JP3901126B2 - データ変換装置、データ変換装置を備えたネットワークシステム - Google Patents
データ変換装置、データ変換装置を備えたネットワークシステム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力されたデータのサイズ等を変換して出力する変換装置に係り、特に、複数の種類の伝送媒体中を伝送する画像、音声データ等のマルチメディア・データを中継する中継器として機能するデータ変換装置、データ変換装置を備えたネットワークシステムおよびデータ伝送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ネットワークシステムにおいては、ネットワークに接続される複数の情報処理装置同士の間で、サービスの提供が行われる。
【0003】
この場合、通常、サービスを要求する側の情報処理装置はクライアントと称し、一方、サービスを提供する側の情報処理装置をサーバと称している。
【0004】
図3に、マルチメディアネットワークシステムの一構成例を示す。図3において、101は、サーバ、102、104は、ネットワーク、105は、クライアント、301は中継装置である。
【0005】
このように、サーバ101は、ネットワーク102を介して、中継装置301に接続され、さらに、中継装置301は、ネットワーク104を介して、クライアント105に接続されている。
【0006】
クライアント105からサーバ101へのサービス要求に対して、サーバ101は、クライアント105に対してサービスの提供を行なう。この際、サーバ101とクライアント105間での各種の情報の送受信は、ネットワーク102、中継装置301、ネットワーク104を介して行なわれる。
【0007】
そして、中継装置301は、情報を受信し、所望の送信先に情報を送信する機能を有する。この際、中継装置301は、情報の送受信を定められた通信手順にしたがって行なっているのみあり、情報の加工、特に、情報量の制御等を行なうようには、なっていなかった。
【0008】
なお、ネットワークシステム上には、通常、多数の情報処理装置が存在するが、同図では、サーバ101とクライアント105の間の情報伝送に直接関係しない情報処理装置は、省略している。なお、情報処理装置としては、ワークステーション、パーソナルコンピュータ(以下適宜「パソコン」と略記)、家庭用ゲーム機、家庭用情報端末、個人情報管理端末装置、ケーブルテレビ送信機、テレビ受信機等が挙げられる。
【0009】
ところで、サーバがクライアントに対してサービスを提供する際には、サーバとクライアントの間では各種のデータの送受信が行われる。特に、「マルチメディア・データ」の受け渡しを考慮してたネットワークシステムは、「マルチメディアネットワークシステム」と称されている。
【0010】
本明細書においては、「マルチメディア・データ」とは、以下に述べるような複数種類のデータのうちの少なくとも1つ含むデータと定義する。
【0011】
そして、前記複数種類のデータ例として、テキスト・データ、音声データ、ベクトルピクチャデータ、静止画像データ、動画像データ、音楽トラックデータ、ハイパーテキストデータ、マルチメディアスクリプトデータ、バーチャルリアリティデータ等が挙げられ、これらのうちいずれかを含むデータがマルチメディア・データとなる。
【0012】
さて、従来の情報処理装置が扱ってきたデータは、テキストデータやプログラムソフトウェアのデータが大半を占めており、これらのデータは、1ビットのデータの違いも許されない。すなわち、1ビットでもデータの違いが生じれば、思い通りにプログラムが動作しないことになってしまう。
【0013】
一方、近年、情報処理装置の処理能力の向上により、比較的データサイズの大きい、画像データや音声データ扱う場合が増加している。これらのデータの特徴は、本質的に冗長性を有していることであり、データが多少不完全であっても、データとしての役割を果たすことが可能なデータであると言える。
【0014】
例えば、静止画像の解像度を低下させたり、音声データのサンプリングレートを小さくすることによってデータサイズを減少させ、所望のデータサイズにしても、静止画像や音声データとして機能する。
【0015】
このような事情を鑑み、これらのデータの品質を制御するという概念が生まれた。
【0016】
このようなデータを多く含むマルチメディア・データを伝送することを想定した場合、クライアント側が高品質のデータを受信する性能を有していない場合等には、サーバ側が高品質なデータを出力することが不可能であり、始めから、低品質で小サイズのデータをクライアントに送信するほうが、送信時間を短縮でき、ネットワークのトラフィックを減少させるため、データ伝送上効率が良い場合がある。なお、例えば、低品質とは、ある画素数を有する静止画像(高品質なデータ)の画素数を間引いて、画質を落したデータ等が挙げられる(この場合同時に、データサイズが小さくなっている)。
【0017】
また、サーバ・クライアント間を接続する伝送媒体は、各種各様の媒体が存在し、クライアントが高性能であっても、伝送媒体の伝送能力が低い場合には、データの伝送時間が長くなってしまい、実用的なシステムを実現することができない場合がある。さらにユーザが、プレビュー等による、マルチメディア・データの概要観察を望む場合もある。
【0018】
そこで、ネットワークの伝送能力やクライアントの性能等を考慮し、ユーザの要求に適したデータをサーバが提供するための技術として、メディア変換サーバに関する技術が提案されている。この技術では、サーバが有する高品質なデータをクライアントに提供するときに、データサイズ等を調節し、即ち、データサイズを変化させることによって、トラフィックやクライアントの性能を考慮した、好適なデータを伝送することが可能である。
【0019】
広域ネットワーク・システムでは、サーバは、不特定のクライアントとの接続を許容する場合が多い。「インターネット・マガジン1995年2月号(ソフトバンク株式会社発行)」の35頁から61頁には、多数の不特定クライアントにサービスを提供する、マルチメディアネットワークシステムに関する技術が記載されている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したメディア変換サーバ技術は、このようなシステムに対して、適用することが困難であるといえる。
【0021】
その理由としては、(1)クライアントのユーザと、サーバの管理組織との間には、伝送データのサイズ等に関し、何らの契約関係も存在しないことが多く、クライアント側の要望を満たすように、サーバを機能させることが困難な場合が多い。
【0022】
(2)サーバ側から、クライアントの接続環境や性能(接続回線の伝送能力等)を判断することが困難であり、サーバ側の能力に適合したデータを提供することが可能であるかを調べることが困難である等が挙げられる。
【0023】
つまり、マルチメディアネットワークシステムでは、クライアントが受信するデータの、データ量等を制御することが必要とされているものの、広域ネットワーク環境では、サーバ側にデータ量を制御する手段を設けることは、現実的に困難である。
【0024】
そこで、本発明の目的は、サーバの仕様を変更せずに、サーバから送信されるデータを、クライアントの性能、クライアントに接続する伝送媒体等を考慮したデータに変換し、前記データを前記クライアントに受信させるデータ変換装置、データ変換装置を備えたネットワークシステムおよびデータ伝送方法を提供することにある。
【0025】
また、本発明の他の目的は、クライアントのユーザが、マルチメディア・データの変換処理の制御を行なう指示を行ない、該指示にしたがったデータ変換処理を行うことを可能とするデータ変換装置、データ変換装置を備えたネットワークシステムおよびデータ伝送方法を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するために、以下の手段が考えられる。
【0027】
すなわち、1種類以上のデータを含む入力情報を受け付ける情報入力手段と、該入力情報を構成する各データの種類を調べ、データ量の変換処理を行なうデータである変換対象データとして予め定められたデータであると判断した場合、当該データを前記入力情報から抽出するデータ解析手段と、抽出したデータのデータ量を、データの種類に対して予め定めた規則に従って変換処理する制御手段と、前記入力情報のうち、変換処理されたデータを、変換処理前のデータと置き換えて、入力情報を再構成する情報構成手段と、再構成された情報を出力する情報出力手段とを有して構成される装置である。
【0028】
また、以下の示すような態様も考えられる。
【0029】
すなわち、前記情報入力手段は、特定データのサイズを特定の変換率で変換する旨のコマンド(拡張コマンド)を、受け付ける機能を有した構成にし、さらに、受け付けた拡張コマンドの内容を解析し、前記特定データのサイズを、前記特定の変換率で変換したデータを、前記情報構成手段が扱う前記変換処理されたデータとして与える機能を有する処理手段とを備えた装置である。
【0030】
さらに、以下に示すような手段も考えられる。
【0031】
すなわち前記情報入力手段は、主に文字列によって文字列以外のデータを参照するマルチメディア情報を受け付け、該入力情報を記述を分類し、構成する各記述を調べ、データ量の変換処理を行なうデータである変換対象データとして予め定められたデータを参照している記述である場合、当該記述を前記入力情報から抽出するデータ解析手段と、抽出したデータの参照方法を、データの種類に対して予め定めた規則に従って複製をつくり、変換する制御手段と、前記入力情報のうち、変換処理されたデータを、変換処理前のデータと置き換えて、入力情報を再構成する情報構成手段と、再構成された情報を出力する情報出力手段と、を備えた装置である。
【0032】
また、以下に示すような手段も考えられる。
【0033】
すなわち前記情報入力手段は、主に文字列によって文字列以外のデータを参照するマルチメディア情報を受け付け、該入力情報を記述を分類し、構成する各記述を調べ、データ量の変換処理を行なうデータである変換対象データとして予め定められたデータでを引用している記述である場合、当該記述を前記入力情報から抽出するデータ解析手段と、抽出したデータの参照方法を、データの種類に対して予め定めた規則に従って変換する制御手段と、前記入力情報のうち、変換処理されたデータを、変換処理前のデータと置き換えて、入力情報を再構成する情報構成手段と、再構成された情報を出力する情報出力手段と、を有する装置である。
【0034】
情報入力手段は、1種類以上のデータを受け付け、さらに、データ解析手段は、該入力情報を構成する各データの種類を調べ、データ量の変換処理を行なうデータである変換対象データとして予め定められたデータであると判断した場合、当該データを前記入力情報から抽出する。
【0035】
制御手段は、抽出したデータのデータ量を、データの種類に対応して予め定めた規則に従って変換処理し、さらに、情報構成手段は、前記入力情報のうち、変換処理されたデータを、変換処理前のデータと置き換えて、入力情報を再構成する。
【0036】
そして、情報出力手段は、再構成された情報を出力する。
【0037】
これにより、入力されたデータの、データ量の調整を自動的に行なうことを可能にする。
【0038】
また、前記入力手段によって、特定データのサイズを特定の変換率で変換する旨のコマンドを、受け付ける。
【0039】
そして、処理手段は、受け付けたコマンドの内容を解析し、前記特定データのサイズを前記特定の変換率で変換したデータを、前記情報構成手段が扱う前記変換処理されたデータとして与える。
【0040】
これにより、ユーザが、マルチメディア・データの変換処理の制御を行なう指示を行ない、該指示にしたがったデータ変換処理を行うことを可能とする。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0042】
まず、本発明の第1実施の形態を、図1〜図19を参照して説明する。
【0043】
(第1実施の形態)
図1は、本発明にかかる第1実施の形態の構成図である。
【0044】
図1に示すように、第1実施の形態のシステムは、サーバ101と、ネットワーク102、104と、マルチメディアデータ量制御中継装置103と、クライアント105とを、有して構成されている。
【0045】
接続携帯は従来のマルチメディア・ネットワーク・システムと同様である。尚、サーバ101とクライアント105との間では、マルチメディア・データの通信が行なわれており、この際、マルチメディアデータ量制御中継装置103は、データ量の制御を行なっている。
【0046】
なお、サーバ101が、クライアント105以外にもサービス提供を行うことは可能であるが、説明を簡単に行なうため、図1では、1つのクライアント105のみについて図示している。
【0047】
また、ネットワーク102とネットワーク104の伝送能力が異なるようにしたシステム構成にしておくと、本マルチメディアデータ量制御中継装置103は、その効果を多いに発揮する。
【0048】
異なるネットワーク102、104に接続して、本マルチメディアデータ量制御中継装置103をゲートウェイとして構成することも好ましい。
【0049】
なお、ネットワーク102、ネットワーク104は、それぞれ、複数のネットワークから構成されていても良い。
【0050】
図2は、図1に示したマルチメディアデータ量制御中継装置103の構成図である。
【0051】
図2に示す装置103は、所定の処理を行なうCPU201と、該CPU201を動作させるプログラムを含む、必要な情報を記憶するための記憶装置202と、ネットワーク102、104と本装置との間でのデータ通信の制御を行なう通信制御部203と、補助記憶装置205とを有して構成され、各構成要素は、互いに情報伝送が可能なように、バス204にて接続されている。
【0052】
さて、マルチメディアデータ量制御中継装置103の動作について説明する。
【0053】
なお、記憶装置202、通信制御部203、補助記憶装置205、通信制御部206は、CPU201がバス204を介して送る命令やデータにより、制御されるものとする。また、マルチメディアデータ量制御中継装置103の主たる機能は、CPU201が予め定められたソフトウェアにしたがって動作することによって実現される。
【0054】
まず、図5を参照して、本実施の形態において制御対象となるマルチメディア・データの構成を示す。
【0055】
図5において、501は、n個のデータを有して構成されるマルチメディア・データであり、502は1番目のデータ、503は2番目のデータ、…、504はn番目のデータである。各データは夫々、データ番号、データ種類、およびデータ内容を有する。具体的に述べると、505はデータ502のデータ番号、506はデータ502のデータ種類、507はデータ502のデータ内容である。
【0056】
同様に、508はデータ503のデータ番号、509はデータ503のデータ種類、510はデータ503のデータ内容であり、さらに、511はデータ504のデータ番号、512はデータ504のデータ種類、513はデータ504のデータ内容である。
【0057】
図5に示すような構成を有するマルチメディア・データが制御対象となる。
【0058】
図4は、図2に示すCPU201が、予め定められたソフトウェアにしたがって動作することによって実現される機能を図式化した、機能ブロック図である。
【0059】
本機能ブロック図の構成要素について説明し、その動作を説明する。
【0060】
通信制御部203、206は、図2に示したものと同一であり、夫々、サーバ側のネットワーク102、クアイアント側のネットワーク104に接続されている。
【0061】
データ量制御部401は、変換対象(制御対象)マルチメディア・データ409と制御情報408とを入力して、制御情報408に基づいて、変換対象となるマルチメディア・データ409を構成するデータに対して、各データに応じた変換を行ってデータ量の制御を行い、それを変換済みマルチメディア・データ410として出力する処理を行なう。
【0062】
抽出部402は、マルチメディア・データ407と抽出情報412とを入力し、データ量の制御対象となるデータ群を、マルチメディア・データから抽出し、それを変換対象マルチメディア・データ409として出力する処理を行なう。また、拡張対象となるデータ群を、マルチメディア・データから抽出し、それを拡張対象マルチメディア・データ416として出力する機能も有する。
【0063】
拡張部403は、拡張対象マルチメディア・データ416と拡張方策情報418とを入力して、拡張方策情報418に基づいて、拡張対象マルチメディア・データ416を拡張処理し、それを拡張済みマルチメディア・データ413として出力する処理を行なう。なお、「拡張」の概念については、後に説明する。
【0064】
格納処理部404は、マルチメディア・データ407、変換済みマルチメディア・データ410、拡張済みマルチメディア・データ413を入力し、マルチメディア・データ407の一部のデータを変更し、変換済みマルチメディア・データ410を、対応する変換前のデータと入れ替え、また、拡張済みマルチメディア・データ413を新たに挿入し、それを変換拡張済みマルチメディア・データ411として出力する。なお、拡張処理が行なわれないときには、マルチメディア・データ407への拡張済みマルチメディア・データ413の挿入は行なわれない。
【0065】
