JP3896658B2 - 二輪車用燃料噴射装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、二輪車に搭載される機関に燃料噴射弁を介して燃料を供給する二輪車用の燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の二輪車用の燃料噴射装置は、特開平3−117680号公報に示される。これによると、吸気管の下方に燃料ポンプと燃料噴射弁とが一体的に配置され、燃料ポンプの吸入孔は燃料流入路を介して燃料タンクと接続される。一方燃料ポンプのケーシング内に開口する第1吐出孔は、燃料吐出路を介して燃料噴射弁接続される。而して、機関の運転に際して、燃料ポンプのロータが回転すると、燃料タンク内の燃料は燃料流入路、吸入孔を介して燃料ポンプ内へ吸入されて昇圧される。そして、このケーシング内の昇圧された燃料は、第1吐出孔、燃料吐出路を介して燃料噴射弁へ送出され、燃料噴射弁によって制御された燃料が吸気管内に向けて噴射供給される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来の燃料噴射装置によると、以下の不具合を有する。(1)機関雰囲気温度の高温時における良好な機関始動性を得ることができない。これは燃料タンクと燃料噴射弁とが、燃料流入路、燃料ポンプの吸入孔及びポンプ部、ケーシング、第1吐出孔、燃料吐出路を介して直接的に接続され、ベーパー抜き機能を備えないことによる。すなわち、機関雰囲気温度が大きく上昇した熱間再始動時(機関を一定時間運転して停止し、その後に再び機関を始動させる状態)において、燃料流入路、燃料ポンプ、燃料吐出路は、高温度に熱せられる。以上によると、燃料流入路及び燃料ポンプのポンプ部及びケーシング内等の燃料が暖められてベーパーが発生し、このベーパーが燃料流入路、ポンプ部、ケーシング内等において燃料ロック現象を生じ、機関の始動操作に応答して燃料を燃料噴射弁に向けて供給できないことに起因する。(2)機関の運転時において、燃料噴射弁より正確な燃料を計量供給できない。これは前記と同様に、燃料流入路、燃料ポンプ内等において発生したベーパーは燃料噴射弁を介して吸気管内へ排出されるもので、燃料中に含まれるベーパー分に相当して燃料噴射弁より噴射される燃料量が減少傾向となることに起因する。(3)多気筒機関に連なる複数の吸気管にそれぞれ燃料噴射弁を備え、各燃料噴射弁よりそれに対応する吸気管内に向けて燃料を噴射する型式の燃料噴射装置に用いた際、燃料ポンプのケーシングと各燃料噴射弁とを接続する燃料吐出路の通路設計が困難となる。これは、燃料噴射弁の数に応じた複数の燃料吐出路を燃料ポンプのケーシングより延ばして設ける必要があること。及びケーシングの長手方向の長さは、燃料ポンプによって決定され、複数の吸気管の連装ピッチに必ずしも合致しないこと。による。
【0004】
【目的】
本発明になる燃料噴射装置は、前記不具合に鑑みなされたもので、機関雰囲気温度の高い状態における機関の始動性の向上と、燃料噴射弁の燃料制御精度の向上を達成することのできる二輪車用の燃料噴射装置を提供することを主たる目的とする。
【0005】
【課題を解決する為の手段】
本発明になる二輪車用燃料噴射装置は、前記目的達成の為に、機関に連なる吸気管内に、燃料ポンプにて昇圧された燃料が燃料分配管に装着される燃料噴射弁を介して供給される二輪車用燃料噴射装置において、
燃料室は、下側燃料本体と上側燃料本体とにより密閉状に形成され、駆動部によって作動するポンプ部を備える燃料ポンプは、前記燃料室内に収納配置されるとともにその吸入孔は燃料室内に直接開口配置され、その吐出孔は、燃料室内に開口して穿設される燃料吐出孔に接続配置され、
一方、圧力制御弁は、区画体によって圧力制御弁燃料室と圧力室とに区分されるとともに圧力制御弁燃料室には、第1開口と、第2開口と弁座を介して第3開口とが開口配置され、
前記、燃料ポンプを含む燃料室、圧力制御弁を、燃料タンクより重力方向において下方に配置される燃料分配管に一体的に取着し、
前記燃料室の下方に開口する燃料流入孔を、燃料流入管を介して燃料タンクの底部に接続するとともに燃料室の上方に開口するベーパー抜き孔を、ベーパー抜き通路を介して燃料タンクの燃料液面上に開口配置し、
更に前記燃料吐出孔を、燃料供給管を介して圧力制御弁の第1開口に接続し、第2開口を燃料分配路に接続するとともに第3開口を燃料室の上方に開口して穿設される燃料リターン孔にリターン燃料管を介して接続したことを第1の特徴とする。
【0006】
又、本発明は、前記第1の特徴に加え、前記燃料室を、二輪車本体に取りつけられたサイドスタンドを立てた時、前記燃料タンク内に形成される燃料液面の重力方向における下方位置に配置したことを第2の特徴とする。
【0007】
又、本発明は前記第1の特徴に加え、前記燃料流入管の上流に第1のストレーナを配置するとともに該第1のストレーナを燃料タンク内に配置したことを第3の特徴とする。
【0008】
又、本発明は前記第1の特徴に加え、前記燃料ポンプの吸入孔を、前記燃料室内に開口する燃料流入孔の開口より重力方向における下方位置に開口したことを第4の特徴とする。
【0009】
又、本発明は、前記第1の特徴に加え、前記燃料ポンプのポンプ室から延びるベーパー排出孔を、ベーパー排出管を介して前記燃料室の重力方向における上方位置に開口したことを第5の特徴とする。
【0010】
又、本発明は、前記第1の特徴に加え、前記燃料室内の有効流路断面積を、前記燃料ポンプの最大吐出量を許容する範囲としたことを第6の特徴とする。
【0011】
又、本発明は、前記第1の特徴に加え、前記燃料リターン孔の燃料室内への開口位置を、重力方向において、前記燃料室内における燃料ポンプの吸入孔の開口と、ベーパー抜き孔の開口との間に開口したことを第7の特徴とする。
【0012】
又、本発明は、前記第1の特徴に加え、前記燃料室は重力方向における長手軸心線に対して径方向断面が円形をなし、前記燃料リターン孔を燃料室の接線方向に開口したことを第8の特徴とする。
【0013】
又、本発明は、前記第8の特徴に加え、前記燃料室の内壁に、燃料室内の流路面積を部分的に減少する絞り部を設けたことを第9の特徴とする。
