JP3899900B2 - 光式流向センサ - Google Patents
光式流向センサ Download PDFInfo
- Publication number
- JP3899900B2 JP3899900B2 JP2001337710A JP2001337710A JP3899900B2 JP 3899900 B2 JP3899900 B2 JP 3899900B2 JP 2001337710 A JP2001337710 A JP 2001337710A JP 2001337710 A JP2001337710 A JP 2001337710A JP 3899900 B2 JP3899900 B2 JP 3899900B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- flow direction
- strain detection
- fbg
- optical fiber
- magnetic pipe
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Indicating Or Recording The Presence, Absence, Or Direction Of Movement (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、河川水流の方向を常時監視するための流向センサに係り、特に、光ファイバを用いて流向を監視するための光式流向センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、河川流水方向を検出する方式としては、流れの表面に直接電波を発射し、その反射波のドップラー効果により流向を監視する方式、流水に含まれる微粒子の移動をTVカメラにより映像として取り込み、その軌跡を直接監視し、演算して求める方式がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電波等電気式センサを使用して河川等の流向を監視する前者の方式は、電気式であるがゆえに電源の確保が容易でなく、また複数箇所を同時に監視する場合、伝送装置等の機器が必要となるため多点化には適さない。また降雨等悪天候時には電波が、不安定状態となり、確実に監視が行えない可能性がある。さらに、長期的にセンサを放置した場合、センサの入出力部が極端に汚れてしまうと出力が安定せず、またセンサそのものも高価なものであり設置後のメンテナンスも容易ではない。
【0004】
CCDカメラを用いて流水に含まれる微粒子の移動軌跡により流向を監視する後者の方式は、微粒子の移動軌跡の入力はオペレータが行うため、高水流の場合、微粒子の移動速度が速く入力が困難である。また水面が停滞し低水流である場合の監視は不可能であり、またカメラのレンズ部等は長期に放置すると汚れて鮮明な画像が撮影できなくなるなどの問題もある。またそのメンテナンスと電源の確保も容易でなく、多点常時監視は方式的に不可能である。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、周囲環境に影響されずに、多点監視が容易で、しかも電源を全く必要とせずに、且つ頑丈で安価な光式流向センサを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、本体筒内に設けた非磁性体パイプに、回転自在なシャフトを、その非磁性体パイプの下端から突出するよう設けると共に該シャフトの下端に水流方向に向く舵を設け、上記非磁性体パイプ内のシャフトに内部磁石を設け、非磁性体パイプの上端両側より、非磁性体パイプの外側面に沿って垂下するよう一対の歪み検出板を設け、その歪み検出板の下部の非磁性体パイプ側に、上記内部磁石に対向して外部磁石を設け、その歪み検出板に、光ファイバに接続されると共に、歪みにより光ファイバから入射された光から異なる波長をそれぞれ出力するFBGを一体に設けた光式流向センサである。
【0007】
請求項2の発明は、2枚の歪み検出板の温度補正を、流向により変化した歪み検出板側のFBGの出力波長の変化量から、他方の歪み検出板側のFBGの出力波長の変化量を差し引くことで行う請求項1記載の光式流向センサである。
【0008】
請求項3の発明は、FBGは、歪み検出板に一体に設けた光ファイバに光ファイバからの光を波長を変えて出力するグレーティング部を形成してなり、そのFBGの光ファイバを歪み検出板に一体にする際に微量のテンションを与えた状態で一体化させた請求項1記載の光式流向センサである。
【0009】
請求項4の発明は、非磁性体パイプに、複数の歪み検出板を設けると共にこれら歪み検出板にそれぞれ外部磁石を設け、その各歪み検出板にFBGをそれぞれ一体に設け、水流に伴う舵の回転運動を上記各FBGの出力波長変化から検出する請求項1記載の光式流向センサである。
【0010】
