JP3896499B2 - 土石材投棄船 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、土石材を海底などに能率良く投棄することのできる土石材投棄船に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は従来例を示しAは側面図でBは左右方向断面図、図4は他の従来例を示す正面図、そして図5はさらに他の従来例を示す側面図である。
土石材を海底に能率的に投棄する構造を有する船として、上記図3〜図5に示すような三種類のものが存在している。
【0003】
即ち、図3に示すものは、船底部101の開口102を左右向き軸103回りへ開閉作動される可動底板104で閉鎖し、船体内の土石材wを海底に投棄するとき可動底板104を仮想線104aで示すように開放し、船体内の土石材wを自重で海中に落下させるようになされている(特許文献1)。
【0004】
また図4に示すものは、船体を左右に分割した一対の半割り船体部105a、105bを備え、これら半割り船体部105a、105bの上部をヒンジ106で結合して各半割り船体部105a、105bの底部を左右への離反作動可能となされ、土石材wの運搬時には図6中に符合Aで示す状態となされ、一方、土石材wを海底に投棄するときは底部を図6中に符合Bで示すように左右へ離間させて、船体内の土石材wを自重で海底107に落下させる構造となされている(特許文献2)。
【0005】
また図5に示すものは、船体に投下用クレーン108を設け、船体内の土石材wを海底に投棄するとき土石材wを投下用クレーン108で掴んで吊り上げ船体外方へ移動させ落下させる構造となされている(特許文献3)。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−305481号公報(図2及び図3)
【0007】
【特許文献2】
特開平6−305481号公報(図6)
【0008】
【特許文献3】
特開平11−81316号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の船では、船体の全長に渡され暴露状となされた甲板より下側となる船体部分を土石材投棄時に開放したり或いは、土石材の投棄時に船体上の投下用クレーンを使用するようになさているのであって、構造が複雑でコスト高となるのであり、本発明は斯かる実情に合理的に対処し得るものとした土石材投棄船を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、請求項1に記載したように、船底外板、左右各側の側外板、及び、これら左右各側の側外板の上縁を結合した載荷甲板からなる船体を備え、この船体内の左右一側にバラストタンクを形成すると共に、このバラストタンクに対し任意量の水を供給排出するための給排水手段を設け、且つ、前記載荷甲板上面の平面視方形状の載荷部を取り囲む前後左右個所に前記載荷甲板上の荷体が横移動して船体外方へ落ちるのを規制するための起立壁部を設け、且つ、前記載荷部の支持面は前記載荷甲板よりも高い位置に前記載荷甲板とは別に形成すると共に前記左右一側へ向けて漸次降下する傾斜面となし、且つ、前記載荷部の前記左右一側と同じ側の前後向き縁部の外側となる載荷甲板部分は前記支持面に対し凡そ数十cm程度低い概ね水平状の平面からなる段下がり面部となし、且つ、前記起立壁部の前記左右一側と同じ側をなす前後向き部分は、前記前後向き縁部にヒンジ結合手段を介して動力手段による左右揺動可能に支持させると共に上部を前記左右一側と同じ側の船体外方側へ突出させた形態となし且つ、船体外方側へ一杯に揺動されたときには前記載荷部上の荷体が横移動して船体外方へ落ちるのを規制しない状態に変位されると共に前記段下がり面部に支持された状態となって、前記支持面を前記左右一側の船体外方へ延長した態様の荷体案内面を形成するものとなしてあることを特徴とする。
【0011】
この発明において、土石材は前記載荷部上に載せられるのであり、船体が航行することにより目的地まで運搬される。前記載荷部上の土石材を海底などに投棄するときは、前記起立壁部の左右一側の前後向き部分は、動力手段により、前記載荷部上の土石材の横移動による船体外方への落下を規制しない状態に変位されるのであり、この後、前記バラストタンクに水が供給される。これにより船体が横傾斜され、土石材は重力作用により前記左右一側へ横移動して船体外方へ転落するものとなる。
このさい前記前後向き部分は、ヒンジ結合手段を介して左右揺動されることにより、前記載荷部上の荷体の横移動による船体外方への落下を規制する状態と、そうでない状態との間で何れかの状態に変化されるものとなり、土石材の投棄が能率的に行われるようになるのであり、また前記前後向き部分が上部を前記左右一側と同じ側の船体外方側へ突出させた形態となされていることが前後向き部分の重力による船体外方側への揺動に寄与するものとなり、また前記載荷部の支持面が前記載荷甲板よりも高い位置に前記載荷甲板とは別に形成されるため、前記載荷部の支持面が土石材を支持するようになって、前記載荷甲板に土石材が直接に当接することによる前記載荷甲板の損傷が回避されるものとなる。
また前記載荷部の支持面は前記載荷甲板よりも高い位置に前記載荷甲板とは別に形成すると共に前記左右一側へ向けて漸次降下する傾斜面となしているため、前記支持面上の石材が前記載荷甲板上から横移動して船体外方へ投棄されるものとなり且つ、土石材の運搬航行中に、載荷部上に海水などが打ち上げられて流れ込んでも、前記支持面の水平基準面に対する傾斜がこれを迅速に船体外方へ流出させる上で寄与するものとなり且つ、前記支持面の傾斜は前記載荷台上に残存している土砂などを前記支持面上に流れ込んだ海水などと共に船体外方へ洗い流すように作用するものとなり且つ、船体を横傾斜させて土石材を投棄するとき、前記支持面の水平基準面に対する傾斜が投棄に要する船体の横傾斜角度を小さくなすように作用するものとなる。
さらには、前記載荷部の前記左右一側と同じ側の前後向き縁部の外側となる載荷甲板部分が前記支持面に対し凡そ数十cm程度低い概ね水平状の平面からなる段下がり面部となされているため、前記前後向き部分は凡そ数十cmに及ぶ厚さになされるものとなり、また前記前後向き部分が船体外方側へ一杯に揺動されたときには、前記前後向き部分は前記載荷部上の荷体が横移動し船体外方へ落ちるのを規制しない状態に変位されると共に前記段下がり面部に支持された状態となって、前記支持面を前記左右一側の船体外方へ延長した態様の荷体案内面を形成するものとなしてあるため、前記前後向き部分は前記載荷部上の石材が横移動し船体外方へ落ちるのを規制しない状態のときの姿勢を前記段下がり面部との面接触支持により安定的に保持されるものとなり且つ、前記支持面及び前記荷体案内面が折れ曲がりや段差のない状態に接続された状態となって、前記載荷部の土石材が横移動により船体外方へ落下するときの滑り台として作用することにより、土石材を円滑に滑り移動させ船体の側部に衝突させることなく船体外方へ導くものとなる。
【0012】
この発明は次のように具体化することができる。
即ち、請求項2に記載したように、前記動力手段が前記前後向き部分をウインチやワイヤを介して変位させるものとなされており、このさいウインチやワイヤは載荷甲板の上側に配設されてなる構成とする。これによれば、ウインチやワイヤは船体の外方に露出されるため、その取付や保守が容易におこなわれるものとなる。
【0013】
また請求項3に記載したように、前記載荷部の前記左右一側の反対側の前後向き縁部の外側にも載荷甲板部分を存在させ該載荷甲板部分の真上に前記ワイヤの一部を前後方向に沿わせるように配置した構成となす。これによれば、前記段下がり面部をなす前記載荷甲板部分の真上に、前記前後向き部分を左右揺動させるための前記ワイヤの一部を前後方向に沿わせて配置することは必要のないものとなる。
【0014】