【0014】
又、本発明は、前記第1の特徴に加え、前記、ベーパー抜き通路の通路断面積を、前記燃料リターン孔の通路断面積より大としたことを第10の特徴とする。
【0015】
更に本発明は、前記第1の特徴に加え、前記燃料分配管の燃料分配路の重力方向における上方位置と燃料とをベーパーリーク管を介して連絡したことを第11の特徴とする。
【0016】
更に又、本発明は、前記第11の特徴に加え、前記ベーパーリーク管の下流をリターン燃料管に接続したことを第12の特徴とする。
【0017】
【作用】
本発明の第1の特徴によると、燃料タンク内の燃料は、その重力によって燃料流入管、燃料流入孔を介して燃料室内へ供給され、燃料室内に燃料が貯溜される。燃料室内の燃料は、燃料ポンプの吸入孔からポンプ部に吸入されて昇圧され、昇圧された燃料は、吐出孔、燃料吐出孔、燃料供給管を介して圧力制御弁の第1開口へ供給され、燃料室に達する。
そして、燃料室内の燃料が第2開口を介して燃料分配管の燃料分配路に供給される。
燃料分配路内の燃料圧力は圧力制御弁によって一定の圧力に制御され、このとき圧力制御弁のリターン燃料は第3開口、リターン燃料管、燃料リターン孔を介して燃料室内へ戻される。一方、燃料流入孔を介して燃料室内へ流入する燃料中に含まれるベーパー、燃料リターン孔を介して燃料室内へ戻される燃料中に含まれるベーパーは、燃料室内における燃料と分離され、このベーパーは燃料室の上方に向かいベーパー抜き孔から排出される。
而して、燃料噴射弁は、一定圧力状態にある燃料を機関に連なる吸気管内へ向けて連続的に安定して噴射供給する。
【0018】
本発明の第2の特徴によると、二輪車のサイドスタンドを立てた傾斜状態において、燃料室は、燃料タンク内の燃料液面の重力方向における下方位置に配置されるので、燃料室内に充分なる燃料を貯溜できる。而して、サイドスタンドを外し、機関の運転操作に伴って燃料ポンプを駆動させると、即座に燃料ポンプより燃料分配管に向けて燃料を供給でき、時間遅れなく燃料噴射弁より吸気管内に向けて燃料を供給できる。
【0019】
本発明の第3の特徴によると、燃料タンクから燃料流入路を介して燃料室内へ流入する燃料中に含まれる異物は、第1のストレーナにて除去されるので、燃料ポンプは清浄な燃料のみを吸入することができる。又、この第1のストレーナを燃料タンク内へ配置したことによると、燃料タンクの外形状の変化を極力抑止できる。
【0020】
本発明の第4の特徴によると、燃料流入孔の開口より燃料室内へ流入する燃料中に含まれるベーパーは、燃料室内の開口より即座へ上方へ移動する。燃料ポンプの吸入孔は、燃料流入孔の開口より下方位置に開口するので、燃料流入孔を介して燃料室内へ流入する燃料中に含まれるベーパーが燃料ポンプに吸入されることがない。
【0021】
本発明の第5の特徴によると、燃料ポンプのポンプ室内に生起するベーパーはベーパー排出孔、ベーパー排出管を介して燃料室の上方へ排出される。従って、ポンプ室内に生起するベーパーが再び燃料ポンプの吸入孔を介して燃料ポンプ内へ吸入されることがない。
【0022】
本発明の第6の特徴によると、燃料室内の燃料を燃料ポンプが吸入する際において、燃料ポンプの最大吐出量時にあっても燃料室内の燃料を不足なく燃料ポンプに供給できる。
【0023】
本発明の第7の特徴によると、燃料リターン孔内を流れるリターン燃料中に含まれるベーパーは、燃料室内に流入した後に即座にベーパー抜き孔より燃料タンク内へ排出される。
【0024】
本発明の第8の特徴によると、燃料リターン孔より燃料室内へ流入する燃料中に含まれるベーパーは、燃料室内において一方向の旋回流をなす。而してこのベーパーは、旋回の経過とともに集合して大きなベーパーとなり、燃料室の上方位置に早期に収束されてベーパー抜き孔より燃料タンク内へ排出される。
【0025】
本発明の第9の特徴によると、燃料室内において旋回するリターン燃料は、燃料室内に形成される絞り部の上流域において、旋回流速を弱められることからベーパーが集合して大きくなり、大きな浮力を備えたベーパーが燃料室の上方位置に早期に収束されてベーパー抜き孔より燃料タンク内へ排出される。
【0026】
本発明の第10の特徴によると、燃料リターン孔から燃料室内へ向かうリターン燃料の流れが円滑に行われるとともにリターン燃料中に含まれるベーパーが良好に燃料室内へ排出される。
【0027】
本発明の第11の特徴によると、燃料分配路内に流入するベーパーは燃料分配路の上方位置に集合し、このベーパーがベーパーリーク管を介して燃料室内へ排出される。
【0028】
本発明の第12の特徴によると、ベーパーリーク管内を流れるベーパーはリターン燃料管内へ流入し、燃料リターン孔を介して燃料室内へ排出される。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の二輪車用燃料噴射装置の一実施例について図により説明する。
図1は燃料ポンプを含む燃料室の単体時における縦断面図。図2は圧力制御弁の縦断面図。図3は燃料噴射装置の燃料系統図を含む縦断面図。燃料噴射装置は、燃料ポンプPを含む燃料室Aと圧力制御弁Bと燃料噴射弁Jを含む燃料分配管Cとにより構成される。図1によって説明すると、燃料ポンプPはポンプ部Dと駆動部Eとにより構成され、例えば特開昭62−214294号公報に示される。ポンプ部Dは、ポンプカバー1とポンプハウジング2との対接面にポンプ室3が形成され、このポンプ室3内に外周面に複数の羽根溝が形成されたインペラ4が回転自在に配置される。ポンプ室3にはポンプハウジング2に穿設した吸入孔5が開口するとともにポンプカバー1に穿設した吐出孔(図示せず)が開口する。駆動部Eは、公知の直流モータであり、直流モータより延びる出力軸7の回転は、前記インペラ4にDカット溝を介して連結される。
【0030】
そして前記ポンプ部Dと駆動部Eとは円筒ハウジング8内に一体的に取着される。すなわち、円筒ハウジング8の下端内方に前記ポンプ部Dが配置され、中間部に駆動部Eが配置され、上端内方にハウジングカバー9が配置され、この状態において、駆動部Eの上方の出力軸7Bはハウジングカバー9の軸受10Aに支承され、下方の出力軸7Aはポンプカバー1の軸受10Bに支承され、更に円筒ハウジング8の下端がポンプハウジング2の外周面上にカシメ結合され、円筒ハウジング8の上端がハウジングカバー9の外周面上にカシメ結合される。
