JP3900338B2 - 放射性希ガス回収方法 - Google Patents
放射性希ガス回収方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3900338B2 JP3900338B2 JP2002013152A JP2002013152A JP3900338B2 JP 3900338 B2 JP3900338 B2 JP 3900338B2 JP 2002013152 A JP2002013152 A JP 2002013152A JP 2002013152 A JP2002013152 A JP 2002013152A JP 3900338 B2 JP3900338 B2 JP 3900338B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- reactor
- noble gas
- pipe
- radioactive noble
- radioactive
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
Landscapes
- Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は原子力発電所で原子炉上蓋開放点検作業を行う場合に、原子炉上蓋を開放する前の閉蓋状態において原子炉上蓋内部に存在する放射性希ガスを効率よく回収する放射性希ガス回収方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
商業用の原子力発電所の原子炉開放作業において、通常の場合は原子炉から放出される放射性物質は僅かであり、原子炉開放作業上で大きな障害となることはない。しかし、原子炉燃料被覆管破損による放射性希ガスの漏洩が発生した場合には、放射性希ガス等が燃料から大量に放出される。このように、原子力発電所の燃料棒に破損が発生した場合には、発生する放射性希ガスの発生量が所定以下になるまで、該燃料棒を原子炉外へ移動する作業を行うことができない。直ちに原子炉を停止すると原子炉上蓋の開放に伴い、放射性希ガスが環境に放出され、放射線被曝の原因になるからである。
【0003】
従来の商業用原子力発電所では、燃料漏洩時に放射線モニタを監視しながら、オフガス処理系(OG系)を使い排気筒の排出放射能が基準値を上回らないように放射性希ガスの除去を行っている。すなわち、放射性物質の発生量が多い場合は原子炉上蓋開放点検作業を停止してOG系に付属している活性炭吸着等に放射性希ガスを吸着させながら、放射性希ガス濃度の低下するまで待機している。この放射性物質は通常の場合はヨウ素、キセノン、クリプトンであるが、大気中ヘ放出されるものとしては最も濃度の高いキセノン−133が問題となる。
【0004】
放射性キセノンの主成分であるキセノン−133は半減期が約5日と短いので、OG系への吸引と崩壊による減衰効果を期待できるため、放射能レベルが低下するまで待機するのである。
【0005】
すなわち、従来は環境汚染を最小限に保つために、キセノン−133のOG系への移行と崩壊を待って原子炉の上蓋の開放を行っていた。そのため、通常1週間から2週間程度作業が中断し、多大の損害が発生することになる。原子炉内燃料棒に破損が発生したことは、オフガス処理系に設置されている放射線モニタで検知することで発見される。状況にもよるが、多くの場合は直ちに原子炉運転の停止モードに入る。通常は11〜12時間で原子炉水温度を40℃前後まで低下させる。そのために破損燃料からの放射性希ガスの放出が十分行われない状態で原子炉上蓋を開放点検できる状態になるが、実際には破損燃料からゆっくり漏洩してくる放射性希ガスによるの放射能レベルが高いことにより、長期に亘る作業の中断を余儀なくさせられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
原子炉の燃料棒にピンホール等の損傷があった場合、そのピンホール等から燃料の核分裂で生成した放射性希ガスが原子炉内に放出され、原子炉上部の空間に拡散し、原子炉上蓋を開放すると作業空間に拡散する。このため、作業空間の放射能レベルが上昇し、作業ができなくなるか、作業員の放射線被曝の増加に繋がることになる。このような理由から従来では、放射性希ガス濃度の目安として、キセノン−133の崩壊による環境汚染を最小限に低減するまでの時間主蒸気ラインからOG系へ移行するまで待つか、小口径配管からオフガス系へ吸引することによりキセノン−133濃度が所定値に低減するのを待って原子炉上蓋の開放点検を行っていた。このため、原子炉上蓋の開放点検が可能になるまでに長期間を要していた。
【0007】
