JP3902823B2 - 筋状欠陥検査方法及び装置 - Google Patents

筋状欠陥検査方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筋状欠陥検査方法及び装置、特に、印刷物に発生している微細な筋状の欠陥を検出する際に適用して好適な、筋状欠陥検査方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、グラビア輪転印刷機では、回転する版胴と、これを押え付けるニップロールとの間に原反を通過させながら、該版胴に付着されたインキをその原反に転写することにより、連続的な印刷が行われている。
【0003】
このような連続的な印刷を可能とするために、回転する版胴の表面にインキを供給するとともに、その過剰分をドクターブレードによって掻き落すことが行われている。
【0004】
ところが、何等かの理由でドクターブレードに微少な欠けが生じたりすると、その欠け部分が接触している版胴には、極めて僅かであるが常時インキが残ることになるため、原反の印刷面には、いわゆるドクター筋と呼ばれる、微細ではあるが連続した筋状の印刷欠陥が発生することになる。
【0005】
従来、印刷物の検査には、CCDカメラ等の撮像手段で印刷絵柄を画像入力し、その入力画像を画像処理することにより印刷欠陥を検出することが行われている。
【0006】
このような印刷欠陥の検出に用いられる画像処理としては、例えば、入力画像から線分を検出するための各種微分オペレータの適用や、ハフ転換、パターン認識等の技術が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のような従来の画像処理による線分検出方法では、入力された絵柄を含む画像から絵柄のエッジと筋状欠陥を識別して検出することが困難である。その上、ドクター筋等の同一方向に延びる筋状欠陥は、欠陥部とその周辺とのコントラストが低い場合が多いために線分として検出しにくく、画像中に雑音がある場合には尚更検出しにくいという問題があった。
【0008】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、絵柄を含んでいる検査画像から、コントラストが低く、しかも、微細な筋状欠陥をも確実に検出することができる筋状欠陥検査方法及び装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、印刷物を画像入力した検査画像から、印刷物上に発生している筋状欠陥を検出する筋状欠陥検査方法であって、検査画像から絵柄部分を除外処理する絵柄除外ステップと、該除外処理後の画像に存在する筋部分を強調処理する筋強調ステップと、該強調処理後の画像に基づいて筋状欠陥を判定する判定ステップと、を有すると共に、前記絵柄除外ステップが、検査画像から抽出される絵柄部分のエッジをマスクするためのマスク部分を有するマスク画像を作成するステップと、検査画像から抽出される任意のエッジを含むエッジ画像を作成するステップと、作成されたエッジ画像とマスク画像を合成するステップと、を含み、更に、前記マスク画像を作成するステップでは、前記マスク部分を検査画像から抽出されるエッジ領域で作成するとともに、該エッジ領域を抽出する際に、パラメータとして、少なくとも画素値を比較する位置を規定するための画素数Lと、エッジがエッジ領域に含まれないようにする平坦部の最大幅を規定するためのエッジ間画素数Wとを設定するステップと、注目画素を中心としてそれぞれ反対方向にL画素離れた位置の画素値を比較し、その差が、所定の閾値を超えている場合の該注目画素をエッジ領域として抽出するステップと、前記エッジ間画素数Wの幅の平坦部について抽出された一対のエッジ領域の幅を、それぞれ画素単位で膨張させた場合に、該両エッジ領域が繋ることのない膨張画素数Nを計算するステップと、膨張後のエッジ領域を収縮させる収縮画素数Pを計算するステップと、入力画像から抽出された全てのエッジ領域の幅を、その両側でN画素ずつ膨張させるステップと、膨張させたエッジ領域の幅を、その両側でP画素ずつ収縮させるステップと、を含むことにより、前記課題を解決したものである。
【0010】
本発明は、又、印刷物を画像入力した検査画像から、印刷物上に発生している筋状欠陥を検出する筋状欠陥検査装置であって、検査画像から絵柄部分を除外処理する絵柄除外手段と、該除外処理後の画像に存在する筋部分を強調処理する筋強調手段と、該強調処理後の画像に基づいて筋状欠陥を判定する判定手段と、を備えていると共に、前記絵柄除外手段が、検査画像から抽出される絵柄部分のエッジをマスクするためのマスク部分を有するマスク画像を作成する手段と、検査画像から抽出される任意のエッジを含むエッジ画像を作成する手段と、作成されたエッジ画像とマスク画像を合成する手段と、を含み、更に、前記マスク画像を作成する手段が、前記マスク部分を検査画像から抽出されるエッジ領域で作成する機能を有しているとともに、該エッジ領域を抽出するために、パラメータとして、少なくとも画素値を比較する位置を規定するための画素数Lと、エッジがエッジ領域に含まれないようにする平坦部の最大幅を規定するためのエッジ間画素数Wとを設定する手段と、注目画素を中心としてそれぞれ反対方向にL画素離れた位置の画素値を比較し、その差が、所定の閾値を超えている場合の該注目画素をエッジ領域として抽出する手段と、前記エッジ間画素数Wの幅の平坦部について抽出された一対のエッジ領域の幅を、それぞれ画素単位で膨張させた場合に、該両エッジ領域が繋ることのない膨張画素数Nを計算すると共に、膨張後のエッジ領域を収縮させる収縮画素数Pを計算する手段と、入力画像から抽出された全てのエッジ領域の幅を、その両側でN画素ずつ膨張させる手段と、膨張させたエッジ領域の幅を、その両側でP画素ずつ収縮させる手段と、を備えたことにより、同様に前記課題を解決したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
