JP3902036B2 - 両側に擁壁を有する構築体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、両側に擁壁を有する構築体、例えば、山間地の防砂ダムなどとして構築する堰などの構築体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の堰、例えば山間地に防砂ダムを構築する場合には、まず現場に足場を設けから鉄筋を組み立てるとともに枠を組み、それからコンクリートを打設することにより構築することが一般的であった。
また、近年、工期の短縮化と施工の容易化を図るために、鋼矢板の側縁同士を接合しながら複数本並べて設置することにより上流擁壁を立設するとともに、この上流擁壁の下流側に鋼矢板を同様に設置して下流擁壁を立設し、上流擁壁と下流擁壁とは所定の間隔を空け、両擁壁の間に土砂を充填し、充填した土砂の上面をコンクリートで覆って防砂ダムとする工法も提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現場でコンクリートを打設して構築する従来の堰は、施工が面倒であり、工期の短縮化も困難であるため、火山活動が活発になって地震が多発する災害時などにおいては不適当である。
また、複数本の鋼矢板の側縁同士を接合しながら並べて上流擁壁と下流擁壁を立設して内部に土砂を充填する堰は、短期間に構築できるので災害時に適するが、鋼矢板が露出しているので、地域の景観を大きく損ねてしまう欠点がある。
【0004】
本発明は上記した事情に鑑み提案されたものであり、その目的は、工期が短くて、景観を損ねることのない構築体を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために提案されたもので、請求項1に記載のものは、第1擁壁を立設すると共に該第1擁壁から間隔を空けて第2擁壁を立設し、両擁壁の内面同士を連結材により連結し、両擁壁間の空間に土砂を充填した構築体であって、
前記第1擁壁は、両側縁に接合部を形成した縦長な鋼矢板を複数本隣りの接合部同士を接合しつつ立設して構成し、
前記第2擁壁は、基礎上にコンクリートパネルを順次積み重ねながら立設するとともに、下段と上段に位置するコンクリートパネルの接合部分には軸接合機構を設けて接合し、
該軸接合機構は、コンクリートパネルの上面と下面にそれぞれ開設されて開口部に向かって次第に拡径したテーパー穴と、該テーパー穴のテーパーと同じ向きのテーパーを外周に形成してテーパー穴内に嵌合する弾性材製のコーンブッシュと、該コーンブッシュの中心貫通孔内に挿通可能な金属製の接合軸とからなり、下段のコンクリートパネルの上面に開設したテーパー穴内に嵌合したコーンブッシュの中心貫通孔内に接合軸を挿通して該接合軸の上半部分を当該下段コンクリートパネルの上端から上方に突出させ、この接合軸の上半部分に、小径部分を上に向けた状態でコーンブッシュを嵌合すると共に該コーンブッシュを上段のコンクリートパネルの下面に開設したテーパー穴内に嵌合して上段と下段のコンクリートパネルを接合したことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載のものは、第1擁壁を立設すると共に該第1擁壁から間隔を空けて第2擁壁を立設し、両擁壁の内面同士を連結材により連結し、両擁壁間の空間に土砂を充填し、第2擁壁の表側にコンクリートパネルを順次積み重ねながら立設してコンクリートパネル壁を構成し、該コンクリートパネル壁を第2擁壁に接合部材を介して固定した構築体であって、
前記第1擁壁及び第2擁壁は、両側縁に接合部を形成した縦長な鋼矢板を複数本隣りの接合部同士を接合しつつ立設して構成し、
前記コンクリートパネルは、下段と上段に位置するコンクリートパネルの接合部分に軸接合機構を設けて接合し、
