JP3901204B2 - 光ディスク記録方法及び光ディスク装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光ディスク装置に関わるものであり、一連のデータを連続して記録する場合に生じる問題を解消するための技術を提供するものである。
従来の光ディスク装置では、規格に定められた記録方法に従って記録を行っていた。しかしながら、規格通りの記録方法ではディスクの種類、装置の形態、あるいはディスクに記録するデータによっては問題が生じる場合があった。その問題点について以下説明する。
一般にディスクのレーザー光に対する感度はディスク全面に亘って均一でない。また、レーザーは、それ自体が発する熱や装置内の回路から発生する熱等によって周辺温度の影響を受け、出力が変化するという特性がある。したがって、記録中は適度なときに記録したデータの記録品質を評価し、その結果をレーザーの出力に反映させる必要がある。このことを踏まえ、規格に定められたDisc at Onceという記録方法とその問題点について説明する。
このDisc at Once記録方法は、例えばDVD-Rに映像、音声といったデータを記録する際に、その記録するデータがDVDビデオプレーヤにおいて再生互換を実現する場合等に用いられる記録方法である。また、この記録方法では、ディスク内周から外周にかけて途中途切れることなく連続的にデータの記録を行うことが定められている。したがって、この記録方法では全てのデータを記録し終わるまで、記録したデータの十分な記録品質を評価することなく記録を継続しなくてはならない。記録したデータを十分に評価出来ないという理由は、通常、光ディスク装置では記録用ヘッドと再生用ヘッドが一体となっていることに因るものである。記録品質を評価するため最も確かな方法は、記録したデータを再生してみることであるが、記録と再生が共用のヘッドでは、記録を止めない限り再生を行うことは出来ない。従って、従来の光ディスク装置では、上記のDisc at Once のような記録方法では記録を中断することが出来ないために確実な記録品質の評価が行えず、記録を行ったデータ全体について適正な記録品質を保つことが困難であった。特に記録すべき一連のデータのサイズが大きく、記録が長時間に亘る場合には、ディスク装置内部の温度が非常に高くなることからレーザーを良好な温度特性のもとで使用することができないため記録品質の維持が難しく、また、ファンなどの冷却手段を取り付けるスペースに余裕がない小型のディスク装置では、より記録品質の維持が困難であった。
従来の装置においても、例えば引用文献1にあるように、記録品質評価を行いながら最適な記録条件となるよう調整を行ないつつ記録を実行するものがあった。ただし、これらは、ディスク装置に繋がれたホスト装置からデータが転送されない期間を見計い、記録と記録との間に調整をおこなうというものであった。しかしながら、Disc at Once記録のようにホスト装置から絶えずデータが転送される場合は、絶えず記録を続けなければならず、その間は記録品質を十分に確認した上で良好な記録条件での記録を行うことが難しかった。そのため、ディスク上の場所によっては記録品質が悪く、記録を新たにやり直さなければならない場合もあった。このことは特に、映像、音声などのリアルタイムデータを記録する場合に問題であった。リアルタイムデータを記録する場合は、記録を行っているデータそのものがオリジナルソースとなる。つまり、全てのデータを記録し終わった後に記録品質を評価し、記録品質が悪ければ記録を最初からやり直すといったことは出来ない。このような理由から従来装置はリアルタイム記録に十分に対応することができなかった。また、記録のやり直しが可能なノンリアルタイム記録の場合であっても、やり直しのための時間が発生し、ディスクがDVD-Rのように一度のみ記録が可能な媒体では、新たにディスクを用意しなければならず、無駄なコストまでも発生していた。
以上、説明したように、従来のディスク装置では、特にDisc at Once記録のような一連のデータを連続して記録を行わなければならない場合に、記録したデータ全体の記録品質を良好に維持することが困難であった。また、このため、記録を行なっているデータそのものが即、オリジナルソースとなる映像、音声などのリアルタイム記録においてはDisc at Once記録のような一連のデータを連続して記録を行わなければならない記録方法には適しておらず、特にDVD-Rのように一度のみ記録が可能なディスクへのリアルタイムデータの記録が難しかった。
特開2001−34947号公報
