JP3902057B2 - ヒートポンプ式給湯装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒートポンプ式給湯装置に関し、特に、ヒートポンプユニットの沸き上げ運転に際し、ヒートポンプ制御装置とタンクユニット制御装置との間の通信を削減することにより、各制御装置間のインターフェイスを簡略化し、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットの製造コストを削減することができるヒートポンプ式給湯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のヒートポンプ式給湯装置は、図2に示すように、ヒートポンプユニット1は、圧縮機2、水冷媒熱交換器3、膨張弁4ならびに蒸発器5、除霜用電磁弁6、ファンモータ7及びヒートポンプ制御装置8によって構成されている。
また、貯湯タンクユニット9は、貯湯タンク10、ヒートポンプユニット1内の水冷媒熱交換器3へ貯湯タンク10内の水を送る循環ポンプ11及びタンクユニット制御装置12によって構成されている。
リモコン13は、リモコン本体とリモコン制御装置14とで構成されており、その通信線は、タンクユニット制御装置12を介してヒートポンプ制御装置8に接続されている。
【0003】
このようなヒートポンプ式給湯装置で、沸き上げ運転を行うときは、貯湯タンクユニット9のタンクユニット制御装置12は、ヒートポンプユニット1から外気温度や各運転上状態などのデータを受信し、また、ヒートポンプユニット1のヒートポンプ制御装置8は、貯湯タンクユニット9から循環ポンプ11の回転数制御信号や貯湯タンク10の温度データ等を受信するなど、ヒートポンプ制御装置8とタンクユニット制御装置12との間で多くの制御信号の送受信を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のヒートポンプ式給湯器では、ヒートポンプ制御装置とタンクユニット制御装置間で多くの制御信号の送受信を行うことから、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットの各制御装置のインターフェイスが複雑になるという問題があった。
そのため、ヒートポンプ式給湯装置において、一つの貯湯タンクユニットに対し、ヒートポンプユニットとリモコンがそれぞれ専用品となってしまい、貯湯タンクユニット側のバリエーション展開(例えば、タンク容量による展開)を行うためには、その貯湯タンクユニット専用のヒートポンプユニットを新たに開発する必要があった。
逆に、ヒートポンプユニットのバリエーション展開(例えば加熱能力による展開)を行う場合も、貯湯タンクユニットを新たに開発する必要があり、結果として機種が増えることにより製品単体のコストアップにつながるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来のヒートポンプ式給湯装置が有する問題点に鑑み、ヒートポンプユニットの沸き上げ運転に際し、ヒートポンプ制御装置とタンクユニット制御装置との間の通信を削減することにより、各制御装置間のインターフェイスを簡略化し、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットの製造コストを削減することができるヒートポンプ式給湯装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のヒートポンプ式給湯装置は、ヒートポンプ制御装置により制御されるヒートポンプユニットと、タンクユニット制御装置により制御され、前記ヒートポンプユニットによって加温された湯を貯湯タンクに貯留する貯湯タンクユニットとを備えたヒートポンプ式給湯装置において、ヒートポンプユニットの沸き上げ運転の制御を、貯湯タンクユニットの循環ポンプを含めて、ヒートポンプ制御装置により行うようにし、前記タンクユニット制御装置のヒートポンプ制御装置に対する通信を、沸き上げ運転開始と沸き上げ運転終了の信号のみにしたことを特徴とする。
【0007】
このヒートポンプ式給湯装置は、ヒートポンプユニットの沸き上げ運転の制御を、貯湯タンクユニットの循環ポンプを含めて、ヒートポンプ制御装置により行うようにし、前記タンクユニット制御装置のヒートポンプ制御装置に対する通信を、沸き上げ運転開始と沸き上げ運転終了の信号のみにしたことから、ヒートポンプ制御装置とタンクユニット制御装置との間の通信を大幅に削減し、各制御装置間のインターフェイスを簡略化することができ、これにより、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットの製造コストを削減するとともに、各ユニットにおける故障時の故障箇所の断定や原因調査を容易することができる。
また、タンクユニット制御装置にヒートポンプユニットの沸き上げ運転開始/終了の項目を組み込むことにより、一つのヒートポンプユニットに対し、どの貯湯タンクユニットとも組み合わせることが可能となるため、貯湯タンクユニット側のみの開発が可能となる。
【0008】
この場合において、ヒートポンプユニットの冷媒に二酸化炭素を使用することができる。
【0009】
これにより、熱交換率を向上させるとともに、脱フロン化を行うことが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のヒートポンプ式給湯装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1に、本発明のヒートポンプ式給湯装置の一実施例を示す。
このヒートポンプ式給湯装置は、ヒートポンプ制御装置8により制御されるヒートポンプユニット1と、タンクユニット制御装置12により制御され、ヒートポンプユニット1によって加温された湯を貯湯タンク1に貯留する貯湯タンクユニットと9を備えている。
そして、本実施例のヒートポンプ式給湯装置は、かかる構成を基本として、ヒートポンプユニット1の沸き上げ運転制御を、貯湯タンクユニット9の循環ポンプ11を含めて、ヒートポンプ制御装置8により行うようにし、前記タンクユニット制御装置12のヒートポンプ制御装置8に対する通信を、沸き上げ運転開始と沸き上げ運転終了の信号のみにしている。
【0012】
ヒートポンプユニット1は、圧縮機2、水冷媒熱交換器3、膨張弁4、蒸発器5、除霜用電磁弁6、ファンモータ7、及び循環ポンプ11を備え、これら全ての制御をヒートポンプ制御装置8により行うようにしている。
また、このヒートポンプユニット1では、冷媒として、二酸化炭素(CO)を用いている。
なお、ヒートポンプユニット1は、製品の仕様によっては、これ以外の機器が組み込まれている場合もある。
【0013】
一方、貯湯タンクユニット9は、貯湯タンク10、貯湯タンク10の温度を検知する温度サーミスタ(図示省略)及びタンクユニット制御装置12を備え、タンクユニット制御装置12は、リモコン13及びリモコン制御装置14を備えている。
なお、貯湯タンクユニット9は、製品の仕様によっては、これ以外の機器が組み込まれている場合もある。
【0014】
本実施例のヒートポンプ式給湯装置では、例えば深夜時間帯に入ったときに、貯湯タンク10内の残湯量をタンクユニット制御装置12で演算するともに、必要となる沸き上げ量に対し必要運転時間を演算し、朝の時点で沸き上げ運転が終了するように、沸き上げ運転開始時間をシフトする。
【0015】
具体的には、沸き上げ運転開始時間になったときに、貯湯タンクユニット9のタンクユニット制御装置12からヒートポンプユニット1のヒートポンプ制御装置8に沸き上げ運転開始の信号が送信される。
タンクユニット制御装置12から沸き上げ運転開始の信号を受信したヒートポンプユニット制御装置8は、ヒートポンプユニット1で沸き上げ運転を開始する。
その際、圧縮機2、循環ポンプ11、膨張弁4、ファンモータ7の運転制御は、ヒートポンプユニット制御装置8のみで行い、貯湯タンクユニット9側からは制御信号を何も受信しない。
また、冬期の除霜運転についても、ヒートポンプユニット1のヒートポンプ制御装置8で除霜運転開始/終了を制御する。
【0016】
貯湯タンク10内の湯が沸き上げ運転終了条件を満たしたとき、例えば、貯湯タンク10下部まで湯がたまる満タン状態となったときに、貯湯タンクユニット9のタンクユニット制御装置12から、ヒートポンプユニット1のヒートポンプ制御装置8に沸き上げ運転終了の信号が送信され、ヒートポンプユニット1の沸き上げ運転は終了する。
【0017】
また、このヒートポンプ式給湯装置は、通常は深夜時間帯で沸き上げ運転をするが、深夜時間帯以外で貯湯タンク10内の残湯量が少なくなったときでも、湯切れを防ぐために沸き上げ運転を行う場合がある。
この場合も、貯湯タンク10の残湯量の管理は、貯湯タンクユニット9のタンクユニット制御装置12が行っており、タンクユニット制御装置12が湯切れを防止するために沸き上げ運転を行うと判断したとき、このタンクユニット制御装置12がヒートポンプユニット1のヒートポンプ制御装置8に沸き上げ運転開始の信号を送信する。
そして、タンクユニット1のタンクユニット制御装置12が沸き上げ運転終了条件を満たしたとき、このタンクユニット制御装置12がヒートポンプ制御装置8に沸き上げ運転終了の信号を送信し、沸き上げ運転を終了する。
【0018】
このように、本実施例のヒートポンプ式給湯装置は、貯湯タンクユニット9のタンクユニット制御装置12と、ヒートポンプユニット1のヒートポンプ制御装置8との間で、沸き上げ運転開始/終了の信号のみを送受信することで、沸き上げ運転を実現する。
【0019】
かくして、本実施例のヒートポンプ式給湯装置は、循環ポンプ11を含めたヒートポンプユニット1の沸き上げ運転の制御を、貯湯タンクユニット9の循環ポンプ11を含めて、ヒートポンプ制御装置8により行うようにし、タンクユニット制御装置12のヒートポンプ制御装置8に対する通信を、沸き上げ運転開始と沸き上げ運転終了の信号のみにしたことから、ヒートポンプ制御装置8とタンクユニット制御装置12との間の通信を大幅に削減し、各制御装置8、12間のインターフェイスを簡略化することができ、これにより、ヒートポンプユニット1と貯湯タンクユニット9の製造コストを削減するとともに、各ユニット1、9における故障時の故障箇所の断定や原因調査を容易することができる。
また、タンクユニット制御装置12に、ヒートポンプユニット1の沸き上げ運転開始/終了の項目を組み込むことにより、一つのヒートポンプユニット1に対し、どの貯湯タンクユニット9とも組み合わせることが可能となるため、貯湯タンクユニット9側のみの開発が可能となる。
【0020】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明のヒートポンプ式給湯装置は、この実施例の記載に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜に変更することが可能である。
【0021】
【発明の効果】
本発明のヒートポンプ式給湯装置によれば、ヒートポンプユニットの沸き上げ運転の制御を、貯湯タンクユニットの循環ポンプを含めて、ヒートポンプ制御装置により行うようにし、前記タンクユニット制御装置のヒートポンプ制御装置に対する通信を、沸き上げ運転開始と沸き上げ運転終了の信号のみにしたことから、ヒートポンプ制御装置とタンクユニット制御装置との間の通信を大幅に削減し、各制御装置間のインターフェイスを簡略化することができ、これにより、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットの製造コストを削減するとともに、各ユニットにおける故障時の故障箇所の断定や原因調査を容易することができる。
また、タンクユニット制御装置にヒートポンプユニットの沸き上げ運転開始/終了の項目を組み込むことにより、一つのヒートポンプユニットに対し、どの貯湯タンクユニットとも組み合わせることが可能となるため、貯湯タンクユニット側のみの開発が可能となる。
【0022】
また、ヒートポンプユニットの冷媒に二酸化炭素を使用することにより、熱交換率を向上させるとともに、脱フロン化を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒートポンプ式給湯装置の一実施例を示す図である。
【図2】従来のヒートポンプ式給湯装置を示す図である。
【符号の説明】
1 ヒートポンプユニット
2 圧縮機
3 水冷媒熱交換器
4 膨張弁
5 蒸発器
6 除霜用電磁弁
7 ファンモータ
8 ヒートポンプ制御装置
9 貯湯タンクユニット
10 貯湯タンク
11 循環ポンプ
12 タンクユニット制御装置
13 リモコン
14 リモコン制御装置

Claims (2)

  1. ヒートポンプ制御装置により制御されるヒートポンプユニットと、タンクユニット制御装置により制御され、前記ヒートポンプユニットによって加温された湯を貯湯タンクに貯留する貯湯タンクユニットとを備えたヒートポンプ式給湯装置において、ヒートポンプユニットの沸き上げ運転の制御を、貯湯タンクユニットの循環ポンプを含めて、ヒートポンプ制御装置により行うようにし、前記タンクユニット制御装置のヒートポンプ制御装置に対する通信を、沸き上げ運転開始と沸き上げ運転終了の信号のみにしたことを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。
  2. ヒートポンプユニットの冷媒に二酸化炭素を使用したことを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ式給湯装置。
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