JP3897163B2 - プリント基板材の分離方法及び分離装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プリント基板材を露光装置に送り込むための送り込み装置に係るものであり、特に、斜めに立掛けた多数のプリント基板材から、プリント基板材を1枚づつ取り出す基板材の分離技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このような基板材の分離技術は従来より多くの提案がある。斜めに立掛けた基板材の上部を揺動アームの先端の吸盤で吸着した後、前方に僅かに揺動して一旦停止することで、2枚吸着したときの下側の基板材を分離するようにしたもの(実公昭51−40225号)、基板材の下端部両側を吸着して残りの基板材から引き剥がし、浮き上がった基板材と残りの基板材との間にプレートを挿入するようにしたもの(実公昭62−16431号)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前者の従来技術では、揺動アームが前方へ揺動する途中で一旦停止する程度のことでは密着した2枚のプリント基板材の背面側の基板材は容易に離れず、1枚ずつを分離することができないおそれがある。また、後者のものでは、プリント基板材であってもその下端部両側には孔加工が施されていないことが多いため後側の基板材を吸着する確立が低いという理由から、最も上側の基板材1枚のみを引き剥がしできるように思われるが、多数が密着しているプリント基板材では最も上側のもの(最前のもの)を引き剥がしてもその後側に静電気などで更に1枚密着していることもあり、やはり、確実に1枚のみを分離することができない恐れがあった。
この発明の課題は、プリント基板材を確実に1枚づつ分離できるプリント基板材の分離方法と装置とを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題解決のため、本願分離方法は、斜めに立掛けた多数のプリント基板材を1枚ずつ分離する方法において、プリント基板材の下部中央部分を押さえ込み、その押さえ付けた状態でプリント基板材の下部両側端を夫々吸着手段で吸着して吸着手段を手前に引いてプリント基板材の下部両側端をめくり上げ、次いで、プリント基板材の中央部分を吸引保持手段で吸引した状態で、プリント基板材上端より上方を揺動中心として前記吸引保持手段を手前に揺動させてプリント基板材の上下のほぼ中央から下方部分の全面を残りのプリント基板材から引き離し、その後、揺動状態の吸引保持手段を残りのプリント基板材から引き離す方向に移動することを特徴とする。この方法では、プリント基板材の下部中央部を押さえ込んでその両側端をめくり上げるため、密着状態のプリント基板材の最前の一枚のみの両端を残りの基板材から分離でき、その後、両端を剥がされたプリント基板材を揺動してそのプリント基板材の下部全体を残りのプリント基板材から分離し、最後に、そのプリント基板材全体を残りの基板材から引き離すようにしたので、最前のプリント基板材1枚のみを確実に分離できる。
【0005】
また本願方法は、斜めに立掛けた多数のプリント基板材を1枚ずつ分離する方法において、プリント基板材の下部中央部分を押さえ込み、その押さえ付けた状態でプリント基板材の下部両側端を夫々吸着手段で吸着して吸着手段を剥ぎ取り位置に移動させてプリント基板材の下部両側端をめくり上げ、次いで、プリント基板材の中央部分を吸引保持手段で吸引した状態で、プリント基板材上端より上方を揺動中心として前記吸引保持手段を手前に揺動させてプリント基板材の上下のほぼ中央から下方部分の全面を残りのプリント基板材から引き離し、その後、吸着手段を前記剥ぎ取り位置に維持したまま、揺動状態の吸引保持手段を、前記剥ぎ取り位置を越える位置まで残りのプリント基板材から引き離す方向に移動させてプリント基板材の下部の中央部分を両端に対してプリント基板材から引き離す方向に変形させることを特徴とする。これによれば、最前のプリント基板材の背面にさらに1枚プリント基板材が密着してめくり上げられた場合であっても、吸着手段を前記剥ぎ取り位置に維持したまま、前記剥ぎ取り位置を越える位置まで揺動状態の吸引保持手段全体を残りのプリント基板材から引き離す方向に移動することでプリント基板材の下部を反らせて密着しているプリント基板材を最前のプリント基板材から剥ぎ取ることができる。
