JP3895159B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両操舵のための操作手段に加えられる操舵トルクに応じて電動モータを駆動することにより、当該車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置に関し、さらに詳しくは、このような電動パワーステアリング装置において電動モータを駆動する回路の発熱対策に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、運転者がハンドル(ステアリングホイール)に加える操舵トルクに応じて電動モータを駆動することによりステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置が用いられている。この電動パワーステアリング装置では、操舵のための操作手段であるハンドルに加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサが設けられており、そのトルクセンサで検出される操舵トルクに基づき電動モータに流すべき電流の目標値が設定される。そして、この目標値と電動モータに実際に流れる電流の値との偏差に基づき、電動モータの駆動手段に与えるべき指令値が生成される。電動モータの駆動手段は、例えば、その指令値に応じたデューティ比のパルス幅変調信号(PWM信号)を生成するPWM信号生成回路と、そのPWM信号のデューティ比に応じてオン/オフするパワートランジスタを用いて構成されるモータ駆動回路とから成り、そのデューティ比に応じた電圧すなわち指令値に応じた電圧を電動モータに印加する。この電圧印加によって電動モータに流れる電流は電流検出器によって検出され、この検出値と上記目標値との差が上記指令値を生成するための偏差として使用される。電動パワーステアリング装置では、このようにして、操舵トルクに基づき設定される目標値の電流が電動モータに流れるようにフィードバック制御が行われる。
【0003】
このような電動パワーステアリング装置において、例えばハンドルを長時間にわたってすえ切り(車両が停止した状態でハンドルを切る動作)を行った場合のように、操舵補助力の大きい状態が継続すると、電動モータに大きな電流が流れて発熱し、ついには破損してしまうおそれがある。そこで、従来より、電動モータに流れる電流を監視し、当該電流が一定時間以上継続して基準値を越えた場合には、検出された操舵トルク等に基づき算出された通常の指令値に対して1より小さい所定の係数を乗算した値を指令値とし、当該指令値に基づき上記フィードバック制御を行って、電動モータに流れる電流を低減させるようにした電動パワーステアリング装置が知られている。このような従来の構成は、電動モータに対する過負荷保護の作用に付随して、モータ駆動回路の素子に熱破壊の危険が生じる程度の高温が継続する状態(以下、「過熱状態」という)を防止する作用を併せて有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、電動モータに供給すべき電流を制限する上記の構成は、モータ駆動回路(特に当該回路を構成する上記パワートランジスタ)の過熱を防止するためには必ずしも最適であるとはいえない。特に、電動モータとしてブラシレスモータを用いた場合には、ブラシ付きモータの場合よりもその駆動回路のスイッチング動作による発熱がさらに大きくなるので、当該駆動回路の過熱防止対策として最適な構成が望まれる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、電動モータの駆動回路(特にパワートランジスタ)が過熱状態となった場合に、その発熱を抑えて当該回路を保護するために最適な構成を備えた電動パワーステアリング装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、車両操舵のための操作手段に加えられる操舵トルクに応じて電動モータを駆動することにより当該車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、
前記電動モータに流れる電流を検出して当該電流の検出値を出力する電流検出手段と、
前記電動モータに供給すべき電流の値として前記操舵トルクに基づき設定される目標電流値と前記電動モータに流れる電流の前記検出値との偏差に基づき、前記電動モータのフィードバック制御のための指令値を算出する制御手段と、