解釈部405は、クライアント側から送られてくるコマンド414と、拡張方策情報418とを入力し、コマンド414が、データ量の制御処理を行なうことを指示する拡張コマンドである場合には、拡張方策情報418をもとに、拡張される以前のコマンドに変換して、それを解釈済みコマンド415として出力し、さらに、拡張コマンドに対応する制御パラメータ419を出力する処理を行なう。一方、コマンド414が拡張コマンドでない場合には、コマンド414は変換されずにそのまま解釈済みコマンド415として出力される。前記拡張コマンドについても後に説明する。
【0066】
制御テーブル406は、データ量制御部401が変換可能なデータの種類と、各データの変換時のパラメータを、少なくとも記憶しておく手段である。
【0067】
拡張テーブル417は、拡張部403が行なうマルチメディア・データの拡張処理の拡張方法を示す拡張方策情報418が格納されている。
【0068】
なお、本発明において、通信制御部203と206を併せて、1つの通信制御部によってマルチメディアデータ量制御中継装置103の機能を実現することも可能である。
【0069】
この場合、以下の3つの構成のいずれかによって、図1で示されるシステムと同様の機能を実現可能である。
【0070】
(1)ネットワーク102にサーバ101、マルチメディアデータ量制御中継装置103、クライアント105を接続する構成である。(2)図3のシステムに対して、ネットワーク102にマルチメディアデータ量制御中継装置103を接続する構成である。(3)図3のシステムに対して、ネットワーク104にマルチメディアデータ量制御中継装置103を接続する構成である。
【0071】
次に、具体的な動作例について説明する。
【0072】
まず、図3に示す従来のマルチメディア・ネットワーク・システムにおいて、本発明を適用しない場合の動作について説明する。これについては、従来技術において若干説明したが、本発明の特徴を明確にするために具体的に説明する。
【0073】
図3において、301は、ネットワーク102とネットワーク104との間のデータの受け渡しを行う機能を有する中継装置である。
【0074】
サーバ101は、図6に示すマルチメディア・データAと、図7に示すマルチメディア・データB701を保有しているものとする。そして、システムの起動後は、クライアントから発信される、これらのデータの転送要求コマンドを受け付け、要求に応じてデータをクライアントに転送する。
【0075】
図6において、601は、3つのデータを有して構成されるマルチメディア・データAであり、602、603、604は、マルチメディア・データA601を構成するデータである。
【0076】
605はデータ602のデータ番号、606はデータ602がテキストデータであることを示すデータ種類、607はデータ602のデータ内容であり、テキスト・データが格納されている。同様に、608は、データ603のデータ番号、609はデータ603が静止画像データであることを示すデータ種類、610はデータ603のデータ内容であり、静止画像データAが格納されている。
【0077】
さらに、611はデータ604のデータ番号、612はデータ604がボタンデータであることを示すデータ種類、613はデータ604のデータ内容であり、ボタンデータが格納されている。ここで「ボタンデータ」とは、クライアント側の表示装置において、ユーザが、選択可能なボタンを表示し、ユーザが、表示されたボタンを選択することによって、ボタンに対応するコマンドを、サーバに発信可能とする処理を行なうためのデータである。
【0078】
なお、データ604には、サーバに対して、マルチメディア・データB701の転送を要求するコマンドを発信することを可能とするためのボタンデータが格納されている。また、図示はしないがボタンデータは、ボタン名というデータを有しており、ここでは、ボタンデータ604のボタン名を「走行風景」とする。
【0079】
次に、図7において、701は、1つのデータからなるマルチメディア・データBであり、702は、701を構成するデータである。
【0080】
703はデータ番号、704はデータ702が静止画像データであることを示すデータ種類、704はデータ702のデータ内容であり、静止画像データBが格納されている。
【0081】
なお、ネットワーク104に接続されるクライアント105は、少なくともマルチメディア・データを解釈する手段、ディスプレイ、ポインティング・デバイス、コマンド等の情報をネットワーク104に送信し、かつ、ネットワーク104からの情報を受信する機能を有する通信装置をする。
【0082】
さて、クライアント105が起動し、サーバ101に対して、マルチメディア・データAの転送要求コマンドを発信するものとする。この転送要求コマンドは、ネットワーク104を介して中継装置301が受信し、サーバ101に転送する。
【0083】
サーバ101は、ネットワーク102を介して、このコマンドを受信し、マルチメディア・データA601をクライアント105に発信する。中継装置301は、ネットワーク102を介してマルチメディア・データA601を受信して、受信したマルチメディア・データA601を、クライアント105に転送する。
【0084】
クライアント105は、ネットワーク104を介してマルチメディア・データA601を受信し、受信内容を解釈し、図8に示すような画像情報をディスプレイに表示し、ポインティングデバイスによるユーザからの指示を待つ。
【0085】
図8において、801は、マルチメディア・データA601の画面表示であり、802はテキスト・データ607の画面表示、803は静止画像データA610の画面表示、804はボタンデータ613の画面表示である。このように、マルチメディア・データを構成するデータの格納順序(このような格納は、「構成する」を意味する。以下同様)に従って表示される。
【0086】
クライアント105のユーザが、ポインティング・デバイスによってボタン804を選択すると、クライアント105は、サーバ101に対してマルチメディア・データB701の転送要求コマンドを発信する。この転送要求コマンドは、ネットワーク104を介して中継装置301が受信して、サーバ101に転送する。サーバ101は、ネットワーク102を介して、このコマンドを受信し、マルチメディア・データB701をクライアント105に発信する処理を行なう。
【0087】
中継装置301は、ネットワーク102を介してマルチメディア・データB701を受信して、これをクライアント105に転送する。クライアント105は、ネットワーク102を介してマルチメディア・データB701を受信し、受信内容を解釈し、図9に示すように、画像データをディスプレイに表示する。
【0088】
なお、図9において、901はマルチメディア・データB701の画面表示であり、902は静止画像データB705を画面表示したものである。
【0089】
以上は従来装置の動作であるが、次に、図1に示すような、本発明にかかるシステムの動作について説明する。
【0090】
なお、本実施の形態では、説明を簡単にするため、以下の前提条件を設定する。
【0091】
(前提1)データ量制御部401が変換可能なデータは、静止画像データのみであること。変換、即ち、データ量の削減は、画像の表示サイズを縦・横ともに「1/2」にとすることによって行なう。
【0092】
(前提2)拡張部403による、マルチメディア・データの拡張を行わないこと。
【0093】
(前提3)クライアント105からサーバ101に対して、拡張コマンドは送信されないこと。これは、前提2と関係する。
【0094】
前提1に基づいた、制御テーブル406の例を、図10に示す。
【0095】
図10において、1001は制御テーブル406における1項目となっており(通常は、複数項目が登録されている)、1002は、項目1001が静止画像データに関する項目であることを示すデータ種類、1003は静止画像データのデータ量制御方法であり、ここでは画像表示サイズ変更が指定されている。さらに、1004はデータ量制御方法に用いられるパラメータである。ここでは、項目1001は、静止画像データに対して、画像表示サイズ変更をパラメータを「1/2」として実行し、表示サイズを1/2することになる。
【0096】
また前提2と前提3から、拡張テーブル417は用いられない。
【0097】
これらの条件を踏まえて、本発明にかかる装置の動作を詳細に説明する。
【0098】
まず、クライアント105が起動すると、サーバ101に対してマルチメディア・データA601の転送要求コマンドを発信するものとする。通信制御部206は、ネットワーク104を介してサーバ101に対して発信された転送要求コマンドを受信し、コマンド414として、解釈部405に渡す。
【0099】
解釈部405では、コマンド414が拡張コマンドでないことを確認し、解釈済みコマンド415として、通信制御部203に渡す。そして、通信制御部203は、解釈済みコマンド415を、サーバ101に転送する。つまり、クライアント105からのコマンドは全く変更されずに、サーバ101に転送される。
【0100】
サーバ101は、ネットワーク102を介してコマンドを受信し、マルチメディア・データA601をクライアント105に発信する処理を行なう。
【0101】
通信制御部203は、マルチメディア・データA601を受信し、マルチメディア・データ407とし、抽出部402および格納処理部404に渡す。
【0102】
抽出部402は、マルチメディア・データ407を受け取ると、マルチメディア・データから変換対象となるデータを抽出する処理である「変換対象データ抽出処理」と、マルチメディア・データから拡張対象となるデータを抽出する処理である「拡張対象データ抽出処理」を行う。
【0103】
前記前提2より、拡張部403によるマルチメディア・データの拡張処理は、行われないため、抽出部402による拡張対象データ抽出処理についての説明は、ここでは省略する。
【0104】
また、変換対象データ抽出処理では、制御テーブル406より、抽出情報412を獲得して処理に利用する。この抽出情報412としては、制御テーブル406に登録されている項目のうち、パラメータが設定されている(パラメータが「OFF」ではない)項目のデータ種類だけを集めた情報列である。
【0105】
受け取ったマルチメディア・データに対応する抽出情報412がない場合、抽出部402は、変換対象データ抽出処理を実行せず、受け取ったマルチメディア・データを、そのまま変換対象マルチメディア・データとして出力し、データ量制御部401に渡す。
【0106】
本実施の形態では、制御テーブル406に登録されている項目は、静止画像に関する項目1001のみであり、かつ、項目1001のパラメータは「1/2」であるため、抽出情報412は「静止画像」のみとなり、受け取ったマルチメディア・データに対応する抽出情報412が存在するので、抽出部402は、変換対象データ抽出処理を実行する。
【0107】
抽出部402は、変換対象データ抽出処理を、図11に示す流れ図に従って、実行する。
【0108】
以下、図11を参照して、変換対象データ抽出処理について説明する。
【0109】
ステップ1101は、抽出部402による変換対象データ抽出処理の開始である。
【0110】
ステップ1102において、抽出部402は、5種類のデータの準備を行う。
【0111】
1つめ、通信制御部203から受け取ったマルチメディア・データ407である。2つめは、抽出情報412である。3つめは、構成データが「0個」であるマルチメディア・データXである。4つめは、マルチメディア・データ407の構成データ数を表す変数nであり、マルチメディア・データ407は、具体的には、マルチメディア・データA601であるため、n=3となる。5つめは、処理の繰り返しに用いる処理制御変数iであり、初期値として、1を代入する。
【0112】
ステップ1103において、抽出部402は、マルチメディア・データ407のi番目のデータのデータ種類が、抽出情報412に含まれていないかを確認し、含まれているならば、「YES」とし、ステップ1104に進む。一方、含まれていなければ、「NO」とし、ステップ1105に進む。ここでは、iの値は「1」であり、マルチメディア・データ407の1番目のデータのデータ種類は「テキスト」である。従って、結果は「NO」となり、ステップ1104は、スキップされる。
【0113】
次に、ステップ1105において、抽出部402は「i+1」の結果をiに代入する。この結果iの値は、2となる。
【0114】
ステップ1106において、抽出部402は、iとnの大小関係を比較し、i>nならば、「YES」とし、ステップ1107に進み、そうでなければ、「NO」としてステップ1103に進む。ここで、iの値は、2、nは、3であるから、結果は「NO」となり、ステップ1103に進む。
【0115】
ステップ1103では、iは2であり、マルチメディア・データ407の2番目のデータのデータ種類は「静止画像」であるため、抽出部402の処理結果は「YES」となり、ステップ1104に進む。
【0116】
ステップ1104において、抽出部402は、i番目のデータをマルチメディア・データXに追加する。このとき追加されたデータのデータ番号は変更されない。ここでは2番目のデータがマルチメディア・データXに追加される。
【0117】
そして、ステップ1105で、抽出部402は、iの値を3にする。
【0118】
ステップ1106では、抽出部402の処理結果は「NO」になり、ステップ1103に進む。
【0119】
ステップ1103では、iは3であり、マルチメディア・データ407の3番目のデータのデータ種類は「ボタン」であるため、抽出部402の処理結果は「NO」となり、ステップ1105に進む。ステップ1105では、抽出部402はiの値は4にする。ステップ1106では、抽出部402の処理結果は「YES」になり、ステップ1107に進む。
【0120】
そして、ステップ1107において、抽出部402は、マルチメディア・データXを、変換対象マルチメディア・データ409として出力し、データ量制御部401に渡す。
【0121】
図12に、このときの変換対象マルチメディア・データ409を示す。
【0122】
図12において、1201は変換対象データである。
【0123】
そして、ステップ1108で、抽出部402が、処理を終了する。
【0124】
以上の処理によって、抽出部402は、マルチメディア・データ407を得て、これに基づいて、変換対象マルチメディア・データ409を生成し、データ量制御部401に渡す。
【0125】
データ量制御部401は、変換対象マルチメディア・データ409を受け取ると、データ変換処理を図13の流れ図に従って実行する。
【0126】
そこで、図13を参照して、データ量制御部401が行なうデータ変換処理について説明する。
【0127】
まず、ステップ1301で、データ量制御部401がデータ変換処理を開始する。
【0128】
ステップ1302では、データ量制御部401は、3種類のデータの準備を行う。1つめは、抽出部402から受け取った変換対象マルチメディア・データ409である。2つめは、変換対象マルチメディア・データ409を構成するデータの数を表す変数nであり、ここでは、変換対象マルチメディア・データ409の構成データは1つであるため、n=1となる。3つめは、処理の繰り返しに用いる処理制御変数iであり、初期値として、1を代入しておく。
【0129】
ステップ1303では、データ量制御部401は、iとnの大小関係を判断し、i>nならば、「YES」とし、ステップ1307に進み、そうでなければ、「NO」とし、ステップ1303に進む。
【0130】
ここで、iの値は、1、nの値は、1であるから、「NO」となり、ステップ1304に進む。
【0131】
ステップ1304では、データ量制御部401は、変換対象マルチメディア・データ409のi番目のデータのデータ種類に対応する制御情報408を、制御テーブル406から獲得する。制御情報408とは、制御テーブル406において、あるデータ種類に対応して定められている、データ量制御方法とそのパラメータの情報(図10参照)である。
【0132】
いま、iの値は、1であり、変換対象マルチメディア・データ409の1番目のデータのデータ種類は「静止画像」である。したがって、制御情報408の内容は、「データ量制御方法:画像表示サイズ変更,パラメータ:1/2」、となる。
【0133】
ステップ1305では、データ量制御部401は、制御情報408に従って、変換対象マルチメディア・データ409のi番目のデータのデータ内容である「静止画像データA」を、制御情報408に従い、その表示サイズを縦、横「1/2」の大きさに縮小し、データ量を削減(変換)する処理を行なう。さらに、このデータを変換対象マルチメディア・データ409のi番目のデータのデータ内容に上書きする。これにより、上書前のデータ内容は消去され、変換処理されたデータが格納される。
【0134】
ステップ1306では、データ量制御部401は「i+1」の演算を行い、結果をiに代入する。この結果、iの値は、2になる。さらに、データ量制御部401は、ステップ1303の処理を行なう。
【0135】
ここでは、iの値は、2であるので、データ量制御部401のステップ1303の実行結果は「YES」となり、データ量制御部401は、処理をステップ1307に進める。
【0136】
そして、ステップ1307では、データ量制御部401は、各構成データが変換処理されている変換対象マルチメディア・データ409を、変換済みマルチメディア・データ410として出力し、格納処理部404に渡す。
【0137】