請求項5の発明は、光ファイバに請求項1記載の光式流向センサを複数直列に接続したことを特徴とする光式流向センサである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0012】
図1は、FBG( Fiber Bragg Grating)利用光式流向センサの内部構造を示す断面図である。
【0013】
図1において、10は本体筒で、その上部に、上フランジ11が、下部に、下フランジ12が、ボルト13,14で取り付けられると共に本体筒10と上下フランジ11,12間がOリング15,16でシールされる。
【0014】
下フランジ12には、本体筒10内から下フランジ12の下方に貫通するように非磁性体パイプ17が設けられる。本体筒10内に位置した非磁性体パイプ17内には、上下ベアリング18,19を介してシャフト20が回転自在に設けられる。上下のベアリング18,19は、それぞれストップリング21,22で非磁性体パイプ17内に固定される。
【0015】
シャフト20は、非磁性体パイプ17の下端に設けたカラー23から下方に延び、その下部に舵24が設けられる。この舵24はプラスチック系の舶等の舵形状と同じに形成される。
【0016】
本体筒10内の非磁性体パイプ17の上端には、本体筒10の径方向外方に突出するよう取付板25が設けられ、その取付板25の両側に歪み検出板26,27が片持ち支持され、且つ非磁性体パイプ17の側面に沿うように垂下して設けられると共に、その歪み検出板26,27の下端の非磁性体パイプ17に面した側に外部磁石28,29が設けられる。この歪み検出板26,27は、SUSバネ鋼、スーパーインバ材等、温度変化により材料そのものの収縮率の小さい材質が望ましい。
【0017】
この外部磁石28,29の位置に対向してシャフト20には内部磁石30が取り付けられる。内部磁石30と外部磁石28,29とは、その極性が異なるようにしても或いは同極になるようにしてもよい。この内部磁石30と外部磁石28,29に用いる永久磁石は、その磁石密度が2000〜2500ガウス程度とするのが最も好ましい。
【0018】
歪み検出板26,27には、その歪み検出板26,27と一体にFBG31,32が取り付けられる。
【0019】
先ず、流向測定装置(図示せず)に接続された光ファイバ33をループ状にして、上フランジ11より本体筒10内に導入し、その流向測定装置の上流側の光ファイバ33Aを、外水方向検出用の歪み検出板27に一体化して歪み測定光ファイバ部33Dとし、その歪み測定光ファイバ部33Dから接続光ファイバ33Cを介して内水方向検出用の歪み検出板28に一体化して歪み測定用光ファイバ33Uとし、その光ファイバ33Uより流向測定装置の下流側光ファイバ33Bを上フランジ11を通して本体筒10外に延出させ、その下流側光ファイバ33Bを、同様にして他の光式流向センサに順次接続して、多点で流向を測定できるように光ファイバ33が設けられる。
【0020】
FBG31,32は、歪み検出板26,27に一体に設けた歪み測定用光ファイバ33U,33Dに回折波長の相違するグレーティング部34U,34Dを形成して構成される。
【0021】
図2(a)〜図2(c)は、歪み検出板26,27へのFBG31,32取付の詳細を示したもので、図2(a)は正面図、図2(b)は側面図、図2(c)は断面図である。
【0022】
FBG31,32は、SUSバネ鋼等で形成した歪み検出板26,27に、グレーチング部34U,34Dを形成したPI(ポリイミド)で被覆した歪み測定光ファイバ部33U,33Dを接着剤(エポティック;商品名)35で一体に取り付けて形成される。グレーチング部34U,34Dは、回折による出力波長が相違するように形成しておく。また、歪み検出板26,27とFBG31,32を一体化させるにあたり、FBG31,32に微量のテンションを与えた状態で一体化することで、微小な歪み検出板26,27の撓みを高感度に検出することが可能となる。
【0023】
次に本発明の作用を説明する。
【0024】
本体筒10を水流を測定する河川の水面近くに設置すると共に舵24を水面に浸るように取り付ける。
【0025】
舵24は、図3(a)に示すように、水流が内水方向(上流から下流への流れ)にある場合には、舵24は回転しながら内水方向を示し、シャフト20、内部磁石30も内水方向を示す位置にある。
【0026】
この状態のとき、外部磁石28,29の内、内水方向を示す外部磁石28と内部磁石30とが引きつけ合うため、その歪み検出板26が非磁性体パイプ17に接するように変形する。
【0027】
また、内水方向から外水方向に水流の流れが変化した場合には、図3(b)に示すように、舵24は、外水方向に回転し、同時に内部磁石30も外水方向を指す。すると、内水方向の検知と同様に、今度は外水方向を示す外部磁石29が引き合い、その歪み検知板27が非磁性体パイプ17に接するように変形する。
【0028】
