JP3895479B2 - 振動試験装置及び振動試験装置制御方法 - Google Patents

振動試験装置及び振動試験装置制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動試験装置に係り、詳細には、励磁コイルに流す電流値を連続可変させて振動数に応じて適切な電流制御を行う振動試験装置及び振動試験装置制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
先端工業分野では、高密度化、小型化を追求して高度な技術が駆使されるとともに、高い信頼性、ローコストを求められる製品は、品質評価のために試作段階、製品段階において、非常にハードな条件下で多様な振動試験が行われている。従来、振動試験装置による振動試験では、試験条件を変更するために励磁コイルの電流値を切り換える際には、一旦振動試験を停止し、電源トランスのタップを切り換えて電流値を切り換えていた。
【0003】
以下、図6及び図7を参照して、従来の振動試験装置の一例としての動電式振動試験装置20について説明する。
【0004】
図6は、従来の振動試験装置の一例としての動電式振動試験装置20の構成を示す縦断面図である。この図6において、動電式振動試験装置20は、外側磁極22、内側磁極23、励磁コイル24、可動コイル25、振動台28、ばね29、及び励磁電流切り換え回路30(図7参照)によって構成されている。
【0005】
励磁コイル24は、励磁電流切り換え回路30から入力される直流電流により励磁されて直流磁界を生成し、磁性体である外側磁極22と、内側磁極23との間のギャップGには、可動コイル25を横切る直流磁界が形成される。
【0006】
可動コイル25は、図示しない駆動回路によって生成される交流電流が印加されており、前記ギャップGに形成された直流磁界中を前記交流電流の周波数に基づく振動数で振動する。この可動コイル25は、内側磁極23の上面に設置されたばね29によって支持される振動台28に固定されており、可動コイル25が振動することによって振動台28が振動する。そして、振動台28には試験体が設置され、動電式振動試験装置20による振動試験が行われる。
【0007】
図7は、励磁コイル24に印加する電流を生成する従来の励磁電流切り換え回路30の構成を示す回路図である。この図7において、励磁電流切り換え回路30は、電源トランス301、整流回路302、スイッチ305、及びスイッチ306によって構成されており、励磁コイル24に対して直流電源DCを供給する。
【0008】
電源トランス301の一次側に入力された交流電源は、電源トランス301によって所定の電圧に変圧されて、電源トランス301の二次側に接続された整流回路302に入力される。整流回路302は、入力された交流電源を整流して直流電源DCを生成して、励磁コイル24に対して出力する。
【0009】
一般的に、動電式振動試験装置では、装置の最大変位、最大速度、最大加速度等の最大能力の制限から、振動数fと加速度との間に図8に示すような関係が成り立つ。すなわち、低振動数領域では機械的変位により最大変位能力の制限が効き、更に振動数が増すと駆動回路電力の電圧により最大速度能力の制限が効いてくることとなり、高振動数領域では、駆動回路電力の電流により最大加速度能力の制限によって加速度が一定となる。また、加速度と速度、変位それぞれの間には、次式(1),(2)に示すような関係がある。
【0010】
【数1】
Figure 0003895479
【0011】
式(1)によれば、速度一定であれば加速度は振動数に比例して増すことになり、図8に示す速度一定の領域のような1次の傾斜の変化となる。式(2)によれば、変位一定であれば加速度は振動数の2乗に比例して増すことになり、図8に示す変位一定の領域のような2次の傾斜の変化となる。
【0012】
振動台28を振動させるための加振力Fは、前記ギャップGに形成された直流磁界の磁束密度Bと、可動コイル25の有効コイル長Lと、可動コイル25を流れる電流iによって定まり、次式(3)の関係がある。
【0013】
F=BLi ・・・・・・(3)
また、低振動数領域においては、次式(4)の関係式において、可動コイル25の駆動電圧Vは一定であるため、速度vは前記ギャップGに形成された直流磁界の磁束密度Bに反比例する。
V=BLv ・・・・・・(4)
従って、大きな速度vを必要とする試験を行う際には、磁束密度Bを小さくするために、励磁コイル24に流す電流値を小さくする必要がある。
【0014】
そして、図7に示す励磁電流切り換え回路30を利用する従来の動電式振動試験装置20では、試験条件を変更するために励磁コイル24に入力する電流を切り換える際には、電源トランス301の一次側の電圧タップP1をP2に切り換えるか、或いは、スイッチ305をオープンにしてスイッチ306をクローズすることにより二次側の電圧タップS1をS2に切り換えて整流回路302から出力される直流電源DCの電圧値を変更することにより、励磁コイル24に入力する電流値を切り換える。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、励磁コイル24に入力する電流値を切り換える際には、電源トランス301のタップを切り換えることによって電圧を切り換える必要があるが、振動試験中にタップの切換を行うと、振動台28の振動にショックを与えてしまうため、電流値を切り換える際には振動試験を一旦停止しなければならず、その停止によって振動試験がとぎれてしまっていた。
【0016】
また、速度の大きな試験を行う場合に、励磁コイル24に入力する電流値を小さな値に切り換えた状態で行うと、磁束密度Bも小さくなってしまう。そのため、振動台28を振動させる加振力Fの最大値を引き出す場合には、前式(3)の関係によって、可動コイル25に流れる電流iを大きくするための大きな電力を必要としていた。
【0017】
特に、誘導式振動試験装置の場合には、相互誘導を利用して可動コイルに電流を発生させる原理であるため、低振動数領域においては実用的な加速度を出すことができず、図8に示すような変位・速度領域において振動試験を行うことが実質上困難であった。
【0018】
本発明の課題は、励磁コイルに流す電流を連続可変することによって、最大加振力を必要としない低振動数領域の変位・速度領域においては磁束密度を小さくし、最大加振力を必要とする高振動数領域においては磁束密度を大きくすることが可能な振動試験装置及び振動試験装置制御方法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、
励磁コイルによって直流磁界を形成された空隙中に、試験体を設置するための振動台に固定された可動コイルを挿入し、この可動コイルに交流電流を流すことによって当該可動コイルを前記振動台と一緒に振動させて、試験体に対する振動試験を行う振動試験装置において、
発振器より振動数情報を取得して振動試験の振動数を検出する振動数検出手段と、
この振動数検出手段によって検出された振動数に応じて、前記励磁コイルに流れる電流を連続的に可変する電流可変手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項1記載の発明の振動試験装置によれば、
振動数検出手段によって、振動数を検出し、電流可変手段によって、前記振動数検出手段によって検出された振動数に応じて、前記励磁コイルに流れる電流を連続的に可変する。
【0021】
したがって、従来のように、振動試験を一旦停止して電流値を切り換える必要がなく、振動試験装置による振動試験を、振動数に応じて適切な条件において行うことができる。また、電流可変手段によって電流値を可変することができるため、大きな加振力を必要としない場合には、電流値を低く抑えることができ、無駄な消費電力を省いて振動試験装置の省電力化を図ることができる。また、従来、誘導式の振動試験装置においては実質的な振動試験が困難であった低振動領域においても、電流可変手段によって励磁コイルに流れる電流値を低く制御することにより大きな変位・速度を得ることができ、誘導式の振動試験装置による振動試験を幅広い振動数領域で実施することが可能となる。
【0022】
また、請求項2記載の発明のように、
請求項1記載の振動試験装置において、
前記振動数検出手段によって検出される振動数が低振動数から高振動数に変化する過程において、
前記電流可変手段によって、
前記励磁コイルに流れる電流を振動試験装置の特性によって定まる最大電流値より小さい電流値で一定とする制御と、
前記励磁コイルに流れる電流を前記最大電流値に至るまで連続的に増加するように可変する制御と、
前記励磁コイルに流れる電流を前記最大電流値で一定とする制御と、
を振動数に応じて順次段階的に切り換えて行うことにより、
前記可動コイルが、各振動数において振動試験に有効な大きさの加振力を前記励磁コイルから得るようになっていることが有効である。
【0023】
また、請求項3記載の発明のように、
請求項1記載の振動試験装置において、
前記振動数検出手段によって検出される振動数が低振動数から高振動数に変化する過程において、
前記電流可変手段は、
前記振動数検出手段によって検出される振動数が、
振動試験装置の加速度特性が最大変位によって定まる振動数領域と最大速度によって定まる振動数領域の境界付近の所定の第1の振動数に至るまでは、前記励磁コイルに流れる電流を振動試験装置の特性によって定まる最大電流値より小さい電流値で一定に制御し、
前記第1の振動数から振動数が振動試験装置の加速度特性が最大速度によって定まる振動数領域と最大加速度によって定まる振動数領域の境界付近の所定の第2の振動数に至るまでは、前記励磁コイルに流れる電流を前記最大電流値に至るまで連続的に増加するように可変制御し、
前記第2の振動数以上の高振動数領域においては、前記励磁コイルに流れる電流を前記最大電流値で一定に制御することにより、
前記可動コイルが、各振動数において振動試験に有効な大きさの加振力を前記励磁コイルから得るようになっていることが有効である。
【0024】
また、請求項5記載の発明の振動試験装置制御方法によれば、
励磁コイルによって直流磁界を形成された空隙中に、試験体を設置するための振動台に固定された可動コイルを挿入し、この可動コイルに交流電流を流すことによって当該可動コイルを前記振動台と一緒に振動させて、試験体に対する振動試験を行う振動試験装置を制御する振動試験装置制御方法において、
振動数が低振動数から高振動数に変化する過程で、
前記励磁コイルに流れる電流を振動試験装置の特性によって定まる最大電流値より小さい電流値で一定とする制御と、
前記励磁コイルに流れる電流を前記最大電流値に至るまで連続的に増加するように可変する制御と、
前記励磁コイルに流れる電流を前記最大電流値で一定とする制御と、
を振動数に応じて順次段階的に切り換えて行うことにより、
前記可動コイルが、各振動数において振動試験に有効な大きさの加振力を前記励磁コイルから得るようにする。
【0025】
この請求項2、請求項3または請求項5に記載の発明によれば、変位・速度領域での振動数で励磁コイルに流す電流値を低く、また、加速度領域で励磁コイルに流す電流値を高くするように連続可変することができ、幅広い振動数において振動数に応じた振動試験を実施することができる。
【0026】
また、請求項4記載の発明のように、
請求項1から請求項3のいずれかに記載の振動試験装置において、
前記電流可変手段は、前記励磁コイルに印加する電圧値をPWM制御により可変する電圧可変回路によって、前記励磁コイルに流れる電流を連続的に可変することが有効である。
【0027】
この請求項4記載の発明の振動試験装置によれば、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、前記電圧可変回路によって、前記励磁コイルに印加する電圧値を可変することにより、励磁コイルに流れる電流を容易に可変することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図5を参照して本発明に係る誘導式振動試験装置1の実施の形態を詳細に説明する。
まず構成を説明する。
【0029】
図1は、本発明の一実施の形態における誘導式振動試験装置1の構成を示す縦断面図である。この図1において、誘導式振動試験装置1は、外側磁極2、内側磁極3、励磁コイル4、内側コイル5、外側コイル6、可動コイル7、振動台8、ばね9と図示外の励磁電流可変回路10(図3参照)によって構成されている。この誘導式振動試験装置1の構造は、従来の誘導式振動試験装置の構造と同様であるが、発振器から得られる振動数情報を励磁電流可変回路10の制御回路103(図3参照)によって解析し、励磁電流可変回路10によって電流値を連続可変する点が、本発明の新規な点である。
【0030】
外側磁極2は、誘導式振動試験装置1の主要部を格納するとともに、内部に格納された励磁コイル4によって磁化される磁性体である。また、内側磁極3は、ばね9を介して振動台8を支持する支柱であるとともに、励磁コイル4によって磁化される磁性体である。そして、外側磁極2の上端部の円周に沿って形成された環状の突部2aと内側磁極3との間の環状ギャップGには、直流磁界が形成される。
【0031】
内側コイル5は、図1に示すように、前記環状ギャップG中の内側磁極3側に固定されるコイルであり、外側コイル6は、前記環状ギャップG中の外側磁極2側に固定されるコイルである。内側コイル5及び外側コイル6には、駆動回路(図示外)から電流が入力されており、図2に示すように、各コイルを流れる電流Iによって、内コイル磁束Bi及び外コイル磁束Boが発生する。
【0032】
可動コイル7は、可動部である振動台8に固定された、例えばアルミニウム製のONE−TURNコイル(1巻きのコイル)であり、内側コイル5及び外側コイル6を一対の一次側コイルとするトランス結合によりエネルギーが伝達されて交流電流が発生する。そして、この可動コイル7に電流が流れると、当該電流が前記環状ギャップG部に形成される直流磁界と作用して交流の力が生じ、振動台8が振動することとなる。
【0033】
振動台8は、ばね9によって内側磁極3に支持されることにより、図1中の矢印Aで示す上下方向に振動可能となっている。そして、この振動台8の上面には、試験体が設置される。
【0034】
図3は、本実施の形態における誘導式振動試験装置1の励磁コイル4に流す電流を、発振器から入力される振動数情報に応じて可変する励磁電流可変回路10の回路構成を示す図である。この図3において、励磁電流可変回路10は、電源トランス101、整流回路102、制御回路103、及び電圧可変回路104によって構成されている。
【0035】
電源トランス101は、一次側に入力される交流電源を、所定の電圧に変圧して二次側に接続された整流回路102に対して出力する。整流回路102は、電源トランス101から入力された所定の電圧の交流電流を整流して直流電流を生成して、電圧可変回路104に対して出力する。
【0036】
制御回路103は、発振器から入力される振動数情報によって示される振動台8の振動数に応じたPWM信号を生成し、電圧可変回路104に対して出力する。
【0037】
PWM信号は図4に示すような方形波信号であり、High信号となっている期間t1を変化させることにより直流電流値を可変する。すなわち、PWM信号の周期をt2とすると、電圧可変回路104から出力される電圧値は、電圧可変回路104に入力される電圧値の(t1/t2)倍の値となり、接続される負荷(励磁コイル4)が同一である場合には、電圧値の変化に伴って、出力電流値は入力電流値の(t1/t2)倍の値となる。
【0038】
電圧可変回路104は、前述したようなPWM信号がトランジスタ104Tのベースに入力されることにより、トランジスタ104Tのスイッチング動作によって方形波を生成し、この方形波をコンデンサ104C及びダイオード104Dによって平滑することによって、入力電圧値を(t1/t2)倍の電圧値に降圧して出力する。
【0039】
以上説明した励磁電流可変回路10は、電圧可変回路104によって電圧値を連続的に可変することによって、励磁コイル4に流れる電流値を連続的に可変することができるため、電流切換時にも誘導式振動試験装置1を停止させる必要を生じない。
【0040】
次に動作を説明する。
図5は、本実施の形態における誘導式振動試験装置1の励磁コイル4に印加する電圧の可変制御を示す図である。図5において、振動数F1及びF2は、誘導式振動試験装置1の特性によって決定される所定の振動数である。
【0041】
誘導式振動試験装置1の振動台8に試験体が設置され、振動試験が開始されると、励磁電流可変回路10の制御回路103は、励磁コイル4に印加する電圧値がVL となるようなPWM信号を生成して電圧可変回路104に対して出力する。そして、電源トランス101の一次側に入力された交流電源は、電源トランス101によって所定の電圧値に変圧されて二次側に接続された整流回路102に対して出力される。整流回路102に入力された交流電源は、整流回路102によって整流されて直流電源となり、電圧可変回路104に対して出力される。
【0042】
更に、電圧可変回路104に入力された直流電源の電圧値は、制御回路103によって制御される電圧可変回路104によって所定の電圧値VL に降圧され、励磁コイル4に印加される。励磁コイル4は、印加された直流電圧値VL に応じた所定の電流によって所定の磁束密度の直流磁界を生成する。
【0043】
このとき生成される直流磁界の磁束密度は、誘導式振動試験装置1が最大加振力を発揮する際の磁束密度と比較して小さい値となるため、誘導式振動試験装置1は、大きな変位・速度を実現しやすい状態となる。また、励磁コイル4を流れる電流値が小さいため、誘導式振動試験装置1の省電力化を図ることもできる。
【0044】
また、制御回路103は、発振器から入力される振動数情報によって、振動台8の振動数が所定の振動数F1に達したことが示されると、電圧可変回路104から励磁コイル4に印加される電圧値を振動台8の振動数に比例して増加させるように、PWM信号を生成して電圧可変回路104を制御する。
【0045】
図5に示すように、振動数F1から振動数F2までの領域では、所定の振動数F2において励磁コイル4に印加される電圧値がVH となるような所定の比例定数に基づいて、制御回路103によって生成されるPWM信号により制御される電圧可変回路104によって、励磁コイル4に印加される電圧値が連続可変制御される。そして、振動台8の振動数が所定の振動数F2以上となった後は、誘導式振動試験装置1が最大加振力を発揮する所定電圧VH で一定となるように制御される。
【0046】
以上説明したように、本実施の形態における誘導式振動試験装置1によれば、励磁電流可変回路10によって、所定の振動数F1以下の領域では、励磁コイル4に印加する直流電圧値を低電圧に制御し、振動数F1から所定の振動数F2までの間では、励磁コイル4に印加する直流電圧を連続可変し、振動数F2以上の領域では、励磁コイル4に印加する直流電圧値を誘導式振動試験装置1が最大加振力を発揮できる電圧値に制御する。
【0047】
したがって、変位・速度領域での振動数で励磁コイル4に流す電流値を低く、また、加速度領域で励磁コイル4に流す電流値を高くするように連続可変することができ、従来のように、振動試験を一旦停止して電流値を切り換える必要がなく、誘導式振動試験装置1による振動試験を、振動数に応じて適切な条件において行うことができる。
【0048】
また、励磁電流可変回路10によって電流値を可変することができるため、大きな加振力を必要としない場合には、電流値を低く抑えることができるため、無駄な消費電力を省き誘導式振動試験装置1の省電力化を図ることができる。
【0049】
更に、励磁コイル4に流す電流値を低く制御して励磁コイル4によって生成される直流磁界の磁束密度を小さくすることができるため、従来誘導式の振動試験装置においては実質的な振動試験が困難であった低振動領域においても、大きな加振力を得ることができ、誘導式振動試験装置1による振動試験が幅広い振動数領域で実施することを可能とすることができる。
【0050】
なお、上記実施の形態においては、本発明を誘導式の振動試験装置に適用した例として誘導式振動試験装置1について説明したが、本発明は、動電式の振動試験装置に適用することも可能である。また、励磁電流可変回路10は、制御回路103から入力されるPWM信号によって電圧可変回路104によって電圧値を可変する構成としたが、その他の回路構成によって励磁コイル4に印加する電圧値を連続的に可変する構成としてもよい。
【0051】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、従来のように、振動試験を一旦停止して電流値を切り換える必要がなく、振動試験装置による振動試験を、振動数に応じて適切な条件において行うことができる。また、電流可変手段によって電流値を可変することができるため、大きな加振力を必要としない場合には、電流値を低く抑えることができ、無駄な消費電力を省いて振動試験装置の省電力化を図ることができる。また、従来、誘導式の振動試験装置においては実質的な振動試験が困難であった低振動領域においても、電流可変手段によって励磁コイルに流れる電流値を低く制御することにより大きな加振力を得ることができ、誘導式の振動試験装置による振動試験を幅広い振動数領域で実施することが可能となる。
【0052】
請求項2、請求項3または請求項5に記載の発明によれば、変位・速度領域での振動数で励磁コイルに流す電流値を低く、また、加速度領域で励磁コイルに流す電流値を高くするように連続可変することができ、幅広い振動数において振動数に応じた振動試験を実施することができる。
【0053】
請求項4記載の発明によれば、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、前記電圧可変回路によって、前記励磁コイルに印加する電圧値を可変することにより、励磁コイルに流れる電流を容易に可変することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における誘導式振動試験装置1の構成を示す縦断面図である。
【図2】図1に示す内側コイル5及び外側コイル6を流れる電流Iによって発生する内コイル磁束Bi及び外コイル磁束Boを示す図である。
【図3】図1に示す誘導式振動試験装置1の励磁コイル4に流す電流を、発振器入力される振動数情報に応じて可変する励磁電流可変回路10の回路構成を示す図である。
【図4】図3に示す制御回路103から電圧可変回路104に対して出力されるPWM信号を示す図である。
【図5】図1に示す誘導式振動試験装置1の励磁コイル4に印加する電圧の可変制御を示す図である。
【図6】従来の振動試験装置の一例としての動電式振動試験装置20の構成を示す縦断面図である。
【図7】励磁コイル24に印加する電流を生成する従来の励磁電流切り換え回路30の構成を示す回路図である。
【図8】動電式振動試験装置の最大変位、最大速度、最大加速度等の最大能力の制限から振動数fと加速度との間に一般的に成立する関係を示す図である。
【符号の説明】
1 誘導式振動試験装置
2 外側磁極
3 内側磁極
4 励磁コイル
5 内側コイル
6 外側コイル
7 アルミコイル
8 振動台
9 ばね
10 励磁電流可変回路
101 電源トランス
102 整流回路
103 制御回路
104 電流可変回路
104T トランジスタ
104C コンデンサ
104D ダイオード

Claims (5)

  1. 励磁コイルによって直流磁界を形成された空隙中に、試験体を設置するための振動台に固定された可動コイルを挿入し、この可動コイルに交流電流を流すことによって当該可動コイルを前記振動台と一緒に振動させて、試験体に対する振動試験を行う振動試験装置において、
    発振器より振動数情報を取得して振動試験の振動数を検出する振動数検出手段と、
    この振動数検出手段によって検出された振動数に応じて、前記励磁コイルに流れる電流を連続的に可変する電流可変手段と、
    を備えたことを特徴とする振動試験装置。
  2. 前記振動数検出手段によって検出される振動数が低振動数から高振動数に変化する過程において、
    前記電流可変手段によって、
    前記励磁コイルに流れる電流を振動試験装置の特性によって定まる最大電流値より小さい電流値で一定とする制御と、
    前記励磁コイルに流れる電流を前記最大電流値に至るまで連続的に増加するように可変する制御と、
    前記励磁コイルに流れる電流を前記最大電流値で一定とする制御と、
    を振動数に応じて順次段階的に切り換えて行うことにより、
    前記可動コイルが、各振動数において振動試験に有効な大きさの加振力を前記励磁コイルから得るようになっていることを特徴とする請求項1記載の振動試験装置。
  3. 前記振動数検出手段によって検出される振動数が低振動数から高振動数に変化する過程において、
    前記電流可変手段は、
    前記振動数検出手段によって検出される振動数が、
    振動試験装置の加速度特性が最大変位によって定まる振動数領域と最大速度によって定まる振動数領域の境界付近の所定の第1の振動数に至るまでは、前記励磁コイルに流れる電流を振動試験装置の特性によって定まる最大電流値より小さい電流値で一定に制御し、
    前記第1の振動数から振動数が振動試験装置の加速度特性が最大速度によって定まる振動数領域と最大加速度によって定まる振動数領域の境界付近の所定の第2の振動数に至るまでは、前記励磁コイルに流れる電流を前記最大電流値に至るまで連続的に増加するように可変制御し、
    前記第2の振動数以上の高振動数領域においては、前記励磁コイルに流れる電流を前記最大電流値で一定に制御することにより、
    前記可動コイルが、各振動数において振動試験に有効な大きさの加振力を前記励磁コイルから得るようになっていることを特徴とする請求項1記載の振動試験装置。
  4. 前記電流可変手段は、前記励磁コイルに印加する電圧値をPWM制御により可変する電圧可変回路によって、前記励磁コイルに流れる電流を連続的に可変することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の振動試験装置。
  5. 励磁コイルによって直流磁界を形成された空隙中に、試験体を設置するための振動台に固定された可動コイルを挿入し、この可動コイルに交流電流を流すことによって当該可動コイルを前記振動台と一緒に振動させて、試験体に対する振動試験を行う振動試験装置を制御する振動試験装置制御方法において、
    振動数が低振動数から高振動数に変化する過程で、
    前記励磁コイルに流れる電流を振動試験装置の特性によって定まる最大電流値より小さい電流値で一定とする制御と、
    前記励磁コイルに流れる電流を前記最大電流値に至るまで連続的に増加するように可変する制御と、
    前記励磁コイルに流れる電流を前記最大電流値で一定とする制御と、
    を振動数に応じて順次段階的に切り換えて行うことにより、
    前記可動コイルが、各振動数において振動試験に有効な大きさの加振力を前記励磁コイルから得るようにすることを特徴とする振動試験装置制御方法。
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