【0006】
また、本願装置は、斜めに立掛けた多数のプリント基板材の下部両側端に対向して吸着パッドをプリント基板材に対して接触離反するように設け、一方、プリント基板材とほぼ平行となるベースを設け、そのベースにはプリント基板材と対面する側に、ベースと直交する方向に進退可能に移動ベースを設け、その移動ベースには、プリント基板の上端より上方位置を揺動中心軸として揺動ベースを揺動自在に支持し、その揺動ベースにはプリント基板の中央部分を吸引する吸引保持手段と下部中央部を押さえる押し付け部材とを備え、ベースには移動ベースをベースに対して進退させるシフト駆動源を設け、移動ベースには揺動ベースを揺動させる揺動駆動機構を備えたことを特徴とする。
移動ベースと揺動ベースとの間には付勢手段を介在させて揺動ベースを移動ベース側に付勢し、移動ベースにはその付勢手段による付勢に抗して揺動手段をプリント基板材方向に押す押出手段を備えて揺動駆動機構を構成した。ベースはその下部を揺動支点として揺動するように設けてあり、分離したプリント基板材を揺動ベースの吸引保持手段により吸引保持した状態で、前記揺動支点を中心に揺動して該プリント基板材の姿勢を水平として送り込みコンベアへ受け渡すようにしてある。これらの構成では、上記方法を実施できてプリント基板材を確実に1枚づつ分離できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1において、1はプリント基板材Wの表面にプリント回路パターンを露光する露光装置で、その露光装置1のワーク受け入れ側に本願分離機構を備えたプリント基板供給装置2が接続してある。プリント基板供給装置2において、左右のフレーム3,4が横フレーム5で連結されている。横フレーム5上には、幅方向の中間部分に、中間フレーム6,7が立設されている。中間フレーム6,7と、これに幅方向で対向するフレーム3,4との間には、夫々複数の送りプーリ8を一体に備えた複数の送り軸9が回転自在に支持され、各送り軸9は、フレーム3,4外側に設けたスプロケット10を介して図示しないチェン等により積極回転するようにしてあり、これら多数の送り軸9により、送り込みコンベア11が構成されている。中間フレーム6,7間で左右の送り軸9は分断されており、後述する取り出し装置30が受渡し位置P2へ回動するときの通過空間Sが形成されている(図7)。
【0008】
左右のフレーム3,4間において、前記送り込みコンベア11の下方で送り込み方向の上流側(図1の左方)には、基板保持用ラック25の載置コンベア15が設けてある。載置コンベア15は左右のフレーム3,4間に跨る前後一対のローラ軸16,17に、夫々幅方向に一対のコンベアローラ18,18(19、19)が一体に備えてあり、搬送方向で対向するコンベアローラ18,19間に幅広のベルト20が掛け回され、そのベルト20の下側に、支持ローラ21が回転自在に配置されて構成される。ローラ軸16は図示しないモータにより正逆に積極回転される。中間フレーム5上には、コンベアローラ18,19の各幅方向外側においてコの字のフレーム22が立ち上げてあり、そのフレーム22上には、ラック25側面を案内するローラ23が設けてある。
【0009】
基板保持用ラック25は、図5(a)に示すように、幅方向左右に脚部26を有し、脚部26の上面は前方(露光装置1方向)に向けて上り勾配の基板載置面27となっている。脚部26の後端は背もたれ部28となっている。基板載置面27にプリント基板材W(W1)の下端が載置され、その背面側は背もたれ部28に支持されて多数のプリント基板材W(W1)が斜めに立掛けられて保持される。
次に基板分離構造を有する基板材の取り出し装置30を説明する。図3に示すように左右のフレーム3,4間に亘って、揺動軸31が回動自在に支持されている。揺動軸31には、その長手ちょうど中央にベース32の下部が一体に連結されている。図3に示す受け取り位置P1にある状態では、ベース32は立掛けてある基板材W(W1)とほぼ平行である。ベース32の幅方向両外側には、後述する真空吸着パッド60に近い位置に支持ブラケット33が固着され、支持ブラケット33の先端には、間違って2枚の基板材Wを吸着し、搬送する途中で一枚が落下したときにこれを受け止める安全装置としての受け部材34が取り付けてある。前記ベース32には、一対のガイドバー35がベース32と直交する方向に進退自在に支持されている。ガイドバー35の基板材W(W1)に向く端部には移動ベース36が一体固着してあり、ベース32に対して平行に前後移動可能となっている。ベース32にはシフト駆動源としてのシフトシリンダ37が固定され、そのピストンロッド38がベース32を貫通して前記移動ベース36に一体連結してある。これによりピストンロッド38を進退させることで、移動ベース36はベース32に対して平行に前後移動するようになっている。
【0010】
移動ベース36は、ラック25に立掛けたプリント基板材Wと対向する受け取り位置(図3の実線位置)P1にあるときに、その上端がプリント基板材Wの上端よりもさらに上方となる位置まで延びている。その上端には、左右にブラケット36aが基板方向に突設され、そのブラケット36a間には、揺動ベース40上端が支持軸(揺動中心軸)39を介して前後方向揺動可能に軸支されている。揺動ベース40の後面(基板材に対向する面)には、上下に吸引ボックス41,42が設けてあり、上側の吸引ボックス41には、吸引保持手段としての吸引パッド43が4個取り付けてある。下側の吸引ボックス42はT字形状で、ボックスの横部分42aには上記同様吸引パッド43が4個取り付けてある。ボックス縦部分42bの基板材W1に向く面には、上下に最前のプリント基板材W1の下部中央部を押え付けるための押え付けパッド44が、その間に吸引パッド43が1個取り付けてある。これらの吸引パッド43には図示しない吸引ブロアからの吸引力が作用し、基板受け取り位置P1において最前の基板材W1の中央部分を吸引するようにしてある。なお、プリント基板材Wの高さサイズが低く、上側の吸引ボックス41と対向しない場合には、下側の吸引ボックス42の吸引パッド43のみを吸着作用させるようにしてあり、基板材Wの高さにより吸引作用を2段階に変更可能である。
【0011】
揺動ベース40には引っ張りバー45が一体連結してある。引っ張りバー45は移動ベース36を貫通しており、その前端と移動ベース36との間に圧縮ばね(付勢手段)46を介在して揺動ベース40を絶えず基板材Wから引き離す前方方向に付勢している。一方、移動ベース36には、ベース32側に取り付けブロック47を一体固着してベース32に隙間をもって貫通させ、その取り付けブロック47には押し出しシリンダ(押出手段)48を取りつけ、押し出しシリンダ48のピストンロッド49が前記ブロック47を貫通して移動ベース36から揺動ベース40側に突出し、揺動ベース40の移動ベース側面をラック方向に押すようになっている。ピストンロッド49が突出された状態は図3の実線で示す押出位置T1として示され、このとき揺動ベース40はラック方向に押されてその下部がストッパ50から離れている。これに対して、ピストンロッド49を引き込むと、前記圧縮ばね46の力で揺動ベース40が支持軸39を中心としてラック25から離れる方向(前方)に揺動し、揺動ベース40がストッパ50に当接してその位置を保持することになる(図3の下方に示す二点鎖線位置T2)。これらの引っ張りバー45、圧縮ばね46、押し出しシリンダ48により揺動ベース40の揺動駆動機構が構成される。前記揺動軸31の一端には、レバー55を介して揺動駆動用のシリンダ56に連結してあり、シリンダ56の駆動により、ベース32、これに支持される移動ベース36、揺動ベース40、受け部材34から成る取り出し装置30は、プリント基板材Wに対向する受け取り位置P1と、受け取った基板材Wを送り込みコンベア11に受け渡す受渡し位置(図1の二点鎖線)P2との間で一体に揺動する。