原子炉上蓋の開放点検ができない待機期間は単なる待ち時間であり、その期間に相当する発電を主に火力発電にて補填する必要があった。これは経済的に大きな負担になるものである。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、原子炉上蓋の開放までの待機期間を短縮し、かつ環境の放射能汚染の低減が図れる放射性希ガス回収方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の着眼は、原子炉上蓋中の放射性希ガスの濃度を早い時間内に低減し、原子炉上蓋が長期に亘る待機期間無しに開放できるようにする方法であって、原子炉内に外部からの空気導入、原子炉上部からの内部気体の吸引等によって効率よく放射性希ガスを回収することにより、短期間内に原子炉上蓋開放基準濃度の放射性希ガス濃度にする方法を見出したことに基づくものである。
【0010】
上記着眼に基づく発明について説明すると、以下の通りである。すなわち、原子炉上蓋を開放する時点においては、原子炉水レベルは原子炉フランジの直下にある。このため、主蒸気管を経由する現有のオフガス処理系への吸引は、主蒸気管が水面下となるため不可能である。原子炉水レベルを上昇した後では、原子炉上蓋に設けられている小口径配管経由でなければ、原子炉上蓋内の放射性希ガスを外部へ排出することができない。原子炉水レベルを上昇させた後で発生した放射性希ガスは、原子炉上蓋内部に充満し、炉水から発生する蒸気と混合している。また、原子炉上蓋は原子炉水より高温であることが多く、単に吸引したのでは原子炉上蓋内部に存在する放射性希ガスを効率よく排出できない。
【0011】
そこで、外部から清浄で原子炉上蓋内部温度より冷たい空気を炉水面に供給しながら、原子炉上蓋付近の温度が高く密度の低い内部ガスを吸引することにより、効率よく放射性希ガスを吸引排出することができ、短時間の内に原子炉上蓋の開放点検を行うための放射性希ガス濃度に達することができることを見出した。原子炉内部を置換するために供給するガスは、原子炉内部の平均ガス密度より高く、かつ原子炉上蓋を開放したときに環境に影響を与えない清浄空気が望ましい。置換空気が清浄でないと空気中のゴミが原子炉水中に取り込まれ、将来炉水の汚濁の原因になるからである。
【0012】
また、清浄空気の導入配管が短すぎると、導入空気と原子炉上蓋内部の気体とが混合し、放射性希ガスの排出効率が非常に悪くなる。清浄空気の導入配管の端末はできる限り原子炉水表面近くが好ましいが、小口径配管の取付作業との関係で作業者がその長さを選定することが可能である。
【0013】
導入空気量は、原子炉上蓋内の放射性希ガスの排出時間を左右する大きな条件であるが、過度に空気供給速度が大きくなると、内部の撹拌効果を促し、却って排出時間を長くすることになるので、吸引装置の能力、原子炉の状態、放射性希ガス処理装置の能力等との兼ね合いで導入空気量を決める必要がある。
【0014】
原子炉によっては小口径配管が複数設置されていることがある。このような場合は、空気導入管と吸引用の配管とを独立に接続することが可能となる。独立に設置することにより操作性等を有利にすることが可能である。小口径配管は原子炉上蓋内部の放射性希ガスを除去した後に開放しないとミラーインシュレータ、ひいては原子炉上蓋の開放点検が不可能である。
【0015】
本発明によれば、小口径配管のフランジ回りをビニールシート等のカバーシートで養生し、養生内部を放射性希ガス処理装置に吸引しながら該フランジを開放し、空気導入配管および吸引用配管を接続する作業を行うことにより、環境への該希ガスの漏洩を防止することが可能であり、これにより原子炉上蓋が内部の放射性希ガス濃度の高い状態にあっても、空気導入管および吸引配管の接続が可能となる。
【0016】
本発明によれば、原子炉水レベルを原子炉上蓋フランジ面付近まで上昇した後に、原子炉上蓋内部の放射性希ガス濃度を効率よく低減でき、原子炉上蓋解放時までの時間を短縮することができれば、その経済効果は計り知れないものがある。
【0017】
なお、本発明においては、破損燃料棒から排出される放射性希ガスについて、原子炉上蓋開放時の該放射性希ガス低減のために、全て適用することができる。
【0018】
また、本発明に使用する吸引装置としては、既設の設備であれ新設の設備であれ適用可能であるが、放射性希ガスを取り扱うことから、既設のオフガス処理系または専用の放射性希ガス濃縮設備の吸引装置を使用することが好ましい。
【0019】
なお、本発明においては、対象とする原子炉としてあらゆる水系原子力発電設備に適用することができる。
【0020】