また請求項4に記載したように、前記起立壁部の前側左右向き部分の前面の船体中央寄り箇所に固着され前記載荷甲板から起立された支持ポストと、前記起立壁部の後側左右向き部分の後面の船体中央寄り箇所に固着され前記載荷甲板から起立された他の支持ポストとを備え、これら支持ポストの上部に、前記前後向き部分を左右揺動させる上で寄与する滑車装置を設けた構成となす。これによれば、前記前後向き部分が、これの前後箇所とその対応する前記支持ポストの滑車装置との間にワイヤを掛け渡すことにより左右揺動されるものとなり、また前記支持ポストのそれぞれは前記支持面上の石材の横滑りを妨げないものとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る土石材投棄船を示すもので起立壁部の右側前後向き部が船体外方へ揺動されている状態を示す平面図、図2は前記土石材投棄船に係りAは図1中のx1−x1部を示すもので土石材の運搬状態を示す図,Bは図1のx2−x2部を示すもので土石材の投棄準備中を示す図,そしてCは図1中のx2−x2部を示すもので土石材の投棄可能状態を示す図である。
【0018】
これらの図において、1は船体であって、即ち、比較的深さを小さく左右幅を大きくなされた箱形状となされると共に、後部1aに押船Pの前部が嵌合状に当接される凹み部aを形成されたものとなされている。この船体1は図2に示す船底外板2、左右の側外板3a、3b、及び、この左右の側外板3a、3bの上縁を結合した概ね水平状の載荷甲板4とからなる。これらの外板3a、3b、4や載荷甲板4で囲まれた船体内方空間bは水密状となされている。
【0019】
船体内方空間b内の右側個所で船底外板2と載荷甲板4との間となる前後方向個所には縦向き水密隔壁5aが設けてあり、この縦向き水密隔壁5aと右側外板3aと船底外板2とで囲まれた水密状の空間個所がバラストタンク6となされている。
【0020】
また船体内方空間bのうちバラストタンク6の左側となる空間部分にはバラストタンク6に対し任意量の水を供給し排出するための給排水手段が形成してある。
【0021】
この給排水手段は次のようになされているのであって、即ち、船底外板2の下側領域とバラストタンク6内との間での水の流通を動力により行わせるものとした動力通水系統7と、重力作用により行わせるものとした重力通水系統8とを備え、動力通水系統7は船底外板2の下側領域とバラストタンク6内とを連通させるものとした通水ライン9や、この通水ライン9の途中に設けられた動力駆動ポンプ10、開閉弁11a、11b及び遠隔操作弁11cなどからなっており、一方、重力通水系統8は船底外板2の下側領域とバラストタンク6内とを連通させた通水ライン12と、この通水ライン12の途中に設けられた遠隔操作弁13などからなっている。
【0022】
載荷甲板4の上面の比較的広い範囲は平面視方形状の載荷部14となされており、この載荷部14の前後左右個所には前記載荷甲板4上の荷体wが横移動して船体1外方へ落ちるのを規制するための起立壁部15が設けてある。この起立壁部15は高さを凡そ高さ数十cm〜数m程度となされており、前側左右向き部分15a、後側左右向き部分15b、右側前後向き部分15c及び左側前後向き部分15dからなっている。この際、前側左右向き部分15a、後側左右向き部分15b及び左側前後向き部分15dは載荷甲板4の上面に固着されており、右側前後向き部分15cは独立した方形板構造となされて載荷甲板4に装着されている。
【0023】
16aは前側左右向き部分15aの右端に結合された補強ポストで、16bは後側左右向き部分15bの右端に結合された補強ポストであり、これらの補強ポスト16a、16bは載荷甲板4の上面から起立させてあってそれぞれの対応する左右向き部分15a、15bの前後方向の傾斜変位を阻止するものである。
【0024】
載荷部14の支持面14aは、右側f1へ向けて漸次降下するような傾斜平面となされ且つ水平基準面に対する傾斜角度を凡そ5度〜10度程度となされるほか、他の載荷甲板4の上面より高くなされている。ここに水平基準面とは船体中心線cに直交した平面を意味するものである。そして、載荷部14の右側の前後向き縁部dの外側となる載荷甲板部分4aは段下がり面部となっていて載荷部14の支持面14aに対し凡そ数十cm程度低い概ね水平状の平面となされている。
【0025】
右側前後向き部分15cは、動力手段17により、載荷部14上の荷体wの横移動による船体1外方への落下を規制しない状態に変位される構成となされているのであって、具体的には次のようになされている。
【0026】
即ち、右側の前後向き部分15cは載荷部14の右側の前後向き縁部dにヒンジ結合手段18を介して前後向き軸19回りの左右揺動可能に支持されると共に上部が船体1外方へ突出されていて内側面が補強ポスト16a、16bに当接している状態の下で重力作用により右側へ揺動させる回転力が発生するものとなされ、また船体1外方へ一杯に揺動されて図2Cに示す状態となったとき、段下がり面部4aに支持されて、載荷部14の支持面14aを右側外方へ延長させた態様の荷体案内面eを形成するものとなされるほか、この荷体案内面eの形成された状態では載荷部14上の荷体wの横移動による船体1外方への落下を規制しない構成となされている。
【0027】
この際、ヒンジ結合手段18は支持面14aの前後向き縁部dと段下がり面部4aとを結合した前後向き縦面部20の前後方向上の適当間隔個所に軸受部材21を固設すると共に、右側前後向き部分15cの下端面に前記軸受部材21に対応させて突出状の結合部22を形成し、この結合部22と軸受部材21とを前後向き軸19を介して枢結させたものとなされている。
【0028】
動力手段17はワイヤ23、ワイヤ案内手段24及び、ワイヤ23を巻き取り或いは繰り出すための電動ウインチ25を備えている。ワイヤ案内手段24は、右側前後向き部分15cの内面側の前後端寄り上部に固定された2つの滑車装置24a、24b、前側左右向き部分15aの前面の船体中央寄り個所に固着され載荷甲板4から起立された支持ポスト26aの上部に固定された滑車装置24c、後側左右向き部分15bの後面の船体中央寄り個所に固着され載荷甲板4から起立された支持ポスト26bの上部に固定された滑車装置24d、載荷甲板4上面の前部左側に固定された2個の滑車24e、24f、及び、載荷甲板4上面の後部左側に固定された4個の滑車24g、24h、24i、24jからなっている。この際、4個の滑車装置24a、24b、24c、24dは何れも前後向き軸19回りへ回転自在となされた滑車を複数(例えば4個)備えたものとなされており、また別の4個の滑車24g、24h、24i、24jは何れも上下向き軸回りの回転自在となされている。
【0029】
ワイヤ23は1本となされていて前記滑車装置24a、24b、24c、24dや前記滑車24g、24h、24i、24jに順次に掛け回され、各端部を電動ウインチ25の回転ドラム25aに固定されている。そして滑車装置24aと滑車装置24cの間、そして滑車装置24bと滑車装置24dの間のぞれぞれには前記ワイヤ23を複数回掛け回して複数条のワイヤ23で結合させた状態としている。これによりワイヤ23に作用する引張力は小さくなる。
【0030】
電動ウインチ25は遠隔操作可能となされていて回転ドラム25aがワイヤ巻き取り側へ回転されることによりワイヤ23の両端が同時に巻き取られて右側前後向き部分15cが前後向き軸19回りの左回り側へ揺動されて最終的に図2Aに示すように起立状態となされ、逆に回転ドラム25aが繰り出し側へ回転されることにより右側前後向き部分15cが図2Bに示すように前後向き軸19回りの右回り側へ揺動されて最終的に図2Cに示すように段下がり面部4aで支持された状態となるようになされている。
【0031】
図1中、26は有線式の遠隔操縦手段であり、この遠隔操縦手段26は遠隔操作弁11c、13及び電動ウインチ25を押船P上から操作して給排水手段及び右側前後向き部分15cを作動させるためのものである。
【0032】
次に上記土石材投棄船の使用例について説明する。
荷積み場所に移動させた船体1のバラストタンク6は空の状態となすのであり、これにより船体1は最大限に浮上し、その横傾斜角度θがほぼゼロの状態となる。そして起立壁部15の右側前後向き部分15cは、電動ウインチ25の回転ドラム25aをワイヤ巻き取り側へ回転させることにより、前後向き軸19回りの左回り側へ一杯に揺動させた状態となすのであり、この状態では右側前後向き部分15cの内面側が補強ポスト16a、16bに当接して、右側前後向き部分15cは図2Aに示すような起立状態に保持される。この起立状態で荷積みを行うのであり、荷体wとしての土石材は起立壁部15で囲まれた載荷部14上に積載される。
