JP3896377B2 - 与信審査を利用したスコアリングモデル評価方法およびスコアリングモデル評価プログラム - Google Patents

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本発明は、与信審査の結果を利用してスコアリングモデルの精度を評価するスコアリングモデル評価方法およびスコアリングモデル評価装置に関するものであり、特に、融資の申込者に対してスコアリングモデル間の比較結果に応じた最適なスコアリングモデルを適用するためのスコアリングモデル評価方法およびスコアリングモデル評価装置に関するものである。
一般的に、消費者金融の新規契約においては、借入申込者に対して与信審査が行われる。この与信審査では、本人確認書類(免許証,健康保険証等)の確認、自宅や勤務先に対して行う本人の居住や在籍の電話確認、等を実施する。また、これらの確認処理と並行して、自動与信システムに申込者データを入力し、既存の借入状況について個人信用情報機関に情報照会を行う。そして、自動与信システムの結果を踏まえ、支店長などの決裁権者が、審査項目や受付担当者による聴取内容などから総合的な判断を行い、与信の可否と融資額を決定する(下記非特許文献1参照)。
また、近年では、与信審査にスコアリングモデルを採用し、このスコアリングモデルを利用して申込者の信用度合を判断することによって、客観的な評価を行っている。すなわち、コンピュータシステムを利用して、クレジット申込者の年齢,居住形態,勤続年数,自社の利用状況,信用情報機関からの情報などのデータを統計的リスク分析によりポイントに置き換え、そのスコアリングによって与信可否、与信金額を査定している。なお、スコアリングモデルは、経済環境などにより変化するため、直前のリスク発生データに基づいて適宜更新する必要がある。
消費者金融連絡会 「タパルス白書2003」 第2章 (http://www.tapals.com/archive/haku-index-f.html)
しかしながら、上記与信審査を行うコンピュータシステムにおいて、現行のスコアリングモデルを新しいスコアリングモデルへ変更する場合は、収益があがることもあるが、融資の基準によってはロス(償却コスト,経費コスト)が増え、期待した収益が得られない可能性がある。すなわち、従来、スコアリングモデルの変更にはリスクが伴う、という問題があった。また、従来のコンピュータシステムにおいては、上記スコアリングモデルの変更を、スコアリングモデル間の比較を行いながら、すなわち、上記リスクを低減しつつ、自動的に実施することができない、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、スコアリングモデルの評価を十分に行いながら、より精度の高いスコアリングモデルへの変更を自動的に実施するためのスコアリングモデル評価方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるスコアリングモデル評
価方法は、計算機システムにおいて実現する、与信審査の結果を利用したスコアリングモデル評価方法であって、前記計算機システムにおいて、融資申込者情報データベースに、融資申込者を特定するための情報を含む複数の融資申込者情報を格納する融資申込者情報格納ステップと、情報振分手段が、前記融資申込者情報データベースに格納された前記複数の融資申込者情報を読み出し、各融資申込者情報をそれぞれ予め規定した割合で、現行のスコアリングモデル、および比較対象となる1つまたは複数のスコアリングモデル、のうちのいずれかに振分ける情報振分ステップと、判定手段が、前記情報振分ステップにおいて振分けられた前記融資申込者情報の情報主体である融資申込者の信用度合を、当該融資申込者情報の属するスコアリングモデルでスコアリングし、当該スコアリング結果として得られるスコアポイントと所定のしきい値(カットオフ)を比較することにより当該融資申込者が融資可能な顧客かどうかを判定する判定ステップと、前記判定手段が、前記スコアポイントと前記判定結果(承認または否認)と前記融資申込者情報とを関連付けてスコアリング結果データベースに格納するスコアリング結果格納ステップと、顧客稼働状況記憶手段が、前記融資申込者情報と当該融資申込者情報の情報主体である融資申込者の返済状況とを関連付けて顧客稼働状況データベースに格納する顧客稼動状況記憶ステップと、評価手段が、所定の観察期間が経過する毎に、現行のスコアリングモデルおよび比較対象となるスコアリングモデルの各スコアリングモデルに属する融資申込者情報の情報主体である融資申込者の返済状況を前記顧客稼働状況データベースから読み出し、各スコアリングモデルにおける融資申込者の返済状況から、融資申込者のうちの予定通り返済している第1の顧客と予定通り返済していない第2の顧客の、スコアポイント毎の分布の分離度を求め、当該分離度の大きいスコアリングモデルほど精度が高いと評価する評価ステップと、前記評価手段が、前記評価ステップにおける評価結果を比較結果データベースに格納する比較結果格納ステップと、モデル配分算出手段が、前記比較結果データベースから前記評価結果を読み出し、当該評価結果において前記比較対象となるスコアリングモデルの方が現行のスコアリングモデルよりも精度が高い場合に、前記情報振分手段に対して、当該比較対象となるスコアリングモデルへの振分け割合を、所定の観察期間と、現行のスコアリングモデルと比較対象となるスコアリングモデルの各分離度の差(乖離率)と、に応じて、現在の振分け割合から100%の間で変更するように指示する調整ステップと、前記情報振分手段が、前記モデル配分算出手段からの指示にしたがって融資申込者情報の振分け割合を変更する変更ステップと、を含むことを特徴とする。
つぎの発明にかかるスコアリングモデル評価方法において、前記判定ステップでは、前記振分けられた融資申込者情報に基づいた統計的リスク分析により融資申込者毎にスコアポイントを算出し、前記カットオフ以上のスコアポイントを有する融資申込者を融資可能な顧客として承認することを特徴とする。
つぎの発明にかかるスコアリングモデル評価方法において、前記調整ステップでは、前記評価ステップにて求めたスコアリングモデル単位の分離度に基づいてスコアリングモデル間の分離度の差を求め、特定の観察期間において、前記分離度の差が大きいほど前記比較対象となるスコアリングモデルへの振分け割合が大きくなるように、前記情報振分手段に対して指示することを特徴とする。
つぎの発明にかかるスコアリングモデル評価方法において、前記調整ステップでは、より精度の高いことが判明したスコアリングモデルの稼動割合を徐々に増やすように前記情報振分手段に指示することを特徴とする。
つぎの発明にかかるスコアリングモデル評価方法は、さらに、収益テーブル作成手段が、予め規定された初期設定値に基づいて、前記スコアリングモデル単位に、スコアポイント毎の収益が記載された収益テーブルを作成する収益テーブル作成ステップと、前記収益テーブル作成手段が、前記収益テーブルを収益テーブル記憶手段に記憶する収益テーブル記憶ステップと、カットオフ設定手段が、前記収益テーブル記憶手段から収益テーブルを読み出し、当該収益テーブルに基づいて、期待する収益(期待収益率)が得られるようにスコアリングモデル単位に最適なカットオフを設定するカットオフ設定ステップと、を含むことを特徴とする。
つぎの発明にかかるスコアリングモデル評価方法において、前記収益テーブル作成ステップでは、前記収益テーブル作成手段が、前記顧客稼動状況データベースから融資申込者の返済状況を読み出し、実際の返済状況に応じて収益テーブルを随時更新し、前記カットオフ設定ステップでは、前記読み出した収益テーブルの変化に応じてカットオフを調整することを特徴とする。
