JP3899155B2 - レーザ加工機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アシストガスの圧力調整手段を具えたレーザ加工機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のレーザ加工機において、アシストガス供給源とノズルとの間に電空レギュレータを設け、これをアシストガスの圧力制御装置としたものがある。この電空レギュレータは、背圧室の圧力により摺動可能な圧力調整弁と、二次圧を検出する圧力センサと、前記圧力センサが出力する電気信号と入力電気信号とを比較し、背圧室のガス放出量を制御する制御器を備えると共に、背圧室に一次側ガスを入れたもので、背圧室のガス放出量を制御することによって圧力調整弁を開閉し、入力電気信号に見合った二次圧力を得ることができるようにしたものであるが、その一次側ガスによって圧力調整弁を開閉しているので、一次圧力の変動により二次圧が変動するという欠点があった。
【0003】
即ち、電空レギュレータをレーザ加工機のアシストガス圧力調整手段として使用した場合には、アシストガス供給源たるガスボンベの交換による供給圧力の変動やガスボンベの残量ガスの減少に伴う供給圧力の減少により、ノズルから噴出するアシストガス圧力が変動し、良好な加工品質を得られなくなるという問題があったのである。
【0004】
その結果、比較的低圧のアシストガスを使用する加工においても、ガスボンベの残量ガスの減少により加工品質が悪化するので、ボンベ内にガスが入っているのにも拘らず、ボンベの交換を余儀なくされるという事態が起こっていた。
【0005】
更に、レーザ加工においては、比較的高圧のアシストガスを使用することがあるが、電空レギュレータは一次側ガスの放出量を制御することによって、二次圧力を調整するので、その構造上、比較的高圧のガスに使用することができなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のような従来技術に鑑み、アシストガス供給源の圧力変動が生じた場合でも、ノズルから噴出されるアシストガス圧力が変動しにくいアシストガス圧力調整装置を備えたレーザ加工機を提供することを、その課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明レーザ加工機の構成は、ノズルから被加工材にアシストガスを噴出しながらレーザビームにより加工を行うレーザ加工機において、前記アシストガスの流路を分岐し、一方のアシストガス流路における前記ノズルとアシストガス供給源との間に電気信号によりアシストガス圧力を連続的に制御可能な電空レギュレータを設け、他方のアシストガス流路の前記ノズルとアシストガス供給源との間にアシストガス圧力を制御する圧力制御装置を設けるとともに、前記電空レギュレータの二次圧力を前記圧力制御装置におけるパイロットガス圧力に使用する一方、前記電空レギュレータを経由しないアシストガス圧力を前記圧力制御装置の二次圧力に使用し、当該圧力制御装置におけるパイロットガス圧力と二次圧力のバランスにより前記ノズルでのアシストガスの圧力を制御するようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
而して、圧力制御装置は、パイロットガスの受面積と電空レギュレータを経由しないアシストガス圧力による当該圧力制御装置の二次圧力の受面積に差を設けることによって、パイロットガス圧力に対する圧力制御装置の二次圧力を増圧又は減圧可能にすることが望ましい。
【0009】
また、電空レギュレータをエアオペレートタイプにし、オペレートエアの二次圧力を圧力制御装置のパイロットガス圧力に使用するようにすると、装置の構成上有利である。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態例を図により説明する。図1は本発明レーザ加工機の一例におけるアシストガス回路図、図2は本発明レーザ加工機の別例のアシストガス回路図、図3は本発明において使用する圧力制御装置の正断面図、図4は本発明において使用するエアオペレートタイプの電空レギュレータの一例の正断面図、図5は従来のレーザ加工機における一例のアシストガス回路図である。
【0011】
図1,2及び図4において、レーザ加工機は、レーザ発振器(図示せず)から放出されたレーザビームLBをノズル1に導き、ノズル1内のレンズ2により集光して、ノズル1の開口1aから被加工材Wに照射し、切断等の加工を行うものであり、ノズル1にはアシストガス流入口1bが設けられ、このアシストガス流入口1bから供給されたアシストガスはノズル1の開口1aから被加工材Wに噴射されるようになっている。
【0012】
而して、従来公知のレーザ加工機においては、図5に示すように、アシストガス供給源3から流出したアシストガスは、圧力スイッチ4aでその圧力を検知された後、減圧弁5,電磁弁6aを通って電空レギュレータ7に送られ、ここで圧力を調整されてノズル1のアシストガス流入口1bからノズル1内に送り込まれ、ノズル1の開口1aから被加工材Wに噴射されるようになっているため、前述したような欠点乃至は問題があったのである。
