として回動自在に配置される。而して、図8(a)に示すように遮光板11aにより紫外線ランプ1の紫外光(UV光)が遮光されていない状態から、遮光板11aを図中時計回りに手動で回転させると、図8(b)に示すように紫外光の一部が遮光板11aで遮光され、被照射部に照射される紫外線量が低下するので、遮光板11aにより遮光される紫外線量を調整することによって、被照射部への紫外光の照射量を調光することができる。尚、調光シャッター11が設けられていない場合は、図9に示すように、ライトガイド6の先端から被照射部30までの距離Lを変化させることによって、被照射部30に照射されるUV強度を調整していた。
【0005】
ところで、紫外線ランプ1は白熱ランプや蛍光ランプなどに比べて寿命が短く、紫外線ランプ1から照射される紫外光の紫外線量(UV強度)が急激に減衰・劣化するため、被照射部に照射される紫外光のUV強度を所望の値に調整しても、時間の経過とともにUV強度が変化してしまい、すぐに再調整する必要があった。
【0006】
そこで、図7に示した紫外線照射器において、図1及び図2に示すように、ライトガイド6に被照射部へ紫外光を導く導光路としてのメインファイバー6aとは別に、出射口3から出射された紫外光の一部を分岐する分岐手段としてのモニタ用ファイバー6bを設け、モニタ用ファイバー6bから入射口14を介して入射された分岐光の紫外線量を検出する分岐光検出手段としてのUVセンサ15と、制御部10から入力される制御信号に応じて調光シャッター11を所望の回転角だけ回転させる例えばパルスモータやDCモータからなるモータ16とを設けた紫外線照射器が提供されている。尚、入射口14とUVセンサ15との間の光路には入射シャッター17が設けられており、制御部10から入力される制御信号に応じて、入射口14からの紫外光をUVセンサ15に全て入射させる位置と、入射口14からの紫外光を全て遮光する位置との間で開閉自在となっている。また図1中の21はRS−232Cの通信ポートである。
【0007】
ここで、UVセンサ15は、モニタ用ファイバー6bから入射口14を介して入射された分岐光の強度(光量)を検出し、強度に応じた電圧信号(又は電流信号)を検出信号として制御部10に出力する。制御部10では、UVセンサ15の検出信号に基づいて被照射部に照射される紫外光の照射量を推定しており、予め設定された照射量と推定値との間に偏差があれば、偏差をなくす方向へ調光シャッター11を回転させるようにモータ16に駆動信号を出力し、被照射部への照射量を制御する。ここに、制御部10から光量推定手段及び光量制御手段が構成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の紫外線照射器に用いるライトガイド6は図10(a)〜(c)に示すように複数本のファイバー線23を束ねた集合体から構成され、全体の外径は個々のファイバー線23の径やメインファイバー6aの分岐数に応じて異なっている。尚、図10(a)〜(c)において調光シャッター11の全開位置を実線で示しており、調光シャッター11を全開位置から図中時計回りに回転させ、図中に破線で示す全閉位置まで移動させると、紫外光が全て遮光されライトガイド6に紫外光が入射しなくなる。ここに、全開位置とは紫外線ランプ1から照射される紫外光を調光シャッター11で遮光せず、全て出射口3に照射させる位置をいい、全閉位置とは紫外線ランプ1から照射される紫外光を調光シャッター11で全て遮光する位置をいう。
【0009】
ここで、図10(a)は全てのファイバー線をメインファイバー6aとしたライトガイド6の例である。一方、図10(b)は一部のファイバー線(図10(b)中に黒丸で示すファイバー線)をモニタ用ファイバー6bとし、残りのファイバー線をメインファイバー6aとしたライトガイド6の例である。また図10(c)は一部のファイバー線(図10(c)中に黒丸で示すファイバー線)をモニタ用ファイバー6bとし、残りのファイバー線をさらに二分して、メインファイバー6aを2つ設けたライトガイド6の例(図10(c)中の○印は一方のメインファイバー6aであり、斜線をつけた○印はもう一方のメインファイバーである。)であり、このライトガイド6では、出射口3から入射された紫外光の内、一部の紫外光をUVセンサ15に分岐するとともに、残りの紫外光を2つに分岐して、それぞれ被照射部に照射させている。
【0010】
ところで、モニタ用ファイバー6bを構成するファイバー線は、ライトガイド6を構成する複数本のファイバー線の中からランダムに選択されているため、調光シャッター11が所定の位置まで移動した際に、モニタ用ファイバー6bを構成する複数本のファイバー線の内、調光シャッター11により遮光されるファイバー線の本数と遮光されないファイバー線の本数との比率が、メインファイバー6aを構成する複数本のファイバー線の内、調光シャッター11により遮光されるファイバー線の本数と遮光されないファイバー線の本数との比率と異なる場合があった。そのため、調光シャッター11の移動によって発生するモニタ用ファイバー6bの分岐光の変化傾向と、メインファイバー6aから出力される紫外光の変化傾向とに差が発生していた。また、図11及び図12に示すように、調光シャッター11の遮光板11aのエッジ形状が変化すると、調光シャッター11の開閉状態と、調光シャッター11により遮光される紫外線量(すなわち、被照射部に照射される紫外光のUV強度)との関係が変化するため、調光シャッター11の形状のばらつきによっても、調光シャッター11の移動によって発生するモニタ用ファイバー6bの分岐光の変化傾向と、メインファイバー6aから出力される紫外光の変化傾向とに差が発生し、モニタ用ファイバー6bにより分岐された分岐光の紫外線量をフィードバックして、被照射部への照射量を調光制御した場合、被照射部に照射される紫外線量を精度良く制御することができないという問題があった。
