JP3898817B2 - 磁気テープのトラッキング方法、磁気記録再生装置および磁気テープ - Google Patents

磁気テープのトラッキング方法、磁気記録再生装置および磁気テープ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気テープのトラッキング方法、磁気記録再生装置および該装置に使用される磁気テープに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、パソコンネットワークの規模増大、データ管理のセキュリティ面の重要性等から、データのバックアップ用媒体である磁気テープに対して大容量化の要求が高まってきた。大容量化の手段としては、記録密度を向上させる方法とテープ長を長くする方法とがある。
【0003】
テープ長を長くする方法では、巻回されたテープがテープカートリッジに収容可能なテープ長が記録容量の上限であることから、大容量化を図るためにはテープ厚みを薄手にしなければならない。従って、この方法には自ずと大容量化に限界がある。一方、記録密度を向上させる方法に関しては、ハードディスクドライブの記録密度に対して磁気テープの記録密度は低いことが知られており、特にサーペンタイン方式の磁気テープの記録密度は低いものである。サーペンタイン方式の磁気テープの記録密度が低い理由は、トラック密度が低いためである。これに対して、もう一方の記録方式であるヘリカルスキャン方式の磁気テープはサーペンタイン方式の磁気テープよりもトラック密度が高いことが知られている。この理由は、ヘリカルスキャン方式の磁気テープではATF(Automatic Track Finding )と呼ばれるサーボトラッキング方式を採用しているためである。
【0004】
サーペンタイン方式の磁気テープにおいてもトラック密度を向上させるための手段としてサーボトラッキング方式が採用されており、そのようなサーボトラッキング方式として磁気記録面のデータトラックと同じトラックにサーボ信号を書込む方式(埋め込みサーボ方式)や、磁気記録面に専用のサーボトラックを設ける方法等が提案されてきた。特にデータトラックのピッチが数十μmになった場合のサーボトラッキング方式として、特公平7−82626号公報においては磁気記録面に専用のサーボトラックを設け且つ複数のサーボ信号再生ヘッドによってサーボ信号を読み出してトラッキングする方式が提案されている。しかしながらこの方法では、トラック数の増加に伴いサーボ信号再生ヘッドの数を増やさなければならず、それを避ける為にはサーボトラックを増やさなければならない。このように従来のサーボトラッキング方式は、磁気記録面のデータエリアと同じエリアをサーボトラッキングのためのエリアとして使用するため、データエリアの面積が減少してしまい、フォーマット効率が悪化してしまうという問題がある。特に特公平7−82626号公報記載のサーボトラッキング方式では、トラック密度が約30tpmm(トラック/mm)以上といった高トラック密度になるとその問題が著しくなる。
【0005】
従って、本発明の目的は、データエリアの面積およびフォーマット効率を減少させることなくトラッキングを行い得る磁気テープのトラッキング方法、磁気記録再生装置および磁気テープを提供することにある。
また、本発明の目的は、データトラックの密度を向上させ得る磁気テープのトラッキング方法、並びに高データトラック密度を有する磁気テープの記録再生が可能な磁気記録再生装置および高データトラック密度を有する磁気テープを提供することにある。
更に、本発明の目的は、記録容量を向上させ得る磁気テープのトラッキング方法、並びに高記録容量を有する磁気テープの記録再生が可能な磁気記録再生装置および高記録容量を有する磁気テープを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、導電性を有するバックコート層を有する磁気テープを用い、テープ走行中に、該バックコート層を介して電極間に発生する電気信号を監視することにより、テープエッジ位置を正確に把握でき、精密なトラッキングを行い得ることを知見した。
【0007】
本発明は上記知見に基づきなされたもので、第1の電極および第2の電極からなる一対の電極を、導電性のバックコート層が設けられた磁気テープの該バックコート層に相対するように少なくとも二対配し、これらの電極のうち、各対の第1の電極を、該磁気テープの走行中に常時該バックコート層に当接するようにそれぞれ配すると共に、各対の第2の電極を、該磁気テープが正常に走行している状態における該磁気テープのテープエッジ外方に位置するように且つ左右のテープエッジの異なる側に位置するようにそれぞれ配し、
走行中の該磁気テープに幅方向への変動が生じて、記録・再生ヘッドが該磁気テープにおける所定のデータトラックの位置から変位した場合に、各対の第1及び第2の電極間に該バックコート層を介して導通を生じさせて電気信号を発生させるようにし、
該電気信号に基づき、該記録・再生ヘッドの変位を補正するか又は該磁気テープの幅方向への変位を補正して、該データトラックのトラッキングを行うようにしたことを特徴とする磁気テープのトラッキング方法を提供することにより上記目的を達成したものである。
【0008】
また、本発明は、導電性のバックコート層が設けられた磁気テープの該バックコート層に相対する第1の電極および第2の電極からなる一対の電極を少なくとも二対備え、これらの電極のうち、各対の第1の電極が、該磁気テープの走行中に常時該バックコート層に当接する位置にそれぞれ配されていると共に、各対の第2の電極が、該磁気テープが正常に走行している状態における該磁気テープのテープエッジ外方に位置するように且つ左右のテープエッジの異なる側に位置するようにそれぞれ配されており、
各対の電極は、走行中の該磁気テープに幅方向への変動が生じて、記録・再生ヘッドが所定のデータトラックの位置から変位した場合に、電極間に該バックコート層を介して導通が生じて電気信号が発生するようになされており、
該電気信号に基づき、該記録・再生ヘッドの変位を補正するか又は上記磁気テープの幅方向への変位を補正して、上記データトラックのトラッキングが行われるようにしたことを特徴とする磁気記録再生装置を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、上記磁気テープのトラッキング方法を用いて記録再生される磁気テープであって、上記バックコート層の表面電気抵抗を1×104 Ω/□以下としたことを特徴とする磁気テープを提供するものである。
【0010】
また、本発明は、上記磁気記録再生装置によって記録再生される磁気テープであって、上記バックコート層の表面電気抵抗を1×104 Ω/□以下としたことを特徴とする磁気テープを提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して説明する。ここで、図1は、本発明の磁気記録再生装置の要部を示す概略図であり、図2は、本発明の磁気テープの構成を示す概略図であり、図3ないし図5は、それぞれ図1に示す磁気記録再生装置における電極の配置状態及び該電極と磁気テープとの位置関係並びに該電極間に発生する電圧の状態を示す概略図である。
【0012】
