JP3900361B2 - 被害域自動抽出システム - Google Patents

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Description

本発明は、人工衛星等から撮像した画像データを用いて、自然災害や人的災害による被害領域(被害域)を自動抽出する被害域自動抽出システムに関する。
人工衛星や航空機によるリモートセンシングは、広範囲での地上の状況把握が可能であり、火山災害、土砂災害、洪水、林野火災等の自然火災や重油流出等の人的災害の状況把握に利用されている。
このような災害に関しては被害状況をいち早く把握することが非常に重要であり、被災地の上空から人工衛星や航空機を用いて被害状況を撮像している。しかしこのような撮像が行われても、従来は、下記非特許文献1に示すように、目視に依存している面が大きく、被害状況の把握に多大な日時を要しており、迅速な救援活動に対する障害となっている。
その為、目視による被害状況の把握ではなく、撮像した画像データから被害域を自動的に抽出するシステムが下記特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特開2003−129487号公報 特開2000−222565号公報 小川直樹、山崎文雄著 、"航空写真を用いた兵庫県南部地震における建物被害の目視判読"、地域安全学会論文集、Vol.2、p.119−128、2000年
上述した特許文献1では画像データから災害危険箇所を自動的に抽出する方法が開示されているが、この方法を用いる場合には、ディジタルマッピングデータや数値標高データ等を利用する為、これらのデータを予め用意しておく必要がある。そうすると、いつどこで発生するかの予測が困難な自然災害や人的災害の場合、災害の発生地域に応じたこれらのデータを全ての地域について予め用意しておく必要があるが、現実的ではなく、事実上それは困難である。従って、広範囲で且つ任意の場所での被害域を自動抽出することが難しい。
特許文献2には、2つの画像の変化を抽出することによって被害域を自動的に判定する方法及び装置が開示されている。しかし2つの画像の変化を被害域として判定しているので、被害とは関係なく変化している箇所も被害域として抽出する可能性があり、誤認率が高い。
そこで本発明者は、人工衛星や航空機等から撮像した被害後の画像データに、更に被害前の画像データから誤認する可能性のある画素を抽出することによって、自動的に被害域を抽出し、且つその精度も高い被害域自動抽出システムを発明した。
請求項1の発明は、撮像された画像データから自然災害や人的災害の被害域を自動抽出する被害域自動抽出システムであって、被害前画像データと被害後画像データを読み込む画像データ読込手段と、前記被害後画像データの画素の輝度により被害域候補画素を判定する被害域候補判定手段と、前記被害後画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより非被害域候補画素を判定する非被害域候補判定手段と、前記被害前画像データの画素の輝度により第1誤認候補画素を判定する第1誤認候補判定手段と、前記被害後画像データと前記被害域候補画素と前記非被害域候補画素と第1誤認候補画素とにより、被害域を判定する被害域判定手段と、を有する被害域自動抽出システムである。
請求項2の発明は、撮像された画像データから自然災害や人的災害の被害域を自動抽出する被害域自動抽出システムであって、被害前画像データと被害後画像データを読み込む画像データ読込手段と、前記被害後画像データの画素の輝度により被害域候補画素を判定する被害域候補判定手段と、前記被害後画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより非被害域候補画素を判定する非被害域候補判定手段と、前記被害前画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより第2誤認候補画素を判定する第2誤認候補判定手段と、前記画像データと前記被害域候補画素と前記非被害域候補画素と第2誤認候補画素とにより、被害域を判定する被害域判定手段と、を有する被害域自動抽出システムである。
請求項3の発明は、撮像された画像データから自然災害や人的災害の被害域を自動抽出する被害域自動抽出システムであって、被害前画像データと被害後画像データを読み込む画像データ読込手段と、前記被害後画像データの画素の輝度により被害域候補画素を判定する被害域候補判定手段と、前記被害後画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより非被害域候補画素を判定する非被害域候補判定手段と、前記被害前画像データの画素の輝度により第1誤認候補画素を判定する第1誤認候補判定手段と、前記被害前画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより第2誤認候補画素を判定する第2誤認候補判定手段と、前記被害後画像データと前記被害域候補画素と前記非被害域候補画素と第1誤認候補画素と第2誤認候補画素とにより、被害域を判定する被害域判定手段と、を有する被害域自動抽出システムである。
画像データに於ける輝度は、明るさ又は濃度(以下、これらを総称して明るさとする)に相当するものである。明るさが変化することはそこに被害が発生している可能性があることを示唆するものである。一方、画像データから抽出できたエッジは、建造物等の輪郭を識別するものである。そうするとそのエッジが連続していたり、一定方向に方向性を有していればその建造物等の輪郭ははっきりしている、即ち建造物等に被害は発生していないことを示唆するものである。このような観点から、輝度とエッジの2つの要素により被害域を判定することで、従来よりも精度を向上させた被害域の自動抽出システムが可能となる。
又、本発明では更に被害前の画像データに対しても同様の分析を行うことで、その誤認率を低減させている。即ち被害前の画像データに対して輝度による分析を行い、被害域候補画素(第1誤認候補画素)を判定している。しかし被害前の画像データでは、実際には被害域があるはずがないが、被害域として誤認する可能性がある。しかしその誤認した第1誤認候補画素の数は、被害後の画像データの被害域候補画素の数よりは少ないと考えられる。そうすると、逆に言えばこの関係が成立してなければそれは誤認として排除することが出来るので、これにより誤認率を低減させている。又、被害前の画像データに対してエッジによる分析を行い、非被害域候補画素(第2誤認候補画素)を判定している。被害前の画像データであっても非被害域として抽出できる部分があるが、被害前の画像データの非被害域候補画素(第2誤認候補画素)の方が、被害後画像データの被害域候補よりも多いはずである。そうすると、逆に言えばこの関係が成立してなければそれは誤認として排除することが出来るので、これにより誤認率を低減させている。
請求項4の発明は、前記被害域候補判定手段は、前記被害後画像データに於いて、前記画素を中心とする所定範囲の部分画像を設定し、前記各部分画像に於いて、前記部分画像内で、各輝度毎にその輝度を有する画素数の対応関係を作成し、前記対応関係から最頻度の画素と、前記輝度の最小値と最大値の幅を輝度幅として算出し、前記最頻度の画素数が所定の閾値以下であり、且つ前記輝度幅が所定の範囲内にある前記部分画像の一又は複数の画素を被害域候補画素として判定する、被害域自動抽出システムである。
輝度による被害域候補画素は、本発明のように判定すると良い。輝度の最頻度の画素数が所定の閾値以下であることは、部分画像に於いて特定の輝度が突出していないことを示しており、上述のように、これが被害域の候補であることの一つの条件となる。輝度幅が所定の範囲内にあることは、極端に輝度の変化がないことを示している。つまり、被害が発生していない建造物等であれば、部分画像内に於いて輝度幅に変化は少ない(同一の建造物等であるので、その屋根や壁等は同一の明るさ、それに類似する明るさであることが想定される)。逆に言えば、部分画像内に於いて輝度幅に変化が大きい場合、それは屋根や壁等が被害を受けたことによって、部分画像内に様々な明るさが含まれていると考えられる。そうすると、その部分画像の画素は、被害域の候補の可能性があることを示唆することとなる。そしてこの2つの条件を満たした場合に、その部分画像に於ける画素を被害域の候補画素として判定することが出来る。
請求項5の発明は、前記非被害域候補判定手段は、前記被害後画像データに於いて、前記輝度が不連続な画素をエッジとして抽出し、前記エッジの強度が所定の閾値以上のエッジに対して細線化し、前記被害後画像データに於ける画素を中心とする所定範囲の部分画像を設定し、前記各部分画像に於いて、前記部分画像内で、前記細線化したエッジが所定の長さ以上連続しており、且つ一定の方向性を有している画素数が所定の閾値以上の、前記部分画像の一又は複数の画素を非被害域候補画素として判定する、被害域自動抽出システムである。
