JP3895360B2 - 光ネットワーク、光エッジルータ及びそのプログラム - Google Patents
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Description
また本発明は、光もしくはレイヤ2のパスで接続されるコアネットワークの通信方法に係り、特に、カットスルー方法に関する。
また、本発明はデータ転送を行なう情報転送ネットワークシステム並びにそのためのパケット交換機およびパケット・回線交換機に関し、特に、データを転送するための伝送路を確立し、データの転送を実現するための技術に開する。
しかし、光パスの制御に外部IPネットワークと同一空間のアドレスを用いるために、一つの光ネットワークに複数の外部IPネットワークを収容することが困難であるという問題点がある。
また、オーバーレイモデルでは、外部IPネットワーク間の経路情報交換を、確立された光パス内にルーチングプロトコルを通すことにより行うことが一般的であり、光パスの確立・解放の都度、ルーチングの隣接関係の確立・解放が必要となる。ルーチングの隣接関係の変更は、外部IPネットワークからはネットワークのトポロジ変更が発生しているように認識され、外部IPネットワークの不安定性を増す要因となる。
さらに、マルチレイヤ連携機能を実現すると、光パスの確立・解放が頼繁に発生することになるが、ネットワークの安定性の観点から、光パスのトポロジ変化が外部IPネットワークのルーチングに影響を与えないことが望ましい。
よって、キャリアのバックボーンネットワークに光IP技術を適用するためには、これらの要件を満足する新たな光IPネットワークモデルが必要である。
上述のように、コアネットワークの規模の増大に伴い、エッジルータが保持すべきIPインタフェース数が増加するが、IPインタフェースでは一般に、IPアドレス検索などの複雑なIP処理を実施するため、高価であるうえ、その複雑さがインタフェース速度向上のボトルネックとなっている。
このように、従来の光パスもしくはレイヤ2パスから構成されるコアネットワークのアーキテクチャには、経済性とスケーラビリティの面で問題がある。
複数の光クロスコネクトなどを含む回線交換機3200は、単数または複数の通信回線3300によって接続され、光ネットワークなどの回線交換網を構成する。この回線交換網の回線交換機に通信回線3300を介して複数のIPルータなどのパケット交換機3100が接続され、IPネットワークなどのパケット交換網が構成される。
回線交換機3200は回線スイッチおよび回線経路制御部から構成される。
回線スイッチは、複数の通信回線を介して、単数または複数の他回線交換機の回線スイッチと接続される。
該回線経路制御部は該回線交換機間通信路を経由して、相互の回線交換を接続する通信回線本数などの情報を交換する。たとえばOSPF−TE(非特許文献4参照)やPNNI(非特許文献5)などの通信プロトコルを用いることによって、回線交換網全体の接続関係を知ることができる。図12は回線交換網の接続情報を表す図である。
パケット交換機3100はパケットスイッチ、回線設定制御部、およびパケット経路制御部から構成される。
パケットスイッチは、単数または複数の回線交換機3200と通信回線3300により接続される。
複数の回線交換機3200は、単数または複数の通信回線3300によって接続され、回線交換網を構成する。この回線交換網の回線交換機に通信回線3300を介して複数のパケット交換機3100が接続され、パケット交換網が構成される。
回線交換機3200は回線スイッチおよび、回線・パケット経路制御部から構成される。
回線スイッチは、複数の通信回線を介して、単数または複数の他回線交換機の回線スイッチと接続される。回線・パケット経路制御部は回線スイッチの制御を行い、2つの通信回線の結合を行なう。通信回線とは、たとえば、光回線、SDH/SONET回線、ATM回線、MPLS−LSP、FR回線などが相当する。
パケット交換機3100はパケットスイッチおよび回線・パケット経路制御部から構成される。
パケットスイッチは、単数または複数の回線交換機3200と通信回線3300により接続される。
回線・パケット設定制御部は、単数または複数の回線交換機3200とパケット交換機/回線交換機間通信回線3600により接続される。
また、前述の他の従来技術では、回線交換網の接続情報と、パケット交換網の接続情報は共有であるためパケット交換機は、回線交換網の情報を利用して、パケット交換機間の通信回線の最適配置を行なうことが可能であるが、例えば、パケット交換機3100−1から3100−3宛のパケットを、通信路3600−1に転送してしまうなどパケット転送網と、回線交換制御網の分離が問題であった。