光ファイバ33には、その流向測定装置(図示せず)から、光が入射されており、歪み検出板26,27の変形により、FBG31,32で、回折により反射が起こると共に、その反射光の出力波長が変化するため、この変化を流向計測装置で計測することで、舵24が内水方向か外水方向か或いはその他の方向(水流が停滞している状態)かが判別できる。
【0029】
この場合、歪み検出板26,27の湾曲時のたわみ量は、FBG出力波長変化量で1.5〜2.0nmとすることが、温度と流向の波長分離を考慮すると望ましく、且つ歪み検知板26,27の再現性を精度よく行う上でも最も望ましい。
【0030】
図4は、本発明のFBG利用光式流向センサの波長変化による流向判定を説明する図である。
【0031】
図4において、Aは、水流が停滞しているとき、Bは水流が内水方向(上流から下流方向)のとき、Cは水流が外水方向(下流から上流方向)のときを示し、その際のFBG利用光式流向センサの舵24の向きを同時に示した。
【0032】
先ず、上述のように内水方向検出用のFBG31と外水方向検出用のFBG32は、異なった出力波長となるように形成し、その2波長の変化から水流の向きを判別する。
【0033】
すなわち、図4中、aは、内水方向検出用のFBG31による波長変化で、bは、外水方向検出用のFBG32による波長変化を示したもので、水流が停滞しているとき(A)は、舵24は、図示のように水流方向がないため、方向性を示さず、水流が内水方向(図で、右から左の流れ)のとき(B)は、舵24は、その尾部が下流方向に向き(図3(a)参照)、このため、内部磁石30と内水側の外部磁石28とが引き合って歪み検出板26を屈曲させ、これによりFBG31で出力波長が変化する。また水流が外水方向(図で、左から右の流れ)のとき(C)は、舵24は、その尾部が上流方向に向き(図3(b)参照)、このため、内部磁石30と外水側の外部磁石29とが引き合って歪み検出板27を屈曲させ、これによりFBG32で出力波長が変化する。
【0034】
このようにFBG31,32の出力波長変化a,bを流向測定装置で検出し、この信号を処理することで、双方の波長変化の有無により河川水流の流れの向きを容易に検出することができる。
【0035】
また、歪み検出板26,27は、温度変化により線膨張し、これがFBG31,32の出力波長変化に影響を及ぼすため、温度補正を行う。この温度補正は、流向により変化した歪み検出板26(または27)の出力波長の変化量から他方の歪み検出板27(または26)の出力波長の変化量を差し引くことにより行う。
【0036】
上述の実施の形態においては、水流方向の上流と下流に位置して歪み検出板26,27とFBG31,32を設ける例で説明したが、この歪み検出板26,27と、90度回転した位置に歪み検出板とFBGを設けることにより、図4の水流が停滞しているとき(A)の舵の方向を検出できるとともに、水流が渦巻き状で、舵24が回転する場合にはその回転の状態も検出することが可能である。
【0037】
以上、本発明の光式流向検出センサによれば、無電源で精度よく河川などの流向検出が可能であり、また光ファイバに順次直列に光式流向検出センサを接続することで、河川の水流の多点測定も可能となる。また光式流向検出センサは、外観寸法、重量についてみても、外径約100mm、高さ300mm、重量約5kgと軽量コンパクトであり、現地に適したものを提供できる。
【0038】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、周囲環境に影響されずに多点化が容易で、しかも電源を全く必要としない安価な光式流向センサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す断面図である。
【図2】図1の歪み検出板へのFBG取り付けの詳細を示す図である。
【図3】本発明において、水流に対する舵の方向を説明する図である。
【図4】本発明において、FBGの出力波長変化による流向判定を説明する図である。
【符号の説明】
10 本体筒
17 非磁性体パイプ
20 シャフト
24 舵
26,27 歪み検出板
28,29 外部磁石
30 内部磁石
31,32 FBG
33 光ファイバ
【発明の属する技術分野】
本発明は、河川水流の方向を常時監視するための流向センサに係り、特に、光ファイバを用いて流向を監視するための光式流向センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、河川流水方向を検出する方式としては、流れの表面に直接電波を発射し、その反射波のドップラー効果により流向を監視する方式、流水に含まれる微粒子の移動をTVカメラにより映像として取り込み、その軌跡を直接監視し、演算して求める方式がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電波等電気式センサを使用して河川等の流向を監視する前者の方式は、電気式であるがゆえに電源の確保が容易でなく、また複数箇所を同時に監視する場合、伝送装置等の機器が必要となるため多点化には適さない。また降雨等悪天候時には電波が、不安定状態となり、確実に監視が行えない可能性がある。さらに、長期的にセンサを放置した場合、センサの入出力部が極端に汚れてしまうと出力が安定せず、またセンサそのものも高価なものであり設置後のメンテナンスも容易ではない。
【0004】
CCDカメラを用いて流水に含まれる微粒子の移動軌跡により流向を監視する後者の方式は、微粒子の移動軌跡の入力はオペレータが行うため、高水流の場合、微粒子の移動速度が速く入力が困難である。また水面が停滞し低水流である場合の監視は不可能であり、またカメラのレンズ部等は長期に放置すると汚れて鮮明な画像が撮影できなくなるなどの問題もある。またそのメンテナンスと電源の確保も容易でなく、多点常時監視は方式的に不可能である。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、周囲環境に影響されずに、多点監視が容易で、しかも電源を全く必要とせずに、且つ頑丈で安価な光式流向センサを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、本体筒内に設けた非磁性体パイプに、回転自在なシャフトを、その非磁性体パイプの下端から突出するよう設けると共に該シャフトの下端に水流方向に向く舵を設け、上記非磁性体パイプ内のシャフトに内部磁石を設け、非磁性体パイプの上端両側より、非磁性体パイプの外側面に沿って垂下するよう一対の歪み検出板を設け、その歪み検出板の下部の非磁性体パイプ側に、上記内部磁石に対向して外部磁石を設け、その歪み検出板に、光ファイバに接続されると共に、歪みにより光ファイバから入射された光から異なる波長をそれぞれ出力するFBGを一体に設けた光式流向センサである。
【0007】
請求項2の発明は、2枚の歪み検出板の温度補正を、流向により変化した歪み検出板側のFBGの出力波長の変化量から、他方の歪み検出板側のFBGの出力波長の変化量を差し引くことで行う請求項1記載の光式流向センサである。
【0008】
請求項3の発明は、FBGは、歪み検出板に一体に設けた光ファイバに光ファイバからの光を波長を変えて出力するグレーティング部を形成してなり、そのFBGの光ファイバを歪み検出板に一体にする際に微量のテンションを与えた状態で一体化させた請求項1記載の光式流向センサである。
【0009】
請求項4の発明は、非磁性体パイプに、複数の歪み検出板を設けると共にこれら歪み検出板にそれぞれ外部磁石を設け、その各歪み検出板にFBGをそれぞれ一体に設け、水流に伴う舵の回転運動を上記各FBGの出力波長変化から検出する請求項1記載の光式流向センサである。
【0010】
請求項5の発明は、光ファイバに請求項1記載の光式流向センサを複数直列に接続したことを特徴とする光式流向センサである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0012】
図1は、FBG( Fiber Bragg Grating)利用光式流向センサの内部構造を示す断面図である。
【0013】
図1において、10は本体筒で、その上部に、上フランジ11が、下部に、下フランジ12が、ボルト13,14で取り付けられると共に本体筒10と上下フランジ11,12間がOリング15,16でシールされる。
【0014】
下フランジ12には、本体筒10内から下フランジ12の下方に貫通するように非磁性体パイプ17が設けられる。本体筒10内に位置した非磁性体パイプ17内には、上下ベアリング18,19を介してシャフト20が回転自在に設けられる。上下のベアリング18,19は、それぞれストップリング21,22で非磁性体パイプ17内に固定される。
【0015】
シャフト20は、非磁性体パイプ17の下端に設けたカラー23から下方に延び、その下部に舵24が設けられる。この舵24はプラスチック系の舶等の舵形状と同じに形成される。
【0016】
本体筒10内の非磁性体パイプ17の上端には、本体筒10の径方向外方に突出するよう取付板25が設けられ、その取付板25の両側に歪み検出板26,27が片持ち支持され、且つ非磁性体パイプ17の側面に沿うように垂下して設けられると共に、その歪み検出板26,27の下端の非磁性体パイプ17に面した側に外部磁石28,29が設けられる。この歪み検出板26,27は、SUSバネ鋼、スーパーインバ材等、温度変化により材料そのものの収縮率の小さい材質が望ましい。
【0017】
この外部磁石28,29の位置に対向してシャフト20には内部磁石30が取り付けられる。内部磁石30と外部磁石28,29とは、その極性が異なるようにしても或いは同極になるようにしてもよい。この内部磁石30と外部磁石28,29に用いる永久磁石は、その磁石密度が2000〜2500ガウス程度とするのが最も好ましい。
【0018】
歪み検出板26,27には、その歪み検出板26,27と一体にFBG31,32が取り付けられる。
【0019】
先ず、流向測定装置(図示せず)に接続された光ファイバ33をループ状にして、上フランジ11より本体筒10内に導入し、その流向測定装置の上流側の光ファイバ33Aを、外水方向検出用の歪み検出板27に一体化して歪み測定光ファイバ部33Dとし、その歪み測定光ファイバ部33Dから接続光ファイバ33Cを介して内水方向検出用の歪み検出板28に一体化して歪み測定用光ファイバ33Uとし、その光ファイバ33Uより流向測定装置の下流側光ファイバ33Bを上フランジ11を通して本体筒10外に延出させ、その下流側光ファイバ33Bを、同様にして他の光式流向センサに順次接続して、多点で流向を測定できるように光ファイバ33が設けられる。
【0020】
FBG31,32は、歪み検出板26,27に一体に設けた歪み測定用光ファイバ33U,33Dに回折波長の相違するグレーティング部34U,34Dを形成して構成される。
【0021】
図2(a)〜図2(c)は、歪み検出板26,27へのFBG31,32取付の詳細を示したもので、図2(a)は正面図、図2(b)は側面図、図2(c)は断面図である。
【0022】
FBG31,32は、SUSバネ鋼等で形成した歪み検出板26,27に、グレーチング部34U,34Dを形成したPI(ポリイミド)で被覆した歪み測定光ファイバ部33U,33Dを接着剤(エポティック;商品名)35で一体に取り付けて形成される。グレーチング部34U,34Dは、回折による出力波長が相違するように形成しておく。また、歪み検出板26,27とFBG31,32を一体化させるにあたり、FBG31,32に微量のテンションを与えた状態で一体化することで、微小な歪み検出板26,27の撓みを高感度に検出することが可能となる。
【0023】
次に本発明の作用を説明する。
【0024】
本体筒10を水流を測定する河川の水面近くに設置すると共に舵24を水面に浸るように取り付ける。
【0025】
舵24は、図3(a)に示すように、水流が内水方向(上流から下流への流れ)にある場合には、舵24は回転しながら内水方向を示し、シャフト20、内部磁石30も内水方向を示す位置にある。
【0026】
この状態のとき、外部磁石28,29の内、内水方向を示す外部磁石28と内部磁石30とが引きつけ合うため、その歪み検出板26が非磁性体パイプ17に接するように変形する。
【0027】
また、内水方向から外水方向に水流の流れが変化した場合には、図3(b)に示すように、舵24は、外水方向に回転し、同時に内部磁石30も外水方向を指す。すると、内水方向の検知と同様に、今度は外水方向を示す外部磁石29が引き合い、その歪み検知板27が非磁性体パイプ17に接するように変形する。
【0028】
光ファイバ33には、その流向測定装置(図示せず)から、光が入射されており、歪み検出板26,27の変形により、FBG31,32で、回折により反射が起こると共に、その反射光の出力波長が変化するため、この変化を流向計測装置で計測することで、舵24が内水方向か外水方向か或いはその他の方向(水流が停滞している状態)かが判別できる。
【0029】
この場合、歪み検出板26,27の湾曲時のたわみ量は、FBG出力波長変化量で1.5〜2.0nmとすることが、温度と流向の波長分離を考慮すると望ましく、且つ歪み検知板26,27の再現性を精度よく行う上でも最も望ましい。
【0030】
図4は、本発明のFBG利用光式流向センサの波長変化による流向判定を説明する図である。
【0031】
図4において、Aは、水流が停滞しているとき、Bは水流が内水方向(上流から下流方向)のとき、Cは水流が外水方向(下流から上流方向)のときを示し、その際のFBG利用光式流向センサの舵24の向きを同時に示した。
【0032】
先ず、上述のように内水方向検出用のFBG31と外水方向検出用のFBG32は、異なった出力波長となるように形成し、その2波長の変化から水流の向きを判別する。
【0033】
すなわち、図4中、aは、内水方向検出用のFBG31による波長変化で、bは、外水方向検出用のFBG32による波長変化を示したもので、水流が停滞しているとき(A)は、舵24は、図示のように水流方向がないため、方向性を示さず、水流が内水方向(図で、右から左の流れ)のとき(B)は、舵24は、その尾部が下流方向に向き(図3(a)参照)、このため、内部磁石30と内水側の外部磁石28とが引き合って歪み検出板26を屈曲させ、これによりFBG31で出力波長が変化する。また水流が外水方向(図で、左から右の流れ)のとき(C)は、舵24は、その尾部が上流方向に向き(図3(b)参照)、このため、内部磁石30と外水側の外部磁石29とが引き合って歪み検出板27を屈曲させ、これによりFBG32で出力波長が変化する。
【0034】
このようにFBG31,32の出力波長変化a,bを流向測定装置で検出し、この信号を処理することで、双方の波長変化の有無により河川水流の流れの向きを容易に検出することができる。
【0035】