該軸接合機構は、コンクリートパネルの上面と下面にそれぞれ開設されて開口部に向かって次第に拡径したテーパー穴と、該テーパー穴のテーパーと同じ向きのテーパーを外周に形成してテーパー穴内に嵌合する弾性材製のコーンブッシュと、該コーンブッシュの中心貫通孔内に挿通可能な金属製の接合軸とからなり、下段のコンクリートパネルの上面に開設したテーパー穴内に嵌合したコーンブッシュの中心貫通孔内に接合軸を挿通して該接合軸の上半部分を当該下段コンクリートパネルの上端から上方に突出させ、この接合軸の上半部分に、小径部分を上に向けた状態でコーンブッシュを嵌合するととに該コーンブッシュを上段のコンクリートパネルの下面に開設したテーパー穴内に嵌合して上段と下段のコンクリートパネルを接合したことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載のものは、傾斜地の上流側に第1擁壁を立設すると共に該第1擁壁の下流側に第2擁壁を立設したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の構築体である。
【0008】
請求項4に記載のものは、前記コンクリートパネルに、表側から裏側に貫通した植生窓部を開設し、該植生窓部を多孔面材で塞いだことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の構築体である。
【0009】
請求項5に記載のものは、擁壁を構成している鋼矢板の内面側に、鋼矢板の幅よりも長尺な腹起し材を横方向に当接するとともに、該腹起し材をボルト・ナットで鋼矢板に固定して複数本の鋼矢板を一体化し、上記ボルト・ナットにより連結ブラケットを前記擁壁の内面側に固定し、該連結ブラケットに前記連結材の一端を接続したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の構築体である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る構築体1を防砂ダムとして構築した場合の一部断面斜視図である。
【0011】
この砂防ダムは、傾斜地、すなわち沢の傾斜上流側に第1擁壁として上流擁壁2を立設すると共に該上流擁壁2の下流側に所定の間隔を空けて第2擁壁として下流擁壁3を立設し、両擁壁2,3の内面同士を連結材4により連結して両擁壁2,3を一体化すると共に、両擁壁2,3の間に現場近傍の土砂を充填して構築し、上端縁の中央部分には、その左右の天端部5よりも一段低くして水通し部6を形成してある。
【0012】
上流擁壁2は、両側縁に接合部10を形成した縦長な鋼矢板11を複数本隣りの接合部10同士を接合しつつ立設して構成する。鋼矢板11は、図2に示すように、左右側縁部分を一方の面側に屈曲成形して断面を略コ字状とした鋼製長尺板材であり、少し開いたコ字状の両側縁に接合部10が形成されている。この接合部10は、鋼矢板11の側縁部分を外側に屈曲してさらに鈎形に屈曲成形したもので、この鈎形部分12の空間内に隣の鋼矢板11に形成された接合部10の鈎形部分12が丁度嵌合するように各部の寸法を設定して構成されている。すなわち、鋼矢板11は、コ字状の溝の向きを交互に変えて接合部10の向きを交互に変えると、隣り合う接合部10同士が線対称となり、尚且つ鈎形部分12と空間が相補形状となるように構成されている。
【0013】
したがって、この鋼矢板11を所定の長さに切断し、コ字状溝の向きを交互に変えながら上端側を下流擁壁3側に少し倒した状態で地中に打ち込み、この打ち込んだ鋼矢板11の一方の接合部10に次の鋼矢板11の接合部10を嵌合した状態で地中に打ち込み、この作業を順次繰り返すことにより、上端側が下流擁壁3側に傾いた状態で上流擁壁2を立設することができる。
なお、現場の状況に応じて打ち込み深さを調整したり、あるいは打ち込みができない場合には基礎コンクリート等により基礎13を作り、この基礎13により鋼矢板の下端を固定しても良い。要するに、鋼矢板11は下端を強固に固定すればよい。
【0014】
図面に示す実施形態では、長さ約1mの鋼矢板11とその半分の長さ(0.5m)の鋼矢板11´を交互に配置して各鋼矢板11,11´の両側縁の接合部10同士を接合しながら接続するとともに下端をコンクリートの基礎13で固定し、これら鋼矢板11,11´の上に長さ約1mの鋼矢板11を隣り同士接合しながら接続する。そして、鋼矢板11の裏面(内面)側に、アングル材等の長尺材からなる腹起し材16を固定して複数本の鋼矢板11を一体化し、これにより上流擁壁2を強固な壁体としている。鋼矢板11の幅の数倍の長さを有する腹起し材16を鋼矢板11に固定するには、図2に示すように、鋼矢板11と腹起し材16に各々ボルト孔を開設し、両方のボルト孔を重ねた状態でボルト17を表側から通して、裏側に突出したボルト17の雄ねじ部にナットを螺合して締め付けることにより固定する。
なお、上下に位置する鋼矢板11同士は、溶接等で直接接続しても良いが、本実施形態では鋼矢板11を千鳥状に配置して腹起し材16により横方向に配置されている鋼矢板11を固定しているので、必ずしも溶接等で直接接続しなくても十分な強度を得ることができる。
【0015】
一方、下流擁壁3は、基礎コンクリート等の基礎14上にコンクリートパネル15を順次積み重ねながら立設するとともに、下段と上段に位置するコンクリートパネル15の接合部分には軸接合機構を設けて接合して構築する。
【0016】
図3に示すコンクリートパネル15の実施形態は、横幅1998mm、高さ998mm、厚さ130mmに設定したコンクリート製の板材であり、左右少なくとも一方の端面に目地キーパーとして機能する小突起19を突設し、上面と下面に軸接合機構の一部を構成するテーパー穴20を左右端部からそれぞれ50mmの位置と、左右中央から50mmずつずれた位置との合計8箇所に開設し、背面には基端を内部にコンクリート内に埋設した連結ブラケット21を突設してある。
【0017】
テーパー穴20は、図4(e),(f)に示すように、開口部に向かって次第に拡径させた穴であり、本実施形態では、途中に段部22を形成してあり、また、コンクリートパネル15の厚み方向が短径(約30mm)でコンクリートパネル15の左右幅方向が長径(約50mm)の長孔にしてある。なお、途中の段部22は、コーンブッシュ23を支える座として機能する。
【0018】
このテーパー穴20と共に軸接合機構を構成するコーンブッシュ23は、図4(c),(d)に示すように、テーパー穴20の内周面傾斜角度(テーパー角度)に合わせて外周面を傾斜させた、すなわちテーパーを付けた長い円錐台形に成形し、その中心部分に貫通孔24を開けた弾性材製(例えば、樹脂製)のブッシュである。そして、その長さは、テーパー穴20の段部22までの深さと同じかそれよりも僅かに短い長さに設定されている。なお、コーンブッシュ23の断面形状は、図4(c)に示すように、円形であり、貫通孔24の内周面には、エアー抜きや水抜きとして機能する溝26を位相を120度変えた位置に長手方向全長に亘って3本形成してある。
【0019】
また、このコーンブッシュ23の貫通孔24内に挿通されて軸接合機構の一部を構成する接合軸25は、図4(a),(b)に示すように、貫通孔24内に貫通するに過不足のない太さの金属製の軸であり、高い強度と防錆機能を具備することからステンレス製が望ましい。そして、この接合軸25の長さは、上下2つのコーンブッシュ23の貫通孔24を挿通するに十分な長さであり、テーパー穴20の深さの2倍よりも少し短い長さに設定されている。
【0020】
次に、上記した構成から成る軸接合機構により下段のコンクリートパネル15上に上段のコンクリートパネル15を接合しながら積み重ねて下流擁壁3を構築する手順について説明する。
【0021】
まず、下流擁壁3を立設する位置に予め基礎コンクリートを打設したり、あるいは基礎ブロックを布設するなどして基礎14を作っておく。なお、基礎コンクリートの上面は、下流擁壁3の傾斜角度に応じて予め傾斜させておき、また、この上面には、コンクリートパネル15に使用する軸接合機構を設けておくことが望ましい。すなわち、テーパー穴20をコンクリートパネル15のテーパー穴20の位置に合わせて開設しておくことが望ましい。
【0022】
基礎ブロック30は、例えば図5に示すように、ベース部31の一側縁から基礎起立部32を一体に立設した断面略L字状の長尺なコンクリートブロックであり、ベース部31の背面には、基端をコンクリート内に埋設した連結ブラケット33を突設し、また、基礎起立部32の上面には、軸接合機構のテーパー穴20を、前記コンクリートパネル15の下面に開設したテーパー穴20と同じピッチで開設してある。なお、基礎起立部32は、立設する下流擁壁3の傾斜角度に合わせて同じ角度で傾斜した状態で形成されており、この角度は仕様に応じて適宜設定することができる。
【0023】
前記した基礎コンクリートあるいは基礎ブロック30の布設が終了したならば、これら基礎14のテーパー穴20内に、小径部分を下に向けた状態でコーンブッシュ23を嵌合すると共に各コーンブッシュ23の貫通孔24内に接合軸25を挿通して、該接合軸25の上半部分を基礎14の上面から上方に突出させ、この突出した接合軸25の上半部分に、小径部分を上に向けた状態でコーンブッシュ23を嵌合する。この様にしてコーンブッシュ23の貫通孔24内に挿通した状態で接合軸25を装着すると、コーンブッシュ23が接合軸25の起立方向を規制するので、接合軸25の上半部分がコンクリートパネル15の上端面に対して垂直に起立し、勝手な方向に傾くことを防止できる。
【0024】
次に、最下段のコンクリートパネル15を、背面の連結ブラケット21を上流擁壁2に向けた状態で前記基礎14上に載置する。コンクリートパネル15を基礎14上に載置する場合、当該コンクリートパネル15の下面に開設してある各テーパー穴20内に、基礎14から突出しているコーンブッシュ23と接合軸25を一緒に嵌合する。この嵌合作業では、下向きに拡径して尚且つ左右方向が長径のテーパー穴20内にコーンブッシュ23の小径部分が先ず差し込まれるので、コンクリートパネル15を吊り降ろす際の位置合わせが容易である。なお、基礎14の上面と1段目のコンクリートパネル15の下面との間には、シート状の緩衝材35を介在させることによりコンクリート同士が直接接触しないようにすることが望ましい。また、左右隣り合わせに設置したコンクリートパネル15の接合部分には、目地キーパーとしての小突起19が相手方のコンクリートパネル15の側端面に当接して両コンクリートパネル15間に、目地用隙間を確保できる。
【0025】
この様な操作を繰り返し行うと、最下段(1段目)のコンクリートパネル15を、上端側を上流擁壁2側に所定の角度だけ傾けた状態で設置することができる。なお、左右の端部においては通常のコンクリートパネル15を設置すると大きすぎる場合があり、この場合には左右長さが半分のコンクリートパネル15を設置する。また、構築体1の左右端部と傾斜地との間には、コンクリートパネル15を並べて丁度閉塞し得る間隔を開けて側部コンクリート34を打設しておくなどして、設置したコンクリートパネル15と傾斜地との間に隙間ができることなく構築体1と繋がるようにしておく。
【0026】
そして、1段目のコンクリートパネル15をすべて設置することができたならば、各コンクリートパネル15と上流擁壁2とを連結材4により連結する。この連結材4は、図2に示すように、鋼矢板11の下流側の面(内面)に連結ブラケット36を固定し、この連結ブラケット36の孔内にU字状連結金具37を通し、また、各コンクリートパネル15の背面に突出している 連結ブラケット21の孔内にもU字状連結金具37を通し、鋼矢板11側の連結金具37とコンクリートパネル15側の連結金具37との間を金属製ロッド38により連結する構成であり、連結ロッド38の途中に設けたターンバックル(図示せず)により張力を調整することができる。
【0027】
なお、鋼矢板11側に固定する連結ブラケット36は、腹起し材16を鋼矢板11に取り付けるためのボルト孔、ボルト17、ナットを利用して固定する。すなわち、腹起し材16の取付用のボルト孔、ボルト17、ナットを共用して取り付ける。この様にすると、加工を最小限に押さえることができ、作業が容易であり、また、複数本の鋼矢板11を一体化している腹起し材16に力が作用するので、腹起し材16を介して力を複数の鋼矢板11に分散させることができて強度的にも安定する。
また、基礎14として基礎ブロック30を布設した場合には、各基礎ブロック30と鋼矢板11との間を、前記と同様に、連結材4により連結する。
【0028】
1段目のコンクリートパネル15と鋼矢板11との間の連結が終了したならば、その間の空間に、現場近傍の土砂をコンクリートパネル15の上端近傍まで充填して転圧機などにより転圧する。
この様に、本発明にかかる構築体では、現場にある土砂を活用できるので、現場に搬送する資材を少なくすることができる利点がある。
【0029】
土砂の充填と転圧が終了したならば、1段目のコンクリートパネル15の上に2段目のコンクリートパネル15を積み上げる。この場合、「切り石積み」の手法により積み上げる。この「切り石積み」は、図1に示すように、下の段の隣り合うコンクリートパネル15の境目の上に、上の段のコンクリートパネル15の左右中央が位置するように配置しながら積み上げる石積み手法である。すなわち、コンクリートパネル15を千鳥状に配置しながら積み上げる。
【0030】
この切り石積みにより2段目のコンクリートパネル15を1段目のコンクリートパネル15上に積み上げて接合するには、1段目のコンクリートパネル15の上面に開設されているテーパー穴20内にコーンブッシュ23を、小径部を下に向けた状態で嵌合すると共に各コーンブッシュ23の貫通孔24内に接合軸25を挿通して、該接合軸25の上半部分を1段目のコンクリートパネル15の上面から上方に突出させ、この突出した接合軸25の上半部分に、小径部分を上に向けた状態でコーンブッシュ23を嵌合する。
【0031】
次に、2段目のコンクリートパネル15を、背面の連結ブラケット21を上流擁壁2に向けて当該コンクリートパネル15の左右中央が1段目のコンクリートパネル15同士の境目の上に位置するように位置調整して載置する。2段目のコンクリートパネル15を1段目のコンクリートパネル15上に載置する場合、積み上げる2段目のコンクリートパネル15の下面に開設してある各テーパー穴20内に、1段目のコンクリートパネル15の上端から上向きに突出しているコーンブッシュ23と接合軸25を嵌合する。この嵌合作業では、1段目のコンクリートパネル15の場合と同様に、下向きに拡径して尚且つ左右に長尺な長孔開口となったテーパー穴20内にコーンブッシュ23の小径部分が先ず差し込まれるので、コンクリートパネル15を吊り降ろす際の位置合わせ、特に左右方向の位置合わせ作業が容易である。なお、1段目と2段目のコンクリートパネル15の間には、シート状の緩衝材35を介在させることによりコンクリートパネル15同士が直接接触しないようにすることが望ましい。
【0032】
この様な積み上げ操作を繰り返すと、2段目のコンクリートパネル15の積み上げ設置が終了し、これが終了したならば、2段目の各コンクリートパネル15の背面に突設されている連結ブラケット21にU字状連結金具37を通し、1段目の場合と同様に、2段目のコンクリートパネル15と鋼矢板11とを連結材4により連結する。
【0033】
そして、この連結作業が終了したならば、2段目のコンクリートパネル15と鋼矢板11との間にできた空間内に、前記と同様に土砂を充填するとともに転圧して2段目の作業を終了する。
【0034】
2段目の作業が終了したならば、その上に3段目のコンクリートパネル15を「切り石積み」手法により、2段目の場合と同様に、軸接合機構により接合しながら積み上げる。そして、3段目のコンクリートパネル15の積み上げ作業が終了したならば、鋼矢板11との間を連結材4により連結し、その後に土砂を充填するとともに転圧することにより3段目の作業を終了する。
【0035】
この様にして、各段のコンクリートパネル15の積み上げ接合作業を行って下流擁壁3を構築すると、上下段のコンクリートパネル15が接合機構により接合され、尚且つ上段と下段のコンクリートパネル15の位置をずらして積み上げているので上下左右が一体となった壁とすることができる。そして、下流側擁壁3と鋼矢板11との間を連結材4により連結し、間に土砂を充填するとともに転圧して固める作業を繰り返すと、所望する高さの下流擁壁3を立設することができる。また、各段の作業は、充填した土砂の上に乗って行うことができるので、高くて大きな足場を別途組み立てる必要もなく行うことができる。
【0036】
そして、予定した段までコンクリートパネル15を積み上げると共に、連結材4による鋼矢板11との連結を終了して、間に土砂を充填して転圧すると、最後に充填した土砂の上面にコンクリートを打設して覆うことにより天端部5や水通し部6を形成して所望する高さの構築体1を構築することができる。
【0037】
構築体1は、上流擁壁2が鋼矢板11を立設した壁であり、下流擁壁3が上段と下段のコンクリートパネル15を軸接合機構により接合した壁であり、両擁壁2,3の間に土砂を充填して構成されるので、必要な強度を確保しながら現場に大きな足場を組み立てることなく短期間で容易に構築することができる。そして、下段と上段のコンクリートパネル15同士を接合している軸接合機構は、単に金属製軸で接合するだけではなく、弾性材製のコーンブッシュ23の貫通孔24内に金属製接合軸25を挿通した状態で接合するので、必要な強度を確保しつつ下流擁壁3に柔軟性を持たせることができ、免震機能を付与できる。したがって、充填した土砂が時間の経過に伴って多少沈下して下流擁壁3の各部に作用する土圧が変化してもこれを柔軟に吸収することができ、また、地震等の振動も吸収することができる。
【0038】
また、下流擁壁3はコンクリートパネル製なので、景観を損ねるおそれがない。また、コンクリートパネル15に植生を付加することもでき、この場合には一層周りの樹木等に溶け合って自然な景観を提供することができる。例えば、図3中点線で示す部分に、表側から裏側に貫通した植生窓部40を開設し、該植生窓部40を多孔面材41で塞ぐと、図6に示すように、この植生窓部40から草木を生えさせることができる。そして、多孔面材41に予め植物の種子を混入させておくと、施工後に土砂の水分と養分を吸収して発芽し、下流擁壁3一面を植物で覆うことができ、優れた景観となる。
【0039】
また、前記実施形態では、上流擁壁2を鋼矢板11で、下流擁壁3をコンクリートパネル15で構成したが、上流擁壁2と下流擁壁3´との両擁壁2,3´を鋼矢板11で構成し、下流擁壁3´の表面をコンクリートパネル15で覆ってもよい。
【0040】
すなわち、両側縁に接合部10を形成した縦長な鋼矢板11を複数本隣りの接合部10同士を接合しつつ立設して傾斜地の上流側に第1擁壁として上流擁壁2を立設すると共に該上流擁壁2の下流側に第2擁壁として下流擁壁3´を立設し、両擁壁2,3´の内面同士を連結材4により連結すると共に、両擁壁2,3´間の空間に土砂を充填し、下流擁壁3´の表側にコンクリートパネル15を順次積み重ねながら立設してコンクリートパネル壁を構成し、該コンクリートパネル壁を下流擁壁3に接合部材を介して固定して構築体1を構築してもよい。この場合、前記コンクリートパネル15は、前記実施形態と同様に、下段と上段に位置するコンクリートパネル15の接合部分に軸接合機構を設けて接合する。そして、軸接合機構も前記実施形態と同様に、コンクリートパネル15の上面と下面にそれぞれ開設されて左右方向に長い長孔である開口部に向かって次第に拡径したテーパー穴20と、該テーパー穴20のテーパーと同じ向きのテーパーを外周面に形成してテーパー穴20内に嵌合する弾性材製のコーンブッシュ23と、該コーンブッシュ23の中心貫通孔24内に挿通可能な金属製の接合軸25とから構成し、下段のコンクリートパネル15の上面に開設したテーパー穴20内に嵌合したコーンブッシュ23の中心貫通孔24内に接合軸25を挿通して該接合軸25の上半部分を当該下段コンクリートパネル15の上端から上方に突出させ、この接合軸25の上半部分に、小径部分を上に向けた状態でコーンブッシュ23を嵌合するととに該コーンブッシュ23を上段のコンクリートパネル15の下面に開設したテーパー穴20内に嵌合して上段と下段のコンクリートパネル15を接合する。
【0041】
鋼矢板11を立設した下流擁壁3とコンクリートパネル15とを接合するには接合部材を介して固定する。例えば、図7に示すように、鋼矢板11の表側に接合ブラケット42の脚部42aを、腹起し材16を鋼矢板11に固定するためのボルト孔を利用して、ボルト・ナット43で固定し、この接合ブラケット42の先端をコンクリートパネル15の裏面の孔45内に植設したボルト44aとナット44bにより固定してもよい。この様に、腹起し材16を鋼矢板11に固定するためのボルト孔を利用すると、別途ボルト孔を開ける必要がないので加工を省略でき、また、越起し材16と共に鋼矢板11に固定できるので、必要な固定強度が得易く、且つ接合ブラケット42を介して作用するコンクリートパネル15からの力を複数の鋼矢板11に分散できて力学的に安定し易い。
【0042】
なお、本発明における連結材4は、連結金具37を介して金属製ロッド38により連結する構成に限定されるものではなく、第1擁壁と第2擁壁を連結することができればどのような構成でも良い。例えば、コンクリートパネルを積み重ねるごとに充填した土砂上に敷いた強靭なシート材を介して連結しても良い。
【0043】
また、本発明にかかる構築体は、防砂ダムに限らず、土手などの堤、土砂の崩壊を防止する擁壁、補強盛土、補強土壁の壁面なども含む概念であり、傾斜地に構築するものに限定されない。例えば、図8に示すように、切り土面に沿ってコンクリートパネル15を積み上げて擁壁を構築し、この擁壁の裏側に裏込め材45を充填してもよい。そして、コンクリートパネル15に、前記第1実施形態におけるコンクリートパネル15を使用すると雑草が生えることを防止でき、図6に示した実施形態における植生窓部40付きのコンクリートパネル15を使用すると植生窓部40に植物を生えさせることができ、いずれにおいても切り土面の風化防止機能がある。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、大きな足場を組み立てる必要がなく、また、コンクリートパネルの積み上げ、特に位置合わせ作業が簡単なので、施工が容易であり、工期の短縮化に大きく寄与できる。また、積み上げたコンクリートパネルによる壁が柔軟性を持っているので、内部に充填した土砂が沈下しても対応可能である。
そして、第2擁壁側はコンクリートパネルで覆われているので、景観を損ねるおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】右半部分を切り取った構築体の斜視図である。
【図2】鋼矢板の接合状態と上流擁壁と下流擁壁の接合状態を示す説明図である。
【図3】(a)はコンクリートパネルの平面図、(b)はコンクリートパネルの左側面図、(c)はコンクリートパネルの正面図である。
【図4】(a)は接合軸の平面図、(b)は接合軸の正面図、(c)はコーンブッシュの底面図、(d)はコーンブッシュの正面図、(e)はテーパー穴の説明図、(f)はテーパー穴の平面図である。
【図5】(a)は基礎ブロックの左側面図、(b)は左半を正面から見て右半を背面から見た説明図である。
【図6】植生窓部を設けたコンクリートパネルにより構築した下流擁壁の断面図である。
【図7】(a)は鋼矢板で構成した下流擁壁とコンクリートパネルとを接合する接合ブラケットの側面図、(b)はその平面図である。
【図8】切り土面に沿って擁壁を施工した実施形態の断面図である。
【符号の説明】
1 構築体
2 上流擁壁
3,3´ 下流擁壁
4 連結材
5 天端部
6 水通し部
10 接合部
11 鋼矢板
12 鈎形部分
13 上流擁壁の基礎
14 下流擁壁の基礎
15 コンクリートパネル
20 テーパー穴
21 連結ブラケット
22 段部
23 コーンブッシュ
24 貫通孔
25 接合軸
30 基礎ブロック
31 ベース部
32 基礎起立部
34 側部コンクリート
35 緩衝材
36 連結ブラケット
37 連結金具
38 金属製ロッド
40 植生窓部
41 多孔面材
42 接合ブラケット
43 ボルト・ナット
44a ボルト
44b ナット
45 孔
Claims (5)
- 第1擁壁を立設すると共に該第1擁壁から間隔を空けて第2擁壁を立設し、両擁壁の内面同士を連結材により連結し、両擁壁間の空間に土砂を充填した構築体であって、
前記第1擁壁は、両側縁に接合部を形成した縦長な鋼矢板を複数本隣りの接合部同士を接合しつつ立設して構成し、
前記第2擁壁は、基礎上にコンクリートパネルを順次積み重ねながら立設するとともに、下段と上段に位置するコンクリートパネルの接合部分には軸接合機構を設けて接合し、
該軸接合機構は、コンクリートパネルの上面と下面にそれぞれ開設されて開口部に向かって次第に拡径したテーパー穴と、該テーパー穴のテーパーと同じ向きのテーパーを外周に形成してテーパー穴内に嵌合する弾性材製のコーンブッシュと、該コーンブッシュの中心貫通孔内に挿通可能な金属製の接合軸とからなり、下段のコンクリートパネルの上面に開設したテーパー穴内に嵌合したコーンブッシュの中心貫通孔内に接合軸を挿通して該接合軸の上半部分を当該下段コンクリートパネルの上端から上方に突出させ、この接合軸の上半部分に、小径部分を上に向けた状態でコーンブッシュを嵌合すると共に該コーンブッシュを上段のコンクリートパネルの下面に開設したテーパー穴内に嵌合して上段と下段のコンクリートパネルを接合したことを特徴とする構築体。 - 第1擁壁を立設すると共に該第1擁壁から間隔を空けて第2擁壁を立設し、両擁壁の内面同士を連結材により連結し、両擁壁間の空間に土砂を充填し、第2擁壁の表側にコンクリートパネルを順次積み重ねながら立設してコンクリートパネル壁を構成し、該コンクリートパネル壁を第2擁壁に接合部材を介して固定した構築体であって、
前記第1擁壁及び第2擁壁は、両側縁に接合部を形成した縦長な鋼矢板を複数本隣りの接合部同士を接合しつつ立設して構成し、
前記コンクリートパネルは、下段と上段に位置するコンクリートパネルの接合部分に軸接合機構を設けて接合し、
該軸接合機構は、コンクリートパネルの上面と下面にそれぞれ開設されて開口部に向かって次第に拡径したテーパー穴と、該テーパー穴のテーパーと同じ向きのテーパーを外周に形成してテーパー穴内に嵌合する弾性材製のコーンブッシュと、該コーンブッシュの中心貫通孔内に挿通可能な金属製の接合軸とからなり、下段のコンクリートパネルの上面に開設したテーパー穴内に嵌合したコーンブッシュの中心貫通孔内に接合軸を挿通して該接合軸の上半部分を当該下段コンクリートパネルの上端から上方に突出させ、この接合軸の上半部分に、小径部分を上に向けた状態でコーンブッシュを嵌合するととに該コーンブッシュを上段のコンクリートパネルの下面に開設したテーパー穴内に嵌合して上段と下段のコンクリートパネルを接合したことを特徴とする構築体。 - 傾斜地の上流側に第1擁壁を立設すると共に該第1擁壁の下流側に第2擁壁を立設したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の構築体。
- 前記コンクリートパネルに、表側から裏側に貫通した植生窓部を開設し、該植生窓部を多孔面材で塞いだことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の構築体。
- 擁壁を構成している鋼矢板の内面側に、鋼矢板の幅よりも長尺な腹起し材を横方向に当接するとともに、該腹起し材をボルト・ナットで鋼矢板に固定して複数本の鋼矢板を一体化し、上記ボルト・ナットにより連結ブラケットを前記擁壁の内面側に固定し、該連結ブラケットに前記連結材の一端を接続したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の構築体。
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