以上によって燃料ポンプPが形成されるもので、ポンプ室3に開口する吸入孔5はポンプハウジング2の下方に開口し、ポンプ室3に開口するポンプカバー1に穿設した吐出孔(図示せず)は、駆動部Eの外周と円筒ハウジング8の内周との間隙Sを通り、ハウジングカバー9の上方に開口する吐出孔11に連絡される。
【0031】
Aは、前記燃料ポンプPを内部に収納する燃料室であり以下よりなる。
燃料室Aは、上方が開口する有底筒状をなす下側燃料本体21と下方が開口する有底筒状をなす上側燃料本体22とよりなり、両燃料本体21、22の開口は対接面21A、22Aを対接して接合することによって密閉状の前記燃料室Aが形成される。
【0032】
そして、前記燃料ポンプPは両燃料本体21、22を接合する際に、燃料室A内に固定的に配置されるもので、燃料ポンプPのポンプハウジング2に設けた凹部2Aが下側燃料本体21の底部より突出するガイド突部21Bによって位置決め支持され、燃料ポンプPのハウジングカバー9より上方に向かって突出する吐出孔11が、上側燃料本体22のガイド孔22Bに位置決め支持される。
【0033】
そして、前記燃料室Aの下方位置には、(具体的には下側燃料本体21の下方)燃料流入孔23が開口する。又、燃料室Aの上方位置には、(具体的には上側燃料本体22の上方)ベーパー抜き孔24が開口する。又、上側燃料本体22のガイド孔22Bに連なって燃料吐出孔25が形成されるもので、この燃料吐出孔25が燃料ポンプPの吐出孔11に接続される。更に又、燃料室Aの上方位置には、(具体的には上側燃料本体22の上方)燃料リターン孔26が開口する。
【0034】
すなわち、燃料室Aの下方位置には、燃料流入孔23と、燃料ポンプPの吸入孔5が開口する。又、燃料室Aの上方位置には、ベーパー抜き孔24と、燃料リターン孔26とが開口する。
【0035】
次に図2により圧力制御弁Bについて説明する。
30は上方に向かって開口する有底筒状をなす下側本体であり、31は下方に向かって開口する有底筒状をなす上側本体であり、両本体の開口の間にダイヤフラム等の区画体32を配置して両本体30,31を結合する。本例では上側本体31の外周を下側本体30に向けて内方へカシメ結合した。
以上によると、区画体32の下側面と下側本体30の凹部とにより圧力制御弁燃料室33が形成され、区画体32の上側面と上側本体31の凹部とにより圧力室34が区分形成される。
前記、圧力制御弁燃料室33には、その側部に第1開口35が開口し、底部に第2開口36が開口し、更に圧力制御弁燃料室33Aの中心部には弁座38を介して第3開口37が開口する。前記第2開口36は、下側本体30の鍔部30Aの下方底面に開口する。
又、圧力制御弁燃料室33内に臨む区画体32には弁体39が一体的に配置されるもので、この弁体39は弁座38を開閉する。
更に圧力室34内には一端が区画体32に係止されたスプリング40が縮設されるもので、このスプリング40は区画体32を圧力制御弁燃料室33側へ付勢する。
いいかえると、弁体39が弁座38を閉塞する側に付勢する。尚、圧力室34には開孔34Aが穿設され、この開孔34Aは、例えば機関に連なる吸気管(図示せず)あるいは大気へと連絡される。
【0036】
次に、図3を用いて燃料噴射装置について説明する。
Tは内部に燃料を貯溜する燃料タンクであり、この燃料タンクTの重力方向における下方位置に燃料分配管Cが配置される。
この燃料分配管Cは、内部に密閉された燃料分配路50が水平方向に穿設されるとともに燃料分配管Cには、燃料噴射弁Jが装着される。
燃料噴射弁Jは、機関に連なる吸気管の数に相当して設けられるもので、その上流は燃料分配路50内に連なって開口し、下流は吸気管内に向かって開口する。本実施例にあっては、燃料噴射弁Jは3本用意されたが、その数は適宜設定される。
【0037】
そして、燃料ポンプPを備えた燃料室Aは、燃料分配管Cの重力方向における上方位置に配置される。具体的には、燃料室Aの下側燃料本体21の下方に設けた取付け鍔部21Dの下面21Cを燃料分配管Cの上面Ca上に配置し、この状態においてビス51によって螺着して固定した。
以上によると、重力方向において、もっとも下方位置に燃料分配管Cが配置され、その上方に燃料室Aが配置され、もっとも上方位置に燃料タンクTが配置されることになる。
【0038】
又、燃料分配管Cの上面Ca上に更に圧力制御弁Bが配置される。
具体的には、上面Ca上に下側本体30の鍔部30Aが配置され、この状態においてビス52によって螺着して固定した。尚、この圧力制御弁Bは、燃料室Aの外側に装着してもよい。
【0039】
そして、圧力制御弁Bの第2開口36は、燃料分配管Cに穿設せる通路Cbを介して燃料分配路50内に連通される。
【0040】
燃料噴射装置を形成する各通路は、以下によって接続される。燃料室Aに設けた燃料流入孔23は、燃料タンクTの底部Taに燃料流入管70を介して接続され、燃料流入管70の上流は燃料タンクTの底部Taに接続される。そして、燃料流入管70には第1のストレーナ53が配置される。ここで本実施例になる第1のストレーナ53は、燃料タンクT内へ収納配置された。
【0041】
又、燃料室A内に開口するベーパー抜き孔24は、ベーパー抜き通路71を介して燃料タンクT内の燃料液面上に開口させた。
【0042】
燃料吐出孔25は、圧力制御弁Bの第1開口35に燃料供給管72を介して接続され、圧力制御弁Bの燃料室33、第2開口36、燃料分配管Cの通路Cbを介して燃料分配路50内に連絡される。
【0043】
そして、圧力制御弁Bの第1開口35より上流側にある燃料供給管72内に第2のストレーナ54が配置される。
【0044】
又、圧力制御弁Bの第3開口37は、リターン燃料管73、燃料リターン孔26を介して燃料室A内へ連絡される。
【0045】
本実施例において、第1のストレーナ53と、ベーパー抜き通路71は平板部材56に一体的に取着され、この平板部材56を、燃料タンクTの下部開口に当接して閉塞することによって、第1ストレーナ53を燃料タンクT内に配置するとともにベーパー抜き通路71を燃料タンクTの燃料液面上に開口配置した。
