JP3896138B2 - 陶芸用の成形体すくい具 - Google Patents

陶芸用の成形体すくい具 Download PDF

Info

Publication number
JP3896138B2
JP3896138B2 JP2005119848A JP2005119848A JP3896138B2 JP 3896138 B2 JP3896138 B2 JP 3896138B2 JP 2005119848 A JP2005119848 A JP 2005119848A JP 2005119848 A JP2005119848 A JP 2005119848A JP 3896138 B2 JP3896138 B2 JP 3896138B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molded body
kiln
molded
scooping
tool
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005119848A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006298676A (ja
Inventor
泰明 和田
Original Assignee
有限会社琴浦窯
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 有限会社琴浦窯 filed Critical 有限会社琴浦窯
Priority to JP2005119848A priority Critical patent/JP3896138B2/ja
Publication of JP2006298676A publication Critical patent/JP2006298676A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3896138B2 publication Critical patent/JP3896138B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、窯で焼成中の成形体を窯内ですくい上げるための陶芸用の成形体すくい具に関する。
一般的に陶磁器の製造は、耐火れんが等で構築した穴窯や登り窯といった窯に、作品(以下焼成が完了する前の作品を成形体という)を入れて1200〜1300℃の高温で焼成することにより行なわれる。陶芸作品は、一般に作品の色具合を出すために、表面に釉薬を施して焼成する方法と、釉薬をかけずに高温で焼成する方法がある。
窯焼作業では、窯の温度管理だけでなく、焼成状態の確認のために予め入れておいた焼成確認用の成形体(サンプル)を窯から引出したり、色彩を出すために、成形体に直接灰を被せたり、窯から引出して引出黒を施すといった、成形体を移動させる作業をすることがあった。
高温の窯から焼成中の成形体を取り出すため、従来は鉄鉤や鉄鋏で焼成中の成形体を引っ掛けたり、挟むようにしている(非特許文献1,非特許文献2)。
"2004年 穴窯のページ"、[online]、[平成17年4月15日検索]、インターネット<http://ha5.seikyou.ne.jp/home/Minck/news/anagama/anagama-hiki.htm> "窯焚き記録4"、[online]、[平成17年4月15日検索]、インターネット<http://www.sunfield.ne.jp/~onotetsu/cray/kamataki4.htm>
従来のように、鉄鉤で作品を引っ掛けるには、成形体が上端を絞った筒状になっている必要があり、成形体の形状によっては使用困難となる。また、引っ掛けた成形体を移動させるときに、成形体が引っ掛かっているだけなので姿勢が安定せず、成形体を落として割ってしまう場合があった。
また、鉄鋏で成形体を挟む場合は、長尺の鉄鋏の製作が難しく、かつ窯の手前側の成形体しか挟むことができなかったので、高温の窯の近くで作業せざるを得ず、作業環境が過酷となっていた。また、鉄鋏は、成形体を挟む力が必要なため、離れた位置から挟み込むには常に多大な力が必要で、作業者の負担が大きくなっていた。
本発明は、容易にかつ確実に焼成中の成形体をすくい上げることができる成形体すくい具を提供する。
請求項1の陶芸用の成形体すくい具は、焼成中の成形体を窯内ですくい上げるためのものであって、先端を開口した略U字状の支持部と、この支持部を先端に備えた柄とからなり、支持部に、すくいあげる対象の成形体表面の逆円錐部分を支持するテーパ部と、すくいあげる対象の平坦部分を支持する平面部とを、前後にずらして設けている。すくい上げ対象としては、成形体だけでなく、成形体を支持する支持板も含まれる。
このすくい具を用いれば、窯の中で焼成中の作品の側面又は底面を支持部で確実にすくい上げることができる。すなわち、テーパ部で側面が逆円錐状の成形体を安定してすくうことができ、平面部で底面が平坦な筒状の成形体を安定してすくうことができる。また、柄は、棒として作業者が持つだけなので長くすることもできる。
請求項2の陶芸用の成形体すくい具は、支持部の先端に上方に傾斜した傾斜部を有している。従って、窯の引出口や焚口から挿入した引出棒の支持部が、成形体をすくい上げるときに、傾斜部で徐々に根元側へ移動させることができ、すくい上げやすくなる。
請求項1の発明は、窯で焼成中の成形体を安定した状態で移動させることができ、窯の中や外で成形体を落としにくくなる。また、逆円錐状のテーパ部と平面部とを備えることにより、側面が逆円錐状の成形体や、底面が平坦な円筒状の成形体を安定してすくい上げることができ、形状の異なる陶磁器にも共用可能となる。この点多品種を少量生産する陶芸用の用具として好都合である。
請求項2の発明は、請求項1に加え、傾斜部で成形体を徐々に移動させながら支持部の根元側にずらせていくことができるので、成形体の底面をすくい上げる操作が簡単に行える。
本発明の実施の形態を図1〜図6を参考に説明する。なお、図1は本発明のすくい具の斜視図、図2は同じく側面図、図3は同じく底面図である。
成形体すくい具1は、図1に示すように、全長2mほどの長さがあり、全体がステンレス鋼で形成されている。すくい具1は、窯の温度が1200〜1300℃になるので、ステンレス鋼に限らずチタンや他の合金であってもよく、窯内へ入れた時に窯内の温度で溶けたり、変形したりしない材料で、焼成中の作品に影響を与えず、安価な材料が好ましい。すくい具1の長さは必要により長くても短くてもよく、作業がし易い長さであればよい。
すくい具1は、人が持つ柄2と、柄2の先端に設けた成形体を持ち上げる支持部3とから形成されている。すくい具1は長いものを人が操作するので軽い方がよい。従って、柄2は内部が中空に形成されているが、特に重さが問題とならないのであれば中実に形成してもよい。
支持部3は先端を開口した略U字状をなし、平面視で曲線状の根元部4と根元部4の両端から延びた二つの先端部5とで構成される。両先端部5、5の間隔Lは先端側の方が僅かに小さくなっている(図3参照)。図2および図3に示すように、支持部3の下縁3aは、平面上に支持部3を安定して載置できるように段差のない平滑な形状になっている。支持部3の根元部4には柄2の先端が溶接等の手段で固定される。固定後は、支持部3の下縁3aが柄2の延びる方向に対して僅かに上方に傾斜している。
根元部4には、その内面全体に逆円錐面状のテーパ部4aが形成されている。
先端部5は、その上面に形成された平坦な平面部5aと、その内面に形成されたテーパ状の案内部5bと、平面部5aの先端に形成され、平面部5aに対して上方に傾斜した傾斜部5cとを有する。平面部5aは、テーパ部4aの上端から下がった位置にある。案内部5bは平面部5aの先端まで延び、テーパ部4aと同一のテーパ角度で根元部4のテーパ部4aと滑らかにつながっている。傾斜部5cは板状をなし、その上面は平面部5aにつながっている。二つの傾斜部5cの先端の間隔は、成形体7,8の底面に設けられた高台7c、8cの外径寸法よりも大きい。
すくい具1で、移動させる成形体は、図5および図6に示すように2種類の陶器となる成形体7,8で、前者が逆円錐状の側面7aで形成され、底面7bに高台7cを有しており、後者が円筒状の側面8aで形成され、底面8bに高台8cを有した器である。
成形体7,8は、窯9の内部に設けられた棚板10に載置するとき、複数個の目土11の上に高台7c,8cを置いて載置している。成形体7,8は棚板10の上に置かずに直置きをしてもよい。成形体7,8の焼成後の用途は特にとわず、湯飲み、茶器、花器等の成形体で、すくい具1ですくうことができるものであればよい。
窯9は耐化れんが等で形成されており、図4に示すように、窯9の大口9aから出入りして、焼成する成形体7,8を棚板10や床に置き、その後、大口9aを耐化れんが9bで塞ぎ、上部に薪を投入する焚口9cを形成して薪で窯内を1200〜1300°まで炊き上げる。窯内の温度は、1200〜1300°に限定されるものではなく、例えば楽焼き等は750〜1100°で焼成をおこなっている。
窯9は、薪を燃やす穴窯や登り窯に限定されるものでなく、電気炉やガス炉であって、成形体を出し入れできる開口があるものでよい。
高温の窯内の成形体7,8を所望の作品に仕上げるために、成形体7,8を移動させて窯9内の灰溜りに落とし、成形体表面に灰を付着させたり、成形体7,8を焚口9cから引出す時の、すくい具1で成形体7,8を持ち上げる過程を図5、図6を参考に説明する。
図5は逆円錐状の側面7aを有する成形体7をすくい上げた状態を示している。すくい具1を焚口9cから窯内へ入れて、成形体7の側面7aの外側にテーパ部4aがくるように傾斜部5c間の先端より成形体7の高台7cを挿入する。テーパ部4aが側面7aに当たるかその近傍に達したときに、すくい具1を持ち上げれば、成形体7の側面7aとテーパ部4aとが接触して、成形体7を上にすくい上げることができる。この際、成形体7は、平面部5aが案内部5bよりも外側にあるので、平面部5aと干渉することなくスムーズにテーパ部4aの近傍まで達することができる。また、すくい具1の案内部5bでも成形体7の逆円錐状の側面7aをすくうことができる。
図6は、円筒状の側面8aを有する成形体8をすくい上げた状態を示している。すくい具1を焚口9cから窯内へ入れて、高台8cの外側に傾斜部5cがくるように傾斜部5c間の先端より成形体8の高台8cを挿入する。平面部5aが底面8bの直下に達した後、すくい具1を持ち上げれば成形体8の底面8bを平面部5aで支持することができる。この時、成形体8は、テーパ部4aに当たることがない。
高台8cの高さH1より平面部5aの高さH2が大きい場合(H2>H1)には、傾斜部5cが水平に近づくようにすくい具1を傾けた状態で、傾斜部5cを高台8cの周囲の隙間に入れ、その後、すくい具1を持ち上げれば、成形体8を根元側に徐々にずらせて平面部5aで成形体8の底面8bを支持することができる。
引出棒1を焚口9cから窯9内へ入れたが、別途引出口を形成しておいてもよい。
このように本発明のすくい具1であれば、形状の異なる成形体7,8であっても安定して支持することができ、成形体の窯9内での移動や窯9からの取出しを作業者に過度の負担を強いることなく安全に行うことができる。陶磁器における成形体は、そのほとんどが側面を逆円錐状とし(図5参照)、もしくは底面を平坦としているので、窯9内で形状の異なる複数種類の成形体を焼成する場合にも、一つのすくい具1で対応することができる。
なお、すくい具1のうち、少なくとも支持部3をステンレス鋼で形成すれば、ステンレス鋼の融点が焼成温度よりも高いため、窯9内での作業中にすくい具から鉄分が遊離しにくい。そのため、遊離した鉄分と成形体表面に塗布した釉薬との化学反応による変色を防止することができる。
なお、以上の説明では、支持部3の先端側に平面部5aを配置すると共に、後側(根元側)にテーパ部4aを配置する場合を例示したが、これとは逆に、先端側にテーパ部4aを配置すると共に、後側に平面部5aを配置してもよく、柄2が支持部3に取付けられていればすくい具1として使用することができ、柄2と支持部3の開口の位置は直線状にあってもよいし、角度を設けてあってもよい。
また、以上の説明では、すくい具として直接成形体7,8をすくい上げる場合を説明したが、この他にも棚板10等の上に目土11を介して支持板を載せ、支持板上に成形体7,8を載せた場合には、支持板と棚板等との間に傾斜部5cを差し入れ、すくい具1で支持板をすくい上げることで、成形体を間接的に持ち上げるような態様で使用することもできる。この場合、支持部3の平面部5aで支持板を安定して支持することができる。
本発明の成形体のすくい具の斜視図である。 図1のすくい具の支持部を拡大した底面図である。 図1のすくい具の支持部を拡大した側面図である。 窯から成形体の引出作業中の斜視図である。 逆円錐状の成形体をすくいあげている状態を説明する一部断面図である。 円筒状の成形体をすくいあげている状態を説明する一部断面図である。
符号の説明
1 すくい具
2 柄
3 支持部
4a テーパ部
5a 平面部
5c 傾斜部
7,8 成形体

Claims (2)

  1. 焼成中の成形体を窯内ですくい上げるためのものであって、先端を開口した略U字状の支持部と、この支持部を先端に備えた柄とからなり、支持部に、すくいあげる対象の成形体表面の逆円錐部分を支持するテーパ部と、すくいあげる対象の平坦部分を支持する平面部とを、前後にずらして設けたことを特徴とする陶芸用の成形体すくい具。
  2. 前記支持部の先端に上方に傾斜した傾斜部を設けたことを特徴とする請求項1記載の陶芸用の成形体すくい具。
JP2005119848A 2005-04-18 2005-04-18 陶芸用の成形体すくい具 Expired - Fee Related JP3896138B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005119848A JP3896138B2 (ja) 2005-04-18 2005-04-18 陶芸用の成形体すくい具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005119848A JP3896138B2 (ja) 2005-04-18 2005-04-18 陶芸用の成形体すくい具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006298676A JP2006298676A (ja) 2006-11-02
JP3896138B2 true JP3896138B2 (ja) 2007-03-22

Family

ID=37467190

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005119848A Expired - Fee Related JP3896138B2 (ja) 2005-04-18 2005-04-18 陶芸用の成形体すくい具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3896138B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006298676A (ja) 2006-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3896138B2 (ja) 陶芸用の成形体すくい具
WO1996001033A1 (en) A vertically lifted portable electric furnace
JP2021533327A (ja) 粉末混合物を熱処理するための容器、炉、及び方法
DE102020109863A1 (de) Entfernvorrichtung für Schlacke
Siljan et al. REFRACTORIES FOR MOLTEN ALUMINIUM CONTACT. PT. 2. INFLUENCE OF PORE SIZE ON ALUMINIUM PENETRATION
JP7123846B2 (ja) 鉛ボタン投入用冶具及びそれを用いた鉛ボタンの灰吹き方法
CN206601372U (zh) 一种火试金灰吹炉灰皿板用固定托盘
JP2009142844A (ja) 鋳造方法および鋳造機ならびに鋳造機用酸化膜除去装置
CA2162228A1 (en) Device for holding billets
US20210393077A1 (en) Charcoal Rocket Igniter With Bottom Release Grate
JP3111803U (ja) 孔付部品の吊り具
CN213687820U (zh) 一种分段式感应熔炼炉
CN214810979U (zh) 一种空气滤膜铀含量分析用组合铂金坩埚
CN209013745U (zh) 一种手动式可升降加热管的箱式电炉
CN210242440U (zh) 一种硅碳棒易拆装的电阻炉炉膛结构
CN216349621U (zh) 一种箱式电阻炉开口取样器
CN208463745U (zh) 一种新型披萨炉
CN209559546U (zh) 一种陶瓷提斗钢水取样器
CN216192623U (zh) 一种用于热镀锌锅就位的抬升装置
CN215864580U (zh) 一种可高温灼烧样品和熔矿的马弗炉用耐火组件
CN210613764U (zh) 一种高温热区内坩埚定位锁紧装置
KR200315414Y1 (ko) 주물괴 집게
CN212818244U (zh) 二氧化锆义齿快速结晶炉
CN208872096U (zh) 一种带转笼的箱式电炉
CN207215497U (zh) 一种转炉炼钢渣样提取器

Legal Events

Date Code Title Description
A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20060904

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20061010

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061012

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061025

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees