JP3894928B2 - サニタリ配管用ガスケット及びその製作方法 - Google Patents

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本発明は、医薬品,食品等の生産装置におけるサニタリ配管の継手部分に使用される多孔質ポリテトラフルオロエチレン製のサニタリ配管用ガスケット及びその製作方法に関するものである。
サニタリ配管用ガスケットとしては、一般に、シリコンゴム等からなるゴム製の環状ガスケットやポリテトラフルオロエチレン製の環状ガスケットがある。しかし、ゴム製のものは、長期使用のうちに可塑剤が溶出し易く、高度のクリーン度が要求されるサニタリ配管には適用し難い。また、サニタリ配管においては、近時、蒸気滅菌処理を行う頻度が高くなっているが、かかる処理を行う場合、ガスケットが高温条件下で使用されるため劣化し易く、耐久性に問題がある。特に、劣化切断した場合には、漏れが生じて、所定のシール機能を発揮できない。一方、ポリテトラフルオロエチレン製のものは、ポリテトラフルオロエチレンの特性から、上記したような問題は生じないが、その反面、硬質であるため柔軟性,馴染み性,復元性等に劣る。したがって、所定のシール機能を発揮させるためには、極めて大きな締付トルクが必要となったり、頻繁な増締め作業が必要となり、また再度の締付けによるシール機能回復も困難である。
そこで、近時、このようなシリコンゴム製ガスケットやポリテトラフルオロエチレン製ガスケットにおける問題を解決したものとして、多孔質ポリテトラフルオロエチレンつまり延伸により多孔質化させたポリテトラフルオロエチレンを構成素材とした環状のサニタリ配管用ガスケット(以下「従来ガスケット」という)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。かかる従来ガスケットは、軟質材である多孔質ポリテトラフルオロエチレンを構成材とするものであることから、耐久性,クリーン性,耐薬品性等に優れるといったポリテトラフルオロエチレン本来の特性を担保しつつ、通常のポリテトラフルオロエチレン製のガスケットでは得ることのできない優れた柔軟性,馴染み性,復元性等を有するものであり、サニタリ配管における厳しいシール条件下でも好適に使用することができるものである。
しかし、従来ガスケットにあっては、それが多孔質材で構成されているため、被密封流体に直接触れるガスケット内周部分から被密封流体が浸透して、所謂浸透洩れを生じる虞れがある。かかる浸透洩れは、被密封流体が液体である場合はさほど生じないが、ガスシールとして使用する場合や真空保持シールとして使用した場合には甚だしい。浸透洩れを防止するために、ガスケットの成形密度を高めておくことも考えられるが、成形密度を高めるにも限度があり、浸透洩れはこれを確実には阻止することは不可能である。また、成形密度を必要以上に高めると、多孔質ポリテトラフルオロエチレン本来の特性(柔軟性等)が損なわれることになり、多孔質ポリテトラフルオロエチレンを構成材として使用したことの意義が消失することになる。このように、多孔質ポリテトラフルオロエチレン製の環状ガスケットにあって、浸透洩れは材質上宿命的な欠点であり、そのために用途が大幅に制限されているのが実情である。
特開平5−99343号公報
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、多孔質ポリテトラフルオロエチレン製ガスケットにおける材質上の宿命的な欠点である浸透洩れを、多孔質ポリテトラフルオロエチレンを構成材としたことによる特性,意義を消失させることなく、確実に防止することができるサニタリ配管用ガスケットを提供すると共に、かかるサニタリ配管用ガスケットを好適に製作しうる方法を提供することを目的とするものである。
この課題を解決した本願方法発明により製作されたサニタリ配管用ガスケットは、多孔質ポリテトラフルオロエチレン製の環状ガスケットであって、被密封流体に直接触れるガスケット内周部分の表面層のみを、加熱させた上、冷却固化させることによって、ガスケットの厚み方向における中央部分で厚く且つ両端部分で薄くなった無孔質の溶融固化層としたものである。
