JP3896440B2 - ラジアント式加熱炉 - Google Patents

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  • Gas Burners (AREA)
  • Air Supply (AREA)
  • Combustion Of Fluid Fuel (AREA)

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,鋼材の熱処理等に用いるラジアント式加熱炉,特にセラミック製ラジアントチューブと,バーナー本体又は加熱炉との接続構造に関する。
【0002】
【従来技術】
鋼材等の熱処理においては,CO削減,省エネルギー化のために,電気加熱炉の代替技術としてガス加熱方式が注目されている。
かかるガス加熱方式としては,ラジアントチューブを用いたラジアント式加熱炉がある。
【0003】
ここで,図9を用いて,ラジアントチューブを用いた加熱炉について説明すると,加熱炉9は,炉壁91によって加熱室90を形成しており,該加熱炉90には,被熱処理材98を載置搬送する搬送台92が設けてある。そして,その上にはラジアントチューブ7が炉壁91を貫通して配設してある。
【0004】
即ち,上記ラジアントチューブ7の両端には,蓄熱式ラジアントバーナーであるバーナー本体84,85がそれぞれ接続してある。該バーナー本体84,85には,それぞれ燃料ガス用パイプ86,空気用パイプ87,排ガスパイプ88が接続してある。このバーナーにおいては,例えば右方のバーナー本体85を作動させてラジアントチューブ7内に火炎859を送る。
【0005】
そのときの排ガスは,左方のバーナー本体84の排ガスパイプ88から排出する。この際,排ガス中の残熱は左方のバーナー本体84の蓄熱部に蓄熱される。そして,上記右方のバーナー本体85と左方のバーナー本体84とを,例えば30秒毎に交互に作動させる。このとき,他方のバーナー本体の蓄熱部に蓄熱されていた熱を利用して,燃焼用の空気を予熱して省エネルギーを図る。
【0006】
一方,従来のラジアント式加熱炉を用いた間接加熱は,最高使用温度が950℃位である。これは,ラジアントチューブとして耐熱鋼を用いたものである。そのため,それより高温の間接ガス加熱方式が所望されている。
【0007】
そこで,ラジアントチューブとしてセラミック製のラジアントチューブを用いることが提案されている。
しかしながら,セラミックは,加工性が悪いために,ラジアントチューブの端部にフランジ加工を施したり,フランジを溶接することが困難である。
また,セラミックは靱性が低いため,脆いという問題もある。そのため,仮にフランジを設けても取付ボルトを強く締め付けることができない。
【0008】
そこで,セラミック製ラジアントチューブとバーナー本体との接続構造について,図10に示す方法が考えられる。
即ち,セラミック製ラジアントチューブとバーナー本体との従来の接続構造は,図10に示すごとく,まずセラミック製ラジアントチューブ7の端部に傘状突起71を設けておく。一方,バーナー本体85は,ボルト97を挿通するボルト穴を設けたフランジ851を有する。また,セラミック製ラジアントチューブ7には,上記傘状突起71の背面側(ラジアントチューブ側)から,段部951を設けた金属環95を配設する。
【0009】
そして,セラミック製ラジアントチューブ7とバーナー本体85とを接続するに当っては,上記セラミック製ラジアントチューブ7の傘状突起71の背面側と上記金属環95の段部951との間,及び傘状突起71とバーナー本体85のフランジ851との間にパッキン80を配置する。そして,バーナー本体85のフランジ851と上記金属環95とを,ボルト97,ナット971により固定する。
【0010】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来の接続構造には,次の問題がある。
即ち,上記従来のセラミック製ラジアントチューブ7においては,その端部に上記傘状突起71を加工する必要がある。この加工は,脆くて硬いセラミックに対して行なうので,加工が困難である。
また,セラミックは靱性に劣るため,ボルトを強く締めることができず,チューブ内圧が十数Pa(20〜30mm水柱)程度までしか使用できない。そのため,セラミック製ラジアントチューブの加熱能力に限界がある。一方,シール性能を向上させるためには,上記パッキン80が接触するセラミックの表面を鏡面加工する必要がある。