Generalized Multi-Protocol Label Switching : "Generalized Multi-Protocol Label Switching Architecture", IETF Internet-Draft, [online], 2003年5月掲載,[2003年7月検索], インターネット<URL HYPERLINK "http://www.ietf.org//internet-drafts/draft-ietf-ccamp-gmpls-architecture-07.txt"> Network Interface, "User Network Interface (UNI) 1.0 Signaling Specification: Changes from OIF200.125.5", The Optical Internetworking Forum, Contribution Number: OIF2000.125.7 Generalized MPLS-Signaling Functional Description」,IETF, [online], 2002年8月掲載, [2002年12月検索], インターネット<URL:http://www.ietf org/internet-drafts/draft-ietf-mpls-generalized-signaling-09.txt> IETF, "OSPF Extensions in Support of Generalized MPLS"、K. K ompella (Editor), Y. Rekhter (Editor), Juniper Networks、December 2002、[online]、[平成15年5月23日検索]、インターネット<http://www.ietf.org/internet-drafts/draft-ietf-ccamp-ospf-gmpls-extensions-09.txt> ATM Forum、"Private Network-Network interface Specification Version1.1(PNNI 1.1)"、April 2002、[online]、[平成15年5月23日検索]、インターネット<ftp://ftp. atmforum.com/pub/approved-specs/af-pnni-0055.001.pdf> IETF、"OSPF Version 2, RFC2328"、J. Moy, Ascend Communications, Inc.、April 1998[online]、[平成15年5月23日検索]、インターネット<ftp://ftp.rfc-editor.org/in-notes/rfc2328.txt> ISO、"Intermediate System to Intermediate System, DP 10589"
そして、本発明の特徴とするところは、光エッジルータが、(1)光ネットワーク内のトポロジ情報を保持し、光パスのルーチング及びシグナリングを行う光ネットワーク制御インスタンスと、(2)外部IPネットワークのルーチングテーブルを保持し、外部IPネットワークとの間でルーチングプロトコルを動作させるIPネットワークインスタンスの両方を備えることである。
「光パス」は、一般的には波長単位で設定される光信号の経路であるが、本発明においては、TDM(SONET/SDH[Synchronous Optical NETwork/Synchronous Digital Hierarchy])チャネル等も含んでいる。ちなみに、前記したGMPLSプロトコルでは、波長もTDMチャネルも同様に扱える。
「シグナリング」は、相手の特定・お互いの状態の監視・要求のやり取り等を行うことである。また、「シグナリングプロトコル」とは、そのようなやり取りのために使用されるプロトコルである。
これにより、外部IPネットワークのアドレス空間と光ネットワーク制御に用いるアドレス空間が完全に分離され、単一の光ネットワークに複数のIPネットワークを収容することができる。併せて、1つの光エッジルータがこれら両方のインスタンスを特つため、外部IPネットワークの情報を用いた自律的な光パスの制御、すなわち、マルチレイヤ連携が可能となる。
なお、インスタンスは、オブジェクト指向プログラミングで、クラスを基にした実際の値としてのデータのことであり、クラスと対比して用いられることが多く、クラスを「型」、インスタンスを「実体」として説明されることもある。