かかるサニタリ配管用ガスケットを製作するための本願方法発明は、多孔質ポリテトラフルオロエチレン製の環状ガスケットにおける、被密封流体に直接触れるガスケット内周部分の表面層のみを、加熱溶融させた上、冷却固化させることによって、ガスケットの厚み方向における中央部分で厚く且つ両端部分で薄くなった無孔質の溶融固化層となるようにしたことを発明の基本構成とするものである。かかる方法にあっては、前記ガスケット内周部分の表面層のみの溶融固化処理は、420〜460℃で10〜30秒の条件で行うようにすることが好ましい。具体的には、前記表面層の加熱溶融処理は、加熱された金属部材を該表面層に全面的に接触させることにより行うが好ましい。
本発明のサニタリ配管用ガスケットによれば、多孔質ポリテトラフルオロエチレン製ガスケット本来の特性を損なうことなく、その宿命的な欠点であるガスケット内周部分からの浸透洩れを確実に防止することができる。したがって、多孔質ポリテトラフルオロエチレン製ガスケットのシール特性(ガスシール性,気密保持性等)を、従来ガスケットに比して、大幅に向上させ得て、当該ガスケットの用途を大幅に拡大することができる。
また、本発明の方法によれば、上記浸透洩れ防止構造を有するサニタリ配管用ガスケットを好適に製作することができる。
被密封流体に直接触れるガスケット内周部分に無孔質の溶融固化層が形成されているから、該部分からの浸透洩れは、ガスケットが多孔質材で構成されているにも拘わらず、確実に防止される。しかも、この溶融固化層はガスケット内周部分の表面層のみにすぎないから、ガスケット全体として柔軟性,馴染み性等の多孔質ポリテトラフルオロエチレン本来の特性は何ら損なわれず、これをガスケット構成材として使用することの意義は消失しない。
以下、本発明の構成を図1〜図3に示す実施例に基づいて具体的に説明する。
この実施例のサニタリ配管用ガスケット1は、図1に示す如く、多孔質ポリテトラフルオロエチレン製のシート材から打抜いた環状素材を金型により加圧成形することによって得られたもので、両面に環状の突条1a,1bを突設してなる円環状板形状をなす。なお、多孔質ポリテトラフルオロエチレン製シート材としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン素材を加圧ロールにより結晶配向処理した上、ゴム被覆ピンチロールにより、327℃未満の温度条件下において延伸率110〜300%で延伸させてなる空隙率40〜86%のものが使用される。
このガスケット1は、図2及び図3に示す如く、サニタリ配管2a,2bの端部に形成したフェルール3a,3b間に挟圧状態で介挿することによって、サニタリ配管2a,2bの継手部分をシールさせるべく機能するものである。すなわち、ガスケット1を、フェルール3a,3b間の所定位置つまり配管2a,2bと同心となる位置に位置させる。この位置決めは、フェルール3a,3bの対向面に形成した円環状の凹部4a,4bに、ガスケット1の突条1a,1bを係合させることによって行われる。そして、フェルール3a,3b間をクランプバンド5により締付けて、ガスケット1をフェルール3a,3b間に挟圧させるのである。なお、このクランプバンド5は、一般に、環状に連結された2〜3個の円弧状セグメント5a…からなる二つ割り又は三つ割り構造のものであり、セグメント5a,5a間の連結ネジを締付けて環形状を縮径変形させることにより、フェルール3a,3b間を締付けうるようになっている。
したがって、フェルール3a,3bによるガスケット1の締付面圧つまりクランプバンド5の締付トルクを適当としておくことによって、フェルール3a,3b間がガスケット1によりシールされることになるが、フェルール3a,3bによる拘束を何ら受けずに配管2a,2b内の被密封流体に直接触れることになるガスケット内周部分1cからは、前述した如く、ガスケット1が多孔質ポリテトラフルオロエチレンを構成材とするものであることから浸透洩れが生ずる虞れがある。この実施例では、ガスケット内周部分1cを次のような浸透洩れ防止構造となすことによって、かかる浸透洩れを効果的に防止している。
すなわち、ガスケット内周部分1cの表面層を、図1〜図3に示す如く、内周部分1cの全面に亘って、無孔質の溶融固化層1´cとなしてある。