エッジによる非被害域候補画素は、本発明のように判定すると良い。建造物等の輪郭は、その建造物等の輝度と、建造物等外の輝度では異なる。例えば道路に隣接している建物を上空から撮像した場合、建物の屋根の明るさと道路の明るさは異なる。従って建造物等の輝度が不連続(輝度の境目)をエッジとして抽出することによって、その輪郭を把握することが出来る。上述のようにエッジを抽出する際には、ノイズが含まれている。従ってその不連続性が一定の強度で示されていないと、ノイズの可能性がある。逆に言えば一定の強度で示されていればそれはノイズではないと考えられる。従ってそのエッジが所定の長さ以上であって、一定の方向性を有していれば、建物のような建造物等の輪郭を示している可能性があり、そしてそれが所定以上の長さと一定の方向性を有していれば、建造物等が被害を受けていないことが想定される。被害を受けていれば、輪郭が短くなる、或いは一定方向に方向性を有さない可能性があるからである。
請求項6の発明は、前記第1誤認候補判定手段は、前記被害前画像データの画素を中心とする所定範囲の部分画像を設定し、前記各部分画像に於いて、前記部分画像内で、各輝度毎にその輝度を有する画素数の対応関係を作成し、前記対応関係から最頻度の画素と、前記輝度の最小値と最大値の幅を輝度幅として算出し、前記最頻度の画素数が所定の閾値以下であり、且つ前記輝度幅が所定の範囲内にある前記部分画像の一又は複数の画素を第1誤認候補画素として判定する、被害域自動抽出システムである。
請求項7の発明は、前記第2誤認候補判定手段は、前記被害前画像データに於いて、前記輝度が不連続な画素をエッジとして抽出し、前記エッジの強度が所定の閾値以上のエッジに対して細線化し、前記被害前画像データに於ける画素を中心とする所定範囲の部分画像を設定し、前記各部分画像に於いて、前記部分画像内で、前記細線化したエッジが所定の長さ以上連続しており、且つ一定の方向性を有している画素数が所定の閾値以上の、前記部分画像の一又は複数の画素を第2誤認候補画素として判定する、被害域自動抽出システムである。
被害前画像データから誤認候補とする画素は、請求項6及び請求項7の発明のように判定すると良い。第1誤認候補判定手段で、被害域候補判定手段と同様の処理をすることで、誤認候補を判定できるのは、以下の理由による。つまり画像データの撮影対象物の特性(画像データの解像度に対する対象物の大きさや密集の仕方等)によって、被害後画像データから被害域として誤認される場合、同様の処理を被害前画像データを用いても被害域として判定される部分がある。しかし被害前の画像データでは、実際には被害域があるはずがないので、それは誤認と考えられる。そうすると、誤認した第1誤認候補画素の数は、被害後の画像データの被害域候補画素の数よりは少ないと考えられる。逆に言えばこの関係が成立してなければそれは誤認として排除することが出来るので、これにより誤認率を低減させている。
又、第2誤認候補判定手段で、非被害域候補判定手段と同様の処理をすることで、誤認候補を判定できるのは、以下の理由による。つまり画像データの撮影対象物の特性(画像データの解像度に対する対象物の大きさや密集の仕方等)によって、被害後画像データから非被害域として誤認される場合、同様の処理を被害前画像データを用いると非被害域として判定される部分がある。そして、被害前画像データの非被害域(第2誤認候補)の方が、被害後画像データの非被害域候補よりも多いはずである。そうすると、逆に言えばこの関係が成立していなければそれは誤認であると考えられる。
請求項8の発明は、前記被害域判定手段は、前記被害後画像データの画素を中心とする所定範囲の部分画像を設定し、前記各部分画像に於いて、前記部分画像内の被害域候補画素数が所定の閾値以上で、且つ非被害域候補画素数が所定の閾値以下であって、更に前記第1誤認候補画素が所定の閾値以下の、前記部分画像の一又は複数の画素の一定範囲を被害域として判定する、被害域自動抽出システムである。
請求項9の発明は、前記被害域判定手段は、前記被害後画像データの画素を中心とする所定範囲の部分画像を設定し、前記各部分画像に於いて、前記部分画像内の被害域候補画素数が所定の閾値以上で、且つ非被害域候補画素数が所定の閾値以下であって、更に前記第2誤認候補画素が所定の閾値以下の、前記部分画像の一又は複数の画素の一定範囲を被害域として判定する、被害域自動抽出システムである。
被害域候補画素と非被害域候補画素と第1誤認候補又は第2誤認候補画素とに基づいて、本発明のように被害域判定を行うことで、被害後画像データのみを用いる場合よりも精度を向上させることが出来る。
請求項10の発明は、前記被害域自動抽出システムは、前記被害域判定手段で判定した被害域を前記読み込んだ画像データに重ね合わせ、表示装置に出力する、被害域自動抽出システムである。
判定した被害域は、読み込んだ被害後画像データに重ね合わせて表示することによって、どこの部分(地域)で被害が発生しているかを認識することが出来る。
請求項11の発明は、データを記憶する記憶部とプログラムの処理演算を実行する処理演算部とを有しているコンピュータ端末で実行する被害域自動抽出プログラムであって、前記被害域自動抽出プログラムは、前記処理演算部に読み込まれる画像データ読込機能と被害域候補判定機能と非被害域候補判定機能と第1誤認候補判定機能と被害域判定機能とを有しており、前記画像データ読込機能は、被害前画像データと被害後画像データとを読み込み前記記憶部に記憶し、前記被害域候補判定機能は、前記記憶部に記憶した被害後画像データの画素の輝度により被害域候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、前記非被害域候補判定機能は、前記被害後画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより非被害域候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、前記第1誤認候補機能は、前記被害前画像データの画素の輝度により第1誤認候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、前記被害域判定機能は、前記記憶部に記憶した被害後画像データと前記被害域候補画素と前記非被害域候補画素と前記第1誤認候補画素とにより、被害域を判定する、被害域自動抽出プログラムである。
請求項12の発明は、データを記憶する記憶部とプログラムの処理演算を実行する処理演算部とを有しているコンピュータ端末で実行する被害域自動抽出プログラムであって、前記被害域自動抽出プログラムは、前記処理演算部に読み込まれる画像データ読込機能と被害域候補判定機能と非被害域候補判定機能と第2誤認候補判定機能と被害域判定機能とを有しており、前記画像データ読込機能は、被害前画像データと被害後画像データとを読み込み前記記憶部に記憶し、前記被害域候補判定機能は、前記記憶部に記憶した被害後画像データの画素の輝度により被害域候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、前記非被害域候補判定機能は、前記被害後画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより非被害域候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、前記第2誤認候補判定機能は、前記被害前画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより第2誤認候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、前記記憶部に記憶した被害後画像データと前記被害域候補画素と前記非被害域候補画素と前記第2誤認候補画素とにより、被害域を判定する、被害域自動抽出プログラムである。
請求項13の発明は、データを記憶する記憶部とプログラムの処理演算を実行する処理演算部とを有しているコンピュータ端末で実行する被害域自動抽出プログラムであって、前記被害域自動抽出プログラムは、前記処理演算部に読み込まれる画像データ読込機能と被害域候補判定機能と非被害域候補判定機能と第1誤認候補判定機能と第2誤認候補判定機能と被害域判定機能とを有しており、前記画像データ読込機能は、被害前画像データと被害後画像データとを読み込み前記記憶部に記憶し、前記被害域候補判定機能は、前記記憶部に記憶した被害後画像データの画素の輝度により被害域候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、前記非被害域候補判定機能は、前記被害後画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより非被害域候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、前記第1誤認候補機能は、前記被害前画像データの画素の輝度により第1誤認候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、前記第2誤認候補機能は、前記被害前画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより第2誤認候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、前記被害域判定機能は、前記記憶部に記憶した被害後画像データと前記被害域候補画素と前記非被害域候補画素と前記第1誤認候補画素と前記第2誤認候補画素とにより、被害域を判定する、被害域自動抽出プログラムである。
