JP2548657B2 - 船倉に積載された不定形貨物の荷卸装置 - Google Patents

船倉に積載された不定形貨物の荷卸装置

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JP2548657B2
JP2548657B2 JP4079228A JP7922892A JP2548657B2 JP 2548657 B2 JP2548657 B2 JP 2548657B2 JP 4079228 A JP4079228 A JP 4079228A JP 7922892 A JP7922892 A JP 7922892A JP 2548657 B2 JP2548657 B2 JP 2548657B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は船倉に積載された不定形
貨物の荷卸装置に係り、詳しくは、土砂,穀物や石炭な
どの不定形な積載貨物を、船倉から陸揚げなどするため
の荷卸装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から使用されている運搬船のうち、
土砂などの不定形貨物を積載するものは、実開昭62−
106893号公報にその一例が見られるように、船体
の前後方向に延びる長い船倉を備えている。そのような
船倉から積載物を荷卸したり、土砂を埋立地に投棄する
場合、その作業の自動化を促進したり多量の土砂を迅速
に処理するために、油圧などで制御される荷卸装置とし
てのクレーンが、船体上を移動可能に設置されることが
多い。近年、埋立工事に必要な土砂を海上運搬するため
に、土砂運搬船の大型化が図られる一方で、船倉内に積
み込まれた土砂をクレーン設備やコンベア装置を使用し
て荷卸す作業の能率化が望まれている。船倉に積載され
た土砂を荷卸すための装置を能率よく稼働させるために
は、荷卸しに必要な装置や設備構成品を合理的に配置す
ること、さらに、装置全体を操作しやすくすることが必
要とされる。しかし、これらは未だ十分に実現されてい
ないのが現状であり、その改善の余地が多く残されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本発明者
は、土砂運搬船の荷卸装置を構成するクレーン設備やバ
ケットの稼働のさせ方、バケットから土砂を受け取るホ
ッパーの合理的な配置、ホッパーから陸揚げのための搬
送装置への転載機構、さらには、クレーン設備において
傾動するジブの操作性の改善や自動化などを、長年の経
験から得た知見を基に、種々の改良を加えてきた。一
方、従前においては、クレーンジブを船体の左右方向に
すなわち船幅方向に門形をなす形状としている場合、ク
レーンポストを境にして、それを船体の前後方向に傾動
可能としている例が多い。また、ジブの先端から吊り下
げられたバケットを船倉幅一杯に大きくとっている場合
には、そのバケットを吊り下げているワイヤーを巻き取
り繰り出すウインチをジブの先端に装着したりしてい
る。上記のように、ジブを前方向のみならず後方向へも
傾動させるようにしていると、ジブの動きに自由度を与
えやすく、クレーン装置を設置した移動架台を船倉上で
頻繁に移動させるのを抑制することができ、柔軟な荷卸
作業を進めることができる。また、上記したウインチは
幅広いバケットを昇降させるために大型のものを採用す
ることになるので、ジブの先端などに装着しておくと、
移動架台上のスペースを他の目的のために確保しやすく
なるという利点がある。
【0004】しかしながら、ジブを前後に傾動させるよ
うにしていると、クレーン装置の制御が複雑化して、操
作にも熟練が要求され、完全な自動化が図りにくくな
る。また、ジブの前後の動きを阻害しないようにジブの
傾動空間を移動架台上にも確保しておき、ジブの先端か
ら吊り下げられたバケットの移動を可能にしておかなけ
ればならない。さらには、バケット昇降用のウインチを
傾動するジブの先端に配置すると、ジブが起立した状態
では船体の重心が高くなり、荷卸作業中の船体の安定を
欠きやすくなる。もちろん、ジブを傾動させるにも大き
な動力が要求されることになる。このように幾多の問題
が未だ解決されずに残されているのが実情である。ちな