かかる浸透洩れ防止構造を有するサニタリ配管用ガスケット1の製作は、ガスケット内周部分1cの表面層を加熱溶融させた上、冷却固化させることによって行われる。かかる熱処理は種々の手法によって行うことができるが、この実施例では、ガスケット1が円環状であることに鑑み、内部にヒータを装填した円筒状の金属部材を使用して、溶融固化層1´cを形成するようにしている。すなわち、この金属部材はその外径寸法をガスケット1の内径寸法に略一致させた円筒状のもので、ヒータにより金属部材を多孔質ポリテトラフルオロエチレンの融点以上の適当温度に加熱した上、ガスケット1を金属部材に外嵌保持させて、ガスケット内周部1aをその全周に亘って金属部材の外周部に均等に接触させる。そして、金属部材の外周部に接触しているガスケット内周部分1cの表面層を、その全周に亘って同時に且つ均一に溶融させた後、ヒータによる金属部材の加熱を除去して、溶融部分を冷却固化させ、ガスケット内周部分1cの表面層を無孔質の溶融固化層1´cとなすのである。かくして形成された溶融固化層1´cは、図3に示す如く、ガスケット1の厚み方向における中央部分で厚く且つ両端部分で薄くなっている(以下、かかる層断面形状を「中高形状」という)。即ち、無効質の溶融固化層1´cは、図3に示すように断面視においてガスケットの直径の外側方向へ向けて突出する形状を呈しており、また、その内周部分1cは、断面視において直線状となる滑らかな面となっている。なお、前記ヒータは温度制御が可能なものを使用することが好ましい。
このようにガスケット内周部分1cの表面層を無孔質の溶融固化層1´cとなしておくと、ガスケット1が多孔質材からなるものであっても、ガスケット内周部分1cからの浸透洩れは溶融固化層1´cによって効果的に防止される。また、溶融固化されたガスケット内周部分1cの表面層1´cは硬質となっているが、この溶融固化層1´cは極く薄いものであり且つ被密封流体が直接触れる部分にのみ形成されたにすぎないものであるから、溶融固化層1´cの存在によっては、ガスケット1全体として多孔質ポリテトラフルオロエチレン本来の特性(柔軟性,馴染み性,復元性等)は何ら損なわれることがない。すなわち、浸透洩れを防止できる点を除いては、従来ガスケットと同一の機能を有する。特に、溶融固化層1´cを前記した中高形状としておくと、ガスケット1を厚み方向に圧縮(フェルール2a,2bにより挟圧)した場合、溶融固化層1´cの両端薄肉部は中央厚肉部に比して容易に変形することから、溶融固化層1´cの存在がガスケット1の弾性特性(柔軟性,馴染み性等)に与える悪影響を充分に排除し得ることになる。
上記した如くしてガスケット内周部1aの表面層を溶融固化層1´cとなしたサニタリ配管用ガスケット1が、浸透洩れを効果的に防止でき、ガスシール性,気密保持性に優れたものであることは、以下に述べる実験によって確認されている。
すなわち、この実験では、まず、各々複数個の多孔質ポリテトラフルオロエチレン製ガスケットI〜VIを、多孔質ポリテトラフルオロエチレン製シートを原材料として、同一条件で製作した。各ガスケットI〜VIは、同一形状のものであり、図1に示すサニタリ配管用ガスケット形状をなす、内径23.2mm,外径50.5mm,厚さ2mmの円環状板形状のものである。
さらに、ガスケットVIを除くガスケットI〜Vについては、上記した熱処理条件の範囲ではあるが、異なる熱処理条件でガスケット内周部分に溶融固化層を形成した。すなわち、ガスケットIについては420℃,10秒の条件で、ガスケットIIについては440℃,10秒の条件で、ガスケット IIIについては440℃,20秒の条件で、ガスケットIVについては440℃,30秒の条件で、ガスケットVについては460℃,10秒の条件で、夫々、上記実施例におけると同様の方法(内部に温度調節可能なヒータを装備した金属製の薄肉円筒を使用)により、ガスケット内周部分に中高形状の溶融固化層を形成した。なお、ガスケットVIは上記熱処理を一切行わないもの、つまり溶融固化層が全く形成されていない従来ガスケットである。