上述の被害域自動抽出システムは、プログラムとしてネットワークからダウンロードされ、それがコンピュータ端末に読み込まれることによって実現されても良い。
請求項14の発明は、データを記憶する記憶部とプログラムの処理演算を実行する処理演算部とを有しているコンピュータ端末で実行する被害域自動抽出プログラムを記録した記録媒体であって、前記被害域自動抽出プログラムは、前記処理演算部に読み込まれる画像データ読込機能と被害域候補判定機能と非被害域候補判定機能と第1誤認候補判定機能と被害域判定機能とを有しており、前記画像データ読込機能は、前記画像データを読み込み前記記憶部に記憶し、前記被害域候補判定機能は、前記記憶部に記憶した画像データの画素の輝度により被害域候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、前記非被害域候補判定機能は、前記画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより非被害域候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、前記第1誤認候補機能は、前記被害前画像データの画素の輝度により第1誤認候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、前記被害域判定機能は、前記記憶部に記憶した被害後画像データと前記被害域候補画素と前記非被害域候補画素と前記第1誤認候補画素とにより、被害域を判定する、被害域自動抽出プログラムを記録した記録媒体である。
請求項15の発明は、データを記憶する記憶部とプログラムの処理演算を実行する処理演算部とを有しているコンピュータ端末で実行する被害域自動抽出プログラムを記録した記録媒体であって、前記被害域自動抽出プログラムは、前記処理演算部に読み込まれる画像データ読込機能と被害域候補判定機能と非被害域候補判定機能と第2誤認候補判定機能と被害域判定機能とを有しており、前記画像データ読込機能は、前記画像データを読み込み前記記憶部に記憶し、前記被害域候補判定機能は、前記記憶部に記憶した画像データの画素の輝度により被害域候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、前記非被害域候補判定機能は、前記画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより非被害域候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、前記第2誤認候補判定機能は、前記被害前画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより第2誤認候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、前記被害域判定機能は、前記記憶部に記憶した被害後画像データと前記被害域候補画素と前記非被害域候補画素と前記第2誤認候補画素とにより、被害域を判定する、被害域自動抽出プログラムを記録した記録媒体である。
請求項16の発明は、データを記憶する記憶部とプログラムの処理演算を実行する処理演算部とを有しているコンピュータ端末で実行する被害域自動抽出プログラムを記録した記録媒体であって、前記被害域自動抽出プログラムは、前記処理演算部に読み込まれる画像データ読込機能と被害域候補判定機能と非被害域候補判定機能と第1誤認候補判定機能と第2誤認候補判定機能と被害域判定機能とを有しており、前記画像データ読込機能は、前記画像データを読み込み前記記憶部に記憶し、前記被害域候補判定機能は、前記記憶部に記憶した画像データの画素の輝度により被害域候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、前記非被害域候補判定機能は、前記画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより非被害域候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、前記第1誤認候補機能は、前記被害前画像データの画素の輝度により第1誤認候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、前記第2誤認候補判定機能は、前記被害前画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより第2誤認候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、前記被害域判定機能は、前記記憶部に記憶した被害後画像データと前記被害域候補画素と前記非被害域候補画素と前記第1誤認候補画素と前記第2誤認候補判定機能とにより、被害域を判定する、被害域自動抽出プログラムを記録した記録媒体である。
上述の被害域自動抽出システムは、そのプログラムを記録した記録媒体がコンピュータ端末に読み込まれることによって実現されても良い。
本発明により、被害後の画像データから自動的に被害域を抽出し、又、被害前の画像データから誤認発生箇所を抽出することで、精度が高い被害域自動抽出システムが可能となる。
本発明の被害域自動抽出システム1のシステム構成の一例を示すシステム構成図を図1に示す。被害域自動抽出システム1は、画像データ読込手段2と被害域候補判定手段3と非被害域候補判定手段4と第1誤認候補判定手段5と第2誤認候補判定手段6と被害域判定手段7と画像データ出力手段8とを有している。
画像データ読込手段2は、人工衛星や航空機等により撮像した被害後の画像データを被害後画像データとして、被害前の画像データを被害前画像データとして、被害域自動抽出システム1に読み込む手段である。尚、画像データ読込手段2で読み込む画像データは、人工衛星や航空機等により撮像した画像データをそのまま読み込んでも良いし、システム補正、オルソ補正、精密幾何補正を施した後の画像データであっても良い。人工衛星や航空機等により撮像した場合、地球の自転、地球の湾曲、衛星の姿勢変化等によって画像データに歪みが発生しているので、それを補正した方が画像データとして扱いやすいからである。又、撮像した対象物の高さについても、歪みが発生しているので、それを正射投影に対する投射位置誤差を補正する補正処理(オルソ補正)を行うことによって、画像データとしてより扱いやすいものとなる。
被害域候補判定手段3は、画像データ読込手段2で読み込んだ被害後画像データから、被害域(被害が発生している領域)の画素候補を判定する手段である。
具体的には、被害後画像データ内の画素を中心として、所定範囲(例えば15m四方相当部分の画像範囲)を部分画像として選択し、部分画像内の輝度(単位面積あたりの光束の量。一定の広さ部分の明るさのこと。アスキーデジタル用語辞典、http://yougo.ascii24.com)をレベルスライス(各輝度のレベルに応じて振り分ける)し、そのヒストグラムを作成する。図7にヒストグラムの一例を示す。このヒストグラムから最頻度値、輝度の最大値と最小値の差(輝度幅)を算出する。そして最頻度値が所定の閾値(例えば部分画像内の画素数の12%)より小さく、且つ輝度幅が所定の2つの閾値の範囲内(例えば500以上、2048以下)にあれば、その中心画素を被害域候補画素として判定する。尚、以下の実施例では部分画像の中心画素を被害域候補画素とする場合を説明するが、部分画像内の一又は複数の任意の画素であっても良い。
輝度の最頻度の画素数が所定の閾値以下であることは、部分画像に於いて特定の輝度が突出していないことを示しており、上述のように、これが被害域の候補であることの一つの条件となる。輝度幅が所定の範囲内にあることは、極端に輝度の変化がないことを示している。つまり、被害が発生していない建造物等であれば、部分画像内に於いて輝度幅に変化は少ない(同一の建造物等であるので、その屋根や壁等は同一の明るさ、それに類似する明るさであることが想定される)。逆に言えば、部分画像内に於いて輝度幅に変化が大きい場合、それは屋根や壁等が被害を受けたことによって、部分画像内に様々な明るさが含まれていると考えられる。そうすると、その部分画像の画素は、被害域の候補の可能性があることを示唆することとなる。そしてこの2つの条件を満たした場合に、その部分画像に於ける画素を被害域の候補画素として判定することが出来る。
