JP3896398B2 - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
なお、液状とは、25℃の粘度(Pa・s)が0.02〜400である状態を意味し、好ましくは0.1〜100、さらに好ましくは0.3〜50、特に好ましくは0.4〜30、最も好ましくは3〜25である状態を意味する。また、固状とは、液状の粘度を超える状態を意味する。なお、粘度は、JIS K7233−1986、4.2単一円筒回転粘度計法に準拠して測定される。
なお、エポキシ当量は、JIS K7236−2001「5.1電位差滴定法」に準拠して測定される。
固体分散型アミンアダクト(潜在性硬化剤)としては、特許第3391074号公報に記載の市販されている商品の他に、商品名として、アミキュアPN−23J、アミキュアPN−31、アミキュアPN−31J、アミキュアPN−40、アミキュアPN−40J、アミキュアPN−D、アミキュアMY−H、アミキュアMY−HK及びアミキュアMY−D(いずれも味の素ファインテクノ株式会社製)等が挙げられる。
これらの硬化剤のうち、ジシアンジアミド、イミダゾール化合物及び固体分散型アミンアダクトが好ましく、さらに好ましくはジシアンジアミド及びイミダゾール化合物、特に好ましくはイミダゾール化合物、次に特に好ましくは2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2−メチルイミダゾリル−(1H)]−エチル−S−トリアジン、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウム・トリメリテート及び2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、最も好ましくは2,4−ジアミノ−6−[2−メチルイミダゾリル−(1H)]−エチル−S−トリアジンである。
これらのうち、シリカ、沈降性硫酸バリウム、炭酸カルシウム及び銅紛が好ましく、さらに好ましくはシリカ、沈降性硫酸バリウム及び炭酸カルシウム、特に好ましくはシリカ及び沈降性硫酸バリウム、最も好ましくはシリカである。
無機フィラー(C)の体積平均粒子径(μm)は、0.3〜26が好ましく、さらに好ましくは0.5〜11、特に好ましくは1〜10である。
体積平均粒子径は、JIS Z8825−1−2001に記載された測定原理を有するレーザー回折式粒度分布測定装置(例えば島津製作所製 SALD−1100型等)で測定される。
R1−L−で表される基のうち、CF3(CF2)a−C2H4−(a=0〜9)で表される基が好ましい。また、nは0〜1000の整数、好ましくは0〜500の整数、さらに好ましくは0〜300の整数、特に好ましくは0〜200の整数であり、mは5〜1000の整数、好ましくは5〜500の整数、さらに好ましくは5〜300の整数、特に好ましくは5〜200の整数であり、m+nは5〜1000の整数、好ましくは5〜500の整数、さらに好ましくは5〜300の整数、特に好ましくは5〜200の整数であり、pは0〜10の整数、好ましくは0〜8の整数、さらに好ましくは0〜6の整数、特に好ましくは0〜3の整数であり、qは3〜30の整数、好ましくは3〜10の整数、さらに好ましくは3〜8の整数、特に好ましくは3〜6の整数であり、p+qは3〜30の整数、好ましくは3〜10の整数、さらに好ましくは3〜8の整数、特に好ましくは3〜6の整数である。
ただし、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより、分子量既知のポリスチレンを標準物質として測定される。
なお、動粘度は、25±1℃、JIS Z8803−1991、5.毛細管粘度計による粘度測定方法に準拠して測定される粘度を密度で除算することにより求められる。
硬化剤(B)の含有量(重量%)は、液状エポキシ樹脂(A)、(B)、無機フィラー(C)及びフルオロアルキル変性シリコーン(D)の合計重量に基づいて、0.5〜5が好ましく、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1.2〜3、最も好ましくは1.5〜2.5である。
無機フィラー(C)の含有量(重量%)は、液状エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、(C)及びフルオロアルキル変性シリコーン(D)の合計重量に基づいて、15〜80が好ましく、さらに好ましくは30〜78、特に好ましくは40〜73、最も好ましくは60〜68である。
フルオロアルキル変性シリコーン(D)の含有量(重量%)は、液状エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機フィラー(C)及び(D)の合計重量に基づいて、0.01〜5が好ましく、さらに好ましくは0.02〜3、特に好ましくは0.03〜2、最も好ましくは0.05〜1である。
これらの範囲であると、消泡性及びレベリング性がさらに良好となる。
ヒドロキシ変性シリコーン(E)は、主に本発明の組成物の粘度調整の容易にする役割を果たす。
式(1)において、bとしては、1〜300が好ましく、さらに好ましくは5〜200、特に好ましくは10〜100、最も好ましくは15〜80である。c及びdとしては、0〜20が好ましく、さらに好ましくは0〜10、特に好ましくは1〜5、最も好ましくは1である。この範囲であれば消泡性やレベリング性に低下させることなく粘度調整がさらに容易となる。