図1に示す磁気記録再生装置1は、磁気ヘッドユニット2、一対の位置決めガイドロール3,4並びに順方向用電極ユニット5及び逆方向用電極ユニット6を備えている。磁気記録再生装置1は、磁気テープ10の順方向(図1中、矢印Fで示す方向)及び逆方向(図1中、矢印Rで示す方向)への走行が可能なようになされている。順方向用電極ユニット5は、磁気ヘッドユニット2に対して順方向Fの下流側に配されている。同様に、逆方向用電極ユニット6は、磁気ヘッドユニット2に対して逆方向Rの下流側に配されている。磁気ヘッドユニット2は三個の磁気ヘッドがテープ走行方向に沿って直線状に並設されたものから構成されており、中央に記録ヘッド7が配されている。そして、記録ヘッド7に対して順方向Fの上流側に順方向用再生ヘッド8が配されていると共に、逆方向Rの上流側に逆方向用再生ヘッド9が配されている。また、磁気記録再生装置1は、順方向用電極ユニット5及び逆方向用電極ユニット6と電気的に接続され且つこれらのユニット5,6で発生した電圧による電気信号に基づき磁気テープ10の幅方向への変位を判断するサーボトラッキング処理装置20を備えており、更にこのサーボトラッキング処理装置20と電気的に接続され且つこの装置20からの指令に基づき磁気ヘッドユニット2及び/又は位置決めガイドロール3,4を駆動させるサーボ機構(図示せず)を備えている。尚、図示していないが、磁気記録再生装置1には、これらの部材の他に、通常の磁気記録再生装置に備えられている各種部材、例えば磁気テープの駆動装置等と同様のものが備えられていることはいうまでもない。
【0013】
図1に示す磁気記録再生装置1によって記録再生が行われる磁気テープ10は、図2に示すように、支持体11の一方の面上に該支持体11に隣接して磁性または非磁性の中間層12が設けられおり、該中間層12に隣接して最上層としての磁性層13が設けられている。また、支持体11の他方の面上に、表面電気抵抗が1×104 Ω/□以下となされているバックコート層14が設けられている。
【0014】
図2に示す磁気テープ10は、サーペンタイン記録方式に用いられるものであり、磁性層13には、磁気テープ10の走行方向と平行に複数本のデータトラック(図示せず)が形成されている。この磁気テープ10の記録再生時には、磁気記録再生装置1における磁気ヘッドユニット2を磁気テープ10の幅方向に順次移動させてデータトラックの切り替えを行いながら、記録ヘッド7或いは再生ヘッド8,9によって、対応するデータトラックに対して記録或いは再生が行われる。そして、磁気記録再生装置1においては、データトラックの切り替えの際ならびに記録および再生の際に、各ヘッドが適正なデータトラック上に位置するようにサーボトラッキングが行われるようになされている。
【0015】
図1に示す磁気記録再生装置1における磁気テープ10のサーボトラッキング方法について説明すると、上述の通り、磁気記録再生装置1は順方向用および逆方向用電極ユニット5,6を備えており、各電極ユニット5,6は、図1及び図3に示すように、何れも磁気テープ10のバックコート層14に相対するような位置に配されている。尚、以下の説明では、簡便のために磁気テープ10が順方向に走行する場合、即ち、順方向用電極ユニット5を用いてサーボトラッキングが行われる場合についてのみ説明するが、磁気テープ10が逆方向に走行する場合についても順方向の場合と同様の説明が適用される。
【0016】
図3ないし図5に示すように、順方向用電極ユニット5は、第1ユニット5a及び第2ユニット5bから構成されている。第1ユニット5a及び第2ユニット5bは磁気テープ10の走行方向に沿って並設されており、第1ユニット5aが順方向Fに関して上流側に、そして第2ユニット5bが下流側に配されている。尚、図3ないし図5のうち、図3は、磁気テープ10が正常に走行している状態を示しており、図4及び図5はそれぞれ磁気テープ10がテープ幅方向に変位して走行している状態を示している。
【0017】
第1ユニット5aは、第1の電極51a及び第2の電極52aからなる一対の電極を備えている。第1の電極51a及び第2の電極52aは、磁気テープ10の幅方向に所定間隔Dをおいて並設されている。同様に、第2ユニット5bも第1の電極51b及び第2の電極52bからなる一対の電極を備えており、第1の電極51b及び第2の電極52bは、磁気テープ10の幅方向に所定間隔Dをおいて並設されている。即ち、順方向用電極ユニット5は二対の電極を備えている。
【0018】
各ユニット5a,5bにおける第1の電極51a,51bは、何れも磁気テープ10の幅方向略中央部に配されており且つ磁気テープ10の走行中に常時バックコート層14に当接するように配されている。一方、各ユニット5a,5bにおける第2の電極52a,52bは、左右のテープエッジ15,16の異なる側に且つ磁気テープ10が正常に走行している状態〔図3(a)参照〕、即ちオントラックの状態におけるテープエッジ外方に位置するようにそれぞれ配されている。更に詳細には、第1のユニット5aにおける第2の電極52aは、磁気テープ10の走行方向に対して左側のテープエッジ15の外方に位置しており、第2のユニット5bにおける第2の電極52bは、磁気テープ10の走行方向に対して右側のテープエッジ16の外方に位置している。磁気テープ10が正常に走行している状態における各テープエッジ15,16と第2の電極52a,52bとの間隔Wは何れも同様とされており、それぞれ1〜500μm、特に1〜50μmが好ましい。また、各ユニット5a,5bにおける第1の電極と第2の電極との間隔Dは何れも同様とされており、磁気テープ10の幅に応じて適宜決定される。例えば、磁気テープ10の幅をAとしたとき、間隔DをD=A/2+Wとすることができる。
【0019】
第1のユニット5aにおける第1の電極51aと第2の電極52aとの間、及び第2のユニット5bにおける第1の電極51bと第2の電極52bとの間との間には、それぞれ定電流回路(図示せず)が接続されており、両電極間に一定の電流Iが流れるようになされている。そして、バックコート層14を介して第1の電極と第2の電極との間に導通が生じた場合には、電流Iが第1の電極と第2の電極との間に流れ、その結果、V=IRで表される電圧Vが両電極間に発生するようになされている(Rはバックコート層14における第1及び第2の電極間の抵抗を示す)。
【0020】
磁気テープ10が正常に走行している状態、即ちオントラックの状態の場合には、図3(a)に示すように、各ユニット5a,5bにおける第1の電極51a,51bは何れもバックコート層14に当接しているが、第2の電極52a,52bは何れもテープエッジ15,16の外方に位置しており、バックコート層14に当接していない。従って、図3(b)及び(c)に示すように、何れのユニットにおいても第1の電極と第2の電極との間には導通が生じないので電圧は発生しない。上述した通り、第1のユニット5a及び第2のユニット5bはサーボトラッキング処理装置20に電気的に接続しており、これらのユニット5a,5bで発生した電圧による電気信号が該装置20に送られ、該電気信号に基づき磁気テープ10が幅方向の何れの方向に変位したかが判断されるが、図3(a)〜(c)に示す場合には、何れのユニットからも電気信号が送られてこないので、サーボトラッキング処理装置20は、磁気テープ10が正常な状態で走行していると判断し、磁気ヘッドユニット2及び位置決めガイドロール3,4何れのサーボ機構(図示せず)に対しても位置の補正をする指令を発しない。尚、このサーボ機構としては、磁気記録再生装置に通常用いられているものと同様のものが使用される。
【0021】