【0011】
また,上記従来の接続構造は,セラミック製ラジアントチューブ7の端面にバーナー本体85のフランジ851の端面を当接させている。そのため,セラミック製ラジアントチューブ7の軸方向の熱膨張を吸収できない。そのため,上記図9に示した左右にバーナー本体を設けたラジアント式加熱炉を構成することが困難となり,左右いずれかのみにバーナー本体を設けたシングルエンド型のラジアント式加熱炉を採用せざるを得ない場合がある。
【0012】
このように,従来のラジアント式加熱炉においては,セラミック製ラジアントチューブを用いた場合に,バーナー本体のフランジとの接続端部の加工が困難である。また,セラミック製ラジアントチューブと,バーナー本体又は加熱炉との間の接続強度が低いためにチューブ内圧が低い。更には,セラミック製ラジアントチューブの熱膨張を吸収することができず,その影響が大きい。
【0013】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑み,セラミック製ラジアントチューブにおける接続端部の加工を必要とせず,セラミック製ラジアントチューブとバーナー本体又は加熱炉との接続強度が大きく,かつセラミック製ラジアントチューブの熱膨張の影響を受け難いラジアント式加熱炉を提供しようとするものである。
【0014】
【課題の解決手段】
請求項1の発明は,加熱炉と,該加熱炉の炉壁に挿入したセラミック製ラジアントチューブと,該セラミック製ラジアントチューブの内部にバーナーノズルを挿入したバーナー本体とよりなるラジアント式加熱炉において,
上記セラミック製ラジアントチューブの端部の外周に金属フランジを固定してなり,該金属フランジを介して上記セラミック製ラジアントチューブを加熱炉又はバーナー本体の少なくとも一方に固定してなり,
上記セラミック製ラジアントチューブの端部に環状の固定リングを嵌合すると共に,該固定リングをセラミック製ラジアントチューブの外周に第1固定具を用いて固定し,
またセラミック製ラジアントチューブの端部の外周には上記金属フランジを配設すると共に該金属フランジと上記セラミック製ラジアントチューブの先端面との間には耐熱パッキンを介在させてなり,
かつ上記金属フランジは,第2固定具によりセラミック製ラジアントチューブの軸方向に上記耐熱パッキンを押圧した状態で上記固定リングに固定してなることを特徴とするラジアント式加熱炉にある。
請求項2の発明は,加熱炉と,該加熱炉の炉壁に挿入したセラミック製ラジアントチューブと,該セラミック製ラジアントチューブの内部にバーナーノズルを挿入したバーナー本体とよりなるラジアント式加熱炉において,
上記セラミック製ラジアントチューブの端部の外周に金属フランジを固定してなり,該金属フランジを介して上記セラミック製ラジアントチューブを加熱炉又はバーナー本体の少なくとも一方に固定してなり,
上記金属フランジは,上記セラミック製ラジアントチューブの外周に対面する内周面に,耐熱パッキン装着用の環状凹部を有し,
該金属フランジをセラミック製ラジアントチューブの端部の外周に配設すると共に上記環状凹部の内部には耐熱パッキン及び押え輪を内設し,
該押え輪をパッキン締付ボルトによりセラミック製ラジアントチューブの軸方向に押圧することにより上記耐熱パッキンと上記セラミック製ラジアントチューブの外周との間を押圧固定してなることを特徴とするラジアント式加熱炉にある。
【0015】
本発明において最も注目すべき点は,セラミック製ラジアントチューブの端部に金属フランジを固定し,該金属フランジを介して,セラミック製ラジアントチューブを加熱炉又はバーナー本体の少なくとも一方に固定していることである。
【0016】
次に,本発明の作用効果につき説明する。
本発明においては,セラミック製ラジアントチューブの端部は,従来のセラミック製ラジアントチューブのごとく傘状突起を設けることなく通常のパイプ状態で良い。そのため,セラミック製ラジアントチューブの接続端部に特別の加工を施す必要がない。
【0017】
また,セラミック製ラジアントチューブの端部の外周に金属フランジを固定し,該金属フランジを加熱炉又はバーナー本体のいずれか一方に固定している。そのため,セラミック製ラジアントチューブの端部とバーナー本体(以下,特記しない限り加熱炉との間も同じ)との間の接続強度も高く,シール性能が大幅に向上する。そのため,約100Pa(1000mm水柱)という高いシール圧を確保することができる。それ故,セラミック製ラジアントチューブの加熱能力を大幅に向上させることができる。