みに、実開昭63−14493号公報には、ジブを門形
とし、その先端から水中懸垂体を吊り下げるようにした
例が記載されている。このようなクレーン装置では、舷
側において船体側方へ傾動して水中懸垂体を降ろしたり
揚げたりすることができるようになっている。そのジブ
の傾動動作はジブの基部近傍に設けたシリンダーの伸縮
によって可能にされており、水中懸垂体の昇降をさせる
チが別途船体上に設置されている。したがって、
ジブの傾動と水中懸垂体の昇降のためには独立した作動
機構を採用しているため、このような構成を船倉に積載
された土砂などを幅の広いバケットを用いて迅速かつ大
量に荷卸すための装置に適用すると、クレーン設備を船
倉の上方で前後動させる移動架台上のスペースの余裕が
少なくなり、土砂を搬出するためのホッパーの配置など
が制約を受けることになる難点がある。本発明は上述の
問題を解決するためになされたもので、その目的は、荷
卸装置の構成品を合理的に配置して荷卸作業の能率化,
制御の容易化を図ること、装置の軽量化および低廉化を
可能にすると共に作業中の船体の安定を確保し、荷卸作
業中の操作性をよくすることを実現した不定形貨物の荷
卸装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、船体の前後に
延びて形成された船倉の上方を前後方向へ自走する移動
架台にクレーン装置が設置され、クレーンに吊持された
バケットによって船倉に積載した不定形貨物を荷卸すこ
とができるようになっている荷卸装置に適用される。そ
の特徴とするところは、図1を参照して、船幅方向に門
形をなすクレーン装置のジブ8が、該ジブ8より低い
スト7の近傍において船体前後方向のうちのいずれか一
方側へのみ傾動自在な状態で、船倉2を船幅方向に跨い
で移動する移動袈台5上に設置される。上記のジブ8
は、移動袈台5上に支持された下部柱材8A,8Aと、
その上部に一体化された上部柱材8B,8Bと、下部柱
材8A,8Aの上部を左右に接続する下部梁材8Cと、
上部柱材8B,8Bの上部を左右に接続する上部梁材8
Dとを備える。ポスト7とジブ8とには、ウインチドラ
ム11aから繰り出され、そのポスト7の上部に設けた
シーブ10を経て下部梁材8C上のシーブ14に至り、
それを反転してポスト7上のシーブ10に戻され、そこ
で反転された後に上部梁材8D上のシーブ15に至るよ
うにワイヤー12が張袈されると共に、そのワイヤー1
2の端部に船体1の左右方向に延びて船倉2の幅に略等
しく船倉2内の不定形貨物3をすくい取るバケット16
が吊り下げられている。ジブ8が傾動する側におけるポ
スト7の近傍の移動袈台5上には、バケット16ですく
い取った不定形貨物3を受け取るホッパー9が設置され
る。ジブ8を伏倒させ、その後にバケット16をジブ8
の先端8dからその自重により船倉2に向けて下ろし、
不定形貨物3をすくい取ったバケット16をジブ8の先
端8dまで引き上げ、その後にバケット16がジブ8の
先端8dに位置した状態を維持してジブ8を起立させる
べくワイヤー12を繰り出しまたは巻き取るためのウイ
ンチ11が移動袈台5上に配置されている。ジブ8が
所望の伏倒状態となったときワイヤー12をさらに繰り
出してもジブ8がそれ以上に倒れないように阻止して、
バケット16を船倉2に向けて下ろすことができるよう
にするためのストッパーが、移動架台5に設けられる。
そして、バケット16からホッパー9に投入された不定
形貨物3を船体の左右方向へ移動させ、舷側で前後方向
へ延びる搬出コンベア21(図2参照)に不定形貨物3
を転載させる横送装置19がホッパー9の下部の移動袈
台5上に設けられていることである。
【0006】
【作用】船倉2に積載した不定形貨物3を荷卸すとき、
移動架台5が船倉2の上方を自走して所望する位置に停
止される。移動架台5のウインチ11からワイヤー12
が繰り出されると、ジブ8はそれ自体とバケット16の
重みによって自ずと傾倒しはじめる。このとき、ワイヤ
ー12のポスト7の上部に設けたシーブ10とジブ8の
下部梁材8C上のシーブ14とを往復している部分のワ
イヤー12のみが延ばされることによりジブ8が倒れ、
バケット16がジブ8の先端8dから離れることはな
い。ジブ8が所定の姿勢に倒された状態となったときワ