これに対して、図4(a)に示すように、走行中の磁気テープ10に幅方向への変動が生じ、磁気テープ10が正常な走行状態からはずれて左側のテープエッジ15側へ変位し、記録ヘッド7、再生ヘッド8が磁気テープ10における所定のデータトラックの位置から変位した場合には、第1のユニット5aにおける第1の電極51aと第2の電極52aが何れもバックコート層14と当接し、両電極間に導通が生じて、図4(b)に示すように所定の電圧Vが発生する。一方、第2のユニット5bにおいては、第1の電極51bはバックコート層14に当接しているものの、第2の電極52bは右側のテープエッジ16の外方に位置しており、バックコート層14に当接していないので、両電極間に導通は生じず、図4(c)に示すように電圧は発生しない。これらのユニット5a,5bで発生した電圧による電気信号は、サーボトラッキング処理装置20(図1参照)に送られ、このサーボトラッキング処理装置20では、電気信号に基づき、磁気テープ10が幅方向の何れの方向に変位したかが判断される(この場合は、左側のテープエッジ15の方向)。この判断に基づき、サーボトラッキング処理装置20は、磁気ヘッドユニット2及び/又は位置決めガイドロール3,4それぞれのサーボ機構(図示せず)に対して、記録ヘッド7及び順方向用再生ヘッド8が適正な位置となるように位置の補正をする指令を発する。その結果、サーボ機構(図示せず)によってトラッキングが行われ、記録ヘッド7及び順方向用再生ヘッド8はデータトラック上の適正な位置、即ちオントラックの状態に復帰する。
【0022】
逆に、図5(a)に示すように、磁気テープ10が右側のテープエッジ16側へ変位した場合には、第2のユニット5bにおける第1の電極51b及び第2の電極52bが何れもバックコート層14と当接し、両電極間に導通が生じて、図5(c)に示すように所定の電圧Vが発生する。一方、第1のユニット5aにおいては、第1の電極51aはバックコート層14に当接しているものの、第2の電極52aは左側のテープエッジ15の外方に位置しており、バックコート層14に当接していないので、両電極間に導通は生じず、図5(b)に示すように電圧は発生しない。これらのユニット5a,5bで発生した電圧による電気信号は、図3及び図4の場合と同様にサーボトラッキング処理装置20に送られ、該装置20において磁気テープ10が幅方向の何れの方向に変位したかが判断される(この場合は、右側のテープエッジ16の方向)。この判断に基づきサーボトラッキング処理装置20は上記サーボ機構に対して位置の補正をする指令を発し、その結果、該サーボ機構によってトラッキングが行われ、記録ヘッド7及び順方向用再生ヘッド8はデータトラック上の適正な位置に復帰する。
【0023】
各ユニット5a,5bにおける各電極の形状に特に制限はないが、磁気テープ10の安定走行を図る点からはバックコート層14との接触面積が小さくなるような形状が好ましく、電極間において十分な導通を得る点からはバックコート層14との接触面積が大きくなるような形状が好ましい。これらのバランスを考慮して、各電極のバックコート層との当接部は、接触面積が1×10-6〜1×10-4mm2 程度の長方形であることが好ましい。また、各電極の材質にも特に制限はないが、磁気テープ10の安定走行を図る点や第1及び第2の電極間において十分な導通を得る点から、各電極は銅やアルミニウム等で形成されていることが好ましい。
【0024】
次に、図1に示す磁気記録再生装置1の別の実施形態を図6〜図8を参照して説明する。ここで、図6〜図8は、それぞれ図1に示す磁気記録再生装置1における別の実施形態の電極の配置状態及び該電極と磁気テープ10との位置関係並びに該電極間に発生する電圧の状態を示す概略図であり、図3〜図5に相当する図である。図6〜図8のうち、図6は、磁気テープ10が正常に走行している状態を示しており、図7及び図8は何れも磁気テープ10が左側のテープエッジ15側に変位して走行している状態を示している。尚、図6〜図8に関し、図3〜図5と同じ点については特に説明しないが、図3〜図5に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図6〜図8において図3〜図5と同じ部材については同じ符号を付した。
【0025】
図6〜図8に示す順方向用電極ユニット5においては、各ユニット5a,5bにおける第2の電極52a,52bは何れも、互いに電気的に絶縁された多層電極からなっている。該多層電極における各層の電極は、磁気テープ10の長手方向と平行となるようにそれぞれ配されており且つ各第1の電極51a,51bとそれぞれ並列になるように電気的に接続されている。そして、該多層電極における各層の電極と各第1の電極51a,51bとの間に発生する各電圧は、磁気テープ10のテープエッジ外方に向かう層の電極ほど順次高くなるか又は低くなるようになされている。本実施形態においては、テープエッジ外方に向かう層の電極ほど電圧が高くなるようになされており且つ各層の電極と各第1の電極との間に発生する各電圧の差は何れも等しくなるようになされている。
【0026】
本実施形態が図3〜図5における場合と異なる点は、図3〜図5における場合は電極ユニット5で発生する電圧が単一の電圧であるのに対して、本実施形態の場合は、磁気テープ10に幅方向への変動の程度に比例して電極ユニット5で発生する電圧が変化する点である。
【0027】
更に詳述すると、図6(a)に示すように、各ユニット5a,5bにおける第2の電極52a,52bは何れも五層構造の多層電極521a〜525a,521b〜525bからなり、左右のテープエッジ15,16の異なる側に且つ磁気テープ10が正常に走行している状態〔図6(a)参照〕、即ちオントラックの状態におけるテープエッジ外方に位置するようにそれぞれ配されている。この状態は、上述した図3(a)に示す状態と同様である。この状態では第1の電極51a,51bは何れもバックコート層14に当接しているが、第2の電極52a,52bは何れもテープエッジ15,16の外方に位置しており、バックコート層14に当接していない。従って、図6(b)及び(c)に示すように、何れのユニットにおいても第1の電極と第2の電極との間には導通が生じないので電圧は発生せず、上記サーボ機構による位置の補正は行われない。
【0028】
これに対して、図7(a)に示すように、走行中の磁気テープ10に幅方向への変動が生じ、磁気テープ10が正常な走行状態からはずれて左側のテープエッジ15側へ変位し、記録ヘッド7、再生ヘッド8が磁気テープ10における所定のデータトラックの位置から変位した場合には、第1のユニット5aにおける第1の電極51a及び第2の電極52aが何れもバックコート層14と当接し、両電極間に導通が生じる。図7(a)においては、第2の電極52aにおける二層目までの電極521a,522aがバックコート層14と当接している。この場合、第1の電極51aと一層目の電極521aとの間に電圧V1 が発生し、第1の電極51aと二層目の電極522aとの間に電圧V2 が発生するが、本実施形態においては上述の通りテープエッジ外方に向かう層の電極ほど電圧が高くなるようになされているのでV2 >V1 であるから、実際に観測される電圧は図7(b)に示すように電圧V2 である。尚、上述の通り、多層電極における各層の電極と各第1の電極との間に発生する各電圧の差は何れも等しくなるようになされているので、電圧V2 は、電圧V1 との関係においてV2 =2V1 となる。また、図7(b)において観察されるステップ状の電圧V1 は、第2の電極52aがバックコート層14に当接していない状態から二層目の電極522aが当接する間において、一層目の電極521aのみが過渡的にバックコート層14に当接することによって発生したものである。
【0029】
また、図8(a)に示すように、走行中の磁気テープ10に幅方向への変動が著しくなり、第1のユニット5aにおける第1の電極51aと、第2の電極52aにおける五層目までのすべての電極521a〜525aが何れもバックコート層14と当接すると、図8(b)に示すように、図7(b)に示す電圧V2 よりも高い電圧V5 が観測される。尚、図8(b)において観察されるステップ状の電圧V1 〜V4 は、第2の電極52aがバックコート層14に当接していない状態から五層目の電極525aが当接する間において、一層目ないし四層目の電極521a〜524aが過渡的に順次バックコート層14に当接することによって発生したものである。
【0030】
そして、図7(a)及び図8(a)何れの場合においても、第2のユニット5bにおいては、第1の電極51bはバックコート層14に当接しているものの、第2の電極52bは右側のテープエッジ16の外方に位置しており、バックコート層14に当接していないので、両電極間に導通は生じず、図7(c)及び図8(c)に示すように電圧は発生しない。従って、上述した図4における場合と同様に、サーボトラッキング処理装置20(図1参照)は、磁気テープ10が左側のテープエッジ15の側に変位していると判断し、上記サーボ機構に対して、記録ヘッド7及び順方向用再生ヘッド8がデータトラック上の適正な位置、即ちオントラックの状態に復帰するよう位置の補正の指令を発し、その結果、該サーボ機構によってトラッキングが行われる。この場合、サーボトラッキング処理装置20からサーボ機構への位置の補正の指令は、第1のユニット5aで発生する電圧の大きさに応じて異なり、該電圧が小さい場合には程度の小さなサーボが働くような指令を出し、逆に該電圧が大きい場合には程度の大きなサーボが働くような指令を出す。このように、本実施形態においては、磁気テープ10の変位の程度に応じてサーボが働く程度を制御することができるので、一層精密にサーボトラッキングを行うことができる。
【0031】
次に、図2に示す磁気テープの詳細について説明する。
図2に示す磁気テープ10におけるバックコート層14は、上述の通り、その表面電気抵抗が1×104 Ω/□以下となされている。バックコート層14の表面電気抵抗がこの値よりも大きくなると、第1の電極と第2の電極との間で十分な導通が得られなくなる。好ましい表面電気抵抗の値は5×102 Ω/□以下であり、更に好ましくは1×102 Ω/□以下である。表面電気抵抗の下限値に特に制限はなく小さいほど好ましい。
【0032】
バックコート層14の表面電気抵抗は以下のようにして測定される。
即ち、24カラットの金メッキが施され、粗さがN4(ISO 1302参照)に仕上げられている、半径10mmの2本の電極を用い、これらの電極を、バックコート層14上に、中心間の距離d=12.7mmとなるように水平状態で平行に置く。磁気テープ10の両端に0.25Nの力を加え、且つ電極に100V±10Vの直流電圧を印加して、電極間電流を測定する。この値から表面電気抵抗を求める。
【0033】
バックコート層14の表面電気抵抗を上述の値以下とするためには、バックコート層14を導電性の材料から構成すればよい。例えば、導電性のカーボンブラック及び結合剤を含むバックコート塗料を支持体11上に塗布したり、或いは真空蒸着やスパッタリング等の薄膜形成手段を用いて支持体11上に金属薄膜層を形成することによって、表面電気抵抗が上述の値以下となるバックコート層14を得ることができる。
【0034】
バックコート塗料を塗布してバックコート層14を形成する場合には、バックコート層14は、結合剤100重量部に対して導電性のカーボンブラックを100〜300重量部含むことが好ましい。該カーボンブラックの量が100重量部満たないと十分に低い表面電気抵抗が得られず、300重量部を超えると該カーボンブラックの量が多すぎるために、バックコート層14の塗膜強度が劣化する場合があるので上記範囲内とすることが好ましい。導電性のカーボンブラックの更に好ましい量は、結合剤100重量部に対して120〜250重量部であり、一層好ましくは150〜200重量部である。
【0035】
導電性のカーボンブラックとしては、平均一次粒径15〜80nm(特に15〜50nm)、BET比表面積150〜2000m2 /g(特に200〜1500m2 /g)、DBP吸油量50〜600cm3 /100g(特に70〜500cm3 /100g)のものを用いることが、バックコート層14の本来の機能、即ち、磁気テープ10の走行性や耐久性を損なうことなくバックコート層14に導電性を付与し得ることから好ましい。
【0036】
結合剤としては、通常の磁気テープに用いられるものであれば特に制限なく使用することができる。例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び反応型樹脂並びにこれらの混合物などが挙げられる。具体的には、塩化ビニルの共重合体及びその変成物、アクリル酸、メタクリル酸及びそのエステルの共重合体、アクリロニトリルの共重合体(ゴム系の樹脂)、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、繊維素系樹脂、ポリアミド樹脂などを使用できる。上記結合剤の数平均分子量は2,000〜200,000であることが好ましい。また、上述のカーボンブラックの分散性を向上させるために、上記結合剤に水酸基、カルボキシル基またはその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、ニトロ基または硝酸エステル基、アセチル基、硫酸エステル基またはその塩、エポキシ基、ニトリル基、カルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルキルアンモニウム塩基、スルホベタイン、カルボベタインなどのベタイン構造などの分極性の官能基(いわゆる極性基)を含有させてもよい。
【0037】
バックコート層14は、上述の導電性のカーボンブラック及び結合剤に加え、バックコート層本来の機能を十分に発現させるために、必要に応じて、脂肪酸や脂肪酸エステル等の潤滑剤、アルミナ粒子等の研磨材粒子、イソシアネート系化合物等の硬化剤等を更に含んでいてもよい。潤滑剤の量は、結合剤100重量部に対して1〜20重量部、特に1〜10重量部であることが好ましい。研磨材粒子の量は、結合剤100重量部に対して3〜30重量部、特に5〜20重量部であることが好ましい。硬化剤の量は、結合剤100重量部に対して2〜20重量部、特に3〜10重量部であることが好ましい。
【0038】
バックコート塗料は、上述の各成分が溶剤に分散されてなるものである。該溶剤としては、ケトン系の溶剤、エステル系の溶剤、エーテル系の溶剤、芳香族炭化水素系の溶剤及び塩素化炭化水素系の溶剤などが挙げられる。上記溶剤は、上記結合剤100重量部に対して400〜2000重量部、特に500〜1500重量部配合されることが好ましい。
【0039】
バックコート塗料を塗布して形成されるバックコート層14の厚さは、磁性層13及び中間層12の厚さとのバランス等を考慮して0.1〜1μm、特に0.15〜0.5μm、とりわけ0.2〜0.4μmとすることが好ましい。
【0040】
一方、バックコート層14が薄膜形成手段を用いた金属薄膜層からなる場合、該金属としては、Cu、Fe、Al、Co、Ni或いはこれらの金属の任意の組み合わせからなる合金等を用いることができる。薄膜形成手段としては、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の物理気相成長法、及び化学気相成長法等の公知の薄膜形成手段を特に制限無く用いることができる。
【0041】
金属薄膜層からなるバックコート層14の厚さは、該金属薄膜層の剛性が高いことから塗布により形成されたバックコート層14の厚さよりも若干薄くなり、0.01〜0.5μm、特に0.05〜0.2μmであることが好ましい。
【0042】
次に、図2に示す磁気テープ10における一般事項について説明する。
【0043】
図2に示す磁気テープ10においては、磁性層13は、強磁性粉末および結合剤を含む磁性塗料を塗布することにより形成されている。即ち、上記磁気テープ10は塗布型の磁気テープである。
【0044】
上記強磁性粉末としては、例えば針状または紡錘状の強磁性粉末および板状の強磁性粉末を用いることができる。該針状または紡錘状の強磁性粉末としては、鉄を主体とする強磁性金属粉末や、強磁性酸化鉄系粉末などが挙げられる。一方、該板状の強磁性粉末としては、強磁性六方晶系フェライト粉末などが挙げられる。
【0045】
更に詳しくは、上記強磁性金属粉末としては、金属分が50重量%以上であり、該金属分の60%以上が鉄である強磁性金属粉末が挙げられる。該強磁性金属粉末の具体例としては、例Fe−Co、Fe−Ni、Fe−Al、Fe−Ni−Al,Fe−Co−Ni、Fe−Ni−Al−Zn、Fe−Al−Siなどが挙げられる。また、上記強磁性酸化鉄系粉末としては、γ−Fe2 3 、Co被着γ−Fe2 3 、Co被着FeOx (4/3≦x<1.5)などが挙げられる。これら針状または紡錘状の強磁性粉末は、その長軸長が0.05〜0.2μm、特に0.05〜0.16μmであることが好ましく、針状比(即ち、長軸長/短軸長)が3〜15、特に3〜10であることが好ましい。また、その保磁力(Hc)は125〜280kA/m、特に135〜200kA/mであることが好ましく、その飽和磁化(σs)は110〜170Am2 /kg、特に120〜150Am2 /kgであることが好ましい。また、これら針状強磁性粉末のBET比表面積は30〜70m2 /g、特に40〜70m2 /gであることが好ましい。
【0046】
上記強磁性六方晶系フェライト粉末としては、微小平板状のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト並びにそれらのFe原子の一部がTi,Co,Ni,Zn,Vなどの原子で置換された磁性粉末などが挙げられる。該強磁性六方晶系フェライト粉末は、その板径が0.1μm以下、特に10〜90nm、とりわけ10〜40nmであることが好ましく、板状比(板径/板厚)が2〜7、特に2〜5であることが好ましい。その保磁力(Hc)は135〜260kA/mであることが好ましく、その飽和磁化(σs)は25〜75Am2 /kg、特に43〜75Am2 /kgであることが好ましい。また、上記強磁性六方晶系フェライト粉末のBET比表面積は30〜70m2 /gであることが好ましい。
【0047】
上記強磁性粉末には、必要に応じて希土類元素や遷移金属元素を含有させることができる。更に、上記強磁性粉末には、その分散性などを向上させるために表面処理を施してもよい。この表面処理は「Characterization of Powder Surfaces 」(T.J.Wiseman ら著,Academic Press,1976)に記載されている方法などと同様の方法により行うことができ、例えば上記強磁性粉末の表面を無機質酸化物で被覆する方法が挙げられる。この際用いることができる無機質酸化物としては、Al2 3 、SiO2 、TiO2 、ZrO2 、SnO2 、Sb2 3 、ZnOなどが挙げられ、使用に際してはこれらを単独で用いても二種以上を混合して用いてもよい。なお、上記表面処理は上記の方法以外にシランカップリング処理、チタンカップリング処理及びアルミニウムカップリング処理などの有機処理によっても行うことができる。
【0048】
上記結合剤としては、バックコート層14の形成に用いられる結合剤として例示したものと同様のものを用いることができる。従って、該結合剤の詳細については特に説明しないが、バックコート層14に関して詳述した説明が適宜適用される。該結合剤は、上記強磁性粉末100重量部に対して10〜40重量部、特に15〜25重量部配合されることが好ましい。
【0049】
磁性層13は、上述の成分に加えて、研磨材粒子、カーボンブラック、潤滑剤、硬化剤等を含んでいてもよい。これらの成分としては、バックコート層14に配合されるものと同様のものを用いることができる。従って、これらの成分の詳細については特に説明しないが、バックコート層14に関して詳述した説明が適宜適用される。これらの成分の好ましい配合量は、上記強磁性粉末100重量部に対して、それぞれ以下の通りである。
・研磨材粒子:2〜20重量部、特に5〜15重量部
・カーボンブラック:0.1〜10重量部、特に0.1〜5重量部
・潤滑剤:0.5〜10重量部、特に0.5〜5重量部
・硬化剤:1〜6重量部、特に2〜5重量部
【0050】
磁性層13には、上述の成分の他に、磁気テープに通常用いられている分散剤、防錆剤、防黴剤等の各種添加剤を必要に応じて添加することもできる。
【0051】
磁性層13は、上述の各成分を溶剤に分散させた磁性塗料を中間層12上に塗布することによって形成されている。該溶剤としては、バックコート塗料に用いられる溶剤として例示したものと同様のものを用いることができる。上記磁性塗料における該溶剤の配合量は、該磁性塗料に含まれる上記強磁性粉末100重量部に対して、80〜500重量部、特に100〜350重量部であることが好ましい。
【0052】
上記磁性塗料を調製するには、例えば、強磁性粉末および結合剤を溶剤の一部と共にナウターミキサー等に投入し予備混合して混合物を得、この混合物を連続式加圧ニーダー等や二軸スクリュー混練機により混練し、次いで上記溶剤の一部で希釈し、サンドミル等を用いて分散処理した後、潤滑剤等の添加剤を混合して、濾過し、更に硬化剤や上記溶剤の残部を混合する方法等を挙げることができる。
【0053】
上記磁性塗料から形成された磁性層13の保磁力は十分な記録再生特性を付与し得る点から119〜280kA/mであることが好ましく、更に好ましくは120〜250kA/m、一層好ましくは125〜222kA/mである。また、磁性層13の飽和磁束密度は、0.1〜0.5T、特に0.15〜0.5Tであることが好ましい。
【0054】
磁性層13の厚さは、S/Nの向上や自己減磁の防止の点から0.01〜1.0μmであることが好ましく、特に0.03〜0.5μm、とりわけ0.05〜0.2μmであることが好ましい。
【0055】
次に、中間層12について説明する。
中間層12は、磁性を有する層であってもよく、非磁性の層であってもよい。中間層12が磁性を有する層である場合には、該中間層12は磁性粉末を含有する磁性の層であり、磁性粉末、非磁性粉末、結合剤および溶剤を主成分とする磁性の塗料を用いて形成される。一方、中間層12が非磁性の層である場合には、該中間層5は非磁性粉末、結合剤および溶剤を主成分とする非磁性の塗料を用いて形成される(以下、これらの塗料を総称して「中間層塗料」という)。
