JP3903153B2 - ドライブシャフト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はドライブシャフトにかかり、特には、農作業用として使用される安全カバー付きのドライブシャフトに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、安全カバー付きのドライブシャフトは農業機械のトラクタと作業機とを駆動連結する際などに使用されており、この種のドライブシャフトとしては図2の半断面図で示すようなものがある。すなわち、このドライブシャフトは、軸心方向に沿って摺動自在に抜差嵌合された内外一対のスリーブヨーク1及びシャフトヨーク2と、スリーブヨーク1及びシャフトヨーク2それぞれの端部位置にウェルドヨーク3を介して取着されたユニバーサルジョイント4,5と、各ウェルドヨーク3の径方向での外側位置に配設されたうえでスリーブヨーク1及びシャフトヨーク2のそれぞれを包囲し、かつ、軸心方向に沿って摺動自在に抜差嵌合された内外一対の安全カバー6,7とを具備している。
【0003】
そして、この際におけるドライブシャフトでは、安全カバー6,7に対するウェルドヨーク3の相対回転を確保する必要上、図3(a)で示すような平面視形状とされ、かつ、図3(b)で示すような半断面視形状とされた円環状の樹脂スライダ8を使用してラジアル方向(径方向)及びスラスト方向(軸心方向)の固定をすることが行われており、樹脂スライダ8のそれぞれは各ウェルドヨーク3及び安全カバー6,7間に介装したうえで取着されている。また、樹脂スライダ8の円周方向に沿う内面上には断面視半円状の凸部8aが形成される一方、各ウェルドヨーク3の円周方向に沿った外面上には、断面視半円形状の凹部3aが形成されており、凹部3aに対する凸部8aの嵌入に伴って樹脂スライダ8は位置決めされることになっている。さらに、樹脂スライダ8の円周方向に沿う所定位置には所定間隔を有する切り離し部8bが径方向に沿ったうえで形成されており、この切り離し部8bは樹脂スライダ8の組込性を確保する必要上、つまり、ドライブシャフトの組立時における樹脂スライダ8自体の円周方向に沿う収縮及び拡張を可能とする必要上から設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したように、ドライブシャフトが具備している樹脂スライダ8ではその組込上の必要から切り離し部8bが形成されているのであるが、このような切り離し部8bが形成された樹脂スライダ8の成形時には切り離し部8bの端面同士が密着することになり、図4で平面視形状を示すように、閉塞された切り離し部8bの両側に位置する端部8c同士が互いに押しあいながら径方向内側へと膨出することが起こる。そして、このようなことが起こっていると、樹脂スライダ8の円周方向に沿う内面の真円度を確保することができないという不都合が生じる。
【0005】
本発明はこのような不都合に鑑みて創案されたものであって、成形時においても樹脂スライダの円周方向に沿う内面の真円度を全体として確保することが可能な構成とされたドライブシャフトの提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかるドライブシャフトは、軸心方向に沿って摺動自在に抜差嵌合された内外一対のスリーブヨーク及びシャフトヨークと、スリーブヨーク及びシャフトヨークそれぞれの端部位置にウェルドヨークを介して取着されたユニバーサルジョイントと、各ウェルドヨークの径方向での外側位置に取着されたうえでスリーブヨーク及びシャフトヨークのそれぞれを包囲し、かつ、軸心方向に沿って摺動自在に抜差嵌合された内外一対の安全カバーと、安全カバー及びウェルドヨーク間に介装して取着された円環状の樹脂スライダとを具備してなるドライブシャフトであって、樹脂スライダの円周方向における所定位置には所定間隔を有する切り離し部が径方向に沿って形成されているとともに、この樹脂スライダの円周方向に沿う内面上の切り離し部と合致する位置には軸心方向に沿った凹部が形成されている。
【0007】
上記構成によれば、樹脂スライダの成形時に切り離し部の端面同士が密着し、切り離し部の両側に位置している端部同士が互いに押しあうことが起こったとしても、樹脂スライダの径方向に沿う内面上の切り離し部と合致する位置には軸心方向に沿った凹部が予め形成されているので、切り離し部の両側に位置している端部が凹部よりも径方向内側まで膨出することは起こらない。その結果、成形時においても樹脂スライダの円周方向に沿う内面の真円度を全体として確保することが可能になるという利点が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本実施の形態にかかる樹脂スライダの平面視形状及び半断面視形状を示す説明図であるが、本実施の形態にかかる樹脂スライダの全体構成は従来の形態と基本的に異ならないので、図1において図3及び図4のそれぞれと互いに同一もしくは相当する部品、部分には同一符号を付している。なお、ドライブシャフトの全体構成も従来の形態と基本的には相違しないので、本実施の形態にかかる樹脂スライダを具備してなるドライブシャフトの全体構成については図2を参照しながら説明する。
【0009】
本実施の形態にかかる樹脂スライダを具備してなるドライブシャフトは、従来の形態と同じく図2で示すように、軸心方向に沿って摺動自在に抜差嵌合された内外一対のスリーブヨーク1及びシャフトヨーク2と、スリーブヨーク1及びシャフトヨーク2それぞれの端部位置にウェルドヨーク3を介して取着されたユニバーサルジョイント4,5と、各ウェルドヨーク3の径方向での外側位置に取着されたうえでスリーブヨーク1及びシャフトヨーク2のそれぞれを包囲し、かつ、軸心方向に沿って摺動自在に抜差嵌合された内外一対の安全カバー6,7とを具備している。なお、図2中の符号10はチェーンを示しており、これらのチェーン10は安全カバー6,7同士を互いに固定する際などに用いられることになっている。
【0010】
そして、ドライブシャフトが具備しているウェルドヨーク3と安全カバー6,7との間には、非強化ナイロン66(商品名)などを用いて作製された円環状、つまり、図1(a)で示すような平面視形状とされ、かつ、図1(b)で示すような半断面視形状とされた円環状の樹脂スライダ8が介装されており、この際における樹脂スライダ8の円周方向に沿う内面上には断面視半円形状の凸部8aがほぼ全周にわたって形成されている。また、ウェルドヨーク3の円周方向に沿う外面上には断面視半円形状とされたうえで樹脂スライダ8の凸部8aが嵌入される凹部3aがほぼ全周にわたって形成されており、凹部3aに対する凸部8aの嵌入に伴って樹脂スライダ8をラジアル方向及びスラスト方向に位置決め固定することが行われている。
【0011】
さらにまた、樹脂スライダ8の円周方向における所定位置には組込性を確保するための切り離し部8b、つまり、所定間隔を有する切り離し部8bが径方向に沿って形成されているとともに、この樹脂スライダ8の円周方向に沿う内面上の切り離し部8bと合致する位置には軸心方向に沿った凹部、つまり、所定深さで所定幅の凹部8dが形成されている。その結果、この切り離し部8bの両側に位置する端部8cそれぞれの厚みは凹部8dの分だけ他の部分よりも薄肉化されていることになり、樹脂スライダ8の成形時に切り離し部8bの端面同士が密着し、かつ、切り離し部8bの両側に位置する端部8c同士が互いに押しあって径方向内側へと膨出したとしても、予め薄肉化されている端部8cが樹脂スライダ8の内面によって形作られる仮想的な円周線を越えてまで膨出することは起こらないことになる。
【0012】
【発明の効果】
本発明にかかるドライブシャフトによれば、樹脂スライダの円周方向に沿う内面上の切り離し部と合致する位置には軸心方向に沿った凹部が予め形成されているので、樹脂スライダの成形時に切り離し部の端面同士が密着し、切り離し部の両側に位置している端部同士が互いに押しあうことが起こったとしても、切り離し部の両側に位置する端部が樹脂スライダの円周方向に沿う内面よりも内側にまで膨出することは起こらない。したがって、成形時においても樹脂スライダの円周方向に沿う内面の真円度を全体として確保することが可能になり、真円度を確保することができないことに伴う種々の不都合が発生することを防止できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかる樹脂スライダの平面視形状を示す平面図、及び、その半断面視形状を示す半断面図である。
【図2】本実施の形態及び従来の形態にかかるドライブシャフトの全体構成を示す半断面図である。
【図3】従来の形態にかかる樹脂スライダの平面視形状を示す平面図、及び、その半断面視形状を示す半断面図である。
【図4】従来の形態にかかるスライダの成形時状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 スリーブヨーク
2 シャフトヨーク
3 ウェルドヨーク
4 ユニバーサルジョイント
5 ユニバーサルジョイント
6 安全カバー
7 安全カバー
8 樹脂スライダ
8a 凸部
8b 切り離し部
8d 凹部
Claims (1)
- 軸心方向に沿って摺動自在に抜差嵌合された内外一対のスリーブヨーク及びシャフトヨークと、スリーブヨーク及びシャフトヨークそれぞれの端部位置にウェルドヨークを介して取着されたユニバーサルジョイントと、各ウェルドヨークの径方向での外側位置に取着されたうえでスリーブヨーク及びシャフトヨークのそれぞれを包囲し、かつ、軸心方向に沿って摺動自在に抜差嵌合された内外一対の安全カバーと、安全カバー及びウェルドヨーク間に介装して取着された円環状の樹脂スライダとを具備してなるドライブシャフトであって、
樹脂スライダの円周方向における所定位置には所定間隔を有する切り離し部が径方向に沿って形成されているとともに、この樹脂スライダの円周方向に沿う内面上の切り離し部と合致する位置には軸心方向に沿った凹部が形成されていることを特徴とするドライブシャフト。
Priority Applications (1)
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Family Applications (1)
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JP18739998A Expired - Fee Related JP3903153B2 (ja) | 1998-07-02 | 1998-07-02 | ドライブシャフト |
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KR102488831B1 (ko) * | 2022-03-21 | 2023-01-13 | 이진홍 | 안전커버장치가 구비된 동력전달 조인트 |
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1998
- 1998-07-02 JP JP18739998A patent/JP3903153B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2000018270A (ja) | 2000-01-18 |
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