【0011】
また、UVセンサ15を用いて紫外線ランプ1から照射される紫外光の紫外線量を検出する場合、出射シャッター7を開いて、紫外線ランプ1の光をライトガイド6に出射させる必要があった。そのため、メインファイバー6aから紫外光を照射していない状態で、UVセンサ15を用いて紫外線量をモニタすることができず、紫外線量の調整時にもメインファイバー6aから高出力の紫外光が出力されてしまうという問題があった。
【0012】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、被照射部に照射される紫外線量を精度良く制御することのできる紫外線照射器及びその照射量制御方法を提供することにある。また、請求項2及び請求項7の発明の目的は、上記目的に加えて、紫外光を外部に照射させることなく紫外線量の調整を行うことができる紫外線照射器及びその照射量制御方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明では、紫外線ランプと、紫外線ランプを点灯させる点灯手段と、紫外線ランプから照射された紫外光を被照射部に導くための導光路と、紫外線ランプと導光路との間の光路に、紫外線ランプの紫外光を全て遮光する全閉位置と紫外光を全て導光路に照射させる全開位置との間で移動自在に設けられ、遮光する紫外線量を変化させることによって被照射部への照射量を調光する調光手段と、調光手段と導光路との間の光路に設けられ、導光路に入射する紫外光の一部を分岐する分岐手段と、分岐手段により分岐された分岐光の光量を検出する分岐光検出手段と、分岐光検出手段の検出結果に基づいて被照射部への照射量を推定する光量推定手段と、光量推定手段の推定結果に基づいて調光手段が遮光する紫外線量を制御し、被照射部への照射量を制御する光量制御手段とを備え、調光手段が全開位置と全閉位置との間で移動する移動範囲を複数の区間に分割し、各区間の境界点における光量推定手段の推定した照射量と実際の照射量との誤差から各区間内において誤差を近似する近似式を求め、該近似式から求めた誤差により光量推定手段の推定結果を補正する光量補正手段を設けたことを特徴とし、分岐光検出手段では分岐手段により分岐された紫外線の光量を検出し、光量推定手段では、分岐光検出手段の検出結果から被照射部に照射される紫外光の照射量を推定しており、光量補正手段では、上記各区間の境界点における光量推定手段の推定した照射量と実際の照射量との誤差に基づいて、各区間内における誤差を近似する近似式を求め、この近似式から区間内の任意の位置における誤差を求め、光量推定手段の推定した照射量を補正しているので、調光手段の移動に応じて発生する分岐光検出手段の検出結果の変化割合と被照射部への照射量の変化割合とが異なる場合でも、被照射部に照射される照射量を正確に検出して、フィードバックすることができる紫外線照射器を実現できる。
【0014】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、導光路と分岐手段との間の光路に、分岐手段により分岐された分岐光以外の紫外光を導光路に全て入射させる位置と紫外光を全て遮光する位置との間で移動自在に設けられた出射シャッターを備えて成ることを特徴とし、出射シャッターは導光路と分岐手段との間の光路に設けられているので、出射シャッターが紫外光を遮光しているか否かに関係なく、分岐光検出手段により分岐手段で分岐された分岐光の光量を検出することができ、且つ、分岐光以外の紫外光を全て遮光する位置に出射シャッターを移動させることによって、導光路から被照射部に紫外光を出射させない状態で調光手段の遮光量を制御することのできる紫外線照射器を実現できる。
【0015】
請求項3の発明では、紫外線ランプと、紫外線ランプを点灯させる点灯手段と、紫外線ランプから照射された紫外光を被照射部に導くための導光路と、紫外線ランプと導光路との間の光路に、紫外線ランプの紫外光を全て遮光する全閉位置と紫外光を全て導光路に照射させる全開位置との間で移動自在に設けられ、遮光する紫外線量を変化させることによって被照射部への照射量を調光する調光手段と、調光手段と導光路との間の光路に設けられ、導光路に入射する紫外光の一部を分岐する分岐手段と、分岐手段により分岐された分岐光の光量を検出する分岐光検出手段と、分岐光検出手段の検出結果に基づいて被照射部への照射量を推定する光量推定手段と、光量推定手段の推定結果に基づいて調光手段が遮光する紫外線量を制御し、被照射部への照射量を制御する光量制御手段とを備え、調光手段が全開位置と全閉位置との間で移動する移動範囲を複数の区間に分割し、各区間の境界点における光量推定手段の推定した照射量と実際の照射量との誤差から各区間内において誤差を近似する近似式を求め、該近似式から求めた誤差により光量推定手段の推定結果を補正する光量補正手段を設けた紫外線照射器の照射量制御方法であって、分岐光検出手段が分岐手段により分岐された分岐光の紫外線量を検出し、光量推定手段が分岐光検出手段の検出結果から被照射部への照射量を推定した後、光量補正手段が上記近似式から求めた誤差を光量推定手段の推定した照射量に加算することにより照射量を補正することを特徴とし、分岐光検出手段では分岐手段により分岐された紫外線の光量を検出し、光量推定手段では、分岐光検出手段の検出結果から被照射部に照射される紫外光の照射量を推定しており、光量補正手段では、上記各区間の境界点における光量推定手段の推定した照射量と実際の照射量との誤差に基づいて、各区間内における誤差を近似する近似式を求め、この近似式から区間内の任意の位置における誤差を求め、光量推定手段の推定した照射量を補正しているので、調光手段の移動に応じて発生する分岐光検出手段の検出結果の変化割合と被照射部への照射量の変化割合とが異なる場合でも、被照射部に照射される照射量を正確に検出して、フィードバックすることができる。