これにより、外部IPネットワークからは、外部IPネットワークの経路情報を交換するためのルーチング隣接関係は、常に光エッジルータ間に確立されているように見えるようになる。このルーチング隣接関係は光パスのトポロジ変化の影響を一切受けないため、外部ネットワークからは常にトポロジが安定しているように見える。
BGPは、異なるネットワークの間でIP経路情報を交換するためのプロトコルであるが、後記する実施形態では、光エッジルータ間での経路情報のやり取りにBGPをそのまま用いる。
このように、IPネットワークで一般的に利用されており、かつ、標準に準拠したプロトコルであるBGPを適用することで、プロトコル自体の開発コストを省くことが可能となる。
また本発明に関連する発明では、エッジルータでのIP処理を一部省略することにより、エッジルータの経済化とスケーラビリティの向上を図ることができるカットスルー方法およびエッジルータを提供することを目的とする。
ここで、本発明に関連するカットスルー方法の特徴とするところは、入力エッジルータにあらかじめ宛先IPアドレスとそれに対応する出力エッジルータの出力インタフェースを示す識別子との対応表を保持し、IPパケット転送時に入力エッジルータで宛先IPアドレスに対応する前記識別子をIPパケットに付与し、前記出力エッジルータでIPパケットに付与された前記識別子を参照することにより出力インタフェースヘIPパケットを転送するところにある。
ここで、本発明に関連するエッジルータの特徴とするところは、前記入力手段は、宛先IPアドレスとそれに対応する他エッジルータの出力インタフェースを示す識別子との対応表を保持する手段と、他エッジルータヘのIPパケット転送時に前記対応表に基づき当該IPパケットの宛先IPアドレスに対応する前記識別子を当該IPパケットに付与する手段とを備え、前記出力手段は、前記識別子を参照し当該識別子が示す出力インタフェースヘIPパケットを転送する手段を備えたところにある。
本発明に関連するエッジルータによれば、宛先IPアドレスと前記識別子との対応表を生成または更新する際に必要な情報を自動的にエッジルータが交換するため、人手による設定処理を省略することができ、エッジルータの運用コストを下げることが可能となる。
ここで、本発明に関連するプログラムの特徴とするところは、前記入力機能として、宛先IPアドレスとそれに対応する他エッジルータの出力インタフェースを示す識別子との対応表を保持する機能と、他エッジルータヘのIPパケット転送時に前記対応表に基づき当該IPパケットの宛先IPアドレスに対応する前記識別子を当該IPパケットに付与する機能とを実現させ、前記出力機能として、前記識別子を参照し当該識別子が示す出力インタフェースヘIPパケットを転送する機能を実現させるところにある。
これにより、コンピュータ装置等の情報処理装置を用いて、エッジルータでのIP処理を一部省略することにより、エッジルータの経済化とスケーラビリティの向上を図ることができるカットスルー方法およびエッジルータを実現することができる。
以下、本発明を実施するための第1実施例を、図面を参照して説明する。
図1は、外部IPネットワークを含む光ネットワークの全体構成を示す図である。
この図1に示すように、光ネットワーク1001には、外部IPネットワーク1002として、外部IPネットワーク1002A及び外部IPネットワーク1002Bがそれぞれ2サイトずつ、合計4サイト(1002A1、1002A2、1002B1、1002B2)収容されている。ここで、外部IPネットワーク1002Aと外部IPネットワーク1002Bは、光エッジルータ1003を介して光ネットワーク1001に収容され、各光エッジルータ1003同士の間には光クロスコネクト(光クロスコネクト装置)1004(1004a、1004b・・・)を通して光パス1005が確立される。また、各光エッジルータ1003同士の間には、外部IPネットワークの経路情報を交換するために、BGPピア1006が確立されている。光ネットワーク内の光パス制御プロトコルとしては、GMPLSを利用することとする。
BGPピア1006は、光エッジルータ1003同士の間に確立され、BGPというプロトコルで情報を交換する。このBGPは、1対1のプロトコルであり、BGPピア1006の確立は、例えば、(1)TCPによるスリーウェイハンドシェイクによるコネクションの確立、(2)OPENメッセージの送信、(3)KEEPALIVEメッセージの返信、といった手順で行われる。BGPピア1006が確立されると、ルーチングテーブル(後記する図3参照)の交換、UPDATEメッセージによる経路情報のアップデート、定期的なKEEPALIVEメッセージの交換といった情報の交換が行われる。
1つの光エッジルータ1003は、光ネットワーク制御インスタンスINSpと、IPネットワークインスタンスINSiの両方を持つ。
光ネットワーク制御インスタンスINSpは、光ネットワーク1001内の光パス1005を制御するためのルーチングプロトコル及びシグナリングプロトコルを動作させるものであり、それらによって得られた光ネットワーク1内部のトポロジ情報を保持する。光ネットワーク制御技術としてGMPLSを利用する場合には、ルーチングプロトコルとしてOSPF−TE(Open Shortest Path First-TE)を動作させ、シグナリングプロトコルとしてRSVP−TE(Resource reSerVation Protocol-TE)を動作させる。なお、OSPF−TEは、経路選択(ルーチング)プロトコルの1つであるOSPFを拡張し、光ネットワーク1011の各経路(リンク)の属性情報(リソース量等)も通知できるようにしたプロトコルである。RSVP−TEは、指定した経路に沿ってラベルパスを確立するためのプロトコルであり、現在は光パス1005(図1参照)も確立できるように拡張されている。
光エッジルータ1003は、これら両方のインスタンスINSp、INSiを保持するため、外部IPネットワーク1002の外部IPネットワーク経路情報のアップデートやトラヒック量の増加をトリガとした光パス1005の自律的な制御を行うことが可能となる。
図4に示すように、光エッジルータ1003は、ソフトウェア的に処理を行うプロトコル処理部(演算処理手段)1031とハードウェア的に処理を行う転送処理部1032とを含んで構成される。このうちプロトコル処理部1031は、前記したIPネットワークインスタンスINSiと前記した光ネットワーク制御インスタンスINSpとを有する。
さらに、光ネットワーク制御インスタンスINSpは、外部IPネットワーク経路情報(前記したIPネットワークルーチングテーブルの経路情報と同じ内容)を、対向する他の光エッジルータ1003に通知するBGP処理部1317を備える。このBGP処理部1317は、逆向きの通知、つまり、対向する他の光エッジルータ1003から通知される外部IPネットワーク経路情報を受信する機能も併せ持つものとする。
ちなみに、本実施形態では、プロトコル処理部1031には、IPネットワークルーチングテーブル記憶部1312に記憶されたIPネットワークルーチングテーブルと、光ネットワークトポロジDB313に記憶された光ネットワーク1001のトポロジ情報とから、受信したIPパケットをどのように転送するのかを設定するパケット転送テーブルを作成するパケット転送テーブル生成処理部1318を備える。
なお、パケット転送処理と、IPルーチングテーブル・パケット転送テーブルについて補足説明する。
次に、光クロスコネクト1004は、光ネットワーク制御インスタンスINSpのみを保持し、IPネットワークインスタンスINSiを持たない。このため、光クロスコネクト1004は、外部IPネットワーク2との経路情報(外部IPネットワーク経路情報)の交換は一切行わず、光ネットワーク1001内の制御のみを行う。
図5に示すように、光クロスコネクト1004は、前記した光エッジルータ1003(図4参照)と同様に、プロトコル処理部1041と転送処理部1042とを含んで構成される。また、プロトコル処理部1041は、光ネットワーク制御インスタンスINSp’を備える。
光エッジルータ1003と外部IPネットワーク1002の隣接IPルータRとの間には、OSPFやBGP等通常のIPルーチング隣接関係1008が確立され、経路情報(外部IPネットワーク経路情報)の交換が行われる。具体的には、光エッジルータ1003A1は、外部IPネットワーク1002A1の経路情報を外部IPネットワーク1002A1から受信すると共に、他のサイト(外部IPネットワーク1002A2)を収容する光エッジルータ1003A2から受信した経路情報を外部IPネットワーク1002A1側へ広告する。
光エッジルータ1003同士の間には、それぞれの光エッジルータ1003が外部IPネットワーク1012から受信した外部IPネットワーク経路情報を交換するために、BGPピア1006が確立される。BGPピア1006は各光エッジルータ1003の光ネットワーク制御インスタンスINSp同士の間に確立されるが、交換される外部IPネットワーク経路情報は外部IPネットワーク2のものである。
光ネットワーク制御インスタンスINSpは、光ネットワーク1001内の隣接ノードとGMPLS隣接関係1007を確立する。具体的には、GMPLSのルーチングプロトコルであるOSPF−TEの隣接関係を確立して、光ネットワーク1001内のトポロジ情報を交換する。また、光パス1005の確立及び解放時にはRSVP−TEシグナリングのメッセージが、光ネットワーク制御インスタンスINSp間の隣接関係を介して運ばれる。
まず、光ネットワーク1001の光エッジルータ1003A1は、該光エッジルータ1003A1のIPネットワークインスタンスINSiで作動しているルーチングプロトコルにより、外部IPネットワーク1002A1から送信される外部IPネットワーク経路情報(ステップS1011)を受信する。次に光エッジルータ1003A1は、受信した外部IPネットワーク経路情報を該ルータ1003A1の内部において、光ネットワーク制御インスタンスINSpに通知する(ステップS1012)。外部IPネットワーク経路情報を通知された光ネットワーク制御インスタンスINSpは、BGPピア1006を通して、対向(隣接)する光エッジルータ1003A2、すなわち、外部IPネットワーク1002A2を当該光ネットワーク1001に接続する光エッジルータ1003A2に外部IPネットワーク経路情報を広告する(ステップS1013)。
BGPピア1006経由で広告された外部IPネットワーク経路情報を受信した光エッジルータ1003A2は、内部において、その受信した外部IPネットワーク経路情報を光ネットワーク制御インスタンスINSpからIPネットワークインスタンスINSiに通知する(ステップS1014)。この外部IPネットワーク経路情報は、IPネットワークインスタンスINSiで作動しているルーチングプロトコルにより、外部IPネットワーク1002A2に広告する(ステップS1015)。
例えば、外部IPネットワーク1002が、他の光ネットワークであってもよい。また、光ネットワーク1001が光エッジルータ1003により他の外部IPネットワーク1002と接続される構成であれば、光ネットワーク1001の内部構成の如何は問わない。例えば、光クロスコネクト1004は狭く解釈されるものではない。
本発明の第2実施例の形態を図7ないし図10を参照して説明する。図7は光ネットワークの概要を説明する図である。図8は光カットスルー処理の詳細を説明する図である。図9はMPLSラベルテーブルを説明する図である。図10は光カットスルーを実現するエッジルータ装置の構成を説明する図である。
本実施例は、図7に示すように、一つのコアネットワークとしての光ネットワーク2001と複数の外部IPネットワーク2002とをその境界点で相互に接続し、図8に示すように、外部IPネットワーク2002から光ネットワーク2001への入力IPパケットを処理するIP/MPLSインタフェース2017と、光ネットワーク2001から外部IPネットワーク2002への出力IPパケットを処理するMPLSインタフェース2020とを備えたエッジルータである。
以下では、本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明する。本実施の形態では、出力エッジルータの出力インタフェースを示す識別子としてMPLSラベルを適用し、エッジルータ相互間で制御信号により宛先IPアドレスとMPLSラベル値を自動的に交換することとする。また、コアネットワークとしては、光パスによりエッジルータ間が直結される光ネットワークを想定する。
次に、ルーティングプロトコルモジュール2013が、IPルーティングテーブル2015に書込まれた新たな経路情報を外部IPネットワーク2002に対して広告する。また、同時に、MPLSラベルテーブル2016に書込まれた情報を、パケット転送時に参照されるフォワーディングテーブルの形式に変換し、IP/MPLSインタフェース2017およびMPLSインタフェース2020に転送する。
次に、外部IPネットワーク2002から100.1.1.1宛てのIPパケット2007がエッジルータ2004−1に入力されたとする。エッジルータ2004−1は、IP/MPLSインタフェース2017に入力されたIPパケット2007の宛先IPアドレスをキーとしてIP/MPLSフォワーディングテーブル2019を検索し、出力ラベル値(=15)と出力インタフェース番号(=1)を得る。そして、IPパケット2007にラベル値(15)が記載されたMPLSラベルを付与し、光ネットワーク2001へ出力する。光ネットワーク2001内ではIPパケットレベルでのスイッチングは行われず、あらかじめ確立された光パス2005の上をIPパケット2007が転送され、エッジルータ2004−2のMPLSインタフェース2020に到達する。IPパケット2007を受信したエッジルータ2004−2は、IPパケット2007に付与されたラベル値(=15)をキーとして、MPLSインタフェース2020上のMPLSフォワーディングテーブル2022を検索し、外部IPネットワーク2002への出力インタフェース番号(=5)を得る。そして、IPパケット2007からMPLSラベルが除去され、出力インタフェースから転送される。
本実施例のエッジルータは、情報処理装置であるコンピュータ装置を用いて実現することができる。すなわち、コンピュータ装置にインストールすることにより、そのコンピュータ装置に、一つのコアネットワークである光ネットワーク1と複数の外部IPネットワーク2002とをその境界点で相互に接続し、外部IPネットワーク2002から光ネットワーク2001への入力IPパケットを処理するIP/MPLSインタフェース2017に相応する入力機能と、光ネットワーク2001から外部IPネットワーク2002への出力IPパケットを処理するMPLSインタフェース2020に相応する出力機能とを備えたエッジルータに相応する機能を実現させるプログラムであって、前記入力機能として、宛先IPアドレスとそれに対応する他エッジルータの出力インタフェースを示す識別子との対応表を保持するIP/MPLSフォワーディングテーブル2019に相応する機能と、他エッジルータヘのIPパケット転送時にIP/MPLSフォワーディングテーブル2019に基づき当該IPパケットの宛先IPアドレスに対応する前記識別子を当該IPパケットに付与するパケット転送処理部2018に相応する機能とを実現させ、前記出力機能として、前記識別子を参照し当該識別子が示す出力インタフェースヘIPパケットを転送するMPLS転送処理部2021およびMPLSフォワーディングテーブル2022に相応する機能を実現させるプログラムをコンピュータ装置にインストールすることにより、そのコンピュータ装置を本実施例のエッジルータに相応する装置とすることができる。前記識別子としてMPLSラベルを用いる。
これにより、コンピュータ装置を用いて、エッジルータでのIP処理を一部省略することにより、エッジルータの経済化とスケーラビリティの向上を図ることができるカットスルー方法およびエッジルータを実現することができる。
なお、本実施例は、図4の光エッジルータ1003に、本実施例で挙げたいくつかの機能を実装することにより、第1実施例に追加で実施可能であり、第1実施例であげた利点に加え、カットスルー方法によるエッジルータの経済化とスケーラビリティの向上を図ることができる。
図16は、本発明の第3の実施例のデータ転送網構成を説明する図である。
複数の回線交換機3200は、単数または複数の通信回線3300によって接続され、回線交換網を構成する。この回線交換網の回線交換機に通信回線3300を介して複数のパケット交換機31000が接続され、パケット交換網が構成される。
回線交換機3200は回線スイッチおよび回線経路制御部から構成される。
回線スイッチは、複数の通信回線を介して、単数または複数の他回線交換機の回線スイッチと接続される。
回線経路制御部は回線スイッチの制御を行い、2つの通信回線の結合を行なう。
通信回線とは、たとえば、光回線、SDH/SONET回線、ATM回線、MPLS−LSP、FR回線などが相当する。該回線経路制御部は、単数または複数の他回線交換機3200の回線経路制御部およびパケット交換機31000の回線経路制御部とそれぞれ回線交換機間通信路3700およびパケット交換機/回線交換機間通信路3600により接続される。該回線経路制御部は該回線交換機関通信路3700を経由して、相互の回線交換を接続する通信回線本数などの情報を交換する。たとえばOSPF−TE(非特許文献4参照)やPNNI(非特許文献5参照)などの通信プロトコルを用いることによって、回線交換網全体の接続関係を知ることができる。図17は回線交換網の接続情報を表す図である。
パケットスイッチは、単数または複数の回線交換機3200と通信回線3300により接続される。
回線経路制御部は、単数または複数の回線交換機3200の回線経路制御部とパケット交換機/回線交換機間通信回線3600により接続される。該回線経路制御部は通信路を経由して、回線交換網の通信回線本数などの情報を収集する。たとえばOSPF−TE(非特許文献4参照)やPNNI(非特許文献5参照)などの通信プロトコルを用いることによって、回線交換網全体の接続関係を知ることができる。図17は回線交換網の接続情報を表す図である。
図19は本発明の第4の実施例を説明する図である。
実施例3にくらべ、パケット交換機および回線交換機を統合し、パケット回線交換機32000とした例を示す。図19に示すように、本実施例のデータ転送網は、複数の回線交換機3200と複数のパケット交換機31000とパケット・回線交換機32000−1と各交換機を接続する通信回線によって構成される。
パケット・回線交換機32000−1は、回線スイッチとパケットスイッチと回線経路制御部とパケット経路制御部と連携制御部とを備える。本実施例における回線経路制御部は、実施例3のパケット交換機31000の回線経路制御部と回線交換機3200の回線経路制御部が内部通信路により接続されて構成されている。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
1002、2002・・・外部IPネットワーク
1003・・・光エッジルータ
1004・・・光クロスコネクト
1005、2005・・・光パス
1006・・・BGPピア
1007・・・GMPLS隣接関係
1008・・・IPルーチング隣接関係
2003・・・オプティカルクロスコネクト
2004・・・エッジルータ
2006・・・制御信号
2007・・・IPパケット
2011・・・制御信号処理部
2012・・・転送処理部
2013・・・ルーティングプロトコルモジュール
2014・・・IP経路・MPLSラベル交換プロトコルモジュール
2015・・・IPルーティングテーブル
2016・・・MPLSラベルテーブル
2017・・・IP/MPLSインタフェース
2018・・・パケット転送処理部
2019・・・IP/MPLSフォワーディングテーブル
2020・・・MPLSインタフェース
2021・・・MPLS転送処理部
2022・・・MPLSフォワーディングテーブル
3100・・・パケット交換機
3200・・・回線交換機
3300・・・通信回線
3600・・・パケット交換機/回線交換機間通信回線
3700・・・回線交換機間通信路
Claims (5)
- 光パス確立手段を備え、外部IPネットワークを光ネットワークに接続する複数の光エッジルータと、前記光エッジルータ間を光パスで接続するために光パス単位でのスイッチング手段を備える複数の光クロスコネクトとを含んで構成される光ネットワークにおいて、
前記光エッジルータが、
前記光ネットワーク内のトポロジ情報を保持し、光パスのスイッチング及びシグナリングを行う光ネットワーク制御インスタンスと、
前記外部IPネットワークのルーチングテーブルを保持し、外部IPネットワークとの間でルーチングプロトコルを動作させるIPネットワークインスタンスの両方を備えることを特徴とする光ネットワーク。 - 前記外部IPネットワーク間で経路情報を交換するためのルーチングプロトコルを、前記外部IPネットワークが接続される前記光エッジルータの前記光ネットワーク制御インスタンス間で動作させることを特徴とする請求項1に記載の光ネットワーク。
- 前記外部IPネットワークの経路情報を交換するプロトコルとして、BGPを使うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光ネットワーク。
- 光ネットワークに使用され、外部IPネットワークとの間でパケットの転送を行う光エッジルータであって、
前記外部IPネットワークの隣接するルータとの間でパケットの転送を行うパケット転送処理手段を備えると共に、
前記隣接するルータとの間で経路情報を交換する処理を行う経路情報交換手段、
ルーチングテーブルを作成して記憶手段に記憶する処理を行うルーチングテーブル作成手段、
光ネットワーク内のトポロジ情報を収集して記憶手段に記憶する処理を行うトポロジ情報収集手段、
光パスの確立・解放のシグナリングを行うシグナリング手段、
対向する他の光エッジルータとの間で前記経路情報を通知する処理を行う経路情報通知手段、
前記ルーチングテーブルと前記トポロジ情報とを記憶手段から読み出して、前記パケット転送処理手段におけるパケットの転送先を設定するパケット転送テーブルを生成する処理を行うパケット転送テーブル生成処理手段、を備えること、を特徴とする光エッジルータ。 - 光ネットワークに使用され、所定の演算処理を行う演算処理手段と外部IPネットワークとの間でパケットの転送を行うパケット転送処理手段とを備える光エッジルータに用いられるプログラムであって、
前記演算処理手段を、
前記外部IPネットワークの隣接するルータとの間で経路情報を交換する処理を行う経路情報交換機能、
ルーチングテーブルを作成して記憶手段に記憶する処理を行うルーチングテーブル作成機能、
光ネットワーク内のトポロジ情報を収集して記憶手段に記憶する処理を行うトポロジ情報収集機能、
光パスの確立・解放のシグナリングを行うシグナリング機能、
対向する他の光エッジルータとの間で前記経路情報を通知する処理を行う経路情報通知機能、
前記ルーチングテーブルと前記トポロジ情報とを記憶手段から読み出して、前記パケット転送処理手段におけるパケットの転送先を設定するパケット転送テーブルを生成する処理を行うパケット転送テーブル生成処理機能、として動作させること、を特徴とする光エッジルータ用のプログラム。
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