また、歪み検出板26,27は、温度変化により線膨張し、これがFBG31,32の出力波長変化に影響を及ぼすため、温度補正を行う。この温度補正は、流向により変化した歪み検出板26(または27)の出力波長の変化量から他方の歪み検出板27(または26)の出力波長の変化量を差し引くことにより行う。
【0036】
上述の実施の形態においては、水流方向の上流と下流に位置して歪み検出板26,27とFBG31,32を設ける例で説明したが、この歪み検出板26,27と、90度回転した位置に歪み検出板とFBGを設けることにより、図4の水流が停滞しているとき(A)の舵の方向を検出できるとともに、水流が渦巻き状で、舵24が回転する場合にはその回転の状態も検出することが可能である。
【0037】
以上、本発明の光式流向検出センサによれば、無電源で精度よく河川などの流向検出が可能であり、また光ファイバに順次直列に光式流向検出センサを接続することで、河川の水流の多点測定も可能となる。また光式流向検出センサは、外観寸法、重量についてみても、外径約100mm、高さ300mm、重量約5kgと軽量コンパクトであり、現地に適したものを提供できる。
【0038】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、周囲環境に影響されずに多点化が容易で、しかも電源を全く必要としない安価な光式流向センサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す断面図である。
【図2】図1の歪み検出板へのFBG取り付けの詳細を示す図である。
【図3】本発明において、水流に対する舵の方向を説明する図である。
【図4】本発明において、FBGの出力波長変化による流向判定を説明する図である。
【符号の説明】
10 本体筒
17 非磁性体パイプ
20 シャフト
24 舵
26,27 歪み検出板
28,29 外部磁石
30 内部磁石
31,32 FBG
33 光ファイバ
Claims (5)
- 本体筒内に設けた非磁性体パイプに、回転自在なシャフトを、その非磁性体パイプの下端から突出するよう設けると共に該シャフトの下端に水流方向に向く舵を設け、上記非磁性体パイプ内のシャフトに内部磁石を設け、非磁性体パイプの上端両側より、非磁性体パイプの外側面に沿って垂下するよう一対の歪み検出板を設け、その歪み検出板の下部の非磁性体パイプ側に、上記内部磁石に対向して外部磁石を設け、その歪み検出板に、光ファイバに接続されると共に、歪みにより光ファイバから入射された光から異なる波長をそれぞれ出力するFBGを一体に設けたことを特徴とする光式流向センサ。
- 2枚の歪み検出板の温度補正を、流向により変化した歪み検出板側のFBGの出力波長の変化量から、他方の歪み検出板側のFBGの出力波長の変化量を差し引くことで行う請求項1記載の光式流向センサ。
- FBGは、歪み検出板に一体に設けた光ファイバに光ファイバからの光を波長を変えて出力するグレーティング部を形成してなり、そのFBGの光ファイバを歪み検出板に一体にする際に微量のテンションを与えた状態で一体化させた請求項1記載の光式流向センサ。
- 非磁性体パイプに、複数の歪み検出板を設けると共にこれら歪み検出板にそれぞれ外部磁石を設け、その各歪み検出板にFBGをそれぞれ一体に設け、水流に伴う舵の回転運動を上記各FBGの出力波長変化から検出する請求項1記載の光式流向センサ。
- 光ファイバに請求項1記載の光式流向センサを複数直列に接続したことを特徴とする光式流向センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001337710A JP3899900B2 (ja) | 2001-11-02 | 2001-11-02 | 光式流向センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001337710A JP3899900B2 (ja) | 2001-11-02 | 2001-11-02 | 光式流向センサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003139790A JP2003139790A (ja) | 2003-05-14 |
JP3899900B2 true JP3899900B2 (ja) | 2007-03-28 |
Family
ID=19152309
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001337710A Expired - Fee Related JP3899900B2 (ja) | 2001-11-02 | 2001-11-02 | 光式流向センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3899900B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110940829A (zh) * | 2019-12-06 | 2020-03-31 | 石家庄铁道大学 | 光纤光栅风向传感器及光纤光栅风速风向传感器 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4789612B2 (ja) | 2005-12-21 | 2011-10-12 | キヤノン株式会社 | 画像形成装置及びトナー回収装置 |