【0016】
請求項4の発明では、請求項3の発明において、ある区間の境界点における調光手段の位置をX1,X2とし、調光手段が位置X1,X2に移動した時点において、それぞれ、実際の照射量から光量推定手段が推定した照射量を引いた差分をM1,M2とし、調光手段が当該区間内の位置Xに移動した時点において、光量推定手段の推定した照射量をU、光量補正手段により補正した照射量をU’とすると、光量補正手段は、
U’=U+(M1×(X2−X)+M2×(X−X1))/(X2−X1)
という演算を行って照射量を補正したことを特徴とし、各区間の境界点における照射量の推定値と実際の照射量との誤差に基づいて、当該区間内における誤差を直線で近似しているので、光量推定手段の推定した照射量と実際の照射量との誤差を簡単な演算で補正することができる。
【0017】
請求項5の発明では、請求項3の発明において、ある区間の境界点における調光手段の位置をX1,X2とし、調光手段が位置X1,X2に移動した時点において、それぞれ、実際の照射量から光量推定手段が推定した照射量を引いた差分の光量推定手段が推定した照射量に対する比率をN1,N2とし、調光手段が当該区間内の位置Xに移動した時点において、光量推定手段の推定した照射量をU、光量補正手段により補正した照射量をU’とすると、光量補正手段は、
U’=U+U×(N1×(X2−X)+N2×(X−X1))/(X2−X1)
という演算を行って照射量を補正したことを特徴とし、各区間の境界点において、実際の照射量から光量推定手段が推定した照射量を引いた差分の光量推定手段が推定した照射量に対する比率から、当該区間内における誤差を直線で近似しているので、光量推定手段の推定した照射量と実際の照射量との誤差を簡単な演算で補正することができ、且つ、上記比率に光量推定手段の推定した照射量を乗じて誤差を求めているので、経時変化などによって誤差が照射量に応じて変動した場合でも、被照射部に照射される光量を正確に補正することができる。
【0018】
請求項6の発明では、請求項3の発明において、光量補正手段は、各区間内において誤差を二次曲線で近似したことを特徴とし、請求項3の発明と同様の作用を奏する。
【0019】
請求項7の発明では、請求項3の発明において、導光路と分岐手段との間の光路に設けられ、分岐手段により分岐された分岐光以外の紫外光を導光路に全て入射させる位置と紫外光を全て遮光する位置との間で移動自在に移動する出射シャッターを、紫外光を全て遮光する位置に移動させた状態で、分岐光検出手段が分岐手段により分岐された分岐光の紫外線量を検出し、光量推定手段が分岐光検出手段の検出結果から被照射部への照射量を推定した後、光量補正手段が上記近似式から求めた誤差を光量推定手段の推定した照射量に加算することにより照射量を補正することを特徴とし、出射シャッターは導光路と分岐手段との間の光路に設けられているので、出射シャッターが紫外光を遮光しているか否かに関係なく、分岐光検出手段により分岐手段で分岐された分岐光の光量を検出することができ、且つ、分岐光以外の紫外光を全て遮光する位置に出射シャッターを移動させることによって、導光路から被照射部に紫外光を出射させない状態で調光手段の遮光量を制御でき、被照射部に不用意に紫外光が出射されるのを防止できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0021】
(実施形態1)
本実施形態の紫外線照射器の概略構成図を図1に示す。本実施形態の紫外線照射器は、上述した従来の紫外線照射器と略同様の構成を有しており、従来の紫外線照射器では、UVセンサ15でモニタ用ファイバー6bから出力される分岐光の光量を検出し、制御部10でUVセンサ15の検出結果に所定の換算値を乗じて被照射部に照射される照射量を推定しているため、実際に被照射部に照射される照射量とUVセンサ15の検出結果から推定した照射量との間に誤差が発生する。それに対して本実施形態の紫外線照射器では、光量補正手段としての制御部10が、調光シャッター11が全閉位置と全開位置 との間で移動する移動範囲を複数の区間に分割し、各区間の境界点における照射量の推定値と実際の照射量との誤差から各区間内において誤差を近似する近似式を求め、該近似式から求めた誤差を照射量の推定値に加算して、照射量の推定値を補正している。尚、制御部10以外の紫外線照射器の構成は、上述した従来の紫外線照射器と同様であるので、同一の構成要素についての説明は省略する。
【0022】
以下に、制御部10の動作について簡単に説明する。本実施形態では、モータ16にパルスモータを用いており、調光シャッター11を全開位置から全閉位置まで回転させるのに、制御部10からモータ16に例えば180パルスのパスル信号を出力するものとする。ここで、調光シャッター11の初期位置を全開位置とすると、調光シャッター11が全開位置にある場合に、制御部10からモータ16に出力されているパルス数Xは0パルスであり、調光シャッター11を全閉位置まで移動させた時に、制御部10からモータ16に出力されたパルス数Xは180パルスである。また、調光シャッター11の全開位置における調光率は100%であり、調光シャッター11の全閉位置における調光率は0%である。尚、調光率とは、調光シャッター11が全開位置から全閉位置に回転するまでの調光シャッター11の開口率(回転角の比)であり、制御部10からモータ16に入力されるパルス数Xによって決定される。
【0023】
調光シャッター11が全開位置(調光率100%)から全閉位置(調光率0%)まで回転すると、調光シャッター11によって遮光される紫外光の紫外線量が徐々に増加するため、被照射部への照射量が減少する。この時、モニタ用ファイバー6bにより分岐される分岐光の光量も減少するので、図3(a)に示すようにUVセンサ15の出力電圧も徐々に低下する。制御部10では、UVセンサ15の検出結果に所定の係数を乗じて、被照射部に照射される照射量(UV強度)を演算しており、演算により求めた照射量Uを図2(b)に破線で示す。