【0013】
そこで、本発明においては、図1に示す例のように、アシストガス供給源3から流出したアシストガスを、その圧力を圧力スイッチ4aで検出した後、二方に分岐し、分岐後の一方のアシストガスを比較的低圧に設定された減圧弁5で減圧させた後、電磁弁6aに流入させ、もう一方のアシストガスを電磁弁6bに流入させる一方、電磁弁6aに流入したアシストガスは、該電磁弁6aの開放により電気信号によって圧力を連続的に制御可能な電空レギュレータ7により圧力制御して、電磁弁6c及び圧力制御装置9のパイロットガス流入口14に供給すると共に、電磁弁6cを開放することにより、該電磁弁6cを通過したアシストガスを逆止弁8aを経由してノズル1の開口1aに流入させ、また、電磁弁6bに流入したアシストガスを、圧力制御装置9により圧力を制御した後、逆止弁8bを経由してノズル1に流入させるようにした。
【0014】
ここで、前記アシストガスの圧力を制御する圧力制御装置9は、図3に示すように、前記レギュレータ7を経由したアシストガスがパイロットガスとして流入するパイロットガス流入口14と、電磁弁6bを経由したアシストガスの流入口15及び流出口16が設けられており、パイロットガスはケース13内のパイロットガス室13aに流入し、パイロットピストン17を加圧して押し下げる。このパイロットピストン17の下動に従動する圧力調整弁18の下動により流入出口15,16を塞いでいるポペット弁19が開けられて、前記アシストガスが流出口16内に流入し、アシストガス流出口16内の二次流路13bに流入した前記アシストガスはフィードバック流路13cを経由して二次圧室13dに流入し、摺動可能な圧力調整弁18を上動側に加圧する。
【0015】
上記の圧力制御装置9においては、ガス流路を塞ぐ方向にそれぞれスプリング20,22により加圧された状態で設けた一対のポペット弁19,21は、圧力調整弁18の上,下動動作によりそれぞれ独立して開閉動作するように形成されていると共に、ポペット弁21内のガスは排気室13jからケース13外部に排気可能にガス流路が形成されている。
【0016】
また、ケース13内には、ガス溜り13e,13fとその流路13g,13hが設けられており、パイロットピストン17及び圧力調整弁18を摺動可能にしている。即ち、パイロットガス室13aの圧力による作用力F1がパイロットピストン17を介して圧力調整弁18にその上面から作用し、同時に二次圧室13dの圧力による作用力F2が圧力調整弁18にその下面から作用するようになっている。
【0017】
従って、F1>F2の場合には、圧力調整弁18が下方に移動してポペット弁19を開け、アシストガス流入口15からアシストガス流出口16にアシストガスが流れる。また、ポペット弁19の開放によりF1=F2になると、圧力調整弁18が上昇して、ポペット弁19を閉じる。
【0018】
一方、F1<F2の場合には、圧力調整弁18が上方に移動してポペット弁21を開け、排気室13jからケース13外にアシストガスが放出される。また、ポペット弁19の開放によりF1=F2となると、圧力調整弁18が下降してポペット弁21を閉じる。なお、排気室13jからの排気を使用せず、ノズル1からのアシストガス噴出によりポペット弁21を閉じるようにしてもよい。
【0019】
以上のように構成することにより、電磁弁6aと電磁弁6cを開放した場合には、電空レギュレータ7により圧力制御されたアシストガスがノズル1に流入可能であり、更に、電空レギュレータ7の一次側に設けた減圧弁5を比較的低圧に圧力設定することにより、アシストガス供給源3に圧力変動が起こった場合でも、ノズル1から噴出されるアシストガス圧力が変動しにくいようになっている。
【0020】
一方、電磁弁6aと6bを開放した場合には、電空レギュレータ7で圧力設定されたパイロットガスによる作用力F1と圧力制御装置9の二次側アシストガスによる作用力F2とのバランスにより電磁弁6bを通過したアシストガスが圧力制御され、ノズル1に流入可能となる。更に、パイロットピストン17のパイロットガス受面積を圧力調整弁18の二次圧力受面積より大きく設定することによって、パイロットガス圧力に対する圧力制御装置9の二次圧力を増圧できるので、比較的高圧のアシストガスの圧力制御を電気信号により行うことができる。
【0021】
尚、上記例では、パイロットガス圧力に対し圧力制御装置9の二次圧力を増圧する方法により説明したが、使用形態に応じて、パイロットピストン17のパイロットガス受面積を圧力調整弁18の二次圧力受面積より小さくし、パイロットガス圧力に対する圧力制御装置9の二次圧力即ち、アシストガス圧力を減圧することもできる。
【0022】
更に、上記例では、電空レギュレータ7の二次側ガスを圧力制御装置9のパイロットガスとして使用する方法により説明したが、図2に示すように、電空レギュレータ7をエアオペレートタイプにし、オペレートエアの二次エアーを圧力制御装置9のパイロットエアーに使用するようにしてもよい。
【0023】
