JP3894874B2 - 受信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マンチェスタ符号化された受信信号を復調する受信装置、及びマンチェスタ符号化され、かつASK変調された信号である受信信号を復調する受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、NRZ(NON RETERN TO ZERO)信号を、マンチェスタ符号化した信号を受信する受信装置がある。マンチェスタ符号化は、「1」を「01」、「0」を「10」と置き換える符号化であって、いかなるNRZ信号をも直流成分を含まない信号に変換できる。また、マンチェスタ符号化とASK変調の組み合わせも知られている。
【0003】
図1は、従来のマンチェスタ符号化された信号の受信処理を示す波形図である。従来の受信部は、マンチェスタ符号化された信号を受信する場合、以下の処理を行う。すなわち受信部は、無線伝送路から受信したASK変調波(e)を、最大振幅が一定になるように調整して出力する。そして受信部は、この出力をディジタル信号に変換し、変換したディジタル信号の絶対値の包絡線を生成することにより、包絡線信号(f)を抽出する。
【0004】
そして、受信部は、包絡線信号(f)と閾値を対比し、包絡線信号(f)が閾値以上の場合には“1”を、包絡線信号(f)が閾値未満の場合には“0”を各々マンチェスタ符号化された信号(g)として出力する。
【0005】
受信部は、マンチェスタ符号化された信号であるマンチェスタ信号(g)に基づき、NRZ信号である受信データ(h)と、受信クロック(i)を再生する(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−122203号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上の構成において、マンチェスタ信号(g)は、受信データ(h)の2倍の周波数帯域を有する。したがって、マンチェスタ信号(g)のS/N比は、受信データ(h)をそのまま送信データとして送信する場合のS/N比に比べて3dB低下する。
【0008】
また、ASK変調波(e)は、送信側において増幅されて送信されるため、信号を増幅する時に生じるアンプ歪に起因して、ASK変調波(e)のデューティー比が変化することがある。これにより、包絡線信号(f)が閾値以上又は未満となるタイミングが変化して、受信データ(h)のエラーレートが大きくなる虞がある。
【0009】
また、送信側において、ASK変調波(e)の変調指数が100%を超えることによって生じる変調指数歪みや、搬送波とマンチェスタ信号をミキシングする時に生じるローカルリークがある。この場合、包絡線信号(f)オフセットが生じることがあった。これにより、包絡線信号(f)が閾値以上又は未満となるタイミングが変化して、受信データ(h)のエラーレートが大きくなる虞がある。
【0010】
本発明による受信装置は、マンチェスタ信号を送信することに起因する、S/N比の低下を抑止することを目的とする。
【0011】
また、本発明による受信装置は、ASK変調波を用いることで生じるアンプ歪み及び変調指数歪み等に起因する、受信データのエラーレートを改善することを目的とする。
【0012】
この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明による受信装置は、マンチェスタ符号化され、かつASK変調された信号である受信信号を復調する受信装置であって、受信信号をASK復調して復調信号を生成するASK復調部と、復調信号をマンチェスタ符号における半周期分遅延させる遅延部と、遅延部の出力と復調信号の差分信号を算出する差分算出部と、差分信号をサンプリングして受信信号の復号を行うサンプリング部と、を備える。
【0014】
復調部が生成した復調信号に基づいて、サンプリング部がサンプリングすべきタイミングを示すタイミングクロックを生成するクロック生成部を更に備えてもよい。
【0015】
本発明の別な側面による受信装置は、マンチェスタ符号化された信号である受信信号を復調する受信装置であって、受信信号を遅延させることにより、互いの遅延時間の差がマンチェスタ符号における半周期分である2種類の復号用信号を生成する復号用信号生成部と、2種類の復号用信号の差分信号を算出する復号用差分算出部と、受信信号を遅延させることにより、互いの遅延時間の差がマンチェスタ符号における一周期の整数倍である2種類のクロック生成用信号を生成するクロック生成用信号生成部と、2種類のクロック生成用信号の差分信号を算出するクロック生成用差分算出部と、クロック用差分算出部が算出した差分信号が極性反転するタイミングに基づいて、受信信号のサンプリングタイミングを示すタイミングクロックを生成するクロック生成部と、クロック生成部からのタイミングクロックに基づいて復号用差分算出部が算出した差分信号をサンプリングし、受信信号の復号を行うサンプリング部と、を備える。
【0016】
クロック生成部は、クロック用差分算出部が算出した差分信号を所定の時間遅延させた遅延信号を生成する遅延部と、クロック用差分算出部が算出した差分信号の遅延信号に対する第2差分信号を算出する差分信号算出部と、クロック用差分算出部が算出した差分信号を所定の時間の半分の時間ほど遅延させた遅延信号を生成する1/2遅延部と、タイミングクロックが示すタイミングにおける、遅延部が生成した遅延信号が示す値を、第2差分信号が正のときにはそのまま、第2差分信号が負のときには反転させて、出力する反転値出力部と、を更に有し、反転値出力部の出力値に基づいて、タイミングクロックが進んでいるか遅れているかを判断して修正してもよい。
【0017】
クロック生成部は、更に、反転値出力部の出力値を、累積加算する積分部と、予め定められたタイミングでカウント値を増加させるカウンタを有し、カウンタのカウント値と、積分部の累積加算値を加算し、加算結果の最上位ビットに基づいてタイミングクロックを生成してもよい。
【0018】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0020】
図2は、本発明の実施形態におけるディジタル無線システム10を示す図である。ディジタル無線システム10は、複数の基地局100、複数の移動局400及び制御局500を備える。制御局500と基地局100は、有線伝送路により接続されている。制御局500は、複数の基地局100を制御する。基地局100と移動局400は、無線伝送路により接続される。
【0021】
基地局100は、移動局400と信号を送受信する送信部102及び受信部104を備える。
【0022】
送信部102は、NRZ符号からなる送信データをスプリットフェーズ符号化したマンチェスタ信号を生成する。そして、送信部102は、マンチェスタ信号をASK変調することでASK変調波を生成し、無線伝送路を介して移動局400へ送信する。ASK変調波の搬送波は、例えばマンチェスタ信号1ビットの周波数の8倍の周波数を有する。マンチェスタ符号化とASK変調の組み合わせは、ETCなどの通信方式として規格化されており(ARIB STD−T55)、かつDSRC(狭域専用通信)の規格としてARIB STD−T75にも規定されている。
【0023】
基地局100の受信部104は、無線伝送路を介してASK変調波を移動局400から受信し、受信したASK変調波に基づき、NRZ符号からなる受信データと、受信クロックを得る。ASK変調波は、図1に示したASK変調波(e)と同様である。
【0024】
図3は、受信部104のブロック図である。図4は、移動局400から受信した送信データ(a)を処理する時の、受信部104内部の波形図である。図3に示すように、受信部104は、受信部104の利得を自動調整するAGC回路110、アナログ信号をディジタル信号に変換するADC120、包絡線検波部130、第1半周期遅延回路210、第2半周期遅延回路220、第1減算器230、第2減算器250、識別回路260及び、クロック生成部300を備える。
【0025】
AGC回路110は、無線伝送路から受信したASK変調波(e)をその最大振幅が一定になるように調整する。そしてAGC回路110は、最大振幅を調整した後のASK変調波(e)をADC120へ出力する。
【0026】
ADC120は、AGC回路110が出力するASK変調波(e)を、マンチェスタ信号よりも大きい周波数、例えば32倍大きい周波数のクロックを用いてサンプリングすることにより、ASK変調波(e)を7ビットのディジタル信号に変換して包絡線検波器130へ出力する。
【0027】
包絡線検波部130は、ASK復調部の一例であり、ADC120が出力するディジタル信号の絶対値を計算し、ディジタル信号の高調波をLPFによりカットして、復調信号である包絡線信号(f)を抽出する。以上の処理は、アナログの入力信号に対して、ダイオードで全波整流した後、LPFをかける処理と同じである。包絡線検波部130は、包絡線信号(f)を、第1半周期遅延回路210、第1減算器250及び第1減算器230へ出力する。
【0028】
第1半周期遅延回路210は、遅延部の一例であり、包絡線信号(f)を、マンチェスタ信号における半周期分遅延することで半周期遅延信号(j)を生成し、生成した半周期遅延信号(j)を第1減算器250及び第2半周期遅延回路220へ出力する。包絡線検波部130と第1半周期遅延回路210は、復号用信号生成部の一例である。また、包絡線信号(f)は、受信信号の一例であり、包絡線信号(f)及び半周期遅延信号(j)は、2種類の復号用信号の一例である。
【0029】
第2半周期遅延回路220は、第1半周期遅延回路210が出力する半周期遅延信号(j)を、さらにマンチェスタ信号における半周期分遅延した一周期遅延信号(l)を第1減算器230へ出力する。包絡線検波部130と第2半周期遅延回路22は、クロック生成用信号生成部の一例である。また、包絡線信号(f)及び一周期遅延信号(l)は、2種類のクロック生成用信号の一例である。
【0030】
第1減算器230は、クロック生成用差分算出部の一例であり、一周期遅延信号(l)から、包絡線信号(f)を減算することで一周期減算信号(m)を生成し、クロック生成部300へ出力する。
【0031】
クロック生成部300は、第1減算器230が出力する一周期減算信号(m)の極性が反転するタイミング、すなわちゼロクロスするタイミングに基づき受信クロック(o)を再生し、第3半周期遅延回路240及び図示しない他の回路へ出力する。
【0032】
第1四半周期遅延回路240は、クロック生成部300が出力する受信クロック(o)を、マンチェスタ信号の四半周期分遅延して識別回路260へ出力する。
【0033】
第2減算器250は、復号用差分算出部の一例であり、半周期遅延信号(j)から、包絡線信号(f)を減算することで半周期減算信号(k)を生成し、識別回路260へ出力する。
【0034】
識別回路260は、サンプリング部の一例であり、クロック生成部300が生成した受信クロック(o)が示すタイミングで、半周期減算信号(k)をサンプリングして包絡線信号(f)の復号を行う。ここで、受信クロック(o)はタイミングクロックの一例であり、半周期減算信号(k)は差分信号の一例であり、包絡線信号(f)は受信信号の一例である。
【0035】
具体的には、識別回路260は、第1四半周期遅延回路240が出力する四半信号の立ち上がりにより、第2減算器250から入力される半周期減算信号(k)が正負の何れであるかを識別する。識別回路260は、半周期減算信号(k)が正の場合には“1”を、半周期減算信号(k)が負の場合には“0”を各々受信データ(n)として再生し、他の回路へ出力する。
【0036】
以上の構成により、識別回路260は、包絡線信号(f)及び半周期遅延信号(j)、すなわち包絡線信号(f)におけるマンチェスタ信号の前半周期に相当する信号、及び後半周期に相当する信号の両方を用いて受信データ(n)を再生する。
【0037】
ここで、半周期減算信号(k)の最大振幅は、包絡線信号(f)の最大振幅の2倍となる。したがって、半周期減算信号(k)の大きさは、包絡線信号(f)に比べて6dB増加する。
【0038】
一方、包絡線信号(f)における雑音は、包絡線信号(f)の前半周期と後半周期で相関がないため、半周期減算信号(k)における雑音のエネルギーは、包絡線信号(f)における雑音のエネルギーの2倍で表される。したがって、半周期減算信号(k)における雑音は、包絡線信号(f)における雑音に比べて3dB増加する。
【0039】
これにより、半周期減算信号(k)のS/N比は、包絡線信号(f)のS/N比に比べて3dB増加する。したがって、受信データ(n)のエラーレートは小さくなる。
【0040】
また、クロック生成部300は、一周期遅延信号(l)から包絡線信号(f)を減算した一周期減算信号(m)のゼロクロスに基づき、受信クロック(o)を再生する。一周期減算信号(m)のゼロクロスは、マンチェスタ信号が変化するとき、すなわち送信データ(a)が変化するときと同期しているため、急峻になる。これにより、受信クロック(o)のエラーレートは小さくなる。
【0041】
図5は、包絡線信号(f)にオフセットが生じている場合の受信部104内部の波形図である。図5に示すように包絡線信号(f)にオフセットが生じている場合であっても、第2減算器250は、半周期遅延信号(j)から包絡線信号(f)を減算することにより、オフセットは相殺される。これにより、受信データ(n)のエラーレートは小さくなる。
【0042】
また、クロック生成部300は、一周期減算信号(m)に基づき、受信クロック(o)を再生する。ここで、図5に示すように包絡線信号(f)にオフセットが生じる場合であっても、一周期減算信号(m)は、一周期遅延信号(l)から包絡線信号(f)を減算して生成されるため、オフセットは相殺されている。これにより、包絡線信号(f)にオフセットがある場合でも、受信クロック(o)のエラーレートは小さくなる。
【0043】
図6は、包絡線信号(f)のHiの区間が広がり、デューティー比が変化した場合の受信部104内部の波形図である。識別回路260は、受信クロック(o)を四半周期遅延した信号の立ち上がりタイミングにおいて、半周期減算信号(k)が正負の何れであるかを識別する。したがって、アンプ歪に基づいてASK変調波(e)のデューティー比が変化する場合でも、受信データ(n)のデューティー比は変化しない。
【0044】
また、識別回路260は、受信クロック(o)から四半周期後に、半周期減算信号(k)が正負の何れであるかを識別する。ここで、半周期減算信号(k)は、受信クロック(o)と略同時にゼロクロスする。このため、半周期減算信号(k)は、受信クロック(o)から四半周期後には、略最大又は最小値付近にある。したがって、識別回路260が、ゼロクロス付近の半周期減算信号(k)の正負を誤って識別する虞が少ない。これにより、受信データ(n)のエラーレートは小さくなる。
【0045】
図7は、クロック生成部300のブロック図である。クロック生成部300は、位相検出回路310、積分部330、切捨部340、第5半周期遅延回路350、カウンタ360、第2加算器370、MSB380を有する。
【0046】
位相検出回路310は、第1減算器230が出力する減算信号(m)と、MSB380が出力する受信クロック(o)の位相のずれを検出し、位相のずれ量を、積分部330へ出力する。減算信号(m)及び位相のずれ量は、例えば7ビットで示される。
【0047】
積分部330は、第1加算器332と第1DFF334を含む。第1DFF334は、受信クロック(o)における1クロック前までの、位相のずれ量の積分値を格納しており、第1加算器332は、第1DFF334が格納している積分値に新たな位相のずれ量を加算して、第1DFF334に受け渡す。これにより、積分部330は、受信クロック(o)が示すタイミング毎に、位相検出回路310が出力する位相のずれ量を積分し、7ビットで示される位相のずれ量の積分値を切捨部340へ出力する。
【0048】
切捨部340は、積分部330が出力する信号のビット数を、カウンタ360のビット数に合うように調整する。切捨部340は、例えば、積分部330が出力する信号における、6ビット目以上を切り捨てて、第5半周期遅延回路350へ出力する。
【0049】
第5半周期遅延回路350は、切捨部340が出力する、カウンタ360のビット数に合ったビットの信号を、受信クロック(o)に対し、位相検出回路310が位相を検出するのとは逆位相のタイミングで出力するように、マンチェスタ信号の半周期分遅延して、第2加算器370へ出力する。
【0050】
カウンタ360は、予め定められたタイミングでカウント値を増加させるカウンタである。すなわちカウンタ360は、外部から入力されるサンプリングクロックをカウントし、カウント値を第2加算器370へ出力する。カウント値は、例えば5ビットで示される。ここで、カウンタ360に入力されるサンプリングクロックは、ADC120へ入力されるサンプリングクロックと共通であり、マンチェスタ信号2周期分の周波数よりも32倍早い。
【0051】
第2加算器370は、第5半周期遅延回路350が出力する5ビットの信号と、カウンタ360が出力する5ビットのカウント値を加算し、5ビットの加算結果をMSB380へ出力する。
【0052】
MSB380は、第2加算器370が出力する5ビットの加算結果の最上位ビットが、1及び0になった場合に、受信クロック(o)の立ち上がり及び立下り信号を作成し、これを位相検出回路310、第1DFF334及びその他の回路へ出力する。
【0053】
以上の構成において、クロック生成部300は、位相検出回路310が出力する位相のずれ量を積分し、積分値に基づき受信クロック(o)を再生する。これにより、クロック生成部300は、位相のずれ量に基づいて、受信クロック(o)を補正することができる。
【0054】
また、クロック生成部300は、位相のずれ量の積分値を示す信号のビット数を、カウンタ360のビット数に合うように調整し、この調整された信号及びカウンタ360の出力に基づき受信クロック(o)を再生する。これにより、クロック生成部300は、ADC120と共通のクロックを用いて受信クロック(o)を再生できる。
【0055】
また、クロック生成部300は、切捨部340が出力する信号を、第5半周期遅延回路350を用いてマンチェスタ信号の半周期分遅延して出力し、この出力に基づいて、受信クロック(o)の立ち上がり及び立下り信号を作成する。これにより、受信クロック(o)の立ち上がり又は立下りエッジの間隔が、最低でも半周期以上となるので、ハザードの発生を防止できる。また、位相の進みと遅れで引き込み速度を揃えることができる。
【0056】
なお、第1DFF334がマスタースレーブ型の場合には、第1DFF334は、第1加算器332が出力する信号を取り込んでから、マンチェスタ信号の半周期分遅延して積分値を出力することができる。この場合、第1DFF334自体が第5半周期遅延回路350の機能を有しているため、第5半周期遅延回路350は設けずに、第1DFF334をマスタースレーブ型にしてもよい。
【0057】
図8は、位相検出回路310のブロック図である。図9は、位相検出回路310が、減算信号(m)と受信クロック(o)の位相のずれを検出する説明図である。
【0058】
図8に示すように、位相検出回路310は、第3半周期遅延回路312、第4半周期遅延回路314、第3減算器316、符号出力部318、乗算器320、及び第2DFF322を含む。
【0059】
第3半周期遅延回路312は、第1減算器230が出力する減算信号(m)をマンチェスタ信号の半周期分遅延し、半周期遅延信号(s1)として、第4半周期遅延回路314及び乗算器320へ出力する。
【0060】
第4半周期遅延回路314は、第3半周期遅延回路312が出力する半周期遅延信号(s1)をマンチェスタ信号の半周期分遅延し、1周期遅延信号(s2)として、第3減算器316へ出力する。すなわち、第3半周期遅延回路312と第4半周期遅延回路314は、遅延部の一例を構成する。ここで、第1減算器230はクロック用差分算出部の一例であり、減算信号(m)はクロック用差分算出部が算出した差分信号の一例である。
【0061】
第3減算器316は、差分信号算出部の一例であり、減算信号(m)から1周期遅延信号(s2)を減算して、第2差分信号の一例としての減算信号を算出する。符号出力部318は、第3減算器316が出力する信号の正負及び0を判定し、正又は0の場合は“1”を示す信号を、負の場合は“−1”を示す信号を各々乗算器320へ出力する。
【0062】
乗算器320は、第3半周期遅延回路312が出力する半周期遅延信号(s1)と、符号出力部318が出力する信号を乗算し、乗算結果を示す信号を第2DFF322へ出力する。
【0063】
符号出力部318及び乗算器320は、反転値出力部の一例であり、受信クロック(o)が示すタイミングにおける半周期遅延信号(s1)が示す値を、第3減算器31の出力が正のときにはそのまま、第3減算器31の出力が負のときには反転させて出力する。
【0064】
第2DFF322は、受信クロック(o)の立ち上がりのタイミングで、乗算器320が出力する信号を積分部330へ出力する。
【0065】
以上の構成により、位相検出回路310は、受信クロック立ち上がり時における半周期遅延信号(s1)と、符号出力部318が出力する信号の乗算結果を示す信号を出力する。この信号に基づいて、クロック生成部300は、乗算器320の出力値に基づいて、受信クロック(o)が進んでいるか遅れているかを判断して修正する。
【0066】
半周期遅延信号(s1)は、減算信号(m)と受信クロック(o)の位相のずれ量を示す。半周期遅延信号(s1)は、減算信号(m)の立ち上がり途中において、減算信号(m)に対して受信クロック(o)が進んでいる場合、図9(a)に示すように負の値を示す。半周期遅延信号(s1)は、立ち上がり途中において、減算信号(m)に対して受信クロック(o)が遅れている場合、図9(b)に示すように正の値を示す。
【0067】
一方、半周期遅延信号(s1)は、減算信号(m)の立ち下がり途中においては、減算信号(m)に対して受信クロック(o)が進んでいる場合、正の値を示し、減算信号(m)に対して受信クロック(o)が遅れている場合、負の値を示す。
【0068】
したがって、減算信号(m)の立ち下がり途中における、半周期遅延信号(s1)を反転させて、減算信号(m)の立ち上がり途中における、半周期遅延信号(s1)に加えることにより、受信クロック(o)に対して減算信号(m)の位相が進んでいる大きさを算出することができる。
【0069】
例えば、乗算器320が出力する信号が負の場合には、MSB380が受信クロック(o)の位相を遅らせることにより、減算信号(m)に対する受信クロック(o)の進みが補正される。
【0070】
乗算器320が出力する信号が正の場合には、負の場合とは反対に、MSB380が、受信クロック(o)の位相を進めることにより、減算信号(m)に対する受信クロック(o)の遅れが補正される。
【0071】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、説明に用いた図はブロック図に過ぎないため、実際の回路とは必ずしも一致しない。実際には、ハザードの発生を防ぐためや、その他の動作を行うために、フリップフロップ(FF)等のブロックは、クロックやイネーブルを与えられることがある。また、図におけるFFは、実際に回路を設計する場合には、省略されることや、挿入位置や数を変えられることがある。例えば、第3及び第4半周期遅延回路312,314の双方を、四半周期遅延回路に変更すれば、第1四半周期遅延回路240を省略できる。
【0072】
すなわち、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることができる。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0073】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、本発明による受信装置は、マンチェスタ信号を送信することに起因する、S/N比の低下を抑止する。また、本発明による受信装置は、ASK変調波を用いることで生じるアンプ歪み及び変調指数歪み等に起因する、受信データのエラーレートを改善する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のマンチェスタ符号化された信号の受信処理を示す波形図である。
【図2】 本発明の実施形態におけるディジタル無線システム10を示す図である。
【図3】 受信部104のブロック図である。
【図4】 受信部104内部の波形図である。
【図5】 包絡線信号(f)にオフセットが生じている場合の受信部104内部の波形図である。
【図6】 包絡線信号(f)のHiの区間が広がり、デューティー比が変化した場合の受信部104内部の波形図である。
【図7】 クロック生成部300のブロック図である。
【図8】 位相検出回路310のブロック図である。
【図9】 位相検出回路310が、減算信号(m)と受信クロック(o)の位相のずれを検出する説明図である。
【符号の説明】
10…ディジタル無線システム、100…基地局、400…移動局、
500…制御局、102…送信部、104…受信部、110…AGC回路、
120…ADC、130…包絡線検波部、210…第1半周期遅延回路、
230…第1減算器、220…第2半周期遅延回路、250…第2減算器、
240…第1四半周期遅延回路、260…識別回路、300…クロック生成部、310…位相検出回路、330…積分部、340…切捨部、
350…第5半周期遅延回路、360…カウンタ、
370…第2加算器、380…MSB、312…第3半周期遅延回路、
314…第4半周期遅延回路、316…第3減算器、318…符号出力部、
320…乗算器、322…第2DFF
Claims (5)
- マンチェスタ符号化され、かつASK変調された信号である受信信号を復調する受信装置であって、
前記受信信号をASK復調して復調信号を生成するASK復調部と、
前記復調信号をマンチェスタ符号における半周期分遅延させる遅延部と、
前記遅延部の出力と復調信号の差分信号を算出する差分算出部と、
前記差分信号をサンプリングして前記受信信号の復号を行うサンプリング部と、を備えることを特徴とする受信装置。 - 前記復調部が生成した前記復調信号に基づいて、前記サンプリング部がサンプリングすべきタイミングを示すタイミングクロックを生成するクロック生成部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
- マンチェスタ符号化された信号である受信信号を復調する受信装置であって、前記受信信号を遅延させることにより、互いの遅延時間の差がマンチェスタ符号における半周期分である2種類の復号用信号を生成する復号用信号生成部と、
前記2種類の復号用信号の差分信号を算出する復号用差分算出部と、
前記受信信号を遅延させることにより、互いの遅延時間の差がマンチェスタ符号における一周期の整数倍である2種類のクロック生成用信号を生成するクロック生成用信号生成部と、
前記2種類のクロック生成用信号の差分信号を算出するクロック生成用差分算出部と、
前記クロック用差分算出部が算出した差分信号が極性反転するタイミングに基づいて、前記受信信号のサンプリングタイミングを示すタイミングクロックを生成するクロック生成部と、
前記クロック生成部からのタイミングクロックに基づいて前記復号用差分算出部が算出した差分信号をサンプリングし、前記受信信号の復号を行うサンプリング部と、を備えることを特徴とする受信装置。 - 前記クロック生成部は、
前記クロック用差分算出部が算出した差分信号を所定の時間遅延させた遅延信号を生成する遅延部と、
前記クロック用差分算出部が算出した差分信号の前記遅延信号に対する第2差分信号を算出する差分信号算出部と、
前記クロック用差分算出部が算出した差分信号を前記所定の時間の半分の時間ほど遅延させた遅延信号を生成する1/2遅延部と、
前記タイミングクロックが示すタイミングにおける、前記遅延部が生成した遅延信号が示す値を、前記第2差分信号が正のときにはそのまま、前記第2差分信号が負のときには反転させて、出力する反転値出力部と、を更に有し、
前記反転値出力部の出力値に基づいて、前記タイミングクロックが進んでいるか遅れているかを判断して修正することを特徴とする請求項3に記載の受信装置。 - 前記クロック生成部は、更に、
前記反転値出力部の出力値を、累積加算する積分部と、
予め定められたタイミングでカウント値を増加させるカウンタを有し、
前記カウンタのカウント値と、前記積分部の累積加算値を加算し、加算結果の最上位ビットに基づいて前記タイミングクロックを生成することを特徴とする請求項4に記載の受信装置。
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