【0024】
ところで、調光シャッター11の回転によって発生するメインファイバー6aからの照射光の変化傾向と、モニタ用ファイバー6bからの分岐光の変化傾向との間には、ライトガイド6の種類や調光シャッター11の形状によって差が生じるため、メインファイバー6aから被照射部に照射される実際の照射量V(図2(b)に実線で示す。)と、演算により求めた照射量Uとの間にも誤差が発生する。
【0025】
ここで、本実施形態では調光シャッター11が全開位置から全閉位置に移動するまでの移動範囲を、制御部10からモータ16に出力するパルス数Xに応じて5つの区間W1〜W5に分割している。すなわち、制御部10からモータ16に出力されるパルス数Xが、0以上且つ40以下の区間をW1、40以上且つ70以下の区間をW2、70以上且つ100以下の区間をW3、100以上且つ130以下の区間をW4、130以上且つ180以下の区間をW5に設定している。
【0026】
そして、各区間の境界点におけるパルス数をX1,X2とし、パルス数がX(X1≦X≦X2)の位置に調光シャッター11が移動した時点での演算により求めた照射量をUとすると、制御部10は以下の演算式により照射量Uを補正し、補正後の照射量U’を求めている。
【0027】
【式1】
【0028】
但し、M1は、パルス数がX1の位置に調光シャッター11が移動した時点において、実際の照射量L1から照射量の推定値K1を引いた差分(M1=L1−K1)であり、M2は、パルス数がX2の位置に調光シャッター11が移動した時点において、実際の照射量L2から照射量の推定値K2を引いた差分(M2=L2−K2)である。
【0029】
例えば各区間W1〜W5の境界点、すなわちパルス数Xが0パルス、40パルス、70パルス、100パルス、130パルス、180パルスの時の照射量UをそれぞれA’,B’,C’,D’,E’,F’とし、パルス数Xが0パルス、40パルス、70パルス、100パルス、130パルス、180パルスの時の照射量VをそれぞれA,B,C,D,E,Fとすると、制御部10では、各区間W1〜W5において、各区間W1〜W5の境界点における実際の照射量Vと照射量の推定値Uとの差分(誤差)から、各区間W1〜W5内における誤差を近似する近似式を求め、各区間W1〜W5内の任意の位置において、この近似式を用いて求めた誤差を推定値Uに加算することにより、区間補正を行っている。尚、各区間W1〜W5の境界点における実際の照射量A〜Fは、被照射部に照射される照射量を予め実測した値が制御部10に設定されている。
【0030】
つまり、パルス数Xが0パルスの位置において、照射量の推定値Uと実際の推定値Vとの誤差をa1(=A−A’)、パルス数Xが40パルスの位置において、照射量の推定値Uと実際の推定値Vとの誤差をb1(=B−B’)とすると、区間W1(40−0=40パルス)においてパルス数がXの時の補正後の照射量U’は次式のようになる。
【0031】
【式2】
【0032】
パルス数Xが70パルスの位置において、照射量の推定値Uと実際の推定値Vとの誤差をc1(=C−C’)とすると、区間W2(70−40=30(パルス))においてパルス数がXの時の補正後の照射量U’は次式のようになる。
【0033】
【式3】
【0034】
パルス数Xが100パルスの位置において、照射量の推定値Uと実際の推定値Vとの誤差をd1(=D−D’)とすると、区間W3(100−70=30(パルス))においてパルス数がXの時の補正後の照射量U’は次式のようになる。
【0035】
【式4】
【0036】
パルス数Xが130パルスの位置において、照射量の推定値Uと実際の推定値Vとの誤差をe1(=E−E’)とすると、区間W4(130−100=30(パルス))においてパルス数がXの時の補正後の照射量U’は次式のようになる。
【0037】
【式5】
【0038】
パルス数Xが180パルスの位置において、照射量の推定値Uと実際の推定値Vとの誤差をf1(=E−E’)とすると、区間W5(180−130=50(パルス))においてパルス数がXの時の補正後の照射量U’は次式のようになる。
【0039】
【式6】
【0040】
上述のように、制御部10では、各区間W1〜W5の境界点における照射量の推定値Uと実際の照射量Vとの誤差(例えば区間W1ではパルス数Xが0パルスと40パルスでの差a,b)に基づいて各区間内での誤差を直線で近似している。そして、誤差を近似した近似式を用いて各区間W1〜W5内の任意の位置における誤差を求め、照射量の推定値Uに加算しており、図3(d)に示すように補正後の照射量U’と実測値Vとを略一致させることができる。
【0041】
尚、本実施形態では各区間W1〜W5において、各区間内での照射量の推定値Uと実際の照射量Vとの誤差を直線で補正しているが、二次曲線で補正しても良く、同様の効果を得ることができる。また、上述の各式では制御部10からモータ16に出力するパルス数Xを変数としているが、パルス数Xの代わりに調光率を用いても良い。また本実施形態では、調光シャッター11が全開位置から全閉位置へ移行するまでの移動範囲を5つの区間W1〜W5に分割しているが、区間の数を5つに限定する趣旨のものではなく、調光シャッター11の形状によって、パルス数Xに対する強度換算値Uの変化傾向が変化した場合は、その変化傾向に合わせて区間の数を増減させれば良い。
【0042】
(実施形態2)
実施形態1では、制御部10は、各区間W1〜W5の境界点における照射量の推定値Uと実際の照射量Vとの差(例えば区間W1では0パルスと40パルスでの差a,b)から、各区間内での両者の誤差を近似する近似式を求め、この近似式から区間内の任意の位置における誤差を求めて推定値Uに加算しているため、誤差が変化しない場合は有効であるが、例えば紫外線ランプ1の劣化に伴って、図4に示すよう実際の照射量V及び照射量の推定値Uが変化し、両者の誤差も変化する場合は、時間の経過とともに補正後の照射量U’と実際の照射量Vとが一致しなくなる場合がある。尚、図4中のイ、ロは紫外線ランプ1が劣化する前の照射量U、Vをそれぞれ示し、図4中のハ,ニは劣化後の照射量U、Vをそれぞれ示している。例えばパルス数がXaの位置に調光シャッター11がある場合に、実際の照射量Vが劣化前後でGからG1に変化し、照射量の推定値Uが劣化前後でG’からG1’に変化したとすると、劣化前後で両者の誤差が変化している。
【0043】
そこで、本実施形態の紫外線照射装置では、実施形態1と同様に、調光シャッター11の移動範囲を、制御部10からモータ16に出力するパルス数Xに応じて5つの区間W1〜W5に分割しており、各区間の境界点におけるパルス数をX1,X2とし、パルス数がX(X1≦X≦X2)の位置に調光シャッター11が移動した時点での演算により求めた照射量をUとすると、制御部10は以下の演算式により照射量Uを補正し、補正後の照射量U’を求めている。尚、紫外線照射器の構成は実施形態1と同様であるので、その説明は省略し、異なる部分についてのみ説明を行う。
【0044】
【式7】
【0045】
但し、N1は、パルス数がX1の位置に調光シャッター11が移動した時点において、実際の照射量L1から照射量の推定値K1を引いた差分の推定値K1に対する比率(N1=(L1−K1)/K1)であり、N2は、パルス数がX2の位置に調光シャッター11が移動した時点において、実際の照射量L2から照射量の推定値K2を引いた差分の推定値K2に対する比率(M2=(L2−K2)/K2)である。
【0046】
例えば、各区間W1〜W5の境界点、すなわとパルス数Xが0パルス、40パルス、70パルス、100パルス、130パルス、180パルスの時の紫外線の強度換算値UをそれぞれA’,B’,C’,D’,E’,F’とし、パルス数Xが0パルス、40パルス、70パルス、100パルス、130パルス、180パルスの時にメインファイバー6aから照射される紫外光の実測値VをそれぞれA,B,C,D,E,Fとすると、制御部10では、各区間W1〜W5において、各区間W1〜W5の境界点における実際の照射量Vと照射量の推定値Uとの差分の推定値Uに対する比率から、各区間W1〜W5内における誤差を近似する近似式を求め、各区間W1〜W5内の任意の位置において、この近似式を用いて求めた誤差を推定値Uに加算することにより、区間補正を行っている。
【0047】
つまり、パルス数Xが0パルスの位置において、実際の照射量L2から照射量の推定値K2を引いた差分の推定値K2に対する比率をa2(=(A−A’)/A’)、パルス数Xが40パルスの位置において、実際の照射量L2から照射量の推定値K2を引いた差分の推定値K2に対する比率をb2(=(B−B’)/B’)とすると、区間W1(40−0=40パルス)においてパルス数がXの時の補正後の照射量U’は次式のようになる。
【0048】
【式8】
【0049】
パルス数Xが70パルスの位置において、実際の照射量L2から照射量の推定値K2を引いた差分の推定値K2に対する比率をc2(=(C−C’)/C’)とすると、区間W2(70−40=30(パルス))においてパルス数がXの時の補正後の照射量U’は次式のようになる。
【0050】
【式9】
【0051】
パルス数Xが100パルスの位置において、実際の照射量L2から照射量の推定値K2を引いた差分の推定値K2に対する比率をd2(=(D−D’)/D’)とすると、区間W3(100−70=30(パルス))においてパルス数がXの時の補正後の照射量U’は次式のようになる。
【0052】
【式10】
【0053】
パルス数Xが130パルスの位置において、実際の照射量L2から照射量の推定値K2を引いた差分の推定値K2に対する比率をe2(=(E−E’)/E’)とすると、区間W4(130−100=30(パルス))においてパルス数がXの時の補正後の照射量U’は次式のようになる。
【0054】
【式11】
【0055】
パルス数Xが180パルスの位置において、実際の照射量L2から照射量の推定値K2を引いた差分の推定値K2に対する比率をf2(=(F−F’)/F’)とすると、区間W5(180−130=50(パルス))においてパルス数がXの時の補正後の照射量U’は次式のようになる。
【0056】
【式12】
【0057】
このように、制御部10では、各区間W1〜W5の境界点における実際の照射量Vから照射量の推定値Uを引いた差分の推定値Uに対する比率に基づいて、各区間内での強度換算値Uと実測値Vとの誤差を直線補正で推測し、その比率に推定値Uを乗じて誤差を求めているので、経時変化などによって誤差が照射量Uに応じて変動した場合でも、補正後の照射量U’と実際の照射量Vとを略一致させることができる。
【0058】
尚、本実施形態では各区間W1〜W5において、各区間内での照射量の推定値Uと実際の照射量Vとの誤差を直線で補正しているが、二次曲線で補正しても良く、同様の効果を得ることができる。また、上述の各式では制御部10からモータ16に出力するパルス数Xを変数としているが、パルス数Xの代わりに調光率を用いても良い。また本実施形態では、調光シャッター11が全開位置から全閉位置へ移行するまでの移動範囲を5つの区間W1〜W5に分割しているが、区間の数を5つに限定する趣旨のものではなく、調光シャッター11の形状によって、パルス数Xに対する強度換算値Uの変化傾向が変化した場合は、その変化傾向に合わせて区間の数を増減させれば良い。
【0059】
(実施形態3)
図5に本実施形態の紫外線照射器の一部省略せる概略構成図を示す。実施形態1又は2の紫外線照射器では、メインファイバー6aとモニタ用ファイバー6bとでライトガイド6を構成しているが、本実施形態ではメインファイバー6aのみでライトガイド6を構成している。また、実施形態1又は2の紫外線照射器では、紫外線ランプ1と調光シャッター11との間の光路に出射シャッター7を設けているが、本実施形態では、調光シャッター11と出射口3との間の光路に出射シャッター7を設け、さらに調光シャッター11と出射シャッター7との間の光路にハーフミラー18を設けている。そして、紫外線ランプ1から出射口3に入射する紫外光の一部をハーフミラー18で分岐し、分岐された紫外光をレンズ19で集光してモニタ用ファイバー6bに入射させ、モニタ用ファイバー6bに入射された紫外光は入射シャッター17を介してUVセンサ15に入射されている。
【0060】
この紫外線照射器の動作を簡単に説明する。先ず紫外線ランプ1を発光させ、紫外線ランプ1から照射された紫外光を反射鏡2で調光シャッター11に集光させる。モータ16は制御部10からの信号に応じて調光シャッター11の開度を変化させており、ハーフミラー18側に出射される紫外光の紫外線量が制御される。ハーフミラー18では、調光シャッター11を介して入射した紫外光の一部をモニタ用ファイバー6bに分岐するとともに、残りの紫外光を出射シャッター7を介して出射口3に照射する。そして出射口3に入射された紫外光はライトガイド6に導かれて被照射部に照射される。
【0061】
一方、ハーフミラー18で分岐された紫外光はレンズ19により集光されて、モニタ用ファイバー6bに照射される。モニタ用ファイバー6bに照射された紫外光は入射シャッター17を介してUVセンサ15に入射され、UVセンサ15は入射された紫外線の強度に応じた電圧信号(又は電流信号)を検出信号として制御部10に出力する。制御部10では、UVセンサ15の検出信号に基づいて被照射部に照射される紫外線の強度を推定しており、予め設定された紫外線強度と推定値との間に偏差があれば、偏差をなくす方向へ調光シャッター11を回転させるよう、モータ16に駆動信号を出力する。尚、制御部10では、実施形態1又は2と同様の方法で、UVセンサ15の検出結果から求めた紫外線強度と実際の紫外線強度との誤差を補正している。
【0062】
このように、本実施形態では出射シャッター7の前段で紫外線ランプ1から照射された紫外光の一部を分岐し、分岐された紫外光をUVセンサ15に入射させているので、出射シャッター7を閉じた状態でも、UVセンサ15を用いてモニタ用ファイバー6bに分岐される紫外光の紫外線量を検出して、被照射部に照射される紫外線量を調光することができる。したがって、出射シャッター7を閉じた状態で被照射部に照射される紫外線量を調光すれば、紫外線量を調整する際にメインファイバー6aから外部へ紫外光が不用意に出射されるのを防止でき、安全性を高めることができる。
【0063】
【発明の効果】
上述のように、請求項1の発明は、紫外線ランプと、紫外線ランプを点灯させる点灯手段と、紫外線ランプから照射された紫外光を被照射部に導くための導光路と、紫外線ランプと導光路との間の光路に、紫外線ランプの紫外光を全て遮光する全閉位置と紫外光を全て導光路に照射させる全開位置との間で移動自在に設けられ、遮光する紫外線量を変化させることによって被照射部への照射量を調光する調光手段と、調光手段と導光路との間の光路に設けられ、導光路に入射する紫外光の一部を分岐する分岐手段と、分岐手段により分岐された分岐光の光量を検出する分岐光検出手段と、分岐光検出手段の検出結果に基づいて被照射部への照射量を推定する光量推定手段と、光量推定手段の推定結果に基づいて調光手段が遮光する紫外線量を制御し、被照射部への照射量を制御する光量制御手段とを備え、調光手段が全開位置と全閉位置との間で移動する移動範囲を複数の区間に分割し、各区間の境界点における光量推定手段の推定した照射量と実際の照射量との誤差から各区間内において誤差を近似する近似式を求め、該近似式から求めた誤差により光量推定手段の推定結果を補正する光量補正手段を設けたことを特徴とし、分岐光検出手段では分岐手段により分岐された紫外線の光量を検出し、光量推定手段では、分岐光検出手段の検出結果から被照射部に照射される紫外光の照射量を推定しており、光量補正手段では、上記各区間の境界点における光量推定手段の推定した照射量と実際の照射量との誤差に基づいて、各区間内における誤差を近似する近似式を求め、この近似式から区間内の任意の位置における誤差を求め、光量推定手段の推定した照射量を補正しているので、調光手段の移動に応じて発生する分岐光検出手段の検出結果の変化割合と被照射部への照射量の変化割合とが異なる場合でも、被照射部に照射される照射量を正確に検出して、フィードバックすることができる紫外線照射器を実現できるという効果がある。
【0064】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、導光路と分岐手段との間の光路に、分岐手段により分岐された分岐光以外の紫外光を導光路に全て入射させる位置と紫外光を全て遮光する位置との間で移動自在に設けられた出射シャッターを備えて成ることを特徴とし、出射シャッターは導光路と分岐手段との間の光路に設けられているので、出射シャッターが紫外光を遮光しているか否かに関係なく、分岐光検出手段により分岐手段で分岐された分岐光の光量を検出することができ、且つ、分岐光以外の紫外光を全て遮光する位置に出射シャッターを移動させることによって、導光路から被照射部に紫外光を出射させない状態で調光手段の遮光量を制御することのできる紫外線照射器を実現できるという効果がある。
【0065】