【0046】
そして、燃料噴射弁Jを備えた燃料分配管50に、燃料ポンプPを備えた燃料室Aと、圧力制御弁Bとが一体的に装着され、更にこの状態において、第2のストレーナ54を備えた燃料供給管72が燃料室Aと圧力制御弁Bの第1開口35を接続し、更にリターン燃料管73が燃料室Aと圧力制御弁Bの第3開口37とを接続する。
以上によれば、燃料噴射装置の主要部をなす構成の全てが予めサブアッセンブリ状態に組付けられる。
【0047】
二輪車は、図4に示されるもので、重力方向における上方位置に燃料タンクTが配置され、その下方に機関Hの各気筒に連なる複数の吸気管Kが配置され、吸気管Kの上流にエアクリーナLが配置される。
尚、Rは、吸気管K内を流れる空気量を制御する絞り弁であり、運転者によって開閉制御される。
【0048】
そして、前記サブアッセンブリ状態にある燃料噴射装置が燃料タンクTと吸気管Kとの間の空間部に挿入されて固定配置され、このとき、燃料分配管Cに装着された燃料噴射弁Jの先端開口は各吸気管K内に向かって開口配置される。
かかる状態において、ベーパー抜き通路71は、燃料タンクT内に接続され、燃料流入管70もまた燃料タンクT内に配置される第1のストレーナ53に接続される。
【0049】
以上によって燃料噴射装置の二輪車への装着が終了したもので、この状態が図4に示される。
【0050】
次にその作用について説明する。
燃料タンクT内へ貯溜される燃料は、燃料流入管70、燃料流入孔23を介して、そのヘッド差によって燃料室A内へ供給されるもので、このとき燃料室の上部がベーパー抜き孔 24を介して燃料タンクT内の燃料液面上に開口して大気圧状態に保持されるので燃料室A内に燃料が自動的に供給されて貯溜する。
【0051】
一方、機関の運転操作に入ると、燃料ポンプPの駆動部Eが回転してポンプ部Dのインペラ4がポンプ室3内において回転する。
以上によると、燃料室A内の燃料は、ポンプハウジング2の吸入孔5を介してポンプ室3内に吸入され、ポンプ室3内において昇圧された燃料は、図示せぬポンプカバー1の吐出路及び駆動部Eの外周と円筒ハウジング8の内周との間隙Sを通り、吐出孔11介して燃料吐出孔25に向けて供給され、この燃料吐出孔25内に流れる燃料は、第2のストレーナ54を備える燃料供給管72、第1開口35を介して圧力制御弁Bの燃料室33内へ供給される。
【0052】
そして燃料室33A内へ供給される燃料圧力が設定された一定圧力を越えて上昇すると、区画体32はスプリング40のバネ力に抗して図3において上方の圧力室34側へ移動し、これによって弁体39は弁座38を開放し、圧力制御弁燃料室33内の燃料の一部を第3開口37、リターン燃料管73、燃料リターン孔26を介して燃料室A内へ還流させる。
従って、圧力制御弁Bの燃料室33内の燃料圧力は一定圧力に調圧されるもので、この所定の圧力を有する燃料は、圧力制御弁Bの第2開口36、及び燃料分配管Cの通路Cbを介して燃料分配管Cの燃料分配路50内へ供給される。
【0053】
一方、燃料噴射弁Jは、図示せぬE.C.Uからの出力信号によってその開弁時間が制御されるもので、燃料分配路50内の燃料は、出力信号に応じて燃料噴射弁Jを介して吸気管K内に向けて噴射供給され、もって機関の運転が行われる。
そして、燃料室A内の燃料が、燃料ポンプPによって吸出されて減少するや、燃料タンクT内の燃料は燃料流入管70、燃料流入孔23を介して即座に且つ連続的に燃料室A内へ補充、供給されるので、燃料噴射弁Jから吸気管K内に向けて燃料を連続的に供給できる。
【0054】
そして、本発明になる燃料噴射装置によると、装置内において発生するベーパーは以下によって排出される。まず、燃料流入管70から燃料室A内に向かう燃料中に含まれるベーパーについて鑑案する。
かかるベーパーは、燃料タンクTが振動することによって燃料タンクT内の燃料が泡立ち、この泡が第1のストレーナ53を介して燃料流入管70内へ巻きこまれて流入すること。あるいは、燃料流入管70自体が機関雰囲気温度によって加熱されること。等によって発生する。
そして、上記によるベーパーを含む燃料が燃料流入孔23を介して燃料室A内に流入すると、ベーパー自体が有する浮力によって燃料室A内の上方へ移動して集合し、このベーパーは燃料室Aの上部に開口するベーパー抜き孔24、ベーパー抜き通路71を介して燃料タンクT内へと排出される。
従って、燃料流入孔23から燃料室A内に吸入されるベーパーは、燃料室A内において分離されて且つ排出される。
【0055】
又、燃料室A自体も又機関雰囲気温度の上昇によって加熱され、燃料室A内の燃料にベーパーが発生する。然しながら、かかるベーパーは前記と同様に燃料室A内の上方へ移動し、ベーパー抜き孔24、ベーパー抜き通路71を介して燃料タンク内へと排出される。
以上によれば、燃料室A内に流入するベーパー又は燃料室A内において発生するベーパーは全て燃料室A外へと排出される。
【0056】
一方、燃料ポンプPが駆動することによると、アーマチュアコイルが巻かれた回転子の温度が上昇すること。及びポンプ室3内においてインペラ4が高速回転すること。等からベーパーが発生し、このベーパーを含む昇圧された燃料が燃料吐出孔25、燃料供給管72、第1開口35を介して圧力制御弁Bの燃料室33内へ供給される。
又、燃料供給管72自体もまた機関雰囲気温度の上昇によって加熱され、該燃料供給管内において発生するベーパーもまた圧力制御弁燃料室33内へ供給される。
ここで、圧力制御弁Bの燃料室33A内には、略大気圧状態に維持されるリターン燃料管73に連なる第3開口37が開口する。
以上によると、圧力制御弁Bの燃料室33内に流入する燃料中に含まれるベーパーは、燃料室33内の燃料圧力と大きな差圧状態にある第3開口37内へリターン燃料とともに排出され、このベーパーを含む燃料はリターン燃料管73、燃料リターン孔26を介して燃料室A内へと排出される。
そして燃料室A内へ排出されたベーパーは、前記と同様にベーパー抜き孔24、ベーパー抜き通路71を介して燃料タンクT内へと排出される。
尚、ここで燃料室A内へ排出された上記ベーパーを含む燃料について鑑案すると、このベーパーを含む燃料は、燃料タンクTではなく燃料室Aに戻されるようになっているので、燃料室Aで分離されたベーパー成分のみ燃料タンクに戻り、ベーパー成分が分離された燃料が燃料タンクT内のベーパー成分が未分離の新鮮な燃料と混合することがない。従って、燃料タンクT内の燃料劣化を防止する効果がある。
又、上記ベーパーを含む燃料が燃料室Aに戻されると、ベーパーと燃料は分離される。燃料室A内には燃料を吸入・吐出する燃料ポンプが配置されているので、燃料室Aに戻された燃料を積極的に先に使用することが可能となる。従って、ベーパー成分が分離された燃料から順次使用することが可能となる。又、燃料室A内は、その最上面が燃料タンクT内の最下面より低く設定され、かつ、略大気圧と連通しているベーパー抜き通路71が設けられているので、燃料室A内は燃料で満たされることになり、燃料室A内には酸素がない状態となる。ベーパーを含む燃料は、その酸素のない燃料室Aに戻る為、燃料の酸化を抑制する効果がある。特に、燃料は高温状態で酸化しやすく、例えば燃料室Aは、エンジンの輻射熱を受けて高温状態になるが、燃料室A内は、上記理由により酸素がない状態となっているので、たとえ高温下であっても燃料の酸化が抑制される。
【0057】
又、ポンプ室3には、ベーパー排出孔60が設けられる。このベーパー排出孔60は、その上流がポンプハウジング2に穿設されてポンプ室3内に臨んで開口し、その下流はベーパー排出管74によって燃料室A内の上方位置に開口する。
本例において、前記ベーパー排出管74はU字形状をなし、一側の曲り部の下端74Aがポンプハウジング2に支持され、他側の曲り部の上端74Bが上側燃料本体22に支持される。そして、他側の曲り部の上端74Bの近傍に、燃料室Aの上方に開口する孔74Cが穿設される。
以上によると、燃料ポンプPが駆動されることによってポンプ室3内にベーパーが発生すると、このベーパーはベーパー排出孔60内に進入し、ベーパー排出孔60、ベーパー排出管74、孔74Cを介して燃料室Aの上方に排出される。そして、燃料室A内に排出されたベーパーは、ベーパー抜き孔24、ベーパー抜き通路71を介して燃料タンクT内へと排出される。而して、ポンプ室3内において発生したベーパーが、燃料ポンプPから燃料吐出孔25に向けて吐出される燃料中に混入されることがない。
又、前記ベーパー排出管74は、燃料室A内に収容配置されるので、燃料室Aの外観形状を複雑化させることがなく、且つ仮にベーパー排出管74より燃料が洩れたとしても、該燃料が外部へ洩れることがない。
【0058】
以上の如く、本発明になる二輪車用の燃料噴射装置によると、燃料流入管70、燃料室A、燃料ポンプP、燃料供給管25において生起するベーパーは全て燃料室Aの上方へ集まり、このベーパーは、ベーパー抜き通路71を介して燃料タンクTの燃料液面上に排出される。
従って、機関雰囲気温度が大きく上昇した機関の熱間再始動時において、燃料配管系における燃料のロック現象が完全に抑止され、遅滞なく燃料噴射弁に向けて燃料の供給が可能となり、熱間再始動性を大きく向上できたものである。
【0059】
又、前述の如く、燃料配管系におけるベーパーを燃料タンク内へ排出できたことによると、燃料噴射弁より吸気管内に向けて噴射される燃料中にベーパーが含まれないものであり、これによると、燃料噴射弁より噴射される燃料量は燃料噴射弁の開弁時間に応じて正確に計量されて供給されるもので、正確な燃料計量精度を保証できるものである。
【0060】
更に又、前記によると、計量されたベーパーを含むことのない燃料のみを連続的に供給できるもので、燃料供給が断続的に行なわれることがなく、安定した燃料供給が可能となったものであり、これによって機関の運転性を大きく向上できたものである。
【0061】
又、本発明によれば、燃料分配管Cに対して燃料ポンブPを備えた燃料室Aと、圧力制御弁Bとを装着すること。及び燃料室Aと圧力制御弁Bとを燃料供給管72によって連絡すること。圧力制御弁Bと燃料室Aとをリターン燃料管73によって連絡すること。によって燃料噴射装置の構成のほとんどをサブアッセンブリ状態にできる。
以上によると、燃料噴射装置を組立性の自由度の高い環境下において実施できるので、組立作業性を大きく向上できたものである、又、二輪車への燃料噴射装置の搭載は、前記サブアッセンブリ状態にある燃料噴射装置を、燃料タンクTと吸気管Kとの間に形成される取付け空間部に配置し固定すること。及び燃料タンクTと燃料室Aとを燃料流入管70にて連絡すること。燃料室Aと燃料タンクTとをベーパー抜き通路71にて連絡すること。の作業を行なえばよいもので、燃料噴射装置を二輪車に搭載する組付け作業性及びメンテナンス性を大きく向上できたものである。
【0062】
又、燃料噴射装置の燃料室Aは、燃料タンクTの重力方向における下方直下に配置することができるので、燃料流入管70及びベーパー抜き通路71の通路長を短くできること。及び燃料分配管Cに燃料室A及び圧力制御弁Bを取着したことによって、燃料供給管72、リターン燃料管73の通路長を短くできること。によってそれら燃料通路を極めて単純でコンパクトにまとめることができ、更にはその外観を損なうことがない。
【0063】
又、燃料ポンプPが燃料室A内に収容配置されたことによると、燃料ポンプPが直接的に雰囲気温度によって加熱されにくいもので、燃料ポンプPの温度上昇を抑止できてベーパーの発生を抑止する上で効果的である。
又、燃料ポンプPが燃料室Aによって保護されることから、二輪車の走行時において小石等が飛散して衝突した際、燃料ポンプPの円筒ハウジング8に変形が生ずることがなく、ポンプ性能に何等の悪影響を与えることがない。
又、外部に対して直接的に燃料室Aを露出したことは、燃料室Aの外観形状を自由に選択することができ、二輪車のデザイン上好ましい。燃料室Aは燃料を貯溜する機能を有すればよいもので、外観の決定に対して何等の制限を加えるものでない。
【0064】
又、二輪車は機関の停止時においてサイドスタンドを立てた状態において放置され、かかる状態において、二輪車本体は、走行方向に対して側方に傾斜保持される。
ここで、本発明の燃料噴射装置にあっては、かかる傾斜保持状態において燃料室Aを以下のように配置する。すなわち、燃料室Aを、スタンドを立てた二輪車の傾斜保持状態において、燃料タンクT内に形成される燃料液面の重力方向における下方位置に配置する。