図1、図2は、本発明に係る第1実施形態の筋状欠陥検査装置の概略構成を示すブロック図である。
【0013】
本実施形態の検査装置は、印刷物を画像入力した検査画像から、印刷物上に発生している筋状欠陥を検出するもので、印刷物からCCDカメラ等により検査画像を光学的に入力する画像入力部10と、入力された検査画像から絵柄部分を除外処理する絵柄除外部12と、絵柄部分が除外された除外処理後の画像に存在する筋部分を強調処理する筋強調処理部14と、筋部分が強調された強調処理後の画像に基づいて筋状欠陥を判定する判定部16と、判定された筋状欠陥をモニタ上に表示する欠陥表示部18とを備えている。
【0014】
本実施形態では、図2に詳細を示すように、前記絵柄除外部12は、マスク画像作成部12A、エッジ画像作成部12B、マスク済みエッジ画像合成部12Cを含み、前記筋強調処理部14は縦加算部14Aを、又、前記判定部16は、二値化部16A、線認識部16Bをそれぞれ含んで構成されている。
【0015】
以下、上記検査装置を構成する各機能部について詳述する。なお、この実施形態では、特に断らない限り、画像は、それを構成する各画素が0〜255の256階調の画素値で表示されるモノクロ画像とする。従って、カラー画像の場合は、R、G、Bの3フレームのモノクロ画像として同様に取り扱うことができる。
【0016】
前記マスク画像作成部12Aは、検査画像から抽出される絵柄部分のエッジをマスクするためのマスク画像を作成する機能を有している。
【0017】
即ち、このマスク画像作成部12Aは、画像入力部10により入力された検査画像に含まれる筋状欠陥以外の線分や絵柄のエッジ部を検出処理の対象から外すためのマスク画像を作成する機能を有する。具体的には、例えば、図3に画素の配置を概念的に示したように、隣接する画素との画素値の差分を計算し、これを閾値処理することにより、明確な線や絵柄のエッジのみに相当する二値のマスク画像を作成する。これを、便宜上、画素を表わす記号と同一の記号で画素値を記述すると、次の(1)、(2)式で表わすことができる。
【0018】
(Pn,m が絵柄のエッジである場合)
|Pi,j −Pn,m |≧T1 …(1)
(Pn,m が絵柄のエッジでない場合)
|Pi,j −Pn,m |<T1 …(2)
但し、i=n−1,n,n+1、j=m−1,m,m+1、
i,j ≠Pn,m
T1 :閾値
【0019】
上記但し書きでPi,j ≠Pn,m とあるのは、同一画素間では計算しないことを意味する。又、閾値T1 は固定した値でなく、筋状欠陥のエッジが抽出されない値として実験的に求め、別途設定しておく。
【0020】
上記(1)、(2)式による計算処理の結果、閾値T1 以上の濃度差をもった、即ち明確な線や絵柄のエッジのみが抽出された二値画像が作成される。この二値画像を、検査画像が絵柄Pと筋状欠陥(ドクター筋)Dとを模式的に示した図4である場合を例に示すと、図5のようになる。即ち、濃淡がはっきりしている絵柄Pのみのエッジが抽出され、ドクター筋D等のコントラストの低い線状(筋状)部分のエッジは抽出されない二値化画像が得られる。そして、この図5の画像のエッジに基づいて、該エッジをマスクするに十分な幅の、図6に示すようなマスク部分Mが生成されたマスク画像が作成できる。
【0021】
なお、その際、実際の検査画像では、ノイズ等に起因して連続した明瞭なエッジが抽出されないこともあるので、エッジの膨張処理を行うことにより、エッジの明瞭化を図るようにしてもよい。又、上記(1)、(2)式を用いる抽出処理によっては任意の方向のエッジを検出できるが、必ずしも全方向の計算をする必要はなく、例えば水平方向のみであってもよい。
【0022】
前記エッジ画像作成部12Bは、同一の検査画像から抽出される任意のエッジを含むエッジ画像を作成する機能を有している。即ち、このエッジ画像作成部12Bでは、前記検査画像から、縦方法の筋状欠陥を検出するために水平方向のエッジを全て抽出する。
【0023】
具体的には、縦方向の筋状欠陥を検出したい場合、水平方向で画素間の画素値の差分を計算することにより全てのエッジを求める。その際、例えば、図7に模式的に示した水平方向の画素の配列に対応する、次の(3)式で記述される微分オペレータを各画素に適用することにより、コントラストが低い線部分を含む全てのエッジを抽出することができるため、濃度差に応じた任意のエッジを含むエッジ画像が作成される。なお、この(3)式でDは、別途設定しおく1以上の定数(D≧1)であり、因にこの実施形態ではD=2としている。
【0024】
n,m =(2Pn −Pn+D −Pn-D ) …(3)
【0025】
又、このエッジ画像作成部12Bでは、上記(3)式のオペレータによる演算結果について正規化を行うようになっている。この正規化は、対象画像の画素値が0〜255階調であることから、上記(3)式の単純な計算値は、完全な平坦部の場合を0として、マイナスとプラスの値(最小値−510、最大値+510)を持つことになり、このままでは0〜255階調で表示ができないことになるので、この表示ができるようにするための処理である。
【0026】
正規化の具体的処理は、上記(3)式を次の(4)式のように第1項と第2項に分けて、“正規化前の減算”を行った後、その結果について“正規化後の加算”を行い、結果として次の(5)式による計算を行うことに当る。但し、式中Mは正規化後の原点に当る階調値であり、ここでは128(=256÷2)としている。
【0027】
n,m =(Pn −Pn+D )+(Pn −Pn-D ) …(4)
n,m =(2Pn −Pn+D −Pn-D +4M)/4 …(5)
【0028】
即ち、この(5)式により上記(3)式の計算結果を正規化することは、該(3)式の計算結果が、例えば−510、0、+510であれば、これらをそれぞれを4で割った後、全体的に128分シフトさせた値である1、128、255の画素値に変換することを意味する。従って、この正規化により、(3)式の計算結果を、階調値128を原点(中間値)として、+−それぞれの方向に変化する画素値として表示することが可能となる。
【0029】
ここで行われる正規化は、一般的な画像処理装置で行われる、いわゆるフレーム間演算の加算や減算の結果に対して、その画素値がマイナスになる場合に、0〜255階調の表示ができるようにするものと実質的に同一の処理である。具体例を挙げると、いずれも0〜255階調表示の画像A、Bについて、(画像A−画像B)の減算結果を画像Cとする場合、この画像Cは−255〜+255となり、0〜255内に収まらないので、M=128とし、画像C=(画像A−画像B)/2+Mにより正規化し、1〜255にする。
【0030】
図8は、上記微分オペレータを前記図4の検査画像に適用して得られたエッジ画像を模式的に示したものであり、前記絵柄Pに基づく強いエッジPEとドクター筋Dに基づく弱いエッジDEとが、抽出されている。尚、このエッジ画像の作成には、上記微分オペレータに限らず、その他のエッジ抽出処理の方法を適用してもよいことは言うまでもない。
【0031】
前記マスク済みエッジ画像合成部12Cは、作成されたエッジ画像とマスク画像を合成する機能を有している。即ち、マスク済みエッジ画像合成部12Cは、前述した画像処理により作成したエッジ画像とマスク画像を合成して、検査対象外の画素を決定し、これ以降の処理からその画素を除外する働きをする。
【0032】
具体的には、作成したエッジ画像とマスク画像を図9に概念的に示したように、エッジ画像上の画素Pn と、これに対応するマスク画像上の画素Mn とを比較し、画素Mn がエッジ部(マスク部分)でない場合は、画素Pn はそのままにし、逆に、画素Mn がエッジ部である場合は、画素Pn をマスクする(検査対象外とする)。即ち、この合成処理は、画素Mn がエッジ部でない場合は、合成画像の対応する画素に対して画素Pn の画素値をそのまま設定し、逆にエッジ部である場合は、正規化後の原点に対応する階調値128を設定し、エッジ画像中の強いエッジPEをマスクする処理を行っていることに当る。
【0033】
従って、ここで行うマスク処理とは、マスク画像のエッジ部に当る合成画像の画素に、前記(5)式で正規化の原点の画素値として設定した階調値128を設定することであり、これにより、合成して得られるマスク済画像についても128に正規化すると同時に、上記エッジPEをマスクして検査対象外とした上で、前記(3)式によるマイナスの計算結果をも0〜127の階調値により画像表示できるようにしている。
【0034】
図10は、前記図6のマスク画像と、前記図8のエッジ画像とについて、上述した合成処理を行うことにより作成したマスク済み画像を模式的に示したものであり、この画像には、上記のように強いエッジPEが除外され、ドクター筋Dに基づく弱いエッジDEが残存していることが示されている。
【0035】
前記筋強調処理部14に含まれる縦加算部14Aは、絵柄部分が除外された除外処理後の画像、即ち上記図10に示したようなマスク済み画像について、注目画素の画素値を、該注目画素を含み、且つ、同一方向に並ぶ所定数の画素の各画素値を加算した値に置き換える機能を有している。これを、マスク済みエッジ画像の画素値を縦方向に加算することにより、縦の筋を強調し、ノイズ成分を抑制する場合について以下に説明する。
【0036】
前記画像合成部12Cで作成したマスク済みエッジ画像は、階調値128を原点(基準値)として、上下両方向にそれぞれエッジの強さに応じて変化する階調値の画素で構成されているが、その変化量は小さいため、画素値の差(濃度差)に閾値を設定して抽出する方法を採用することはできない。
【0037】
ところが、上記マスク済みエッジ画像は、階調値128を原点(=0)とした場合に、平坦部分では±両方向にほぼ均等に画素値が分布しているのに対し、筋状欠陥部分の画素値は+又は−のいずれかの方向に偏った画素値の分布をしている。
【0038】
従って、上記画像に対して縦方向に所定範囲にある画素の画素値を、階調値128を原点として加算することにより、平坦部分では相殺されるために大きな変化はないが、筋状部分では+又は−のいずれかの方向に画素値が増大するため、画素値を強調することが可能となる。
【0039】
図11は、この強調計算の原理を模式的に示したもので、(B)のマスク済みエッジ画像で、画素Pn,m から垂直方向にR画素まで各画素値を加算し、その加算後の画素値を(A)に示した加算画像の画素Pn,m の画素値に設定する。即ち、加算画像の画素値を次の(6)式で計算する。但し、この加算処理を行う際の各画素値は、前記(5)式により正規化した値を、上述した如く、原点に当る階調値128を実際に0にし、この128を超えている画素値を+、128未満の画素値を−とした値を使用する。なお、Rは実験的に決定する定数である。
【0040】
n,m =Pn,m+1 +Pn,m+2 +...+Pn,m+R …(6)
【0041】
同様の加算処理を、Pn,m+1 、Pn,m+2 ...について順次実行することにより、前述した如く、平坦部分の画素では、+−の値が相殺されるため階調値0から大きく変化することはないが、筋状欠陥部分の画素は+又は−のいずれか一方に画素値が強調された加算画像が作成される。即ち、前記図10の筋状欠陥に基づく弱いエッジDEが強調され、+又は−の明確な画素値を有する画像が得られる。
【0042】
なお、筋強調処理のための加算方法は、上記(6)式のように、先頭の画素についてそれより下の画素の画素値を加算する方法に限らず、同方向に所定画素分の画素値を加算する方法であれば任意であるが、例えば、つぎの(6′)式のように、中間の画素値について計算してもよい。
【0043】
n,m =Pn,m-R/2 +...+Pn,m +...+Pn,m+R/2 …(6′)
【0044】
前記判定部16に含まれる二値化部16Aは、前記縦加算部14Aにより作成された縦の筋部分が強調された加算画像に対して、閾値を設定して二値化処理することにより、二値化画像を作成する機能を有している。
【0045】
具体的には、前記のように縦の筋部分の画素値を加算して+又は−の方向に強調した画素値を有する前記強調処理後の画像について、筋状の点(画素)とそれ以外の部分に分別するために、例えば、閾値T2 (実験的に決定する)を設定し、各画素値の絶対値が該閾値T2 以上の値をもつ画素は筋の一部である可能性が高いので、|Pn,m |≧T2 なら、その画素を筋状の点の候補とするためにOnにし、逆に|Pn,m |<T2 の場合は、筋状の点ではないとしてOffにする。なお、ここで実行する二値化処理は、上記方法に限られず、例えば、移動平均法や判別分析法等を利用してもよい。
【0046】
前記判定部16に含まれる線認識部16Bは、強調処理した後に二値化して作成した上記二値化画像に対して、Onの画素が縦方向(実質的に同一方向)に所定数以上存在するか否かにより、その画素が縦方向の線(筋)状の欠陥を構成しているか否かを判定する機能を有している。
【0047】
具体的には、例えば、以下のように判定する。検出すべき筋状欠陥が非常に薄く且つ細い場合、二値化画像上では1本の線として繋がっていない可能性があるため、該二値化画像に対して、図12に概念的に示すように、画素を単位とする縦方向1ライン中にOnの画素が閾値T3 個以上あれば検出すべき筋状欠陥と判定とする。この閾値T3 は実験的に予め決定しておく。
【0048】
なお、上記判定は必ずしも1ライン中の画素に対して行うものに限らない。画像入力された筋状欠陥が隣接する2ライン以上に渡っている可能性もあるので、2ライン以上でOnの画素の数を計算するようにしてもよい。又、必要に応じて、判定の前に、On分の画素を縦方向に複数画素分縮小させ、次いで同画素数分膨張させる処理を行うことにより、予め孤立点を除去する処理等を行ってもよい。
【0049】
以上詳述した如く、本実施形態においては、検査画像を入力し、その検査画像からマスク画像を作成するとともに、エッジ画像を作成し、次いでこれら両画像を合成することにより、マスク済みエッジ画像を作成し、該画像に対して、画素値を強調するために縦加算画像を作成しその強調画像から二値化画像を作成し、更に、その二値化画像ついて線認識を行う。
【0050】
即ち、検査画像が絵柄を含む場合であっても、コントラストの高いエッジ部を処理対象から除外するためのマスク処理を行い、更に縦方向に加算処理を行うことでコントラストの低い筋状欠陥を強調して検出する。
【0051】
従って、本実施形態によれば、検査画像が絵柄を含んでいる場合でも、絵柄のエッジ部を検出することなく、該画像中からコントラストの低い筋状欠陥の検出が可能となる。その結果、従来の印刷物の検査では、目視による検査でしか検出不可能であった、コントラストが低く且つ微細な、いわゆるドクター筋と呼ばれる筋状欠陥をも自動的に検出することが可能となる。
【0052】
次に、本発明に係る第2実施形態の筋状欠陥検査装置について説明する。この第2実施形態は、前記第1実施形態で作成したマスク画像を、請求項3及び4で示した方法で作成するようにしたものである。
【0053】
本実施形態の検査装置は、前記図2において、マスク画像作成部12Aが、後述する方法で抽出するエッジ領域をマスク部分とするマスク画像を作成する機能を有するエッジ領域抽出装置で構成されている以外は、前記第1実施形態の検査装置と実質的に同一である。
【0054】
本実施形態に適用されるエッジ領域抽出装置は、図13にその概略構成を示すように、CCDカメラ等からなる前記画像入力部10により、印刷物からの絵柄等を入力した検査画像を記憶する入力画像記憶部20と、該記憶部20から読み出される入力画像(検査画像)に対して、以下に詳述する各処理を実行可能とするためのパラメータ記憶部22、エッジ領域抽出部24、膨張・収縮回数算出部28、エッジ膨張部30、エッジ収縮部34と共に、エッジ抽出部24、エッジ膨張部30、エッジ収縮部34で処理した結果をそれぞれ記憶するエッジ領域記憶部26、エッジ膨張記憶部32、出力画像記憶部36とを備えている。
【0055】
上記パラメータ記憶部22は、入力画像記憶部20から読み出される入力画像から、エッジ領域を抽出する際に画素値を比較する位置を規定するための画素数L及び判定に使用する閾値Tと、エッジをエッジ領域から除外する平坦部の最大幅を規定するためのエッジ間画素数Wとをパラメータとして設定する手段であり、これらパラメータの値は、例えばキーボード等により予め入力しておく。但し、これらパラメータには次の制約があり、ドクター筋の場合は、例えば、W=10画素とすることができる。
【0056】
W≧1 L≧W 0≦T≦最大画素値
【0057】
前記エッジ領域抽出部24は、垂直方向のエッジ領域を抽出する場合を、図14に模式的に示すように、上記パラメータ記憶部22から読み込んだパラメータLとTを用い、●の注目画素Pn,m を中心としてそれぞれ反対方向にL画素離れた位置にある、同じく●で示した、Pn-L,m とPn+L,m の画素値を比較し、その差が閾値Tを超えている場合の該注目画素をエッジ領域として判定し、抽出する手段である。このエッジ領域抽出部24で抽出されたエッジ領域は、一旦その記憶部26に記憶される。なお、水平方向、水平・垂直両方向のエッジ領域の場合も、同様の計算原理に基づいて抽出できる。
【0058】
前記膨張・収縮回数算出部28は、前記パラメータ記憶部22からパラメータWを入力すると共に、エッジ間画素数がWの平坦部について抽出された一対のエッジ領域の幅をそれぞれ画素単位で膨張させた場合に該両エッジ領域が接しない(繋らない)膨張画素数Nを膨張回数として計算し、且つ、膨張後のエッジ領域を収縮させる収縮画素数Pを収縮回数として計算する手段である。
【0059】
図15は、上記算出部28で算出される膨張回数Nの意味を概念的に示したものであり、この図に示されるように、回数N=NA +NB であり、NA =L−W、NB =(W−1)/2である。
【0060】
上記NA は、上記図15(B)に示すように、エッジから、上記方法で抽出したエッジ領域までの平坦部の長さ(画素数)であり、図中左右いずれのエッジ領域についても同一であるが、ここでは便宜上左のエッジ領域のみについて図示したように、該エッジ領域の右端から平坦部の右端までの画素数は、上記図5に示した抽出原理からLであるため、L−Wで与えられる。