【0012】
図2に示すように、基板材Wの下部の幅方向左右両端部と対向する位置に、真空吸着パッド60が配置されている。真空吸着パッド60は、図4に示すように進退シリンダ61のピストンロッド62先端にブラケット63を介して取り付けてある。進退シリンダ61は、幅方向両側において、夫々前記フレーム3とこれに対応する中間フレーム6、フレーム4とこれに対応する中間フレーム7とに掛け渡された各前後一対のガイドバー64,64に機台幅方向にスライド自在に案内されたスライドベース65上に取り付けてある。送りねじ軸66がガイドバー64と平行に設けてあり、スライドベース65に設けためねじ部材67と螺合され、送りねじ軸66を回転することでスライドベース65の幅方向位置を調節できるようになっており、これによって真空吸着パッド60の位置を、プリント基板材Wの横幅サイズに適合できるようになっている。進退シリンダ61は、プリント基板材Wを吸着する前進端位置(図4のS1)と、そこより少し後退した端部剥ぎ取り位置(S2:図5(a))と、大きく後退した待機位置(S3)との間で移動するようになっている。
【0013】
次に作用を説明する。プリント基板材Wを送り込みコンベア11に受け渡した直後、基板取り出し装置30は受渡し位置P2にある。送り込みコンベア11がプリント基板材Wを露光装置1に送り込むと、基板取り出し装置30は、シリンダ56の駆動により受け取り位置P1まで揺動する。このとき、押し出しシリンダ48はロッド49を突出させており、揺動ベース40は移動ベース36に対して前方に押された状態でストッパ50から離れた押出位置T1にあり、また、シリンダ37のピストンロッド38も突出状態にあり移動ベース36はベース32から離れた位置(図3実線)にある。吸引パッド43がラック25に斜めに立掛けた多数のプリント基板材Wの最前のプリント基板W1に押し付けられて吸着を開始するとともにプリント基板材W1の下部中央部に押し付けパッド44が押し付けられる。待機位置S3から吸着パッド60が前進して前進端位置S1で最前のプリント基板材W1の下部両側端を吸着する(図3、4)。
【0014】
次いで、揺動ベース40、移動ベース36の位置はそのままで吸着パッド60が少しばかり後退して端部剥ぎ取り位置S2に至る。これにより、最前のプリント基板材W1の下部両側端がめくり上げられる(図5(a))。プリント基板材W1の下部中央部を押え付けた状態で下部両側端を吸引して手前にめくり上げるため、最前の1枚のプリント基板材W1の両端のみがめくり上げられる。これに続いて、押し出しシリンダ48がピストンロッド49を後退させる。すると、圧縮ばね46のばね力で揺動ベース40が支持軸39を支点としてプリント基板材Wから離れる方向にストッパ50に当接するまで揺動する(位置T2)。この揺動により吸引パッド43に吸引されていた最前のプリント基板材W1も揺動する。最前の1枚のプリント基板材W1は、下部両側端が残りの(ラック側の)プリント基板材Wからめくり上げられているためにその部分から最前のプリント基板材Wとその背面側のプリント基板材Wとの間に空気が入り込みやすく、従って、上記揺動が行なわれると、最前のプリント基板材W1枚のみの上下のほぼ中央から下方部分の全面が残りの基板材Wから分離される。(図5(b))。吸着パッド60でめくり上げた下部両側端とおなじ程度にプリント基板材Wの下部全面が残りのプリント基板材Wから離れるように揺動角度が設定されているので、揺動角度は小さく、そのため、この揺動によってのみではプリント基板材W1の上部は残りのプリント基板材Wからは完全に離れない。
【0015】
次いで、揺動ベース40を位置T2に保ったまま、基板材W1の下部両側端を吸着している吸着パッド60の吸着を解除して吸着パッド60を待機位置S3に戻し、シフトシリンダ37のピストンロッド38を後退させて、移動ベース36をベース32に対してラック25から離れる方向に平行に移動させ、ストッパ50の前端をベース32と当接させる。すると、プリント基板材W1が露光装置1側に平行に移動して、完全に離れていなかったプリント基板材W1の上部が残りの基板材Wから分離し(図6(a))、かくして、最前の1枚のプリント基板材W1のみが取り出される。吸引パッド43の吸引はそのままである。
次に、残りのプリント基板材Wが立掛けてあるラック25を、ラック載置コンベア20を逆転させて露光装置1から離れる方向に少しばかり移動させ、シフトシリンダ37、押し出しシリンダ48の夫々ピストンロッド38,49を突出状態に戻して、移動ベース36を平行移動前の位置に、また、揺動ベース40も押し出された位置に戻す。そして、揺動シリンダ56を駆動してレバー55を介して取り出し装置30全体を図1において時計方向に揺動させ、吸引パッド43で吸引しているプリント基板材Wを送り込みコンベア11上に供給して吸引パッド43の吸引を解除する(図7)。
【0016】
ごく薄いプリント基板材Wの場合、基板材Wの下部両端をめくり上げても最前のプリント基板材W1の背面にもう一枚密着していることも皆無とはいえない。しかしながら、この場合には、基板材Wの下部両側端を吸着している吸着パッド60の位置を剥ぎ取り位置S2に維持し、吸引パッド43を吸引パッド43の吸着している基板材Wの中央部分が前記吸着パッド60よりも露光装置側となるように移動させることにより、分離されたプリント基板材Wの下部は、両端に対して中央部分が露光装置側に引き出されたことにより図6(b)に示すように露光装置側に幾分反って変形するので、密着していたプリント基板材Wは最前のプリント基板材Wの背面から剥がれてラック25上に残り、やはり、確実に最前の1枚のみのプリント基板材Wを取り出し得る。この後、吸着パッド60を待機位置S3に戻し、それ以後は、図7の動作と同じである。
【0017】
【発明の効果】
以上のように本願発明では、プリント基板材の下部中央部分を押さえ付けた状態でプリント基板材の下部両側端を夫々吸着手段で吸着して吸着手段を手前に引いてプリント基板材の下部両側端をめくり上げ、次いで、プリント基板材の中央部分を吸引保持手段で吸引した状態で、プリント基板材上端より上方を揺動中心として前記吸引保持手段を手前に揺動させてプリント基板材の上下のほぼ中央から下方部分の全面を残りのプリント基板材から引き離し、その後、揺動状態の吸引保持手段を残りのプリント基板材から引き離す方向に移動するようにしたので、密着状態のプリント基板材の最前の一枚のみの両端を残りの基板材から分離した後、プリント基板材の下部全体を残りのプリント基板材から分離でき、その後、プリント基板材の最前の一枚のみの全体を残りのプリント基板材から分離でき、プリント基板材の最前の一枚のみを確実に分離できる。
また、本願発明では、プリント基板材の上下のほぼ中央から下方部分の全面を残りのプリント基板材から引き離した後、吸着手段を前記剥ぎ取り位置に維持したまま、揺動状態の吸引保持手段を、前記剥ぎ取り位置を越える位置まで残りのプリント基板材から引き離す方向に移動させてプリント基板材の下部の中央部分を両端に対してプリント基板材から引き離す方向に変形させるようにしたので、最前のプリント基板材の背面にさらに1枚プリント基板材が密着してめくり上げられた場合でも、プリント基板材の下部の中央部分を両端に対してプリント基板材から引き離す方向に反らせて背面に密着しているプリント基板材を最前のプリント基板材から剥ぎ取ることができ、互いに密着し易い薄いプリント基板材であっても、プリント基板材の最前の一枚のみを確実に分離できる。
また、本願発明では、斜めに立掛けた多数のプリント基板材の下部両側端に対向して吸着パッドをプリント基板材に対して接触離反するように設け、一方、プリント基板材とほぼ平行となるベースを設け、そのベースにはプリント基板材と対面する側に、ベースと直交する方向に進退可能に移動ベースを設け、その移動ベースには、プリント基板の上端より上方位置を揺動中心軸として揺動ベースを揺動自在に支持し、その揺動ベースにはプリント基板の中央部分を吸引する吸引保持手段と下部中央部を押さえる押し付け部材とを備え、ベースには移動ベースをベースに対して進退させるシフト駆動源を設け、移動ベースには揺動ベースを揺動させる揺動駆動機構を備えたので、前記方法を実施できてプリント基板材を確実に1枚づつ分離できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願プリント基板材の分離装置を備えた送り込み装置の側面図である。
【図2】図1のII視図である。
【図3】図2のIII−III線断面拡大図である。
【図4】図2のIV−IV線断面拡大図である。
【図5】動作説明図である。
【図6】動作説明図である。
【図7】動作説明図である。
【符号の説明】
11 送り込みコンベア
32 ベース
36 移動ベース
37 シフトシリンダ(シフト駆動源)
40 揺動ベース
43 吸引パッド(吸引保持手段)
44 押し付けパッド(押し付け部材)
46 圧縮ばね(付勢手段)
48 押し出しシリンダ(押出手段)
60 吸着パッド(吸着手段)
W プリント基板材
W1 最前のプリント基板材

Claims (5)

  1. 斜めに立掛けた多数のプリント基板材を1枚ずつ分離する方法において、プリント基板材の下部中央部分を押さえ込み、その押さえ付けた状態でプリント基板材の下部両側端を夫々吸着手段で吸着して吸着手段を手前に引いてプリント基板材の下部両側端をめくり上げ、次いで、プリント基板材の中央部分を吸引保持手段で吸引した状態で、プリント基板材上端より上方を揺動中心として前記吸引保持手段を手前に揺動させてプリント基板材の上下のほぼ中央から下方部分の全面を残りのプリント基板材から引き離し、その後、揺動状態の吸引保持手段を残りのプリント基板材から引き離す方向に移動することを特徴とするプリント基板材の分離方法。
  2. 斜めに立掛けた多数のプリント基板材を1枚ずつ分離する方法において、プリント基板材の下部中央部分を押さえ込み、その押さえ付けた状態でプリント基板材の下部両側端を夫々吸着手段で吸着して吸着手段を剥ぎ取り位置に移動させてプリント基板材の下部両側端をめくり上げ、次いで、プリント基板材の中央部分を吸引保持手段で吸引した状態で、プリント基板材上端より上方を揺動中心として前記吸引保持手段を手前に揺動させてプリント基板材の上下のほぼ中央から下方部分の全面を残りのプリント基板材から引き離し、その後、吸着手段を前記剥ぎ取り位置に維持したまま、揺動状態の吸引保持手段を、前記剥ぎ取り位置を越える位置まで残りのプリント基板材から引き離す方向に移動させてプリント基板材の下部の中央部分を両端に対してプリント基板材から引き離す方向に変形させることを特徴とするプリント基板材の分離方法。
  3. 斜めに立掛けた多数のプリント基板材の下部両側端に対向して吸着パッドをプリント基板材に対して接触離反するように設け、一方、プリント基板材とほぼ平行となるベースを設け、そのベースにはプリント基板材と対面する側に、ベースと直交する方向に進退可能に移動ベースを設け、その移動ベースには、プリント基板の上端より上方位置を揺動中心軸として揺動ベースを揺動自在に支持し、その揺動ベースにはプリント基板の中央部分を吸引する吸引保持手段と下部中央部を押さえる押し付け部材とを備え、ベースには移動ベースをベースに対して進退させるシフト駆動源を設け、移動ベースには揺動ベースを揺動させる揺動駆動機構を備えたことを特徴とするプリント基板材の分離装置。
  4. 移動ベースと揺動ベースとの間には付勢手段を介在させて揺動ベースを移動ベース側に付勢し、移動ベースにはその付勢手段による付勢に抗して揺動手段をプリント基板材方向に押す押出手段を備えて揺動駆動機構を構成したことを特徴とする請求項記載のプリント基板材の分離装置。
  5. ベースはその下部を揺動支点として揺動するように設けてあり、分離したプリント基板材を揺動ベースの吸引保持手段により吸引保持した状態で、前記揺動支点を中心に揺動して該プリント基板材の姿勢を水平として送り込みコンベアへ受け渡すようにしてあることを特徴とする請求項3記載のプリント基板材の分離装置。
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