イヤー12をさらに繰り出しても移動架台5上のストッ
パーがジブ8のそれ以上の倒れを阻止する。さらにワイ
ヤー12が繰り出され、バケット16が船倉2に向けて
降ろされる。バケット16不定形貨物3がすくい取ら
れるとワイヤー12が巻き取られ、バケット16がジブ
8の先端8dまで引き上げられる。さらに、ワイヤー1
2を巻き取るとジブ8が起立され、ジブ8の先端8dに
位置するバケット16が移動架台5上のホッパー9の直
上に移動される。バケット16の中の不定形貨物3はホ
ッパー9に投下され、横送装置19で舷側に位置する搬
出コンベア21に転載され、不定形貨物3の荷卸しが行
われる。移動架台5を移動させれば、船倉2の他の部分
の不定形貨物3を、同様の要領で荷卸すことができる。
ジブ8には、それ自体とバケット16やすくい取った不
定形貨物3の重みが作用する程度であり、重量の大きく
なるウインチ11は移動架台5上に配置されるので、荷
卸装置30を稼働させている間も船体の重心は高くなら
ず、その安定性を確保することができる。また、ジブ8
は移動架台5の一方側のみで傾動することから、ジブ8
が移動架台5上の空間を移動することもなく、クレーン
装置の運転が簡素化され、その制御も比較的簡単なもの
で行わせることができる。
【0007】
【実施例】以下に、本発明の不定形貨物の荷卸装置を、
その実施例に基づいて詳細に説明する。図3は本発明に
係る荷卸装置30の船体1における搭載状態を示す概略
斜視図であり、船体1の前後に延びて形成された天蓋の
ない船倉2の上方を前後方向へ移動する移動架台5にク
レーン装置が設置され、クレーンに吊持されたバケット
によって船倉2に積載した土砂3などの不定形貨物を荷
卸すことができる装置30が、極めて簡素化された二点
鎖線のボックスで表記されている。その船倉2には、海
底から例えばサンドポンプなどによって採取された土砂
3が、堆積するようにして積載される。船体1の両舷側
において前後方向に延びる右舷上甲板1Aおよび左舷上
甲板1Bには、図3のB−B線矢視であって、移動架台
5に乗載された構成品の正面図を表す図2のように、そ
れぞれレール4,4が敷設されている。図1は図2のA
−A線矢視を示すが、図3中に二点鎖線で示した荷卸装
置30の側面を詳細に表している。図示のごとく、複数
の車輪6,6を備えると共に船倉2を船幅方向に跨いだ
移動架台5がレール4,4に乗載され、その移動架台5
は、下面に装備された図示しないギヤードモータなどの
駆動により自走するようになっている。その移動架台5
の上面5aには、荷卸装置30を構成する門形のポスト
7が立設され、そのポスト7に近接した後方に、船体1
の後方側へのみ、すなわち、矢印M方向へのみ傾倒自在
な門形のジブ8が設けられている。このジブ8の基部に
形成したボス部8aは、移動架台5の上面5aに取り付
けた基部軸受8bで支承され、ボス部8aを嵌通する軸
8cを中心にして、ジブ8が傾動可能となっている。そ
のジブ8およびポスト7の後方には、船体1の左右方向
すなわち船幅方向に略一杯に延びるホッパー9が設置さ
れる(図3参照)。
【0008】図2に示すように、ポスト7は、中空角パ
イプの二本の柱材7A,7Aと、ジブ8の後述する左右
の柱材8A,8Aの間隔よりも短いボックス状断面の梁
材7Bとからなり、その柱材7Aの基部はフランジ部材
を介して移動架台5の上面5aに溶接などで固定されて
いる。一方、梁材7Bは柱材7A,7Aの上端で左右を
接続するように接合され、軽量化の図られた門形ジブを
形成している。なお、二本の補強パイプ材7C,7Cが
柱材7A,7Aの上端と移動架台5の上面5aとの間
で、図1のごとく斜め姿勢に固定され、ポスト7の安定
性と剛性の強化が図られている。その梁材7Bの上面に
は、軸受で支承される二つのシーブ10A,10Bが左
右それぞれに配置され、梁材7Bの略直下の移動架台5
上に設置したウインチ11A,11Bのウインチドラム
11a,11bから繰り出されるワイヤー12A,12
Bが張架されている。この二つのウインチ11は、ジブ
8自体を起伏させたり、図1に示すバケット16を船倉
に向けて下ろしたり、土砂3をすくい取ったバケット1
6をジブ8の先端8dまで引き上げたり、ジブ8の先端
8dがホッパー9の直上にきたとき、バケット16をそ