前記制御手段が算出した前記指令値に基づき、デューティ比の変化するPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、
前記PWM信号生成手段により生成される前記PWM信号に基づいて前記電動モータを駆動するモータ駆動手段と、
前記モータ駆動手段が過熱状態か否かを判定する過熱判定手段と、
前記過熱判定手段によって過熱状態であると判定された場合には、前記PWM信号の周波数をあらかじめ設定された初期値よりも低い周波数に変更する駆動周波数低下手段と
前記駆動周波数低下手段によって変更された前記PWM信号の周波数を前記初期値に復帰させる駆動周波数復帰手段とを備え
前記過熱判定手段は、前記モータ駆動手段の過熱状態が解消されたか否かを判定する解消判定手段を含み、
前記駆動周波数復帰手段は、前記解消判定手段により前記モータ駆動手段の過熱状態が解消されたと判定される場合に、前記モータ駆動手段の放熱に必要な時間に応じて前記PWM信号の周波数を前記初期値に復帰させることを特徴とする。
【0007】
このような第1の発明によれば、モータ駆動回路のスイッチング素子によるスイッチング周波数を変更するので、通常の操舵補助力を維持しながらFETを効果的に冷却してこれを保護することができ、かつ駆動周波数低下処理の後に過熱状態が解消したと判定した場合、モータ駆動回路の放熱に必要な時間に応じて、例えば緩やかにスイッチング周波数を初期値へ復帰することにより、モータ駆動回路に含まれるスイッチング素子の冷却に必要な時間を十分にとることができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、
制御手段は、過熱判定手段により過熱状態であると判定された場合には、電動モータに供給すべき電流を制限する電流制限手段を含む。
【0009】
このような第2の発明によれば、スイッチング周波数の低下による冷却効果に加えて、モータへ供給すべき電流を制限することによる冷却効果を利用して、モータ駆動回路に含まれるスイッチング素子を速やかに冷却することができる。
【0010】
第3の発明は、第1の発明において、
過熱判定手段は、モータ駆動手段から電動モータに供給すべき電流に基づき、モータ駆動手段が過熱状態であるか否かを判定することを特徴とする。
【0011】
このような第3の発明によれば、電動モータへ供給すべき電流のみをモニターすることにより、特別な温度センサを必要とすることなく、容易にモータ駆動回路に含まれるスイッチング素子の過熱状態を検出することができる。
【0012】
第4の発明は、第1の発明において、
過熱判定手段は、モータ駆動手段の温度を検知する温度検知手段を含み、当該温度検知手段により検知された温度が所定の閾値を超えた場合には、モータ駆動手段が過熱状態であると判定することを特徴とする。
【0013】
このような第4の発明によれば、電動モータへ供給すべき電流に関わらず、温度センサの検出する温度に基づき正確にモータ駆動回路に含まれるスイッチング素子の過熱状態を検出することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<1.全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を、それに関連する車両構成と共に示した概略図である。この電動パワーステアリング装置は、操舵のための操作手段としてのハンドル(ステアリングホイール)100に一端が固着されるステアリングシャフト102と、そのステアリングシャフト102の他端に連結されたラックピニオン機構104と、ハンドル100の操作によってステアリングシャフト102に加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサ3と、ハンドル操作(操舵操作)による運転者の負荷を軽減するための操舵補助力を発生させる電動モータ6と、そのモータ6の発生する操舵補助力をステアリングシャフト102に伝達する減速ギヤ7と、車載バッテリ8からイグニションスイッチ9を介して電源の供給を受け、トルクセンサ3や車速センサ4からのセンサ信号に基づきモータ6の駆動を制御する電子制御ユニット(ECU)5とを備えている。
【0017】
このような電動パワーステアリング装置を搭載した車両において運転者がハンドル100を操作すると、その操作による操舵トルクがトルクセンサ3によって検出され、その操舵トルクの検出値Tsと車速センサ4によって検出された車速とに基づいてECU5によりモータ6が駆動される。これによりモータ6は操舵補助力を発生し、この操舵補助力が減速ギヤ7を介してステアリングシャフト102に加えられることにより、操舵操作による運転者の負荷が軽減される。すなわち、ハンドル操作によって加えられる操舵トルクTsと、モータ6の発生する操舵補助力によるトルク(以下「操舵補助トルク」という)Taとの和が、出力トルクTbとして、ステアリングシャフト102を介してラックピニオン機構104に与えられる。これによりピニオン軸が回転すると、その回転がラックピニオン機構104によってラック軸の往復運動に変換される。ラック軸の両端はタイロッドおよびナックルアームから成る連結部材106を介して車輪108に連結されており、ラック軸の往復運動に応じて車輪108の向きが変わる。
【0018】
<2.制御装置の構成および動作>
図2は、上記電動パワーステアリング装置の制御装置であるECU5の詳細な構成を示すブロック図である。このECU5は、マイコン10と、PWM信号生成回路17と、電流検出器19と、モータ駆動回路20とを備えている。
【0019】
トルクセンサ3は、ハンドル100の操作によって与えられる操舵トルクを検出する。すなわち、ステアリングシャフト102において、ハンドル側の部分と、減速ギヤ7を介して操舵補助トルクTaの加えられる部分との間にはトーションバーが介装されている。トルクセンサ3は、そのトーションバーのねじれを検出することにより操舵トルクを検出する。このようにして検出された操舵トルクの検出値Tsは、操舵トルク検出信号としてトルクセンサ3から出力され、マイコン10に入力される。
【0020】
車速センサ4は、この電動パワーステアリング装置が搭載される車両の車速を検出し、その検出値Ssを示す信号を車速信号として出力する。この車速信号もマイコン10に入力される。
【0021】
電流検出器19は、モータ6に実際に供給される電流すなわちモータ6に流れる電流を検出し、その電流を示す電流検出値Isを出力する。この電流検出値Isもマイコン10に入力される。
【0022】
PWM信号生成回路17は、後述するマイコン10によって生成された指令値Vに応じたデューティ比Dのパルス信号、すなわち後述する指令値Vに応じてパルス幅の変化するパルス幅変調信号(以下「PWM信号」という)を生成する。このモータ駆動回路20を駆動するためのPWM信号の周波数(以下、「駆動周波数」という)は、マイコン10から与えられる分周数Nによって決定される。以下、図3を参照して、PWM信号生成回路の詳細な構成を説明する。
【0023】
本PWM信号生成回路17は、基準クロック生成部171と、例えばカウンタ等で構成される分周回路172と、PWM信号発生部173とを備える。基準クロック生成部171は、所定の周波数を有する基準クロックSbを生成する。なお、基準クロック生成部171を省略して、ECU5またはマイコン10のクロックを基準クロックSbとして用いるように構成してもよい。分周回路172は、基準クロック生成部171から入力された基準クロックSbを、マイコン10から入力された1より小さい分周数Nで分周した分周信号Sfを生成する。PWM信号発生部173は、分周信号Sfに基づいて、デューティ比DのPWM信号を生成し、モータ駆動回路20に与える。なお、分周数Nと、基準クロックSbの周波数f0と、分周信号Sfの周波数f1とは、次式(1)の関係を有するものとする。
f1 = f0 × N (但し、N<1) …(1)
また、上記のようなPWM信号生成回路17の機能は、マイコン10によって実現されてもよい。
【0024】
次に、マイコン10は、入力された上記の操舵トルク検出信号Ts、車速信号Ss、および電流検出値Isに基づいて、適切な操舵補助力を発生させるために、PWM信号生成回路17へ上記デューティ比Dを与える。また、マイコン10は、モータ駆動回路20が過熱状態となった場合にはその発熱を抑えるように上記分周数Nを変更する。以下、マイコン10の動作について図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0025】
まず、マイコン10は、操舵トルクの検出値Ts、車速の検出値Ss、および電流検出値Isをそれぞれ受け取る(ステップS12)。次に、マイコン10は、受け取った操舵トルクの検出値Tsに対して位相補償を施し、その位相補償後の値および車速の検出値Ssに基づいて、モータ6に供給すべき目標電流の値(目標電流値)Itを算出する処理(以下「目標電流設定処理」という)を行う(ステップS14)。具体的には、マイコン10は、適切な操舵補助力を発生させるためにモータ6に供給すべき目標電流値Itと操舵トルクとの関係を車速をパラメータとして示すテーブル(「アシストテーブル」と呼ばれる)を参照して、目標電流値Itを設定する。
【0026】
さらに、マイコン10は、上記目標電流値Itと、電流検出器19から出力される電流検出値Isとの偏差It−Isを算出する。そして、この偏差It−Isに基づき比例積分制御演算によって、フィードバック制御のための指令値(以下、単に「指令値」という)Vを生成する演算(以下「フィードバック制御演算」という)を行う(ステップS16)。この指令値Vは、モータ6に目標電流値Itの電流が流れるように、偏差It−Isに基づくフィードバック制御を行うための指令値であり、次式(1)により与えられる。
V=Kp・(It−Is)+Ki・∫(It−Is)dt …(1)
ただし、Kpは比例積分制御演算における比例制御のゲインであり、Kiは比例積分制御演算における積分制御のゲインである。そして、マイコン10は、この指令値Vに基づいて、上記PWM信号生成回路17に与えるべきデューティ比Dを算出する。
【0027】
マイコン10は、以上のようにして算出されたデューティ比DをPWM信号生成回路17に与える(ステップS18)。
【0028】
最後に、マイコン10は、モータ駆動回路20が過熱状態であるか否かを判定し、必要に応じて、後述するモータ駆動回路20が備えるパワートランジスタのスイッチング周波数を変更するために、PWM信号生成回路17に与えるべき分周数Nを変更する処理(以下「スイッチング周波数変更処理」という)を行う(サブルーチンステップS20)。このスイッチング周波数変更処理の詳細については、後述する。こうしてマイコン10は、図4に示すステップS12〜S20までの処理を繰り返して行う。なお、上記変更処理はステップS18の次に実行される必要はなく、上記ステップS12〜S18の間のいずれかにおいて実行されてもよい。また、上記変更処理は、上記ループ処理とは並行的に実行される独立したプロセス(タスク)として構成されてもよい。
【0029】
次に、モータ駆動回路20について詳述する。モータ駆動回路20は、イグニションスイッチ9を介してバッテリ8と接続されており、上記PWM信号のデューティ比Dに応じた電圧をモータ6に印加する。図5は、このモータ駆動回路20の一構成例を示す回路図である。この例では、パワートランジスタとして使用される4個の電界効果型トランジスタ(以下「FET」という)21〜24によってブリッジ回路が構成されており、このブリッジ回路は、電源ラインと接地ラインとの間に接続されている。そして、右方向操舵を補助する方向のトルク(以下「右方向トルク」という)をモータ6に発生させるべき場合は、PWM信号生成回路17からFET21,24のゲートに上記PWM信号が入力され、FET22,23のゲートにはそれらをオフさせる所定信号が入力される。これにより、PWM信号のパルス幅に相当する期間(オン期間)だけFET21,24がオンして、指令値Vに応じた大きさの電圧がモータ6に印加され、モータ6は、その電圧印加によって流れる電流に応じた大きさの右方向トルクを発生する。一方、左方向操舵を補助する方向のトルク(以下「左方向トルク」という)をモータ6に発生させるべき場合は、PWM信号生成回路17からFET22,23のゲートに上記PWM信号が入力され、FET21,24のゲートにはそれらをオフさせる所定信号が入力される。これにより、PWM信号のパルス幅に相当する期間(オン期間)だけFET22,23がオンして、指令値Vに応じた大きさの電圧がモータ6に印加され、モータ6は、その電圧印加によって流れる電流に応じた大きさの左方向トルクを発生する。
【0030】
ここで、上記FETは、そのオン期間においてジュール熱を発生するほか、PWM信号のオン期間とオフ期間とに対応してオン・オフされるスイッチング動作の際に生じるスイッチングロスによって発熱する。したがって、上記FETは、そのスイッチング周波数が高いほど発熱量が多くなる。そこで、モータ駆動回路20が過熱状態である場合には、PWM信号生成回路17に与えるべき分周数Nを小さくする。そうすれば、PWM信号の駆動周波数が低くなって、PWM信号のオン期間とオフ期間とに対応してオン・オフされる上記FETのスイッチング周波数が低下することになる。
【0031】
このようなマイコン10によるスイッチング周波数変更処理は、基本的には従来の電動モータに対する過負荷保護のために実行される電動モータへの供給電流の制限処理に類似した処理により行うことができる。以下、上記スイッチング周波数変更処理の詳細な内容について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0032】
まず、マイコン10は、一定時間(例えば1秒間)における目標電流値Itの最大値(以下、「目標電流最大値」という)MCSを算出し、この目標電流最大値MCSが予め定められた許容上限値MC01を所定の時間内(例えば30秒間)に何回超えたかを計数する(ステップS202)。もし、その計数回数が所定のしきい回数以上の場合には、マイコン10は、上記FETが過熱状態であると判定して、低下制御フラグF1をセットする(ステップS204)。また、上記FETが過熱状態であると判定されない場合には、マイコン10は、上記目標電流最大値MCSが予め定められた許容下限値MC02を所定の時間内に何回下回ったかを計数する(ステップS206)。もし、その計数回数が所定のしきい回数以上の場合には、マイコン10は、上記FETの過熱状態が解消されたと判定する解消判定処理を行い、上記低下制御フラグF1をリセットするとともに復帰制御フラグF2をセットする(ステップS208)。
【0033】
なお、上記のようなFETの過熱判定処理は、目標電流値Itまたは電流検出値Isの積分値に基づいて行われてもよい。また、上記処理は、低下制御フラグF1がセットされてから一定の時間が経過した後に、またはマイコン10によって計算された放熱に必要な時間が経過した後に、上記FETが過熱状態ではなくなったと判定されて復帰制御フラグF2がセットされてもよい。
【0034】
次に、マイコン10は、低下制御フラグF1がセットされているか否かを判断し(ステップS210)、セットされている場合には、PWM信号生成回路17に与えるべき分周数Nを所定の低下定数K1だけ小さくする(ステップS212)。セットされていない場合、マイコン10は、復帰制御フラグF2がセットされているか否かを判断し(ステップS214)、セットされている場合には、PWM信号生成回路17へ与えるべき分周数Nを所定の復帰定数K2だけ大きくする(ステップS216)。ここで、分周数Nには予め初期値が与えられるものとし、例えば、初期値の分周数NがPWM信号生成回路17に与えられる場合の駆動周波数は、20KHzであり、上記低下定数K1が差し引かれる場合の駆動周波数は、17〜19KHz程度である。
【0035】
なお、復帰定数K2は、低下定数K1よりも小さな値(すなわちK1>K2)であることが好ましく、駆動周波数が徐々に初期値へ復帰するように定められた一定の数値であってもよいし、放熱に必要な時間間隔があけられるようにマイコン10によって計算された数値であってもよい。このように、復帰定数K2は、FETの放熱態様を考慮して、所定の時間が経過した後に分周数Nが初期値に緩やかに復帰するような値が選ばれる。
【0036】
次に、マイコン10は、分周数Nが所定の下限値まで低下したか否か、または初期値まで復帰したか否かを判断し(ステップS218)、条件を満たす場合には低下制御フラグF1および復帰制御フラグF2をリセットする(ステップS220)。なお、分周数Nの下限値は、上記スイッチング周波数が例えば17KHz(すなわち可聴周波数の上限値付近)よりも低下しないように選ばれることが好ましい。
【0037】
以上のように、マイコン10は、モータ駆動回路20が過熱状態であると判定した場合、当該回路に含まれるFETの駆動周波数が低くなるように分周数Nを上記下限値まで低下定数K1ずつ減少させる駆動周波数低下処理を行う。その後にマイコン10は、過熱状態が解消したと判定した場合、FETに必要な時間だけ放熱させるため、典型的には緩やかに初期値へ復帰するように分周数Nを復帰定数K2ずつ増加させる駆動周波数復帰処理を行う。
【0038】
<3.変形例>
上記実施形態では、目標電流値It(または電流検出値Is)に基づいてモータ駆動回路20が過熱状態であると判定したが、モータ駆動回路20の温度が閾値を超えたか否かによって判定してもよい。そのために、本実施形態の変形例では、モータ駆動回路20の内部(典型的にはFET21〜24の近傍)に温度センサを設ける。図7は、温度センサをさらに備えた電動パワーステアリング装置における制御装置(ECU)の構成を示すブロック図である。温度センサは、例えばサーミスタなどの温度を検知するための素子を含み、検知温度Jsをマイコン10に与える。また、マイコン10は、図6のステップS202に示す処理に代えて、検知温度Jsが過熱状態を示す上限温度を超えた状態が、熱破壊を招く危険を生じる程度の時間だけ続いたか否かを判定する。同様に、マイコン10は、図6のステップS206に示す処理に代えて、検知温度Jsが過熱状態の解消を示す所定の復帰温度を下回る状態が、一定時間だけ続いたか否かを判定する。このような構成により、マイコン10は、モータ駆動回路20の温度を直接計測して過熱状態であると判定した場合に駆動周波数低下処理を行い、その後に温度が低下して過熱状態が解消したと判定した場合に駆動周波数復帰処理を行ってもよい。なお、上記実施形態では、モータ駆動回路20の過熱状態を判定対象としてスイッチング周波数変更処理を行ったが、モータ6の過熱状態を上記実施形態と同様な方法(例えば、モータ6近傍に温度センサを取り付ける方法など)により判定対象としてスイッチング周波数変更処理を行ってもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、FETの過熱対策としてそのスイッチング周波数を変更する処理のみを行ったが、併せてモータに供給すべき目標電流値Itがとり得る範囲の上限値(または目標電流値It自体)を設定または変更する処理を行って、モータに供給すべき電流に制限を設けてもよい。すなわち、マイコン10は、図6のステップS212に示す処理に加えて、目標電流値Itの上限値を初期値から低下させ、または新たに低い上限値を設定する電流制限処理をさらに行い、ステップS216に示す処理に加えて、目標電流値Itの上記上限値を初期値へ復帰させる電流制限復帰処理をさらに行ってもよい。このようなスイッチング周波数の低下処理と、モータへ供給すべき電流を制限する処理とを組み合わせる構成により、モータ駆動回路20の過熱状態が速やかに解消される。
【0040】
なお、モータ駆動回路20は、図5に示すようにブラシ付きモータ6を駆動する回路であるが、ブラシレスモータを駆動する回路であっても同様またはそれ以上のスイッチングロスによる過熱状態が発生するので、上記実施形態の構成を同様に適用することができる。
【0041】
<4.作用および効果>
上記実施形態によれば、マイコン10は、モータ駆動回路20のFET21〜24が過熱状態であると判定した場合、これらFETのスイッチング周波数を低下させるために、PWM信号生成回路17に与えるべき分周数Nを小さくする処理を行う。その後にマイコン10は、過熱状態が解消したと判定した場合、典型的には放熱のため徐々に初期値へ戻るようにスイッチング周波数を復帰させる処理を行う。このようにして上記実施形態によれば、モータ6へ供給すべき電流を変更することなく、スイッチング周波数のみを変更するので、通常の操舵補助力を維持しながらFETを効果的に冷却して、これを保護することができる。
【0042】
また、上記実施形態によれば、マイコン10は、モータ6に供給すべき目標電流値Itに基づいて、モータ駆動回路20のFET21〜24が過熱状態であるか否かを判定する。このようにして上記実施形態によれば、モータ6に供給すべき電流のみを監視することにより、特別な温度センサを必要とすることなく、簡易な構成によりFETの過熱状態を検出することができる。
【0043】
これに対して、上記実施形態の一変形例によれば、マイコン10は、モータ駆動回路20のFET21〜24が過熱状態にあるか否かを温度センサによって判定する。このようにして上記実施形態の一変形例によれば、モータ6へ供給すべき電流値に関わらず、確実かつ正確にFETの過熱状態を検出することができる。
【0044】
さらに、上記実施形態の別の変形例によれば、マイコン10は、スイッチング周波数を変更する処理とともに、モータに供給すべき目標電流値Itがとり得る上限値(または目標電流値It自体)を変更して、目標電流値Itを制限する。このようにして上記実施形態の変形例によれば、スイッチング周波数の低下による冷却効果に加えて、モータへ供給すべき電流を制限することによる冷却効果を利用することにより、FETを速やかに冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成をそれに関連する車両構成と共に示す概略図である。
【図2】上記実施形態に係る電動パワーステアリング装置における制御装置(ECU)の構成を示すブロック図である。
【図3】上記実施形態におけるPWM信号生成回路の構成を示すブロック図である。
【図4】上記実施形態におけるマイコンの動作を示すフローチャートである。
【図5】上記実施形態におけるモータ駆動回路の構成を示す回路図である。
【図6】上記実施形態におけるマイコンのスイッチング周波数変更処理の詳細な内容を示すフローチャートである。
【図7】上記実施形態の変形例に係る電動パワーステアリング装置における制御装置(ECU)の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
3 …トルクセンサ
4 …車速センサ
5 …電子制御ユニット(ECU)
6 …モータ
8 …バッテリ
10 …マイコン
17 …PWM信号生成回路
19 …電流検出器
20 …モータ駆動回路
30 …温度センサ
171…基準クロック生成部
172…分周回路
173…PWM信号発生部
It …目標電流値
Is …電流検出値(モータ電流)
Ts …操舵トルクの検出値
Ss …車速の検出値
Sb …基準クロック
Sf …分周信号
V …指令値
N …分周数
D …デューティ比

Claims (4)

  1. 車両操舵のための操作手段に加えられる操舵トルクに応じて電動モータを駆動することにより当該車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、
    前記電動モータに流れる電流を検出して当該電流の検出値を出力する電流検出手段と、
    前記電動モータに供給すべき電流の値として前記操舵トルクに基づき設定される目標電流値と前記電動モータに流れる電流の前記検出値との偏差に基づき、前記電動モータのフィードバック制御のための指令値を算出する制御手段と、
    前記制御手段が算出した前記指令値に基づき、デューティ比の変化するPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、
    前記PWM信号生成手段により生成される前記PWM信号に基づいて前記電動モータを駆動するモータ駆動手段と、
    前記モータ駆動手段が過熱状態か否かを判定する過熱判定手段と、
    前記過熱判定手段によって過熱状態であると判定された場合には、前記PWM信号の周波数をあらかじめ設定された初期値よりも低い周波数に変更する駆動周波数低下手段と
    前記駆動周波数低下手段によって変更された前記PWM信号の周波数を前記初期値に復帰させる駆動周波数復帰手段とを備え
    前記過熱判定手段は、前記モータ駆動手段の過熱状態が解消されたか否かを判定する解消判定手段を含み、
    前記駆動周波数復帰手段は、前記解消判定手段により前記モータ駆動手段の過熱状態が解消されたと判定される場合に、前記モータ駆動手段の放熱に必要な時間に応じて前記PWM信号の周波数を前記初期値に復帰させることを特徴とする、電動パワーステアリング装置。
  2. 前記制御手段は、前記過熱判定手段により過熱状態であると判定された場合には、前記電動モータに供給すべき電流を制限する電流制限手段を含む、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記過熱判定手段は、前記モータ駆動手段から前記電動モータに供給すべき電流に基づき、前記モータ駆動手段が過熱状態であるか否かを判定することを特徴とする、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記過熱判定手段は、前記モータ駆動手段の温度を検知する温度検知手段を含み、当該温度検知手段により検知された温度が所定の閾値を超えた場合には、前記モータ駆動手段が過熱状態であると判定することを特徴とする、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
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