【0018】
また,上記金属フランジを,上記のごとく,セラミック製ラジアントチューブの端部の外周に固定して,該金属フランジを介してセラミック製ラジアントチューブとバーナー本体とを接続する。そのため,従来のボルト固定のごとき,局所的な応力集中がなく,靱性の少ないセラミック製ラジアントチューブに無理な力がかからず,その損傷のおそれもない。また,それ故に,セラミック製ラジアントチューブとバーナー本体との間を強固に接続することができ,両者間の接続強度が向上する。
【0019】
したがって,本発明によれば,セラミック製ラジアントチューブにおける接続端部の加工を必要とせず,セラミック製ラジアントチューブとバーナー本体又は加熱炉との接続強度が大きく,かつセラミック製ラジアントチューブの熱膨張の影響を受け難いラジアント式加熱炉を提供することができる。
【0020】
上記の金属フランジは,例えば実施形態例に示すごとく,断面コ字状を有し,セラミック製ラジアントチューブの端部にキャップ状に被冠することが好ましい。これにより,金属フランジを容易にセラミック製ラジアントチューブの端部に配設することができる。
【0022】
次に,請求項の発明,上記セラミック製ラジアントチューブの端部に環状の固定リングを嵌合すると共に,該固定リングをセラミック製ラジアントチューブの外周に第1固定具を用いて固定し,
またセラミック製ラジアントチューブの端部の外周には上記金属フランジを配設すると共に該金属フランジと上記セラミック製ラジアントチューブの先端面との間には耐熱パッキンを介在させてなり,
かつ上記金属フランジは,第2固定具によりセラミック製ラジアントチューブの軸方向に上記耐熱パッキンを押圧した状態で上記固定リングに固定してなる
【0023】
この場合には,セラミック製ラジアントチューブの端部に固定リングを固定し,該固定リングに金属フランジを固定するので,金属フランジをより強固,確実にセラミック製ラジアントチューブに固定することができる。また,金属フランジとセラミック製ラジアントチューブの先端面との間には耐熱パッキンを介接するので,セラミック製ラジアントチューブの先端面を損傷することもない。
【0024】
次に,請求項の発明,上記金属フランジは,上記セラミック製ラジアントチューブの外周に対面する内周面に,耐熱パッキン装着用の環状凹部を有し,
該金属フランジをセラミック製ラジアントチューブの端部の外周に配設すると共に上記環状凹部の内部には耐熱パッキン及び押え輪を内設し,
該押え輪をパッキン締付ボルトによりセラミック製ラジアントチューブの軸方向に押圧することにより上記耐熱パッキンと上記セラミック製ラジアントチューブの外周との間を押圧固定してなる
【0025】
この場合には,上記耐熱パッキンを上記押え輪を介してパッキン締付ボルトにより,上記のごとく押圧し,耐熱パッキンとセラミック製ラジアントチューブの外周との間の押圧摩擦力によって金属フランジとセラミック製ラジアントチューブとを固定する。そのため,その固定構造が簡単である。また,金属フランジとセラミック製ラジアントチューブとの間は耐熱パッキンを介して固定するので,セラミック製ラジアントチューブが損傷することがない。
【0026】
次に,請求項の発明のように,上記金属フランジは,上記加熱炉又はバーナー本体の少なくとも一方に対して,伸縮可能な金属ベローズを介して固定してなることが好ましい。
この場合には,セラミック製ラジアントチューブが,その軸方向に熱膨張,収縮をした際,その伸縮を上記金属ベローズの弾力性によっても吸収できるので,熱的負荷が少ない。
【0027】
次に,請求項の発明のように,上記耐熱パッキンは,グラファイト,セラミックファイバー,アスベストファイバーのいずれかであることが好ましい。
この場合には,シール性能が一層向上する。特にグラファイトを用いる場合には,バーナー本体のバーナー取付フランジの温度が約550℃という高温までシールが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
参考例1
本発明の参考例にかかるラジアント式加熱炉につき,図1〜図3を用いて説明する。
