JP3899915B2 - 光学歪の評価方法および評価装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学歪の評価方法および評価装置に関し、特に自動車等に使用される窓ガラスの光学歪の評価方法および評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス板を透して見た画像(以下、透視像という)がゆがむ現象は透視歪(とうしひずみ)と呼ばれ、自動車用ガラスの重要な品質評価項目になっている。透視歪を生じさせる要因としては、素板ガラス中に含まれる泡や異物、素板ガラスの表面うねり、ガラス板の局所的な変形、中間膜の性状、または設計形状の曲率等があげられる。これらの要因がレンズ効果を生み、透視像にゆがみを与える。
【0003】
このような透視歪は、搭乗者に対して疲労感や不快感をもたらすため、窓ガラスの設計段階や製造工程でその低減を図り、また検査を確実に実施することによって不良品の流出を防ぐことが大切である。なお、透視像のゆがみを透視歪と呼び、透視歪に影響を与えるようなガラス板自身が持つ性質を光学歪と呼ぶ。
【0004】
これまで透視歪の検査は、多くの場合、目視検査により行われてきた。しかし、目視検査では検査員間での判断基準を統一することが難しく、客観性に欠けるおそれがあった。また、大面積のガラス板内部に生じた微弱な透視歪を限られた時間内で検出することは、集中力と熟練を要する作業である。このため、検査を自動化することにより、客観的かつ正確な検査を実現することが従来より求められていた。
【0005】
透視歪の検査を自動化するためには、光学測定技術や画像処理技術の活用が有効であり、これまでにも多くの透視歪測定方法が提案されている。例えば透視像とテンプレートの像とのパターンマッチングに基づく方法(以下、PM法という)、透視像の座標計測に基づく方法、透視像の明暗変化を利用した方法、またはモアレを利用した方法等がある。これらの手法のうちPM法は、正規化相関に基づいた透視歪の定量化方法であり、検査員による目視評価との整合性が高いことがわかっている。
【0006】
ここで、従来のPM法について説明する。
パターンマッチングは、リモートセンシングやファクトリーオートメーションの分野で広く利用されている技術の一つである。具体的には、テンプレートと称される所定の参照画像と実際にカメラで撮像した画像とを比較し、両者の類似性に基づいて、検査対象の位置を検索したり、検査対象の状態を評価する画像処理方法である。
【0007】
上述したとおり、ガラス板にうねりが生じまたは異物が混入するなどして光学歪が生じた場合、透視像が変形する。そこで、透視歪の無い状態と有る状態との差異をパターンマッチングして数量化することにより、透視歪を評価することができる。例えば特開平11−237216号公報には、PM法を用いた透視歪の評価方法が開示されている。
【0008】
図13は、従来のPM法を用いた透視歪の定量化の概念を示す。同図に示すように面光源1の発光面には、チェッカーボードパタン(以下、参照パタンという)が設けられ、カメラ3はガラス板2を透してこの参照パタンを撮像する。カメラ3は、パーソナルコンピュータ等で構成された評価装置4に接続されている。評価装置4は、撮像した画像からテンプレート画像6と同サイズの領域5を切り出し、領域5の画像とテンプレート画像6との正規化相関値を求める。なお、テンプレート画像は図示しない記憶装置に予め用意された画像であり、カメラで撮像された画像または数式を利用してコンピュータで生成した画像が用いられる。
【0009】
さらに、この領域5に隣接する領域から、テンプレート画像と同じ大きさの画像を上記同様に切り出し、切り出した画像の正規化相関値を算出し、透視歪を評価する。以上を繰り返すことにより、撮像した画像の全領域にわたる正規化相値の分布を得る。その後、各正規化相関値をレンズ度数に変換し、変換した値を所定の閾値と比較することで透視歪を評価する。
【0010】
ここで、レンズ度数とは、レンズ焦点距離の逆数であり、その単位はmdopt(ミリディオプト)である。また、レンズ度数は、凸レンズの場合に正値となり、凹レンズの場合に負値となり、透視歪が全く無い状態で「0」となる。したがって、レンズ度数が正値であればガラス板は透視像は拡大され、レンズ度数が負値であれば透視像は縮小される。
【0011】
ここで、正規化相関値の求め方について説明する。正規化相関値は、撮像した画像とテンプレート画像との類似性を表わす(1)式により計算される。
【0012】
【数1】