【0061】
上記NB は、左右両エッジ領域から画素数Nだけ膨張させた場合に、該両エッジ領域が接しないようにするために、図15(A)に示すように、中心に一画素残すことができる画素数にする必要があることから、(W−1)/2とする。但し、中心に残す画素数は1に限らず例えば2としてもよく、その場合は、NB =(W−2)/2とする。なお、このNB に端数が出た場合は切り捨てる。
【0062】
このように、回数Nを設定することにより、エッジ間の幅が画素数W以下の筋状の場合は、左右のエッジ領域に対してN画素の膨張を行っても、絶対に両エッジ領域が繋ることがないのに対し、Wを超える幅の場合は繋ってしまう。
【0063】
又、上記算出部28では、上記N画素分を膨張させた後のエッジ領域を収縮させる収縮画素数P1 の計算も行う。この実施形態では、次式のようにP1 =Nとする。
【0064】
P1 =N=L−W+(W−1)/2 …(7)
【0065】
前記エッジ膨張部30では、前記エッジ領域記憶部26から読み込んだエッジ領域抽出画像に対して、上記算出部28で求められた膨張回数Nの画素数だけ幅を拡げる膨張処理を行う。この膨張処理を、エッジ領域を水平方向に一画素だけ膨張させる(回数N=1)場合を、1次元的な信号について図16に模式的に示した。
【0066】
この図16に示されるように、●がエッジ領域であり、一回の膨張は、該エッジ領域を水平方向の両側にそれぞれ一画素だけ幅を拡張することを意味する。
【0067】
上記エッジ膨張部で膨張処理された画像データは、エッジ膨張記憶部32に記憶された後、エッジ収縮部34に読み出され、エッジ膨張部30で膨張したと同数の画素分だけ縮める収縮処理が行われる。
【0068】
図17には、上記図16で膨張処理したエッジ領域に対する収縮処理を概念的に示した。この図に示されるように、収縮処理は、膨張したと同数の画素を膨張後のエッジ領域の両側から減らすことを意味し、膨張した結果、両側のエッジ領域が繋ってしまった場合を除き、膨張前のエッジ領域に戻すことになる。この収縮後のエッジ領域画像は出力画像記憶部36に記憶される。
【0069】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0070】
本実施形態においては、パラメータL、W及びTとして所定の数値を入力すると共に、入力画像に対して、前述した原理に従ってエッジ領域の抽出、膨張、収縮の各処理を行うことにより、エッジ間画素数がW以下の平坦部(微小筋に当る)の場合は、エッジを含まない位置にエッジ領域を抽出でき、逆にWを超えているときはエッジを含む領域にエッジ領域を抽出できる。
【0071】
これを、W=3、L=5で膨張回数N及び収縮回数P1 が共に、前記(7)式から、L−W+(W−1)/2=5−3+(3−1)/2=3の場合について、図18〜20を参照しながら具体的に説明する。
【0072】
図18は、幅(エッジ間画素数)2の線のエッジはエッジ領域とされない場合の例に当る。1次元の入力画像信号が、図18(A)に●に示すように、幅が2画素の場合、前記図14に示した原理に従って、注目画素から左右にそれぞれ5画素離れた位置の画素値を比較し、その値が閾値Tよりも大きい場合の該注目画素をエッジ領域とする処理を行うと、2つの●の両側にそれぞれ網掛の丸で示した2つの画素からなるエッジ領域が抽出された図18(B)に示す画像が得られる。
【0073】
次いで、上記2つのエッジ領域それぞれに対して、左右の幅方向にそれぞれ3画素(N=3)分拡げる膨張処理を行って図18(C)の状態にし、その後、同じく3画素分減らす収縮を行い、最終的なエッジ領域抽出画像として同図(D)を得る。
【0074】
この例では、上記図18(C)から判るように、網掛の二重丸で示した膨張処理後のエッジ領域が、互い繋っていないため、各エッジ領域とも両側で収縮処理が行われる。その結果、最終的に、図18(D)に示すように、筋の両側のエッジに当る●から離れた位置にエッジ領域が抽出される。
【0075】
これに対して、W=3より大きい幅4の線の場合の処理結果は、上記図18に対応する図19に示すように、同図(C)に示される膨張処理後の状態が、2つのエッジ領域が繋って1つの大きなエッジ領域となっている。
【0076】
このように、2つのエッジ領域が1つに繋がった場合には、その部分では収縮処理が行われないようになっているため、収縮後のエッジ領域は図1(D)のように、同図(B)で抽出された左側エッジ領域の左端から右側エッジ領域の右端まで連続したものになり、この収縮後のエッジ領域の内側に入力画像の同図(A)に示される線に相当する4つの●の画素が完全に潰されて含まれているため、エッジも当然含まれていることになる。
【0077】
又、前記図18(A)の入力画像の線に比べ十分に広い、幅が17画素の場合は、前記図18、図19より簡略化した図20に示すように、同図(B)の段階でエッジをほぼ中心とする2L(5×2=10)の幅のエッジ領域が抽出され、このエッジ領域に対して、N=3の膨張処理を行っても、同図(C)に示すように左右両エッジ領域は内側で繋がることがないため、次の収縮処理では各エッジ領域とも両側でN=3で収縮され、同図(D)に示すように、上記(B)の場合と同一のエッジ領域に戻る。この場合は、左右のエッジがそれぞれ対応する左右のエッジ領域(網掛範囲)に完全に含まれることになる。
【0078】
本実施形態によるエッジ領域抽出方法を、図21に示した(A)の検査画像に適用する場合を例に更に詳述する。この検査画像は、絵柄を模式的に示したもので、幅がa〜dの4種類の矩形の絵柄等がそれぞれeの間隔をおいて並んだ画像に相当し、1番細いdの幅の線がドクター筋に相当する。又、図21の(B)は、同図(A)の水平方向の各画素の階調値を概念的に示したものである。
【0079】
図22〜24に、エッジ領域抽出、膨張、収縮の各処理結果(C)〜(E)をそれぞれ前の処理結果と併せて示したように、パラメータW以下の細い線に当るdの幅の場合のみ、線(筋)から離れた位置にその線の幅に応じた幅のエッジ領域が抽出される。その結果、上記図24から判るように、前記幅dの線の場合のみ、そのエッジが収縮後のエッジ領域に含まれず、それ以外の幅の広いものは、全てエッジがエッジ領域に含まれることになる。
【0080】
従って、本実施形態によれば、画像中の垂直方向のエッジに基づいてエッジ領域を抽出できるが、エッジに挾まれた平端部の幅が一定(=W)以下のときは、そのエッジをエッジ領域として抽出しないようにできることから、細い線を除き、それを超える太さの線や通常の絵柄のエッジ部分を含むエッジ領域を抽出することができる。
【0081】
即ち、以上のように抽出されたエッジ領域をマスク部分とするマスク画像を作成することにより、平坦部及び細い筋状の欠陥を残したまま、絵柄のエッジのみを除外することが可能となる。
【0082】
これを、印刷絵柄を画像入力して得られた原画像(検査画像)が、図25に示すように、通常の絵柄P1 (リング形状)、P2 (色模様)と共に、微細なドクター筋Dを含んでいる場合に、本実施形態の方法で抽出したエッジ領域をマスク部分とするマスク画像は、図26に示すイメージのようになる。即ち、前記図24の場合と同様に、通常の絵柄部分では、エッジを中心とするその近傍がエッジ領域(斜線部で示す)として抽出されるが、ドクター筋Dの部分はエッジ領域に含まれないことになる。
【0083】
従って、上記図26に示すように、絵柄P1 、P2 についてはER1 、ER2 で示すマスク部分(エッジ領域)が、ドクター筋についてはその両側にERd で示す2本のマスク部分が生成されたマスク画像が作成されることになる。このマスク画像と図25の原画像との関係を概念的に示すと図27のようになる。一方、上記図25の検査画像から前記エッジ画像作成部12Bによりエッジ画像を作成すると、図28に示すように、全てのエッジPE1 、PE2 、DEが抽出された画像が得られる。
【0084】
そして、上記図26のマスク画像と図28のエッジ画像とを、前記画像合成部12Cで合成することにより、図29に示すような、前記図10と実質上同一のマスク済みエッジ画像を作成することができる。
【0085】
従って、その後は前記第1実施形態と同様の処理を施すことにより、通常は検出されないような、印刷のドクター筋等の筋状欠陥を確実に検出することができる。
【0086】
以上詳述した本実施形態によれば、検査画像が絵柄を含んでいる場合でも、コントラストが低く且つ細い筋状欠陥をも、前記第1実施形態の場合と同様に自動的に検出することが可能となる。
【0087】
次に、本発明に係る第3実施形態の筋状欠陥検査装置について説明する。この第3実施形態は、前記第1実施形態で作成したマスク画像を、請求項3及び5で示した方法で作成するようにしたものである。
【0088】
本実施形態は、前記図13の膨張・収縮回数計算部28で、収縮回数(画素数)P2 を、次の(8)式で計算するようにした以外は、前記第2実施形態と実質上同一である。
【0089】
Figure 0003902823
【0090】
本実施形態においては、上記(8)式より明らかなように、前記(7)式で示した第2実施形態の収縮画素数P1 (=N)よりも(W+1)/2画素分だけ更に収縮させる。これを、図30、図31を用いて以下に説明する。
【0091】
図30は、幅W以下の平坦部からなる入力画像に対して、前記図18(A)〜(D)と同様の処理を施してエッジ領域を抽出した画像を模式的に示したものである。即ち、この図30は、図18(C)に相当するN回膨張した画像から、前記第1実施形態の場合と同様にP1 (=N)回収縮した、同図(D)の状態に相当する。
【0092】
本実施形態では、第2実施形態によれば上記図30に示した幅W以下の平坦部の左右近傍に抽出されるエッジ領域ERを、更に(W+1)/2画素分収縮させることにより、図31に示すように消減させるようにしている。
【0093】
即ち、第2実施形態の場合よりも多くする追加収縮回数(W+1)/2の計算根拠は、図30に示されるエッジ領域ERの最大幅は、前記図14に示した抽出原理からWであることから、これを両側から1画素ずつ収縮させて消滅させるためにはW/2で足りるが、Wが奇数の場合を考慮して(W+1)/2としていることにある。但し、この場合、端数は切り捨てる。
【0094】
以上詳述した本実施形態によれば、前記第2実施形態に比較して、幅がW以下の筋状の入力画像について、その両側に抽出されたエッジ領域を消滅させることができる。
【0095】
従って、本実施形態により抽出したエッジ領域を用いてマスク画像を作成する場合には、第2実施形態の作用を示した前記図24(E)に相当する図32と前記図27に相当する図33にそれぞれ示すように、ドクター筋Dの両側には、エッジ領域が抽出されないようにできることから、それだけ被検査画像において検査の対象となる領域を広く取り、検査の信頼性を高めることが可能となる。
【0096】
次に、本発明に係る第4実施形態の筋状欠陥検査装置について説明する。この第4実施形態は、前記第1実施形態で作成したマスク画像を、請求項3及び6で示した方法で作成するようにしたものである。
【0097】
本実施形態は、前記図13の膨張・収縮回数計算部28で、収縮回数(画素数)P3 を、次の(9)式で計算するようにした以外は、前記第2実施形態と実質上同一である。
【0098】
Figure 0003902823
【0099】
本実施形態においては、上記(9)式より明らかなように、前記(7)式で示した第2実施形態の収縮画素数P1 (=N)よりも(L−1)画素分だけ更に収縮させる。これを、図34、図35を用いて以下に説明する。
【0100】
図34(A)は、幅W以下の平坦部からなる入力画像に対して、前記図18(A)〜(D)と同様の処理を施してエッジ領域ERを抽出した画像を模式的に示した、前記図30と同一である。又、図34(B)は、平坦部の幅がWより大きい入力画像について、前記図19(A)〜(D)と実質上同一の処理を施した同図(D)に相当し、図34(C)は、平坦部の幅がWより十分に大きい入力画像について前記図20(A)〜(D)と実質上同一の処理を施した同図(D)に相当する。
【0101】
本実施形態では、前記第2実施形態でP1 回の収縮を行った状態に当る図34(A)〜(C)のそれぞれのエッジ領域ERに対して、前記(9)式で示したように、更に(L−1)画素分の収縮を行うことにより、対応する図35(A)〜(C)の状態にする。本実施形態で採用する追加収縮回数(L−1)は、エッジ領域を平坦部のエッジに対してぎりぎりまで小さくする収縮画素数に当る。
【0102】
本実施形態のように、前記第2実施形態のP1 より(L−1)回だけ余分に収縮させる場合には、前記第3実施形態の場合と同様に、幅がW以下の平坦部については、W≦Lであることから、図35(A)のようにエッジ領域ERを消滅させることができる。又、図34(B)のように、平坦部の幅がWを超えている場合、図35(B)に示すように、膨張処理した結果1つに繋ったエッジ領域ERの左右端それぞれをエッジより1画素目まで収縮させることができるため、エッジ領域をエッジをカバーできる最小の大きさにすることができる。又、図34(C)のように、平坦部の幅がWより十分に大きい場合は、図35(C)に示すように、エッジの前後1画素の部分にのみエッジ領域が抽出されるようにできる。
【0103】
一般に、抽出したエッジ領域を用いてマスク画像を作成する場合、エッジ領域(マスク部分)は、被検査画像において検査対象から除外する領域を意味するため、検査対象となる領域を広くして検査の信頼性を高めるためには、エッジ領域は被検査画像中のエッジをきちんとマスクした上で可能な限り(その面積が)狭いことが理想的である。
【0104】
従って、本実施形態で採用した方法は、一般的なエッジ抽出方法として最もふさわしく、本実施形態により抽出したエッジ領域を用いることにより、理想的な検査用のマスク画像を作成することができる。
【0105】
その結果、本実施形態によれば、前記第3実施形態の場合の前記図32及び図33にそれぞれ相当する図36及び図37に示すように、幅W以下のドクター筋Dについては、前記第3実施形態と同様にエッジ領域は抽出されず、幅W以上の通常の絵柄については、前記第3実施形態より一段と狭いエッジ領域ERを抽出することが可能となる。
【0106】
以上、本発明について具体的に説明したが、本発明は、前記実施形態に示したものに限られるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0107】
例えば、前記実施形態では、縦方向の筋状欠陥を検出する場合について説明したが、縦方向のみに限定されるものではなく、例えば水平方向であっても、更には計算処理が難しくなるが斜方向等任意の方向であってもよい。
【0108】
又、前記実施形態では画素値を256階調(8ビット)で画像表示する装置を用い、前記(3)式の計算結果を階調値128が原点となるように、前記(5)式により正規化する場合を示したが、これに限られるものでなく、例えば16ビットで表示できる装置を用いる場合には、(3)式を単純に計算するだけで、正規化しなくともよい。
【0109】
又、前記第2実施形態等では、パラメータとしてW=3、L=5の場合を示したが、これに限定される場合でなく、対象とする画像毎に適切なパラメータを設定することができる。
【0110】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、絵柄を含んでいる検査画像からコントラストが低い上に微細な筋状欠陥をも確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の筋状欠陥検査装置概略構成を示すブロック図
【図2】上記の検査装置の詳細を示すブロック図
【図3】マスク画像作成時のエッジ抽出を示す説明図
【図4】検査画像を模式的に示す説明図
【図5】上記検査画像より絵柄のエッジのみを抽出した画像を示す説明図
【図6】上記検査画像を基に作成したマスク画像を示す説明図
【図7】エッジ抽出に用いる微分オペレータを概念的に示す説明図
【図8】微分オペレータを適用して作成したエッジ画像を示す説明図
【図9】マスク画像とエッジ画像の合成原理を概念的に示す説明図
【図10】合成後のマスク済みエッジ画像を示す説明図
【図11】縦方向の画素値を強調する加算方法を示す説明図
【図12】筋状欠陥の判定処理を概念的に示す説明図
【図13】第2実施形態に適用されるエッジ領域抽出装置の概略構成を示すブロック図
【図14】エッジ領域の抽出原理を模式的に示す説明図
【図15】膨張・収縮回数の計算方法を示す説明図
【図16】エッジ領域の膨張処理の原理を示す説明図
【図17】エッジ領域の収縮処理の原理を示す説明図
【図18】細線に対するエッジ領域抽出の処理手順を示す説明図
【図19】中線に対するエッジ領域抽出の処理手順を示す説明図
【図20】太線に対するエッジ領域抽出の処理手順を示す説明図
【図21】検査画像を模式的に示す説明図
【図22】検査画像と、第2実施形態によるエッジ領域の抽出画像を示す説明図
【図23】上記抽出画像と、その膨張処理画像を示す説明図
【図24】上記膨張処理画像と、その収縮処理画像を示す説明図
【図25】印刷絵柄を画像入力して得られた他の検査画像の一例を模式的に示す説明図
【図26】上記検査画像から作成されるマスク画像を示す説明図
【図27】原画像とマスク画像の関係を概念的に示す説明図
【図28】上記検査画像から作成されるエッジ画像を示す説明図
【図29】上記マスク画像とエッジ画像を合成したマスク済みエッジ画像を示す説明図
【図30】幅W以下の平坦部について抽出されたエッジ領域のP1 回収縮後の状態を示す説明図
【図31】第3実施形態の作用を示す説明図
【図32】第3実施形態の効果を示す説明図
【図33】第3実施形態の効果を示す他の説明図
【図34】幅が異なる平坦部について抽出されたエッジ領域のP1 回収縮後の状態を示す説明図
【図35】第4実施形態の作用を示す説明図
【図36】第4実施形態の効果を示す説明図
【図37】第4実施形態の効果を示す他の説明図
【符号の説明】
10…画像入力部
12…絵柄除外部
12A…マスク画像作成部
12B…エッジ画像作成部
12C…マスク済みエッジ画像合成部
14…筋強調処理部
14A…縦加算部
16…判定部
16A…二値化部
16B…線認識部
18…欠陥表示部
20…入力画像記憶部
22…パラメータ記憶部
24…エッジ領域抽出部
26…エッジ領域記憶部
28…膨張・収縮回数算出部
30…エッジ膨張部
32…エッジ膨張記憶部
34…エッジ収縮部
36…出力画像記憶部

Claims (9)

  1. 印刷物を画像入力した検査画像から、印刷物上に発生している筋状欠陥を検出する筋状欠陥検査方法であって、
    検査画像から絵柄部分を除外処理する絵柄除外ステップと、
    該除外処理後の画像に存在する筋部分を強調処理する筋強調ステップと、
    該強調処理後の画像に基づいて筋状欠陥を判定する判定ステップと、を有すると共に、
    前記絵柄除外ステップが、
    検査画像から抽出される絵柄部分のエッジをマスクするためのマスク部分を有するマスク画像を作成するステップと、
    検査画像から抽出される任意のエッジを含むエッジ画像を作成するステップと、
    作成されたエッジ画像とマスク画像を合成するステップと、を含み、
    更に、前記マスク画像を作成するステップでは、前記マスク部分を検査画像から抽出されるエッジ領域で作成するとともに、
    該エッジ領域を抽出する際に、パラメータとして、少なくとも画素値を比較する位置を規定するための画素数Lと、エッジがエッジ領域に含まれないようにする平坦部の最大幅を規定するためのエッジ間画素数Wとを設定するステップと、
    注目画素を中心としてそれぞれ反対方向にL画素離れた位置の画素値を比較し、その差が、所定の閾値を超えている場合の該注目画素をエッジ領域として抽出するステップと、
    前記エッジ間画素数Wの幅の平坦部について抽出された一対のエッジ領域の幅を、それぞれ画素単位で膨張させた場合に、該両エッジ領域が繋ることのない膨張画素数Nを計算するステップと、
    膨張後のエッジ領域を収縮させる収縮画素数Pを計算するステップと、
    入力画像から抽出された全てのエッジ領域の幅を、その両側でN画素ずつ膨張させるステップと、
    膨張させたエッジ領域の幅を、その両側でP画素ずつ収縮させるステップと、を含むことを特徴とする筋状欠陥検査方法。
  2. 請求項において、
    前記収縮画素数Pを、前記膨張画素数Nと等しくすることを特徴とする筋状欠陥検査方法。
  3. 請求項において、
    前記収縮画素数Pを、前記膨張画素数Nと(W+1)/2の和にすることを特徴とする筋状欠陥検査方法。
  4. 請求項において、
    前記収縮画素数Pを、前記膨張画素数Nと(L−1)の和にすることを特徴とする筋状欠陥検査方法。
  5. 請求項1において、
    前記筋強調ステップが、
    絵柄部分が除外された前記除外処理後の画像について、注目画素の画素値を該注目画素を含み、且つ、同一方向に並ぶ所定数の画素の各画素値を加算した値に置き換える処理であることを特徴とする筋状欠陥検査方法。
  6. 請求項1において、
    前記判定ステップが、
    筋部分が強調された前記強調処理後の画像において、画素値の絶対値が所定値以上の画素が、実質的に同一の方向に所定数以上存在するか否かを判定する処理であることを特徴とする筋状欠陥検査方法。
  7. 印刷物を画像入力した検査画像から、印刷物上に発生している筋状欠陥を検出する筋状欠陥検査装置であって、
    検査画像から絵柄部分を除外処理する絵柄除外手段と
    該除外処理後の画像に存在する筋部分を強調処理する筋強調手段と、
    該強調処理後の画像に基づいて筋状欠陥を判定する判定手段と、を備えていると共に、
    前記絵柄除外手段が、
    検査画像から抽出される絵柄部分のエッジをマスクするためのマスク部分を有するマスク画像を作成する手段と、
    検査画像から抽出される任意のエッジを含むエッジ画像を作成する手段と、
    作成されたエッジ画像とマスク画像を合成する手段と、を含み、
    更に、前記マスク画像を作成する手段が、前記マスク部分を検査画像から抽出されるエッジ領域で作成する機能を有しているとともに、
    該エッジ領域を抽出するために、パラメータとして、少なくとも画素値を比較する位置を規定するための画素数Lと、エッジがエッジ領域に含まれないようにする平坦部の最大幅を規定するためのエッジ間画素数Wとを設定する手段と、
    注目画素を中心としてそれぞれ反対方向にL画素離れた位置の画素値を比較し、その差が、所定の閾値を超えている場合の該注目画素をエッジ領域として抽出する手段と、
    前記エッジ間画素数Wの幅の平坦部について抽出された一対のエッジ領域の幅を、それぞれ画素単位で膨張させた場合に、該両エッジ領域が繋ることのない膨張画素数Nを計算すると共に、膨張後のエッジ領域を収縮させる収縮画素数Pを計算する手段と、
    入力画像から抽出された全てのエッジ領域の幅を、その両側でN画素ずつ膨張させる手段と、
    膨張させたエッジ領域の幅を、その両側でP画素ずつ収縮させる手段と、を備えていることを特徴とする筋状欠陥検査装置。
  8. 請求項において、
    前記筋強調手段が、
    絵柄部分が除外された前記除外処理後の画像について、注目画素の画素値を、該注目画素を含み、且つ、同一方向に並ぶ所定数の画素の各画素値を加算した値に置き換える処理機能を有していることを特徴とする筋状欠陥検査装置。
  9. 請求項において、
    前記判定手段が、
    筋部分が強調された前記強調処理後の画像において、所定画素値以上の画素が、実質的に同一の方向に所定数以上存在するか否かを判定する処理機能を有していることを特徴とする筋状欠陥検査装置。
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