【0033】
荷積みが終了した後は、図1に示すように押船Pの前部を凹み部a内に嵌合状に当接させ、ワイヤロープを使用するなどして押船Pを船体1に結合させ、押船Pの自力航行力で船体1を荷積み場所から荷降ろし場所まで移動させる。
【0034】
荷降ろしに際しては、押船Pを船体1の凹み部a内からその外方へ移動させるのであり、次に押船P上から作業者が遠隔操縦手段26を介して電動ウインチ25の回転ドラム25aをワイヤ23の繰り出し側へ回転させる。これにより、ワイヤ23が回転ドラム25aから順次に繰り出されて右側左右向き部分15cがこれに作用する重力作用による回転力により図2Bに示すように前後向き軸19回りの船体外方側(右回り側)へ揺動され、最終的に図2Cに示すように段下がり面部4aに当接して略水平状に支持され、それ以上の揺動を規制される。この状態では、右側左右向き部分15cの内面側が載荷部14の支持面14aを右外方へ延長させた態様の荷体案内面eを形成するものとなる。
【0035】
この後、作業者は先と同様に遠隔操縦手段26を介して遠隔操作弁13を開作動させ、船底外板2の下側領域の水を重力通水系統8を通じてバラストタンク6内に流入させる。これにより船体1は漸次に横傾斜角度θを増大されるのであり、この角度θが土石材wの性状などにより定まる特定大きさ(例えば数十度)を超えるようになったとき、土石材wは載荷甲板4上面を重力作用により右側へ滑り移動し、さらに右側前後向き部分15cの内面側からなる荷体案内面eの上面を滑り移動した後、右舷側から船体1外方へ落下する。この土石材wの滑り移動が開始されると、船体1及び土石材wの全体の重心が船体1右側へ移動するため、船体1の横傾斜角度θは急激に増大して土石材wは一挙に船体1外方へ落下される。
【0036】
土石材wが投棄された後は、横傾斜された船体1を復元させるのであり、これには先と同様に遠隔操縦手段26を介して遠隔操縦弁13を閉作動させると共に遠隔操縦弁11cを開作動させ且つ開閉弁11a、11bを手作業により開放させておき、動力通水系統7の電動ポンプ10を作動させ、バラストタンク6内の水を動力通水系統7を通じて船体1外方へ流出させる。バラストタンク6内の水が完全に排出されたとき、船体1はその横傾斜角度θがゼロとなる状態に復元されるのであり、この後、押船Pを図1に示すように船体1の凹み部a内に嵌合させ、先と同様にワイヤロープなどで船体1と結合させ、その自力航行力で荷積み場所まで移動させる。以後は同じ処理及び作動が繰り返されるのである。
【0037】
上記した実施例は次のように変形できる。
即ち、右側前後向き部分15cを船体1から分離できるものとなし、荷積み時には右側前後向き部分15cを船体1に固定させ、荷降ろし時には船体1への固定を解除した後、船体1に設けられたクレーンなどの動力手段により右側前後向き部分15cを荷降ろしの邪魔とならない位置に移動させて一時固定させるように構成することも差し支えない。
【0038】
また右側前後向き部分15cをワイヤ23や電動ウインチ25で左右揺動させることに代えて、流体圧(油圧など)シリンダ装置の伸縮作動により左右揺動させるようになすことも可能である。
【0039】
また船体1の左側にも別にバラストタンクを形成し、このバラストタンクと先の実施例におけるバラストタンク6とに対する水の供給排出により船体1を横傾斜させたり適当な喫水を得るようにすることも可能である。
【0040】
また上記実施例の土石材投棄船の全体構造を船体中心線cに対して左右対称となるように変形させてもよいのであり、この場合は、右側前後向き部分15cが載荷甲板4の上面に固着され、左側前後向き部分15dが先の実施例における右側前後向き部分15cと同様に機能するものとなる。
さらには有線式の遠隔操縦手段26に代えて、無線式のものとなすことも差し支えない。
【0041】
【発明の効果】
上記した本発明によれば、次のような効果が得られる。
即ち、請求項1に記載したものによれば、船体1上から水中へ土石材wを投棄するための手段として、船体1の全長に渡され暴露状となされた載荷甲板4より下側となる船体1部分を開放する構造や、船体1上に土石材wの投下用クレーンを設けた構造などを採用しないで済むため、単純な構造となって安価なものとなるのであり、また土石材wの積載場所の構造や、土石材wを投棄するための構造は、能率性を確保できるものとなる上に既述した従来のものに較べ簡易なものとなる
さらに具体的には、前後向き部分15cはヒンジ結合手段18を介して左右揺動されることにより、載荷部14上の土石材wの横移動による船体1外方への落下を規制する状態と、そうでない状態との間で何れかの1つの状態に変化されるものとなり、土石材wの投棄を能率的に行うことができるのであり、また前後向き部分15cが上部の一側を船体1外方側へ突出させた形態となされているため、前後向き部分15cの左右揺動における船体1外方へ向かう揺動を前後向き部分15cの重力を利用して的確に行わせることができるのであり、また載荷部14の支持面14aが載荷甲板4よりも高い位置に載荷甲板4とは別に形成されるため、土石材wによる載荷甲板4の損傷を回避することができるのであり、また載荷部14の支持面14aは載荷甲板4よりも高い位置に形成すると共に左右一側へ向けて漸次降下する傾斜面となしているため、支持面14a上の土石材wを載荷甲板4より高い支持面14aから載荷甲板4より高い荷体案内面eを経て船体1横外方へ投棄することができると共に、土石材wを積載した状態での運搬航行中に、載荷部14上に海水などが打ち上げられて流れ込んでも、これを迅速に船体1外方へ流出させることができ且つ、支持面14a上に残存している土砂などを支持面14a上に流れ込んだ海水などと共に船体1外方へ流出させることができると共に、船体1を横傾斜させて土石材wを投棄するときの船体1の横傾斜角度を小さくなすことができるのであり、また載荷部14の左右一側と同じ側の前後向き縁部dの外側となる載荷甲板4部分が支持面14aに対し凡そ数十cm程度低い概ね水平状の平面からなる段下がり面部4aとなされているため、前後向き部分15cを凡そ数十cmに及ぶ厚さになすことができるのであり、また前後向き部分15cが船体1外方側へ一杯に揺動されたときに前後向き部分15cは載荷部14上の土石材wが横移動し船体1外方へ落ちるのを規制しない状態になると共に段下がり面部4aに支持された状態となって、支持面14aを左右一側の船体1外方へ延長した態様の荷体案内面eを形成するものとなしてあるため、載荷部14上の土石材wが横移動し船体1外方へ落ちるのを規制しない状態のときの前後向き部分15cの姿勢を段下がり面部4aとの面接触支持により安定的に保持させることができ且つ、支持面14a及び荷体案内面eを折れ曲がりや段差のない状態の平面状に配置された状態となすことができて、載荷部14の土石材wが横移動により船体1外方へ落下するときの滑り台として作用させることができ、これにより土石材wを円滑に横外方へ向け滑り移動させ船体1の側部に衝突させることなく船体1外方へ導くことができるのである。
さらには給排水手段(動力通水系統7、重力通水系統8)の使用により船体1を水の浮力で横傾斜させることにより土石材wを比較的小さな動力で能率的に投棄させることができる。
【0042】
請求項2記載のものによれば、ウインチ25やワイヤ23などの取付や保守が容易におこなわれるものとなすことができる。
【0043】
請求項3記載のものによれば、段下がり面部4aをなす載荷甲板4部分の真上に、前後向き部分15cを左右揺動させるためのワイヤ23を前後方向に沿わせる必要のないものとなすことができ
【0044】
請求項4記載のものによれば、前後向き部分15cの前後箇所とその対応する支持ポスト26a、26bの滑車装置24c、24dとの間にワイヤ23を掛け渡すことにより前後向き部分15cを載荷甲板4の上側に配置したワイヤ23により左右揺動させることができ、また支持ポスト26a、26bを支持面14a上の土石材wの左右方向の横滑りを妨げないものとなすことができる。
【0045】
請求項5記載のものによれば、動力手段17を比較的安価に形成することができる。
【0046】
請求項6記載のものによれば、自力航走船(押船P)よりも多数の土石材投棄船を用意することにより運搬投棄作業と荷積み作業とを同時平行的に行うことができて土石材wの荷積み運搬投棄を効率的に実施することができ、また遠隔操縦手段26を使用することにより、作業者は安定した足場上から給排水手段(動力通水系統7、重力通水系統8)及び左右一側の前後向き部分15cを的確に作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る土石材投棄船を示すもので起立壁部の右側前後向き部が船体外方へ揺動されている状態を示す平面図である。
【図2】 前記土石材投棄船に係りAは図1中のx1−x1部を示すもので土石材の運搬状態を示す図,Bは図1のx2−x2部を示すもので土石材の投棄準備中を示す図,そしてCは図1中のx2−x2部を示すもので土石材の投棄可能状態を示す図である。
【図3】 従来例を示しAは側面図でBは左右方向断面図である。
【図4】 他の従来例を示す図である。
【図5】 さらに他の従来例を示す図である。
【符号の説明】
1 船体
2 船底外板
3a 右側の側外板
3b 左側の側外板
4 載荷甲板
4a 段下がり面部
6 バラストタンク
7 動力通水系統(給排水手段)
8 重力通水系統給(排水手段)
14 載荷部
14a 支持面
15 起立壁部
15c 右側前後向き部分
15d 左側前後向き部分
17 動力手段
18 ヒンジ結合手段
19 前後向き軸
23 ワイヤ
25 電動ウインチ
26 遠隔操縦手段
P 押船(他の船)
d 前後向き縁部
e 荷体案内面
w 土石材(荷体)

Claims (4)

  1. 船底外板、左右各側の側外板、及び、これら左右各側の側外板の上縁を結合した載荷甲板からなる船体を備え、この船体内の左右一側にバラストタンクを形成すると共に、このバラストタンクに対し任意量の水を供給排出するための給排水手段を設け、且つ、前記載荷甲板上面の平面視方形状の載荷部を取り囲む前後左右個所に前記載荷甲板上の荷体が横移動して船体外方へ落ちるのを規制するための起立壁部を設け、且つ、前記載荷部の支持面は前記載荷甲板よりも高い位置に前記載荷甲板とは別に形成すると共に前記左右一側へ向けて漸次降下する傾斜面となし、且つ、前記載荷部の前記左右一側と同じ側の前後向き縁部の外側となる載荷甲板部分は前記支持面に対し凡そ数十cm程度低い概ね水平状の平面からなる段下がり面部となし、且つ、前記起立壁部の前記左右一側と同じ側をなす前後向き部分は、前記前後向き縁部にヒンジ結合手段を介して動力手段による左右揺動可能に支持させると共に上部を前記左右一側と同じ側の船体外方側へ突出させた形態となし且つ、船体外方側へ一杯に揺動されたときには前記載荷部上の荷体が横移動して船体外方へ落ちるのを規制しない状態に変位されると共に前記段下がり面部に支持された状態となって、前記支持面を前記左右一側の船体外方へ延長した態様の荷体案内面を形成するものとなしてあることを特徴とする土石材投棄船。
  2. 前記動力手段が前記前後向き部分をウインチやワイヤを介して変位させるものとなされており、このさいウインチやワイヤは載荷甲板の上側に配設されてなることを特徴とする請求項1記載の土石材投棄船。
  3. 前記載荷部の前記左右一側の反対側の前後向き縁部の外側にも載荷甲板部分を存在させ該載荷甲板部分の真上に前記ワイヤの一部を前後方向に沿わせるように配置したことを特徴とする請求項2記載の土石材投棄船。
  4. 前記起立壁部の前側左右向き部分の前面の船体中央寄り箇所に固着され前記載荷甲板から起立された支持ポストと、前記起立壁部の後側左右向き部分の後面の船体中央寄り箇所に固着され前記載荷甲板から起立された他の支持ポストとを備え、これら支持ポストの上部に、前記前後向き部分を左右揺動させる上で寄与する滑車装置を設けたことを特徴とする請求項1、2又は記載の土石材投棄船。
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