【0013】
【数2】
【0014】
【数3】
【0015】
(1)式において、Rは正規化相関値、f(i,j)はカメラによって撮像された画像(そのサイズはテンプレートと同じ)であり、g(i,j)(=A・sin(2πi/λx)・sin(2πj/λy);A:定数,λx:x方向の波長,λy:y方向の波長)はテンプレート画像であり、Mはテンプレートのx方向の画素数であり、Nはテンプレートのy方向の画素数である。(2)式で与えられるfaveはf(i,j)の平均値であり、(3)式で与えられるgaveはg(i,j)の平均値である。x方向およびy方向は、それぞれ水平方向および鉛直方向に対応する。
【0016】
図14は、従来のPM法における透視歪の強さと正規化相関値との関係を示す。同図において、横軸は透視歪の強さ(レンズ度数)を示し、縦軸は正規化相関値を示す。従来のPM法では、テンプレート画像として全く透視歪の無い理想的な透視像を用いている。そのため、撮像画像に透視歪が全く無ければ、正規化相関値は最大値(=1.0)をとり、透視歪がある場合はグラフの正または負の方向へ移動してテンプレート画像と撮像画像との類似性が低下し、正規化相関値は「1」より小さな値となる。したがって、透視歪の強さは、正規化相関値から間接的に知ることができる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のPM法には大きく二つの課題があり、実用化が困難である。すなわち、測定感度不足という問題と、汎用性の欠如という問題がある。図14から明らかなように、透視歪の強さが「0」に近づくに連れてグラフの傾きがなだらかになり、透視歪の強さと正規化相関値との線形性が保たれなくなる。その結果、微弱な透視歪においては、正規化相関値が実質的に「0」となり歪なしと判断されてしまう。
【0018】
このような微弱な透視歪であっても、歪の生じる位置によっては問題になるケースがあり、例えばフロントガラスの中央領域における透視歪は、運転手の視界を妨げるため限りなく低減させたい。また、透視歪は、歪の方向性または面積の違いによっていくつかの種類に分類されるが、これらを分け隔てなく検出できる汎用性も求められるが、従来のPM法では困難であった。
【0019】
本発明は、このような課題を解決するものであり、従来のPM法が抱える測定感度の不足、および汎用性の欠如を克服する光学歪の評価方法および評価装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために本発明は、透明体を透過して撮像された参照パタンの画像と所定のテンプレート画像とを比較し、この比較結果に基づいて相関値を求めることにより前記透明体の光学歪を評価する方法において、前記テンプレート画像は、前記参照パタンを変形させた画像であることを特徴とする光学歪の評価方法を提供する。
【0021】
また、前記テンプレート画像は、前記参照パタンを拡大または縮小した画像であることが好ましい。また、前記テンプレート画像は、前記参照パタンを所定の一方向に沿って拡大または縮小した画像であることが好ましい。
【0022】
また、本発明は、発光面に所定の参照パタンを備えた面光源と、透明体の傾きを保持するための保持手段と、前記透明体を透過して得られた前記参照パタンの画像を撮像する撮像手段と、前記撮像された画像と所定のテンプレート画像とを比較し、この比較結果に基づいて相関値を算出する相関値算出手段と、前記算出された相関値に基づいて前記透明体の光学歪を評価する評価手段とを備え、前記テンプレート画像は、前記参照パタンを変形させた画像であることを特徴とする光学歪の評価装置を提供する。
また、前記テンプレート画像は、前記参照パタンを拡大または縮小した画像であることが好ましい。また、前記テンプレート画像は、前記参照パタンを所定の一方向に沿って拡大または縮小した画像であることが好ましい。
【0023】
ここで、本発明に係る光学歪の評価原理について説明する。
従来のPM法が抱える問題点を解決するため、本発明は参照パタンを変形させた画像をテンプレートとして用いる。この方法により、測定感度の向上とともに汎用性も向上させることができる。テンプレート画像の変形のさせかたには、(1)パタン周期の拡大または縮小、(2)パタンの変形の方向性、(3)テンプレートの面積の拡大または縮小、といった主に3つの観点がある。
【0024】
これらは歪の種類に応じて使い分けると効果的であり、ガラス板に複数種類の歪が混在するような場合は、(1)〜(3)のテンプレートを適宜組み合わせて用いるとよい。以下、テンプレートの変形のさせ方について説明する。
【0025】
〔1.パタン周期の拡大または縮小〕
テンプレートに使用するパタンを理想的な透視像(すなわち参照パタン)としないで、パタン周期を積極的に拡大または縮小させた画像を、テンプレート画像とする。図1(a)は参照パタンと同じ模様のテンプレート(以下、通常テンプレートという)、図1(b)は通常パタンを拡大変形させたテンプレート、図1(c)は通常パタンを縮小変形させたテンプレートを示す。
【0026】
図2(a)にテンプレートのパタン周期を拡大した場合、図2(b)にテンプレートのパタン周期を縮小した場合における透視歪の強さと正規化相関値との関係を示す。これらの図から明らかなように、透視歪「0」におけるグラフの傾きは、図14の場合と比べて充分に急なものとなっている。そのため、透視歪「0」付近における線形性が充分に保たれ、高感度で透視歪を検出できる。
【0027】
なお、実際の撮像にあたっては、多階調(例えば256階調)で画像を読み取ること、およびカメラの解像度に制約があること等により、撮像された画像は画素毎に白/灰/黒といった輝度を有する画像となる。したがって、ある断面での波形は完全な矩形波として撮像されることはなく(図3(a),A−A’線)、正弦波に近似した波形となる(図3(b),B−B’線)。そこで、テンプレート画像には、このような事情を考慮して、正弦波に近似した輝度分布の画像を用いることが好ましい。
【0028】
図4は、パターンマッチングの原理を模式的に示す説明図である。テンプレート画像の波形と撮像画像の波形とをそれぞれ正規化してから(振幅が等しくなるように調整する)、両波形を重畳させる。その結果、透視歪がなければ両波形は一致するが、透視歪があると歪の強さに応じてずれが生じる。よって、上述の正規化相関値は、ずれた領域の面積に応じて決定される。
【0029】
〔2.パタン変形の方向性〕
上記図1では、垂直および水平方向を同じ割合で変形させたテンプレートを示したが、透視歪の種類によっては、拡大や縮小の方向を一方向に限定したテンプレートを利用することが好ましい場合がある。すなわち、パタン変形の方向性にバリエーションを持たせることにより、多種の透視歪への対応性を高めることができる。
【0030】
図5、6に垂直方向だけにパタン周期を拡大させたテンプレートの一例を示す。自動車用ガラスの素板はフロート成形に起因する表面うねりを有している。表面うねりは、透視像の変形が一方向に限定される線状の透視歪を生じさせる。また、ガラス板の曲げ成形に起因する成形歪の一部も一方向に透視像が変形する。
【0031】
これらの透視歪を観測する状況は、円筒状のレンズを通じて透視する状況に似ている。パタン変形を一方向に限定したテンプレートは、そのような透視歪の検出に向いている。なお、変形する方向は、水平または垂直方向に限られるものではなく、斜めであってもよい。
【0032】
〔3.テンプレートの面積〕
図7、8に、図1の通常テンプレートよりも大面積および小面積としたテンプレートの一例を示す。従来のPM法ではテンプレートの面積を固定していたが、多種の透視歪への対応性を高める対策として、テンプレートの面積にバリエーションを与えるとよい。すなわち、評価対象の透視歪面積に応じて、面積の異なるテンプレートを使い分けることにより、汎用性を高めることができる。
【0033】
一般的に、広い範囲で透視像がゆがむ透視歪に対して大面積テンプレートを適用し、狭い範囲で透視像がゆがむ透視歪に対しては小面積テンプレートを適用するとよい。このようなテンプレート画像の面積を変化させることは、透視歪の面積に応じたフィルタリングを施すことに相当する。
【0034】
ガラス板における透視歪の大きさは透視歪の発生原因によって大きく変化する。例えば素板中の泡や異物に起因する歪の大きさ(ガラス板自身に生じる歪の大きさ)は数mmオーダである。また、成形に起因する歪の大きさ(ガラス板自身に生じる歪の大きさ)は50mm超となる。このような面積が異なる歪を単一面積のテンプレートで処理することは困難であり、歪の大きさに応じてテンプレート画像を可変することは効果的である。
【0035】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一つの実施の形態について図を用いて説明する。
図9は、本発明に係る光学歪の評価装置の一実施形態を示す説明図である。同図に示すように、直方体状の筐体内に複数の蛍光灯を水平に並べた面光源101は、光の照射面(拡散板101b)に、正面視で図5〜8に示した参照パタン101bを備えている。また、参照パタン101bから一定の距離を離して、2次元CCD(Charge Coupled Devices)センサを備えたカメラ103が設置されている。