請求項3の発明は、紫外線ランプと、紫外線ランプを点灯させる点灯手段と、紫外線ランプから照射された紫外光を被照射部に導くための導光路と、紫外線ランプと導光路との間の光路に、紫外線ランプの紫外光を全て遮光する全閉位置と紫外光を全て導光路に照射させる全開位置との間で移動自在に設けられ、遮光する紫外線量を変化させることによって被照射部への照射量を調光する調光手段と、調光手段と導光路との間の光路に設けられ、導光路に入射する紫外光の一部を分岐する分岐手段と、分岐手段により分岐された分岐光の光量を検出する分岐光検出手段と、分岐光検出手段の検出結果に基づいて被照射部への照射量を推定する光量推定手段と、光量推定手段の推定結果に基づいて調光手段が遮光する紫外線量を制御し、被照射部への照射量を制御する光量制御手段とを備え、調光手段が全開位置と全閉位置との間で移動する移動範囲を複数の区間に分割し、各区間の境界点における光量推定手段の推定した照射量と実際の照射量との誤差から各区間内において誤差を近似する近似式を求め、該近似式から求めた誤差により光量推定手段の推定結果を補正する光量補正手段を設けた紫外線照射器の照射量制御方法であって、分岐光検出手段が分岐手段により分岐された分岐光の紫外線量を検出し、光量推定手段が分岐光検出手段の検出結果から被照射部への照射量を推定した後、光量補正手段が上記近似式から求めた誤差を光量推定手段の推定した照射量に加算することにより照射量を補正することを特徴とし、分岐光検出手段では分岐手段により分岐された紫外線の光量を検出し、光量推定手段では、分岐光検出手段の検出結果から被照射部に照射される紫外光の照射量を推定しており、光量補正手段では、上記各区間の境界点における光量推定手段の推定した照射量と実際の照射量との誤差に基づいて、各区間内における誤差を近似する近似式を求め、この近似式から区間内の任意の位置における誤差を求め、光量推定手段の推定した照射量を補正しているので、調光手段の移動に応じて発生する分岐光検出手段の検出結果の変化割合と被照射部への照射量の変化割合とが異なる場合でも、被照射部に照射される照射量を正確に検出して、フィードバックすることができるという効果がある。
【0066】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、ある区間の境界点における調光手段の位置をX1,X2とし、調光手段が位置X1,X2に移動した時点において、それぞれ、実際の照射量から光量推定手段が推定した照射量を引いた差分をM1,M2とし、調光手段が当該区間内の位置Xに移動した時点において、光量推定手段の推定した照射量をU、光量補正手段により補正した照射量をU’とすると、光量補正手段は、
U’=U+(M1×(X2−X)+M2×(X−X1))/(X2−X1)
という演算を行って照射量を補正したことを特徴とし、各区間の境界点における照射量の推定値と実際の照射量との誤差に基づいて、当該区間内における誤差を直線で近似しているので、光量推定手段の推定した照射量と実際の照射量との誤差を簡単な演算で補正することができるという効果がある。
【0067】
請求項5の発明は、請求項3の発明において、ある区間の境界点における調光手段の位置をX1,X2とし、調光手段が位置X1,X2に移動した時点において、それぞれ、実際の照射量から光量推定手段が推定した照射量を引いた差分の光量推定手段が推定した照射量に対する比率をN1,N2とし、調光手段が当該区間内の位置Xに移動した時点において、光量推定手段の推定した照射量をU、光量補正手段により補正した照射量をU’とすると、光量補正手段は、
U’=U+U×(N1×(X2−X)+N2×(X−X1))/(X2−X1)
という演算を行って照射量を補正したことを特徴とし、各区間の境界点において、実際の照射量から光量推定手段が推定した照射量を引いた差分の光量推定手段が推定した照射量に対する比率から、当該区間内における誤差を直線で近似しているので、光量推定手段の推定した照射量と実際の照射量との誤差を簡単な演算で補正することができ、且つ、上記比率に光量推定手段の推定した照射量を乗じて誤差を求めているので、経時変化などによって誤差が照射量に応じて変動した場合でも、被照射部に照射される光量を正確に補正できるという効果がある。
【0068】
請求項6の発明は、請求項3の発明において、光量補正手段は、各区間内において誤差を二次曲線で近似したことを特徴とし、請求項3の発明と同様の効果をそうする。
【0069】
請求項7の発明は、請求項3の発明において、導光路と分岐手段との間の光路に設けられ、分岐手段により分岐された分岐光以外の紫外光を導光路に全て入射させる位置と紫外光を全て遮光する位置との間で移動自在に移動する出射シャッターを、紫外光を全て遮光する位置に移動させた状態で、分岐光検出手段が分岐手段により分岐された分岐光の紫外線量を検出し、光量推定手段が分岐光検出手段の検出結果から被照射部への照射量を推定した後、光量補正手段が上記近似式から求めた誤差を光量推定手段の推定した照射量に加算することにより照射量を補正することを特徴とし、出射シャッターは導光路と分岐手段との間の光路に設けられているので、出射シャッターが紫外光を遮光しているか否かに関係なく、分岐光検出手段により分岐手段で分岐された分岐光の光量を検出することができ、且つ、分岐光以外の紫外光を全て遮光する位置に出射シャッターを移動させることによって、導光路から被照射部に紫外光を出射させない状態で調光手段の遮光量を制御でき、被照射部に不用意に紫外光が出射されるのを防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1及び従来の紫外線照射器の概略構成図である。
【図2】同上に用いるライトガイドの概略図である。
【図3】(a)〜(d)は同上の照射量補正方法を説明する説明図である。
【図4】実施形態2の紫外線照射器の照射量補正方法を説明する説明図である。
【図5】実施形態3の紫外線照射器の一部省略せる概略構成図である。
【図6】(a)は同上に用いるメインファイバーの断面図であり、(b)は同上に用いるモニタ用ファイバーの断面図である。
【図7】従来の紫外線照射器の概略構成図である。