そして、各ガスケットI〜VIのシール特性について、次のような確認実験を行った。実験装置は、図2に示すサニタリ配管継手構造において配管2a,2bを盲栓により閉塞したものと同様構造をなすもので、閉塞された配管2a,2b内を当該ガスケットによりシールされた密閉空間(以下「検査空間」という)としたものである。なお、説明の便宜上、実験装置の各部材については、図2に示すサニタリ配管継手構造において対応部材に付した符号をそのまま使用することとする。
すなわち、第1の実験では、各ガスケットI〜VIを、図2に示すサニタリ配管継手構造におけると同様に、フェルール1a,1b間に挟圧保持させた上、検査空間に圧縮空気を供給,封入して、検査空間内の圧力を2.0Kgf/cm2 とし、一定時間経過時における検査空間内の圧力を測定した。この実験は、クランプバンド5の締付トルクを25Kgf・cmとした場合及び100Kgf・cmとした場合について行い、前者の場合は1時間経過時の圧力を測定し、後者の場合には1時間経過時の圧力及び18時間経過時の圧力を夫々測定した。 その結果は表1に示す通りであった。なお、従来ガスケットVIについては、18時間経過時の圧力測定を行い得なかった。これは、18時間経過前において検査空間内圧力が完全に消失したためである。
この実験結果から、溶融固化層を形成したガスケットI〜Vについては、締付トルクに拘らず、検査空間内圧力が殆ど降下せず、浸透洩れが効果的に防止されていることが確認された。一方、溶融固化層を形成しない従来ガスケットVIについては、締付トルクに拘らず、時間の経過と共に圧力が大きく降下しており、浸透洩れが生じていることが理解される。したがって、溶融固化層を被密封流体接触部分に形成しておくことによって、多孔質ポリテトラフルオロエチレン製ガスケットのガスシール特性を大幅に向上させ得ることが理解される。
Figure 0003894928
また、第2の実験では、上記実験装置の検査空間内をバキュームポンプにより−700mmHgの真空状態とした上、各ガスケットI〜VIについて、締付トルクを25Kgf・cmとした場合には1時間経過時の検査空間内圧力を、また締付トルクを100Kgf・cmとした場合には1時間経過時の検査空間内圧力及び2時間経過時の検査空間内圧力を、夫々測定した。その結果は、表2に示す通りであった。なお、従来ガスケットVIについては2時間経過時の測定値が示されていないが、これは2時間経過前に真空状態が完全に解消されてしまったことによる。
この実験結果から、溶融固化層を形成したガスケットI〜Vについては、締付トルクが大きい(100Kgf・cm)場合には完全な気密保持機能を発揮し、浸透洩れを確実に防止しうることが確認された。また、締付トルクが小さい(25Kgf・cm)場合にも、浸透洩れが効果的に防止され、優れた気密保持機能が発揮されることが理解される。一方、従来ガスケットVIについては、締付トルクを大きくしても、気密保持機能が充分に発揮されず、浸透洩れが甚だしいことが理解される。したがって、溶融固化層を被密封流体接触部分に形成しておくことによって、多孔質ポリテトラフルオロエチレン製ガスケットの気密保持特性を大幅に向上させ得ることが理解される。
Figure 0003894928
第3の実験は、ガスケットI〜Vについて、配管2a,2bの蒸気滅菌処理を3回繰り返した後に、上記各実験と同様の圧力測定を行ったものであり、その結果は表3に示す通りであった。
この実験結果から理解されるように、溶融固化層を形成したガスケットI〜Vについては、このような過酷な条件下においても、優れたガスシール性及び気密保持性を発揮しうるものであることが理解される。したがって、本発明の浸透洩れ防止構造を適用することによって、多孔質ポリテトラフルオロエチレン製ガスケットを、蒸気滅菌処理を行うことが法的に義務付けられているサニタリ配管においても好適に実用できるものとなしうることが理解される。
Figure 0003894928
また、第4の実験では、ガスケットI〜Vについて、上記実験装置を配管軸線が水平となる状態で水槽中に浸漬させた上、検査空間内に窒素ガスを供給して、該検査空間内を常時一定圧力に保持し、水面上に浮上してくる気泡をメスシリンダにより捕集することによって、気泡量つまりガスケットからの窒素ガス漏洩量を測定した。この実験では、締付トルクを25Kgf・cm及び40Kgf・cmとした場合において、検査空間内圧力を2Kgf/cm2 に保持したときの漏洩量、3Kgf/cm2 に保持したときの漏洩量、及び検査空間内圧力を4Kgf/cm2 に保持したときの漏洩量を夫々測定した。また、ガスケットIII については、締付トルクを100Kgf・cmとし且つ検査空間内圧力を4Kgf/cm2 に保持した場合についても、漏洩量を測定した。さらに、ガスケット IIIのうち、締付トルクを25Kgf・cmとして上記実験を行ったものについては、これを実験後実験装置から回収し、その回収したガスケット(以下「ガスケット iii」という)を、再度、締付トルクを100Kgf・cmとして実験装置に組込み、検査空間内圧力を4Kgf/cm2 に保持したときの漏洩量を、上記同様にして測定した。その結果は、表4に示す通りであった。
この実験結果から理解されるように、溶融固化層を形成したガスケットI〜Vについては、締付トルク及び被密封流体圧力に拘らず、浸透洩れを確実に防止できることが更に確認された。また、再使用ガスケット iiiについても、シール機能が充分に発揮されていることが確認され、溶融固化層を形成したことによっては多孔質ポリテトラフルオロエチレン製ガスケット本来の特性である復元性等に何らの悪影響も及ぼさないことが理解される。
Figure 0003894928
さらに、溶融固化層を形成したことによるガスケットの柔軟性への影響を調べるために、各ガスケットI〜VIについて、ガスケット硬度を測定した。この硬度測定はASKER社製のデュロメータ硬度計(C型)を使用して、ガスケットにおける半径線上の3箇所について行った。すなわち、溶融固化層が形成されている内周側端部位置(図1に示すA位置)、突条近傍位置(同B位置)及び外周側端部位置(同C位置)の3箇所である。なお、硬度測定に際しては、予め、ガスケットの突条1a,1bをカッタナイフで切除した。
この硬度測定の結果は表5に示す通りであり、溶融固化層を形成すると否とに拘らず、硬度は略同程度であることが確認された。このことから、溶融固化層を形成することによっては、多孔質ポリテトラフルオロエチレン製ガスケット本来の特性である柔軟性を損なうことがないことが理解される。
Figure 0003894928
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において適宜に変更,改良することができる。例えば、ガスケット密度は、多孔質ポリテトラフルオロエチレン本来の特性を失わない範囲でシール条件等に応じて適宜に設定しておくことができる。また、浸透洩れ防止構造の製作方法つまり溶融固化層を形成する手法も任意であり、例えば、溶融固化層の形成は、ガスケットの成形時又はガスケット素材(シート素材等)の成形時に同時に行うようにすることも可能である。
本発明に係るサニタリ配管用ガスケットの一実施例を示す半截の斜視図である。 同ガスケットを装着したサニタリ配管継手構造を示す縦断側面図である。 図2の要部を拡大して示す詳細図である。
符号の説明
1…サニタリ配管用ガスケット、1c…ガスケット内周部分、1´c…溶融固化層。

Claims (4)

  1. 多孔質ポリテトラフルオロエチレン製の環状ガスケットにおける、被密封流体に直接触れるガスケット内周部分の表面層のみを、加熱溶融させた上、冷却固化させることによって、ガスケットの厚み方向における中央部分で厚く且つ両端部分で薄くなった無孔質の溶融固化層となるようにしたことを特徴とするサニタリ配管用ガスケットの製作方法。
  2. 表面層の溶融固化処理を、420〜460℃で10〜30秒の条件で行うようにしたことを特徴とする請求項に記載するサニタリ配管用ガスケットの製作方法。
  3. 表面層の加熱溶融処理を、加熱された金属部材を該表面層に全面的に接触させることにより行うようにしたことを特徴とする請求項又は請求項に記載するサニタリ配管用ガスケットの製作方法。
  4. 表面層の加熱溶融処理を、加熱された円筒状の金属部材に環状ガスケットを外嵌保持させ、ガスケット内周部分を円筒状金属体の外周面へ接触させることにより行うようにした請求項、請求項又は請求項に記載するサニタリ配管用ガスケットの製作方法。
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