以上の知見に基づき、請求項1に係る発明では、原子炉内に存在する放射性希ガスを、閉状態にある原子炉上蓋フランジ付近まで原子炉水位を上昇させた状態で、前記原子炉上蓋内の空間から回収する方法であって、原子炉上蓋を貫通して原子炉水面付近へ空気を導入するための空気導入系と、前記原子炉上蓋の内側に存在する放射性希ガスを吸引するための放射性希ガス吸引系とを仮設し、前記空気導入系は、前記原子炉上蓋に付属して当該原子炉上蓋の頂部もしくはその付近に設けられている小口径配管に空気導入管を設置したものとし、この空気導入管により、空気清浄器で生成した清浄で原子炉上蓋内部温度より冷たく、かつ原子炉内部の平均ガス密度より高い密度の空気を、前記原子炉上蓋の内方における炉水面付近に導入する一方、前記放射性希ガス吸引系は、前記原子炉上蓋に付属して当該原子炉上蓋の頂部もしくはその付近に設けられている小口径配管に給気配管を設置したものとし、この吸気配管の吸込口を原子炉上蓋の頂部内面付近における温度が高く密度の低い内部ガスを吸引排出して放射性希ガス処理装置へ吸引することを特徴とする放射性希ガス回収方法を提供する。
【0021】
請求項2に係る発明では、空気導入管と吸気配管とを設置する工程では、予め原子炉上蓋を覆うミラーインシュレータの小口径配管が貫通する部位の上方空間をカバーシートによって閉塞しておき、この閉塞された空間内の気体を放射性希ガス処理装置へ吸引しながら、前記小口径配管とこれに接続されている既設系統配管との接続用フランジを外すことを特徴とする請求項1記載の放射性希ガス回収方法を提供する。
【0022】
請求項3に係る発明では、前記フランジを外した後、カバーシートによって閉塞された空間内の気体を放射性希ガス処理装置へ吸引しながら、開口した小口径配管に空気導入管と吸気配管とを設置することを特徴とする請求項2記載の放射性希ガス回収方法を提供する。
【0023】
請求項4に係る発明では、1本の小口径配管に空気導入管と吸気配管とを設置する場合、前記空気導入管と吸気配管との径を異ならせ、二重管として前記小口径配管に設置することを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の放射性希ガス回収方法を提供する。
【0024】
請求項5に係る発明では、2本以上の小口径配管に空気導入管と吸気配管とを設置する場合、前記空気導入管と吸気配管とを前記各小口径配管に個別に設置することを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の放射性希ガス回収方法を提供する。
【0025】
請求項6に係る発明では、放射性希ガス処理装置として、既存のオフガス処理装置または専用の希ガス濃縮装置を適用することを特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載の放射性希ガス回収方法を提供する。
【0026】
請求項7に係る発明では、原子炉上蓋内部のキセノン−133濃度を原子炉上蓋開放可能濃度以下になるまで低減させることを特徴とする請求項1から6までのいずれかに記載の放射性希ガス回収方法を提供する。
【0027】
原子炉内の空間に存在する放射性希ガス濃度が低下した後にあっては、常時内部循環ポンプの運転を行うことにより、破損燃料棒中からの放射性希ガスの原子炉水中への移行が抑制される。
【0028】
つまり、前報に記載したような方法で、原子炉水中および原子炉空間に存在する放射性希ガス濃度が十分低下した状況にあっては、その後は、水面の上昇により破損部分が水による栓が形成され、放射性希ガスの原子炉水への移行が抑制されることになる。しかし、内部循環ポンプを停止してしまうと、燃料棒中の温度が上昇し同時に圧力も上昇するので、再度放射性希ガスの漏洩の原因となる可能性が高くなる。
【0029】
そこで、請求項8に係る発明では、原子炉上蓋内に存在する放射性希ガスをOG系または専用の希ガス濃度装置へ吸引する作業を実施する前から作業中にかけて、破損燃料棒中の温度上昇を抑えるために内部循環ポンプの運転を継続し、放射性希ガスの原子炉水中への移行を抑制することを特徴とする請求項1から7までのいずれかに記載の放射性希ガス回収方法を提供する。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る放射性希ガス回収方法の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態においては、本発明を沸騰水型原子炉(BWR)に適用した場合について説明するが、他の各種原子炉についても適用することができる。
【0031】
本実施形態は、原子炉の点検を行なう際に、原子炉上蓋を閉じた状態で原子炉水面付近へ空気を導入するとともに、原子炉上蓋の内側に存在する放射性希ガスを回収する方法についてのものである。
【0032】