【図8】(a)(b)は同上に用いる調光シャッターの動作を説明する図である。
【図9】同上の紫外線強度の別の調整方法を説明する図である。
【図10】(a)〜(c)は同上に用いるライトガイドの断面図である。
【図11】(a)は同上に用いる調光シャッターのエッジ形状を示す図であり、(b)は調光シャッターの開閉位置と被照射部に照射されるUV強度との関係を示す図である。
【図12】(a)は同上に用いる別の調光シャッターのエッジ形状を示す図であり、(b)は調光シャッターの開閉位置と被照射部に照射されるUV強度との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 紫外線ランプ
6 ライトガイド
6b 分岐用ファイバー
10 制御部
11 調光シャッター
15 UVセンサ
Claims (7)
- 紫外線ランプと、紫外線ランプを点灯させる点灯手段と、紫外線ランプから照射された紫外光を被照射部に導くための導光路と、紫外線ランプと導光路との間の光路に、紫外線ランプの紫外光を全て遮光する全閉位置と紫外光を全て導光路に照射させる全開位置との間で移動自在に設けられ、遮光する紫外線量を変化させることによって被照射部への照射量を調光する調光手段と、調光手段と導光路との間の光路に設けられ、導光路に入射する紫外光の一部を分岐する分岐手段と、分岐手段により分岐された分岐光の光量を検出する分岐光検出手段と、分岐光検出手段の検出結果に基づいて被照射部への照射量を推定する光量推定手段と、光量推定手段の推定結果に基づいて調光手段が遮光する紫外線量を制御し、被照射部への照射量を制御する光量制御手段とを備え、調光手段が全開位置と全閉位置との間で移動する移動範囲を複数の区間に分割し、各区間の境界点における光量推定手段の推定した照射量と実際の照射量との誤差から各区間内において誤差を近似する近似式を求め、該近似式から求めた誤差により光量推定手段の推定結果を補正する光量補正手段を設けたことを特徴とする紫外線照射器。
- 導光路と分岐手段との間の光路に、分岐手段により分岐された分岐光以外の紫外光を導光路に全て入射させる位置と紫外光を全て遮光する位置との間で移動自在に設けられた出射シャッターを備えて成ることを特徴とする請求項1記載の紫外線照射器。
- 紫外線ランプと、紫外線ランプを点灯させる点灯手段と、紫外線ランプから照射された紫外光を被照射部に導くための導光路と、紫外線ランプと導光路との間の光路に、紫外線ランプの紫外光を全て遮光する全閉位置と紫外光を全て導光路に照射させる全開位置との間で移動自在に設けられ、遮光する紫外線量を変化させることによって被照射部への照射量を調光する調光手段と、調光手段と導光路との間の光路に設けられ、導光路に入射する紫外光の一部を分岐する分岐手段と、分岐手段により分岐された分岐光の光量を検出する分岐光検出手段と、分岐光検出手段の検出結果に基づいて被照射部への照射量を推定する光量推定手段と、光量推定手段の推定結果に基づいて調光手段が遮光する紫外線量を制御し、被照射部への照射量を制御する光量制御手段とを備え、調光手段が全開位置と全閉位置との間で移動する移動範囲を複数の区間に分割し、各区間の境界点における光量推定手段の推定した照射量と実際の照射量との誤差から各区間内において誤差を近似する近似式を求め、該近似式から求めた誤差により光量推定手段の推定結果を補正する光量補正手段を設けた紫外線照射器の照射量制御方法であって、分岐光検出手段が分岐手段により分岐された分岐光の紫外線量を検出し、光量推定手段が分岐光検出手段の検出結果から被照射部への照射量を推定した後、光量補正手段が上記近似式から求めた誤差を光量推定手段の推定した照射量に加算することにより照射量を補正することを特徴とする紫外線照射器の照射量制御方法。
- ある区間の境界点における調光手段の位置をX1,X2とし、調光手段が位置X1,X2に移動した時点において、それぞれ、実際の照射量から光量推定手段が推定した照射量を引いた差分をM1,M2とし、調光手段が当該区間内の位置Xに移動した時点において、光量推定手段の推定した照射量をU、光量補正手段により補正した照射量をU’とすると、光量補正手段は、
U’=U+(M1×(X2−X)+M2×(X−X1))/(X2−X1)
という演算を行って照射量を補正したことを特徴とする請求項3記載の紫外線照射器の照射量制御方法。 - ある区間の境界点における調光手段の位置をX1,X2とし、調光手段が位置X1,X2に移動した時点において、それぞれ、実際の照射量から光量推定手段が推定した照射量を引いた差分の光量推定手段が推定した照射量に対する比率をN1,N2とし、調光手段が当該区間内の位置Xに移動した時点において、光量推定手段の推定した照射量をU、光量補正手段により補正した照射量をU’とすると、光量補正手段は、
U’=U+U×(N1×(X2−X)+N2×(X−X1))/(X2−X1)
という演算を行って照射量を補正したことを特徴とする請求項3記載の紫外線照射器の照射量制御方法。 - 光量補正手段は、各区間内において誤差を二次曲線で近似したことを特徴とする請求項3記載の紫外線照射器の照射量制御方法。
- 導光路と分岐手段との間の光路に設けられ、分岐手段により分岐された分岐光以外の紫外光を導光路に全て入射させる位置と紫外光を全て遮光する位置との間で移動自在に移動する出射シャッターを、紫外光を全て遮光する位置に移動させた状態で、分岐光検出手段が分岐手段により分岐された分岐光の紫外線量を検出し、光量推定手段が分岐光検出手段の検出結果から被照射部への照射量を推定した後、光量補正手段が上記近似式から求めた誤差を光量推定手段の推定した照射量に加算することにより照射量を補正することを特徴とする請求項3記載の紫外線照射器の照射量制御方法。
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