エアーオペレートタイプの電空レギュレータは、図4に例示したようなものが用いられる。即ち、図4において、aはフラッパ、bはノズル、cはノズル背圧室、dはダイヤフラム、eは排気弁、f,faは圧力調整弁であるインナバルブ、g,gaは前記インナバルブf,faの下降により開口される給気口、hは圧力センサ、i,jはエアの圧力供給部,圧力出力部、m,nはアシストガスの圧力供給部,圧力出力部、pはコントローラで、圧力調整弁及びガス流路が二段構造になっており、圧力センサhによりオペレートエアの二次圧力を検出し、圧力センサhと入力信号を比較し、背圧室cのエア放出量を制御するコントローラpを備えると共に、背圧室cにオペレートエアを入れるようにしたもので、背圧室cのエア放出量を制御することによって二段構造のインナバルブf,faを動作させ、オペレートエア流路i,j及びガス流路m,nの両方を同時に開閉し、オペレートエア及びアシストガス共に入力信号に見合った二次圧力を得ることができるものであり、通常の電空レギュレータの放出ガスをエアに代えることができるものである。
【0024】
図2は、上記のエアーオペレートタイプの電空レギュレータ7を使用し、このレギュレータ7の二次圧力を、圧力制御装置9のパイロットガス圧力に使用するようにした例を示すものである。また、この図2の例では、アシストガスに種類の異なるガスを使用するため、アシストガス供給系を圧力制御装置9の手前に並設してある。即ち、図2において、4bは圧力スイッチ、6dは電磁弁、10は電空レギュレータ7へのエア供給源、11はアシストガス供給源、12a,12bは電磁弁6b,6dと圧力制御装置9との間に配した逆止弁である。尚、図1において設けられた電磁弁6cは図2のレーザ加工機には設けられない。
【0025】
また、本発明における圧力制御装置により制御するガスは1種類に限定されるものではなく、使用形態に応じて複数種のガスを制御するようにしてもよい。図2はその一例である。
【0026】
【発明の効果】
本発明は上述の通りであって、ノズルから被加工材にアシストガスを噴出しながらレーザビームにより加工を行うレーザ加工機において、前記アシストガスの流路を分岐し、一方のアシストガス流路における前記ノズルとアシストガス供給源との間に電気信号によりアシストガス圧力を連続的に制御可能な電空レギュレータを設け、他方のアシストガス流路の前記ノズルとアシストガス供給源との間にアシストガス圧力を制御する圧力制御装置を設けるとともに、前記電空レギュレータの二次圧力を前記圧力制御装置におけるパイロットガスとして圧力制御装置の一次圧力に使用する一方、前記電空レギュレータを経由しないアシストガス圧力を前記圧力制御装置の二次圧力に使用し、当該圧力制御装置における一次圧力と二次圧力のバランスにより前記アシストガスの二次圧力を制御するようにしたから、アシストガス供給源に圧力変動があった場合でも、ノズルから噴射されるアシストガスの圧力が変動しにくいので、レーザ加工品の品質を損なうことがなく、また、ガスボンベ内のガスをより有効に使用できるし、更に、比較的高圧のアシストガスの圧力を電気信号により制御できるという格別の効果をも奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明レーザ加工機の一例におけるアシストガス回路図。
【図2】 本発明レーザ加工機の別例におけるアシストガス回路図。
【図3】 本発明において使用する圧力制御装置の正断面図。
【図4】 本発明において使用するエアオペレートタイプの電空レギュレータの一例の正断面図。
【図5】 従来のレーザ加工機におけるアシストガス回路図。
【符号の説明】
1 ノズル
3,11 アシストガス供給源
7 電空レギュレータ
9 圧力制御装置

Claims (3)

  1. ノズルから被加工材にアシストガスを噴出しながらレーザビームにより加工を行うレーザ加工機において、前記アシストガスの流路を分岐し、一方のアシストガス流路における前記ノズルとアシストガス供給源との間に電気信号によりアシストガス圧力を連続的に制御可能な電空レギュレータを設け、他方のアシストガス流路の前記ノズルとアシストガス供給源との間にアシストガス圧力を制御する圧力制御装置を設けるとともに、前記電空レギュレータの二次圧力を前記圧力制御装置におけるパイロットガス圧力に使用する一方、前記電空レギュレータを経由しないアシストガス圧力を前記圧力制御装置の二次圧力に使用し、当該圧力制御装置におけるパイロットガス圧力と二次圧力のバランスにより前記ノズルでのアシストガスの圧力を制御するようにしたことを特徴とするレーザ加工機。
  2. 圧力制御装置のパイロットガスの受面積と電空レギュレータを経由しないアシストガス圧力による当該圧力制御装置の二次圧力の受面積に差を設けることによって、パイロットガス圧力に対する圧力制御装置の二次圧力を増圧又は減圧可能にしたことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工機。
  3. 電空レギュレータをエアオペレートタイプのものとし、オペレートエアの二次圧力を圧力制御装置のパイロットガスに使用するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ加工機。
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