本願発明は、従来のディスク装置においてDisc at Once記録など一連のデータを連続的に記録することが定められたデータを記録する際に生じる問題点を解消することが課題である。その問題点とは、一連のデータを連続的に記録するが故に記録中に十分に記録したデータの記録品質評価が行うことが出来ず、レーザーの出力を適正に制御することが出来なかったことによる記録品質の悪化、バラツキである。また、連続記録のためにディスク装置内部の回路等から発生する熱によってディスク装置内部の温度が高温に達することにより、長時間に亘ってはレーザーを良好な温度特性のもとで使用することが出来なかった点である。
さらには、上記問題点を解決することによって、リアルタイムデータの記録や一度しか記録が出来ないディスク媒体に対する記録を良好な記録品質で実現することが本発明が解決しようとする課題である。
もちろん、従来のディスク装置の記録方法においても、記録を行う前に、ディスク上の試し書き領域において種々のレーザーパワーでテストパターンを記録し、テストパターンの再生結果に基づきレーザーの適した出力値を求めていた。したがって、記録すべき一連のデータがそれほど大きなサイズではない場合には、記録中にレーザーの出力を十分に調整できなくとも殆ど問題にはなることはなかった。しかし、記録すべき一連のデータが大きく、長時間に亘って記録を行わなければならない場合には、記録途中に十分に記録を調整することができなかたため、ディスク面上の記録感度バラツキに十分に対応することができない。また、記録が長時間に亘ると、ディスク装置内部の温度が非常に高くなることからレーザーを良好な温度特性のもと使用することが出来ず、記録品質を悪化させてしまいやすかった。ディスク装置内の温度を上昇させないためにファンなどの冷却手段を設けるという手立てもあるが、コストアップとなってしまうという問題があった。また、携帯用の小型ディスク装置ではスペースの制限や電源の制限によってファン等の冷却手段を設けることが非常に困難であり、装置内の高温化は特に問題であった。
上記課題を解決する為に本願発明では、光ディスクにリアルタイムデータを記録する光ディスク装置において、光ディスク装置のデータバッファに入力されたリアルタイムデータを分割し、分割したデータを光ディスク装置へのデータ入力速度を上回る速度で光ディスクに記録を行い、結果として連続的に記録した場合と同様に記録したデータが再生されるよう制御する。そして、光ディスク装置にリアルタイムにデータが入力されている期間中で、次に分割されたデータを記録するまでのディスクへの記録が中断されている期間を利用して、分割した各データの記録を行う前に光ディスクに記録したデータの再生を行うことによって再生したデータの記録品質の評価を行うとともに、その評価結果をレーザーの出力に反映させることによってデータ全体に亘って記録品質が良好に維持されるよう制御を行う。記録品質の評価後は、光ディスクに既に記録されたデータを再生した直後、連続して、引き続いて、次に分割されたデータを評価結果を反映させたレーザーの出力で記録する。
記録すべき一連のデータを分割し、分割したデータ単位に断続的に記録を行い、結果として連続的に記録した場合と同様に一連のデータが記録されるよう制御する。これにより断続期間が得られ、この断続期間を利用して分割した各データの記録を行う前に直近に記録したデータの再生を行うことによって記録品質の評価を行うとともに、その評価結果をレーザーの出力に反映させることによって記録すべき一連のデータ全体に亘って良好な記録品質を維持することができる。さらに、前記の断続期間にディスク装置内の記録時または再生時にさえ稼動していればよい各部位の機能を停止することによってディスク装置内部の温度上昇を抑え、これによってレーザーを記録が長時間に亘っても良好な温度特性のもと使用することができる。
本発明の光ディスクへのデータ記録方法の実施例を図1に示す。
図1において101は規格上は連続して記録すべき一連の記録データである。比較のために105に従来のディスク装置の記録タイミングを示す。従来のディスク装置であれば、105に示すように、ディスク装置に記録すべきデータの一部が蓄積された時点から順次蓄積されたデータが途中記録を中断することなく連続的に記録される。
一方、本実施例では102に示すように記録データ101を一定の記録単位に分割し管理する。例えば、DVD-RであればECCブロック単位の整数倍の単位に分割し記録を行う。図1では一例としてAからJまでの10分割としてある。分割したAからJまでの分割記録データ102は、103にタイミングで断続的に分割記録する。各分割データの記録期間が、各分割データの幅より短くなっているのは、ディスク装置に入力される記録データを一旦、データバッファに蓄積しておき、その後、装置のデータバッファに入力されるデータの入力速度を上回る速度でデータバッファからデータを取り出して記録を行うためである。103に示す断続的な記録を行うことにより、各分割データの記録と記録の合間に記録断続期間を設けることができる。この記録断続期間の一部を利用して記録済みのデータの再生を行い、その記録品質の評価を行うタイミングを表しているのが104である。図1においては、BからJの各分割データ102を記録する直前に、それぞれ直近に記録したAからIの各分割データを再生し、その記録品質を評価していることを表している。このように、一連のデータの記録中に記録断続期間を利用して記録済みのデータの記録品質を評価することが出来るので、その結果をレーザーの出力調整に反映させることが出来る。従って、一連のデータ全体に亘って良好な記録品質に保つことができる。
また、記録断続期間にディスク装置内部の各部位の機能を停止することが出来る。これにより、ディスク装置全体の消費電力を抑制し、ディスク装置内部の温度上昇を緩やかにし温度上昇を抑制でき、長時間に亘ってレーザーを良好な温度特性のもと使用することができる。
ただし、規格通りに一連のデータを連続的に記録するわけではなく、分割単位ごとに繋ぎ記録を行うために繋ぎ目が出来てしまうという問題点もある。
しかし、これについては、現在、一般にディスク装置で用いられているリンク記録技術をもってすれば、記録済みのデータとそれに接ぐデータは数バイトの誤差で繋ぎ記録が実現できる。また、繋ぎ記録による誤差は、データを記録する際に同時に記録されているエラー訂正符号によって十分に訂正される範囲内である。したがって、記録されたデータは連続的に記録を行った場合と同様に再生することができ、問題となることはなくなる。
上記のように、本実施例の記録方法は、記録の繋ぎ目が生じるものの、従来のディスク装置で行われている連続的に記録した場合と同様に記録したデータが再生される。また、記録したデータは周期的に適した記録条件となるようレーザーの出力を調整することが可能であるため、記録すべき一連のデータ全体に亘って良好な記録品質となる。さらには、断続記録動作により断続記録動作中の各部位の機能を停止することによりディスク装置内部の温度上昇を抑制できることから、長時間に亘る記録においても、良好な温度特性のもとレーザーを使用することができ、良好な記録品質を維持することが出来る。
故に、本実施例の記録方法および装置は、ファンなどの冷却手段を取り付けることが出来ない廉価版のディスク装置、携帯用の小型ディスク装置に適している。また、記録時間が長時間に亘ることが多く、また、記録のやり直しが効かない映像や音声などのリアルタイム記録についても安定した記録条件のもと記録を行うことが出来、有用である。また、ノンリアルタイム記録の場合であっても、長時間に亘って記録を行っても良好に記録品質が保たれることから、1度しか記録を行うことが出来ないDVD-RなどのWrite Once媒体への記録にも適している。
なお、規格上、連続して記録すべき一連のデータとはこの Disc at once のような記録方法におけるデータのことを指す。従って、例えば、DVD−RWのような書き替えが可能な媒体であってもDisc at once 記録を適用する場合は、同様である。どのような媒体であっても連続して記録すべき一連のデータであるDisc at once 記録において、敢えて意図的に一連のデータを分割して記録し、分割して記録されたデータが結果的に連続して記録された場合と同様になるようになるものである。また、一連のデータを分割して記録する理由は、記録断続期間に記録パワーを調整し、光ディスクの全面に亘って良好な記録品質を維持するためである。
さらに本実施例の記録方法の利点は、記録品質の評価を実際に記録を行う領域の近傍で行う点にある。これは、ディスク面上における記録感度のバラツキに対応する上で適している。また、記録品質を評価する際にテストパターンを記録するということを行わず、実際に記録したデータによって記録品質の評価を行う。従って、記録品質評価の都度、試し書き領域に記録ヘッドを移動させる必要もなく、またテストパターンを記録するということも行う必要がないので非常に短時間で記録品質を評価することが出来る。また、各分割データの記録を行う直前に直近に記録したデータの再生を行うことによって、記録開始位置へのヘッド位置付けを兼ねることになり、効率よく処理を行うことが出来る。実際の記録品質の評価方法については、従来のディスク装置において一般に用いられている再生データのエラーレート、ジッタ、アシンメトリ等を測定すればよい。
以下、図1に示す本実施例の記録方法を実現するための手段を図2に示す。
図2は一般的なディスク装置の構成の一部を示すものである。本発明は、記録方法に関わるものであるため、従来のディスク装置の構成をもって、その制御方法を工夫することにより実現される。従って、ディスク装置全体に関する構成の説明は省略し、本実施例に関わる部位のみを用いて、本実施例の実現手段について説明する。
図2において、201はデータバッファである。ディスク装置に入力されるデータをディスクに記録するまでの間、一時的に蓄積する役割を果たす。また、ディスクから再生されたデータをディスク装置に繋がれたホスト装置に送るとき、一時的に蓄積する役割を果たす。なお、データバッファ201は複数のメモリによって構成されており、データを入力する一方で、データの出力が可能な構成とする。202はディジタル信号処理手段(以下、DSPと呼ぶ)である。データバッファ201から転送されたデータにエラー訂正付加し、実際にディスク記録するためのデータ形式にエンコードする役割を果たす。また、ディスクから再生された信号をデコードし、エラー訂正を行い、同時に再生データのエラーレートを算出する。さらにはディスクからの再生信号をもとにディスク上のアドレスを検出する。203はレーザードライバである。DSP202から転送されるデータに基づき、レーザーを駆動し、発光させる役割を果たす。204は光ピックアップである。内部にはレーザーを搭載しており、光ディスクに対し記録レーザー光、再生レーザー光を照射する。また、ディスクからの反射光を検出し、電気信号に変換する。さらには、レーザーの出射光の一部を取り出し、レーザーの発光パワーを監視するためのモニタ信号を出力する。205はデータを記録するための光ディスクである。206はアナログ信号処理手段(以下、ASPと呼ぶ)である。光ピックアップからの再生信号の振幅、位相等を調整し、二値化する役割を果たす。207は自動レーザーパワー調整手段(以下、APCと呼ぶ)である。光ピックアップ204から出力されるレーザーの発光パワーモニタ信号を監視し、設定された目標発光パワーになるようレーザードライバを随時制御する役割を果たす。208はディスク装置内の各部位を管理制御するシステムコントローラである。
本実施例に関するシステムコントローラ208の役割は、
・データバッファ201に蓄積される記録データの蓄積量を監視し、適宜、ディスク205への記録を行わせる。
・ディスク装置内の各部位の機能停止・機能起動、または、各部位の電源オフ・電源オンを制御し、各部位の消費電力を制御する。
・直近に記録したデータの再生を行わせ、再生されデータに基づくエラーレートをDSP202に算出させる。
・前記エラーレートに基づき、APC207に追従させるレーザーの記録パワー目標値を設定する。である。
次に、図3を例に挙げ、図2に示すディスク装置によって本発明の記録方法を実現するための各部位の動作を説明する。図3は図1に示す分割データ102 A、B、Cを断続動作によってそれぞれ、ディスク205上の連続する領域 304、領域305、領域306に順次記録する様子を表す。なお、領域304に記録を行う際のレーザーの記録パワーにつていは、従来のディスク装置と同様、事前にディスク上の試し書き領域において種々の記録パワーにてテストパターンの記録を行い、そのテストパターンを再生することによって適したパワーに調整されているもとする。また、ディスクに記録するデータはディスク装置に接続されたホスト装置より入力されるものとする。
まず、ディスク装置に対しホスト装置より記録すべき一連のデータが転送される。データバッファ201に規定量のデータが蓄積されるとシステムコントローラ208はこれを分割データ102−Aとし、システムコントローラ208は分割データ102−Aの記録を行うべく、データバッファに蓄積された分割データ102−AをDSP202に送り、同時にディスク205上の領域304の先頭前方に光ピックアップ204を位置付ける(光ピックアップ204の送り機構は図示せず)。なお、データバッファ201からDSP202へのデータ転送速度は、ホスト装置からデータバッファ201へのデータ転送速度を十分に上回る必要があり、本例では、その条件を満たしているものとする。以下はDSP202によって光ピックアップ204の位置(アドレス)が逐次検出され、ディスク205上の領域304の先頭に光ピックアップ204が達したところで、DSP202から出力される記録用データに基づきレーザードライバ203が光ピックアップ204を駆動し、分割データ102−Aがディスク205上の領域304に記録される。
ディスク205上の領域304に分割データ102−Aが記録されたところでシステムコントローラ208は、ホスト装置からのデータを受け取る役割にあるデータバッファ201を除く記録時または再生時にさえ稼動していればよい各部位の機能を停止、または、電源をオフする。これにより記録断続期間が生成される。以上によって図3に示す301の記録状態となる。
記録断続期間中にもデータバッファ201にはホスト装置からのデータが蓄積される。そして再びデータが規定量に達したところでシステムコントローラ208はこれを分割データ102−Bとする。これを記録すべく分割データ102−BをDSP202に転送する。同時に光ディスク205上の領域305の先頭より前方、すなわち領域304の終端付近に光ピックアップ204を位置付ける。
そして、システムコントローラ208は領域304の終端付近から領域305の先頭までの領域において前回の記録した分割データ102−Aの一部を再生し、エラーレートをDSP202に算出させるとともに、そのエラーレートが規定の範囲内にあるか否かを判定する。エラーレートが規定範囲外にある場合はその数値に応じてAPC207に追従させるレーザーの目標記録パワー値を更新する。
その後、光ピックアップ204が光ディスク205上の領域305の先頭に達したところで実際に分割データ102−Bが光ディスク205上の領域305に記録される。以上によって図3に示す302の記録状態となる。
ディスク205上の領域305に分割データ102−Bが記録されたところでシステムコントローラ208は、ホスト装置からのデータを受け取るデータバッファ201を除く記録時または再生時にさえ稼動していればよい各部位の機能を停止、または、電源をオフする。これにより再び記録断続期間が生成される。
引き続き記録断続期間中にもデータバッファ201にはホスト装置からのデータが蓄積される。そして再びデータが規定量に達したところでシステムコントローラ208はこれを分割データ102−Cとする。これを記録すべく分割データ102−CをDSP202に転送する。同時に光ディスク205上の領域306の先頭より前方、すなわち領域305の終端付近に光ピックアップ204を位置付ける。そして、システムコントローラ208は領域305の終端付近から領域306の先頭までの領域において前回の記録した分割データ102−Bの一部を再生し、エラーレートをDSP202に算出させるとともに、そのエラーレートが規定の範囲内にあるか否かを判定する。エラーレートが規定範囲外にある場合はその数値に応じてAPC207に追従させるレーザーの目標記録パワー値を更新する。
その後、光ピックアップ204が光ディスク205上の領域306の先頭に達したところで実際に分割データ102−Cが光ディスク205上の領域306に記録される。以上によって図3に示す303の記録状態となる。
ディスク205上の領域306に分割データ102−Cが記録されたところでシステムコントローラ208は、ホスト装置からのデータを受け取る役割にあるデータバッファ201を除く記録時または再生時にさえ稼動していればよい各部位の機能を停止、または、電源をオフする。これにより再び記録断続期間が生成される。
図3では、各分割データの記録前に直近に記録されたデータの記録品質評価を行ったが、図4に示すように各分割データの記録直後に、記録を終えたばかりのデータの一部を再生し、記録品質を評価しても良い。ただし、図4に示す手順でも記録品質を評価できるものの、記録終了後に光ピックアップを記録データの再生ために移動させる操作が必要となる。一方、図3に示す各分割データの記録直前に記録品質の評価を行う方が、これは記録開始位置に光ピックアップを位置付ける操作を兼ねることが出来るので処理効率がよい。また、図3及び図4に示す両記録方法とも、過去(断続期間分)に記録されたデータの記録品質を新たな記録ための記録条件に反映させる。このため断続期間に急激な温度変化が起こる可能性を考慮する必要がある場合は、温度センサー等によって温度を監視、温度条件によって過去に記録したデータの記録品質を新たな記録の記録条件に反映させるか否かを決定するとよい。
以上、図2に示すディスク装置による断続動作によって図1に示す分割データ102 A、B、Cをそれぞれ、図3及び図4に示す領域 304、領域305、領域306に順次記録する手順を説明したが、図1に示す分割データ102−D以降のデータについても同様に、上記の動作を繰り返すことによって記録される。そして、その記録されるデータは、分割データ単位の記録ごとにレーザーの記録パワーが適するよう調整する機会が設けられるため、より良好な記録品質が保たれる。また、記録品質の評価に用いるデータは、記録をしようとする領域の近傍であることからディスク面上の記録感度バラツキに対して的確に対応することが出来る。
さらには、断続期間が設けられ、その期間においてディスク装置内の各部位の電力制御が可能なことから、ディスク装置内の温度上昇を抑制することができる。これにより、記録が長時間に亘っても良好な温度特性のもとレーザーを使用することが出来、記録すべきデータ全体に亘って良好な記録品質を保つことが出来る。
なお、上記の説明では分割データを記録するたびにレーザーの記録パワーを調整するとしたが、測定誤差を回避するために複数回分の記録品質測定結果をまとめて評価し、複数回に一度の分割データ記録の際に、レーザーパワー調整の記録を行っても良い。また、ディスク装置内に温度センサが具備されており、レーザー近傍の温度が測定できる場合は、レーザーの記録パワーを調整する機会に前回の調整時からの温度変化幅を合わせ見て、記録パワーの調整を行うのもよい。
本発明の1実施例の断続記録動作時の断続期間を利用した記録データ評価手順を示す図。 本発明の1実施例におけるディスク装置の構成図。 本発明の1実施例におけるディスク装置の動作手順を説明するためのディスクへの記録方法を示す図。 本発明の1実施例におけるディスク装置の動作手順を説明するためのディスクへの記録方法を示す別の図。
符号の説明
101・・・記録データ、102・・・分割記録データ、
103・・・記録動作タイミング、104・・・記録品質評価タイミング、
105・・・従来装置記録タイミング、
201・・・データバッファ、202・・・ディジタル信号処理手段、
203・・・レーザードライバ、204・・・光ピックアップ、
205・・・光ディスク、206・・・アナログ信号処理手段、
207・・・自動レーザーパワー調整手段、208・・・システムコントローラ、

Claims (2)

  1. 光ディスクにリアルタイムデータを記録する光ディスク装置における光ディスク記録方法であって、
    光ディスク装置のデータバッファに入力されたリアルタイムデータを分割する工程と、
    分割されたデータを光ディスク装置へのデータ入力速度を上回る速度で光ディスクに記録する工程と、
    光ディスク装置にリアルタイムにデータが入力され続けている期間中で、リアルタイムデータが記録可能で、次に分割されたデータを記録するまでの前記記録工程が中断されている期間に、
    光ディスクに既に記録されたデータを再生する工程と、
    前記再生されたデータの再生信号に基づきデータの記録状態を評価する工程と、
    前記再生されたデータの評価にき、次分割されたデータを記録するレーザーの記録パワーを調整する工程と、
    前記光ディスクに既に記録されたデータを再生する工程を実施した直後、連続して、引き続いて、次に分割されたデータを記録する工程と、からなり、
    上記記録、再生、評価、レーザーの記録パワーを調整する工程を繰り返すことによってリアルタイムデータを記録する光ディスク記録方法。
  2. 光ディスクにリアルタイムデータを記録する光ディスク装置であって、
    光ディスク装置のデータバッファに入力されたリアルタイムデータを分割する手段と、
    分割されたデータを光ディスク装置へのデータ入力速度を上回る速度で光ディスクに記録する手段と、
    光ディスク装置にリアルタイムにデータが入力され続けている期間中で、リアルタイムデータが記録可能で、次に分割されたデータを記録するまでの前記記録手段の記録が中断されている期間に、
    光ディスクに既に記録されたデータを再生する手段と、
    前記再生されたデータの再生信号に基づきデータの記録状態を評価する手段と、
    前記再生されたデータの評価に基づき、次に分割されたデータを記録するためのレーザーの記録パワーを調整する手段と、を有し、
    前記データを再生する手段によってデータを再生した直後に連続して、前記リアルタイムデータを分割する手段により分割された次のデータを、前記記録手段で引き続いて記録し、
    上記データの記録、データの再生、およびデータの再生結果に基づくレーザーの記録パワーの調整を繰り返し行なうことを特徴とする光ディスク装置。
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