【0036】
面光源101とカメラ103の間には、図示しない金属製フレームが設置され、この金属製フレームには、ゴム製のパットを備えた数個のクリップ102aが取り付けられている。各クリップ102aは上記パットをガラス板102の周縁部に当接させ、ガラス板102を挟持する。金属フレームと各クリップとの取り付け角度は自由に変えることができ、ガラス板102は自動車に実際に組み付けられる角度と等しい傾斜θで支持固定される。例えばセダンタイプの自動車のフロントガラスであれば、水平面に対して約30°傾けられる。
【0037】
評価装置104は、I/F104aと、画像処理ボード104bと、CPU(Central Processing Unit)104cと、RAM(Random Access Memory)104dと、HDD(Hard Disk Drive)104eと、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)ドライブ104fと、液晶表示装置等の表示部104gと、キーボードおよびマウス等の入力部104hとを備え、これらはバス104i(アドレスバス、データバス、制御バスを含む)に接続され、相互に通信が可能となっている。
【0038】
I/F104aは、外部に設置されたカメラ103と評価装置104との間で相互に通信を行うためのインタフェースである。画像処理ボード104bは、正規化相関値の演算に用いられる装置である。CPU104cは、RAM104dを一時記憶装置として使用し、各種演算および制御を行う。HDD104eには、図1,5,6,7,8に示したようなテンプレート画像(ただし正弦波形に近似されている)、および後述の評価手順を実施するためのプログラム等を格納している。CD−ROMドライブ104fは、後述の評価プログラムをHDD104eにインストール際等に用いられる。表示部104gは入力受付画面や計算結果等の表示に使用され、キーボードおよびマウス等の入力部104hはプログラムの実行指示や各種情報の入力に使用される。
【0039】
次に、評価装置104による光学歪の評価手順について説明する。
図10は、本発明に係る光学歪の評価方法の一実施形態を示すフローチャートである。この評価手順は、HDD104eに格納されている評価プログラムをCPU104cが読み出すことで実行される。
【0040】
まず、CPU104cの指示より、カメラ103はガラス板102を透過して観察される参照パタン101bの全体像を撮像する(ステップs1)。次いで、撮像された画像は画像処理ボード104bに送られ、画像処理ボード104bはこの画像からテンプレート画像と同じ大きさの画像を抽出し(ステップs2)、抽出した画像とテンプレート画像との正規化相関値を求める(ステップs3)。
【0041】
次いで、CPU104cは、ステップs1で撮像された画像の全領域における正規化相関値が求められたかを判定する(ステップs4)。求められていないときはステップs2に戻り、前回抽出した画像と隣接する領域から、テンプレート画像と同じ大きさの画像を抽出して正規化相関値を求め、ステップs2〜s4を繰り返す。したがって、以上の手順は、参照パタンの全体像を互いに重なり合わない複数の小領域に分割し、各小領域における正規化相関値を求めることに相当する。
【0042】
次いで、ステップs2〜s4の繰り返しの結果、CPU104cは全小領域における正規化相関値が求められたことを確認すると、各小領域の正規化相関値をレンズ度数に換算し、ガラス板の透視歪を評価する(ステップs5)。すなわち、撮像した画像の全小領域におけるレンズ度数を所定の閾値と比較し、その結果に基づいてガラス板の良否を判定する。上記計算結果および判定結果等は、操作者の指示に応じて、表示部104gに表示されたり、HDD104eに記憶保持されたりする。
【0043】
【実施例】
次に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、図9に示した評価装置104を用いて、ガラス板の透視歪を評価した。すなわち、面光源101として拡散板101b表面に周期パタンフィルムを貼付した高周波蛍光灯面光源を用い、カメラ103としてCCD白黒エリアカメラを用い、画像処理ボード104bとして(株)日立製作所製のIP5000シリーズを用いた。評価装置104は、画像処理ボード104bを接続するためのPCI(Peripheral Component Interconnect)バスを備えたパーソナルコンピュータである。
【0044】
周期パタンフィルムは、透明PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの表面に、1セルの大きさが3.1mm□である黒色パタンを印刷したものであり、正面視で黒色および透明色のパタンが千鳥配置状に配設されている。面光源101とカメラ103との距離は3000mmであり、ガラス板102と面光源101との距離、およびカメラ103とガラス板102との距離はそれぞれ1900mmとなるように調整されている。
【0045】
カメラ103は焦点距離が25mm、絞り16のレンズが使用され、390[mm]×277[mm]の評価エリアを512×440[画素]の解像度で撮像した。また、カメラ103の解像度は、透視像の明暗分布が1波長当たり6画素程度の正弦波で近似できるように調整されている。テンプレート画像は、その明暗分布が正弦波となる画像が使用されている。
【0046】
次いで、14×14[画素]の通常テンプレートとこの通常テンプレートを1画素拡大した15×15[画素]の拡大変形テンプレートを用い、画像歪量と正規化相関値との関係について、コンピュータを用いた数値シミュレーション、および図9に示した評価装置104を用いた物理実験との両者を実施したところ、何れも図11に示す結果を得た。同図に示すように、拡大変形点プレートを用いることにより、歪「0」におけるグラフの線形性が向上し、弱い光学歪みを高感度で検出できることを確認した。
【0047】
また、拡大変形テンプレートと縮小変形テンプレートを使用した場合の相関値分布の差をとることにより、光学歪の検出感度はさらに向上した。すなわち、拡大変形テンプレートを使用することで得られた拡大歪寄りの相関分布から、縮小変形点プレートを使用することで得られた縮小歪寄りの相関分布を引き算することにより、S字を横倒したような相関分布ができあがり、この相関分布を用いることにより感度を倍増させることができる。
【0048】
すなわち、この相関分布と各変形テンプレートと比較した場合、拡大変形テンプレートと最も一致したときの相関値は「+1」となり、縮小変形テンプレートと最も一致したときの相関値は「−1」となり、歪が「0」の近辺における相関変化の傾斜が倍増される。その結果、S/N比が倍増されるとともに、時間的白色ノイズが平滑化され、さらには拡大・縮小変形テンプレートのバランスがよければ歪「0」のレベル調整が不要となるといった利点がある。
【0049】
図12は、10枚のガラス板の評価結果を示すグラフである。自動車のフロントガラスとして用いられる合わせガラスの評価試験(数値シミュレーションおよび物理実験)と、評価者による目視の検査とを行った。具体的には、ガラス板に存在する直径20mm程度の光学歪に対して、大きさが14×14[画素]で輝度の波長が8.5画素のテンプレートと、大きさが14×14[画素]で輝度の波長が4.9画素のテンプレートの差をとった場合に最も高感度に検出できることを確認した。
【0050】
また、22mdoptの光学歪を測定再現性1σ=1.5mdoptで評価することができた(同一サンプルを5回置き直して測定した結果であり、5回のばらつきを標準偏差で表している。「1σ=1.5mdopt」とは、無限回測定した場合に±1.5mdoptの範囲内に70%の確率で収まることを意味する。)。
【0051】
一般的に、人の視覚では30mdopt以下の光学歪の視認が困難であることが知られており、そのことを鑑みると上記評価試験の結果が非常に優れたものであることがわかる。以上から、光学歪の評価を示すレンズ度数[mdopt]と、人による評価結果との間には極めて近い相関関係があることを確認した。
【0052】
以上においては、ガラス板の光学歪の評価について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えばポリカーボネートやアクリル等の樹脂からなる板およびフィルムの光学歪を測定することもできる。さらには、カメラと参照パタンとの間に存在する流体(気体または液体)によって生じる光学歪を測定することもできる。
【0053】
また、参照パタンの例として、チェッカーボードパタンを取り上げたが、周期的に同じ模様が繰り返されるパタンであればその他のパタンであってもよい。例えば複数のバーコードを一定間隔で複数配設したパタンや、水玉模様(透明地に黒色、または黒地に透明色の同一径の丸を周期的に複数配設したパタン)などを用いることができる。その場合、テンプレート画像には、これらのパタンを適宜変形するとともにカメラの解像度に応じて輝度に階調をつけた画像を用いる。
【0054】
また、撮像画像とテンプレート画像との相関の求め方は、正規化相関に限られるものではなく、カメラの解像度等に応じて、2値相関等のその他の手法を用いてもよい。さらに、本発明に係る評価方法を実現するための評価装置は、図9に示したものに限られない。
【0055】
【発明の効果】
以上から明らかなように本発明によれば、参照パタンを変形させたテンプレートを画像を用いることにより、光学歪「0」における相関値の勾配を大きくすることができ、従来測定が困難であった微小な光学歪を測定できる。また、点状または線状の歪、レンズ度数が正または負となるような歪等、多種多様な光学歪を測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るテンプレート画像の一実施形態を示す平面図である。
【図2】(a)拡大変形テンプレートを用いた場合の透視歪の強さと正規化化相関値との関係を示すグラフと、(b)縮小変形テンプレートを用いた場合の透視歪の強さと正規化相関値との関係を示すグラフである。
【図3】(a)理想的なテンプレート画像と、(b)カメラの解像度を考慮して評価試験に用いたテンプレート画像との違いを説明するための説明図である。
【図4】正規化マッチングの原理を説明するための説明図である。
【図5】(a)水平方向拡大変形テンプレートと、(b)水平方向縮小変形テンプレートとを示す平面図である。
【図6】(a)鉛直方向拡大変形テンプレートと、(b)鉛直方向縮小変形テンプレートを示す平面図である。
【図7】(a)通常テンプレートと、(b)縮小サイズテンプレートと、(c)拡大サイズテンプレートとを示す平面図である。
【図8】(a)水平方向拡大サイズテンプレートと、(b)垂直方向拡大サイズテンプレートとを示す平面図である。
【図9】本発明に係る光学歪の評価装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図10】本発明に係る光学歪の評価方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【図11】実施例に係る画像歪量と正規化相関値との関係を示すグラフである。
【図12】10枚のガラス板の評価結果を示すグラフである。
【図13】従来のPM法による評価原理を模式的に示す説明図である。
【図14】通常テンプレートを用いた場合における透視歪の強さと正規化相関値との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
101:面光源
101a:蛍光灯
101b:参照パタン
102:ガラス板
102a:クリップ
103:カメラ
104:評価装置
104a:インタフェース(I/F)
104b:画像処理ボード
104c:CPU
104d:RAM
104e:HDD
104f:CD−ROMドライブ
104g:表示部
104h:入力部
105:撮像画像
Claims (6)
- 透明体を透過して撮像された参照パタンの画像と所定のテンプレート画像とを比較し、この比較結果に基づいて相関値を求めることにより前記透明体の光学歪を評価する方法において、
前記テンプレート画像は、前記参照パタンを変形させた画像であることを特徴とする光学歪の評価方法。 - 前記テンプレート画像は、前記参照パタンを拡大または縮小した画像である請求項1に記載の光学歪の評価方法。
- 前記テンプレート画像は、前記参照パタンを所定の一方向に沿って拡大または縮小した画像である請求項1に記載の光学歪の評価方法。
- 発光面に所定の参照パタンを備えた面光源と、透明体を保持するための保持手段と、前記透明体を透過して得られた前記参照パタンの画像を撮像する撮像手段と、前記撮像された画像と所定のテンプレート画像とを比較し、この比較結果に基づいて相関値を算出する相関値算出手段と、前記算出された相関値に基づいて前記透明体の光学歪を評価する評価手段とを備え、
前記テンプレート画像は、前記参照パタンを変形させた画像であることを特徴とする光学歪の評価装置。 - 前記テンプレート画像は、前記参照パタンを拡大または縮小した画像である請求項4に記載の光学歪の評価装置。
- 前記テンプレート画像は、前記参照パタンを所定の一方向に沿って拡大または縮小した画像である請求項4に記載の光学歪の評価装置。
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