以上によれば、かかる機関の停止時にあっても、燃料室A内には常時燃料タンクT内の燃料が燃料流入管70を介して供給されて燃料室A内を燃料で満たすことができる。従って、機関を運転するにあたって、サイドスタンドを外して即座に機関の始動操作を行なったとしても、燃料を遅滞なく機関へ供給できて、良好な機関を運転できる。
【0065】
又、燃料流入管70が燃料室A内に開口する燃料流入孔23を燃料室Aの重力方向における下方位置に開口したことによると、燃料室A内に流入するベーパーの上方向移動距離を長くとることができ、これによって小なるベーパーが集合して大なるベーパーへと成長し、燃料室Aの上方へのベーパーの集合速度を速くすることができ燃料とベーパーの分離作用をより効果的に行なうことができる。
又、燃料タンクTと吸気管Kとのスペース(特に重力方向の距離)は限られたもので、燃料室Aは燃料タンクTの比較的近傍位置の下方に配置される。
ここで、前記の如く、燃料流入孔23を燃料室Aの下方位置に開口させたことによると、燃料タンクTの燃料室Aとの液面ヘッドを限られたスペース内においてもっとも大きく設定でき、燃料室A内への燃料の流入性を高めることができる。
【0066】
又、燃料流入管70の上流に、燃料タンクT内へ収容される第1のストレーナ53を配置したことによると、燃料室A内へ供給される燃料中に含まれる異物が除去されて、清浄な燃料が燃料室A内へ供給される。従って、燃料ポンプPの回転部分における摩耗を抑止できて、特に燃料ポンプPの耐久性を向上できたものである。
又、第1のストレーナ53を燃料タンクT内に収容配置したことによると、第1のストレーナ53が燃料タンクT外へ突出することがなく燃料タンクTの形状を最適とすることができ商品性を高める上で効果的であり、且つ第1のストレーナ53の配置の自由度を高めることができる。
すなわち、第1のストレーナ53を限られたスペース内に配置しなくてもよい。
【0067】
又、燃料ポンプPのポンプハウジング2に設けた吸入孔5を燃料室A内に開口する燃料流入孔23の開口より、重力方向における下方位置に開口することによると、燃料流入孔23から燃料室A内に流入する燃料中に含まれるベーパーを吸入孔5を介して燃料ポンプP内へ吸入することが抑止できる。
【0068】
又、特に燃料室Aの内周壁と燃料ポンプPの円筒ハウジング8の外周との間隙Saによって形成される燃料室Aの有効流路断面積を、燃料ポンプPの最大吐出量を許容する範囲とすることによると、燃料ポンプPの全吐出範囲において吸入孔5に向けて不足なく充分な燃料を供給でき、いかなる運転状態にあっても燃料ポンプPより吐出される燃料に不足を生じることがない。
【0069】
又、燃料リターン孔26の燃料室A内への開口を、燃料室Aの重力方向において、燃料ポンプPの吸入孔5の開口と、ベーパー抜き通路71の開口24Aとの間に開口したことによると、燃料リターン孔26から燃料室A内へ流入する燃料中に含まれるベーパーが燃料室A内において、再び吸入孔5から燃料ポンプP内へ吸入されることがない。燃料リターン孔26から燃料室A内に流入するベーパーは、ベーパー抜き通路71を介して燃料タンクT内へ排出される。
【0070】
又、図1のN−N線における横断面図である図5によって説明すると、燃料室Aは、重力方向における長手軸心線X−X(図1に記載)に対して直交する径方向断面が円形をなし、更に燃料リターン孔26の開口26Aを前記燃料室Aの接線方向に開口させたものである。
これによると、燃料リターン孔26から燃料室A内に流入するベーパーの排出性を向上できる。
すなわち、燃料リターン孔26から燃料室A内に流入する燃料は、燃料室Aの内周壁に沿って旋回流をなすもので、この旋回流によると、ベーパーと燃料との質量差によってベーパーと燃料とは旋回流の中において確実に分離され、そのうち微細なベーパーは集合されて比較的大きなベーパーに成長する。
そして、このベーパーは、微細状態にあるベーパーに比べ大きな浮力を有するもので、ベーパーはこの浮力によって燃料室Aの上方に向かい、ベーパー抜き孔24、ベーパー抜き通路71を介して燃料タンクT内に効果的に排出される。
又、ベーパーは旋回流中に存在することにより、燃料室Aの下方位置への移動は抑止されるもので、燃料室Aの下方位置にある燃料ポンプPの吸入孔5を介して燃料ポンプP中に再び吸入されにくいものである。
更に又、燃料ポンプPの燃料の吸入によって、燃料室A内の上方部分に空間部が形成された際において、燃料リターン孔26から燃料室A内に流入する燃料が、燃料室Aの内周壁に沿うことにより燃料室A内に存在する燃料の波立ちの発生を抑止でき、燃料の波立ちに伴なうベーパーの発生を抑止できる。
【0071】
又、図5に示される如く、燃料室Aの内周壁に燃料室A内の流路面積を部分的に減少する絞り部22Aを内方に向けて突出して設けたことによると、燃料リターン孔26から燃料室A内に流入する燃料中に含まれるベーパーは絞り部22Aに衝突するもので、この衝突によると、ベーパーが有する速度エネルギーは大きく減少し、自己の保有する浮力によって上方向へ移動してベーパー抜き孔24より排出される。この絞り部22Aに燃料中のベーパーを衝突させるのは、ベーパーの粒径が比較的大きなので自己の浮力が大なるものにおいて効果的である。すなわち、ベーパーが本来有する浮力による上方向への移動を旋回流が阻害するからである。
【0072】
又、圧力制御弁Bより上流側の燃料供給管72に第2のストレーナ54を配置したことによると、圧力制御弁Bの燃料室33A内に流入する燃料中に含まれる異物は、この第2ストレーナ54にて除去されるので燃料室33内には清浄なる燃料が供給される。
この燃料供給管72内の燃料中に異物が含まれるのは、燃料ポンプP内に残留する異物、燃料供給管72内に残留する異物等による。
そして、圧力制御弁Bの燃料室33内に清浄なる燃料が供給されることによると、弁体39と弁座38との間に異物が噛み込むことがなく、弁体39の閉塞性の向上と弁体39及び弁座38との耐久摩耗性の向上を達成できる。更に又、燃料噴射弁Jに向けても、より清浄な燃料を供給できるので、燃料噴射弁Jの閉塞性の向上と、安定した燃料の供給を達成できる。
【0073】
又、ベーパー抜き通路71の上流を重力方向において、燃料室Aの上方位置に開口し、一方下流を燃料タンクTの燃料液面の上方位置に開口したことによると、燃料室A内に滞溜するベーパーを燃料タンクT内に向けて何等の抵抗なく即座に排出することができる。
【0074】
又、ベーパー抜き通路71を略直線状に形成したことによると、ベーパー抜き通路71を通過するベーパー流れに対して抵抗を与えることがなく、ベーパーの排出性を向上できる。
尚、本実施例にあっては、ベーパー抜き通路71を重力方向で下方から上方へ向う一直線としたが、該通路内にいくらかの曲線状部があっても、上記効果は達成される(この場合の曲線状部は、例えばJ字状あるいはU字状の曲線状部、すなわち重力方向で下方から上方へ向う該通路の途中に、上方から下方へ向う曲線状部が形成されない程度のものをいう。)。
【0075】
又、ベーパー抜き通路71の通路断面積を、燃料リターン孔26の通路断面積より大としたことによると、燃料リターン孔26から燃料室A内に流入する燃料流れに対し、燃料室A内のベーパー又は燃料が抵抗となることがないもので、圧力制御弁Bにおける調圧作用を何等阻害することがなく、良好な調圧を実施できる。いいかえると燃料リターン孔26の燃料室Aへの開口に抵抗となるような圧力が作用しない。
【0076】
又、燃料分配管Cの燃料分配路50の重力方向における上方位置50Aと、燃料室Aとをベーパーリーク管57にて連絡したことによると、燃料分配路50内に仮に流入せるベーパーは、燃料分配路50の上方位置50Aに集合し、このベーパーは、ベーパーリーク管57を介して良好に燃料室A内に排出される。
従って、燃料分配路50内に流入せるベーパーが燃料噴射弁Jより吸気管Kへ噴射されることがない。
【0077】
更に、ベーパーリーク管57の下流57Aを、リターン燃料管73に接続することによると、ベーパーリーク管57の一部をリターン燃料管73によって兼用できたもので、配管を単純にできるとともに外観形状をスッキリさせることができる。
【0078】
更に又、燃料分配管Cの燃料分配路50に、機関Eへの装着時において、その重力方向に上方に突出する突出凹部50Bを設けたことによると、燃料分配路50内に存在するベーパーは前記突出凹部50Bに集合される。そして、圧力制御弁Bに連なる第2開口36及びベーパーリーク管57をこの突出凹部50Bに開口したことによると、燃料分配路50内におけるベーパーの排出性をより一層向上できる。
燃料分配路50から第2開口36を介して圧力制御弁Bの燃料室33内に流入するベーパーは、前記と同様にリターン燃料管73を介して燃料室A内へ排出される。
尚、本実施例における突出凹部50Bは、燃料分配路50の上方位置を、右上りの連続した傾斜としたものであるが、部分的に上方へ突出させて凹部50Bを形成してもよい。
【0079】
尚、燃料ポンプP、圧力制御弁Bについては、本実施例に限定されるものでなく、特に第2のストレーナ54については、燃料室A、燃料分配管54に取着できるもので、これによると、第2のストレーナ54を格別に支持する部材を用意する必要がない。
【0080】
【発明の効果】
以上の如く、本発明になる二輪車用燃料噴射装置によると以下の効果を奏する。
第1の特徴によると、燃料噴射装置内において発生するベーパーは、燃料室の上方へ集合し、このベーパーはベーパー抜き孔、ベーパー抜き通路を介して燃料タンク内へ排出される。
以上によると、機関の熱間再始動性を大きく向上できる。又、燃料噴射弁より吸気管内に噴射される燃料中にベーパーを含むことがないので、燃料噴射弁の計量精度の向上と安定性を確保でき、機関の運転性を大きく向上できる。
又、燃料分配管に、燃料室と圧力制御弁とを装着し、燃料供給管とリターン燃料管とをそれぞれに連結すること、によって燃料噴射装置のほとんどの構成をサブアッセンブリ状態に組み上げることができる。
以上によると、燃料噴射装置自体の組立作業性を向上できる。二輪車への搭載に対する組付け性を向上できるとともにメンテナンス性を向上できる。
又、燃料室が燃料タンクの下方直下に配置されること、及び燃料分配管に燃料室と圧力制御弁が装着されること、から燃料流入管、ベーパー抜き通路、燃料供給管、リターン燃料管の各通路長さを極力短くすることができ、これによって燃料噴射装置を単純でコンパクトにまとめることができて、外観を損なうことがない。この外観形状は二輪車に搭載される燃料噴射装置として重要なことである。又、燃料ポンプが燃料室内に配置されたことは、燃料ポンプの温度上昇の抑止、燃料ポンプの障害物に対する保護、更には外観上から好ましい。
燃料流入管の下流を燃料室の重力方向の下方位置に開口したので、燃料室内におけるベーパーの分離作用が効果的に行なわれ、且つ、燃料室と燃料タンクとの液面ヘッドを限られたスペース空間内で大きくとることができ、燃料室内への燃料の流入性を高めることができる。
【0081】
第2の特徴によると、二輪車のサイドスタンドを立てた傾斜保持状態において、燃料室内は燃料で満たされて保持される。従って、サイドスタンドを外して機関の始動操作を行なう際、即座に燃料の供給が可能となって良好な機関の始動を行ない得る。
【0082】
第3の特徴によると、燃料流入管の上流に燃料タンク内に収容される第1のストレーナを配置したので、燃料ポンプに清浄な燃料を供給できて燃料ポンプの耐久性の向上を達成でき、且つ第1のストレーナが燃料タンク外へ突出することがないので、第1のストレーナの配置の自由度を高めるとともに燃料タンクの外観を損ねることがない。
【0083】
第4の特徴によると、燃料ポンプの吸入孔を、燃料流入管の燃料室内への開口位置よりも下方位置に開口したので、燃料ポンプが燃料室内のベーパーを吸入することが抑止される。
【0084】
第5の特徴によると、ポンプ室と燃料室の上方とがベーパー排出孔、ベーパー排出管によって連絡されるので、ポンプ室内に発生するベーパーはベーパー排出孔、ベーパー排出管、燃料室、ベーパー抜き通路を介して確実に排出される。
而して、燃料ポンプから燃料供給管に向けて、ポンプ室内のベーパーが混入して供給されることがない。又、ベーパー排出孔、ベーパー排出管が燃料室内に内蔵されるので、仮にそれらに洩れがあったとしても燃料室外へ洩れることがない。又、ベーパー排出管が外観を損なうことがない。