なお、粘度は、10rpm、A−7ローターを用いて、JIS K7233−1986、4.2単一円筒回転粘度計法に準拠して測定される。
この添加剤にはフルオロアルキル変性シリコーン(D)の他、ヒドロキシ変性シリコーン(E)及び/又は溶剤を含んでもよい。
溶剤としては、炭化水素溶剤(トルエン及びキシレン等)、グリコールエーテル溶剤(ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート及びトリエチレングリコールジメチルエーテル等)及びケトン溶剤(メチルエチルケトン及びメチルイゾブチルケトン等)等が使用可能である。
ヒドロキシ変性シリコーン(E)を含む場合、この含有量(重量%)は、フルオロアルキル変性シリコーン(D)の重量に基づいて、2〜50000が好ましく、さらに好ましくは7〜20000、特に好ましくは15〜10000である。
溶剤を含む場合、この含有量(重量%)は、フルオロアルキル変性シリコーン(D)の重量に基づいて、1〜100000が好ましく、さらに好ましくは20〜20000、特に好ましくは100〜10000である。
有機・無機着色剤としては、酸化チタン、カーボンブラック及びフタロシアニンブルー等が挙げられる。
難燃剤としては、酸化アンチモン(三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン);赤りん、りん酸化合物等のりん系難燃剤(トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリス(2−クロロエチル)ホスフェ−ト、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェ−ト、トリス(ジブロモプロピル)ホスフェ−ト、トリス(クロロプロピル)ホスフェ−ト等);トリアジン誘導体等の窒素系難燃剤(トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート等);ホスファゼン誘導体等のりん窒素系難燃剤(商品名「SPR−100」[SA−100」「SP−100」「SPS−100」(大塚化学株式会社製)等)等が挙げられる。
混合機としては、プラネタリーミキサー及び3本ロールミル、2本ロールミル、ニーダー、エクストルーダー、ハイスピードディスパーサー等が挙げられる。
混合時間としては、混合機の種類や大きさなどによって適宜決定でき、均一混合できれば制限がないが、30〜200分が好ましく、さらに好ましくは45〜120分、特に好ましくは60〜90分である。
なお、混合の際、減圧しながら混合してもよい。
本発明の組成物の硬化温度(℃)は、80〜200が好ましく、さらに好ましくは100〜180、特に好ましくは110〜170、最も好ましくは120〜150である。
本発明の組成物の硬化時間(分)は、20〜300が好ましく、さらに好ましくは30〜200、特に好ましくは45〜180、最も好ましくは60〜120である。
表1に示す配合量の各配合成分を、プラネタリーミキサー(商品名「PLM−50」、株式会社井上製作所製、公転回転数を20rpm、22℃で20分間)にて攪拌混合(プレミックス)し、次いで、3本ロールミル(商品名「HHC−178X356」、株式会社井上製作所製、ロール間の圧力を2MPa)にて混練(22℃で1回通過)した。さらに、プラネタリーミキサーにて60分攪拌混合して、実施例1〜11の熱硬化性樹脂組成物及び比較例1〜2の熱硬化性樹脂組成物を得た。なお、表中の数値は重量部を表し、表1で記載する略号の意味は次の通りである。
EA+KA :EAと、KA[ビスフェノールA型エポキシ樹脂{エポキシ当量469、25℃で固体、商品名「エピコート1001」(ジャパンエポキシレジン株式会社製)}]とを、EA+KAの重量に基づいてKAの含有量が20%になるように空気雰囲気下70℃で1時間攪拌混合したエポキシ樹脂混合物{エポキシ当量229、粘度26Pa・s}
B :2,4−ジアミノ−6−[2−メチルイミダゾリル−(1H)]−エチル−S−トリアジン{商品名「キュアゾール2MZ−A」(四国化成工業株式会社製)}
C1 :シリカ(球状シリカ、体積平均粒子径6μm){商品名「TSS−6」(株式会社龍森製)}
C2 :シリカ(粉末状に破砕された形状のシリカ、体積平均粒子径25.1μm){商品名「YXK−35」(株式会社龍森製)}
D1 :両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリ(3,3,3−トリフルオロプロピルメチルシロキサン){数平均分子量17900、動粘度10200、商品名「DOW CORNING(R)FS−1265 FLUID,10000 CST」(ダウコーニングアジア株式会社製)}
D2 :両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリ(3,3,3−トリフルオロプロピルメチルシロキサン){数平均分子量4180、動粘度1030、商品名「DOW CORNING(R)FS−1265 FLUID,1000 CST」(ダウコーニングアジア株式会社製)}
D3 :両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリ(3,3,3−トリフルオロプロピルメチルシロキサン){数平均分子量3000、動粘度300、商品名「DOW CORNING(R)FS−1265 FLUID,300 CST」(ダウコーニングアジア株式会社製)}
D4 :両末端トリメチルシロキシ基封鎖3,3,3−トリフルオロプロピルメチルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー{数平均分子量4840、動粘度104、(CH3)2Si単位の全モル数(sh)に対する(R1L)(CH3)Si単位の全モル数(sf)の比(sf/sh)が30/70、商品名「X−22−821」(信越化学工業株式会社製)}
E1:ヒドロキシ変性シリコーン、{商品名「X−22−160AS」(信越化学工業株式会社製)}
E2:ヒドロキシ変性シリコーン、{商品名「KF−6003」(信越化学工業株式会社製)}
F:ポリジメチルポリシロキサン{動粘度300、商品名「KF−96」(信越化学工業株式会社製)}
<レベリング性>
カップ(材質はポリプロピレン、容量50ml、株式会社サンプラテック製)に測定試料(熱硬化性樹脂組成物)30gを入れ、ホモジナイザー(株式会社日本精機製作所製、エクセルオートホモジナイザー)で22℃以下に保ちながら、100rpm、1分間攪拌した(攪拌後の温度は35℃)後、130℃の乾燥機内で45分間放置することによって熱硬化させた。カップを取り除き、硬化物を取り出し、この硬化物の上面(カップに接していなかった面)を目視観察し、次の基準により判定した。
○ へこみが見られない
× へこみが存在する
レベリング性を評価した硬化物の上面及び下面を研磨/琢磨機(商品名「Struers Planopol-3」、丸本工業株式会社製)により、やすりで削るように少しずつ約2mm削り、削り面を目視観察し、次の基準により判定した。
◎ 気泡は観察されなかった
○ 気泡が1個/cm2以下観察された
× 気泡が1個/cm2より多く観察された
ガラスクロス入り絶縁基板の両面およびスルーホール内壁が銅張りされた積層版(縦横それぞれ30cm、全厚2.0mm、銅膜厚20μm、スルーホール内径0.3mm、スルーホールの穴数360個)の基板面上に、25℃に温調した測定試料をステンレススクリーン(全てのスルホールに充填(印刷)できるように内径0.3mmの円形穴を有し、厚みが100μmのステンレススクリーン;印刷ギャップは1.5mm、;硬度70°、長さ40cm、厚さ2cmの角形スキージー;印刷時のスキージー角度は15°)にてマスク印刷して、スルーホールを充填した。次いで、この積層板の印刷面を上にして、130℃、60分間加熱して、熱硬化させした後、卓上ハンドカッター(商品名「ハンドカッターPC−300」、サンハヤト株式会社製)を用いて、この熱硬化処理した積層板の印刷面に対して垂直に、スルーホールの軸中央を通るように切断し、研磨/琢磨機(商品名「Struers Planopol-3」、丸本工業株式会社製)により、スルホールの軸中央を通る切断面を整面するため研磨した。そして、スルホール内部を目視観察し、次の基準により判定した。
◎ スルホール100個について、印刷面からこの反対側まで全てが充填されている
○ スルホール100個について、印刷面から1.0mm〜0.5mmの深さまでが充填されいる(この深さから印刷面の反対側までは空洞)
× スルホール100個について、印刷面側から0.5mm未満の深さまでが充填されている(この深さから印刷面の反対側までは空洞)
充填性を観察した後、スルーホール断面を目視観察し、次の基準により判定した。
○ スルホール100個について、へこみ及び気泡の数が0個である
× スルホール100個について、へこみ又は気泡が1個以上である
また、実施例9〜11について、消泡性及び充填性が「○」の評価であるが、これらの熱硬化性樹脂組成物にヒドロキシ変性シリコーン(E)を添加すると、実施例12〜14に示すように消泡性及び充填性の評価が「◎」となりった(ヒドロキシ変性シリコーン(E)が消泡性及び充填性を向上させた)。また、実施例7と実施例15とから、実施例7の熱硬化性樹脂組成物にヒドロキシ変性シリコーン(E)を添加すると(実施例15の熱硬化性樹脂組成物)、消泡性、レベリング性及び充填性等に悪影響を与えることなく粘度を微調整することができた。
Claims (6)
- 粘度が80〜380Pa・s(10rpm、A−7ローター、JIS K7233−1986、4.2単一円筒回転粘度計法)である請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 液状エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機フィラー(C)及びフルオロアルキル変性シリコーン(D)の合計重量に基づいて、(A)の含有量が15〜80重量%、(B)の含有量が0.5〜5重量%、(C)の含有量が15〜80重量%、(D)の含有量が0.01〜5重量%、ヒドロキシ変性シリコーン(E)の含有量が0.1〜5重量%である請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- フルオロアルキル変性シリコーン(D)が、式:CF3(CF2)a-C2H4-(式中a=0〜9の整数)で表される基を有してなる変性シリコーンである請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 無機フィラー(C)が体積平均粒子径1〜10μmの球状シリカである請求項1〜4に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜5に記載の熱硬化性樹脂組成物を用いてなる多層プリント配線板。
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