KR101600573B1 (ko) * | 2014-09-30 | 2016-03-07 | 에스제이포토닉스 주식회사 | 광섬유 브래그 격자 기반 센서 및 이를 이용하는 관측 시스템 |
CN108037312B (zh) * | 2017-12-30 | 2024-04-12 | 石家庄铁道大学 | 水流流速流向传感器 |
CN108169514B (zh) * | 2017-12-30 | 2024-04-12 | 石家庄铁道大学 | 水流流向传感器 |
-
2001
- 2001-11-02 JP JP2001337710A patent/JP3899900B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110940829A (zh) * | 2019-12-06 | 2020-03-31 | 石家庄铁道大学 | 光纤光栅风向传感器及光纤光栅风速风向传感器 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003139790A (ja) | 2003-05-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5771091A (en) | Sensor and a method for measuring distances to, and/or physical properties of, a medium | |
US6782766B2 (en) | Apparatus for detecting torque, axial position and axial alignment of a rotating shaft | |
JP2005121656A5 (ja) | ||
US7714271B1 (en) | Simple fiber optic seismometer for harsh environments | |
EP3163262B1 (en) | Coriolis mass flow meter | |
US20090245028A1 (en) | Ultra low frequency acoustic vector sensor | |
CN106153978B (zh) | 基于光纤mems法珀微腔的流速测试方法 | |
US9921093B2 (en) | Coriolis mass flow meter | |
JP3899900B2 (ja) | 光式流向センサ | |
CA1228753A (en) | Sensor for a vortex shedding flowmeter | |
JP2003287451A (ja) | 光式流速センサ | |
JP3499487B2 (ja) | センサ付面積式流量計 | |
CN115267253A (zh) | 基于非平衡马赫泽德干涉仪和光纤光栅的流速测量方法 | |
TWI401423B (zh) | 非接觸式振動感測裝置 | |
JP2007033075A (ja) | 光学式水位計 | |
CN105783738A (zh) | 一种增量式小量程位移传感器及测量方法 | |
JP2005003535A (ja) | 光式流向流速センサ | |
JP2008249468A (ja) | 低周波振動検出装置 | |
JPH071186B2 (ja) | 流量計発信器 | |
JP2000162226A (ja) | 流速センサ | |
WO2020230124A1 (en) | System and methods for fluid flow analysis | |
JPH11166803A (ja) | 磁気式ケーブル伸び出し量センサ | |
KR200241372Y1 (ko) | 피그에 부설된 주행거리 측정장치 | |
KR200241666Y1 (ko) | 센서 내장형 기계식 핑거 | |
CN110763209A (zh) | 一种基于谐振腔原理的湍流探测器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060302 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061205 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061218 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |