JP3895515B2 - ストレートアスファルトおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石油精製において製造されるストレートアスファルトおよびその製造方法に関し、特には耐わだち掘れ、耐疲労ひび割れおよび耐低温ひび割れなどの性能を改良し、道路舗装用、水利構造物用および改質アスファルト原料用などに好適なストレートアスファルトおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ストレートアスファルト(以下、ストアスともいう。)は、石油精製により製造され、道路舗装用、水利構造物用および改質アスファルト原料用などとして用いられている。従来、日本におけるアスファルトの規格としてはJIS K 2207「石油アスファルト」に規定する品質規格(以下、JIS規格という。)がある。JIS規格ではストアスは25℃における針入度(以下、針入度(25℃)という。)によって0〜300の範囲を10段階に分類されており、このなかで代表的な針入度(25℃)60〜80のストアスは道路舗装用としての需要のほぼ70%を占めている。
【0003】
一方、米国において道路舗装用アスファルトに関し、1984〜1993年に道路網の耐久性向上と維持管理技術革新を目的としてSHRP(Strategic Highway Research Program)が実施され、その研究成果の一つとして、SUPERPAVE(Superior Performing Asphalt Pavement)バインダ規格(以下、SHRP規格という。)が提案された。
前述のJIS規格が、単に劣化試験前のアスファルト(以下、オリジナルアスファルトともいう。)の針入度(25℃)、軟化点などの物性でアスファルトを分類する半経験的な規格であるのに対して、SHRP規格はオリジナルな状態、施工直後の状態、さらに5〜10年間の長期供用後の状態を考慮してアスファルトを評価する極めて合理的な規格である。
【0004】
SHRP規格は、アスファルトを分類するためにPG(Performance Grade)を定めており、アスファルトを供用できる地域の舗装体の最高設計温度(以下、単に「最高温度」という。)と最低設計温度(以下、単に「最低温度」という。)を6℃刻みで表記するので、規格と供用性の関係が明快である。例えば、PG64-22のストアスを用いた舗装体は、最高温度が64℃以下、最低温度が-22℃以上の場所で供用可能であるが、最高温度が64℃を超える場所ではわだち掘れを、また、最低温度が-22℃を下回る場所では疲労ひび割れ、低温ひび割れを起こす可能性がある。
【0005】
ここで、最高温度は、オリジナルアスファルトのダイナミックシェアレオメータ(Dynamic Shear Rheometer。常温から高温にかけての動的粘弾性を測定する装置である。以下、DSRという。)試験の値(G*/sinδ:弾性率の1種)がある値に達した時の測定温度と、施工直後の状態を示す回転式薄膜加熱試験(Rolling Thin Film Oven Test。以下、RTFOTという。)後のアスファルトのDSRの値(G*/sinδ)がある値に達した時の測定温度のうち、どちらか低い方の測定温度である。最高温度が高いストアスは耐わだち掘れに優れている。
【0006】
また、最低温度は、RTFOT後のアスファルトをさらに加圧劣化容器(Pressurized Aging Vessel。以下、PAVという。)にて加圧劣化させた後のアスファルト(以下、RTFOT+PAV後のアスファルトという。)のDSRの値(G*・sinδ)がある値に達した時の測定温度とRTFOT+PAV後のアスファルトのベンディングビームレオメータ(Bending Beam Rheometer。低温における静的粘弾性を測定する装置である。以下、BBRという。)試験のS値(クリープスティフネス値)およびm値(S値の時間傾き)がある値に達した時の測定温度よって決定される。この加圧劣化(RTFOT+PAV)後のアスファルトは、5〜10年間の長期供用後の状態と相関性がある。
【0007】
DSR(G*・sinδ)がある値に達したときの測定温度と、BBR(S値およびm値)がある値に達したときの測定温度によって最低温度が決まるが、前述のように最低温度が低い方が、耐疲労ひび割れ、耐低温ひび割れに優れており、また、DSRから得られる温度は、耐疲労ひび割れとの関連性が強く、BBRから得られる温度は、耐低温ひび割れに関連している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
JIS規格で製造されたストアスをSHRP規格で評価したところ、日本のストアスはPG64-22、PG64-16、PG58-22、PG58-16に分布することが見出された。換言すれば、JIS規格では区別することができないストアスも、DSRとBBRで評価すると実際には最高温度に6℃の開きがあり、また最低温度にも6℃の優劣があることが明らかとなった。
【0009】
しかし現在のところ、前述の供用可能温度のばらつきが、どのような要因に起因しているのか明らかでない。本発明は、このような課題を解決するものであり、良好な供用可能温度を確保できるストアスの製造方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、供用可能温度に及ぼす原油性状とストアスの物理性状の影響を鋭意研究した結果、特定の性状の原油を用い、かつ、得られたストアスが特定の物理性状を有する場合にわだち掘れ、疲労ひびわれ、低温ひび割れを起こさない指標である良好な供用可能温度を確保することが可能であることを見いだした。
【0011】
原油性状のうち硫黄分、流動点、動粘度などは、原油の産地を限定すればある程度供用可能温度との相関が認められる場合もあるが、産地が異なると傾向がばらばらであるため、全体としてみれば供用可能温度と何ら関係が認められなかった。これに対して、API度は最高温度との関係は弱いが、最低温度と正の相関(API度が小さいほど最低温度が低くなる。)を持つことが判明した。すなわち、処理原油のAPI度は、原油の産地に係わらず最低温度と相関が認められることを見いだした。
【0012】
一方、ストアスの物理性状については、軟化点、伸度、トルエン可溶分、120℃における動粘度などは供用可能温度と相関が認められなかった。これに対して、針入度(25℃)は供用可能温度と強い負の相関(針入度(25℃)が小さいほど最高温度、最低温度が高くなる。)があることを見いだした。
また、180℃における動粘度(以下、動粘度(180℃)という。)は針入度(25℃)より影響度は小さいものの供用可能温度と正の相関(動粘度(180℃)が小さいほど最高温度、最低温度が低くなる。)を持つことが分かった。
【0013】
そして上記の知見から、原油混合物のAPI度、ストアスの針入度(25℃)および動粘度(180℃)を特定することにより、ストアスの供用可能温度を改善できるとの着想を持ち鋭意研究を行った。その結果、まず最初に、API度を特定した原油混合物の減圧蒸留残油を用い、できるだけストアスの最低温度を低くしたうえで、次に、最低温度の余裕代の範囲内で、ストアスの針入度(25℃)を特定し最高温度を改善する方法を採用すれば、広い供用可能温度を確保できることを見出した。このとき、動粘度(180℃)は針入度(25℃)の効果を相殺する働きがあることから、あらかじめ一定の範囲内に抑えておく必要がある。
【0014】
すなわち、本発明は、原油を減圧蒸留して得た残油を原料としてストレートアスファルトを製造する方法において、該原油が複数の産地の原油を混合してAPI度35.0以下とした原油混合物であり、前記ストレートアスファルトの25℃における針入度が45以上71以下かつ180℃における動粘度が90mm2/s以下となるように調整することを特徴とするストレートアスファルトの製造方法であり、さらに、この原油混合物が、アラビアンヘビー原油、イラニアンヘビー原油、クエート原油およびカフジ原油から選択される1種以上の原油を合計で20容量%以上90容量%以下含むことが好ましい。
【0015】
また、本発明は、API度35.0以下の原油混合物から製造された減圧蒸留残油を含み、25℃における針入度が45以上71以下かつ180℃における動粘度が90mm2/s以下のストレートアスファルトである。
本発明では、減圧蒸留残油の製造に関して2種類以上の原油を混合することで、所定のAPI度に設定している。これは単一の原油を用いるのでは原油選択の自由度が少ないため工業的見地からみて実用上の価値が低下するためである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明によるストアスは、API度35.0以下の原油混合物から製造された減圧蒸留残油を含み、針入度(25℃)が45以上71以下かつ動粘度(180℃)が90mm2/s以下であり、好ましくはAPI度が34.0以下、針入度(25℃)が47以上70以下かつ動粘度(180℃)が85mm2/s以下であり、特には、API度が33.0以下、針入度(25℃)が50以上70以下かつ動粘度(180℃)が80mm2/s以下であることが好ましい。
【0017】
ここで、本発明によるストアスの製造に用いる原油混合物のAPI度は、 JIS K 2249「原油及び石油製品−密度試験方法及び密度・質量・容量換算表」に規定する振動式密度試験方法で密度(15℃)を測定し、これをJIS K 2249の附属書2「原油及び石油製品の密度(15℃)、API度及び比重60/60°Fの相互換算方法」にて換算して求めることができる。
API度は、異なるAPI度の各種の原油を適宜混合して調整することができる。API度は、35.0以下、好ましくは34.0以下、より好ましくは33.0以下あり、小さいほど良好である。すなわち、API度がこれらの値を超える場合は、原油混合物がパラフィニックになって最低温度が上昇し、明らかに疲労ひび割れや低温ひび割れを生じ易くなる。なお、API度は、25以上がより好ましい。
【0018】
針入度(25℃)は、JIS K 2207に規定する針入度試験方法で求めることができる。針入度(25℃)は、45以上71以下、好ましくは47以上70以下、より好ましくは50以上70以下である。針入度(25℃)がこれらの値より小さい場合は、最高温度は上昇するものの最低温度も顕著に上昇し悪化するので好ましくなく、一方上述の値を超える場合は、最高温度の改善効果が十分でなくわだち掘れを生じる可能性が残る。
【0019】
動粘度(180℃)は、JIS K 2207に規定する高温動粘度試験方法(毛管法)にて求めることが好ましい。動粘度(180℃)は、セイボルトフロール秒試験方法にてセイボルトフロール秒を測定し、これに係数を乗じて推定する方法もあるが、この方法は精度が悪いので好ましくない。動粘度(180℃)は、90mm2/s以下、好ましくは85mm2/s以下、より好ましくは80mm2/s以下である。
動粘度(180℃)がこれらの値より大きい場合は、前述の針入度(25℃)の効果を阻害するので好ましくない。なお、動粘度(180℃)は、60mm2/s以上が好ましい。
【0020】
本発明のストアスの製造方法において、最初に、複数の原油を混合して原油混合物のAPI度を上記の範囲内に調整し、できるだけストアスの最低温度を低くする。次いで、原油混合物を常圧蒸留装置に張り込みLPG、ナフサ、ガソリン、灯油、軽油などを留出させた後の常圧蒸留残油を、さらに減圧蒸留装置で減圧蒸留し減圧軽油などを留出させ、同時に塔底部に流出する塔底油、すなわち減圧蒸留残油を得る。
【0021】
減圧蒸留残油の性状としては、針入度(25℃)は30〜110、特には40〜100、動粘度(180℃)は30〜120mm2/s、特には40〜100mm2/sのものを好ましく用いることができる。減圧蒸留残油の針入度(25℃)や動粘度(180℃)が本発明のストアスの性状の範囲内であればそのまま製品化することができる。また、この性状を外れている場合でも、針入度(25℃)や動粘度(180℃)が異なる減圧蒸留残油を調合し、あるいはその他のアスファルト基材、例えば、プロパン脱れきアスファルトなどの溶剤脱れきアスファルト、減圧カットバック油などを配合することによって、ストアス性状を目的とする範囲内に調整して、本発明のストアスを製造することもできる。一般に、溶剤脱れきアスファルトは針入度(25℃)が極めて小さく、動粘度(180℃)が大きい特徴を有し、また、減圧カットバック油は動粘度(180℃)が非常に小さいので、これらのアスファルト基材を減圧蒸留残油に配合すればストアスの針入度(25℃)と動粘度(180℃)を特定する範囲に調整することが可能となる。この場合、所定の原油混合物の減圧蒸留残油をストアス全量基準で50質量%以上、特には60質量%以上配合して製造することが好ましい。
【0022】
ここで、本発明に使用する減圧蒸留残油を得るための前記常圧蒸留装置および減圧蒸留装置は、プロセス、運転条件などを特に限定するものではなく、公知の任意の装置を適宜組み合わせて使用することができる。減圧蒸留装置は、留出油の使用目的により大きく分けると、潤滑油原料用と接触分解/間接脱硫原料油用の2種類の方式があるが、フラッシュ温度などの蒸留条件を調整すれば同様の減圧蒸留残油が得られるので、どちらの方式でも使用可能である。
【0023】
本発明によるストアスは、上述以外の性状については特に規定するものではないが、道路舗装用として、軟化点は42.0〜55.0℃、伸度は10cm以上、引火点は260℃以上、密度(15℃)は1.000g/cm3以上であることが望ましい。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて、より具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
【0025】
以下の実施例および比較例において、原油混合物のAPI度、ストアスの密度(15℃)、引火点、針入度(25℃)、軟化点、伸度(15℃)、動粘度(180℃)、DSRおよびBBRは、次に示す方法により求めた。
原油混合物のAPI度は、JIS K 2249に規定する振動式密度試験方法で求めた密度(15℃)をJIS K 2249の附属書2にてAPI度に換算して求めた。オリジナルストアスの密度(15℃)はJIS K 2207の密度試験方法(ハバード比重瓶法)により、引火点はJIS K 2265「原油及び石油製品ー引火点試験方法」のクリーブランド開放式引火点試験方法により、針入度(25℃)はJIS K 2207の針入度試験方法により、軟化点はJIS K 2207の軟化点試験方法(環球法)により、伸度(15℃)はJIS K 2207の伸度試験方法により、また動粘度(180℃)はJIS K 2207の高温動粘度試験方法(毛管法)によりそれぞれ求めた。
【0026】
DSRは、アスファルトなどの常温から高温にかけての動的粘弾性を示すものであり、オリジナルストアス、RTFOT後のストアスおよびRTFOT+PAV後のストアスについて、「舗装試験法便覧別冊(暫定試験方法)」(平成8年10月(社)日本道路協会編、以下、便覧という。)の第91〜98頁に記載される「ダイナミックシェアレオメーターを用いた舗装用バインダのレオロジー性状の測定方法」により、載荷周波数を10rad/sとして、求めた。
DSR値の一つであるG*/sinδは、耐わだち掘れと相関するが、ここではオリジナルストアス、 RTFOT後のストアスについて、G*/sinδがそれぞれ1.0kPa以上、2.2kPa以上となるときの温度を測定した。これらの測定温度の低い方がストアスの最高温度である。最高温度は64.0℃以上を合格とした。
【0027】
また、もう一つのDSR値であるG*・sinδは、耐疲労ひび割れと相関するが、ここではRTFOT+PAV後のストアスについてこの値が5.0MPa以下となる温度を測定した。測定温度が25.0℃以下を合格とした。
【0028】
BBRは、アスファルトなどの低温における曲げクリープスティフネスを示すものであり、便覧の第80〜87頁に記載される「ベンディングビームレオメーターを用いた舗装用バインダの曲げクリープスティフネスの測定方法」により求めた。BBRのS値、m値は耐低温ひび割れと相関し、S値が小さく(発生応力が小さい)、m値が大きい(応力緩和能が大きい)ものほど優れている。ここでは、RTFOT+PAV後のストアスについて、試験時間を60s(秒)として、S値が300MPa以下、m値が0.30以上となる温度を測定した。これらの測定温度から10℃引いた値がストアスの最低温度となる。測定温度-12.0℃(最低温度-22.0℃)以下を合格とした。
【0029】
なお、上述において、RTFOTは、ASTM D 2872(Standard Test Method for Effect of Heat and Air on a Moving Film of Asphalt ( Rolling Thin-Film Oven Test ))により、PAVは、便覧の第76〜80頁に記載される「加圧劣化容器を用いた舗装用バインダの促進劣化試験方法」によって求めた。
【0030】
実施例および比較例の原油混合物は中東系の原油を複数混合したものを用いた。それらのAPI度および構成比を表1上部に、「原油混合物のAPI度および構成比」として示す。次いでそれぞれ混合物を260〜350℃に加熱し常圧蒸留装置に張り込んだ後、LPG〜軽油を留出させて得られる常圧蒸留残油を、さらに加熱炉で370〜420℃程度に加熱し減圧度2〜12kPaの減圧蒸留装置に張り込んで、減圧軽油などを留出させたときに塔底から流出する減圧蒸留残油を得た。実施例2、3および比較例1〜3のストアスについては、減圧蒸留残油をそのままストアスとして使用した。また、実施例1のストアスは、表3に示す減圧蒸留残油70質量部と、この減圧蒸留残油を原料100容量部当たり5〜12容量部のプロパン単体にて脱れきして得られたプロパン脱れきアスファルト30質量部とを混合して調製した。
【0031】
ストアスの基材構成比、上記の試験方法によるオリジナルストアスの性状、オリジナルストアス、RTFOT後のストアスさらにRTFOT+PAV後のストアスの評価結果、および判定を表1、2に示す。なお、判定は、PG64-22の最高温度(64℃以上)および最低温度(-22℃以下)を満足するものを○(良好)、満たさないものを×(不良)とし、PG64-22の規定値を余裕を持って満足するものを◎(優良)とした。また、実施例1のストアス基材である、減圧蒸留残油とプロパン脱れきアスファルトの性状を表3に示す。
【0032】
【表1】
Figure 0003895515
【0033】
【表2】
Figure 0003895515
【0034】
【表3】
Figure 0003895515
【0035】
表1および2から、原油混合物のAPI度が28〜33であり、ストアスの針入度(25℃)が60〜70であり、かつ、動粘度(180℃)が70〜80mm2/sである実施例のストレートアスファルトはいずれも、最高温度64℃以上かつ最低温度-22℃(測定温度-12℃)以下という優れた供用可能温度を確保できることが分かる。また、アラビアンヘビー原油、イラニアンヘビー原油、クエート原油およびカフジ原油の合計量が、35〜90容量である場合に前記の優れた特性のストアスを比較的容易に製造できることが明白である。一方、原油混合物のAPI度が本発明で規定する範囲を外れる比較例1および2のアスファルトは、耐低温ひび割れ性を示すBBRの値が高く、また、ストアスの針入度(25℃)が外れる比較例3のアスファルトは、耐わだち掘れ性を示すDSRの値が低く、何れの比較例もPG64-22を満足しない。
【0036】
【発明の効果】
本発明は、複数の原油を混合してAPI度を35.0以下とした原油混合物を原料として減圧蒸留して得た減圧蒸留残油を含み、ストレートアスファルトの針入度(25℃)が45以上71以下かつ動粘度(180℃)が90mm2/s以下となるように調整したストレートアスファルトの製造方法およびかかる方法で製造されたストレートアスファルトであるから、ストレートアスファルトの実用可能な範囲を示すSHRP規格に規定する高い最高温度と低い最低温度を有する、耐わだち掘れ、性耐疲労ひび割れ、耐低温ひび割れなどの特性に優れたストレートアスファルトを安定に製造することが可能となる。また、このような方法で製造された本発明のストレートアスファルトは前記の特性を有するので、道路舗装用、水利構造物用などのアスファルトとして好適に用いることができる。

Claims (2)

  1. 原油を減圧蒸留して得た残油を原料としてストレートアスファルトを製造する方法において、該原油がアラビアンヘビー原油、イラニアンヘビー原油、クエート原油およびカフジ原油から選択される複数の産地の原油を合計で 20 容量%以上 90 容量%以下含むように混合してAPI度28 33とした原油混合物であり、前記ストレートアスファルトの25℃における針入度が60 70かつ180℃における動粘度が71.5 77.9mm 2 /sとなるように調整することを特徴とするストレートアスファルトの製造方法。
  2. アラビアンヘビー原油、イラニアンヘビー原油、クエート原油およびカフジ原油から選択される複数の産地の原油を合計で 20 容量%以上 90 容量%以下含むように混合したAPI度28 33の原油混合物から製造された減圧蒸留残油を含み、25℃における針入度が60 70かつ180℃における動粘度が71.5 77.9mm 2 /sであることを特徴とするストレートアスファルト。
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