つぎの発明にかかるスコアリングモデル評価方法は、さらに、融資条件算出手段が、前記判定ステップにおける判定処理により前記融資申込者が融資可能な顧客として承認された場合に、前記スコアリング結果データベースから当該融資申込者のスコアポイントを読み出し、当該スコアポイントに基づいて収益目標に応じた融資条件を算出し、前記承認された旨および前記融資条件を所定の通信ネットワークを介して前記融資申込者に対して提示する融資条件算出ステップと、前記融資条件算出手段が、前記融資条件を融資条件データベースに格納する融資条件格納ステップと、を含むことを特徴とする。
つぎの発明にかかるスコアリングモデル評価方法において、前記融資条件算出ステップでは、特定の融資申込者数を想定した場合における、スコアポイント単位の想定件数およびスコアポイント単位の債務不履行の割合を推定し、当該推定結果に基づいて前記収益目標に応じた融資条件を算出することを特徴とする。
つぎの発明にかかるスコアリングモデル評価方法は、サービスを利用する複数の企業にそれぞれ設置された端末、およびスコアリングモデル評価装置としての機能を備えた計算機システム、において実現する与信審査の結果を利用したスコアリングモデル評価方法であって、前記計算機システムにおいて、前記複数の企業にそれぞれ設置された端末からネットワークを介して送られてくる、融資に関する所定の申込データを、企業単位に専用データベースに格納する申込データ格納ステップと、審査対象データ抽出手段が、前記専用データベースから申込データを読み出し、当該申込データに基づいて前記融資申込者情報を特定する融資申込者特定ステップと、を含み、前記融資申込者特定ステップにて特定された前記融資申込者情報を用いて、前記企業毎に個別に、前記請求項1〜のいずれか一つに記載の処理を実行することを特徴とする。
つぎの発明にかかるスコアリングモデル評価方法は、計算機システムにおいて実現する、与信審査の結果を利用したスコアリングモデル評価方法であって、前記計算機システムにおいて、融資申込者情報データベースに、融資申込者を特定するための情報を含む複数の融資申込者情報を格納する融資申込者情報格納ステップと、情報振分手段が、前記融資申込者情報データベースに格納された前記複数の融資申込者情報を読み出し、各融資申込者情報をそれぞれ予め規定した割合で、現行のスコアリングモデル、および比較対象となる1つまたは複数のスコアリングモデル、のうちのいずれかに振分ける情報振分ステップと、収益テーブル作成手段が、予め規定された初期設定値に基づいて、前記スコアリングモデル単位に、融資申込者の信用度合を示すスコアポイント毎の収益が記載された収益テーブルを作成する収益テーブル作成ステップと、前記収益テーブル作成手段が、前記収益テーブルを収益テーブル記憶手段に記憶する収益テーブル記憶ステップと、カットオフ設定手段が、前記収益テーブル記憶手段から収益テーブルを読み出し、当該収益テーブルに基づいて、期待する収益(期待収益率)が得られるようにスコアリングモデル単位に最適なカットオフを設定するカットオフ設定ステップと、判定手段が、前記情報振分ステップにおいて振分けられた前記融資申込者情報の情報主体である融資申込者の信用度合を、当該融資申込者情報の属するスコアリングモデルでスコアリングし、その結果として得られるスコアポイントと所定のしきい値(カットオフ)を比較することにより当該融資申込者が融資可能な顧客かどうかを判定する判定ステップと、前記判定手段が、スコアポイントと前記判定結果(承認または否認)と前記融資申込者情報とを関連付けてスコアリング結果データベースに格納するスコアリング結果格納ステップと、融資条件算出手段が、前記判定ステップにおける判定処理により前記融資申込者が融資可能な顧客として承認された場合に、前記スコアリング結果データベースから当該融資申込者のスコアポイントを読み出し、当該スコアポイントに基づいて収益目標に応じた融資条件である限度額および金利を決定する融資条件算出ステップと、を含むことを特徴とする。
つぎの発明にかかるスコアリングモデル評価方法において、さらに、顧客稼働状況記憶手段が、前記融資申込者情報と当該融資申込者情報の情報主体である融資申込者の返済状況とを関連付けて顧客稼働状況データベースに格納する顧客稼動状況記憶ステップと、を含み、前記収益テーブル作成ステップでは、前記収益テーブル作成手段が、前記顧客稼動状況データベースから融資申込者の返済状況を読み出し、実際の返済状況に応じて収益テーブルを随時更新し、前記カットオフ設定ステップでは、カットオフを、前記読み出した収益テーブルの更新に応じて変動させ、常に最適値となるように調整することを特徴とする。
つぎの発明にかかるスコアリングモデル評価装置は、与信審査の結果を利用したスコアリングモデル評価装置であって、融資申込者を特定するための情報を含む複数の融資申込者情報を格納するための融資申込者情報データベースと、前記融資申込者情報データベースに格納された前記複数の融資申込者情報を読み出し、各融資申込者情報をそれぞれ予め規定された割合で、現行のスコアリングモデル、および比較対象となる1つまたは複数のスコアリングモデル、のうちのいずれかに振分ける情報振分手段と、前記情報振分手段により振分けられた前記融資申込者情報の情報主体である融資申込者の信用度合を、当該融資申込者情報の属するスコアリングモデルでスコアリングし、当該スコアリング結果として得られるスコアポイントと所定のしきい値(カットオフ)を比較することにより当該融資申込者が融資可能な顧客どうかを判定する判定手段と、前記スコアポイントと前記判定結果(承認または否認)と前記融資申込者情報とを関連付けて格納するスコアリング結果データベースと、前記融資申込者情報と当該融資申込者情報の情報主体である融資申込者の返済状況とを関連付けて格納する顧客稼働状況データベースと、所定の観察期間が経過する毎に、現行のスコアリングモデルおよび比較対象となるスコアリングモデルの各スコアリングモデルに属する融資申込者情報の情報主体である融資申込者の返済状況を前記顧客稼働状況データベースから読み出し、各スコアリングモデルにおける融資申込者の返済状況から、融資申込者のうちの予定通り返済している第1の顧客と予定通り返済していない第2の顧客の、スコアポイント毎の分布の分離度を求め、当該分離度の大きいスコアリングモデルほど精度が高いと評価する評価手段と、前記評価手段による評価結果を格納するための比較結果データベースと、前記比較結果データベースから前記評価結果を読み出し、当該評価結果において前記比較対象となるスコアリングモデルの方が現行のスコアリングモデルよりも精度が高い場合に、前記情報振分手段に対して、当該比較対象となるスコアリングモデルへの振分け割合を、所定の観察期間と、現行のスコアリングモデルと比較対象となるスコアリングモデルの各分離度の差(乖離率)と、に応じて、現在の振分け割合から100%の間で変更するように指示するモデル配分算出手段と、を備え、前記情報振分手段が、前記モデル配分算出手段からの指示にしたがって融資申込者情報の振分け割合を変更することを特徴とする。
つぎの発明にかかるスコアリングモデル評価装置において、前記判定手段は、前記振分けられた融資申込者情報に基づいた統計的リスク分析により融資申込者毎にスコアポイントを算出し、前記カットオフ以上のスコアポイントを有する融資申込者を融資可能な顧客として承認することを特徴とする。
つぎの発明にかかるスコアリングモデル評価装置において、前記モデル配分算出手段は、前記評価手段により求められたスコアリングモデル単位の分離度に基づいてスコアリングモデル間の分離度の差を求め、特定の観察期間において、前記分離度の差が大きいほど前記比較対象となるスコアリングモデルへの振分け割合が大きくなるように、前記情報振分手段に対して指示することを特徴とする。
つぎの発明にかかるスコアリングモデル評価装置において、前記モデル配分算出手段は、より精度の高いことが判明したスコアリングモデルの稼動割合を徐々に増やすように前記情報振分手段に指示することを特徴とする。
つぎの発明にかかるスコアリングモデル評価装置は、さらに、予め規定された初期設定値に基づいて、前記スコアリングモデル単位に、スコアポイント毎の収益が記載された収益テーブルを作成する収益テーブル作成手段と、前記収益テーブルを記憶するための収益テーブル記憶手段と、前記収益テーブル記憶手段から収益テーブルを読み出し、当該収益テーブルに基づいて、期待する収益(期待収益率)が得られるようにスコアリングモデル単位に最適なカットオフを設定するカットオフ設定手段と、を備えることを特徴とする。
つぎの発明にかかるスコアリングモデル評価装置において、前記収益テーブル作成手段は、前記顧客稼動状況データベースから融資申込者の返済状況を読み出し、実際の返済状況に応じて収益テーブルを随時更新し、前記カットオフ設定手段は、前記読み出した収益テーブルの変化に応じてカットオフを調整することを特徴とする。
つぎの発明にかかるスコアリングモデル評価装置は、さらに、前記判定手段における判定処理により前記融資申込者が融資可能な顧客として承認された場合に、前記スコアリング結果データベースから当該融資申込者のスコアポイントを読み出し、当該スコアポイントに基づいて収益目標に応じた融資条件を算出し、前記承認された旨および前記融資条件を所定の通信ネットワークを介して前記融資申込者に対して提示する融資条件算出手段と、前記融資条件を格納するための融資条件格納手段と、を備えることを特徴とする。
つぎの発明にかかるスコアリングモデル評価装置において、前記融資条件算出手段は、特定の融資申込者数を想定した場合における、スコアポイント単位の想定件数およびスコアポイント単位の債務不履行の割合を推定し、当該推定結果に基づいて前記収益目標に応じた融資条件を算出することを特徴とする。
つぎの発明にかかるスコアリングモデル評価装置は、サービスを利用する複数の企業にそれぞれ設置された端末とネットワークを介して接続され、かつ与信審査の結果を利用してスコアリングモデルを評価するスコアリングモデル評価装置であって、前記複数の企業にそれぞれ設置された端末からネットワークを介して送られてくる、融資に関する所定の申込データを、企業単位に個別に格納するための複数の申込データ格納手段と、前記申込データ格納手段から申込データを読み出し、当該申込データに基づいて前記融資申込者情報を特定する融資申込者特定手段と、を備え、さらに、前記融資申込者特定手段において特定された融資申込者情報に対応して、前記企業毎に個別に、前記請求項12〜19のいずれか一つに記載の機能を有することを特徴とする。
つぎの発明にかかるスコアリングモデル評価装置は、与信審査の結果を利用したスコアリングモデル評価装置であって、複数の融資申込者情報を格納するための融資申込者情報データベースと、前記融資申込者情報データベースに格納された前記複数の融資申込者情報を読み出し、各融資申込者情報をそれぞれ予め規定した割合で、現行のスコアリングモデル、および比較対象となる1つまたは複数のスコアリングモデル、のうちのいずれかに振分ける情報振分手段と、予め規定された初期設定値に基づいて、前記スコアリングモデル単位に、融資申込者の信用度合を示すスコアポイント毎の収益が記載された収益テーブルを作成する収益テーブル作成手段と、前記収益テーブルを記憶するための収益テーブル記憶手段と、前記収益テーブル記憶手段から収益テーブルを読み出し、当該収益テーブルに基づいて、期待する収益(期待収益率)が得られるようにスコアリングモデル単位に最適なカットオフを設定するカットオフ設定手段と、前記情報振分手段により振分けられた前記融資申込者情報の情報主体である融資申込者の信用度合を、当該融資申込者情報の属するスコアリングモデルでスコアリングし、その結果として得られるスコアポイントと所定のしきい値(カットオフ)を比較することにより当該融資申込者が融資可能な顧客かどうかを判定する判定手段と、スコアポイントと前記判定結果(承認または否認)と前記融資申込者情報とを関連付けて格納するスコアリング結果データベースと、前記判定手段における判定処理により前記融資申込者が融資可能な顧客として承認された場合に、前記スコアリング結果データベースから当該融資申込者のスコアポイントを読み出し、当該スコアポイントに基づいて収益目標に応じた融資条件である限度額および金利を決定する融資条件算出手段と、を備えたことを特徴とする。
つぎの発明にかかるスコアリングモデル評価装置において、さらに、前記融資申込者情報と当該融資申込者情報の情報主体である融資申込者の返済状況とを関連付けて格納する顧客稼働状況データベース、を備え、前記収益テーブル作成手段は、前記顧客稼動状況データベースから融資申込者の返済状況を読み出し、実際の返済状況に応じて収益テーブルを随時更新し、前記カットオフ設定手段は、カットオフを、前記読み出した前記収益テーブルの更新に応じて変動させ、常に最適値となるように調整することを特徴とする。
つぎの発明にかかる審査システムは、ネットワークを通じて複数の企業にサービスを提供するASP(Application Service Provider)に対応した審査システムであって、ネットワークを介して接続された各企業の端末と、請求項20に記載のスコアリングモデル評価装置と、を備えることを特徴とする。
つぎの発明にかかるスコアリングモデル評価プログラムは、請求項1〜11のいずれか一つ記載のスコアリングモデル評価方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明にかかるスコアリングモデル評価方法は、たとえば、現行のスコアリングモデルのリバイズを行う場合に、新規のスコアリングモデルとの間で精度を比較し、どちらのスコアリングモデルの方が精度が高いかを検証することとした。そして、新規のスコアリングモデルの方が精度が高いと判定された場合、所定の観察期間経過毎に新規のスコアリングモデルの稼動割合を徐々に増やすこととした(現行のスコアリングモデルの稼動割合を徐々に減らす)。これにより、スコアリングモデル間の評価を十分に行いながら、より精度の高いスコアリングモデルへの変更を自動的に実施することができる、という効果を奏する。
以下に、本発明にかかるスコアリングモデル評価方法およびスコアリングモデル評価装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明にかかるスコアリングモデル評価方法を実現するためのスコアリングモデル評価装置としての機能を備え、本発明にかかるスコアリングモデル評価プログラムを実行可能な計算機システム(審査システム)の構成を示す図である。
この計算機システムは、たとえば、CPUを含む制御ユニット101と、メモリユニット102と、表示ユニット103と、入力ユニット104と、CD−ROMドライブユニット105と、ディスクユニット106と、外部I/Fユニット107と、を備え、これらの各ユニットは、それぞれシステムバスAを介して接続されている。
図1において、制御ユニット101は、本発明のスコアリングモデル評価プログラムを実行する。メモリユニット102は、RAM,ROM等の各種メモリを含み、上記制御ユニット101が実行すべきプログラム,処理の過程で得られた必要なデータ等を記憶する。表示ユニット103は、CRTやLCD(液晶表示パネル)等で構成され、計算機システムの使用者に対して各種画面を表示する。入力ユニット104は、キーボード,マウス等で構成され、計算機システムの使用者が、各種情報の入力を行うために使用する。また、図示のCD−ROM200には、本実施例の処理を記述した本発明のスコアリングモデル評価プログラムが格納されている。
ここで、上記本発明にかかるスコアリングモデル評価プログラムが実行可能な状態になるまでの計算機システムの動作例について説明する。まず、上記のように構成される計算機システムには、CD−ROMドライブユニット105にセットされたCD−ROM200から、スコアリングモデル評価プログラムがディスクユニット106にインストールされる。そして、計算機システムの起動時またはプログラムの実行時に、ディスクユニット106から読み出されたプログラムがメモリユニット102に格納される。この状態で、制御ユニット101(CPU)は、メモリユニット102に格納されたプログラムにしたがって、スコアリングモデル評価処理を実行する。
なお、本発明においては、CD−ROM200にて上記スコアリングモデル評価処理を記述したプログラムを提供しているが、このプログラムの記録媒体は、これに限定されることなく、システムを構成するコンピュータに応じて、たとえば、フロッピー(登録商標)ディスク等の磁気ディスク,光磁気ディスク,磁気テープ等の他の記録媒体を用いることも可能である。また、電子メール,インターネット等の伝送媒体により提供されたプログラムを用いることとしてもよい。
つづいて、上記計算機システム(以下、審査システムと呼ぶ)による基本的な処理について説明する。図2は、スコアリングモデル評価装置としての機能を備えた審査システム1の構成例を示す図であり、図3は、与信審査、すなわち、本申込から本契約完了までの流れ、および本実施例におけるスコアリングモデル評価方法を示すフローチャートである。ここで、後述するスコアリングモデル評価方法の前提となる処理について簡単に説明する。
まず、融資の申し込み(店頭,インターネット,自動契約機等)があり、上記審査システム1の申込受付情報DB11に審査に必要な申込データ(名前,住所,電話番号,その他の審査項目)の入力があった場合、審査対象データ抽出手段12では、申込受付情報DB11に記憶された申込データを読み出し(図3、ステップS1)、その結果を審査対象データ記憶手段13内の基本属性情報DB13−1に記憶する。
つぎに、名寄せ/ポリシー判定手段14では、申込受付情報DB11に記憶された申込データを読み出し(ステップS1)、さらに、顧客稼動状況記憶手段32内の顧客情報DB15に記憶された顧客データを読み出し(ステップS2−1)、得られた情報に基づいて、申込者が既存顧客か,既に断っている否認顧客(直近断り先)か等の名寄せ判定を行う(ステップS2)。
上記名寄せ判定の結果、たとえば、この申込者が否認顧客として登録されていない場合(ステップS3,顧客データなし)、名寄せ/ポリシー判定手段14では、つぎに、当社のポリシーと申込条件が合致しているかどうか(年齢制限,年収等)を判定する(ステップS5)。
上記ポリシー判定の結果、たとえば、この申込者が当社のポリシーと合致する場合(ステップS6,承認)、つぎに、審査対象データ抽出手段12では、申込受付情報DB11に記憶された申込データに基づいて審査対象データを特定し、その属性データを抽出する(ステップS7)。ここでは、たとえば、システム外部から電話番号履歴情報および外部信用情報を取得し(ステップS7−1,S7−2)、その取得結果を、上記基本属性情報DB13−1に記憶された申込データと関連付けて、審査対象データ記憶手段13内の電話番号履歴情報DB13−2,個人信用情報DB13−3にそれぞれ記憶する。なお、ステップS3の処理により、たとえば、この申込者が否認顧客として登録されていた場合は(ステップS3,顧客データあり)、この申込者を否認顧客として再登録する(ステップS4)。また、ステップS6の処理により、たとえば、この申込者が当社のポリシーに合致しない場合についても(ステップS6,否認)、この申込者を否認顧客として登録する(ステップS4)。
つぎに、モデルパターン無作為振分手段16では、上記申込者を、後述する1つまたは複数のスコアリングモデルのいずれかへ振り分ける処理を行い(ステップS8)、それぞれのスコアリングモデル単位に設けられた判定手段17が、たとえば、審査ルールパターン毎に、審査対象データ記憶手段13内に記憶された各種情報(申込者の年齢,居住形態,居住年数,業種,勤続年数,年収比率など)に基づいた統計的リスク分析により、申込者の信用度合(リスク)をスコアリングする。すなわち、上記統計的リスク分析により、リスクに応じたスコアポイントを算出する(ステップS9:図2の判定手段17内のスコアリングモデル算出処理に相当)。そして、上記処理で算出されたスコアポイントを審査結果データ記憶手段18内のスコアリング審査結果DB18−1に記憶する。図4は、ステップS9による判定結果の一例を示す図である。なお、スコアリングモデルには、カットオフ(しきい値)があり、スコアポイントがカットオフに満たない申込者は(ステップS10,基準値未満)、ここで、リスクが高く融資できないと判断され、否認顧客として登録される(ステップS4)。
その後、上記判定手段17では、たとえば、スコアポイントがカットオフ以上で承認と判断された申込者に対して(ステップS10,基準値以上)、所定のルールチェックを行い(ステップS11:図2の判定手段17内のルールチェック算出処理に相当)、最終的な承認または否認の判定を行い、その結果を審査結果データ記憶手段18内のルールチェック審査結果DB18−2に記憶する。このルールチェックでは、たとえば、審査ルールパターン毎に、自宅や勤務先や携帯電話のTEL(存在している番号かどうか、料金が支払われているか等),外信ネガ情報,規定他社借入件数,規定他社借入金額などの最終チェックを行い、そのチェック結果として承認または否認の結果を出力する。図5は、ステップS11による判定結果の一例を示す図である。なお、この処理で、たとえば、虚偽申告などの不正があった申込者は(ステップS12,基準値未満)、ここで、否認顧客として登録される(ステップS4)。
つぎに、上記ステップS11の処理によりこの申込者が承認された場合(ステップS12,基準値以上)、融資条件算出手段19が、上記審査結果データ記憶手段18内の情報に基づいて、すなわち、上記申込者のスコアポイントに応じて、融資条件を算出し(ステップS13−1)、上記審査結果(否認/承認)および融資条件(限度額および貸付金利等)を申込者に対して提示する(ステップS13−2)。そして、その審査結果および融資条件を審査結果/融資条件DB20および顧客情報DB15に記憶する(ステップS13−1,S13−2)。このとき、最終的に否認されている場合には(ステップS14,否認)、この申込者を否認顧客として登録する(ステップS4)。図6は、顧客情報DB15に記憶された顧客情報の一例を示す図である。ここでは、顧客毎に、契約日,TEL,居住年数,業種,勤続年数,限度額,金利などの情報が記憶されている。
そして、最終的に、承認された場合には(ステップS14,承認)、所定の業務フロー(本人意思確認,存在確認,契約書受入等)を経て本契約が行われる(ステップS15)。
つづいて、上記与信審査を利用した、本発明にかかるスコアリングモデル評価方法について説明する。本実施例におけるスコアリングモデルの評価処理は、上記図3に示すステップS9のスコアリングモデルによる判定処理,ステップS11のルールチェックによる判定処理を利用して行われる。
たとえば、モデルパターン無作為振分手段16にて実行されたステップS8の処理により、融資の申し込みを行った所定数の申込者に関する情報が、現行(メインで用いられている)のスコアリングモデル(以下、チャンピオンと呼ぶ),比較対象となる1つまたは複数のスコアリングモデル(以下、チャレンジャーと呼ぶ)のうちのいずれかに、予め規定された分配割合で無作為に振り分けられている場合、評価手段21では、スコアリングモデル毎に、後述する処理にてダイバージェンス(Div)を算出する(図3、ステップS21)。
つぎに、評価手段21では、上記ダイバージェンスを用いたスコアリングモデル間の比較処理を行う(ステップS22)。ここでは、チャンピオンのダイバージェンスの算出結果と、各チャレンジャーのダイバージェンスの算出結果と、を個別に比較し(図2の評価手段21内のスコアリングモデル比較処理に相当)、その結果を比較結果DB22に記憶する。さらに、評価手段21では、上記申込者への融資の実績から、たとえば、各スコアリングモデルの収益率を比較し(ステップS23:図2の評価手段21内の収益率比較処理に相当)、その結果についても比較結果DB22に記憶する。
そして、モデル配分算出手段23が、上記比較結果DB22に記憶された情報に基づいて、スコアリングモデルの配分割合を決定し(ステップS24)、その配分結果で申込データの振り分けを行うように、モデルパターン無作為振分手段16に対して指示を行う。なお、本実施例では、上記ステップS22の処理結果とステップS23の処理結果に基づいてスコアリングモデルの配分割合を決定することとしているが、これに限らず、たとえば、ステップS22の処理結果のみに基づいてスコアリングモデルの配分割合を決定することとしてもよい。
ここで、上記スコアリングモデルの評価処理を、一例を用いて具体的に説明する。図7は、本実施例におけるスコアリングモデル評価処理の具体例を示す図である。たとえば、ここでは、現行のスコアリングモデルAであるチャンピオンを用いた判定処理をプランAとし、新規のスコアリングモデルBであるチャレンジャーを用いた判定処理をプランBとし、チャンピオンの精度とチャレンジャーの精度とを比較する場合を想定する。
たとえば、チャンピオンのリバイズを行う場合など、チャンピオンの精度の評価結果とチャレンジャーの精度の評価結果とを比較する場合、判定手段17では、全申込者中の90%の申込者にチャンピオンを適用し(図7、ステップS9:図3のステップS9に相当)、残りの10%の申込者にチャレンジャーを適用する(図7、ステップS9)。この場合、申込者(申込データ)の振り分けは、両方のスコアリングモデルの精度を正確に評価できるように、できるだけランダムに行う(図7、ステップS8:図3のステップS8に相当)。
その後、判定手段17では、プラン毎のルールチェックのパターンに基づいて、最終的な承認または否認の判定を行う(図7、ステップS11:図3のステップS11に相当)。このルールチェックは、プラン毎に異なる方法(図7では一例としてパターンA,パターンBで行う)で行ってもよいし、同一の方法で行ってもよい。
その後、評価手段21では、所定の観察期間経過後に、各申込者のスコア分布が正規分布(分散と中央値で表すことができる)であることを想定して、スコアリングモデル単位にダイバージェンスによる評価を行う(図7、ステップS21−1,S21−2)。そして、ここで得られた結果を比較する(図7、ステップS22)。なお、ここでは、予め規定しておいた特定の観察期間経過毎(たとえば、3ヶ月,6ヶ月,9ヶ月,12ヶ月…)に、スコアリングモデル単位にダイバージェンスによる評価を実行する。
ここで、上記ダイバージェンスによるモデル評価処理について説明する。なお、以降の説明では、簡単のため、延滞がなく予定通り返済している顧客を「Good」と呼び、延滞の見られる顧客(貸し倒れの顧客も含む)を「Bad」と呼ぶこととする。
たとえば、図8−1および図8−2は、チャンピオンにおけるGoodとBadの分布を示す図である。詳細には、図8−1は、特定のスコアポイントをカットオフとした場合の、GoodとBadのスコアポイント毎の申込者数を表しており、GoodとBadが交わる部分については、GoodもBadも存在する、精度の判別が難しいスコアポイントを表している。また、図8−2は、Good全体を100%,Bad全体を100%とし、図8−1の申込者数を比率に置き換えた場合を表している。
図8−1および図8−2において、GoodとBadのそれぞれの分布を見ると、Goodが右側(スコアポイントが高い)に存在し、Badが左側(スコアポイントが低い)に存在する。また、カットオフより右側に存在するBadは、承認したにもかかわらず(融資したにもかかわらず)、貸し倒れ,延滞があった顧客を表す。したがって、チャンピオンを評価する場合、GoodとBadの重なり合う部分については、カットオフに基づいて承認しても、Goodかどうかはいいきれない部分、すなわち、融資を承認,否認の判別がむずかしい顧客が存在する部分、であると言える。
一方、図9は、チャレンジャーにおけるGoodとBadの分布を示す図であり、詳細には、図8−2に対応する図を表している。図9において、GoodとBadのそれぞれの分布を見ると、図8−2と比較して、重なり合う部分が少ないことがわかる。すなわち、融資の承認,否認の判別がむずかしい顧客が、図8−2よりも少ないので、この例の場合は、チャレンジャーの方が精度が高いと評価できる。
このように、本実施例におけるスコアリングモデルの評価処理では、GoodとBadの分布が重なり合う部分の面積が小さいほど、GoodとBadの判別力が高く、スコアリングモデルの精度が高いと評価できる。なお、理想的なスコアリングモデル(貸し倒れ,延滞が0%)では、GoodとBadの分布が重なり合うことなく、GoodとBadを確実に分離できる。この場合、カットオフがそれらの分布の間にあれば、GoodとBadを確実に判別できる。
また、上記ダイバージェンスによるモデル評価処理を一般的に表現すると、下記のように表すことができる。たとえば、Badの中央値をmbとし、Goodの中央値をmgとし、Badの分散をVbとし、Goodの分散をVgとすると、分布の分離度(ダイバージェンス):Divは、下記(1)式で表すことができる。
Div(0≦Div≦∞) = (mg−mb)2/(Vg+Vb) …(1)
したがって、評価手段21では、チャンピオンについての分離度,チャレンジャーについての分離度、をそれぞれ計算し、たとえば、チャンピオンよりもチャレンジャーの方がBad/Goodの分離度が大きければ、チャレンジャーの方が精度が高いと評価することになる。
つぎに、上記のように各スコアリングモデルを評価および比較した結果(図7、ステップS21−1、S21−2およびステップS22)、たとえば、チャレンジャーの方が精度が高いと評価された場合、さらに、本実施例のモデル配分算出手段23では、観察期間の長さに応じて各スコアリングモデルの稼動割合を0%〜100%の間で変更する(図7、ステップS24)。
図10は、チャンピオンよりもチャレンジャーの精度が高い場合の稼動割合の調整処理の一例を示す図であり、ここでは、観察期間の長さおよび乖離率に応じたチャレンジャーの稼動割合が規定されている。なお、上記乖離率は、チャンピオンの分離度とチャレンジャーの分離度にどのくらいの差異が見られたかを表す指標であり、下記(2)式のように表すことができる。
乖離率 = √{(チャレンジャーのDiv−チャンピオンのDiv)2
/チャンピオンのDiv …(2)
図10において、たとえば、観察期間:3ヶ月では、季節変動等が支払いに影響されると判断し、Divに乖離が見られても(0〜∞%)静観のみとし、チャレンジャーの稼動割合の変更は行わない(90%,10%の稼動割合を維持する)。また、観察期間:6ヶ月では、たとえば、乖離率が10%以上15%未満の場合、チャレンジャーの稼動割合を20%とし、乖離率が15%以上20%未満の場合、チャレンジャーの稼動割合を30%とし、乖離率が20%以上の場合、チャレンジャーの稼動割合を50%とする。以降、観察期間(9ヶ月,12ヶ月…)毎に、チャレンジャーの稼動割合を乖離率に応じて変更し、チャンピオンとチャレンジャーの稼動割合を徐々に入れ替える。
このように、本実施例においては、たとえば、チャンピオンのリバイズを行う場合に、チャレンジャーとの間で精度を比較し、どちらのスコアリングモデルの方が精度が高いかを検証することとした。そして、チャレンジャーの方が精度が高いと判定された場合、一度の検証でチャレンジャーに入れ替えてしまうと(チャンピオンの稼動割合を0%にしてしまうと)リスクが伴うので、所定の観察期間経過毎にチャレンジャーの稼動割合を徐々に増やすこととした(チャンピオンの稼動割合を徐々に減らすこととした)。これにより、スコアリングモデル間の評価を十分に行いながら、より精度の高いスコアリングモデルへの変更を自動的に実施することができる。
なお、本実施例においては、2つのスコアリングモデル(チャンピオンとチャレンジャー)を比較し、その結果に応じてリバイズを行う場合について説明したが、これに限らず、3つ以上のスコアリングモデル(1つのチャレンジャーと2つ以上のチャレンジャー)で比較を行うこととしてもよい。この場合も、上記同様、チャンピオンを最も精度の高いチャレンジャーに徐々に入れ替える処理が行われる。
つづいて、各スコアリングモデル(上記チャンピオン,チャレンジャーに相当)におけるカットオフの調整方法について説明する。本実施例では、収益を考慮し、各スコアリングモデルにおいて最適なカットオフを設定する。なお、この処理は、上記与信審査およびスコアリングモデル評価処理を行う場合の前提となる処理である。
本実施例においては、たとえば、図2に示す収益テーブル作成手段31が、まず、予め規定された初期設定値に基づいてスコアリングモデル毎の収益テーブルを作成し、その結果を融資条件算出手段19内の収益テーブル記憶手段19−2に記憶する。
図11は、上記収益テーブルの一例を示す図であり、収益テーブル作成手段31は、たとえば、スコアポイント:25(リスクが高い)〜310(リスクが低い)の範囲で、DEF(デフォルト)率,申込者数,コスト,平均貸付額,期待収益などを入力パラメータとして、スコアリングモデル毎に、口座数%,累計口座数%,Bad数,Bad%,累計Bad%,貸付金利,収益率,収益,収益割合,累計収益割合を演算する。すなわち、ここでは、スコアポイント単位の収益が求められる。なお、上記DEF率はスコアポイント単位の債務不履行(延滞,貸し倒れを含む)の割合を表し、口座数%は全申込者数に対するスコアポイント単位の申込者数の割合を表し、Bad%は全申込者数に対するスコアポイント単位のBad数の割合を表す。また、ここでは、一例として上限金利を29%とし、スコアリングモデル毎に、リスクに応じて貸付金利が決定されている。たとえば、スコアポイントの低い人はリスクが高いので、金利を高くして収益を確保する(スコアポイントの高い人は安い金利を設定しても収益を確保できる)。
つぎに、融資条件算出手段19内のカットオフ設定手段19−1が、収益テーブル記憶手段19−2に記憶された収益テーブルに基づいて、期待する収益(期待収益率)が得られるように、スコアリングモデル単位に最適なカットオフを設定する。たとえば、図11の収益テーブルから得られる、図12に示す累積収益構成比(%)や図13に示す判別効率(%)に基づいて、最適なカットオフを設定する。図12は、縦軸に累積収益割合(%)をとり、横軸にスコアポイントをとり、累積集積割合(%)の最も高いスコアポイント付近(160付近)をカットオフとしている。また、図13は、縦軸に累積割合をとり、横軸にスコアポイントをとり、たとえば、累積Bad(%)と累積口座数(%)の間で最も差の大きいスコアポイント付近(160付近)をカットオフとしている。なお、上記ステップS23による収益率の比較処理において、上記収益テーブルを用いることとしてもよい。
その後、融資申込者に対して特定のスコアリングモデルが適用され、実際に融資が行われ返済が始まると、収益テーブル作成手段31が、その返済状況に応じて上記特定のスコアリングモデルに対応する収益テーブルを随時更新し、さらに、カットオフ設定手段19−1が、収益テーブルの変化に応じて常に最適なカットオフとなるように、現在設定されているカットオフを調整する。
具体的には、顧客稼動状況記憶手段32内の顧客稼動状況DB41に、融資申込者の返済状況を随時記憶しておき、さらに、収益テーブル作成手段31内の顧客稼動状況トラッキング手段42が、顧客稼動状況DB41に記憶された返済状況および顧客情報DB15に記憶された顧客情報に基づいて、所定のトラッキング手法によりスコア分布の変化を測定する。そして、顧客稼動状況トラッキング手段42では、上記測定結果に基づいて収益テーブルを随時更新し、更新後の収益テーブルを収益テーブル記憶手段19−2に記憶する。その後、カットオフ設定手段19−1では、実際の返済状況に応じた収益テーブルの変化に応じて、すなわち、スコアポイント単位の返済状況(延滞率,デフォルト率等)およびスコア分布状態の変化に応じて、現在設定されているカットオフを最適値に再調整する。したがって、融資条件算出手段19では、カットオフ設定手段19−1により随時調整されるカットオフに基づいて融資条件(限度額および貸付金利等)を申込者に対して提示することになる。
つづいて、上記融資条件算出手段19が、融資条件を算出する処理を詳細に説明する。ここでは、一例として、融資の申し込みを100件とし、収益目標を15%とし、収益を「収益(粗利率)=貸付金利−DEF率−コスト」とし、コストを「コスト(6%)=調達コスト+ランニングコスト」とした場合の、融資条件算出処理(貸付金利設定処理)について説明する。
図14は、収益目標に応じた貸付金利の算出例を示す図である。まず、融資条件算出手段19では、各申込者のスコア分布が正規分布であることを想定して、たとえば、100件の申し込みがあった場合、スコアポイントで債権をカテゴライズし、カテゴリ毎の件数(図示の想定件数に相当)を推定する。つぎに、カテゴリ毎の想定件数、すなわち、件数分布に基づいて、カテゴリ毎のDEF率(図示の推定DEF率に相当)を推定する。たとえば、200点〜209点のカテゴリでは、オッズ比(オッズ比=カテゴリ内のGood数/カテゴリ内のBad数)が「15:1」、すなわち、16人中1人がデフォルトとなり、DEF率は6.25%となる。また、210点〜219点のカテゴリでは、オッズ比が「20:1」、すなわち、21人中1人がデフォルトとなり、DEF率は4.76%となる。
つぎに、融資条件算出手段19では、上記件数分布および推定DEF率に基づいて、収益目標(=15%)に応じたカテゴリ毎の利回り(図示の件数分布考慮後利回りに相当)を算出し、さらに、実際にはカットオフ未満の申込者には融資を行わないので、カットオフ以上の申込者を対象に利回りの修正(図示の[修正]件数分布考慮後利回りに相当)を行う。最終的に、融資条件算出手段19では、上記[修正]件数分布考慮後利回りを実現する、カテゴリ毎の貸付金利を算出する。なお、実際には、出資法や、各企業において規定された上限金利,コスト等に応じて、上記融資条件算出手段19において算出された貸付金利をさらに調整する。また、上記図14においては、カットオフ未満の申込者に関する情報を考慮しているが、これに限らず、カットオフ以上(180点以上)の申込者に関する情報のみを用いて貸付金利を算出することとしてもよい。
このように、本実施例においては、収益を考慮し、スコアリングモデル単位に最適なカットオフを設定することを前提とした。そして、チャンピオンのリバイズを行う場合に、最適なカットオフが設定されたスコアリングモデル間で精度を比較し、どちらのモデルの方が精度が高いかを検証することとした。そして、チャレンジャーの方が精度が高いと判定された場合、所定の観察期間経過毎にチャレンジャーの稼動割合を徐々に増やすこととした(チャンピオンの稼動割合を徐々に減らすこととした)。これにより、収益を考慮しつつ、スコアリングモデル間の評価を十分に行いながら、より精度の高いスコアリングモデルへの変更を自動的に実施することができる。さらに、上記設定したカットオフを、実際の返済状況に応じた収益テーブルの変化に応じて、随時調整することとした。これにより、融資可能と判定された顧客に対して、常時、最適な金利で最適な金額を貸し出すことが可能となり、ひいては融資を行う企業側のリスクを低減することができる。
つづいて、実施例2のスコアリングモデル評価方法およびスコアリングモデル評価装置について説明する。実施例2においては、ネットワーク(インターネット,専用回線等)を通じて複数のユーザ(サービスを利用する複数の企業)にサービスを提供する、いわゆるASP(Application Service Provider)に対応したシステムを実現する。
なお、本実施例のスコアリングモデル評価方法を実現するためのスコアリングモデル評価装置としての機能を備え、本実施例のスコアリングモデル評価プログラムを実行可能な計算機システム(審査システム)の構成については、前述した実施例1に示す図1と同様である。ここでは、たとえば、前述した記録媒体および伝送媒体を利用して、実施例2のスコアリングモデル評価処理を記述したプログラムを提供する。
つづいて、実施例2の特徴的な構成および動作を、図面を用いて詳細に説明する。なお、前述した実施例1と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。以下では、実施例1と異なる処理について説明する。
図15は、ASPに対応したスコアリングモデル評価装置としての機能を備えた審査システム1aの構成例を示す図であり、図16は、与信審査、すなわち、本申込から本契約完了までの流れ、および本実施例におけるスコアリングモデル評価方法を示すフローチャートである。
本実施例では、まず、融資申込者が、サービスを利用する複数の企業にそれぞれ設置された端末(図示の当社、A社,B社,C社,D社,…に相当)を利用して、融資の申し込みを行う(店頭,インターネット,自動契約機等)。そして、融資申込者または店頭の担当者等から入力された、審査に必要な申込データ(名前,住所,電話番号,その他の審査項目)を、ネットワークにより接続された審査システム1aの申込受付情報DB11aに登録する(図16、ステップS31)。このとき、上記申込データは、サービスを利用する複数の企業単位に設けられた専用DB11a−1,11a−2,11a−3,11a−4,11a−5,…に、個別に記録される。なお、上記各企業は、申込データ登録用の端末として、サービスを提供する事業者(ASP)から提供される専用端末(アプリケーションソフトインストール済みのパソコン等)を使用することとしてもよいし、または、記録媒体および伝送媒体を利用してアプリケーションソフトをインストールした汎用端末を使用することとしてもよい。また、本実施例の図15では、一例として、サービスを利用する複数の企業が5社の場合について記載している。
つぎに、上記申込受付情報DB11a内の特定の専用DB(11a−1,11a−2,11a−3,11a−4,11a−5のいずれか)に新たに申込データが登録された場合、審査対象データ抽出手段12では、その専用DBに記憶された申込データを読み出し(ステップS1a)、その結果を審査対象データ記憶手段13内の基本属性情報DB13−1に記憶する。
つぎに、名寄せ/ポリシー判定手段14では、上記新たな申込データが登録された専用DBから当該申込データを読み出し、前述した実施例1と同様の手順で、名寄せ判定およびポリシー判定を行う(ステップS2a,S3,S5a,S6)。このとき、名寄せ判定(ステップS2a,S3)では、上記融資を申し込まれた企業において既存顧客か否認顧客(直近断り先)かを判定し、ポリシー判定(ステップS5a,S6)では、上記融資を申し込まれた企業のポリシー(図示の各社ポリシーに相当)と申込条件が合致しているかどうか(年齢制限,年収等)を判定する。そして、ステップS5a,S6の判定処理で「承認」された場合、審査対象データ抽出手段12は、前述した実施例1と同様の手順で、上記専用DBに記憶された新たな申込データに基づいて審査対象データを特定し、その属性データを抽出する(ステップS7)。
以降、本実施例においては、融資を申し込まれた企業単位に、前述した実施例1と同様の手順で、図16に示すステップS8〜S15およびステップS21〜S24の処理を実行する。具体的には、上記サービスを利用する企業毎に、ターゲットとなる客層,申込者のスコアリングポイントの分布等が異なり、また、モデルパターン,モデル評価方法,収益目標,コスト,上限金利等についてもそれぞれ異なるので、上記サービスを利用する企業単位に、図16に示すステップS8〜S15およびステップS21〜S24の処理を実行する。
なお、本実施例においては、図15の構成に限るものではなく、たとえば、上記サービスを利用する企業単位に、モデルパターン無作為振分手段16,判定手段17,審査結果データ記憶手段18,融資条件算出手段19,審査結果/融資条件DB20,評価手段21,比較結果DB22,モデル配分算出手段23,収益テーブル作成手段31,顧客稼動状況記憶手段32を、それぞれ用意することとしてもよいし、また、上記各構成の一部を企業単位に用意することとしてもよい。
以上のように、本発明にかかるスコアリングモデル評価方法は、たとえば、現行のスコアリングモデル(上記チャンピオンに相当)のリバイズを行う場合に有用であり、特に、融資可能な顧客に対して、常時最適な金利で最適な金額を貸し出すための方法として適している。
本発明にかかるスコアリングモデル評価方法を実現するための計算機システムの構成を示す図である。 実施例1の審査システムの構成例を示す図である。 実施例1におけるスコアリングモデル評価方法を示すフローチャートである。 スコアリングモデルによる判定結果の一例を示す図である。 ルールチェックによる判定結果の一例を示す図である。 顧客情報DBに記憶された顧客情報の一例を示す図である。 スコアリングモデルの評価処理の概要を示す図である。 チャンピオンにおけるGoodとBadの分布の一例を示す図である。 チャンピオンにおけるGoodとBadの分布の一例を示す図である。 チャレンジャーにおけるGoodとBadの分布の一例を示す図である。 スコアリングモデルの稼動割合の調整処理の一例を示す図である。 収益テーブルの一例を示す図である。 累積収益構成比(%)の一例を示す図である。 判別効率(%)の一例を示す図である。 収益目標に応じた貸付金利の算出例を示す図である。 実施例2の審査システムの構成例を示す図である。 実施例2におけるスコアリングモデル評価方法を示すフローチャートである。
符号の説明
1,1a 審査システム
11,11a 申込受付情報DB
11a−1,11a−2,11a−3,11a−4,11a−5 専用DB
12 審査対象データ抽出手段
13 審査対象データ記憶手段
13−1 基本属性情報DB
13−2 電話番号履歴情報DB
13−3 個人信用情報DB
14 名寄せ/ポリシー判定手段
15 顧客情報DB
16 モデルパターン無作為振分手段
17 判定手段
18 審査結果データ記憶手段
18−1 スコアリング審査結果DB
18−2 ルールチェック審査結果DB
19 融資条件算出手段
19−1 カットオフ設定手段
19−2 収益テーブル記憶手段
20 審査結果/融資条件DB
21 評価手段
22 比較結果DB
23 モデル配分算出手段
31 収益テーブル作成手段
32 顧客稼動状況記憶手段
41 顧客稼動状況DB
42 顧客稼動状況トラッキング手段
101 制御ユニット
102 メモリユニット
103 表示ユニット
104 入力ユニット
105 CD−ROMドライブユニット
106 ディスクユニット
107 外部I/Fユニット
200 CD−ROM

Claims (9)

  1. 計算機システムにおいて実現する、与信審査の結果を利用したスコアリングモデル評価方法であって、
    前記計算機システムにおいて、
    融資申込者情報データベースに、融資申込者を特定するための情報を含む複数の融資申込者情報を格納する融資申込者情報格納ステップと、
    情報振分手段が、前記融資申込者情報データベースに格納された前記複数の融資申込者情報を読み出し、各融資申込者情報をそれぞれ予め規定した割合で、現行のスコアリングモデル、および比較対象となる1つまたは複数のスコアリングモデル、のうちのいずれか
    に振分ける情報振分ステップと、
    判定手段が、前記情報振分ステップにおいて振分けられた前記融資申込者情報の情報主体である融資申込者の信用度合を、当該融資申込者情報の属するスコアリングモデルでスコアリングし、当該スコアリング結果として得られるスコアポイントと所定のしきい値(カットオフ)を比較することにより当該融資申込者が融資可能な顧客かどうかを判定する判定ステップと、
    前記判定手段が、融資申込者毎に、当該融資申込者情報の属するスコアリングモデルと当該スコアリングモデルでスコアリングされた結果であるスコアポイントと前記判定結果(承認または否認)と前記融資申込者情報とを関連付けてスコアリング結果データベース
    に格納するスコアリング結果格納ステップと、
    顧客稼働状況記憶手段が、前記融資申込者情報と当該融資申込者情報の情報主体である融資申込者の返済状況とを関連付けて顧客稼働状況データベースに格納する顧客稼動状況記憶ステップと、
    評価手段が、所定の観察期間が経過する毎に、前記融資申込者情報と当該融資申込者情報の情報主体である融資申込者の返済状況とを前記顧客稼働状況データベースから読み出し、当該融資申込者の返済状況から、前記スコアリングモデル毎に、融資申込者のうちの予定通り返済している第1の顧客のスコアポイント毎の人数の分布と予定通り返済していない(債務不履行の)第2の顧客のスコアポイント毎の人数の分布とを求め、さらに、それぞれの分布が重なり合う部分の大きさを示す分離度を計算し、それぞれの分布が重なり合う部分が小さい(分離度が大きい)ほど、第1の顧客と第2の顧客の判別力が高くスコアリングモデルの精度が高いと評価する評価ステップと、
    前記評価手段が、前記評価ステップにおける評価結果を比較結果データベースに格納する比較結果格納ステップと、
    モデル配分算出手段が、前記比較結果データベースから前記評価結果を読み出し、前記評価ステップにおいて前記比較対象となるスコアリングモデルの方が現行のスコアリングモデルよりも精度が高いという評価が得られている場合に、現行のスコアリングモデルと比較対象となるスコアリングモデルのそれぞれの分離度の差(乖離率)を計算し、さらに、段階的に規定された観察期間が長くなるほど、かつ、段階的に規定された観察期間単位に乖離率が大きくなるほど、当該比較対象となるスコアリングモデルへの振分け割合が大きくなるように、当該比較対象となるスコアリングモデルの振分け割合を現在の振分け割合から100%の間で決定し、当該決定した振分け割合への変更を前記情報振分手段に対して指示する調整ステップと、
    前記情報振分手段が、前記モデル配分算出手段からの指示にしたがって融資申込者情報の振分け割合を変更する変更ステップと、
    を含むことを特徴とするスコアリングモデル評価方法。
  2. 前記判定ステップでは、前記振分けられた融資申込者情報に基づいた統計的リスク分析により融資申込者毎にスコアポイントを算出し、前記カットオフ以上のスコアポイントを有する融資申込者を融資可能な顧客として承認することを特徴とする請求項1に記載のスコアリングモデル評価方法。
  3. 前記調整ステップでは、より精度の高いことが判明したスコアリングモデルの稼動割合を徐々に増やすように前記情報振分手段に指示することを特徴とする請求項1または2に記載のスコアリングモデル評価方法。
  4. さらに、収益テーブル作成手段が、融資申込者の信用度合を示すスコアポイント単位の債務不履行の割合、スコアポイント単位の申込者数、コスト、平均貸付額および期待収益を含む入力パラメータを初期設定値とし、さらに、スコアポイントが低くなるに従って金利が高くなるように融資申込者の信用度合に応じた貸付金利を設定することとし、当該各種設定値と当該各種設定値に基づいて計算されたスコアポイント毎の口座数%(全申込者数に対するスコアポイント単位の申込者数の割合)やBad%(全申込者数に対するスコアポイント単位の債務不履行の顧客数の割合)および収益(収益率、収益割合、累積収益割合を含む)と、を関連付けて記載した収益テーブルを、スコアリングモデル毎に作成する収益テーブル作成ステップと、
    前記収益テーブル作成手段が、前記収益テーブルを収益テーブル記憶手段に記憶する収益テーブル記憶ステップと、
    カットオフ設定手段が、スコアリングモデル毎に、前記収益テーブル記憶手段から収益テーブルを読み出し、当該収益テーブルに基づいて、前記累積収益割合の最も高いスコアポイント、または、前記Bad%の累積値と前記口座数%の累積値との間で最も差の大きいスコアポイント、をカットオフとして設定するカットオフ設定ステップと、
    を含むことを特徴とする請求項1、2または3に記載のスコアリングモデル評価方法。
  5. 前記収益テーブル作成ステップでは、前記収益テーブル作成手段が、前記顧客稼動状況データベースから融資申込者の返済状況を読み出し、実際の返済状況に応じて収益テーブルを随時更新し、
    前記カットオフ設定ステップでは、前記読み出した収益テーブルの変化に応じてカットオフを調整することを特徴とする請求項4に記載のスコアリングモデル評価方法。
  6. さらに、融資条件算出手段が、前記判定ステップにおける判定処理により前記融資申込者が融資可能な顧客として承認された場合に、前記スコアリング結果データベースから当該融資申込者のスコアポイントを読み出し、さらに、前記収益テーブル記憶手段から前記融資申込者が属するスコアリングモデルに対応する収益テーブルを読み出し、前記収益テーブルに記載された前記スコアポイントに対応する貸付金利を、前記融資申込者の貸付金利とする融資条件算出ステップと、
    前記融資条件算出手段が、前記融資条件を融資条件データベースに格納する融資条件格納ステップと、
    を含むことを特徴とする請求項5に記載のスコアリングモデル評価方法。
  7. 前記融資条件算出ステップでは、前記融資条件算出手段が、前記更新された収益テーブルに記載されたスコアポイント単位の債務不履行の割合およびスコアポイント単位の申込者数に基づいて、規定された収益目標に応じた貸付金利をスコアポイント毎に算出することを特徴とする請求項6に記載のスコアリングモデル評価方法。
  8. サービスを利用する複数の企業にそれぞれ設置された端末、およびスコアリングモデル評価装置としての機能を備えた計算機システム、において実現する与信審査の結果を利用したスコアリングモデル評価方法であって、
    前記計算機システムにおいて、
    前記複数の企業にそれぞれ設置された端末からネットワークを介して送られてくる、融資に関する所定の申込データを、企業単位に専用データベースに格納する申込データ格納ステップと、
    審査対象データ抽出手段が、前記専用データベースから申込データを読み出し、当該申込データに基づいて前記融資申込者情報を特定する融資申込者特定ステップと、
    を含み、
    前記融資申込者特定ステップにて特定された前記融資申込者情報を用いて、前記企業毎に個別に、前記請求項1〜7のいずれか一つに記載の処理を実行することを特徴とするスコアリングモデル評価方法。
  9. 請求項1〜のいずれか一つ記載のスコアリングモデル評価方法をコンピュータに実行させることを特徴とするスコアリングモデル評価プログラム。

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