被害域候補の概念を図16に示す。図16(a)は被害を受けていない建造物であり、図16(b)は被害を受けている建造物である。そして図16(c)は図16(a)の被害を受けていない建造物の各輝度毎のヒストグラムであり、図16(d)は図16(b)の被害を受けた建造物の各輝度毎のヒストグラムである。被害を受けていない建造物の場合、上述のように、所定の輝度の頻度が高くなり、且つ輝度の分布のばらつきが少ない。一方、被害を受けた建造物の場合、上述のように、突出した輝度はなくなり、各輝度にばらつきが見られる。その為、このように輝度に基づいて被害域候補画素の判定が可能となる。
非被害域候補判定手段4は、画像データ読込手段2で読み込んだ被害後画像データから、非被害域(被害が発生していない領域)の画素候補を判定する手段である。
具体的には、被害後画像データから輝度の不連続な部分をエッジとして抽出し、エッジ強度(エッジ強度とは、隣接する画素の輝度差を言う)が所定の閾値以上(例えば0.08以上)のエッジだけを残し、それに対して細線化処理を行う。尚、細線化処理とは、2値画像に含まれる各種の連結図形に対し、連結性を失うことなく線幅が1の線図形とする処理である。細線化処理を行った画像(細線化処理画像)に対して、細線化されたエッジが連続している画素数を調べ、所定の閾値以上(例えば10画素以上)に連続しているエッジのみを抽出し、それ以外はエッジから除去する。そして被害後画像データ内の画素を中心として、所定範囲(例えば15m四方相当部分の画像範囲)を部分画像として選択し、その部分画像内にエッジとして存在する画素の数を調べる。この際に、エッジの各点に於ける方向が、ある一定の方向に向いている画素の数のみを数え、各点の方向が分散しているエッジは除外する。このようにして数えたエッジの数が所定の閾値以上(部分画像内の画素数の1%以上)であれば、部分画像の中心画素を非被害域候補画素として判定する。尚、以下の実施例では部分画像の中心画素を非被害域候補画素とする場合を説明するが、部分画像内の一又は複数の任意の画素であっても良い。
尚、上述の方向性の判定は、以下のように行えば良い。まず、部分画像内の所定の長さ以上を有するエッジを構成する全部又はその連続する一部の画素を抽出する。そしてある画素とその隣り合う画素の位置関係、即ち、上方向、右上方向、右方向、右下方向、下方向、左下方向、左方向、左上方向のいずれか、を判定する。その位置関係の判定を、抽出した隣り合う各画素同士について行う。そして隣り合う画素同士の位置関係のうち、どの位置関係が最も多いか(最頻度方向)を算出し、それが所定の閾値以上であれば、一定の方向性を有すると判定する。つまり、隣り合う各画素同士の位置関係を調べれば、隣り合う画素間の方向が分かる。そしてエッジは隣り合う各画素同士の連続性で構成されていることから、エッジに於ける最頻度方向を算出し、且つ最頻度方向が所定の閾値以上であれば、エッジ全体がどの方向性を有しているかが分かる。
非被害域候補の概念を図17に示す。図17(a)は被害を受けていない建造物であり、図17(b)は被害を受けている建造物である。図17(a)の被害を受けていない建造物のエッジは、その建造物の輪郭がはっきりしているので、所定の長さ、方向性を有しているが、図17(b)の被害を受けた建造物のエッジは、その建造物が倒壊したことにより、輪郭がはっきりせず、所定の長さ、方向性を有していない。その為、このようにエッジに基づいて非被害域候補画素の判定が可能となる。
第1誤認候補判定手段5は、画像データ読込手段2で読み込んだ被害前画像データから、画素の輝度に基づいて、第1誤認候補画素を判定する手段である。
具体的には、被害域候補判定手段3と同様な処理を行う。即ち、被害前画像データ内の画素を中心として、所定範囲(例えば15m四方相当部分の画像範囲)を部分画像として選択し、部分画像内の輝度をレベルスライス(各輝度のレベルに応じて振り分ける)し、そのヒストグラム(図6)を作成する。このヒストグラムから最頻度値、輝度の最大値と最小値の差(輝度幅)を算出する。そして最頻度値が所定の閾値(例えば部分画像内の画素数の12%)より小さく、且つ輝度幅が所定の2つの閾値の範囲内(例えば500以上、2048以下)にあれば、その画素を第1誤認候補画素として判定する。尚、以下の実施例では部分画像の中心画素を第1誤認候補画素とする場合を説明するが、部分画像内の一又は複数の任意の画素であっても良い。
このように第1誤認候補判定手段5で、被害域候補判定手段3と同様の処理をすることで、誤認候補を判定できるのは、以下の理由による。つまり画像データの撮影対象物の特性(画像データの解像度に対する対象物の大きさや密集の仕方等)によって、被害後画像データから被害域として誤認される場合、同様の処理を被害前画像データを用いても被害域として判定される部分がある。しかし被害前の画像データでは、実際には被害域があるはずがないので、それは誤認と考えられる。そうすると、誤認した第1誤認候補画素の数は、被害後の画像データの被害域候補画素の数よりは少ないと考えられる。逆に言えばこの関係が成立してなければそれは誤認として排除することが出来るので、これにより誤認率を低減させている。
第2誤認候補判定手段6は、画像データ読込手段2で読み込んだ被害前画像データから、画素のエッジに基づいて、第2誤認候補画素を判定する手段である。
具体的には、非被害域候補判定手段4と同様な処理を行う。即ち、被害前画像データから輝度の不連続な部分をエッジとして抽出し、エッジ強度が所定の閾値以上(例えば0.08以上)のエッジだけを残し、それに対して細線化処理を行う。細線化処理を行った画像(細線化処理画像)に対して、細線化されたエッジが連続している画素数を調べ、所定の閾値以上(例えば10画素以上)に連続しているエッジのみを抽出し、それ以外はエッジから除去する。そして被害前画像データ内の画素を中心として、所定範囲(例えば15m四方相当部分の画像範囲)を部分画像として選択し、その部分画像内にエッジとして存在する画素の数を調べる。この際に、エッジの各点に於ける方向が、ある一定の方向に向いている画素の数のみを数え、各点の方向が分散しているエッジは除外する。このようにして数えたエッジの数が所定の閾値以上(例えば部分画像内の画素数の10%以上)であれば、部分画像の中心画素を第2誤認候補画素として判定する。尚、以下の実施例では部分画像の中心画素を第2誤認候補画素とする場合を説明するが、部分画像内の一又は複数の任意の画素であっても良い。
このように第2誤認候補判定手段6で、非被害域候補判定手段4と同様の処理をすることで、誤認候補を判定できるのは、以下の理由による。つまり画像データの撮影対象物の特性(画像データの解像度に対する対象物の大きさや密集の仕方等)によって、被害後画像データから非被害域として誤認される場合、同様の処理を被害前画像データを用いると非被害域として判定される部分がある。そして、被害前画像データの非被害域(第2誤認候補)の方が、被害後画像データの非被害域候補よりも多いはずである。そうすると、逆に言えばこの関係が成立していなければそれは誤認であると考えられる。
尚、上述の第1誤認候補判定手段5及び第2誤認候補判定手段6は、被害域自動抽出システム1にいずれかが備えられていればよいが、双方あることによって、精度を向上させることが出来る。
被害域判定手段7は、被害域候補判定手段3で判定した被害域候補画素と、非被害域候補判定手段4で判定した非被害域候補画素と、第1誤認候補判定手段5で判定した第1誤認候補と、第2誤認候補判定手段6で判定した第2誤認候補とに基づいて、被害域を判定する手段である。
具体的には、被害後画像データ内の画素を中心として、所定範囲(例えば15m四方相当部分の画像範囲)を部分画像として選択し、被害域候補画素の数が所定の閾値以上(例えば部分画像内の画素数の20%以上)で、且つ非被害域候補画素の数が所定の閾値以下(例えば部分画像内の画素数の25%以下)であって、更に第1誤認候補画素の数が所定の閾値以下(例えば部分画像内の画素数の10%以下)であり、第2誤認候補がその数が所定の閾値以上(例えば部分画像内の画素数の25%以上)である場合、その画素を中心とした所定の範囲を、被害域として判定する。尚、以下の実施例では部分画像の中心画素を中心とした所定範囲を被害域とする場合を説明するが、部分画像内の一又は複数の任意の画素を中心とした所定範囲を被害域としても良い。又、被害域の判定には、第1誤認候補画素、第2誤認候補画素の双方を利用しているが、いずれか一方のみであっても良い。
又、被害域候補画素の閾値を閾値A、非被害域候補画素の閾値を閾値B、第1誤認候補画素の閾値を閾値C、第2誤認候補画素の閾値を閾値Dとする。被害前画像データでは、実際は被害が発生しているはずがないので、本来ならばそれに対する輝度の分析の結果抽出される第1誤認候補画素は判定されない。しかし実際はノイズや撮像された対象物の影響等の様々な理由から第1誤認候補画素が複数判定される。しかし、その数は被害域候補画素よりは少なくなると考えられる。即ち被害域として判定される部分画像では、「被害域候補画素の数>第1誤認候補画素の数」の関係が成立すると考えられる。