【0085】
第6の特徴によると、燃料室内の有効流路面積を、燃料ポンプの最大吐出量を許容する範囲としたので、燃料ポンプの全吐出範囲において良好なポンプ吐出流量を得ることができる。
【0086】
第7の特徴によると、燃料リターン孔の開口を、燃料ポンプの吸入孔の開口と、ベーパー抜き孔の開口との間に開口したので、リターン燃料管から燃料室内へ戻るリターン燃料中に含まれるベーパーが再び燃料ポンプ内へ吸入されることがない。
【0087】
第8の特徴によると、燃料室の横断面を円形とし、燃料リターン孔を燃料室の接線方向に沿って開口させたので、燃料リターン孔から燃料室内へ流入するリターン燃料は旋回流をなし、これによってリターン燃料中に含まれるベーパーの排出性を高めることができるとともに燃料ポンプにこのベーパーが吸入されることが抑止される。
【0088】
第9の特徴によると、燃料室の内壁に絞り部が設けられたもので、これによると、特にベーパーの粒径が比較的大なるものにおいて、ベーパーの排出性を高めることができる。
【0089】
第10の特徴によると、ベーパー抜き通路の通路断面積を、燃料リターン孔の通路断面積より大としたので、リターン燃料管から燃料室内へのリターン燃料の排出を何等の抵抗なく円滑に行なうことができ、更に圧力制御弁の調圧作用を何等阻害しない。
【0090】
第11の特徴によると、燃料分配管の上方位置と燃料室とをベーパーリーク管を介して連絡したので、燃料分配管内に進入したベーパーを確実に燃料分配路外へと排出できる。
【0091】
第12の特徴によると、ベーパーリーク管の下流をリターン燃料管に接続したので、ベーパーリーク管の長さを短くできて、外観形状をスッキリさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明になる燃料噴射装置を構成する燃料室の一実施例を示す縦断面図。
【図2】 本発明になる燃料噴射装置を構成する圧力制御弁の一実施例を示す縦断面図。
【図3】 本発明になる燃料噴射装置の一実施例を示す縦断面図。
【図4】 本発明になる燃料噴射装置を二輪車に搭載した状態を示す簡略側面図。
【図5】 図1のN−N線における横断面図。
【符号の説明】
A 燃料室
P 燃料ポンプ
B 圧力制御弁
C 燃料分配管
T 燃料タンク
H 機関
K 吸気管
23 燃料流入孔
24 ベーパー抜き孔
25 燃料吐出孔
26 燃料リターン孔
53 第1のストレーナ
54 第2のストレーナ
57 ベーパーリーク管
70 燃料流入管
71 ベーパー抜き通路
72 燃料供給管
73 リターン燃料管
Claims (12)
- 機関に連なる吸気管内に、燃料ポンプにて昇圧された燃料が燃料分配管に装着される燃料噴射弁を介して供給される二輪車用燃料噴射装置において、
燃料室Aは、下側燃料本体21と上側燃料本体22とにより密閉状に形成され、駆動部Eによって作動するポンプ部Dを備える燃料ポンプPは、前記燃料室A内に収納配置されるとともにその吸入孔5は燃料室A内に直接開口配置され、その吐出孔11は、燃料室A内に開口して穿設される燃料吐出孔25に接続配置され、
一方、圧力制御弁Bは、区画体32によって圧力制御弁燃料室33と圧力室34とに区分されるとともに圧力制御弁燃料室33には、第1開口35と、第2開口36と弁座38を介して第3開口37とが開口配置され、
前記、燃料ポンプを含む燃料室A、圧力制御弁Bを、燃料タンクTより重力方向において下方に配置される燃料分配管Cに一体的に取着し、
前記燃料室Aの下方に開口する燃料流入孔23を、燃料流入管70を介して燃料タンクTの底部Taに接続するとともに燃料室Aの上方に開口するベーパー抜き孔24を、ベーパー抜き通路71を介して燃料タンクTの燃料液面上に開口配置し、
更に前記燃料吐出孔を、燃料供給管72を介して圧力制御弁Bの第1開口35に接続し、第2開口36を燃料分配路50に接続するとともに第3開口37を燃料室Aの上方に開口して穿設される燃料リターン孔26にリターン燃料管73を介して接続したことを特徴とする二輪車用燃料噴射装置。 - 前記燃料室Aを、二輪車本体に取りつけられたサイドスタンドを立てた時、前記燃料タンクT内に形成される燃料液面の重力方向における下方位置に配置したことを特徴とする請求項1記載の二輪車用燃料噴射装置。
- 前記燃料流入管の上流に第1のストレーナ53を配置するとともに該第1のストレーナを燃料タンクT内に配置したことを特徴とする請求項1記載の二輪車用燃料噴射装置。
- 前記燃料ポンプの吸入孔5を、前記燃料室内に開口する燃料流入孔23の開口より重力方向における下方位置に開口したことを特徴とする請求項1記載の二輪車用燃料噴射装置。
- 前記燃料ポンプのポンプ室Dから延びるベーパー排出孔60を、ベーパー排出管74を介して前記燃料室の重力方向における上方位置に開口したことを特徴とする請求項1記載の二輪車用燃料噴射装置。
- 前記燃料室内の有効流路断面積を、前記燃料ポンプの最大吐出量を許容する範囲としたことを特徴とする請求項1記載の二輪車用燃料噴射装置。
- 前記燃料リターン孔の燃料室A内への開口位置を、重力方向において、前記燃料室内における燃料ポンプPの吸入孔5の開口と、ベーパー抜き孔24の開口との間に開口したことを特徴とする請求項1記載の二輪車用燃料噴射装置。
- 前記燃料室は重力方向における長手軸心線X−Xに対して径方向断面が円形をなし、前記燃料リターン孔を燃料室Aの接線方向に開口したことを特徴とする請求項1記載の二輪車用燃料噴射装置。
- 前記燃料室の内壁に、燃料室A内の流路面積を部分的に減少する絞り部22Aを設けたことを特徴とする請求項8記載の二輪車用燃料噴射装置。
- 前記、ベーパー抜き通路の通路断面積を、前記燃料リターン孔の通路断面積より大としたことを特徴とする請求項1記載の二輪車用燃料噴射装置。
- 前記燃料分配管の燃料分配路50の重力方向における上方位置と燃料Aとをベーパーリーク管57を介して連絡したことを特徴とする請求項1記載の二輪車用燃料噴射装置。
- 前記ベーパーリーク管の下流をリターン燃料管73に接続したことを特徴とする請求項11記載の二輪車用燃料噴射装置。
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