図14に、このときの変換済みマルチメディア・データ410の構成を示す。
【0138】
図14において、1401は、変換済みマルチメディア・データ、1402は、変換済みマルチメディア・データの1番目の構成データであり、1403は、静止画像Aの表示サイズを縦、横それぞれ、1/2に縮小した画像データである。
【0139】
そして、ステップ1308にて、データ量制御部は、処理を終了する。
【0140】
以上の処理によって、データ量制御部401は、変換対象マルチメディア・データ409を得て、変換済みマルチメディア・データ410を生成し、格納処理部404に渡す。
【0141】
なお、前記前提2より、拡張部403の動作説明は、ここでは省略する。
【0142】
格納処理部404は、マルチメディア・データ407と、変換済みマルチメディア・データ410と、拡張済みマルチメディア・データ413を受け取ると、「変換済みデータ格納処理」と、「拡張済みデータ格納処理」を実行する。
【0143】
格納処理部404は、変換済みデータ格納処理を図15の流れ図に従って実行する。
【0144】
以下、図15を参照して、変換済みデータ格納処理について説明する。
【0145】
まず、ステップ1501で、格納処理部404が、変換済みデータ格納処理を開始する。
【0146】
ステップ1502では、格納処理部404は、5種類のデータの準備を行う。
【0147】
1つめは、通信制御部203から受け取ったマルチメディア・データ407である。2つめは、データ量制御部401から受け取った、変換済みマルチメディア・データ410である。3つめは、変換済みマルチメディア・データ401の構成データ数を表す変数nであり、ここでは、変換済みマルチメディア・データ410を構成するデータの数は、1つなので、n=1となる。4つめは、繰返し処理を行なうための処理制御変数iであり、初期値として、1が代入される。5つめは、変数kであり、初期値は、特に設定していない。
【0148】
ステップ1503において、格納処理部404は、iとnの大小関係を判断し、i>nならば、「YES」とし、ステップ1507に進み、そうでなければ、「NO」とし、ステップ1504に進む。
【0149】
ここで、iの値は、1、nの値は、1であるから、結果は「NO」となり、ステップ1504に進む。
【0150】
ステップ1504では、格納処理部404は、変換済みマルチメディア・データ407のi番目のデータのデータ番号を「k」に代入する。
【0151】
ここではiの値は、1であり、図14から、変換済みマルチメディア・データの1番目のデータのデータ番号は、2であるので、k=2となる。
【0152】
ステップ1505において、格納処理部404は、変換済みマルチメディア・データ410のi番目のデータを、マルチメディア・データ407のk番目のデータに上書きする。
【0153】
ここでは、i=1、k=2であるので、変換済みマルチメディア・データ410の1番目のデータを、マルチメディア・データ407の2番目のデータに上書きする。これにより、上書前のデータ内容は消去され、変換処理されたデータが格納される。
【0154】
ステップ1506では、格納処理部404は、「i+1」の演算を行い、結果を、iに代入する。ここでは、iの値は、2になる。
【0155】
次に、格納処理部404は、ステップ1503に処理を進める。
【0156】
ここでは、iの値は、2であるので、格納処理部404のステップ1303の実行結果は「YES」となり、格納処理部404は、処理をステップ1507に進める。
【0157】
そして、ステップ1507では、格納処理部404は、マルチメディア・データ407を、変換データ格納済みマルチメディア・データとして、一時的に保持する。
【0158】
このときの変換データ格納済みマルチメディア・データとして保持されるマルチメディア・データを、図16に示す。
【0159】
図16において、1601は、格納処理部404の変換済みデータ格納処理によって保持されるマルチメディア・データである。
【0160】
そして、ステップ1508で、格納処理部404は、変換済みデータ格納処理を終了する。
【0161】
なお、ここでは、拡張済みデータ格納処理の説明を省略しているので、格納処理部404は、マルチメディア・データ1601を変換拡張済みマルチメディア・データ411として出力し、通信制御部206に渡す。
【0162】
通信制御部206は、クライアント105に、マルチメディア・データ1601を転送する。
【0163】
クライアント105は、ネットワーク102を介してマルチメディア・データ1601を受信し、受信内容を解釈し、図17に示す様に、マルチメディア・データをディスプレイに表示し、ポインティングデバイスによるユーザからの指示を待つ。
【0164】
図17において、1701は、マルチメディア・データ1601を受信したクライアントの画面表示である。1702は、縦、横ともに「1/2」に縮小された静止画像データAの画面表示である。
【0165】
クライアント105のユーザが、ポインティング・デバイスによって、ボタン804を選択すると、クライアントは、サーバ101に対して、マルチメディア・データB701の転送要求コマンドを発信する。この転送要求コマンドは、ネットワーク104を介してマルチメディアデータ量制御中継装置103が受信し、サーバ101に転送する。サーバ101は、ネットワーク102を介して、このコマンドを受信し、マルチメディア・データB701をクライアント105に発信する処理を行なう。そして、マルチメディアデータ量制御中継装置103は、ネットワーク102を介してマルチメディア・データB701を受信して、上記と同様のデータ量の制御処理を行う。この結果、マルチメディア・データB701は、図18に示す様な、マルチメディア・データに変換される。
【0166】
図18において、1801は、マルチメディアデータ量制御中継装置103によって変換処理されたマルチメディア・データB701であり、1803は、マルチメディア・データ1801の1番目の構成データであり、1802は、静止画像Bの表示サイズを縦、横ともに、「1/2」に縮小した静止画像データである。
【0167】
マルチメディアデータ量制御中継装置103は、マルチメディア・データ1801を、クライアント105に転送する。クライアント105は、ネットワーク102を介してマルチメディア・データ1801を受信し、受信内容を解釈し、図19に示すような画面をディスプレイに表示する。図19において、1901は、マルチメディア・データ1801の画面表示であり、1902は、静止画像データ1802の画面表示である。
【0168】
ここで、本例の効果について説明することにする。
【0169】
クライアントが備えるディスプレイの表示画面の解像度を「640×480ドット」として説明する。また、マルチメディア・データのデータ量を、次のように仮定する。
【0170】
即ち、各構成データのデータ番号、データ種類のデータ量は、合計で4バイトとする。テキスト・データは、1文字2バイトとする。静止画像は、1ドットの表現可能色数256色、つまり1バイトのデータによって表現される。ボタンデータは、200バイトとする。
【0171】
以上の仮定によって、マルチメディア・データ601のデータ量を計算する。
【0172】
テキスト・データ607の文字数を100文字とすると、この場合、文字のデータ量は200(100×2)バイトになる。また、テキスト・データ607には、文字の大きさ、配置等の情報が、100バイト含まれているので、テキスト・データ607のデータ量は、300バイトとなる。
【0173】
また、静止画像データA610のデータの表示サイズを「200×150ドット」とすると、データ量は「1×200×150」=30000バイトとなる。
【0174】
上記の仮定から、マルチメディア・データ601のデータ量は、「(4+300)+(4+30000)+(4+200)=30512バイト」となる。
【0175】
また、静止画像データ1403は、表示サイズが縦、横ともに、「1/2」に縮小されており、100×75ドットである。したがって、静止画像データ1403のデータ量は、「1×100×75」=7500バイトとなる。
【0176】
よって、変換処理後のマルチメディア・データ1601のデータ量は、「(4+300)+(4+7500)+(4+200)=8012バイト」となる。
【0177】
以上の計算から、マルチメディアデータ量制御中継装置103によって、マルチメディア・データ601のデータ量は、30512バイトから、8012バイトまで低減されていることが分かる。
【0178】
これは、割合に換算すると、8012/30512×100≒26.3(%)まで、データ量が削減されたことを意味し、データ転送時間は約3.8倍に高速化される。
【0179】
ここで、ネットワーク102の伝送速度を、1500000(ビット/秒)、ネットワーク104の伝送速度を、14400(ビット/秒)とする。
【0180】
従来例、つまり図3に示したシステム構成において、サーバ101からクライアント105へのマルチメディア・データ601の転送に必要な時間は、次の計算によって得られる。
【0181】
t1を、サーバ101から中継装置301への転送時間、t2を、中継装置301からクライアント105への転送時間、Tを、サーバ101からクライアント105への転送時間とする。
【0182】
また中継装置301の処理によるオーバヘッドは十分に小さく、省略可能であると仮定する。
【0183】
t1=30512×8/1500000≒0.163秒
t2=30512×8/14400≒17.0秒
T=t1+t2≒17.163秒
同様にして、本例、即ち、図1に示すシステム構成において、サーバ101からクライアント105へのマルチメディア・データ601の転送に要する時間は、次の計算によって得られる。
【0184】
tcをマルチメディアデータ量制御中継装置の処理時間、t1’をサーバ101からマルチメディアデータ量制御中継装置103への転送時間、t2’をマルチメディアデータ量制御中継装置103からクライアント105への転送時間、T’を本例におけるサーバ101からクライアント105へのマルチメディア・データ601の転送時間とする。
【0185】
t1’=t1≒0.163秒
t2’=8012×8/14400≒4.45秒
T’=t1’+t2’+tc≒(4.613+tc)(秒)
となる。ここで、tc=1秒と仮定すると、T’≒5.613(秒)となり、転送時間は、約(17.163/5.613≒)3.06倍短縮される。tc=4秒と仮定しても、T’≒8.613(秒)となり、転送時間は、約(17.163/8.613≒)2.0倍短縮される。
【0186】
つまり、上記のように、サーバ101とクライアント105とに、異なる伝送能力を有する2つのネットワークが接続されている場合、クライアント側のネットワークの伝送能力が相対的に低ければ、従来例に比べ、本発明は、マルチメディア・データの転送時間を、大幅に短縮する。
【0187】
マルチメディアデータ量制御中継装置103が1つの通信制御部を持つ場合であっても、図3のシステムに対して、ネットワーク102にマルチメディアデータ量制御中継装置103を接続する構成であれば、同様の効果を得られる。
【0188】
本実施の形態では、サーバ101からクライアント105へのマルチメディア・データの転送時間を短縮するために、静止画像データの品質を犠牲にしているものの、画像内容を大体把握するといった、ブラウジング等には非常に有効である。
【0189】
本実施の形態によれば、クライアント105のユーザは、従来例よりも短時間内に、より多くの静止画像データにアクセスすることが可能になる。これは、データの検索等に必要な時間を短縮できるという効果のみならず、対話型システムにおいて「使いやすさ」を決定する重要な要因である、応答時間の短縮化を可能とし、操作性に優れた対話型システムを実現できるという効果がある。なお、応答時間とは、ユーザが要求を発してから、該要求に対する返答結果が、ユーザに提示されるまでの時間である。
【0190】
また、本実施の形態において、ネットワーク102とネットワーク104の伝送能力が高く、かつ、夫々の伝送能力に大差がない場合、つまり伝送時間の短縮の効果が殆どない場合であっても、クライアント105が受信するデータ量を制御することが可能であるため、ユーザは、目的に応じて、提供される情報品質と所要時間とを考慮した配信態様を決定できることになり、この点からも、操作性に優れた対話型システムを実現できることになる。
【0191】
また、静止画像データの表示サイズ変換処理は、その静止画像データの一部に対して実行可能である。このように、データ量削減の処理を部分的に行なうことが可能である場合、マルチメディアデータ量制御中継処理装置103において、サーバ101からクライアント105に中継するマルチメディア・データの一部分に対して、本実施の形態と同様の処理を行ない、それを繰り返すことによって、本実施の形態と同様の機能を実現することが可能である。
【0192】
また同様に、マルチメディアデータ量制御中継処理装置103において、サーバ101からクライアント105に中継するマルチメディア・データを、その構成データの単位で分割し、その分割されたデータ毎に本実施の形態と同様の処理を行ない、それを繰り返すことによって、本実施の形態と同様の機能を実現することが可能である。
【0193】
上記2事例の場合では、例えば、マルチメディアデータ量制御中継処理装置103において、通信制御部203がサーバ101からのデータの受信待ちをしている間にデータ量制御部401の処理を実行することが可能であり、全体の処理効率が向上する。
【0194】
本実施の形態のよれば、中継装置103とクライアント105間のデータ転送速度を向上することができるため、中継装置103をよりサーバ101側に配置することによりシステム全体の転送速度を向上させることもできる。一方、中継装置の設置可能台数、システム構築の利便性等を考慮し中継装置103の配置を決定することが重要である。
【0195】
(第2実施の形態)
次に、図面を参照して、本発明にかかる第2実施の形態を説明する。
【0196】
まず、本実施の形態についての具体的な説明を行なう前に、マルチメディア・データの拡張(処理)の概念について説明する。
【0197】
本発明の第1実施の形態において、マルチメディアデータ量制御中継装置103は、サーバ101からクライアント105に中継する、総ての静止画像データに対して、表示サイズの縮小を行っている。しかし、クライアント105側のユーザによっては、この表示サイズの縮小を望まない場合もある。したがって、マルチメディアデータ量制御中継装置103が、静止画像のサイズの縮小を実行するか否かを、つまりデータ量の制御を行うか否かを、クライアントのユーザが選択することが可能でなければならない。これは、制御テーブルに登録しておく制御情報の登録の仕方によっても操作することが可能であるが、クライアント側の装置を使用して、簡単な操作によって実現できるようにしておくのが、好ましいのは言うまでもない。
【0198】
そこで、この問題を解決するために、マルチメディア・データに対する拡張処理を行うことを考えた。なお、「拡張」とは、いわば、リメークされたデータや命令でもって、既存のものを置き換えることを意味するような概念と捕らえると分かやすい。
【0199】
さて、マルチメディア・データの拡張について、具体例を用いて説明する。
【0200】
マルチメディア・データ601の構成データ604のデータ種類はボタンデータであり、その内容613は、「マルチメディア・データB転送要求発信」である。クライアント105が備えるディスプレイの表示画面に、ボタンとして表示され、ユーザがポインティング・デバイスによって、表示されたボタンを選択することによって、クライアント105側からサーバ101に対して、「マルチメディア・データBの転送要求コマンド」を発信することができる。
【0201】
このボタンに対して、「データ量が制御されたマルチメディア・データBの、転送要求コマンド」を発信するためのボタンを新たにつけ加え、該ボタンが選択された場合にのみ、マルチメディアデータ量制御中継装置103が、データ量の制御を行うようにすることができれば、ユーザは、2つのボタンの選択操作によって、マルチメディアデータ量制御中継装置103によるデータ量の制御のを行なうか否かを選択することが可能になる。
【0202】
上記のようにマルチメディアデータ量中継装置103によってデータ量が制御されたデータの転送を要求するボタンを追加することが、マルチメディア・データの拡張である。
【0203】
また、マルチメディア・データの拡張によって、付け加えられたボタンを、クライアント側のユーザが選択することによって発信されたコマンドが、「拡張コマンド」である。
【0204】
第2実施の形態では、第1実施の形態において設定した3つの前提条件のうち、前記前提1のみを設定し、前記前提2および前提3を設定しない場合の、マルチメディアデータ量制御中継装置103の動作について説明する。
【0205】
マルチメディア・データの拡張を行う場合の処理を、第1実施の形態と同様に具体例を用いて説明する。
【0206】
本実施の形態における、拡張テーブル417の一例を、図20に示す。
【0207】
図20において、2001は、拡張テーブルの項目の1つであり(複数項目存在しても良い)、2002は、項目2001の拡張名であり、ここでは「.small」としている。2003は、項目2001のボタン名であり、ここでは「small]としている。2004は、項目2001のデータ種類であり、項目2001が静止画像に関する項目であることを示している。2005は、項目2001のデータ量制御方法であり、ここでは「画像表示サイズ変更」としている。2006は、項目2001のパラメータであり、データ量制御方法のためのパラメータを示しており、ここでは「1/2」である。図10の制御テーブルの構成と比較して分かるように、「拡張名、ボタン名」が設けられている点が特徴となっている。
【0208】
さて、クライアント105が起動すると、サーバ101に対してマルチメディア・データA601の転送要求コマンドを発信する。この転送要求コマンドは、テキストで「REQUEST:マルチメディア・データA」として表現されるとする。通信制御部206は、ネットワーク104を介して、サーバ101に対して発信された転送要求コマンドを受信し、受信したコマンド414を解釈部405に渡す。
【0209】
解釈部405は、コマンド414を受け取るとコマンド解釈処理を実行する。
【0210】
コマンド解釈処理は、図21の流れ図に従って実行される。
【0211】
そこで、図21を参照して、コマンド解釈処理について説明する。
【0212】
まず、ステップ2101で、解釈部405は、コマンド解釈処理の開始を行なう。
【0213】
ステップ2102において、解釈部405は、2種類のデータの準備を行う。
【0214】
1つめは、通信制御部206から受け取ったコマンド414である。2つめは、拡張方策情報418である。拡張方策情報418は、拡張テーブルに記憶されている総ての項目を集めた情報であり、ここでは、項目2001になる。
【0215】
ステップ2103において、解釈部405は、コマンド414が転送を要求しているマルチメディア・データの名前の末尾と、拡張方策情報418のすべての項目の拡張名とを比較し、一致するかどうかを確認する。一致するならば、結果を「YES」とし、ステップ2104に進み、一致しなければ、結果を「NO」として、ステップ2106に進む。
【0216】
ここで拡張方策情報418の項目は、2001のみであり、項目2001の拡張名は「.small」である。一方、コマンド414が転送を要求しているマルチメディア・データの名前は「マルチメディア・データA」であり、この末尾と項目2001の拡張名は、一致しない。よって、結果は「NO」となり、ステップ2106に進む。
【0217】
なお、ステップ2104に進む場合には、要求しているマルチメディア・データ名の末尾から拡張名を除去し、ステップ2105において、拡張方策情報中の除去した拡張名に対応する、データ量制御方法、パラメータを、制御テーブル406に書き込む処理を行なう。
【0218】
ステップ2106では、解釈部405は、制御パラメータとして「OFF」を出力し、制御テーブル406のすべての項目のパラメータを「OFF」に変更する。「OFF」は、変換処理をしないことを意味する。
【0219】
また、ステップ2107では、解釈部405は、コマンド414を解釈済みコマンド415として出力し、通信制御部203に渡す。このときの解釈済みコマンド415は、前述したように、「REQUEST:マルチメディア・データA」である。
【0220】
ステップ2108にて、解釈部405はコマンド解釈処理を終了する。
【0221】
以上のように、解釈部405は、コマンド414を解釈し、制御パラメータ419を変更することによって、制御テーブル416の内容を変更し、解釈済みコマンド415を出力する。
【0222】
ここでは、コマンド414と解釈済みコマンド415は、同じものであり、解釈部405は、制御テーブル406のすべての項目のパラメータを「OFF」に変更する。
【0223】
次に、通信制御部203は、解釈済みコマンド415をサーバ101に転送する。
【0224】
サーバ101は、ネットワーク102を介してこのコマンドを受信し、マルチメディア・データA601を、クライアント105に送る。
【0225】
通信制御部203は、マルチメディア・データA601を受信し、受信データをマルチメディア・データ407として、抽出部402および格納処理部404に渡す。
【0226】
抽出部402は、マルチメディア・データ407を受け取ると、変換対象データ抽出処理と、拡張対象データ抽出処理を行う。
【0227】
ここでは、解釈部405によって制御テーブル406のすべての項目のパラメータが「OFF」に変更されているため、変換すべきデータの抽出情報412は、存在しない。したがって、抽出部402は、変換対象データ抽出処理を実行せず、構成データが「0個」の空のマルチメディア・データを、変換対象マルチメディア・データ409として出力し、データ量制御部401に渡す。
【0228】
抽出部402は、図22の流れ図に従って、拡張対象データ抽出処理を実行する。
【0229】
図22を参照して、抽出部402が行なう、拡張対象データ抽出処理について説明する。
【0230】
まず、ステップ2201で、拡張対象データ抽出処理を開始する。
【0231】
ステップ2202において、抽出部402は、4種類のデータを準備する。
【0232】
1つめは、通信制御部203から受け取ったマルチメディア・データ407である。2つめは、構成データが「0個」のマルチメディア・データXである。3つめは、マルチメディア・データ407の構成データ数を表す変数nであり、マルチメディア・データ407は、具体的には、マルチメディア・データA601であるため、n=3となる。4つめは、繰り返し処理に用いる処理制御変数iであり、初期値として、1を代入する。
【0233】
ステップ2203では、抽出部402は、マルチメディア・データ407のi番目のデータのデータ種類が「ボタン」であり、かつ、そのボタンをクライアントのユーザが選択した場合に発信されるコマンドが、データ転送要求コマンドであるか否かをチェックする。抽出部402は、かかる条件を満たしたと判断した場合には、ステップ2204に進み、もしそうでなければ2205に進む。
【0234】
ここではiの値は、1であり、マルチメディア・データ407の1番目のデータのデータ種類は「テキスト」である。従って結果は「NO」となり、抽出部402は、ステップ2205に処理を進める。
【0235】
ステップ2205では、抽出部402は、「i+1」の結果をiに代入し、この結果iの値は、2となる。ステップ2206において、抽出部402は、iとnの大小関係を判断し、i>nならば、結果を「YES」とし、ステップ2207に進み、そうでなければ、結果を「NO」とし、ステップ2203に進む。
【0236】
ここで、iの値は、2、nは、3であるから、結果は「NO」となり、ステップ2203に進む。
【0237】
ステップ2203では、iは、2であり、マルチメディア・データ407の2番目のデータのデータ種類は「静止画像」であるため、抽出部402の処理結果は「NO」となり、ステップ2205に進む。ステップ2205では、抽出部402は、iの値を、3にする。
【0238】
そして、ステップ2206において、抽出部402の処理結果は「NO」となり、ステップ2203に進む。ステップ2203では、iは、3であり、マルチメディア・データ407の3番目のデータのデータ種類は「ボタン」であるため、抽出部402の処理結果は「YES」となり、ステップ2204に進む。
【0239】
ステップ2204では、抽出部402は、マルチメディア・データ407のi番目のデータをマルチメディア・データXに追加する。
【0240】
ここでは、抽出部402は、データ604をマルチメディア・データXに追加する。そして、ステップ2205で、抽出部402は、iの値を4にする。
【0241】
ステップ2206では、抽出部402の処理結果は「YES」になり、ステップ2207に進む。
【0242】
ステップ2207では、抽出部402は、マルチメディア・データXを拡張対象マルチメディア・データ416として出力し、拡張部403に渡す。
【0243】
図23に、このときの拡張対象マルチメディア・データを示す。
【0244】
図23において、2301は、抽出部402が拡張対象マルチメディア・データ416として出力するマルチメディア・データである。
【0245】
そして、ステップ2208で、抽出部402は、拡張対象データ抽出処理を終了する。
【0246】
次に、拡張部403の動作について説明する。
【0247】
拡張部403は、抽出部402から送られてきた拡張対象マルチメディア・データ416を受け取ると、図24のフローチャートに従った拡張処理を行う。
【0248】
図24を参照して、拡張部403が行なう拡張処理について説明する。
【0249】
ステップ2401で、拡張部403は、拡張処理を開始する。
【0250】
ステップ2402では、拡張部403は、7種類のデータを準備する。1つめは、抽出部402から受け取った拡張対象マルチメディア・データ416である。2つめは、拡張方策情報418であり、これは、拡張部403が拡張テーブル417から獲得する。3つめは、構成データが「0個」のマルチメディア・データXである。4つめは、拡張方策情報418の項目数を表す変数mであり、ここでは、拡張方策情報418の項目は、2001のみであるため、m=1となる。5つめは、拡張対象マルチメディア・データ416のデータ数を表す変数nであり、ここでは、拡張対象マルチメディア・データ416は、マルチメディア・データ2301であるので、n=1となる。6つめ、7つめは、繰り返し処理に用いる処理制御変数i、jであり、拡張部403は、iに初期値として1を代入する。
【0251】
ステップ2403では、拡張部403は、iとnの大小関係を判断し、i>nならば、結果を「YES」とし、ステップ2410に進み、そうでなければ、結果を「NO」とし、ステップ2404に進む。
【0252】
ここではi=1、n=1であるので、結果は「NO」となり、拡張部403は、ステップ2404に処理を進める。
【0253】
ステップ2404では、拡張部403は、拡張対象マルチメディア・データのi番目のデータをm個複製する。なお、複製された情報は、補助記憶装置等に一旦、格納しておけば良い。
【0254】
ここでは、i=1、m=1であるので、データ604の複製が1つ作られる。
【0255】
ステップ2405では、拡張部403は、jに1を代入する。ステップ2406では、拡張部403は、j個目の複製データの拡張を行う。拡張部403は、まず、拡張方策情報418のj番目の項目の拡張名を、j個目の複製データのボタンデータが要求するデータ名の末尾に加える。さらに、拡張部403は、拡張方策情報418のj番目の項目のボタン名をj個目の複製データのボタンデータのボタン名に上書きする。
【0256】
ここでは、j=1であり、複製データの1番目は、データ604である。ボタンデータ613が要求するデータの名前は、「マルチメディア・データB」である。拡張部403は、この名前の末尾に、拡張方策情報の1番目の項目、つまり項目2001の拡張名を付け加え、ボタンデータ613のボタン名「走行風景」を項目2001のボタン名「small」に書き換える。さらに、このデータをマルチメディア・データXに加える。
【0257】
図25に、このときのマルチメディア・データXの構成を示す。
【0258】
図25において、2501は、マルチメディア・データであり、2502は、拡張されたデータであり、2503は、「マルチメディア・データB.small」という名前のデータの転送要求コマンドを発信する事が可能な、「small」というボタン名を付けられた、ボタンデータである。
【0259】
ステップ2407では、拡張部403は、「j+1」の演算を行い、結果をjに代入する。この結果jの値は、2になる。
【0260】
ステップ2408では、拡張部403は、jとmの大小関係を判断し、j>mならば、結果を「YES」としステップ2409に進み、そうでなければ、結果を「NO」とし、ステップ2406に進む。
【0261】
ここでは、j=2、m=1であるので、拡張部403は、ステップ2409に処理を進める。
【0262】
ステップ2409では、拡張部403は、「i+1」の演算を行い、結果をiに代入する。この結果、iの値は、2になる。さらに、拡張部403は、ステップ2403に処理を進める。
【0263】
ステップ2403では、i=2、n=1なので、拡張部403の処理結果は「YES」となり、拡張部403は、ステップ2410に処理を進める。
【0264】
ステップ2410では、拡張部403は、マルチメディア・データXを拡張済みマルチメディア・データ413として出力し、格納処理部404に渡す。
【0265】
このときのマルチメディア・データ413は、具体的には、マルチメディア・データ2501である。
【0266】
そして、ステップ2411で、拡張部403は、拡張処理を終了する。
【0267】
次に、データ量制御部401の動作を説明する。
【0268】
データ量制御部401は、第1実施の形態の場合と同様に、図13の流れ図に従って、処理を進める。処理概要を説明すると、以下のようになる。
【0269】
ここで、抽出部402から受け取る変換対象マルチメディア・データ409は、空のマルチメディア・データであるため、データ量制御部401は、ステップ1302において、n=0とする。
【0270】
ステップ1303では、データ量制御部401の処理結果は「YES」となり、データ量制御部401は、ステップ1307に進む。
【0271】
ステップ1307では、データ量制御部401は、マルチメディア・データX、つまり空のマルチメディア・データを、変換済みマルチメディア・データ410として出力し、格納処理部404に受け渡す。
【0272】
次に、格納処理部404に動作について説明する。
【0273】
格納処理部404は、マルチメディア・データ407と、変換済みマルチメディア・データ410と、拡張済みマルチメディア・データ413を受け取ると、変換済みデータ格納処理と、拡張済みデータ格納処理を実行する。
【0274】
格納処理部404は、まず、第1実施の形態と同様に、図15の流れ図に従って、変換済みデータ格納処理を行う。
【0275】
ここで、変換済みマルチメディア・データ413は、空のマルチメディア・データであるので、格納処理部404は、ステップ1502で、n=0にする。
【0276】
ステップ1503では、格納処理部4040の処理結果は「YES」となり、格納処理部404は、ステップ1507に処理を進める。
【0277】
ステップ1507では、格納処理部404は、マルチメディア・データ407を変換データ格納済みマルチメディア・データとして出力する。
【0278】
このときマルチメディア・データ407には何の変更も加えられていないので、変換データ格納済みマルチメディア・データは、具体的には、マルチメディア・データA601である。
【0279】
次に、格納処理部404は、図26の流れ図に従って、拡張済みデータ格納処理を実行する。図26を参照して、この処理を説明する。
【0280】
まず、ステップ2601で、格納処理部404は、拡張済みデータ格納処理を開始する。
【0281】
ステップ2602において、格納処理部404は4種類のデータを準備する。
【0282】
1つめは、格納処理部404の変換データ格納処理によって得られた変換データ格納済みマルチメディア・データである。ここでは、マルチメディア・データA601である。2つめは、拡張部403から受け取った、拡張済みマルチメディア・データ413である。3つめは、変換データ格納済みマルチメディア・データの構成データの数を表す変数nであり、マルチメディア・データA601の構成データ数は、3であるため、n=3となる。4つめは処理制御変数iであり、格納処理部404は、初期値としてiに、1を代入する。
【0283】
ステップ2603では、格納処理部404は、iとnの大小関係を判断し、i>nならば、結果を「YES」とし、ステップ2607に進み、そうでなければ、結果を「NO」として、ステップ2604に進む。
【0284】
ここでは、i=1、n=1であるので、結果は「NO」となり、格納処理部404は、ステップ2604に処理を進める。
【0285】
ステップ2604において、格納処理部404は、拡張済みマルチメディア・データの構成データの中で、データ番号がiであるデータを探す。データ番号がiのデータが1つでも存在すれば、結果は「YES」となり、格納処理部404は、ステップ2605に処理を進める。存在しなければ結果は「NO」となり、格納処理部404は、ステップ2606に処理を進める。
【0286】
今、i=1である。拡張済みマルチメディア・データは、具体的には、マルチメディア・データ2501である。マルチメディア・データ2501の構成データは、1つであり、そのデータ番号は、3である。したがって、処理結果は「NO」となり、格納処理部404は、ステップ2606に処理を進める。
【0287】
ステップ2606において、格納処理部404は、「i+1」の結果をiに代入する。この結果iの値は、2となる。そして、格納処理部404は、ステップ2603に処理を進める。
【0288】
ステップ2603では、格納処理部404の処理結果は、前回と同様に「NO」になり、格納処理部404は、ステップ2604に処理を進める。
【0289】
そして、ステップ2604では、格納処理部404の処理結果は前回と同様に「NO」になり、格納処理部404は処理をステップ2606に進める。
【0290】
ステップ2606では、格納処理部404は、「i+1」の結果をiに代入し、この結果iは、3になる。次に、格納処理部404は、ステップ2603に処理を進める。
【0291】
ステップ2603では、格納処理部404の処理結果は、前回と同様に「NO」になり、格納処理部404は、処理をステップ2604に進める。
【0292】
ステップ2604では、i=3であり、マルチメディア・データ2501の構成データのデータ番号は、3であるため、今度は、「YES」となり、格納処理部404は、ステップ2605に処理を進める。
【0293】
ステップ2605では、格納処理部404は、拡張済みマルチメディア・データ中のデータ番号がiであるデータを、すべて、変換済みマルチメディア・データのデータ番号がiであるデータの次に挿入する。
【0294】
ここで、拡張済みマルチメディア・データは、マルチメディア・データ2501であり、i=3であるので、変換データ格納済みマルチメディア・データ、つまりマルチメディア・データA601の3番目のデータの次に、データ2502が挿入される。この結果、変換データ格納済みマルチメディア・データの構成は、図27のようになる。
【0295】
図27において、2701は、マルチメディア・データA601の3番目のデータ604の次に、データ2502が挿入された、マルチメディア・データである。
【0296】
次に、ステップ2606では、格納処理部404は、「i+1」の結果をiに代入し、この結果iは、4になる。そして、格納処理部404は、ステップ2603に処理を進める。
【0297】
ステップ2603では、i=4、n=3であるので、格納処理部404の処理結果は「YES」になり、格納処理部404は、ステップ2607に処理を進める。
【0298】
ステップ2607では、格納処理部404は、変換済みマルチメディア・データの構成データのデータ番号を、1番目から順に付け直す。
【0299】
ここでは、格納処理部404は、マルチメディア・データ2701の構成データのデータ番号を付け直し、図28の様に変更する。
【0300】
図28において、2801は、格納処理部404がマルチメディア・データ2701の構成データのデータ番号を付け直したマルチメディア・データであり、2802は、格納処理部404が付け直したデータ番号である。
【0301】
そして、ステップ2608では、ステップ2607で格納処理部404が番号を付け直したマルチメディア・データ407を、変換拡張済みマルチメディア・データ411として出力し、通信制御部206に渡す。このとき、変換拡張済みマルチメディア・データ411は、具体的には、マルチメディア・データ2801である。
【0302】
そして、ステップ2609で、格納処理部404は、拡張済みデータ格納処理を終了する。
【0303】
さらに、通信制御部206は、格納処理部404から変換拡張済みマルチメディア・データ411、即ち、マルチメディア・データ2801を受け取り、クライアント105に渡す。
【0304】
クライアント105は、ネットワーク102を介してマルチメディア・データ2801を受信し、受信内容を解釈し、図29に示すように、ディスプレイに表示画面を表示し、ポインティングデバイスによる、ユーザからの指示を待つ。
【0305】
図29において、2901は、マルチメディア・データ2801の表示画面であり、2902は、ボタンデータ2503の表示画面である。
【0306】
ここで、クライアント105のユーザが、ポインティングデバイスによってボタン804を選択した場合、クライアント105は、サーバ101に対して、コマンド「REQUEST:マルチメディア・データB」を発信する。
【0307】
このコマンドは、マルチメディアデータ量制御中継装置103によって中継されるとき、解釈部405によって解釈されるが、このコマンドは拡張コマンドではないので、解釈部405は、制御テーブル406のすべてのパラメータを「OFF」に設定し、コマンドをそのままサーバ101に転送する。
【0308】
そして、コマンド「REQUEST:マルチメディア・データB」を受信したサーバは、マルチメディア・データB701を、クライアント105に発信する。
【0309】
マルチメディア・データB701が、マルチメディアデータ量制御中継装置103によって中継されるとき、制御テーブル406のすべてのパラメータが「OFF」になっているため、このデータに対するデータ量制御は行われない。
【0310】
また、マルチメディア・データB701には、ボタンデータが含まれていないため、データの拡張も行われない。
【0311】
したがって、マルチメディアデータ量制御中継装置103は、マルチメディア・データB701を、そのままクライアント105に転送し、その結果、クライアント105が備えるディスプレイの表示画面は、図9の901の様になる。
【0312】
一方、クライアント105のユーザが、ポインティングデバイスによってボタン2902を選択した場合、クライアント105は、サーバ101に対して、コマンド「REQUEST:マルチメディア・データB.small」を、発信する。
【0313】
この場合のマルチメディアデータ量制御中継装置103の動作を説明する。
【0314】
通信制御部206は、ネットワーク104を介して、コマンド「REQUEST:マルチメディア・データB.small」を受信し、コマンド414として解釈部405に渡す。
【0315】
解釈部405は、コマンド414を受け取ると、図21の流れ図に従ってコマンド解釈処理を実行する。
【0316】
ステップ2103では、拡張方策情報418の項目は2001のみであり、項目2001の拡張名は「.small」である。
【0317】
一方、コマンド414が転送を要求しているマルチメディア・データの名前は「マルチメディア・データB.small」であり、この末尾と項目2001の拡張名は一致し、結果は「YES」となり、解釈部405は、ステップ2104に処理を進める。
【0318】
ステップ2104では、解釈部405は、コマンド414の要求しているマルチメディア・データ名の末尾から拡張名を除去する。ここでは、コマンド「REQUEST:マルチメディア・データB.small」が「REQUEST:マルチメディア・データB」に変更される。
【0319】
ステップ2105では、解釈部405は、拡張方策情報418中の、除去した拡張名に対応するデータ種類、データ量制御方法、パラメータを、変換パラメータ419として出力し、制御テーブル406に書き込む。
【0320】
ここでは、拡張方策情報418の項目の中で、拡張名「.small」に対応する項目は、項目2001であり、このとき、変換パラメータ419は、「静止画像、画像表示サイズ変更、1/2」となる。解釈部405は、この変換パラメータ419を出力して、制御テーブル406の「静止画像」に関する項目を変更する。この変更の結果は、図10と同様になる。
【0321】
ステップ2107において、解釈部405は、コマンド414、即ち、「REQUEST:マルチメディア・データB」を、解釈済みコマンド415として出力し、通信制御部203に渡す。
【0322】
通信制御部203は、解釈済みコマンド415を、サーバ101に転送する。
【0323】
サーバ101は、ネットワーク102を介してこのコマンドを受信し、マルチメディア・データB701を、クライアント105に発信する。
【0324】
ここで、マルチメディアデータ量制御中継装置103において、制御テーブル406は、本発明の第1実施の形態と同様であり、かつ、マルチメディア・データB701は、ボタンデータを含んでいないため、マルチメディアデータ量制御中継装置103の動作は、本発明の第1実施の形態と全く同様になり、マルチメディアデータ量制御中継装置103は、マルチメディア・データB701のデータ量の制御を行い、クライアント105に対して、マルチメディア・データ1601を発信する。
【0325】
そして、クライアント105は、ネットワーク102を介してマルチメディア・データ1601を受信し、受信内容を解釈し、表示画面1701を、クライアント105が備えるディスプレイに表示する。
【0326】
このように、本発明の第2実施の形態では、クライアント105に表示されるボタンを増やし、クライアント105のユーザが、ボタンを選択することによって、マルチメディアデータ量制御中継装置103において、データ変換を行うか否かを指定することができることになる。
【0327】
さて、本実施の形態の効果について、説明する。
【0328】
サーバ101が、多くの静止画像データを保持する構成とし、それらのデータの中から、クライアント105に提供するデータを検索するためには、内容確認のための静止画像データの転送量が膨大になり、非常に長時間を必要とする場合が発生する。本実施の形態では、データ検索を行なう際には、クライアント105のユーザは、付加された「small」を選択することによって、サイズが縦、横ともに「1/2」に縮小された画像を検索することによって、迅速な検索が可能になる。すなわち、多少画質を落しても、検索による内容確認のためならば十分であるため、データ量を削除することによって、高速な検索を可能とする。そして、検索目的とする静止画像を確認した時点で、オリジナルのボタンを選択することによって、クライアント105のユーザが最終的に把握したい静止画像を見ることができる。
【0329】
このように、本実施の形態では、ユーザが高速にマルチメディア・データを検索し、最終的に得たいデータについては、データ量を制限しないで獲得したい場合に、特に、効果がある。
【0330】
また、本発明の第1実施の形態と第2実施の形態では、マルチメディア・データの形式、クライアント105とサーバ101の通信規則等について全く変更を行なっていないため、クライアント105、サーバ101については、従来のシステムをそのまま利用することが可能である。すなわち、本装置を任意の位置に配置可能であり、本装置を配置したことによるシステム構成の変更の工数は、極めて少ないことになる。
【0331】
また、本実施の形態では、説明の簡単化のため、マルチメディア・データ中に含まれるボタンデータの数が1つである場合について説明してきたが、マルチメディア・データ中に、複数のボタンデータが含まれる場合についても、マルチメディアデータ量制御中継装置103は、すべてのボタンに対して拡張コマンドを発信するためのボタンを付加し、クライアント105側がそれを選択した場合には、その選択に適したデータをクライアント105に転送するようにすることができるのは言うまでもない。
【0332】
また、本実施の形態では、コマンド拡張によってクライアント105の表示画面に付加されるボタンの数は、1つであったが、拡張テーブル417の項目を追加することによって、クライアント105の表示画面上に、複数のボタンを付加することも可能である。
【0333】
例えば、拡張テーブルが、図30に示すように、2つの項目を有している場合、マルチメディアデータ量制御中継措置が拡張したマルチメディア・データA601を、クライアント105が受信すると、クライアント105は、図31の画面を表示する。
【0334】
図30において、3001は、拡張テーブル417の2番目の項目であり、3002は項目3001の拡張名、3003は項目3001のボタン名、3004は項目3001のデータ種類、3005は項目3001のデータ量制御方法、3006は項目3001のパラメータである。
【0335】
図31において、3101は、拡張テーブル417が図30の構成である場合のマルチメディア・データA601の転送要求の結果を、クライアント105側が表示した表示画面であり、3102は、項目3001に基づいて付加されたボタンである。
【0336】
ユーザが、ボタン3102を選択した場合には、最終的には、クライアント105には、縦、横ともに1/4に縮小された、静止画像データBのデータが転送される。
【0337】
また、本実施の形態では、拡張部403が拡張するデータの種類をボタンデータに限っていたが、ボタンデータのように、クライアント105のユーザが、コマンド発信可能なデータであれば、それを拡張することによって、本実施の形態と同様の目的を果たすことが可能である。
【0338】
なお、以下に示す事項は、第1実施の形態と第2実施の形態に共通に言えることである。
【0339】
まず、サーバ101からクライアント105に転送されるマルチメディア・データ中で、データ量制御の対象としたデータは、1つであったが、1つのマルチメディア・データ中の、複数のデータのデータ量を制御する事も可能である。
【0340】
次に、第1実施の形態と第2実施の形態では、マルチメディアデータ量制御中継装置103がデータ量を制御するデータ種類を、静止画像のみに限ったが、データ量制御部401が、複数種類のデータに対してデータ量制御処理を行うように構成することも可能であり、制御テーブルにデータ種類毎の項目を登録しておけば、マルチメディアデータ量制御中継装置103は、複数種類のデータに対して、データ量の制御を行うことが可能である。同時に、1つのマルチメディア・データ中に含まれる、複数種類のデータのデータ量を制御することも可能である。
【0341】
なお、静止画像の表示サイズ変換以外のデータ量削減の態様として、以下のものが挙げられる。例えば、動画像データのフレーム落とし、音声データのサンプリングレート変換、音声データからテキストデータへの変換、静止画像、動画像のカラーから白黒への変換、漢字まじり文章のカタカナ文章への変換、音声および動画像データの一部の抽出等である。
【0342】
さらに、上述の説明では、サーバの数を1台として説明したが、ネットワーク102上にサーバが複数台存在し、クライアント105のユーザが必要に応じてそれらのサーバを選択して接続するような場合であっても、すべてのサーバからクライアント105へのマルチメディア・データの転送に関して、本発明は適用可能であり、この場合、中継装置103の設置可能台数、システム構築性等を考慮することにより本発明の効果を最大限に生かす最適なシステム全体として最適な構成することがきる。
【0343】
また同様に、上述の説明では、クライアントの数を1台として説明したが、ネットワーク104上にクライアントが複数台存在し、サーバ101に接続するような場合であっても、サーバ101からの、すべてのクライアントへのマルチメディア・データの転送に関して、本発明は適用可能である。
【0344】
また、サーバ101とクライアント105の間にネットワークが2つ存在する場合について説明してきたが、サーバ101とクライアント105の間に存在するネットワークは、少なくとも1つ以上あれば、本発明は適用可能である。
【0345】
(第3実施の形態)
次に、本発明にかかる第3実施の形態について説明する。
【0346】
本第3実施の形態では、第2実施の形態で扱うマルチメディア・データに対して、特定の種類付けが行なわれている場合、例えば、静止画像データのみを含むマルチメディア・データや、動画データのみを含むマルチメディア・データといったマルチメディア・データを、サーバからクライアントに転送する場合を考える。
【0347】
この場合、マルチメディア・データの種類別に、拡張テーブル417を持つことによって、マルチメディア・データの拡張方策を変更することが可能である。
【0348】
例えば、テキストデータのみを含むマルチメディア・データの名前の末尾は「.text」と、静止画像データのみを含むマルチメディア・データの名前の末尾は、必ず「.picture」と、動画像データのみを含むマルチメディア・データの名前の末尾は、必ず「.video」となっている場合を考える。
【0349】
ここで、2つの拡張テーブルを用意する。データ名末尾「.picture」に対応する拡張テーブルは、図20と同様とし、「.video」に対応する拡張テーブルは、図32のように構成されている。
【0350】
図32において、3201は「.video」に対応する拡張テーブルであり、3202は拡張テーブル3201の1つの項目、3203は項目3002の拡張名、3204は項目3002のボタン名である。また、3205は項目3002のデータ種類、3206は項目3002のデータ量制御方法、3207は項目3002のパラメータである。
【0351】
「.text」に対応する拡張テーブルは、特に用意しない。
【0352】
本実施の形態では、データ量制御部401は、動画像データの最初の任意の時間をカットする機能を有することを特徴とし、制御テーブル406の内容のうち、動画像に関する項目のデータ量制御方法に「イントロ」が指定された場合には、クライアント105に転送する動画像データに対する「パラメータ」である「時間」だけを、抽出する。
【0353】
拡張部403は、マルチメディア・データの拡張を実行する際、ボタンデータ中の転送要求データ名の末尾を解析し、その結果によって、拡張部403が用いる拡張テーブルを選択することによって、テキストデータを転送するためのボタンデータには拡張を行わず(テキストデータに対応する拡張テーブルは、用意しない)、静止画像データを転送するためのボタンには、第2実施の形態と同様の拡張を行い、動画像データを転送するためのボタンデータには、「intro」という名のボタンが付加されるように拡張される。
【0354】
この結果、クライアント105が備えるディスプレイの画面表示は、テキストデータの転送要求ボタンには、ボタンデータは付加されず、静止画像データの転送要求ボタンには「small」というボタンが付加され、動画像データの転送要求ボタンには「intro」というボタンが付加される。
【0355】
クライアント105のユーザが、動画像データの転送要求ボタンに付加された「intro」ボタンを選択すると、サーバ101からクライアント105に発信された動画像データは、マルチメディアデータ量制御中継装置103によってデータ量が制御され、冒頭の5秒間の動画像データが、クライアント105側に発信される。即ち、クライアント105のユーザは、動画像のデータについては、総てを受信せずに、冒頭の5秒間を見ることが可能である。
【0356】
このように、本実施の形態では、マルチメディア・データの特徴に応じたボタンを付加することによる、操作性の向上を可能とする。
【0357】
(第4実施の形態)
次に、本発明にかかる第4実施の形態について説明する。
【0358】
本実施の形態は、第2実施の形態に対して、マルチメディア・データの拡張の方法を変更したものである。
【0359】
マルチメディア・データに対して拡張処理する際、第2実施の形態では、ボタンを付加する様に、マルチメディア・データの拡張を行っていたが、ここでは、ボタンデータを、プルダウンメニューデータに変更する。プルダウンメニューデータとは、クライアント105の画面表示において、ユーザが選択すると新たに選択肢表示が行なわれ、ユーザが、さらに、その選択肢を選択することが可能なように、表示されるメニューである。
【0360】
これを、第2実施の形態で説明した表示例に適用する。
【0361】
サーバ101に、マルチメディア・データAの転送要求を発信したクライアントは、最終的に、図8の画面801と見かけ上同様な表示を行なう。ここで、ユーザが804を選択すると、画面は図33のように変化する。
【0362】
図33において、3301は、本実施の形態におけるクライアント105の画面表示例である。同図において、3302は、プルダウンメニュー表示ボタンであり、3303は、プルダウン・メニュー、3304は、静止画像データBの転送要求選択肢、3305は、「1/2」に縮小された静止画像データBの転送要求選択肢である。
【0363】
クライアント105のユーザが、選択肢3304を選択すると、クライアント105は、静止画像データBを受信し、また、同ユーザが選択肢305を選択すると、クライアント105は、表示サイズが縦、横ともに「1/2」に縮小された静止画像データBを受信することが可能である。
【0364】
これを実現するためには、拡張部403にて、追加するボタンデータを生成する替わりに、このようなプルダウンメニューデータを生成し、格納処理部404において、もとのボタンデータに上書きするように構成しておけば良い。
【0365】
このように、本実施の形態によれば、クライアント105の画面表示のレイアウトを変更することなく、マルチメディア・データの拡張を行うような画面表示が実現できる。ユーザの操作性も一層向上する。
(第5実施例)
次に本発明にかかる第5実施例について説明する。
【0366】
本第5実施例では、第2実施例を、特に主に文字列を用いて、テキスト以外のデータを参照を記述するハイパーテキストシステムにおいて実施する場合の実施例である。
【0367】
ACM Press発行のCommnunications of ACM Vol.37, No.8, pp.76−82(1994)では、広域ネットワークシステムにおいて、主に文字列によってその構成を記述するハイパーテキストシステムの一例が記載されている。このようなハイパーテキストシステムでは、クライアントにおいて図8のような画面を表示するためにページ記述言語を用いる。ページ記述言語とは、文字列を用いて、文字列自身の装飾や、画像データ等を文字列中にレイアウトしたり、新たなページやデータを参照するボタンをレイアウトする記述するための言語である。このページ記述言語の一例がインプレス社発行のインターネットマガジン1996年2月号と同年3月号の、それぞれpp.202〜205、pp.234〜237に記載されている。
【0368】
以降、本実施例においては、上記のようなページ記述言語によって構成されたハイパーテキストシステムにおいて本発明を実施した場合について説明する。
【0369】
まず、本実施例の内容を説明する前に、本実施例で例として用いるページ記述言語の説明と、このページ記述言語を用いたハイパーテキストシステムにおける、サーバとクライアント間の通信方法について説明する。
【0370】
最初に、ページ記述形式のデータを、クライアント105において図8のように表示されるマルチメディアデータ601を例に説明する。
【0371】
さて、マルチメディアデータ601はページ記述形式では図34の3401のようになる。ページ記述データではテキスト形式によって図5のようなマルチメディア・データを記述する。
【0372】
以下ページ記述データ3401の内容について、クライアント105における画面表示結果と照らし合わせながら説明する。
【0373】
図34において、3402、3403、3404の3つの記述はそれぞれ、図6のデータ602、603、604に対応している。ページ記述において「<」と「>」で区切られたテキストはタグと呼ばれ、テキストに効果を付けたり、静止画像の埋め込みを示したり、クライアント105のユーザが操作可能なボタンの埋め込みを記述するために用いられる。図34の記述3402におけるタグ3405「<CENTER>」、3406「</CENTER>」は、これらの2つのタグの間のテキストを画面表示の際に中央に配置するための記述である。またタグ3407「<BR>」は改行を指示する記述である。これらのタグ記述によって、記述3402は図8のテキスト表示802のようにクライアント105画面に表示される。
【0374】
記述3403における「<IMG SRC=”pictA.gif”>」はイメージタグと呼ばるタグであり、ここではテキスト中のこの部分に「SRC=””」で指定されたデータを埋め込む事を記述している。ここで指定されている「pictA.gif」は静止画像データA610のみを含むマルチメディアデータを指し示す。クライアント105はこのpictA.gifの転送をサーバ101に要求し、同データをサーバ101から受信し、テキスト表示802につづいて画面に表示することによって、図8の803のようにクライアント105画面に静止画像データA601が表示される。
【0375】
記述3404における「<A HREF=”pictB.gif”>」、「</A>」はアンカータグと呼ばれ、これらのタグで囲まれた部分がクライアント105画面ではボタンとなり、ユーザがこれをクリックするとクライアント105はアンカータグ中の「HREF=””」で指定されたデータの転送要求をサーバに発信する。「pictB.gif」は静止画像データB705のみを含むマルチメディアデータ701を指し示している。記述3404では、アンカータグに囲まれた「走行風景」というテキストが画面表示の際に図8のボタン804になり、これをユーザが選択することによって、クライアント105はサーバ101に静止画像データB705の転送要求を発信し、最終的に図9の902のように静止画像データB705の内容を画面に表示する。
【0376】
以上がマルチメディアデータ3401の説明である。
【0377】
次に、ハイパーテキストにおけるサーバとクライアント間の通信方法について説明する。まず、クライアント105がサーバ101に対して「GET index.html」というコマンドを発信する。ここで「index.html」とはページ記述データ3401を指し示す。この要求を受信したサーバ101はページ記述データ3401をクライアント105に転送する。ページ記述データ3401を受信したクライアント105はデータを解析する。クライアント105はまず記述3402の部分を解析しテキストを画面に表示する。クライアント105は次に記述3403の部分を解析し、イメージタグによって他のデータを引用していることを検出し、「pictA.gif」の転送を要求する「GETpictA.gif」コマンドをサーバ101に対して発信する。このリクエストを受信したサーバ101は「pictA.gif」すなわちマルチメディアデータ3501を返答する。これを受信したクライアント105は3402のテキスト表示に続いて静止画像データA610を画面に表示する。最後にクライアント105は記述3404を解析し、アンカータグを検出し、「走行風景」というボタンを表示する。以上のようにしてクライアント105はページ記述データを図8の801のように画面に表示する。
【0378】
さらにユーザがボタン804を選択した場合には、クライアント105は「pictB.gif」の転送を要求する「GET pictB.gif」コマンドをサーバ101に対して発信する。これを受信したサーバ101は「pictA.gif」すなわちマルチメディアデータ701をクライアント105に転送する。クライアント105は受信したマルチメディアデータ701を図9のように画面に表示する。
【0379】
以上が、ハイパーテキストにおけるサーバ・クライアント間の処理の流れである。
【0380】
次に、本発明の第2実施例を以上で述べたハイパーテキストシステムにおいて実施した、本発明の第5の実施例について説明する。
【0381】
本実施例ではマルチメディアデータ量制御中継装置103の動作は、基本的に本発明の第2実施例と同様である。ここでは特に第2実施例と異なる部分について説明する。
【0382】
本実施例では図35の機能ブロック図を参照しつつ本発明の動作を説明する。図35の機能ブロック図は図4の機能ブロック図に分解部3501を追加したものである。分解部3501はページ記述データ分解処理を行う。この詳細については後で述べる。
【0383】
第2実施例では、マルチメディアデータ量制御中継装置103はサーバ101からクライアント105に転送されるマルチメディア・データ中のボタンデータを抽出し、拡張していたが、本実施例ではこの拡張をページ記述データのアンカータグに対して行う。
【0384】
さて、クライアント105が起動すると、サーバ101に対してページ記述データ3401の転送要求コマンドを発信する。この転送要求コマンドは、テキストで「GET index.html」として表現される。通信制御部206は、ネットワーク104を介して、サーバ101に対して発信された転送要求コマンドを受信し、受信したコマンド414を解釈部405に渡す。
【0385】
解釈部405は、コマンド414を受け取るとコマンド解釈処理を実行する。
【0386】
コマンド解釈処理は、図21の流れ図に従って実行される。
【0387】
そこで、図21を参照して、コマンド解釈処理について説明する。
【0388】
まず、ステップ2101で、解釈部405は、コマンド解釈処理の開始を行なう。
【0389】
ステップ2102において、解釈部405は、2種類のデータの準備を行う。1つめは、通信制御部206から受け取ったコマンド414である。2つめは、拡張方策情報418である。拡張方策情報418は、拡張テーブルに記憶されている総ての項目を集めた情報であり、ここでは、項目2001になる。
【0390】
本実施例では、コマンド解釈処理のステップ2103における処理の一部が第2実施例の場合と一部異なる。第2実施例ではサーバに対して転送を要求しているマルチメディアデータの名前の末尾に拡張方策情報418中の全ての項目の拡張名を比較する。しかしハイパーテキストにおいてはデータ名の末尾の「.」で始まる文字列は一般的にそのデータの種類を示す拡張子として用いられている。従って本実施例では、拡張部403においてデータ名に拡張名を加える場合には従来の拡張子の手前につけ加えることにする。たとえば、「pictA.gif」に「.small」という拡張名を加えると「pictA.small.gif」となる。
【0391】
したがって、本実施例では、解釈部405のコマンド解釈処理において、コマンド414が転送を要求しているマルチメディアデータの名前の拡張子を除いた末尾と、拡張方策情報418のすべての項目の拡張名とを比較し、一致するかどうかを確認する。一致するならば、結果を「YES」とし、ステップ2104に進み、一致しなければ、結果を「NO」として、ステップ2106に進む。
【0392】
ここで拡張方策情報418の項目は、2001のみであり、項目2001の拡張名は「.small」である。一方、コマンド414が転送を要求しているマルチメディア・データの名前から拡張子を取り除くと「index」となり、この末尾と項目2001の拡張名は、一致しない。よって、結果は「NO」となり、ステップ2106に進む。
【0393】
なお、ステップ2104に進む場合には、要求しているマルチメディア・データ名の末尾から拡張名を除去し、ステップ2105において、拡張方策情報中の除去した拡張名に対応する、データ量制御方法、パラメータを、制御テーブル406に書き込む処理を行なう。
【0394】
ステップ2106では、解釈部405は、制御パラメータとして「OFF」を出力し、制御テーブル406のすべての項目のパラメータを「OFF」に変更する。「OFF」は、変換処理をしないことを意味する。
【0395】
また、ステップ2107では、解釈部405は、コマンド414を解釈済みコマンド415として出力し、通信制御部203に渡す。このときの解釈済みコマンド415は、前述したように、「GET index.html」である。
【0396】
ステップ2108にて、解釈部405はコマンド解釈処理を終了する。
【0397】
以上のように、解釈部405は、コマンド414を解釈し、制御パラメータ419を変更することによって、制御テーブル416の内容を変更し、解釈済みコマンド415を出力する。
【0398】
ここでは、コマンド414と解釈済みコマンド415は、同じものであり、解釈部405は、制御テーブル406のすべての項目のパラメータを「OFF」に変更する。
【0399】
次に、通信制御部203は、解釈済みコマンド415をサーバ101に転送する。
【0400】
サーバ101は、ネットワーク102を介してこのコマンドを受信し、ページ記述データ3401を、クライアント105に送る。
【0401】
通信制御部203は、ページ記述データ3401を受信し、受信データをページ記述データ3502として分解部3501に受け渡す。
【0402】
分解部3501はページ記述データ3502を受信すると図36の流れ図に沿ってページ記述データ分解処理を開始する。分解部3501がページ記述データ以外のデータ(例えば静止画像データなど)を受け取った場合には、このページ記述データ分解処理は行われない。
【0403】
ここで分解部3501によるページ記述データ分解処理について説明する。ページ記述データは基本的にはテキストデータであり、図5に示すマルチメディアデータのように構造化されたデータではない。ページ記述分解処理とは、第2実施例と同じように変換対象データ抽出処理と、拡張対象データ抽出処理を行うために、まず、ページ記述データをテキスト部分、イメージタグ部分、アンカータグ部分に区切って分解する処理のことである。
【0404】
以下図36を参照してページ記述分解処理について説明する。
【0405】
ステップ3601は分解部3501によるページ記述分解処理の開始である。
【0406】
ステップ3602において、分解部3501はページ記述分解処理に必要な7つの変数を用意する。1つめは、受信したページ記述データ407の文字数sであり、ここではページ記述データ3401の文字数が代入されている。2つめは、ページ記述データ407を格納したテキストデータのDページ記述である。3つめと4つめは、分解したページ記述テキストを格納するPART[m]と、分解されたテキストの記述内容を示すTYPE[m]という2つの配列であり、mはページ記述データ407分解した場合に充分な数(例えば2048など)を設定するか、必要に応じて増やしていく。5つめと6つめは、ページ記述分解処理においてDページ記述の位置を指し示すhとpであり、7つめは変数iである。h,p,iはそれぞれ初期値として1が代入されている。
【0407】
次にステップ3603において、分解部3501はhにpの値を代入する。ここでp=1なので、hに1の値が代入される。
【0408】
次にステップ3604において、分解部3501はDページ記述のp文字目からのテキストと、「<IMG 」「<A 」の比較を行い、イメージタグ又はアンカータグの検出を行う。もし一致した場合には分解部3501は処理をステップ3608に進め、一致しない場合にはステップ3605に処理を進める。
【0409】
ここでp=1であるから、Dページ記述のp文字目は”<CENTER・・・”と続いているので、一致しない。
【0410】
従って分解部3501は処理をステップ3605に進める。
【0411】
次にステップ3605において、分解部3501はpにp+1を代入する。この結果p=2となる。
【0412】
次にステップ3606において、分解部3501はp>sを判定し、もし結果が真ならば、処理をステップ3607に進め、もし結果が偽ならば処理をステップ3604に進める。ここでp>sの判定とはすなわちpが指し示す位置がDページ記述の末尾を越えていないかの判定である。ここではまだpはDページ記述の2文字目を指し示しているため、結果は偽となり、分解部3501は処理を3604に進める。
【0413】
分解部3501はステップ3604からステップ3606の繰り返しによって、Dページ記述中のイメージタグかアンカータグを発見するまでpの値を増加する。
【0414】
ここでは図34のページ記述データ3401がDページ記述として処理されているので、分解部3501はまず、記述3403のイメージタグを検出する。ここでは記述3403のイメージタグ検出時のステップ3404までの繰り返しを省略する。
【0415】
さて、ステップ3604において分解部3501はDページ記述のp文字目からの文字列と「<IMG 」が一致することを確認してイメージタグを検出し処理をステップ3608に進める。
【0416】
次にステップ3608において、分解部3501はp=hを判定し、結果が真ならば処理をステップ3610に進め、結果が偽ならば処理をステップ3609に進める。
【0417】
ここでh=1で、pは1ではない。したがって、判定の結果は偽となり、分解部3501は処理をステップ3609に進める。
【0418】
ステップ3609において、分解部3501はPART[i]にhからp−1までの文字列を代入し、TYPE[i]に”テキスト”を代入する。次にiにi+1の値を代入し、hにpの値を代入する。
【0419】
ここでi=1であり、pはDページ記述の記述3403の先頭を指し示しているため、分解部3501はPART[1]に図34記述3402の部分のテキストを代入し、PTYPE[1]に”テキスト”を代入する。次に分解部3501はiに2を代入し、hに記述3403の先頭を示す値を代入する。
【0420】
次にステップ3610において、分解部3501はpを1つずつ増加して、タグの末尾を検出する。分解部3501はステップ3604において検出されたタグがイメージタグである場合、「>」の文字を検出し、ステップ3604において検出されたタグがアンカータグである場合には「</A>」の文字列を検出する。さらに分解部3501は検出した文字列の次の文字を指し示すようにpの値を設定する。つまり分解部3501はイメージタグの末尾を検索した場合は「>」の文字の次の文字を、アンカータグの末尾を検索した場合は「</A>」の文字の次の文字を指し示す値をpに代入する。
【0421】
分解部3501は、ここではpに、Dページ記述の記述3404の先頭の文字を指し示す値を代入する。
【0422】
次にステップ3611において、分解部3501はDページ記述のhからp−1までの文字列をPART[i]に代入する。そして、分解部3501はステップ3604で検出したタグがイメージタグである場合にはTYPE[i]に”静止画像”を代入し、同じく検出したタグがアンカータグである場合にはTYPE[i]に”ボタン”を代入する。
【0423】
ここでは、i=2であるので、分解部3501はPART[2]に図34の記述3403の部分のテキストを代入し、またステップ3604にて検出したタグはイメージタグであるので、分解部3501はTYPE[2]に”静止画像”を代入する。
【0424】
次にステップ3612において、分解部3501はp>sを判定し、結果が真ならばステップ3614に処理を進め、結果が偽ならばステップ3613に処理を進める。ここでは、pはDページ記述の記述3404の先頭を指し示す値であるため、結果は偽となり、分解部3501は処理を3613に進める。
【0425】
次にステップ3613において、分解部3501はiにi+1の値を代入する。ここではi=2であるので、分解部3501はiに3の値を代入する。
【0426】
次に分解部3501は処理をステップ3603に進める。
【0427】
ステップ3603において、分解部3501は先ほどと同様にhに記述3404の先頭を指し示す値を代入する。
【0428】
次にステップ3604において、分解部3501はアンカータグを検出する。
【0429】
次にステップ3608において、分解部3501はp=hを判定し、そのが真となるので、処理をステップ3610に進める。
【0430】
次にステップ3610において、分解部3501はアンカータグの末尾を検出し、pに記述3404末尾の次の文字を指し示す値を代入する。
【0431】
次にステップ3611において、分解部3501はPART[3]にDページ記述の記述3404の部分を代入し、TYPE[3]に”ボタン”を代入する。
【0432】
次にステップ3612において、分解部3501はp>sを判定する。pはDページ記述の末尾を示す値を超えており、Dページ記述の文字数sよりも大きい値を示している。したがって判定の結果は真となり、分解部3501はステップ3614に処理を進める。
【0433】
以上ようにして、分解部3501はDページ記述に格納されたページ記述データを「テキスト」「イメージタグ」「アンカータグ」に分解していき、「p>s」の判定によってページ記述データの末尾を検出すると、処理を終了する。
【0434】
ここで分解部3501がページ記述データ3401を分解した場合、TYPE[1]=”テキスト”,PART[1]は記述3402の文字列,TYPE[2]=”静止画像”,PART[2]は記述3403の文字列,TYPE[3]=”ボタン”,PART[3]は記述3404の文字列となる。またiの値は3であり、これは分解した部分の数を示している。
【0435】
以上のようにして分解部3501はページ記述データ3502を分解し、構造化されたマルチメディア・データ407として、抽出部402および格納処理部404に渡す。
【0436】
以上のように、分解部3501は文字列であるページ記述データを分解することにより、ページ記述データ3401を図6に示すマルチメディアデータと同じ構成にする。この場合、TYPE[1]、TYPE[2]、TYPE[3]がデータ種類606、609、612にそれぞれ対応し、PART[1]、PART[2]、PART[3]がデータ607、610、613に対応している。データ610が静止画像データAであるの対して、PART[2]は「静止画像Aを引用するテキスト記述」の文字列であるが、この相違に対する処理は、後で述べる。以降、マルチメディアデータ407のx番目のデータ種類とは、TYPE[x]のことを、同407のx番目のデータとはPART[x]のことをいう。
【0437】
抽出部402は、マルチメディア・データ407を受け取ると、変換対象データ抽出処理と、拡張対象データ抽出処理を行う。
【0438】
ここでは、解釈部405によって制御テーブル406のすべての項目のパラメータが「OFF」に変更されているため、変換すべきデータの抽出情報412は、存在しない。したがって、抽出部402は、変換対象データ抽出処理を実行せず、構成データが「0個」の空のマルチメディア・データを、変換対象マルチメディア・データ409として出力し、データ量制御部401に渡す。
【0439】
抽出部402は、図22の流れ図に従って、拡張対象データ抽出処理を実行する。
【0440】
図22を参照して、抽出部402が行なう、拡張対象データ抽出処理について説明する。
【0441】
まず、ステップ2201で、拡張対象データ抽出処理を開始する。
【0442】
ステップ2202において、抽出部402は、4種類のデータを準備する。
【0443】
1つめは、通信制御部203から受け取ったマルチメディア・データ407である。2つめは、構成データが「0個」のマルチメディア・データXである。3つめは、マルチメディア・データ407の構成データ数を表す変数nであり、マルチメディア・データ407は、具体的には、記述3402、記述3403、記述3404に分解されたページ記述データと考えると、n=3となる。4つめは、繰り返し処理に用いる処理制御変数iであり、初期値として、1を代入する。
【0444】
ステップ2203では、抽出部402は、マルチメディア・データ407のi番目のデータのデータ種類が「ボタン」であるか否かをチェックする。
【0445】
第2実施例では前記ボタンをクライアントのユーザが選択した場合に発信されるコマンドが、データ転送要求コマンドであるかどうかもチェックしていたが、本実施例において、分解されたページ記述データが「ボタン」であるならば、ユーザが選択した場合には必ずデータ転送要求コマンドが発信されるので、このチェックを行わない。
【0446】
抽出部402は、かかる条件を満たしたと判断した場合には、ステップ2204に進み、もしそうでなければ2205に進む。
【0447】
ここではiの値は、1であり、マルチメディア・データ407の1番目のデータのデータ種類は「テキスト」である。従って結果は「NO」となり、抽出部402は、ステップ2205に処理を進める。
【0448】
ステップ2205では、抽出部402は、「i+1」の結果をiに代入し、この結果iの値は、2となる。ステップ2206において、抽出部402は、iとnの大小関係を判断し、i>nならば、結果を「YES」とし、ステップ2207に進み、そうでなければ、結果を「NO」とし、ステップ2203に進む。
【0449】
ここで、iの値は、2、nは、3であるから、結果は「NO」となり、ステップ2203に進む。
【0450】
ステップ2203では、iは、2であり、マルチメディア・データ407の2番目のデータのデータ種類は「静止画像」であるため、抽出部402の処理結果は「NO」となり、ステップ2205に進む。ステップ2205では、抽出部402は、iの値を、3にする。
【0451】
そして、ステップ2206において、抽出部402の処理結果は「NO」となり、ステップ2203に進む。ステップ2203では、iは、3であり、マルチメディア・データ407の3番目のデータのデータ種類は「ボタン」であるため、抽出部402の処理結果は「YES」となり、ステップ2204に進む。
【0452】
ステップ2204では、抽出部402は、マルチメディア・データ407のi番目のデータをマルチメディア・データXに追加する。
【0453】
ここでは、抽出部402は、データ604をマルチメディア・データXに追加する。そして、ステップ2205で、抽出部402は、iの値を4にする。
【0454】
ステップ2206では、抽出部402の処理結果は「YES」になり、ステップ2207に進む。
【0455】
ステップ2207では、抽出部402は、マルチメディア・データXを拡張対象マルチメディア・データ416として出力し、拡張部403に渡す。
【0456】
図23に、このときの拡張対象マルチメディア・データを示す。
【0457】
図23において、2301は、抽出部402が拡張対象マルチメディア・データ416として出力するマルチメディア・データである。
【0458】
そして、ステップ2208で、抽出部402は、拡張対象データ抽出処理を終了する。
【0459】
次に、拡張部403の動作について説明する。
【0460】
拡張部403は、抽出部402から送られてきた拡張対象マルチメディア・データ416を受け取ると、第2実施例と同様に図24のフローチャートに従った拡張処理を行うが、ステップ2406の処理の一部が第2実施例と異なる。
【0461】
ステップ2406では、拡張部403は、j個目の複製データの拡張を行う。拡張部403は、まず、拡張方策情報418のj番目の項目の拡張名を、j個目の複製データのアンカータグの「HREF=””」で指定されるデータ名の拡張子の直前に加える。さらに、拡張部403は、拡張方策情報418のj番目の項目のボタン名をj個目の複製データのアンカータグで囲まれたテキストと入れ替える。
【0462】
j=1のときには、複製データのj番目は、アンカータグ記述3404である。アンカータグ3409が要求するデータの名前は、「pictB.gif」である。拡張部403は、この名前の拡張子「.gif」の直前に、拡張方策情報の1番目の項目、つまり項目2001の拡張名「.small」を付け加え、アンカータグ記述3404に囲まれたテキスト「走行風景」を項目2001のボタン名「small」に書き換える。さらに、このデータをマルチメディア・データXに加える。
【0463】
図25に、このときのマルチメディア・データXの構成を示す。
【0464】
図25において、本実施例ではデータ2503はアンカー記述3701である。
【0465】
その他のステップにおける拡張部403の処理は第2実施例と同様である。
【0466】
ステップ2410では、拡張部403は、マルチメディア・データXを拡張済みマルチメディア・データ413として出力し、格納処理部404に渡す。
【0467】
このときのマルチメディア・データ413は、具体的には、マルチメディア・データ3801である。
【0468】
次に、データ量制御部401の動作を説明する。
ここで、データ量制御部401は、第2実施例と同様に、マルチメディア・データを変換済みマルチメディア・データ410として出力し、格納処理部404に受け渡す。ここでは変換対象マルチメディア・データ409は空のデータであるため、変換済みマルチメディア・データ410も空となる。
【0469】
次に、格納処理部404に動作について説明する。
【0470】
格納処理部404は、マルチメディア・データ407と、変換済みマルチメディア・データ410と、拡張済みマルチメディア・データ413を受け取ると、変換済みデータ格納処理と、拡張済みデータ格納処理を実行する。
【0471】
第2実施例と同様に、格納処理部404は図28で示すマルチメディアデータ2801を変換拡張済みデータ411として通信制御部206に受け渡す。
【0472】
本実施例ではマルチメディア・データ2801は具体的には図38で示すページ記述データになっている。図3801において3801は変換拡張済みのページ記述データである。
【0473】
次に、通信制御部206は、格納処理部404から変換拡張済みマルチメディア・データ411、即ち、マルチメディア・データ2801を受け取り、クライアント105に渡す。
【0474】
クライアント105は、ネットワーク102を介してマルチメディア・データ2801を受信し、受信内容を解釈し、図29に示すように、ディスプレイに表示画面を表示し、ポインティングデバイスによる、ユーザからの指示を待つ。
【0475】
図29において、2901は、マルチメディア・データ2801すなわちページ記述データ3801の表示画面であり、2902は、ボタンデータ2503すなわち拡張されたアンカータグ記述3701の表示画面である。
【0476】
ここで、クライアント105のユーザが、ポインティングデバイスによってボタン804を選択した場合、クライアント105は、サーバ101に対して、コマンド「GET pictB.gif」を発信する。
【0477】
このコマンドは、マルチメディアデータ量制御中継装置103によって中継されるとき、解釈部405によって解釈されるが、このコマンドは拡張コマンドではないので、解釈部405は、制御テーブル406のすべてのパラメータを「OFF」に設定し、コマンドをそのままサーバ101に転送する。
【0478】
そして、コマンド「GET pictB.gif」を受信したサーバは、マルチメディア・データB701を、クライアント105に発信する。
【0479】
マルチメディア・データB701が、マルチメディアデータ量制御中継装置103によって中継されるとき、制御テーブル406のすべてのパラメータが「OFF」になっているため、このデータに対するデータ量制御は行われない。
【0480】
また、マルチメディア・データB701には、ボタンデータが含まれていないため、データの拡張も行われない。
【0481】
したがって、マルチメディアデータ量制御中継装置103は、マルチメディア・データB701を、そのままクライアント105に転送し、その結果、クライアント105が備えるディスプレイの表示画面は、図9の901の様になる。
【0482】
一方、クライアント105のユーザが、ポインティングデバイスによってボタン2902を選択した場合、クライアント105は、サーバ101に対して、コマンド「GET pictB.small.gif」を、発信する。
【0483】
この場合のマルチメディアデータ量制御中継装置103の動作は本発明の第2実施例と同様であるが、すでに述べたように拡張名の検出を通常の拡張子(例えば「.gif」など)を取り除いたデータ名に対して行うことが第2実施例と異なっている。
【0484】
通信制御部206は、ネットワーク104を介して、コマンド「GET pictB.small.gif」を受信する。
【0485】
しして第2実施例と同様に、最終的にクライアント105は、ネットワーク102を介してマルチメディア・データ1601を受信し、受信内容を解釈し、表示画面1701を、クライアント105が備えるディスプレイに表示する。
【0486】
このように、本発明の第5実施例では、ハイパーテキストシステムにおいてクライアント105に表示されるボタンを増やし、クライアント105のユーザが、ボタンを選択することによって、マルチメディアデータ量制御中継装置103において、データ変換を行うか否かを指定することができることになる。
【0487】
次に、ページ記述データ中のイメージタグによって引用される画像のデータ量制御方法について述べる。本実施例の動作例において、分解部3501のページ記述データ分解処理によって生成されるPART[2]は「静止画像Aを引用するテキスト記述」の文字列であるが、このデータを静止画像としてデータ量を制御することはできない。
【0488】
そこで本実施例ではデータ量制御部401は拡張テーブル417に記憶されている拡張方策情報を利用して、PART[2]のようなイメージタグ中のデータ名に拡張名を加えることによって、最終的にクライアントでの表示画面においてPART[2]のイメージタグ記述で引用される静止画像データのデータ量を制御する。
【0489】
以下、具体的に説明する。
【0490】
ここでは、クライアント105が「GET index.small.html」というコマンドを発信した場合について説明する。通信制御部206は、ネットワーク104を介して、サーバ101に対して発信された転送要求コマンドを受信し、受信したコマンド414を解釈部405に渡す。ここで解釈部405はコマンド「GET index.small.html」中の拡張名「.small」を検出する。第2実施例において解釈部405は、拡張方策情報418中の項目のなかで、「.small」を拡張名としてもつ項目を抜き出し、制御テーブル406に書き込む。しかし本実施例において解釈部405は、まずデータ名の拡張子が「.html」でないかどうかを確認する。拡張子が「.html」である場合には、解釈部405は制御テーブル406の全ての項目のデータ量制御方法を「イメージタグ拡張」に設定し、また同制御テーブル406の全ての項目のパラメータを検出した拡張名に設定する。
【0491】
ここでは、解釈部405が検出した拡張名は「small」なので制御テーブルは図42のようになる。
【0492】
図42において、4201は制御テーブルの1項目であり、4202は解釈部405によって設定されたデータ量制御方法であり、4203は解釈部405によって設定されたパラメータである。
【0493】
以上のようにして、本実施例では、解釈部405は通信制御部206から受け取ったコマンド中の転送要求データ名において、拡張方策情報418に記憶された拡張名を検出し、かつ前記転送要求データ名の拡張子が「.html」の場合には、制御テーブル406に対して、データ量制御方法を「イメージタグ拡張」に設定し、パラメータを検出した拡張名に設定する。
【0494】
以降の処理は第2実施例と同様に行われ、最終的に通信制御部203は、コマンド「GET index.small.html」から拡張名を除去したコマンド「GET index.html」をサーバ105に転送する。
【0495】
そして、サーバ105がページ記述データ3401を通信制御部203に受け渡すと、前回と同様に分解部3501がページ記述データ分解処理を行い、分解されたページ記述データ407と抽出部402に受け渡す。
【0496】
今回は制御テーブル406においてデータ種類「静止画像」のパラメータが「OFF」ではないので、抽出部402は変換対象マルチメディアデータ409として分解されたページ記述データ407の中からTYPEが”静止画像”であるものを抜き出し、データ量制御部401に受け渡す。ここでは抽出部402は図34における記述3403を文字列として持つデータをデータ量制御部401に受け渡す。
【0497】
データ量制御部401は、データ変換処理を行う際に、図13のステップ1305において制御情報408のデータ量制御方法が「イメージタグ拡張」と設定されている場合には、イメージタグの拡張処理を行う。制御情報408のデータ量制御方法が「イメージタグ拡張」でない場合には、第2実施例と同様にデータ量の制御を行う。
【0498】
イメージタグの拡張とは、イメージタグの記述「<IMG SRC=””>」において「SRC=””」で指定されているデータ名に制御情報408のパラメータとして設定されている拡張名を加えることである。
【0499】
ここではイメージタグは記述3043であり、制御情報408のパラメータとして設定されている拡張名は「.small」であるため、データ量制御部401は記述3403を図39にしめす3901のように拡張する。図39において、3901はデータ量制御部401によって拡張されたイメージタグ記述である。データ量制御部401は最終的に、拡張されたイメージタグ記述3901のみを含むマルチメディアデータを変換済みマルチメディア・データ410として格納処理部404に受け渡す。
【0500】
その他の処理は、本実施例で最初に例示した、クライアントが「GET index.html」というコマンドを発信した場合と同様である。
【0501】
ここでは格納処理部404は変換拡張済みマルチメディア・データ411として、図40にしめすページ記述データ4001を通信制御部206に受け渡す。
【0502】
図40において4001は変換拡張済みのページ記述データである。ページ記述データ4001は図38に示すページ記述データ3801とは、それぞれイメージタグが3901と3403である点で異なっている。
【0503】
通信制御部206はページ記述データ4001をクライアント105に転送する。
【0504】
クライアント105は受信したページ記述データ4001中のイメージタグ記述3901を解析し「GET pictA.small.gif」コマンドを発信し、最終的にデータ量が制御された静止画像データA1403を受信する。そしてクライアント105は図41に示すように画面にデータを表示する。
【0505】
図41において4101はクライアント105がページ記述データ4001を受信した場合のクライアントの画面表示である。
【0506】
以上のように、本実施例では、クライアント105がページ記述データ転送要求コマンドを発信する際に、データ名に拡張名が加えられている場合には、マルチメディアデータ量制御中継装置103はサーバ101から転送されたページ記述データ中のイメージタグを拡張し、クライアント105が将来自動的に転送要求を発信するデータのデータ名に拡張名をつけ加えることによって、ページ記述データ中に間接的に埋め込まれているマルチメディアデータのデータ量の制御を行う。
【0507】
さて、本実施例の効果について、説明する。
【0508】
本実施例によって、ページ記述のような構造化されていないテキストベースのマルチメディアデータに対しても、第2実施例と同様に、以下の効果がある。
【0509】
ユーザが高速にマルチメディア・データを検索し、最終的に得たいデータについては、データ量を制限しないで獲得したい場合に、特に、効果がある。
【0510】
ハイパーテキストシステムで用いれられるマルチメディア・データの形式、クライアント105とサーバ101の通信規則等について全く変更を行なっていないため、クライアント105、サーバ101については、従来のシステムをそのまま利用することが可能である。すなわち、本装置を任意の位置に配置可能であり、本装置を配置したことによるシステム構成の変更の工数は、極めて少ないことになる。
【0511】
また、本実施例では、説明の簡単化のため、マルチメディア・データ中に含まれるボタンデータの数が1つである場合について説明してきたが、マルチメディア・データ中に、複数のボタンデータが含まれる場合についても、本発明の第2実施例と同様にマルチメディアデータ量制御中継装置103は、すべてのボタンに対して拡張コマンドを発信するためのボタンを付加し、クライアント105側がそれを選択した場合には、その選択に適したデータをクライアント105に転送するようにすることができるのは言うまでもない。
【0512】
また、本実施例では、コマンド拡張によってクライアント105の表示画面に付加されるボタンの数は、1つであったが、拡張テーブル417の項目を追加することによって、本発明の第2実施例と同様にクライアント105の表示画面上に、複数のボタンを付加することも可能である。
【0513】
また、第1実施例と第2実施例と共通して、本実施例には以下の効果がある。本実施例ではマルチメディアデータ量制御中継装置103がデータ量を制御するデータ種類を、静止画像のみに限ったが、データ量制御部401が、複数種類のデータに対してデータ量制御処理を行うように構成することも可能であり、制御テーブルにデータ種類毎の項目を登録しておけば、マルチメディアデータ量制御中継装置103は、複数種類のデータに対して、データ量の制御を行うことが可能である。同時に、1つのマルチメディア・データ中に含まれる、複数種類のデータのデータ量を制御することも可能である。
【0514】
なお、静止画像の表示サイズ変換以外のデータ量削減の態様として、以下のものが挙げられる。例えば、動画像データのフレーム落とし、音声データのサンプリングレート変換、音声データからテキストデータへの変換、静止画像、動画像のカラーから白黒への変換、漢字まじり文章のカタカナ文章への変換、音声および動画像データの一部の抽出等である。
【0515】
さらに、上述の説明では、サーバの数を1台として説明したが、ネットワーク102上にサーバが複数台存在し、クライアント105のユーザが必要に応じてそれらのサーバを選択して接続するような場合であっても、すべてのサーバからクライアント105へのマルチメディア・データの転送に関して、本発明は適用可能である。
【0516】
また同様に、上述の説明では、クライアントの数を1台として説明したが、ネットワーク104上にクライアントが複数台存在し、サーバ101に接続するような場合であっても、サーバ101からの、すべてのクライアントへのマルチメディア・データの転送に関して、本発明は適用可能である。
【0517】
また、サーバ101とクライアント105の間にネットワークが2つ存在する場合について説明してきたが、サーバ101とクライアント105の間に存在するネットワークは、少なくとも1つ以上あれば、本発明は適用可能である。
【0518】
【発明の効果】
以上述べてきたように、本発明によれば、クライアントが受信するマルチメディア・データのデータ量の調整を、システム構成の変更を行わずに可能にする。
【0519】
したがって、クライアントの機能やネットワークの伝送能力の変更等を考慮せずに、クライアント・サーバシステムを構築できる。
【0520】
また、クライアントが要求するデータの種類に応じて、適切なデータ量制御が行なわれるため、使用目的、例えば、ブラウジング等に応じた、データ配信が行なわれるよになり、ユーザの操作性に富むシステムを実現できる。
【0521】
また、伝送媒体の伝送能力が異なる場所に、マルチメディアデータ量中継装置を設置することにより、伝送能力の違いを吸収してしまうこともできる。
【0522】
さらに、データ量の調節に関する選択肢を、ユーザが指示可能にすることによって、ユーザは、自分の目的に応じたデータ量の調節を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施の形態の構成図である。
【図2】第1実施の形態のマルチメディアデータ量制御中継装置の構成図である。
【図3】従来のマルチメディア・ネットワークシステムの構成図である。
【図4】第1実施の形態の機能ブロック図である。
【図5】マルチメディア・データの構成の説明図である。
【図6】マルチメディア・データの一例の説明図である。
【図7】マルチメディア・データの一例の説明図である。
【図8】クライアント画面表示例の説明図である。
【図9】クライアント画面表示例の説明図である。
【図10】制御テーブルの説明図である。
【図11】本発明にかかる実施の形態における、処理内容を示すフローチャートである。
【図12】変換対象マルチメディア・データの一例の説明図である。
【図13】本発明にかかる実施の形態における、処理内容を示すフローチャートである。
【図14】変換済みマルチメディア・データの一例の説明図である。
【図15】本発明にかかる実施の形態における、処理内容を示すフローチャートである。
【図16】マルチメディア・データの一例の説明図である。
【図17】第1実施の形態におけるクライアント画面表示例の説明図である。
【図18】マルチメディア・データの一例の説明図である。
【図19】第1実施の形態におけるクライアント画面表示例の説明図である。
【図20】拡張テーブルの説明図である。
【図21】本発明にかかる実施の形態における、処理内容を示すフローチャートである。
【図22】本発明にかかる実施の形態における、処理内容を示すフローチャートである。
【図23】拡張対象マルチメディア・データの一例の説明図である。
【図24】本発明にかかる実施の形態における、処理内容を示すフローチャートである。
【図25】拡張済みマルチメディア・データの一例の説明図である。
【図26】本発明にかかる実施の形態における、処理内容を示すフローチャートである。
【図27】マルチメディア・データの一例の説明図である。
【図28】マルチメディア・データの一例の説明図である。
【図29】第2実施の形態におけるクライアント画面表示例の説明図である。
【図30】拡張テーブルの他の例を示す説明図である。
【図31】第2実施の形態におけるクライアント画面表示例の説明図である。
【図32】拡張テーブルの他の例を示す説明図である。
【図33】第4実施の形態におけるクライアント画面表示例の説明図である。
【図34】ページ記述データの例を示す説明図である。
【図35】第5実施の形態における機能ブロック図の説明図である。
【図36】本発明にかかる実施の形態における、処理内容を示すフローチャートである。
【図37】第5実施の形態における拡張されたアンカータグの例の説明図である。
【図38】第5実施の形態における拡張されたページ記述データの例の説明図である。
【図39】第5実施の形態における拡張されたイメージタグの例の説明図である。
【図40】第5実施の形態における拡張されたページ記述データの例の説明図である。
【図41】第5実施の形態におけるクライアント画面表示例の説明図である。
【図42】第5実施の形態における制御テーブルの説明図である。
【符号の説明】
101…サーバ、102…ネットワーク、103…マルチメディアデータ量制御中継装置、104…ネットワーク、201…CPU、202…記憶装置、203…通信制御部、204…バス、205…補助記憶装置、206…通信制御部、301…中継装置、401…データ量制御部、402…抽出部、403…拡張部、404…格納処理部、405…解釈部、406…制御テーブル、407…マルチメディア・データ、408…制御情報、409…変換対象マルチメディア・データ、410…変換済みマルチメディア・データ、411…変換拡張済みマルチメディア・データ、412…抽出情報、413…拡張済みマルチメディア・データ、414…コマンド、415…解釈済みコマンド、416…拡張対象マルチメディア・データ、417…拡張テーブル、418…拡張方策情報、419…制御パラメータ、501…n個のデータから構成されるマルチメディア・データ。
Claims (6)
- 第1の情報処理装置と第2の情報処理装置との間の情報の伝送を中継するデータ変換装置において、
第1の伝送媒体を介して前記第1の情報処理装置からの入力情報を受け付ける第1の通信制御手段と、
前記第1の通信制御手段の受け付ける入力情報を構成する各データの種類を調べるデータ解析手段と、
前記入力情報を第2の伝送媒体を介して前記第2の情報処理装置に送出し、該送出した入力情報に応じて前記第2の情報処理装置から送出されてくる出力情報を入力する第2の通信制御手段と、
前記第2の通信制御手段が入力した出力情報から、データ量の変換処理の対象となる変換対象データを抽出する抽出手段と、
前記変換対象データのデータ量を、当該データの種類に応じて予め定めた規則に従って変換し、前記出力情報のうち、変換処理前の変換対象データを変換処理された前記変換対象データに置き換えて前記出力情報を再構成する制御手段とを有し、
前記第1の通信制御手段は、前記制御手段により再構成された情報を前記第1の伝送媒体を介して前記第1の情報処理装置に転送し、
前記抽出手段は、情報を要求するコマンドを前記第2の情報処理装置へ発信するためのボタンデータが、前記第2の情報処理装置からの出力情報に含まれている場合に、情報を要求するコマンドにデータ量の変換処理を示す拡張情報を付加した拡張コマンドを前記第2の情報処理装置へ発信するための拡張ボタンデータを、前記第2の情報処理装置からの出力情報に付加し、
前記第1の通信制御手段は、前記ボタンデータ及び前記拡張ボタンデータを含む前記出力情報を、前記第1の情報処理装置へ転送し、
前記データ解析手段は、前記第1の情報処理装置からの入力情報が、前記第1の情報処理装置で前記ボタンデータが指定されることによって発信された前記情報を要求するコマンドである場合に、前記情報を要求するコマンドを前記第2の通信制御手段を介して前記第2の情報処理装置へ転送すると共に前記予め定めた規則に変換処理しないことを設定し、前記第1の情報処理装置からの入力情報が、前記第1の情報処理装置で前記拡張ボタンデータが指定されることによって発信された前記拡張コマンドである場合に、前記拡張コマンドから前記拡張情報を除き、前記拡張情報を除いて得た前記情報を要求するコマンドを前記第2の通信制御手段を介して前記第2の情報処理装置へ転送することを特徴とするデータ変換装置。 - 請求項1において、
前記予め定めた規則は、データの種類が画像データであるとき、画像データの画素数を、所定のパターンで削除することであり、
前記制御手段は、抽出した画像データの画素数を、所定のパターンで削除することを特徴とするデータ変換装置。 - 請求項1において、
前記第1の通信制御手段は、特定データのサイズを特定の変換率で変換する旨のコマンドを受け付け、
前記抽出手段は、前記特定データのサイズを、前記特定の変換率で変換したデータを、前記制御手段が扱う前記変換処理された変換対象データとして与えることを特徴とするデータ変換装置。 - 請求項3において、
前記特定データのサイズを特定の変換率で変換する旨のコマンドは、データである画像データのサイズを、「1/4または1/16」の変換率となるように、前記画像データの画素数を削除する変換を行なうコマンドであり、
前記抽出手段は、画像データのサイズを、「1/4または1/16」の変換率で変換したデータを、前記制御手段が扱う前記変換処理された変換対象データとして与えることを特徴とするデータ変換装置。 - 請求項1、2、および3のいずれかに記載のデータ変換装置が備える前記第1の通信制御手段および前記第2の通信制御手段に伝送媒体を接続して構成されることを特徴とするネットワークシステム。
- 請求項5において、
前記第1の通信制御手段に接続する前記第1の伝送媒体と、前記第2の通信制御手段に接続される前記第2の伝送媒体の各々の伝送レートを異ならせて構成したことを特徴とするネットワークシステム。
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