図1は、この方法を実施するための設備構成の全体を示す説明図であり、図2は図1に示した管挿入部の拡大図である。図1に示すように、原子炉圧力容器1は、胴部である原子炉本体2の上端開口部が原子炉上蓋3によって閉塞されている。これらは原子炉本体2の上端に設けたフランジ(原子炉本体フランジ)2aと、原子炉上蓋3の下端に設けたフランジ(原子炉上蓋フランジ)3aとを、図示省略のボルト等によって締結することによって固定されている。原子炉上蓋3の上方には、これを覆う断熱用のミラーインシュレータ9が設けられている。
【0033】
原子炉圧力容器1は原子炉格納容器4内に設置され、原子炉圧力容器1の上方には原子炉ウェル5が形成されている。原子炉ウェル5の一側方にはDSプラグ6を介して、機器ピットであるDSプール7が配設されるとともに、他側方には燃料貯蔵プール8が配設されている。
【0034】
このような構成において、本実施形態では、ミラーインシュレータ9の上方から原子炉上蓋3を貫通して原子炉水面付近へ空気を導入するための空気導入系10と、原子炉上蓋3の内側に存在する放射性希ガスを回収するための希ガス吸引系11とが仮設される。
【0035】
空気導入系10は、例えばオペレーションフロア上から原子炉ウェル5を介して原子炉上蓋3に導かれた空気導入管12と、この空気導入管12に供給する空気を浄化するための空気清浄器14とを備えて構成される。原子炉上蓋3に導かれた空気導入管12の先端は、図2にも示すように、原子炉上蓋3の頂部に設けられている既設の小口径配管16に連結される。なお、この小口径配管16は、例えば残留熱除去設備または原子炉隔離時冷却系等のスプレイノズル等として適用される配管である。空気導入管12は、例えば原子炉上蓋3から原子炉圧力容器1の内方への挿入長さが20cm以上とされ、その先端は原子炉水面付近に設定される。
【0036】
一方、希ガス吸引系11は、原子炉上蓋3から原子炉ウェル5およびオペレーションフロア17を介して放射性希ガス処理装置に導かれる吸気配管としての吸引用配管18を備えている。この吸引用配管18も、吸引側端部が原子炉上蓋3の頂部に設けられている既設の小口径配管16に連結される。吸引用配管18にはキセノン測定装置20等が設けられる。放射性希ガス処理装置としては、例えば既存のオフガス処理装置(OG系排ガス処理装置)21が適用される。オフガス処理装置21には、図示しない空気抽出器、排ガス再結合器、排ガス復水器、除湿冷却器、機ガスホールドアップ塔、真空ポンプ等が設けられ、吸引した原子炉内の気体から放射性希ガス等を除去して、排気筒より清浄空気として排出できる処理がなされる。なお、放射性希ガス処理装置としては、既存のオフガス系排ガス処理装置21に代えて、新設の希ガス濃縮装置を適用してもよい。
【0037】
なお、図1においては、空気導入管12と吸引用配管18とを、別個の小口径配管16に連結した状態を示しているが、下記の図3に示すように、空気導入管12と吸引用配管18とは異径管とし、同一の小口径配管16に連結してもよい。
【0038】
図3は、上述した空気導入管12および吸引用配管18を小口径配管16に接続する方法を説明するための拡大図である。この図3においては、一つの既設小口径配管16を利用して、空気導入管12および吸引用配管18を据付ける場合を示している。この据付けは原子炉運転停止後の原子炉上蓋開放点検前に行われるものであり、原子炉圧力容器1内には放射性希ガスが含有された状態であるから、原子炉上蓋3を貫通する既設の小口径配管16から放射性希ガスを作業環境に放出させない状態で交換作業を行う必要がある。
【0039】
本実施形態では図3に示すように、原子炉上蓋3を被覆するミラーインシュレータ9の上方において、小口径配管16に設けられているフランジ22、23を利用して空気導入管12および吸引用配管18を設置する。すなわち、残留熱除去設備または原子炉隔離時冷却系等のスプレイノズル等として適用される小口径配管16は、ミラーインシュレータ9の上方にて上下部フランジ22、23を介して連結された上部配管24と下部配管25とからなっている。このうち、上部フランジ22および上部配管24を外し、その部分に交換用ノズル26を連結する。
【0040】
交換用ノズル26は、下端部にフランジ27を有する。この交換用ノズル26に空気導入管12が挿入され、この空気導入管12はフランジ27の中心部を通って垂直に下方に伸びている。この空気導入管12の下端側が上述したように、原子炉上蓋3から原子炉圧力容器1の内方への挿入長さを20cm以上とされ、その先端を原子炉水面付近に設定されるものである(図3においては空気導入管12の下端を途中で図示省略してある)。
【0041】