本例のラジアント式加熱炉は,加熱炉9の炉壁91に挿入したセラミック製ラジアントチューブ1と,該セラミック製ラジアントチューブ1の内部にバーナーノズル51を挿入したバーナー本体5とよりなる。
上記セラミック製ラジアントチューブ1の端部11の外周には,金属フランジ2を固定してなり,該金属フランジ2を介して上記セラミック製ラジアントチューブ1を加熱炉9及びバーナー本体5の両方に固定してなる。
また,金属フランジ2は,断面コ字状で,セラミック製ラジアントチューブ1の先端にキャップ状に被冠してある。
【0029】
図1,図2に示すごとく,上記セラミック製ラジアントチューブ1の端部11には雄ネジ部12を,一方上記金属フランジ2には雌ネジ部21を設け,両者はその間に接着剤を介在させて螺着してなる。
また,図1,図2に示すごとく,上記金属フランジ2には,そのネジ穴22,ボルト65を介して取付フランジ26を固定する。該取付フランジ26は,上記加熱炉9及びバーナー本体5に対して,伸縮可能な金属ベローズ6を介して固定してある。
【0030】
上記,金属ベローズ6は,図1に示すごとく,ステンレス鋼製の凹凸状円筒体により構成されており,その中央部分が上記取付フランジ26に固定されている。また,金属ベローズ6の一端に設けたフランジ62は,炉壁91における固定板75に固定してある。
一方,金属ベローズ6の他端のフランジ63は,バーナー本体5に固定してある。そして,金属ベローズ6の外周には,保護筒68が配設してある。
【0031】
上記金属フランジ2は,バーナーノズル挿入穴20を有し,この中にバーナーノズル51が挿通してある。また,上記炉壁91と,セラミック製ラジアントチューブ1との間には,断熱材18が介在させてある。
また,本例において,上記バーナー本体5は,従来例に示した蓄熱式ラジアントチューブバーナーであり,図9に示すごとく,セラミック製ラジアントチューブ1の左右に設けてある。
【0032】
次に,本例の作用効果につき説明する。
本例のセラミック製ラジアントチューブ1の端部は,従来のセラミック製ラジアントチューブのごとく傘状突起を設けることなく通常のパイプ状態で良い。そのため,その接続用の端部11に特別の加工を施す必要がない。
【0033】
また,セラミック製ラジアントチューブ1の端部11の外周には,金属フランジ2を固定し,該金属フランジ2を加熱炉9及びバーナー本体5の両方に固定している。そのため,セラミック製ラジアントチューブ1の端部11と加熱炉9,バーナー本体5との間の接続強度も高く,シール性能が大幅に向上する。
そのため,約100Pa(1000mm水柱)という高いシール圧を確保することができる。それ故,セラミック製ラジアントチューブの加熱能力を大幅に向上させることができる。
【0034】
また,上記のごとく接続するので,従来のボルト固定のごとき,局所的な応力集中がなく,靱性の少ないセラミック製ラジアントチューブ1に無理な力がかからず,その損傷のおそれもない。また,それ故に,セラミック製ラジアントチューブ1とバーナー本体5,加熱炉9との間を強固に接続することができ,これらの間の接続強度が向上する。
【0035】
また,セラミック製ラジアントチューブ1と金属フランジ2とをネジ固定すると共にその雄ネジ部12と雌ネジ部21との間を接着剤により固定するので,両者間を容易,かつ確実に接続,固定することができる。
また,セラミック製ラジアントチューブ1が,その軸方向に熱膨張,収縮をした際,その伸縮を上記金属ベローズ6の弾力性によっても吸収できるので,熱的負荷が少ない。
【0036】
実施形態例1
本例は,図4〜図6に示すごとく,セラミック製ラジアントチューブ1の端部に固定リング39及び金属フランジ3を配設した例である。
即ち,上記セラミック製ラジアントチューブ1の端部11に環状の固定リング39を嵌合すると共に,該固定リング39をセラミック製ラジアントチューブ1の外周11に第1固定具38を用いて固定する。
【0037】
また,セラミック製ラジアントチューブ1の端部11の外周には上記金属フランジ3を配設すると共に,該金属フランジ3の内側端面36と上記セラミック製ラジアントチューブ1の先端面111との間には耐熱パッキン37を介在してある。上記金属フランジ3は,第2固定具34によりセラミック製ラジアントチューブ1の軸方向に,上記耐熱パッキン37を押圧した状態で,上記固定リング39に固定してなる。
【0038】