【0056】
上記磁性粉末としては、強磁性粉末が好ましく用いられ、該強磁性粉末としては硬磁性粉末および軟磁性粉末の何れもが好ましく用いられる。
【0057】
上記硬磁性粉末としては、例えば、磁性層13に用いられる強磁性六方晶系フェライト粉末、強磁性金属粉末および強磁性酸化鉄系粉末などが挙げられる。これらのうち、強磁性六方晶系フェライト粉末、特に板径が0.1μm以下の強磁性六方晶系フェライト粉末を用いることが特に好ましい。これらの磁性粉末の詳細については、磁性層13に用いられる強磁性粉末と同様であり特に説明しないが、該強磁性粉末に関する説明が適宜適用される。一方、上記軟磁性粉末としては、酸化物軟磁性粉末や金属軟磁性粉末を使用することができる。
【0058】
上記磁性粉末には、磁性層13に含まれる強磁性粉末と同様に、必要に応じて希土類元素や遷移金属元素を含有させることができ、また、該強磁性金属粉末に施される表面処理と同様の表面処理を施してもよい。
【0059】
次に、上記非磁性粉末について説明すると、該非磁性粉末としては、例えば、非磁性の酸化鉄(ベンガラ)、硫酸バリウム、硫化亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、二酸化マグネシウム、二硫化タングステン、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、二酸化錫、炭化珪素、酸化セリウム、コランダム、人造ダイヤモンド、ザクロ石、ケイ石、窒化珪素、炭化モリブデン、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化チタン、ケイソウ土、ドロマイト、樹脂性の粉末などが挙げられる。これらの中でも非磁性の酸化鉄(ベンガラ)、酸化チタン、窒化ホウ素などが好ましく用いられる。これら非磁性粉末は単独で又は二種以上を混合して用いてもよい。上記非磁性粉末の形状は、球状、板状、針状、無定形の何れでもよい。その大きさは球状、板状、無定形のものにおいては5〜200nmであることが好ましく、針状のものにおいては長軸長が20〜300nmで針状比が3〜20であることが好ましい。上記非磁性粉末は、上記磁性粉末と併用される場合(即ち、中間層12が磁性の層の場合)には、該磁性粉末100重量部に対して、好ましくは30〜70重量部、更に好ましくは40〜60重量部用いられる。一方、上記磁性粉末が用いられない場合(即ち、中間層12が非磁性の層の場合)には、該非磁性粉末100重量部に基づいて他の成分の配合量が決定される。上述した各種非磁性粉末には、必要に応じて、上記磁性粉末に施される表面処理と同様の処理を施してもよい。
【0060】
中間層12は、磁性であると非磁性であるとを問わず、上述した成分に加えて結合剤を含み、更に研磨材粒子、潤滑剤、カーボンブラックおよび硬化剤等を含んでいてもよい。これらの成分としては、特に説明しないが、バックコート層14及び磁性層13に用いられる成分と同様のものが用いられる。これらの成分の好ましい配合量は、上記磁性粉末および非磁性粉末の合計量100重量部(中間層12が磁性の層である場合)または該非磁性粉末100重量部(中間層12が非磁性の層である場合)に対して、それぞれ以下の通りである。
・結合剤:10〜50重量部、特に20〜40重量部
・研磨材粒子:1〜30重量部、特に2〜15重量部
・潤滑剤:1〜20重量部、特に2〜15重量部
・カーボンブラック:0〜30重量部、特に0.5〜20重量部
・硬化剤:0〜12重量部、特に0〜8重量部
また、中間層12には、必要に応じて磁性層13に配合される添加剤と同様のものを配合することもできる。
【0061】
中間層12は、上述の成分および溶剤を含む中間層塗料を支持体11上に塗布して形成される。該溶剤としては、上述したバックコート塗料や磁性塗料に含有される溶剤と同様のものが用いられる。該溶剤の使用量は、上記磁性粉末および非磁性粉末の合計量100重量部(中間層12が磁性の層である場合)または該非磁性粉末100重量部(中間層12が非磁性の層である場合)に対して、100〜700重量部とすることが好ましく、特に300〜500重量部とすることが好ましい。
【0062】
中間層12の厚さは、磁気テープ10の耐久性に影響する潤滑剤の保持能力を制御する点から、ある程度の厚みが必要であり、一方、厚すぎると変形時にクラックが発生しやすくなることから、0.05〜2.5μm、特に0.1〜2.0μm、とりわけ0.1〜1.0μmであることが好ましい。
【0063】
中間層12が磁性を有する層である場合、その保磁力は、オーバライト特性及び低域〜高域での出力バランスの点から、80〜350kA/m、特に150〜300kA/mであることが好ましい。また、その飽和磁束密度は、高すぎるとオーバライト特性が悪化してノイズ量が増加し、一方、低すぎると出力が不足する点から、0.02〜0.1T、特に0.03〜0.09Tであることが好ましい。
【0064】
支持体11を構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート及びポリエチレンビスフェノキシカルボキシレート等のポリエステル類;ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン類;セルロースアセテートブチレート及びセルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体;ポリ塩化ビニル及びポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂;ポリアミド;ポリイミド;ポリカーボネート;ポリスルフォン;ポリエーテル・エーテルケトン並びにポリウレタン等のような高分子樹脂等の非磁性材料が挙げられる。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの材料から構成される上記支持体には、必要に応じて一軸または二軸の延伸処理や、コロナ放電処理、易接着処理等が施されていてもよい。
【0065】
支持体11の厚さには特に制限はないが、1〜10μm、特に1〜5μmの厚さの薄い支持体を使うと、磁気テープ10を薄型化できるので、高容量化の目的を達成するのに好ましい。また、その様な薄い支持体を用いた全厚2〜10μm、特に2〜7μmの磁気テープに対して本発明のトラッキング方法を適用することは有用なものである。
【0066】
次に図2に示す磁気テープ10を製造する好ましい方法の概略を述べる。
まず、支持体11上に磁性層13を形成する磁性塗料と中間層12を形成する中間層塗料とを、各層が所定の厚さとなるようにウエット・オン・ウエット方式により同時重層塗布を行い、磁性層13および中間層12の塗膜を形成する。即ち、磁性層13は、中間層12の湿潤時に塗設・形成されていることが好ましい。
次いで、これらの塗膜に対して、磁場配向処理を行った後に乾燥処理を行い巻き取る。この後、カレンダー処理を行い、更に上述したバックコート塗料を用いてバックコート層14を形成する。あるいはバックコート層14を形成した後に磁性層13および中間層12を形成してもよい。次いで、40〜80℃下で6〜100時間エージング処理し、所望の幅にスリットする。
【0067】
上記ウエット・オン・ウエット方式による重層塗布は、特開平5−73883号公報の第42欄31行〜第43欄13行に記載されており、中間層塗料が乾燥する前に磁性塗料を塗布する方法であり、この方法によりドロップアウトが少なく、高密度記録に対応でき、且つ塗膜の耐久性にも優れた磁気テープが得られる。
【0068】
上記磁場配向処理は、各塗料が乾燥する前に行われ、上記磁性塗料の塗布面に対して平行方向に約40kA/m以上、好ましくは約80〜800kA/mの磁界を印加する方法や、上記磁性塗料が湿潤状態の内に約80〜800kA/mのソレノイド等の中を通過させる方法により行うことができる。このような条件下で磁場配向処理を行うことで、磁性層13に含まれている上記強磁性粉末を磁気テープ10の長手方向に配向させることができる。尚、磁場配向処理後の乾燥処理中に、該強磁性粉末の磁場配向状態が変化しないようにするために、磁場配向処理直前に、30〜50度の温風を磁性層13の上方から吹き付けて、その予備乾燥を行い、各層中の残存溶剤量をコントロールすることも好ましい。
【0069】
上記乾燥処理は、例えば30〜120℃に加熱された気体の供給により行うことができ、この際、気体の温度とその供給量を制御することにより塗膜の乾燥の程度を制御することができる。
【0070】
上記カレンダー処理は、メタルロールとコットンロール若しくは合成樹脂ロールとの間、又は二本のメタルロールの間を通すスーパーカレンダー法等により行うことができる。カレンダー処理の条件は、例えば温度60〜140℃、線圧100〜500kg/cmとすることが好ましい。
【0071】
尚、上記磁気テープ10の製造に際しては、必要に応じ、磁性層13の表面の研磨やクリーニング工程等の仕上げ工程を施すこともできる。また、磁性塗料および中間層塗料の塗布は、通常公知の逐次重層塗布方法により行うこともできる。
【0072】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は、上記実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、上述の磁気記録再生装置1においては、一対の電極を二対用いたが、これに代えて三対以上の電極を用いてもよい。
また、上述の磁気記録再生装置1においては、第1及び第2の電極間に発生する電圧に基づきサーボトラッキングを行ったが、これに代えて第1及び第2の電極間に流れる電流に基づきサーボトラッキングを行ってもよい。
また、図6ないし図8に示す第2の電極は五層構造の多層電極であるが、これに代えて第2の電極を二層ないし四層または六層以上の構造となしてもよい。
また、図2に示す磁気テープ10において、支持体11と中間層12又はバックコート層14との間にプライマー層を設けてもよい。
また、上述した実施形態は塗布型の磁気テープであるが、これに代えて金属蒸着型の磁気テープを用いても同等の効果が奏される。
【0073】
【実施例】
以下、実施例により本発明のを更に詳細に説明すると共にその有効性を例証する。しかしながら、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。尚、特に断らない限り「部」は重量部を意味する。
【0074】
〔実施例1〕
下記の配合成分を(硬化剤を除く)を、それぞれニーダーにて混練し、次いで撹拌器にて分散し、更にサンドミルによって微分散し、1μmのフィルターにて濾過後、硬化剤を最後に添加して下記組成のバックコート塗料、磁性塗料および中間層塗料をそれぞれ調製した。
【0075】
<バックコート塗料の配合>
・導電性カーボンブラック 50部
(平均一次粒径:20nm、BET比表面積:200m2 /g、DBP吸油量:80cm3 /100g)
・ニトロセルロース(結合剤) 50部
・ステアリン酸(潤滑剤) 2部
・メチルエチルケトン(溶剤) 200部
・トルエン(溶剤) 200部
・シクロヘキサノン(溶剤) 200部
【0076】
<磁性塗料の配合>
・強磁性粉末 100部
(鉄主体の針状強磁性金属粉末、長軸長80nm、保磁力183kA/m、飽和磁化145Am2 /g、BET比表面積55m2 /g)
・塩化ビニル系共重合体(結合剤) 10部
〔日本ゼオン社製、「MR104」(商品名)〕
・ポリウレタン樹脂(結合剤) 10部
〔東洋紡社製、「UR8300」(商品名)〕
・カーボンブラック(一次粒径30nm) 0.5部
・α−アルミナ(研磨材粒子、一次粒径200nm) 10部
・ミリスチン酸(潤滑剤) 2部
・ブチルステアレート(潤滑剤) 0.5部
・イソシアネート系化合物(硬化剤) 2部
〔日本ポリウレタン工業(株)製、「コロネートL」(商品名)〕
・メチルエチルケトン(溶剤) 250部
・シクロヘキサノン(溶剤) 100部
【0077】
<中間層塗料の配合>
・針状のα−Fe2 3 (長軸長0.15μm、針状比7)100部
・塩化ビニル系共重合体(結合剤) 10部
〔日本ゼオン社製、「MR104」(商品名)〕
・ポリウレタン樹脂(結合剤) 15部
〔東洋紡社製、「UR8300」(商品名)〕
・α−アルミナ(研磨材粒子、一次粒径200nm) 3部
・カーボンブラック(一次粒径20nm) 20部
・ミリスチン酸(潤滑剤) 2部
・ブチルステアレート(潤滑剤) 2部
・イソシアネート系化合物(硬化剤) 5部
〔日本ポリウレタン工業(株)製、「コロネートL」(商品名)〕
・メチルエチルケトン(溶剤) 150部
・シクロヘキサノン(溶剤) 50部
【0078】
厚さ4.5μmのポリエチレンナフタレートフィルムからなる支持体上に、中間層塗料および磁性塗料を、中間層および磁性層の乾燥厚さがそれぞれ1.5μm及び0.2μmとなるように、ダイコーターにて同時重層塗布を行い、それぞれの塗膜を形成した。次いで、これらの塗膜が湿潤状態にある間に400kA/mのソレノイドにより磁場配向処理を行った。更に、乾燥炉にて80℃の温風を10m/分の速度で塗膜に吹きつけ乾燥した。乾燥後、塗膜をカレンダー処理し、中間層および磁性層を形成した。引き続き、上記支持体の反対の面上に上記バックコート塗料を塗布し、更に90℃にて乾燥し厚さ0.5μmのバックコート層を形成した。このようにして得られた磁気テープの原反を12.7mm(1/2インチ)幅にスリットして図2に示す構造を有する全厚6.7μmの磁気テープを得た。
【0079】
〔実施例2〕
実施例1のバックコート塗料において、導電性カーボンブラックの配合量を50部から35部に変更する以外は実施例1と同様にして磁気テープを得た。
【0080】
〔実施例3〕
実施例1における磁気テープの製造において、中間層および磁性層を形成した後、真空蒸着法にて支持体の反対の面上に厚さ0.1μmのCu薄膜からなるバックコート層を形成し且つ東洋インキ製TB6001を0.5μm厚で塗布する以外は実施例1と同様にして磁気テープを得た。
【0081】
〔実施例4〕
実施例3における磁気テープの製造において、Cu薄膜に代えて厚さ0.1μmのFe薄膜からなるバックコート層を形成する以外は実施例3と同様にして磁気テープを得た。
【0082】
〔比較例1〕
実施例1のバックコート塗料において、導電性カーボンブラックを配合しない以外は実施例1と同様にして磁気テープを得た。
【0083】
〔比較例2〕
実施例1のバックコート塗料において、導電性カーボンブラックの配合量を50部から25部に変更する以外は実施例1と同様にして磁気テープを得た。
【0084】
〔比較例3〕
実施例1のバックコート塗料において、導電性カーボンブラックに代えて非導電性カーボンブラックを配合する以外は実施例1と同様にして磁気テープを得た。
【0085】
実施例および比較例で得られた磁気テープについて、バックコート層の表面電気抵抗を上述した方法によって測定した。その結果を表1に示す。
【0086】
次に、実施例および比較例で得られた磁気テープを、図1に示す磁気記録再生装置1に装填し、データトラックの密度50tpmmにて記録波長0.6μmの信号を記録したときの再生出力の出力変動を測定した。その結果を表1に示す。尚、出力変動は、その値が小さいほどテープの幅方向への変動が小さいことを意味する。
【0087】
【表1】
Figure 0003898817
【0088】
表1に示す結果から明らかなように、本発明の磁気記録再生装置を用いて本発明の磁気テープ(実施例1〜4)の記録再生を行うと、出力変動の値が小さく、確実なサーボトラッキングが行われることが判る。比較例の磁気テープでは、出力変動の値が大きく正確なサーボトラッキングを行うことができなかった。尚、表には示していないが、本発明の磁気テープ(実施例1〜4)では、テープ走行性や耐久性は従来の磁気テープと同等であり、バックコート層本来の機能が損なわれていないことが判った。
【0089】
【発明の効果】
以上、詳述した通り、本発明によれば、データエリアの面積を減少させることなくサーボトラッキングを行い得る磁気テープのトラッキング方法、磁気記録再生装置および磁気テープが提供される。
また、本発明によれば、バックコート層本来の機能が損なわれることなくサーボトラッキングを行い得る磁気テープのトラッキング方法、磁気記録再生装置および磁気テープが提供される。
また、本発明によれば、データトラックの密度を向上させ得る磁気テープのトラッキング方法、並びに高データトラック密度を有する磁気テープの記録再生が可能な磁気記録再生装置および高データトラック密度を有する磁気テープが提供される。
更に、本発明によれば、記録容量を向上させ得る磁気テープのトラッキング方法、並びに高記録容量を有する磁気テープの記録再生が可能な磁気記録再生装置および高記録容量を有する磁気テープが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録再生装置の要部を示す概略図である。
【図2】本発明の磁気テープの一実施形態の構成を示す概略図である。
【図3】図1に示す磁気記録再生装置における電極の配置状態及び該電極と磁気テープとの位置関係並びに該電極間に発生する電圧の状態を示す概略図である。
【図4】図1に示す磁気記録再生装置における電極の配置状態及び該電極と磁気テープとの位置関係を示す概略図である。
【図5】図1に示す磁気記録再生装置における電極の配置状態及び該電極と磁気テープとの位置関係並びに該電極間に発生する電圧の状態を示す概略図である。
【図6】図1に示す磁気記録再生装置における別の実施形態の電極の配置状態及び該電極と磁気テープとの位置関係並びに該電極間に発生する電圧の状態を示す概略図である。
【図7】図1に示す磁気記録再生装置における別の実施形態の電極の配置状態及び該電極と磁気テープとの位置関係並びに該電極間に発生する電圧の状態を示す概略図である。
【図8】図1に示す磁気記録再生装置における別の実施形態の電極の配置状態及び該電極と磁気テープとの位置関係並びに該電極間に発生する電圧の状態を示す概略図である。
【符号の説明】
1 磁気記録再生装置
2 磁気ヘッドユニット
3,4 位置決めガイドロール
5 順方向用電極ユニット
6 逆方向用電極ユニット
10 磁気テープ
11 支持体
12 中間層
13 磁性層
14 バックコート層
20 サーボトラッキング処理装置

Claims (8)

  1. 第1の電極および第2の電極からなる一対の電極を、導電性のバックコート層が設けられた磁気テープの該バックコート層に相対するように少なくとも二対配し、これらの電極のうち、各対の第1の電極を、該磁気テープの走行中に常時該バックコート層に当接するようにそれぞれ配すると共に、各対の第2の電極を、該磁気テープが正常に走行している状態における該磁気テープのテープエッジ外方に位置するように且つ左右のテープエッジの異なる側に位置するようにそれぞれ配し、
    走行中の該磁気テープに幅方向への変動が生じて、記録・再生ヘッドが該磁気テープにおける所定のデータトラックの位置から変位した場合に、各対の第1及び第2の電極間に該バックコート層を介して導通を生じさせて電気信号を発生させるようにし、
    該電気信号に基づき、該記録・再生ヘッドの変位を補正するか又は該磁気テープの幅方向への変位を補正して、該データトラックのトラッキングを行うようにしたことを特徴とする磁気テープのトラッキング方法。
  2. 上記第2の電極が互いに電気的に絶縁された多層電極からなり、該多層電極における各層の電極は上記磁気テープの長手方向と平行となるようにそれぞれ配されており、上記第1の電極と該多層電極における各層の電極との間に発生する各電圧が、上記磁気テープのテープエッジ外方に向かう層の電極ほど順次高くなるか又は低くなるようになされている請求項1記載の磁気テープのトラッキング方法。
  3. 導電性のバックコート層が設けられた磁気テープの該バックコート層に相対する第1の電極および第2の電極からなる一対の電極を少なくとも二対備え、これらの電極のうち、各対の第1の電極が、該磁気テープの走行中に常時該バックコート層に当接する位置にそれぞれ配されていると共に、各対の第2の電極が、該磁気テープが正常に走行している状態における該磁気テープのテープエッジ外方に位置するように且つ左右のテープエッジの異なる側に位置するようにそれぞれ配されており、
    各対の電極は、走行中の該磁気テープに幅方向への変動が生じて、記録・再生ヘッドが所定のデータトラックの位置から変位した場合に、電極間に該バックコート層を介して導通が生じて電気信号が発生するようになされており、
    該電気信号に基づき、該記録・再生ヘッドの変位を補正するか又は上記磁気テープの幅方向への変位を補正して、上記データトラックのトラッキングが行われるようにしたことを特徴とする磁気記録再生装置。
  4. 上記第2の電極が互いに電気的に絶縁された多層電極からなり、該多層電極における各層の電極は上記磁気テープの長手方向と平行となるようにそれぞれ配されており、上記第1の電極と該多層電極における各層の電極との間に発生する各電圧が、上記磁気テープのテープエッジ外方に向かう層の電極ほど順次高くなるか又は低くなるようになされている請求項3記載の磁気記録再生装置。
  5. 請求項1記載の磁気テープのトラッキング方法を用いて記録再生される磁気テープであって、上記バックコート層の表面電気抵抗を1×104 Ω/□以下としたことを特徴とする磁気テープ。
  6. 請求項3記載の磁気記録再生装置によって記録再生される磁気テープであって、上記バックコート層の表面電気抵抗を1×104 Ω/□以下としたことを特徴とする磁気テープ。
  7. 上記バックコート層が、100重量部の結合剤に対して100〜300重量部の導電性カーボンブラックを配合して形成されている請求項5又は6記載の磁気テープ。
  8. 上記バックコート層が、金属薄膜層からなる請求項5又は6記載の磁気テープ。
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