JP3900704B2 - 侵入監視装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、原子力発電所、火力発電所、大型プラント施設などの冷却水取水口のセキュリティーで必要とする侵入監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記した施設における水域への侵入物体の有無を検出する方法として、図1に示す遮光検出方法がある。この遮光検出方法は、陸上の監視室1にモニタ管制器2及びドライバ3を設けるとともに、監視室1の近傍の岸壁5に投受光部4を設け、さらに対岸6にミラー7を設けてある。投受光部4から発せられた光は、侵入物がない場合は、ミラー7で反射してくる光を投受光部4で受光する。しかし、侵入物が存在すると、その侵入物によって遮光され、光が全く通らないか、あるいは反射して戻る時間に相違が生じるので、侵入物を検出することができる。
【0003】
また、他の侵入物検出方法としては、図2に示すように、水底9に音響センサあるいは磁気センサ8-1、……、8-nを配置し、侵入物の到来によって、音響的あるいは磁気的特性の変化が生じるのを陸上の監視室1のモニタ・管制器2で監視する方法も考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の遮光検出方法では、天候により動作が不安定であり、比較的距離の短い範囲でしか検出できないし、また海上で遮光する侵入船のみ検出でき、海中からの侵入に対しては検出できないという問題がある。
また、音響・磁気による検出方法では、海中からの侵入も検出できるというメリットがあるが、感度的に広い範囲を検出するとなると、高感度化、ドライブ・センサの回路数増が必要となり、コスト増となるという問題があった。
【0005】
この発明は上記問題点に着目してなされたものであって、海中侵入の場合でも検出可能であり、広範囲の検出をさほどのコスト増を生起することなく実現し得る侵入監視装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の侵入監視装置は、それぞれが距離を保って並設される複数本の光ファイバと、前記各光ファイバのそれぞれに所定間隔毎に1対配置され、かつ前記各光ファイバ間では、順次ずらした位置に配置される光磁気センサと反射ミラーの複数対と、前記ファイバの数に対応した複数の光源と、これらの光源からの光をそれぞれ前記各光ファイバに導き、かつ反射ミラーで反射してきた光を出力する光学系と、前記光学系より出力される前記各光ファイバに対応する光を受け、監視領域への侵入物体の有無を判別する演算手段と、を備えている。
【0007】
この侵入監視装置では、各光源から光が発せられ、各光ファイバに送り込まれる。各光ファイバでは、光が光磁気センサ、反射ミラーに達する毎に、光を反射させて光学系を経て、演算手段に反射に応じた信号を入力する。侵入物が存在しない場合は、いずれの光磁気センサの特性も変化がないので、演算手段に入力される各光磁気センサ、反射ミラーからの信号に変わりがない。侵入物が存在すると、その位置の光磁気センサへの磁界が変化するので、光偏波の位相が変化し、反射ミラーで反射して光学系に戻され、演算手段に入力される信号が他の位置の光磁気センサ、反射センサからのものと異なるものとなる。したがって、侵入物の存在及び位置を検知できる。
また、この侵入監視装置では、各光ファイバ間で磁気センサと反射ミラーの各対の位置を順次所定距離Loずつずらしているので、1本の光ファイバのみの場合の磁気センサと反射ミラーの各対の距離に対し、より監視距離が細かくなるので、検出能力が大となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態により、この発明をさらに詳細に説明する。図3は、この発明の一実施形態侵入監視装置の構成を示す概略図である。この実施形態侵入監視装置は、陸上20側に設けられる部分と、海中30に設置される部分から構成される。
【0009】
海中30では、1本の光ファイバ31に所定の間隔をおいて、光磁気センサ32-1、……、32-nが設けられ、さらにこれら光磁気センサ32-1、……、32-nのすぐ後方に、反射ミラー33-1、……、33-nが設けられている。陸上20の監視室には、光源21と、この光源21と光ファイバ31との間に設けられるビームスプリッタ22及びレンズ23と、複ビームスプリッタ24と、ホトダイオード25、26と、演算部27とを備えている。
【0010】
光源21には、赤外線やレーザが使用される。光磁気センサ32-1、32-2、……、32-nには、λ/4板とYIG素子からなるファラデー効果型を使用しているが、磁歪型を使用してもよい。光源21より発せられた直線偏光の光は、ビームスプリッタ22、レンズ23を経て、光ファイバ31、光磁気センサ32-1、……に入り、λ/4板で円偏光に変換され、反射ミラー33-1、……で反射されて、光磁気センサ32-1、……より光ファイバ31、……を経て、陸上部20に戻る。その過程で、円偏光から直線偏光に戻るが、光ファイバ31にはPMFすなわち偏波面保持型のものを使用しており、直交二方向の偏波面を持つ光がビームスプリッタ22を経て、PBS24に入る。PBS24は2つの偏波面の光を分離して、それぞれホトダイオード25、26で電気信号に変換し、演算部27に入力する。
【0011】
侵入物が存在しない場合は、いずれの光磁気センサ32-1、……、32-nも磁気変化による円偏光の位相の変化を受けず、演算部27における演算信号に変化がない。しかし、物体が侵入すると、その地点の光磁気センサは、その物体による磁気力により、円偏光の位相に変化を生じ、したがって光ファイバ31を戻る直線偏光の二方向の偏波面の光の強さも変化を生じ、PBS24を経て、ホトダイオード25と26より出力される信号の大きさに侵入物が存在しない場合とは差が生じる。演算部27でホトダイオード25、26の出力を、例えば加算あるいは減算して侵入物の存在を、そしていずれの光磁気センサからの反射信号であるかにより、位置を知ることができる。
【0012】
なお、後続の光磁気センサ32-2、……、32-nへの光は、反射ミラー33-1、……を半透明として、一部光を透過させるものを使用する。
光源を図4に示すように、21-1、……、21-iと複数個設け、これに応じて光ファイバも31-1、……、31-iとして、マルチチャンネルのシステムとすることもできる。一般に光ファイバ内を伝搬する光信号の速度は、ファイバの屈折率から光速の0.7倍程度(2×108 m/sec)と考えられる。一方、光磁気センサの感度は、1nT以下となることが予想され、ほぼフラックスゲート型磁力計に匹敵する感度となる。仮に、20Kmの港湾の入口をセンサ間隔100mでフォローすることを考えると、20Kmを監視するのに必要なセンサ数は200個となる。また、1個毎のセンサ間隔=伝搬路の反射時間は、100m/2×108 m/sec=0.5μsecとなる。
【0013】
近年、一般的なA/D変換器のサンプリング周波数は、8ビットの分解能でサブミクロンsecに入るか、16〜18ビットで2μsec程度の能力である。そこで、仮に、信号処理のために8ビット、サンプリング周波数1μsecのA/D変換器を考えると、光ファイバ内を信号が伝搬した時のパルス波形の歪み、A/D変換精度を考えた際に、最低サンプリング周波数の10倍のパルス幅と、センサ毎のディレイタイムが必要となる。つまり、10μsec程度のパルス幅、ディレイタイムが必要となる。
【0014】
このため、センサ間隔について、10μsec/0.5μsec=20倍(100mの20倍で2000m)の距離、あるいは遅延する方式が必要となる。光ファイバ1本では、センサ間隔が2Kmとなり、検出能力の不足を招く。
この不具合を解決するために、図4のシステムを創出した。図4に示すシステムの光ファイバ部のみを図5に示す。光ファイバ31-1、31-2、……、31-iは並設されるが、互いの光磁気センサは隣接する光ファイバに対し、L0 ずつずらして配置している。また、1本の光ファイバの光磁気センサと次の光磁気センサの配置間隔は、L=2000mである。i=20とし、20個の光源によってL0 を100mとするような侵入監視装置である。光源1個当たりに光磁気センサが10個であり、200個の光磁気センサを20個の光源でカバーできる。そのため、これに匹敵するシステムを他の音響・磁気センサで組むより、大幅にコストダウンすることが期待できる。さらに、検出範囲が拡がるにつれて、コストパフォーマンスは大きくなる。
【0015】
【発明の効果】
この発明によれば、複数本の各光ファイバに、所定間隔毎に光磁気センサと反射ミラー1対を設け、かつ各光ファイバ間では、光磁気センサと、反射ミラーの各対を順次ずらして配置しているから、監視可能な距離を細かくでき、海中の侵入であっても、広範囲に検出可能であり、それでいて、検出距離が拡がるほど、音響・磁気検出方式よりもコストパフォーマンスが上昇する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の遮光検出方式を説明するための概略図である。
【図2】音響・磁気検出方式を説明するための概略図である。
【図3】この発明の一実施形態侵入監視装置を示す概略図である。
【図4】この発明の他の実施形態侵入監視装置を示す概略図である。
【図5】図4の実施形態侵入監視装置の海中部分のみを示す図である。
【符号の説明】
21-1、……、21-i 光源
27 演算部
31-1、……、31-i 光ファイバ
32-11 、……、32-in 光磁気センサ
33-11 、……、33-in 反射ミラー
Claims (1)
- それぞれが距離を保って並設される複数本の光ファイバと、
前記各光ファイバのそれぞれに所定間隔毎に1対配置され、かつ前記各光ファイバ間では、順次ずらした位置に配置される光磁気センサと反射ミラーの複数対と、
前記ファイバの数に対応した複数の光源と、
これらの光源からの光をそれぞれ前記各光ファイバに導き、かつ反射ミラーで反射してきた光を出力する光学系と、
前記光学系より出力される前記各光ファイバに対応する光を受け、監視領域への侵入物体の有無を判別する演算手段と、
を備えたことを特徴とする侵入監視装置。
Priority Applications (1)
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JP24658798A JP3900704B2 (ja) | 1998-09-01 | 1998-09-01 | 侵入監視装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP24658798A JP3900704B2 (ja) | 1998-09-01 | 1998-09-01 | 侵入監視装置 |
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JP3900704B2 true JP3900704B2 (ja) | 2007-04-04 |
Family
ID=17150644
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24658798A Expired - Lifetime JP3900704B2 (ja) | 1998-09-01 | 1998-09-01 | 侵入監視装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3900704B2 (ja) |
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