上記において,固定リング39は,図4〜図6に示すごとく,そのネジ穴391に第1固定具38をネジ込み,該第1固定具38の先端383を,セラミック製ラジアントチューブ1の外周に設けた凹部14に挿入することにより固定する。上記第1固定具38は,図5(B)に示すごとく,通称イモボルトと呼ばれるものであり,外周にネジ部381,頭部に六角穴382を有する。
また,固定リング39は,その軸方向に沿って,上記第2固定具34としてのボルトを螺合するネジ穴393を有する。
【0039】
また,上記金属フランジ3は,図4,図5に示すごとく,断面コ字状で,その軸方向に沿って,上記第2固定具34を挿通する挿通穴31を4個,またバーナー本体を固定するためのネジ穴32を4個有する。また,バーナーノズル挿入穴30を有する。また,金属フランジ3は,セラミック製ラジアントチューブ1の先端にキャップ状に被冠してある。その他は,参考例1と同様である。
【0040】
本例においては,セラミック製ラジアントチューブ1の端部11に固定リング39を固定し,該固定リング39に金属フランジ3を固定する。そのため,金属フランジ3をより強固,確実にセラミック製ラジアントチューブ1に固定することができる。
また,金属フランジ3とセラミック製ラジアントチューブ1の先端面との間には耐熱パッキン37を介接するので,シール性に優れていると共に,セラミック製ラジアントチューブ1の先端面111を損傷することもない。
その他,参考例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0041】
実施形態例2
本例は,図7及び図8に示すごとく,耐熱パッキン46を介してセラミック製ラジアントチューブ1と金属フランジ4とを固定する例である。
即ち,上記金属フランジ4は,断面コ字状で上記セラミック製ラジアントチューブ1の外周11に対面する内周面に,耐熱パッキン装着用の環状凹部45を有する。
【0042】
該金属フランジ4は,セラミック製ラジアントチューブ1の端部11の外周に配設すると共に,上記環状凹部45の内部には耐熱パッキン46及び押え輪47を内設している。
そして,該押え輪47をパッキン締付ボルト48によりセラミック製ラジアントチューブ1の軸方向に押圧することにより,上記耐熱パッキン46と上記セラミック製ラジアントチューブ1の外周との間を押圧固定してなる。
【0043】
金属フランジ4は,その軸方向に沿って,上記パッキン締付ボルト48を螺合するネジ穴41を4個,またバーナー本体5に接続するネジ穴42を4個有する。また,バーナーノズル挿入穴40を有する。
また,金属フランジ4の上記環状凹部45の開口端には,ドーナツ状の円環板49を溶接してある。
【0044】
上記環状凹部45内へ,金属製の押え輪47を装着するに当っては,上記金属フランジ4に上記円環板49を溶接する以前に,まず押え輪47を環状凹部45内へ嵌め込んでおく。
また,上記耐熱パッキン46は環状凹部45の内部へ環状に巻き込んでおく。
【0045】
本例によれば,上記耐熱パッキン46は,上記押え輪47を介してパッキン締付ボルト48により,上記のごとく押圧される。そして,耐熱パッキン46とセラミック製ラジアントチューブ1の外周11との間の押圧摩擦力によって,金属フランジ4とセラミック製ラジアントチューブ1とを固定する。
即ち,上記パッキン締付ボルト48をネジ込むことによって,押え輪47を介して,耐熱パッキン46がその軸方向のみならず半径方向にも押圧され,金属フランジ4と,耐熱パッキン46とセラミック製ラジアントチューブ1との間が強固に固定される。
【0046】
そのため,その固定構造が簡単である。また,金属フランジ4とセラミック製ラジアントチューブ1との間は耐熱パッキン46を介して固定するので,セラミック製ラジアントチューブ1が損傷することがない。
その他は,参考例1と同様であり,参考例1と同様の効果を得ることができる。
【0047】
なお,上記の説明においては,ラジアントチューブが直線状であるストレートスルー型チューブを用いた場合のシール構造について説明したが,本発明は,これに限らず,U字状やW字状等のラジアントチューブを用いる場合のシール構造にも適用しうる。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば,セラミック製ラジアントチューブにおける接続端部の加工を必要とせず,セラミック製ラジアントチューブとバーナー本体又は加熱炉との接続強度が大きく,かつセラミック製ラジアントチューブの熱膨張の影響を受け難いラジアント式加熱炉を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1のラジアント式加熱炉における,セラミック製ラジアントチューブとバーナー本体との接続構造の断面図。