一方、同様に被害前画像データに対するエッジの分析の結果抽出される第2誤認候補画素は、建造物等が倒壊する(被害を受ける)とその数は減るはずである。従って、被害前画像データから判定した第2誤認候補画素の数より、被害後画像データから判定した非被害域候補画素の数の方が少なくなると考えられる。即ち、被害域として判定される部分画像では、「非被害域候補画素の数<第2誤認候補画素の数」の関係が成立すると考えられる。
従って少なくとも、閾値Aは当該部分画像に於ける第1誤認候補画素の数、閾値Bは当該部分画像に於ける第2誤認候補画素の数、閾値Cは当該部分画像に於ける被害域候補画素の数、閾値Dは当該部分画像に於ける非被害域候補画素の数を満たしていればよい。そうすると、被害域判定手段7での被害域の判定は、「被害域候補画素の数>第1誤認候補画素の数」と「非被害域候補画素の数<第2誤認候補画素の数」の2つを満たす場合に、部分画像内の一又は複数の任意の画素を中心とした所定範囲を被害域とすることが出来る。
より精度を上げる為には、上述のように、「被害域候補画素の数≧閾値A、非被害域候補画素の数≦閾値B、第1誤認候補画素の数≦閾値C、第2誤認候補の数≧閾値D(但し、閾値A≦閾値C、閾値D≦閾値B)」とすると良い。
画像データ出力手段8は、画像データ読込手段2で読み込んだ被害後画像データに、被害域判定手段7で判定した被害域を重ね合わせ、表示装置等に出力する手段である。
次に本発明の被害域自動抽出システム1の処理の流れの一例を図2から図6のフローチャート図と図1のシステム構成図とを用いて説明する。
人工衛星や航空機で撮像した被害前の画像データ(被害前画像データ)と被害後の画像データ(被害後画像データ)とを画像データ読込手段2で被害域自動抽出システム1に取り込む。(S100)。この取り込んだ被害後画像データは、コンピュータ端末のメモリ、キャッシュ、ハードディスク等の記憶部に記憶される。この被害後画像データの一例を図8に示す。
次に記憶部に記憶した被害後画像データから、輝度情報に基づいて被害域候補画素の判定処理を被害域候補判定手段3が実行する(S200)。
被害域候補画素の判定処理(S200)は、まず、被害後画像データ内の画素を中心として、所定範囲(例えば15m四方相当部分の画像範囲)を部分画像として選択し(S210)、部分画像内の輝度をレベルスライス(各輝度のレベルに応じて振り分ける)する(S230)。部分画像内の各画素の輝度をレベルスライスした後、そのヒストグラムを図7に示すように作成する(S230)。尚、実際にヒストグラムとしてグラフ化されていなくても、各輝度毎にその輝度を有する画素がいくつあるかの、対応関係を示すものをヒストグラムとする。
そして輝度とその輝度を有する画素の数の対応関係から、画素数が最も多い輝度を最頻度値とし、又、輝度の最大値と最小値の差を輝度幅として算出する(S240)。
S240で算出した最頻度値と輝度幅とに基づいて、最頻度値が所定の閾値以下(例えば部分画像内の画素数の12%以下)であり、且つ輝度幅が所定の範囲内(例えば500以上、2048以下)にあれば(S250)、その部分画像の中心画素を被害域候補画素として判定する(S260)。判定した被害域候補画素は、上述の記憶部に記憶する。
被害域候補画素の判定を行った場合、又はS250の条件を満たさなければ、次の部分画像に対して、S230からS260の処理を実行する(S270)。これを、中心とする画素が一定間隔毎(例えば4画素毎)の全ての部分画像に対して実行するまで反復する(S220)。
被害域候補画素を判定後、非被害域候補判定手段4は、記憶部に記憶した被害後画像データから、エッジ情報に基づいて、非被害域候補画素の判定処理を実行する(S300)。
非被害域候補画素の判定処理(S300)は、まず、被害後画像データの画素に対して、その輝度が不連続な部分をエッジとして抽出する(S310)。図8の被害後画像データからエッジを抽出した場合の画像データを図9に示す。そしてS310に於いてエッジを抽出した画像データから、エッジ強度が所定の閾値以上(例えば0.08以上)のエッジだけを抽出する(S320)。この場合の画像データを図10に示す。
S320で抽出した強度の大きなエッジを抽出した画像データに対して、細線化処理を行う(S330)。図10の画像データに対して細線化処理を施した細線化処理画像データを図11に示す。
細線化処理画像データに対して、細線化されたエッジが連続している画素数を調べ、その数が所定の閾値以上(例えば10画素以上)に連続しているエッジのみを抽出し、それ以外のエッジは除去する(S340)。つまり細線化処理画像データから、所定の閾値以上(例えば10画素以上)に長いエッジのみを抽出することとなる。この場合の画像データを図12に示す。
次に、被害後画像データ内の画素を中心として、所定範囲(例えば15m四方相当部分の画像範囲)を部分画像として選択し、S340で作成した画像データと対比させ、その部分画像内にエッジとして存在する画素の数をカウントする。この際に、エッジの各点に於ける方向が、ある一定の方向に向いている画素の数のみを数え、各点の方向が分散しているエッジは除去する(S360)。
このようにして数えたエッジの数が所定の閾値以上(例えば部分画像内の画素数の1%以上)であれば(S370)、部分画像の中心画素を非被害域候補画素として判定する(S380)。判定した非被害域候補画素は、上述の記憶部に記憶する。
非被害域候補画素の判定を行った場合、又はS370の条件を満たさなければ、次の部分画像に対して、S360からS380の処理を実行する(S390)。これを、中心とする画素が一定間隔毎(例えば1画素毎)の全ての部分画像に対して実行するまで反復する(S350)。図11の画像データから抽出した、一定方向に向いたエッジを抽出した画像データを図12に示す。
このように、単にエッジを抽出しただけの画像データでは、様々なノイズや建造物倒壊による瓦礫によるエッジも抽出されてしまうが、エッジ強度、エッジを構成するがその連続する長さ、エッジの方向によって選別することによって、上述のノイズや瓦礫等によるエッジは除去され、建造物としての構造がはっきり残っているものだけを非被害候補として抽出することが出来る。
非被害域候補判定手段4によるS300の判定処理後、第1誤認候補判定手段5は、被害前画像データに基づいて、第1誤認候補画素を判定する(S400)。
具体的には、被害域候補判定手段3と同様な処理を行う。即ち、被害前画像データ内の画素を中心として、所定範囲(例えば15m四方相当部分の画像範囲)を部分画像として選択し(S410)、部分画像内の輝度をレベルスライス(各輝度のレベルに応じて振り分ける)し、そのヒストグラム(図7)を作成する(S430)。このヒストグラムから最頻度値、輝度の最大値と最小値の差(輝度幅)を算出する(S440)。そして最頻度値が所定の閾値(例えば部分画像内の画素数の12%)より小さく、且つ輝度幅が所定の2つの閾値の範囲内(例えば500以上、2048以下)にあれば(S450)、その画素を第1誤認候補画素として判定する(S460)。判定した第1誤認候補画素は、上述の記憶部に記憶する。
第1誤認候補画素の判定を行った場合、又はS450の条件を満たさなければ、次の部分画像に対して、S430からS460の処理を実行する(S470)。これを、中心とする画素が一定間隔毎(例えば4画素毎)の全ての部分画像に対して実行するまで反復する(S420)。
第1誤認候補判定手段5によるS400の判定処理後、第2誤認候補判定手段6は、被害前画像データに基づいて、第2誤認候補画素を判定する(S500)。
具体的には、非被害域候補判定手段4と同様な処理を行う。即ち、被害前画像データから輝度の不連続な部分をエッジとして抽出し(S510)、エッジ強度が所定の閾値以上(例えば0.08以上)のエッジだけを残し(S520)、それに対して細線化処理を行う(S530)。細線化処理を行った画像(細線化処理画像)に対して、細線化されたエッジが連続している画素数を調べ、所定の閾値以上(例えば10画素以上)に連続しているエッジのみを抽出し、それ以外はエッジから除去する(S540)。そして被害前画像データ内の画素を中心として、所定範囲(例えば15m四方相当部分の画像範囲)を部分画像として選択し、その部分画像内にエッジとして存在する画素の数を調べる。この際に、エッジの各点に於ける方向が、ある一定の方向に向いている画素の数のみを数え、各点の方向が分散しているエッジは除外する(S560)。このようにして数えたエッジの数が所定の閾値以上(例えば部分画像内の画素数の1%以上)であれば(S570)、部分画像の中心画素を第2誤認候補画素として判定する(S580)。判定した第2誤認候補画素は、上述の記憶部に記憶する。
第2誤認候補画素の判定を行った場合、又はS570の条件を満たさなければ、次の部分画像に対して、S560からS580の処理を実行する(S590)。これを、中心とする画素が一定間隔毎(例えば1画素毎)の全ての部分画像に対して実行するまで反復する(S550)。
以上のような処理プロセスによって、被害域候補画素、非被害域候補画素、第1誤認候補画素、第2誤認候補画素を判定後、被害域判定手段7は、記憶部に記憶した被害後画像データと被害域候補画素と非被害域候補画素と第1誤認候補画素と第2誤認候補画素とに基づいて、被害域判定処理を実行する(S600)。
具体的には、被害後画像データ内の画素を中心として、所定範囲(例えば15m四方相当部分の画像範囲)を部分画像として選択し、被害域候補画素の数が所定の閾値以上(例えば部分画像内の画素数の20%以上)で、且つ非被害域候補画素の数が所定の閾値以下(例えば部分画像内の画素数の25%以下)であって、更に第1誤認候補画素の数が所定の閾値以下(例えば部分画像内の画素数の10%以下)であり、第2誤認候補がその数が所定の閾値以上(例えば部分画像内の画素数の25%以上)である場合、その画素を中心とした所定の範囲を、被害域として判定する。
このような処理プロセスを経ることによって、被害域自動抽出システム1は、人工衛星や航空機により撮像した画像データ(被害後画像データ)から、自動的に被害域を判定することが可能となり、又、更に被害前画像データから誤認可能性のある画素を判定していることによって、誤認率も下げることが可能となる。
そして画像データ出力手段8は、被害域判定手段7で判定した被害域を被害後画像データに重ね合わせることによって、ディスプレイ等の表示装置に出力する(S610)。
尚、被害域自動抽出システム1に於いて、予め被害前画像データ、被害後画像データに対して、植生域、水域、雲域、影域と見なすことが出来る画素については、事前にマスク処理を行い、被害域判定を行わないこととしても良い。
輝度のみによる被害域の画素候補の判定の場合では、輝度による特徴量が同じ値であっても、実際に被害域である場合と、例えば輝度の異なる複数の建造物が密集しているような場合があり、このような場合には被害域の誤認が生ずる可能性がある。又、エッジによる特徴量が同じ値であっても、例えば被害域に影が出来ていて、その影のエッジが特徴量に反映される場合と、非被害域で建造物によるエッジが反映される場合とがあり、このような場合にも非被害域の誤認が生ずる可能性がある。
一方、上述したように本発明では、輝度による被害域の画素候補の判定とエッジによる非被害域の画素候補の判定とを併用している。これによって、例えば異なる複数の建造物が密集している場合では、建造物のエッジによってエッジの特徴量が非被害を示したり、又、被害域に於いて影がある場合では輝度の特徴量が被害であることを示したりするので、輝度のみ、エッジのみによる判定よりも、非被害域の判定精度の向上を図ることが出来る。この概念図を図14に示す。
本発明の被害域自動抽出システム1を用いた実例を図15に示す。図15(a)は被害前画像データであり、図15(b)は被害前画像データを用いずに被害後画像データのみで被害域を自動抽出した結果であり、図15(c)は被害後画像データと被害前画像データを用いて被害域を自動抽出した結果(即ち本発明を用いた場合)である。
このように被害前の画像データを用いない場合では誤判定されていた領域を、被害前の画像データを用いることによって除外することが出来、精度の向上を図ることが出来る。
尚、上述の実施例では、被害前画像データから誤認候補画素を判定する際に、画素の輝度に基づく第1誤認候補と、エッジに基づく第2誤認候補の2つを用いた場合を説明したが、そのうちのいずれかのみを用いても良い。
又、上述した被害域自動抽出システム1の処理の内容を記録した被害域自動抽出プログラムがCD−ROMやDVD等の記録媒体に記録され、それがコンピュータ端末に読み込まれることによって、被害域自動抽出システム1を実現しても良い。又、当該被害域自動抽出プログラムが所定のサーバからネットワークを介してコンピュータ端末にダウンロードされることで、コンピュータ端末に読み込まれ、被害域自動抽出システム1を実現しても良い。
この場合被害域自動抽出プログラムは、画像データ読込手段2をコンピュータ端末で実行する機能(モジュールやプログラム。以下同様)と、被害域候補判定手段3をコンピュータ端末で実行する機能と、非被害域候補判定手段4をコンピュータ端末で実行する機能と、被害域判定手段7をコンピュータ端末で実行する機能と、第1誤認候補判定手段5をコンピュータ端末で実行する機能と、第2誤認候補判定手段6をコンピュータ端末で実行する機能と、画像データ出力手段8をコンピュータ端末で実行する機能とを有している。
この被害域自動抽出プログラムを記録した記録媒体がコンピュータ端末にセットされ、それがコンピュータ端末に読み込まれることによって、上述の各機能がコンピュータ端末の処理演算部(CPUやレジスタ等の演算装置)に読み込まれる。そして、処理演算部に読み込まれた画像データ読込手段2は、被害域自動抽出システム1で読み込んだ被害前画像データと被害後画像データを、コンピュータ端末の記憶部(メモリやキャッシュ、ハードディスク等)に記憶する。そして処理演算部に読み込まれた被害域候補判定手段3と非被害域候補判定手段4は、記憶部に記憶した被害後画像データに基づいて、被害域候補画素と非被害域候補画素とを判定し、それらを記憶部に記憶する。又、処理演算部に読み込まれた第1誤認候補判定手段5と第2誤認候補判定手段6は、記憶部に記憶した被害前画像データに基づいて、第1誤認候補画素と第2誤認候補画素とを判定し、それらを記憶部に記憶する。そして、処理演算部に読み込まれた被害域判定手段7が、記憶部に記憶した被害後画像データと被害域候補画素と非被害域候補画素と第1誤認候補画素と第2誤認候補画素とに基づいて被害域の判定を行い、それを画像データ出力手段8が、被害後画像データに重ね合わせて出力することによって、コンピュータ端末のディスプレイ等の表示装置に於いて、被害域の自動判定の結果を確認することが出来る。
当該被害域自動抽出プログラムがネットワークからコンピュータ端末にダウンロードされた場合も、被害域自動抽出プログラムが記録された記録媒体をコンピュータ端末で実行する場合と同様である。
本発明に於ける各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上は同一の領域を為していても良い。
尚、本発明を実施するにあたり本実施態様の機能を実現するソフトウェアのプログラムを記録した記憶媒体をシステムに供給し、そのシステムのコンピュータが記憶媒体に格納されたプログラムを読み出し実行することによって実現されることは当然である。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラム自体が前記した実施態様の機能を実現することとなり、そのプログラムを記憶した記憶媒体は本発明を当然のことながら構成することになる。
プログラムを供給する為の記憶媒体としては、例えば磁気ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等を使用することができる。
又、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、上述した実施態様の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステムなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前記した実施態様の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わる不揮発性あるいは揮発性の記憶手段に書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、機能拡張ボードあるいは機能拡張ユニットに備わる演算処理装置などが実際の処理の一部あるいは全部を行い、その処理により前記した実施態様の機能が実現される場合も含まれることは当然である。
上述したように、被害後画像データだけでは除去できない誤認とされる領域を、被害前画像データを併用することによって除去でき、被害後画像データのみを用いた場合よりもより精度の良い抽出結果を得ることが出来る。
本発明のシステム構成の一例を示すシステム構成図である。 本発明の全体処理のプロセスの一例を示すフローチャート図である。 本発明の被害域候補画素の判定のプロセスの一例を示すフローチャート図である。 本発明の非被害域候補画素の判定のプロセスの一例を示すフローチャート図である。 本発明の第1誤認候補画素の判定のプロセスの一例を示すフローチャート図である。 本発明の第2誤認候補画素の判定のプロセスの一例を示すフローチャート図である。 ヒストグラムの一例である。 被害後画像データの一例である。 被害後画像データからエッジを抽出した場合の画像データ一例である。 エッジ強度が所定の閾値以上のエッジだけを抽出した場合の画像データの一例である。 細線化処理を施した場合の画像データの一例である。 所定の閾値以上に長いエッジのみを抽出するした場合の画像データの一例である。 一定方向に向いたエッジを抽出した場合の画像データの一例である。 本発明の概念図である。 本発明の被害域自動抽出システムを用いた実例である。 被害域候補の概念を示す概念図である。 非被害域候補の概念を示す概念図である。
符号の説明
1:被害域自動抽出システム
2:画像データ読込手段
3:被害域候補判定手段
4:非被害域候補判定手段
5:第1誤認候補判定手段
6:第2誤認候補判定手段
7:被害域判定手段
8:画像データ出力手段

Claims (16)

  1. 撮像された画像データから自然災害や人的災害の被害域を自動抽出する被害域自動抽出システムであって、
    被害前画像データと被害後画像データを読み込む画像データ読込手段と、
    前記被害後画像データの画素の輝度により被害域候補画素を判定する被害域候補判定手段と、
    前記被害後画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより非被害域候補画素を判定する非被害域候補判定手段と、
    前記被害前画像データの画素の輝度により第1誤認候補画素を判定する第1誤認候補判定手段と、
    前記被害後画像データと前記被害域候補画素と前記非被害域候補画素と第1誤認候補画素とにより、被害域を判定する被害域判定手段と、
    を有することを特徴とする被害域自動抽出システム。
  2. 撮像された画像データから自然災害や人的災害の被害域を自動抽出する被害域自動抽出システムであって、
    被害前画像データと被害後画像データを読み込む画像データ読込手段と、
    前記被害後画像データの画素の輝度により被害域候補画素を判定する被害域候補判定手段と、
    前記被害後画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより非被害域候補画素を判定する非被害域候補判定手段と、
    前記被害前画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより第2誤認候補画素を判定する第2誤認候補判定手段と、
    前記画像データと前記被害域候補画素と前記非被害域候補画素と第2誤認候補画素とにより、被害域を判定する被害域判定手段と、
    を有することを特徴とする被害域自動抽出システム。
  3. 撮像された画像データから自然災害や人的災害の被害域を自動抽出する被害域自動抽出システムであって、
    被害前画像データと被害後画像データを読み込む画像データ読込手段と、
    前記被害後画像データの画素の輝度により被害域候補画素を判定する被害域候補判定手段と、
    前記被害後画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより非被害域候補画素を判定する非被害域候補判定手段と、
    前記被害前画像データの画素の輝度により第1誤認候補画素を判定する第1誤認候補判定手段と、
    前記被害前画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより第2誤認候補画素を判定する第2誤認候補判定手段と、
    前記被害後画像データと前記被害域候補画素と前記非被害域候補画素と第1誤認候補画素と第2誤認候補画素とにより、被害域を判定する被害域判定手段と、
    を有することを特徴とする被害域自動抽出システム。
  4. 前記被害域候補判定手段は、
    前記被害後画像データに於いて、前記画素を中心とする所定範囲の部分画像を設定し、前記各部分画像に於いて、前記部分画像内で、各輝度毎にその輝度を有する画素数の対応関係を作成し、前記対応関係から最頻度の画素と、前記輝度の最小値と最大値の幅を輝度幅として算出し、前記最頻度の画素数が所定の閾値以下であり、且つ前記輝度幅が所定の範囲内にある前記部分画像の一又は複数の画素を被害域候補画素として判定する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の被害域自動抽出システム。
  5. 前記非被害域候補判定手段は、
    前記被害後画像データに於いて、前記輝度が不連続な画素をエッジとして抽出し、前記エッジの強度が所定の閾値以上のエッジに対して細線化し、前記被害後画像データに於ける画素を中心とする所定範囲の部分画像を設定し、前記各部分画像に於いて、前記部分画像内で、前記細線化したエッジが所定の長さ以上連続しており、且つ一定の方向性を有している画素数が所定の閾値以上の、前記部分画像の一又は複数の画素を非被害域候補画素として判定する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の被害域自動抽出システム。
  6. 前記第1誤認候補判定手段は、
    前記被害前画像データの画素を中心とする所定範囲の部分画像を設定し、前記各部分画像に於いて、前記部分画像内で、各輝度毎にその輝度を有する画素数の対応関係を作成し、前記対応関係から最頻度の画素と、前記輝度の最小値と最大値の幅を輝度幅として算出し、前記最頻度の画素数が所定の閾値以下であり、且つ前記輝度幅が所定の範囲内にある前記部分画像の一又は複数の画素を第1誤認候補画素として判定する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の被害域自動抽出システム。
  7. 前記第2誤認候補判定手段は、
    前記被害前画像データに於いて、前記輝度が不連続な画素をエッジとして抽出し、前記エッジの強度が所定の閾値以上のエッジに対して細線化し、前記被害前画像データに於ける画素を中心とする所定範囲の部分画像を設定し、前記各部分画像に於いて、前記部分画像内で、前記細線化したエッジが所定の長さ以上連続しており、且つ一定の方向性を有している画素数が所定の閾値以上の、前記部分画像の一又は複数の画素を第2誤認候補画素として判定する、
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の被害域自動抽出システム。
  8. 前記被害域判定手段は、
    前記被害後画像データの画素を中心とする所定範囲の部分画像を設定し、前記各部分画像に於いて、前記部分画像内の被害域候補画素数が所定の閾値以上で、且つ非被害域候補画素数が所定の閾値以下であって、更に前記第1誤認候補画素が所定の閾値以下の、前記部分画像の一又は複数の画素の一定範囲を被害域として判定する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の被害域自動抽出システム。
  9. 前記被害域判定手段は、
    前記被害後画像データの画素を中心とする所定範囲の部分画像を設定し、前記各部分画像に於いて、前記部分画像内の被害域候補画素数が所定の閾値以上で、且つ非被害域候補画素数が所定の閾値以下であって、更に前記第2誤認候補画素が所定の閾値以上の、前記部分画像の一又は複数の画素の一定範囲を被害域として判定する、
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の被害域自動抽出システム。
  10. 前記被害域自動抽出システムは、
    前記被害域判定手段で判定した被害域を前記読み込んだ画像データに重ね合わせ、表示装置に出力する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の被害域自動抽出システム。
  11. データを記憶する記憶部とプログラムの処理演算を実行する処理演算部とを有しているコンピュータ端末で実行する被害域自動抽出プログラムであって、前記被害域自動抽出プログラムは、前記処理演算部に読み込まれる画像データ読込機能と被害域候補判定機能と非被害域候補判定機能と第1誤認候補判定機能と被害域判定機能とを有しており、
    前記画像データ読込機能は、
    被害前画像データと被害後画像データとを読み込み前記記憶部に記憶し、
    前記被害域候補判定機能は、
    前記記憶部に記憶した被害後画像データの画素の輝度により被害域候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、
    前記非被害域候補判定機能は、
    前記被害後画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより非被害域候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、
    前記第1誤認候補機能は、
    前記被害前画像データの画素の輝度により第1誤認候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、
    前記被害域判定機能は、
    前記記憶部に記憶した被害後画像データと前記被害域候補画素と前記非被害域候補画素と前記第1誤認候補画素とにより、被害域を判定する、
    ことを特徴とする被害域自動抽出プログラム。
  12. データを記憶する記憶部とプログラムの処理演算を実行する処理演算部とを有しているコンピュータ端末で実行する被害域自動抽出プログラムであって、前記被害域自動抽出プログラムは、前記処理演算部に読み込まれる画像データ読込機能と被害域候補判定機能と非被害域候補判定機能と第2誤認候補判定機能と被害域判定機能とを有しており、
    前記画像データ読込機能は、
    被害前画像データと被害後画像データとを読み込み前記記憶部に記憶し、
    前記被害域候補判定機能は、
    前記記憶部に記憶した被害後画像データの画素の輝度により被害域候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、
    前記非被害域候補判定機能は、
    前記被害後画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより非被害域候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、
    前記第2誤認候補判定機能は、
    前記被害前画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより第2誤認候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、
    前記記憶部に記憶した被害後画像データと前記被害域候補画素と前記非被害域候補画素と前記第2誤認候補画素とにより、被害域を判定する、
    ことを特徴とする被害域自動抽出プログラム。
  13. データを記憶する記憶部とプログラムの処理演算を実行する処理演算部とを有しているコンピュータ端末で実行する被害域自動抽出プログラムであって、前記被害域自動抽出プログラムは、前記処理演算部に読み込まれる画像データ読込機能と被害域候補判定機能と非被害域候補判定機能と第1誤認候補判定機能と第2誤認候補判定機能と被害域判定機能とを有しており、
    前記画像データ読込機能は、
    被害前画像データと被害後画像データとを読み込み前記記憶部に記憶し、
    前記被害域候補判定機能は、
    前記記憶部に記憶した被害後画像データの画素の輝度により被害域候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、
    前記非被害域候補判定機能は、
    前記被害後画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより非被害域候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、
    前記第1誤認候補機能は、
    前記被害前画像データの画素の輝度により第1誤認候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、
    前記第2誤認候補機能は、
    前記被害前画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより第2誤認候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、
    前記被害域判定機能は、
    前記記憶部に記憶した被害後画像データと前記被害域候補画素と前記非被害域候補画素と前記第1誤認候補画素と前記第2誤認候補画素とにより、被害域を判定する、
    ことを特徴とする被害域自動抽出プログラム。
  14. データを記憶する記憶部とプログラムの処理演算を実行する処理演算部とを有しているコンピュータ端末で実行する被害域自動抽出プログラムを記録した記録媒体であって、前記被害域自動抽出プログラムは、前記処理演算部に読み込まれる画像データ読込機能と被害域候補判定機能と非被害域候補判定機能と第1誤認候補判定機能と被害域判定機能とを有しており、
    前記画像データ読込機能は、
    前記画像データを読み込み前記記憶部に記憶し、
    前記被害域候補判定機能は、
    前記記憶部に記憶した画像データの画素の輝度により被害域候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、
    前記非被害域候補判定機能は、
    前記画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより非被害域候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、
    前記第1誤認候補機能は、
    前記被害前画像データの画素の輝度により第1誤認候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、
    前記被害域判定機能は、
    前記記憶部に記憶した被害後画像データと前記被害域候補画素と前記非被害域候補画素と前記第1誤認候補画素とにより、被害域を判定する、
    ことを特徴とする被害域自動抽出プログラムを記録した記録媒体。
  15. データを記憶する記憶部とプログラムの処理演算を実行する処理演算部とを有しているコンピュータ端末で実行する被害域自動抽出プログラムを記録した記録媒体であって、前記被害域自動抽出プログラムは、前記処理演算部に読み込まれる画像データ読込機能と被害域候補判定機能と非被害域候補判定機能と第2誤認候補判定機能と被害域判定機能とを有しており、
    前記画像データ読込機能は、
    前記画像データを読み込み前記記憶部に記憶し、
    前記被害域候補判定機能は、
    前記記憶部に記憶した画像データの画素の輝度により被害域候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、
    前記非被害域候補判定機能は、
    前記画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより非被害域候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、
    前記第2誤認候補判定機能は、
    前記被害前画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより第2誤認候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、
    前記被害域判定機能は、
    前記記憶部に記憶した被害後画像データと前記被害域候補画素と前記非被害域候補画素と前記第2誤認候補画素とにより、被害域を判定する、
    ことを特徴とする被害域自動抽出プログラムを記録した記録媒体。
  16. データを記憶する記憶部とプログラムの処理演算を実行する処理演算部とを有しているコンピュータ端末で実行する被害域自動抽出プログラムを記録した記録媒体であって、前記被害域自動抽出プログラムは、前記処理演算部に読み込まれる画像データ読込機能と被害域候補判定機能と非被害域候補判定機能と第1誤認候補判定機能と第2誤認候補判定機能と被害域判定機能とを有しており、
    前記画像データ読込機能は、
    前記画像データを読み込み前記記憶部に記憶し、
    前記被害域候補判定機能は、
    前記記憶部に記憶した画像データの画素の輝度により被害域候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、
    前記非被害域候補判定機能は、
    前記画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより非被害域候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、
    前記第1誤認候補機能は、
    前記被害前画像データの画素の輝度により第1誤認候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、
    前記第2誤認候補判定機能は、
    前記被害前画像データに於いて、前記画素の輝度が不連続な部分をエッジとし、前記エッジの連続性及び/又は方向性を判定することにより第2誤認候補画素を判定し、それを前記記憶部に記憶し、
    前記被害域判定機能は、
    前記記憶部に記憶した被害後画像データと前記被害域候補画素と前記非被害域候補画素と前記第1誤認候補画素と前記第2誤認候補判定機能とにより、被害域を判定する、
    ことを特徴とする被害域自動抽出プログラムを記録した記録媒体。
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