の位置からホッパー9に向けて下降させたりするため
に、ワイヤー12を巻き取りまたは繰り出すためのもの
である。なお、図2に示すように、ウインチ11はシー
ブ10に対応してそれぞれ二台設けられているが、両者
間の移動架台5上にはギヤードモータ13(図1参照)
が設置され、その出力ギヤーに噛みあう大径のギヤー1
3aが、一方のウインチ11Bのドラム11bの側面に
取り付けられている。そして、カップリング11cを介
して接続されたトルクシャフトでもって、二台のウイン
チ11A,11Bを同時に駆動するようにしている。こ
のようなウインチ配置によれば、重量の大きいウイン
をジブの先端に装着している場合に比べて、クレーン装
置としての傾動する部分の軽量化が図られることにな
り、ジブ8やポスト7の小型化に伴って支持構造のコン
パクト化が実現される。したがって、移動架台5の前後
方向の寸法を短くして小型化や軽量化が可能となり、ま
た、移動架台5の上面5aを他の装置や機器を搭載する
ためのスペースとして確保しておくことができる。
【0009】ところで、ジブ8は上述したようにボス部
8aで支承され、ジブ8の近傍に立設されたポスト7の
船体前後方向のうちのいずれか一方側へのみ、すなわ
ち、本例では後方側へのみ傾動可能に立設されている。
これは、図2に示すように、中空角パイプである下部柱
材8A,8Aと、その上端において折れ曲がったように
して一体化された上部柱材8B,8Bと、下部柱材8
A,8Aの上部を左右に接続する中空角パイプの下部梁
材8Cと、上部柱材8B,8Bの上部を左右に接続する
中空角パイプの上部梁材8Dとにより構成されている。
したがって、ジブ8自体は門形をなし、ポスト7よりは
高くなっているが、中空角パイプ材による軽量化と剛性
の強化の図られた構造とされている。なお、図1に示す
ようにジブ8が二点鎖線のように伏倒された際、それ以
上の倒れを阻止するストッパーや、実線のように最も大
きく起立した状態でジブ8の傾倒するのを一時的に拘束
する機構が、図示しないが移動架台5に設けられてい
る。下部梁材8Cの上面には図2に示す二つのシーブ1
4A,14Bが左右それぞれに取り付けられ、さらに、
上部梁材8Dの上面にも二つのシーブ15A,15Bが
設けられている。そして、上述のウインチ11Aのドラ
ム11aから繰り出されるワイヤー12Aは、幅の広い
シーブ10Aの外寄りの部分を経てシーブ14Aに至
り、それを反転してシーブ10Aに戻され、その内より
の部分で反転された後にシーブ15Aに至るように張架
されている。一方、ウインチ11Bのドラム11bから
繰り出されるワイヤー12Bも同様にして、シーブ10
B,シーブ14B,シーブ10Bを経てシーブ15Bに
張架される。なお、シーブ14からシーブ10に戻され
るごとく往復するかのように張架されたワイヤー12の
シーブ15に向かう部分は、そのシーブ10での交錯を
避けるためにそれぞれ内寄り部分へ移った部位を辿るよ
うにされているため、シーブ15A,15Bの取付位置
は、シーブ14A,14Bの取付位置よりやや内寄りと
なっている。そのような各ワイヤー12A,12Bの端
部には、船体1の左右方向に延びて船倉2の幅に略等し
く、船倉2内の土砂3をすくい取るバケット16が吊り
下げられている。
【0010】移動架台5の上面5aに設置した前述のウ
インチ11A,11Bは制御された自動操作式であり、
その両者間には、バケット本体16Aを開閉するための
インチ17が設置されている。そして、そのドラム1
7aから繰り出されるワイヤー18は、ジブ8の下部梁
材8Cの上面のシーブ26,上部梁材8Dの上面のシー
ブ27を経て、その先端が図1に示すバケット16の開
閉部材16aに接続されている。そのワイヤー18がウ
インチ17から繰り出されると、バケット本体16Aの
上方に位置する開閉部材16aは下降し、バケット本体
16Aが図1中に実線や二点鎖線で示したように開放さ
れるようになっている。一方、そのワイヤー18がドラ
ム17aに巻き取られると、開閉部材16aは上昇し、
図1の右端下部に破線で示したような閉止状態とされる
ようになっている。前述したワイヤー12の繰り出しに
よって、ジブ8が図1の二点鎖線のように完全に伏倒し
た状態でさらにワイヤー12を繰り出せば、バケット1
6を船倉2へ下降させることができる。その際、ワイヤ
ー18を繰り出すと、バケット16の開閉部材16aが
下降し、そのバケット本体16Aを開くことができる。
したがって、バケット本体16Aが船倉2に堆積した土
砂3(図3参照)上に降ろされた後、ウインチ17でワ
イヤー18を巻き取れば、バケット本体16Aは土砂3
をすくい取ることができる。ドラム11a,11bによ
ってワイヤー12を巻き取れば、バケット16がジブ8
の先端8dに到達し、その時点からジブ8が起立しはじ
める。ジブ8が起立動作している間はバケット16が常
にジブ8の先端8dに位置し、実線のような略垂直姿勢
に復帰したときには、バケット16がホッパー9の直上
に位置するようになっている。再度、ウインチ17のド
ラム17aからワイヤー18が繰り出されると、図1中
の実線で示すように、バケット本体16Aが開放され、
土砂をホッパー9に投下することができる。
【0011】一方、バケット16から土砂を受け取るホ
ッパー9は、ジブ8が傾動する側におけるポスト7の近
傍の移動袈台5上に設けられている。ホッパー9の上部
には左右方向へ延びる矩形の上部開口9aが形成され、
断面が略逆台形に形成された下部には下部開口9bが設
けられている。この下部開口9bの下方には、図2に示
す船幅方向に延びる横送り用ベルトコンベア19が設置
され、ベルト19aがその上面を下部開口9bに対面さ
せながら、移動するようになっている。上記の横送り用
ベルトコンベア19のベルト19aは、移動架台5の右
舷上甲板1A側から左舷上甲板1B側へ至る間でエンド
レスに張架され、右舷側はギヤードモータ19Aの出力
軸に取り付けたプーリに張架され、左舷側は転載用のシ
ュート20の内部に臨むプーリに支持される。そして、
ベルトコンベア19は、ホッパー9の下部開口9bから
落下する土砂を受けとって矢印L方向へ搬送し、土砂が
シュート20に到達すると、それを介して、左舷上甲板
1Bに設置された搬出コンベア21に転載されるように
なっている。なお、横送り用ベルトコンベア19に代え
てスクリューコンベアなどを用いてもよく、要は、バケ
ット16からホッパー9に投入された土砂を船体の左右
方向へ移動させ、舷側で前後方向へ延びる搬出コンベア
21へ円滑に転載させる横送装置として機能するものを
採用すればよい。舷側の搬出コンベア21は、移動架台
5が最大限に前後したときにもシュート20から降下し
てくる土砂を受けとることができるように、図に示す
ごとく船体1の前後方向に長く延ばされている。そし
て、エンドレスなベルトの左右側面を覆う側板21a,
21aで土砂の脱落が防止され、船首側に近接する部分
では上方側へ少し曲げられ、その端部から土砂を排出ホ
ッパー22へ落下すことができるようにしている。その
側板21a,21aの適所にはプーリが配置され、側板
21aに装着された図示しないギヤードモータで回転さ
れるようになっている。また、排出ホッパー22の下方
には、船首甲板上に設けた旋回台を中心に旋回すること
ができる船外積出コンベア23が設置されている。これ
は、排出ホッパー22からの土砂3を船外の所望する位
置に向けて搬送することができ、埋立地や岸壁などへ荷
卸すものである。なお、荷卸装置30は、操船室29に
設けた自動遠隔操作盤での操作に従い作動するように制
御される。
【0012】以上のように構成とされた荷卸装置30
は、次のように作動して、船倉2に積載した不定形貨物
である土砂3を能率よく荷卸すことができる。サンドポ
ンプなどで船倉2へ連続的に取り込まれた土砂3を土砂
運搬船から荷卸す場合に、操船室29に設けた自動遠隔
盤が操作される。まず、船倉2を左右方向に跨いで設置
した移動架台5のギヤードモータが駆動され、移動架台
5を所望位置まで自走させる。停止するとギヤードモー
タ13が駆動され、ウインチ11A,11Bのドラム1
1a,11bが回転される。ドラム11a,11bから
ワイヤー12A,12Bが繰り出され、ジブ8は、それ
自体とバケット16の重みによって自ずと傾倒しはじめ
る。このとき、ワイヤー12のシーブ10とシーブ14
とを往復している部分のみが延ばされるだけであるの
で、ジブ8は下部柱材8A,8Aの基部を中心にして倒
れるが、バケット16はジブ8の先端8dから離れるこ
とがない。すなわち、ジブ8が図1中の二点鎖線の位置
まで傾倒される間は、バケット16がジブ8の先端8d
に位置した状態を維持している。ワイヤー18は、ドラ
ム17aから原則的に繰り出されたり巻き取られること
がなく、バケット本体16Aは閉止状態を維持する。な
お、ウインチ17をジブ8の傾倒動作の途中で回転させ
てワイヤー18を繰り出させ、ジブ8が二点鎖線の状態
になった時点で、バケット本体16Aを完全に開いてお
くようにしてもよい。ジブ8が二点鎖線で示す位置に傾
倒されると、下部柱材8Aの基部近傍に設けた図示しな
いストッパーでジブ8のそれ以上の傾倒が阻止され、そ
の後もワイヤー12を繰り出せば、バケット16が船倉
2に向けて下降する。その下降の間にウインチ17の回
転でワイヤー18を繰り出させば、バケット本体16A
は開かれる。バケット本体16Aが堆積する土砂3上に
降ろされるとウインチ11が停止される一方、ウイン
17の逆転でワイヤー18が巻き取られ、バケット本体
16Aが閉じて土砂3がすくい取られる。
【0013】ウインチ11を逆転させてワイヤー12を
巻き取れば、バケット本体16Aは傾倒しているジブ8
の先端8dまで上昇する。そのままワイヤー12を巻き
取り続ければ、シーブ10とシーブ14の間に一往復し
て巻きつけられているワイヤー12A,12Bがドラム
11a,11bに引き戻され、ジブ8が起立しはじめ
る。ジブ8の先端8dがホッパー9の直上となるまで起
立するとワイヤー12の引き込みが停止される。バケッ
ト本体16Aがホッパー9の上方に位置しているので、
巻き取り状態にあるワイヤー18をドラム17aから繰
り出せば、開閉部材16aが下がってバケット本体16
Aが開口し、土砂3をホッパー9の上部開口9aから投
入することができる。なお、ジブ8が高くてホッパー9
まで距離がある場合には、拘束機構を用いてジブ8の傾
動を阻止しておくなどした状態でワイヤー12を繰り出
せば、バケット16をホッパー9の近くまで降ろすこと
ができる。ホッパー9に投入された土砂は下部開口9b
から横送り用ベルトコンベア19に載せられ、矢印L方
向(図2参照)へ移送される。シュート20に到達した
土砂3は、左舷上甲板1Bに設置した搬出コンベア21
へ転載され、船首に向けて搬送される。搬出コンベア2
1から排出ホッパー22に到達した土砂は、排出ホッパ
ー22へ順次落下され、下方の船外積出コンベア23で
もって、旋回した所望する方向へ排出される。移動架台
5をレール4に沿って移動させれば、船倉2の他の部分
に堆積した土砂3を、船倉2の幅に略等しい長さのバケ
ット本体16Aで能率よく掻きとり、迅速に同様な要領
で荷卸作業を進めることができる。
【0014】以上の説明ではジブ8をポスト7の後方側
で傾動させるようにしているが、前方側で傾動させる構
造としておいてもよい。いずれにしても、ジブ8は船体
1の前後方向の一方側でのみ傾動させるのでクレーン制
御が比較的簡単となり、しかも、ジブの動きを阻害しな
いようにその傾動空間を移動架台上に確保しておく必要
もなくなる。その結果、ジブの傾動やバケットの昇降な
らびにバケット本体の開閉のためのウインチ、さらには
ホッパーなどを移動架台上に搭載しておくことができ
る。従来技術のところで述べたウインチをジブの先端に
装着した場合に比べれば、ジブが立っている状態でも船
体の重心は低くなり、荷卸作業中の船体の安定を図るこ
とができる。なお、不定形貨物として土砂を例にした
が、穀物や石炭などを荷卸す装置にも本発明を適用する
ことができる。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、門形のジブが船体の前
方または後方のいずれか一方側のみで傾動するようにな
っており、移動架台上にジブの移動空間を確保しておく
必要がなくなる。そして、ジブを傾動させバケットを昇
降させことは一つのウインチの動作で可能となり、ジブ
傾動用のウインチ,バケット昇降用のウインチといった
ように複数設ける必要がなくなる。その移動架台上のポ
スト間には、上記ウインチの外にバケットを開閉するた
めのウインチなども必要であるが、ウインチの搭載数を
最小限にとどめて嵩張りがちな装置が配しやすくな
る。このようにポスト,ジブ,ウインチ,ホッパーなど
の構成品をそれぞれの作動に支障がないように移動架台
上に合理的に配置することができるので、移動架台も小
さくすることができる。また、ジブを低くすることが可
能となってバケットと共に傾倒するジブ先端の移動量も
少なくすることができ、ポストやジブを全体的にコンパ
クトにしておくことができる。それに伴い装置の軽量化
および低廉化が実現され、加えて、装置の重心が低くな
り、船体の安定性の向上が図られる。しかも、荷卸装置
の作動は公知の比較的簡素な自動制御でもって可能とな
り、操作性も著しく向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る荷卸装置の詳細構成を示す側面
であって、図2におけるA−A線矢視図。
【図2】 図3のB−B線矢視であって、移動架台に乗
載されている構成品の正面図。
【図3】 荷卸装置を二点鎖線で極めて概略的に示し、
それを搭載した船舶における荷卸作業を説明する全体斜
視図。
【符号の説明】 1…船体、2…船倉、3…不定形貨物
(土砂)、5…移動架台、7…ポスト、8…ジブ、8A
…下部柱材、8B…上部柱材、8C…下部梁材、8D…
上部梁材、8d…先端、9…ホッパー、10,10A,
10B…シーブ、11,11A,11B…ウインチ、
1a,11b…ウインチドラム、12,12A,12B
…ワイヤー、14,14A,14B…シーブ、15,1
5A,15B…シーブ、16…バケット、19…横送装
置(横送り用コンベア)、21…搬出コンベア、30…
荷卸装置。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船体の前後に延びて形成された船倉の上
    方を前後方向へ自走する移動架台にクレーン装置が設置
    され、クレーンに吊持されたバケットによって船倉に
    積載した不定形貨物を荷卸すことができるようになって
    いる荷卸装置において、 船幅方向に門形をなすクレーン装置のジブが、該ジブ
    り低いポストの近傍において船体前後方向のうちのいず
    れか一方側へのみ傾動自在な状態で、船倉を船幅方向に
    跨いで移動する移動袈台上に設置され、上記ジブは、前記移動袈台上に支持された下部柱材と、
    その上部に一体化された上部柱材と、前記下部柱材の上
    部を左右に接続する下部梁材と、前記上部柱材の上部を
    左右に接続する上部梁材とを備え、 上記ポストとジブとには、ウインチドラムから繰り出さ
    れ、該ポストの上部に設けたシーブを経て前記下部梁材
    上のシーブに至り、それを反転してポスト上の前記シー
    ブに戻され、そこで反転された後に前記上部梁材上の
    ーブに至るようにワイヤーが張袈されると共に、そのワ
    イヤーの端部に船体の左右方向に延びて上記船倉の幅に
    略等しく船倉内の不定形貨物をすくい取るバケットが吊
    り下げられ、 前記ジブが傾動する側における上記ポストの近傍の移動
    袈台上には、前記バケットですくい取った不定形貨物を
    受け取るホッパーが設置され、ジブを伏倒させ、その後に前記バケットをジブの先
    端からその自重により船倉に向けて下ろし、不定形貨物
    をすくい取った該バケットをジブの先端まで引き上げ、
    その後に該バケットがジブの先端に位置した状態を維持
    して前記ジブを起立させるべく前記ワイヤーを繰り出し
    または巻き取るためのウインチが前記移動袈台上に配
    置され、前記ジブが所望の伏倒状態となったとき前記ワイヤーを
    さらに繰り出しても該ジブがそれ以上に倒れないように
    阻止して、前記バケットを船倉に向けて下ろすことがで
    きるようにするためのストッパーが、前記移動架台に設
    けられ、 前記バケットから上記ホッパーに投入された不定形貨物
    を船体の左右方向へ移動させ、舷側で前後方向へ延びる
    搬出コンベアに該不定形貨物を転載させる横送装置が、
    前記ホッパーの下部の前記移動袈台上に設けられている
    ことを特徴とする船倉に積載された不定形貨物の荷卸装
    置。
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