【図2】 参考例1における,セラミック製ラジアントチューブとバーナー本体との具体的な接続構造の説明図。
【図3】 図1のA−A矢視断面図。
【図4】 実施形態例1のラジアント式加熱炉における,セラミック製ラジアントチューブと金属フランジとの接続構造の説明図。
【図5】 実施形態例1の(A)セラミック製ラジアントチューブの端部及び金属フランジの展開斜視図,(B)第2固定具の斜視図。
【図6】 実施形態例1の固定リングとセラミック製ラジアントチューブの端部と間の接続構造の説明図。
【図7】 実施形態例2のラジアント式加熱炉における,セラミック製ラジアントチューブと金属フランジとの接続構造の説明図。
【図8】 実施形態例2の金属フランジ,押え輪,耐熱パッキン,セラミック製ラジアントチューブの端部の展開斜視図。
【図9】 従来例における,ラジアント式加熱炉の全体説明図。
【図10】 従来例における,ラジアントチューブの接続構造の説明図。
【符号の説明】
1...セラミック製ラジアントチューブ,
12...雄ネジ部,
2,3,4...金属フランジ,
21...雌ネジ部,
37,46...耐熱パッキン,
47...押え輪,
5...バーナー本体,
51...バーナーノズル,
6...金属ベローズ,
91...炉壁,

Claims (4)

  1. 加熱炉と,該加熱炉の炉壁に挿入したセラミック製ラジアントチューブと,該セラミック製ラジアントチューブの内部にバーナーノズルを挿入したバーナー本体とよりなるラジアント式加熱炉において,
    上記セラミック製ラジアントチューブの端部の外周に金属フランジを固定してなり,該金属フランジを介して上記セラミック製ラジアントチューブを加熱炉又はバーナー本体の少なくとも一方に固定してなり,
    上記セラミック製ラジアントチューブの端部に環状の固定リングを嵌合すると共に,該固定リングをセラミック製ラジアントチューブの外周に第1固定具を用いて固定し,
    またセラミック製ラジアントチューブの端部の外周には上記金属フランジを配設すると共に該金属フランジと上記セラミック製ラジアントチューブの先端面との間には耐熱パッキンを介在させてなり,
    かつ上記金属フランジは,第2固定具によりセラミック製ラジアントチューブの軸方向に上記耐熱パッキンを押圧した状態で上記固定リングに固定してなることを特徴とするラジアント式加熱炉。
  2. 加熱炉と,該加熱炉の炉壁に挿入したセラミック製ラジアントチューブと,該セラミック製ラジアントチューブの内部にバーナーノズルを挿入したバーナー本体とよりなるラジアント式加熱炉において,
    上記セラミック製ラジアントチューブの端部の外周に金属フランジを固定してなり,該金属フランジを介して上記セラミック製ラジアントチューブを加熱炉又はバーナー本体の少なくとも一方に固定してなり,
    上記金属フランジは,上記セラミック製ラジアントチューブの外周に対面する内周面に,耐熱パッキン装着用の環状凹部を有し,
    該金属フランジをセラミック製ラジアントチューブの端部の外周に配設すると共に上記環状凹部の内部には耐熱パッキン及び押え輪を内設し,
    該押え輪をパッキン締付ボルトによりセラミック製ラジアントチューブの軸方向に押圧することにより上記耐熱パッキンと上記セラミック製ラジアントチューブの外周との間を押圧固定してなることを特徴とするラジアント式加熱炉。
  3. 請求項1又は2において,上記金属フランジは,上記加熱炉又はバーナー本体の少なくとも一方に対して,伸縮可能な金属ベローズを介して固定してなることを特徴とするラジアント式加熱炉。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において,上記耐熱パッキンは,グラファイト,セラミックファイバー,アスベストファイバーのいずれかであることを特徴とするラジアント式加熱炉。
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