このような交換用ノズル26の設置に当り、放射性希ガスの放出を防止するため、本実施形態では周囲をカバーシートとしてのビニールシート28で被覆する。ビニールシート28は例えば直方体テント状のものであり上側部分および側面の必要な個所がフレーム29によって支持されている。このビニールシート28の下面が開口し、側面部には気体排出口30が形成され、この気体排出口30は図示しない放射性希ガス処理装置にビニールシート28内の気体を吸引できるようにしてある。
【0042】
また、交換用ノズル26の交換設置等のため、ビニールシート28の側面部にフランジの取外し・取付け作業をするための切欠31が設けてある。このように、既設の小口径配管16のフランジ22、23回りをビニールシート28等で養生し、養生内部を放射性希ガス処理装置としてのオフガス処理装置21に吸引しながら、そのフランジ22、23を開放し、空気導入管12および吸引用配管18を交換用ノズル26のフランジ27を介して接続する作業を行うことにより、環境への該希ガスの漏洩を防止することができる。したがって、原子炉上蓋3の内部が放射性希ガス濃度の高い状態にあっても、空気導入管12および吸引用配管18の接続が行なえる。
【0043】
このようにして空気導入管12および吸引用配管18の接続を行なった後、図1に示すように、空気導入系10および放射性希ガス吸引系11を適用して、原子炉圧力容器1内の放射性希ガスの回収処理を行なう。すなわち、原子炉上蓋3を閉じた状態で、その原子炉上蓋3を貫通する空気導入管12を介して原子炉水面付近へ清浄空気を導入すると同時に、原子炉上蓋3を貫通する吸引用配管18により原子炉上蓋3の内側上部に存在する放射性希ガスを放射性希ガス処理装置に回収する。そして、原子炉上蓋3内部のキセノン−133濃度を原子炉上蓋開放可能濃度以下になるまで低減させる。
【0044】
なお、小口径配管へのノズル設置時の作業手順を示すと、以下の通りである。
1)小口径配管フランジ付近へのカバーシートの取付け(ミラーインシュレータ上部および下部フランジ部)。
2)OG系へカバーシート内の空気を吸引開始。
3)小口系配管をクレーンにて固定。
4)小口系配管フランジの開放。
5)閉止フランジの取付け。
6)小口系配管取外し・所定位置への移動。
7)原子炉上蓋空気導入管および吸引管の取付け。
8)原子炉上蓋内への空気導入・OG系への吸引開始。
9)吸引気体中のキセノン−133濃度が所定値以下で吸引を停止。
10)カバーシートの取外し。
11)空気導入管および吸引管の取外し。
【0045】
具体的な実施例を示すと、下記の通りである。
【0046】
(実施例1)
図3に示したように、ビニールシート28内で既設小口径配管のフランジの開放および交換用ノズル26による空気導入管12および吸引用配管18の接続を行なった。この場合、ビニールシート28の両側面に設けた切欠からの治具等を挿入して行なった。ビニールシート28の側面の吸引用配管18によって内部のガスを10m3/hrで吸引しながらフランジ22,23の取外・取付を行った結果、シート外部の環境中ではキセノン−133濃度が殆どゼロであった。
【0047】
(実施例2)
空気導入管12として内径が10cmのものを適用し、原子炉上蓋3の内面からの深さを1mとし、先端を原子炉内水面に極めて接近するものとした。また、吸引用配管18には既設の小口径配管16と同様に、内径が10〜15cmのものを適用し、小口径配管フランジ23に接続し、吸引は原子炉上蓋内面付近から行えるようにした。そして、清浄空気供給量を40m3/hrにする一方、放射性希ガスを含む原子炉上蓋内部に存在する非凝縮性気体の吸引速度を約40m3/hrとして、炉水温度45℃の条件で原子炉上蓋3内部の気体をオフガス処理装置へ吸引した。
【0048】
図4は、本実施例2におけるオフガス処理装置でのキセノン−133濃度の変化を示している。この図4に示すように、本実施例2によれば、キセノン−133の濃度が、原子炉上蓋開放基準値(RPVヘッド開放基準値)に約2.5時間で到達した。
【0049】
(実施例3)
実施例1に示した条件のうち、空気導入管12の原子炉上蓋3の内面からの挿入深さを0.5mに変化した。それ以外は実施例2と同一の条件で原子炉上蓋3内の気体をオフガス処理装置に吸引した。
【0050】
図5は、この実施例3におけるオフガス処理装置でのキセノン−133濃度の変化を示している。この図5に示すように、本実施例3によっても、実施例2と同様に、キセノン−133濃度が原子炉上蓋解放基準値に約2.5時間で到達した。
【0051】
(実施例4)
実施例1に示した条件のうち、清浄空気供給量を10m3/hrに変化した。それ以外は実施例1と同一条件で原子炉上蓋3内の気体をオフガス処理装置に吸引した。
【0052】
図6は、この実施例4におけるオフガス処理装置でのキセノン−133濃度の変化を示している。この図6に示すように、本実施例4によれば、実施例2と同様に、キセノン−133濃度が原子炉上蓋解放基準値に約14時間で到達した。
【0053】
(実施例5)
実施例2に示した条件に対し、空気導入管12の原子炉上蓋3の内面からの挿入深さを5cmとし、原子炉内水面から離間する部位に空気導入を行なった。それ以外は実施例2と同一の条件で原子炉上蓋3内の気体をオフガス処理装置に吸引した。
【0054】
図7は、この実施例5におけるオフガス処理装置でのキセノン−133濃度の変化を示している。この図7に示すように、本実施例5の場合には、キセノン−133濃度が原子炉上蓋解放基準値に、約17時間で到達した。
【0055】
(比較例)
小口径配管16のフランジ22、23の開放および空気導入管12の接続時に、ビニールシートを使用せずにフランジ22、23の取外しおよび取付けを行った結果、環境中のキセノン−133濃度は約7*104Bq/ccであった。
【0056】
以上の結果から、清浄空気を原子炉水面近くに供給しながら、同時に原子炉上蓋3内の上部のガスを吸引する本実施形態の放射性希ガス回収方法によると、実施例1〜5に示したように、短時間内に原子炉上蓋3内部の放射性希ガス濃度を低減することが確認された。また、小口径配管16のフランジ22、23の取外しおよび取付け時のビニールシート28の設置により、環境への放射性希ガスの放出を放射線被曝が問題にならない状態にまで軽減できることが判明した。
【0057】
本実施形態によれば、原子炉水面付近へ清浄空気を導入すると同時に、原子炉上蓋3内の上部から原子炉内気体を吸引することにより、原子炉圧力容器1内のガスの密度差による撹拌効果を防止すると同時に、放射性希ガスを含む軽い気体部分から選択的に放射性希ガス処理装置へ吸引するため、効率よく放射性希ガスを回収することができ、短時間のうちに原子炉内の放射性希ガス濃度を低減することができる。
【0058】
これにより、従来では原子炉上蓋3の開放点検までの待機期間中、電力の安定供給のために他の発電施設、例えば火力発電所等を運転し、その燃料消費が多大になって電力事業を圧迫し、また該待機期間中は原子炉定検のための作業員も現場に待機することになり、定検費用を増加させることにも繋がっていたことに対し、本実施形態によれば、原子炉上蓋3の開放点検までの待機時間の低減が図られ、多大なる経済的効果が期待できる。
【0059】
さらに、本実施形態によれば、原子炉上蓋3に付属する小口径配管16のフランジ22、23を開放する際に、フランジ回りをビニールシート28等で養生し、養生内部を放射性希ガス処理装置に吸引しながら該フランジを開放し、環境への該希ガスの漏洩を防止することを採用することにより、従来この段階で問題になっていた放射性希ガスの環境への漏洩の問題を解決し、原子炉圧力容器1内の放射性希ガス濃度が比較的高い状況にあっても、小口径配管16の開放および吸入管12の接続が可能となり、原子炉上蓋3の開放点検作業を遂行することができる。
【0060】
【発明の効果】
以上のように、本発明の方法によれば、原子炉上蓋の開放までの待機期間の短縮を効果的に図れ、かつ環境の放射能汚染の低減が図れる。また、原子炉上蓋の開放前の作業について、放射性希ガス回収を効率よく行なえる効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を示す構成図。
【図2】 図1の平面図。
【図3】 上記実施形態における準備状態を示す説明図。
【図4】 実施例2におけるオフガス処理設備でのキセノン−133濃度の変化を示すグラフ。
【図5】 実施例3におけるオフガス処理設備でのキセノン−133濃度の変化を示すグラフ。
【図6】 実施例4におけるオフガス処理設備でのキセノン−133濃度の変化を示すグラフ。
【図7】 実施例5におけるオフガス処理設備でのキセノン−133濃度の変化を示すグラフ。
【符号の説明】
1 原子炉圧力容器
2 原子炉本体
2a 原子炉本体フランジ
3 原子炉上蓋
3a 原子炉上蓋フランジ
4 原子炉格納容器
5 原子炉ウェル
6 DSプラグ
7 DSプール
8 燃料貯蔵プール
9 ミラーインシュレータ
10 空気導入系
11 希ガス吸引系
12 空気導入管
14 空気清浄器
16 小口径配管
17 オペレーションフロア
18 吸引用配管
20 キセノン測定装置
21 オフガス処理装置(OG系排ガス処理装置)
22 上部フランジ
23 下部フランジ
24 上部配管
25 下部配管
26 交換用ノズル
27 下端部にフランジ
28 ビニールシート
29 フレーム
30 気体排出口
31 切欠
Claims (8)
- 原子炉内に存在する放射性希ガスを、閉状態にある原子炉上蓋フランジ付近まで原子炉水位を上昇させた状態で、前記原子炉上蓋内の空間から回収する方法であって、原子炉上蓋を貫通して原子炉水面付近へ空気を導入するための空気導入系と、前記原子炉上蓋の内側に存在する放射性希ガスを吸引するための放射性希ガス吸引系とを仮設し、前記空気導入系は、前記原子炉上蓋に付属して当該原子炉上蓋の頂部もしくはその付近に設けられている小口径配管に空気導入管を設置したものとし、この空気導入管により、空気清浄器で生成した清浄で原子炉上蓋内部温度より冷たく、かつ原子炉内部の平均ガス密度より高い密度の空気を、前記原子炉上蓋の内方における炉水面付近に導入する一方、前記放射性希ガス吸引系は、前記原子炉上蓋に付属して当該原子炉上蓋の頂部もしくはその付近に設けられている小口径配管に給気配管を設置したものとし、この吸気配管の吸込口を原子炉上蓋の頂部内面付近における温度が高く密度の低い内部ガスを吸引排出して放射性希ガス処理装置へ吸引することを特徴とする放射性希ガス回収方法。
- 空気導入管と吸気配管とを設置する工程では、予め原子炉上蓋を覆うミラーインシュレータの小口径配管が貫通する部位の上方空間をカバーシートによって閉塞しておき、この閉塞された空間内の気体を放射性希ガス処理装置へ吸引しながら、前記小口径配管とこれに接続されている既設系統配管との接続用フランジを外すことを特徴とする請求項1記載の放射性希ガス回収方法。
- 前記フランジを外した後、カバーシートによって閉塞された空間内の気体を放射性希ガス処理装置へ吸引しながら、開口した小口径配管に空気導入管と吸気配管とを設置することを特徴とする請求項2記載の放射性希ガス回収方法。
- 1本の小口径配管に空気導入管と吸気配管とを設置する場合、前記空気導入管と吸気配管との径を異ならせ、二重管として前記小口径配管に設置することを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の放射性希ガス回収方法。
- 2本以上の小口径配管に空気導入管と吸気配管とを設置する場合、前記空気導入管と吸気配管とを前記各小口径配管に個別に設置することを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の放射性希ガス回収方法。
- 放射性希ガス処理装置として、既存のオフガス処理装置または専用の希ガス濃縮装置を適用することを特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載の放射性希ガス回収方法。
- 原子炉上蓋内部のキセノン−133濃度を原子炉上蓋開放可能濃度以下になるまで低減させることを特徴とする請求項1から6までのいずれかに記載の放射性希ガス回収方法。
- 原子炉上蓋内に存在する放射性希ガスをOG系または専用の希ガス濃度装置へ吸引する作業を実施する前から作業中にかけて、破損燃料棒中の温度上昇を抑えるために内部循環ポンプの運転を継続し、放射性希ガスの原子炉水中への移行を抑制することを特徴とする請求項1から7までのいずれかに記載の放射性希ガス回収方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002013152A JP3900338B2 (ja) | 2002-01-22 | 2002-01-22 | 放射性希ガス回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002013152A JP3900338B2 (ja) | 2002-01-22 | 2002-01-22 | 放射性希ガス回収方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003215285A JP2003215285A (ja) | 2003-07-30 |
JP3900338B2 true JP3900338B2 (ja) | 2007-04-04 |
Family
ID=27650178
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002013152A Expired - Fee Related JP3900338B2 (ja) | 2002-01-22 | 2002-01-22 | 放射性希ガス回収方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3900338B2 (ja) |
-
2002
- 2002-01-22 JP JP2002013152A patent/JP3900338B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003215285A (ja) | 2003-07-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPS5853758B2 (ja) | 欠陥核燃料要素の検出方法と装置 | |
JP6241984B2 (ja) | 原子炉圧力容器から上部炉内構造物を取り外すための装置および方法 | |
JP2002541495A (ja) | 照射済核燃料集合体の超音波洗浄装置および方法 | |
JPS639640B2 (ja) | ||
US4828760A (en) | Method of cleaning a spent fuel assembly | |
JP6341805B2 (ja) | 放射性物質の除去方法及び放射性物質除去装置 | |
JP3900338B2 (ja) | 放射性希ガス回収方法 | |
JP3435270B2 (ja) | 原子炉圧力容器の搬入方法 | |
JPH08152495A (ja) | 炉心シュラウドの交換方法 | |
JP3668656B2 (ja) | 燃料検査装置 | |
JP2011169649A (ja) | 原子炉ウェルゲートおよび原子炉点検方法 | |
WO2001024199A1 (fr) | Procede de transport de materiel hors d'une centrale nucleaire | |
JPH11183690A (ja) | 原子力発電プラントの復旧方法 | |
JP4223876B2 (ja) | 原子炉からの放射性ヨウ素の除去方法 | |
JP4212175B2 (ja) | 炉心シュラウドの交換方法 | |
JP2003167092A (ja) | 放射性希ガス処理方法 | |
EP0281680A1 (en) | Method of cleaning a spent fuel assembly | |
JP2011099801A (ja) | 原子炉ウェルカバーおよび原子炉点検方法 | |
JPS60260898A (ja) | 原子炉制御棒駆動装置の洗浄装置 | |
JP2000046989A (ja) | 化学除染法における系統隔離方法 | |
JP3519074B2 (ja) | 原子炉圧力容器の搬出方法 | |
JPH1194979A (ja) | 格納容器ベント設備 | |
JP3626219B2 (ja) | インターナルポンプケーシング閉止装置 | |
JPS5872098A (ja) | 放射性廃ガス処理装置 | |
JPH0363719B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040524 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050818 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051122 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060123 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060221 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060424 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20060512 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20060512 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061212 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061220 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100112 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110112 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120112 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120112 Year of fee payment: 5 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120112 Year of fee payment: 5 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |