JP3894493B2 - 偏心ロータとこの偏心ロータを備えた軸方向空隙型振動モータ - Google Patents

偏心ロータとこの偏心ロータを備えた軸方向空隙型振動モータ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、移動体通信装置の無音報知手段に用いられる振動モータのロータの改良に係り、詳しくはアウトサート成形のようないわゆる樹脂成形により一体化されるロータとそのロータを用いた薄型の振動モータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来ロータ自体で遠心力により振動を発生させるようにした偏心ロータは、古くは本出願人らの提案によるものとして、空心電機子コイルを片側に偏って配置した偏心ロータからなるものがある。(特許文献1参照)
しかしながら、移動体通信機器の小型薄型化に伴い、この機器に搭載される振動モータもより小型薄型化が要求される。
たとえば、直径が12mm、厚みが3mm程度のサイズのものが要求されるようになると、従来直径14mm程度のものでは好適な構造とした空心電機コイルを片側に偏って配置した偏心ロータでは、重心の移動量が少なくなって遠心力振動が不足するようになるので、高比重部材からなるウエイトが必要になってくる。
【0003】
そして、重心をより大きく移動させるようそのウエイトの配置を、偏って配置した空心電機子コイルに対し回転軸をはさんで反対側に設けるよう構成されているものが提案されている。(特許文献2、3)
これらは円形状に形成された印刷配線基板上に空心電機子コイル、ウエイトを配置し樹脂で一体化することで偏心ロータを構成し、そのロータを用いて扁平型の振動モータとしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−205565号公報
【特許文献2】
特開2003−47912号公報
【特許文献3】
特開2002−28570号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献2および3に示された構成では、印刷配線基板上にウエイトを配置し、接着剤等で仮固定しつつ樹脂で固定したり、樹脂成形によりウエイトを基板に固定するため、ウエイトは偏心ロータとして強固に一体化される。
しかし、近年の振動モータの小型化要求により、印刷配線基板が小さくなると共に、ウエイトの大きさも小さくなる傾向がある。ウエイトが小さくなると振動量が小さくなるため、ウエイトは少しでも大きい方が望ましい。
【0006】
また、偏心ロータ自体が小さくなり、ウエイトが印刷配線基板やコイル等に対し相対的に大きくなると、ウエイトを偏心ロータとして一体化する際の樹脂量が少なくなり、ウエイトが一体化されると強度が弱くなるという問題も発生する。さらに、ウエイトを大きくすることで偏心ロータの重量のアンバランスが大きくなり、偏心ロータを振動モータとして用いた際の回転負荷がより増加することになる。
この発明の目的は、より小型化にしながらも振動量を大きくでき、ロータを構成する各部材をロータとして一体としたときの強度を保つことができる偏心ロータおよびその偏心ロータを用いた振動モータと、そのロータを用いても回転負荷をより少なくすることが可能な振動モータを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に示す発明のように、第1の面に複数の巻線空心電機子コイルを載置する領域と第2の面に複数の整流子片を形成する領域を有する印刷配線基板でできたコミュテータ基材と、前記印刷配線基板の外側で前記印刷配線基板の厚み部分まで厚みを有しかつ前記巻線空心電機子コイルより厚み方向で突出しない最大厚みを有するウエイトと、軸受けとが樹脂で一体成型され、このウエイトは最大厚みの部分が前記印刷配線基板の厚みを含んで前記第1の面側と第2の面側に露出されるとともに厚み方向が樹脂で覆われる段部がその外周に形成され、その段部と連続して樹脂充填部が形成され、前記樹脂によりこの偏心ロータを一体成形した際、その樹脂がこの樹脂充填部へ充填されると共にウエイトの半径方向への固定強度を補強する補強部となるよう構成する。
このようにすると、空心電機子コイルの厚みに加え、空心電機子コイル載置領域と整流子片形成領域以外の範囲でコミュテータ基材の厚み分をウエイトが形成できるので、ウエイトの重量を偏心ロータの外径を大きくすることなく増加可能となり、かつウエイトの重量が大きくなっても偏心ロータとしての強度を保つことができる。
また、ウエイトの外周部に設けた段部に樹脂が回ることでウエイトの軸方向の強度が保たれ、その段部に連続した樹脂充填部に樹脂が充填されることで軸方向のみならず半径方向の補強も可能となる。樹脂は樹脂成形時に段部を通り樹脂充填部へ流れるので、樹脂成型時に軸方向と半径方向の補強が同時に可能となる。
【0008】
その樹脂充填部は、請求項2に記載のようにウエイトの厚み方向に貫通した貫通孔にすると、比較的大きく強度を取ることができる。また、請求項3記載のようにその充填部を凹状にすると、ウエイトの重量をあまり減らすことなく補強が可能となる。
また、請求項4記載のように、段部に連続していれば樹脂充填部は複数設けることが可能で、その数は必要な補強強度により設定できる。
さらに、請求項5記載のようにウエイトを扇状に形成し、樹脂充填部を軸受け近傍に形成すると、ウエイトの重心をあまり回転中心に移すことなく補強部を設けることができる。
【0009】
本願発明の偏心ロータを用いたモータの構成として、請求項6乃至7に記載のように、このロータを納めるハウジングと、この偏心ロータをハウジングに回転支持する軸と、このハウジングに設けられたブラシベース及びブラシベースに固定されたブラシと、前記偏心ロータに軸方向空隙を有して対向しハウジングに設けられたマグネットで構成する。
また、上記複数の巻線空心電機子コイルは2個の巻線空心電機子コイルであり、上記載置領域は配置開角が180度未満であるとともに、上記ウエイトが上記配置開角の広い側に位置して設ける構成にする。
このようにすると、ウエイトの占める角度を大きくとれるため、ウエイトの重量を大きくできる。
【0010】
そうすることにより、ブラシは180度対向する部分で整流子片で摺接し、均等に偏心ロータを軸方向へ押圧するので、偏心ロータがウエイトにより重量が大きく偏心していても回転損失を少なくすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の偏心ロータの実施の形態を示すもので、整流子片が印刷形成されている第2の面から見た平面図である。
図2は第1図に示す偏心ロータのコイルが載置される側の第1の面から見た平面図である。
図3は本発明の偏心ロータを用いて構成した振動モータの、側方から見た要部断面図である。
図4は本発明の偏心ロータを構成するウエイトの平面図(A)およびそのBB断面図(B)である。
図5は本発明の偏心ロータを構成するコミュテータ基材としての印刷配線基板を示す平面図で、第1面(A)および第2面(B)を示す。
図6および図7は本発明の偏心ロータを用いた振動モータの動作原理図である。
図8はのウエイトの他の実施の形態で、その平面図(A)およびそのCC断面(B)を示す。
図9はウエイトのさらに他の実施の形態で、その平面図を示す。
【0012】
以下、この発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
なお、以下の実施の形態で説明する方向について、軸方向とは軸8の方向を示し、半径方向とは偏心ロータRを円盤と見立てた場合の軸8を中心とする半径方向のことをいう。また、上あるいは下とは図3に示す矢印に記載された方向を指す。
図1、図2により偏心ロータRの構成を、図3により偏心ロータRを用いた振動モータの構成を説明する。
偏心ロータRはコミュテータ基材としての印刷配線基板1、ウエイト4、空心電機子コイル2A、2Bでおよび焼結含油軸受(以下軸受)3が射出成形により樹脂5で一体化されている。
図1に示す印刷配線基板1の第1の面には、複数の整流子片(この実施例の場合9個)Sが印刷形成されている、整流子片Sは軸受貫通孔13に取り付けられた軸受3の軸挿通孔3aを中心とする円周上に配置される。その整流子片Sが配置された部分を整流子片形成領域とする。
【0013】
一方、図2に示す印刷配線基板1の第2の面側には複数の巻線空心電機子コイル(以下コイル、この実施例の場合2個)2A、2Bが、所定の配置開角(この実施例の場合150度乃至170度)で配置されている。そのコイル2A、2Bが載置された部分をコイル載置領域とする。
このコイル配置はこれまで種々の構成が示され、コイルの数は1乃至3個、配置も所定の配置開角で片側に寄せる構成が考えられている。本願実施例では2個のコイル配置を基に説明するが、それ以外に種々考えられることはもちろんである。
ウエイト4は、タングステン合金のような高比重の金属を焼結して扇形に近い形状に形成し、印刷配線基板1に隣接するよう配置される。その際ウエイト4の内周側(扇の中心側)は整流子片形成領域と重なるよう軸受け側に接近させる。
そして、ウエイト4の第1の面側および第2の面側ともにその平面部が露出するよう、樹脂5により印刷配線基板1、軸受3およびコイル2A、2Bと一体に成形される。
図3でもわかるよう、この露出される部分がウエイト4の最大厚み部分となっている。
この実施例の場合、ウエイトの重量を大きくするため、ウエイトはコイルの配置開角で大きな開角を有する側に配置される。
【0014】
図3で、ロータRの断面図は図2のAA断面を示す。
この振動モータMは円形のブラケット7に扁平な円筒キャップ状のケース6を取り付けてハウジングとし、その内部にロータRを回転支持して振動モータとしたものである。
ブラケット7はステンレスなどの磁性を有する薄板で円形板状に形成され、一方向へ後述のブラシベース12の給電リード部12aを導出するための透孔7aおよび突片7bが形成されている。
ブラケット7の中央部にはバーリング状に加工形成された軸固定部7dにロータRを回転支持する軸8が固定されている。軸8の端部は軸固定部に対し圧入加工あるいは溶接等により固定されている。
【0015】
ブラケット7にはフレキシブル基板からなるブラシベース12が両面接着紙あるいは接着剤等で固定される。ブラシベース12にはその印刷配線パターンへブラシ10A、10Bが半田付けや圧着により固定されている。この実施例ではブラシ10A、10Bの整流子片Sへ接触する摺接角が180度となるようブラシを配置する。
ブラケット7にはまた、軸方向空隙型のリング状マグネット9が、軸8を中心として固定されている。
ブラシベース12にはブラシ10A、10Bへ電力を供給するための給電リード部12aが設けられており、ブラケット7に設けられた透孔7aによりマグネット9の下側を通って外部へ導出される。
外部へ導出された給電リード部12aは給電電極部12bとして突片7bに固定される。給電リード部12aを透孔7aを通過させてマグネット9の下部を通すことで、マグネット9とブラケット7を直接固定でき、モータMを薄くすることができる。
ロータRは軸8を軸受3の軸挿通孔3aへ通してハウジングに取り付けられ回転支持される。軸受3と軸固定部7dの間にはスラストワッシャW1を介在して軸受3の下側端部と軸固定部7dのバーリング加工端部の摺動ロスを防いでいる。
【0016】
軸受3は円筒状の焼結含油軸受で、その中央には円周上に凸部3bが形成されている。軸受3はその下端部が印刷配線基板1から下方へ突出する位置に配置される。軸受3とウエイト4の間には樹脂5が充填され、ウエイト4の軸受側に形成された段部により内側補強部5bが形成される。
また、ロータRの外周部には一体成型の樹脂5による外周補強部5aが形成されている。この内側補強部5bと外周補強部5aについては後に詳述する。
ロータRを軸8に取り付けた後、軸受3の上端部にスラストワッシャW2を軸8が通るよう取り付け、ケース6を取り付ける。
ケース6は円筒キャップ状に形成され、その開口側が複数箇所ブラケットの外径部に固定される。
そして軸8の上端部がケース6の中央にバーリング加工によって設けられたバーリング状透孔6aに取り付け固定される。固定は圧入加工や溶接で行われる。
ここでは、ブラシ10A、10Bの押圧力によりロータRが上方に押され、軸受3の上端部がケース6のバーリング状透孔6a部内側に接触するのを防ぐため、複数のワッシャW2が用いられる。
軸受3の端部とワッシャW2、ワッシャW2とケース6は常にこすれる状態となるため、ワッシャW2を二枚あるいは三枚等複数用いて摺動損を軽減する。
【0017】
図4にウエイト4の詳細な形状を示す。
ウエイト4はほぼロータRの厚みとなる平板状のほぼ扇形に形成されている。外周部44および印刷配線基板1のコイル載置領域と隣接する二つの隣接辺44A、44Bには外周段部4Cが片面側に形成されている。この段部4Cを片面側だけに設けたのは外周補強部を下方へ形成することで、ウエイト4の下面側を平面として重量を大きくするためである。
そして、軸受3近傍となる内周部45側には、印刷配線基板1の整流子片形成領域が重なる下面段部4dが形成される。さらに上側段部4b、下側段部4aが形成され、軸受3との間に形成される空間に樹脂が満たされる。
さらに内周部45にはウエイト4を厚み方向に貫通する貫通孔46が樹脂充填部として設けられている。樹脂5による一体成型ではこの貫通孔46にも樹脂5が充填される。この貫通孔46は樹脂が流れやすいよう内周側に向かってその開孔が狭くなるよう開放されている。
ただし、貫通孔46の位置が上側段部4bあるいは下側段部4aと重なった位置にあればそれぞれの段部を樹脂が通過して貫通孔46へ到達するので、開放されていない孔でもよい。その形状は段部の段差寸法などにより決定する。
また、貫通孔でなく凹形状でも樹脂が入り込めば半径方向の補強部として効果を有する。
さらに貫通孔あるいは凹形状部分は隣接辺44A、44Bに設けても良い。その場合両隣接辺に設けるとより複数の充填部として効果的である。
【0018】
図5にコミュテータ基材としての印刷配線基板1を示す。図5(A)はコイル載置領域のある第1面を示し、図5(B)は整流子片形成領域のある第2面を示す。
印刷配線基板1は第1面にコイル載置領域1a、1bが設けられ、第2面には整流子片形成領域が設けられている。印刷配線基板1のウエイト4側の外形は、その載置領域、形成領域と同じか、やや大きくなるように形成する。
このようにすると、ウエイト4の大きさをより大きくすることが可能となる。
そして端辺11が、一体成型でロータを構成した際ほぼD字型になるようウエイト4と反対側に位置するよう設けられている。
この端辺11にはコイル2A、2Bの端末を結線する結線パターン1dが形成されている。このように端末結線パターンをコイル載置領域外に配置すると結線作業が容易になる。また、ウエイトと反対側に設けることで、結線パターンがウエイトの大きさに影響することがなくなりウエイトを大きくすることができる。整流子片Sをショートさせるパターンや、整流子片Sと結線パターン1dを接続する印刷パターンの図示は省略する。
【0019】
ロータRを樹脂5で一体に成型するには、金型内に印刷配線基板1、軸受3、コイル2A、2Bおよびウエイト4をセットし、第2面側から樹脂を注入してそれぞれの構成部在間に形成される空間に樹脂5が充填される。
内側補強部5bでは、ウエイト4の上側段部4bおよび下側段部4aの部分に樹脂5が満たされ、厚み方向でウエイト4を樹脂が覆うことでウエイト4が軸方向に対して樹脂5に固定されるよう補強される。
また、貫通孔46にも段部を通った樹脂5が充填され、貫通補強部5dが形成される。このとき狭くなった開放部の作用で、ウエイト4が半径方向に固定されるよう補強される。
樹脂5の厚みは厚い方が補強に有利だが、この場合複数のワッシャW2の厚みを利用して膨出部5eを設け樹脂の厚みをウエイトの上面よりさらに突き出して厚くすることが可能となる。軸受3の端部とケース6の上面内側にはこのワッシャW2による空間ができるが、この空間を利用して膨出部5eを設けることができる。
この膨出部5eは内側補強部5bのみに設けるのがよい。膨出部が外周にあると、軸8と軸受3のがたつきにより外周部が振られたとき、ロータRがケースに接触する可能性があるためである。
さらに、図3に示す本実施の形態のように、バーリング状透孔6aとケース6の上面内側に段差があれば、その段差を利用して膨出部5eをさらに厚くすることが可能である。
この膨出部5eが貫通孔46あるいは後述の溝48A、48Bまでかかっていれば半径方向の補強が強化されるのは言うまでもない。
【0020】
軸受3にはその外周面中央に凸部3bが設けられている。この凸部3bは内側補強部5bの樹脂5により軸方向の固定が成される。この構成により、ウエイト4と軸受3の相対的な固定を、さらに強固なものとすることが可能となる。
また、ウエイト4と軸受3の間には樹脂5の層が形成される。こうすると、強い衝撃がモータMに加わったとしてもウエイト4と軸受3が直接接していないため、軸受3や軸8の破損を防止することができる。
【0021】
ロータRの外周部には外周補強部5aが形成される。この外周補強部5aは、マグネット9の外周とケース6の間の空間を利用してウエイト下面あるいは印刷配線基板1の第1面からブラケット7側へ形成した外周突出部5fと、ウエイト4と印刷配線基板1およびコイル2A、2Bの外周部へまわされた樹脂5により形成される。
樹脂5でウエイト4の外周段部4Cを上下から一体化して軸方向の補強とし、外周部に樹脂5を設けることで半径方向の補強としている。
さらに、ウエイト4の外周部と印刷配線基板1のコイル載置領域外周部を連続的に一体化することで、ロータRをさらに強固に一体化する。
【0022】
図6、図7により、上述のように構成した振動モータの動作説明をする。図6はコイルの配置開角が150度の構成を示し、図7はコイルの配置開角が170度の構成を示す。
マグネット9はN、S交互に6極着磁された軸方向空隙型マグネットである。
印刷配線基板1には9極のセグメントS1〜S9からなる整流子片Sが形成され、この整流子片Sに前記マグネット9のニュートラル部の位置で180度の開角で正負のブラシ10A、10Bが摺接する。
巻線型空心電機子コイル2A、2Bは150度の配置開角で配置され、図に両側の有効導体部がトルクに寄与する状態を示す。すなわち、巻線型空心電機子コイル2Aの巻始め端末は整流子SのセグメントS1に結線され、同巻終わり端末は、巻線型空心電機子コイル2Bの巻終わりと共に、同セグメントS3に結線され、同コイル2Bの巻終わり端末は、同セグメントS5に結線されている。
【0023】
前記整流子各セグメントは2個毎にショートする3本の導体が印刷配線などで形成され、偏心ロータRとしてウエイト4がコイル配置開角の広い方に一体化されている。
このようにした偏心ロータRは、マグネットのニュートラル部分で摺接するようにした正負のブラシ10A、10Bによって電力が供給されると、ブラシ10Aから供給され、ブラシ10Bに落とされた直流電流によってフレミング左手の法則に則し、空心電機子コイル2A、2Bに矢印の方向に回転力が生ずる。
ロータRはブラシ10A、10Bにより常に押圧されているが、摺接角を180度とすることで、軸方向に対して傾くことなく押圧できるので回転の損失を少なくすることが可能となる。
【0024】
図8および図9に、本願発明の構成としてウエイトの他の実施例を示す。図4と同一の構成は同一の番号を付し、その説明を省略する。
図8に示すウエイト14はウエイト4と同様ほぼ扇形に形成され、外周部44,隣接部44A、44Bを有し、内周部48が形成されている。内周部48には貫通孔46の代わりにウエイト14の両面に溝48Aおよび48Bを形成する。
樹脂5でロータを一体成型する際、樹脂5は外周段部4Cを通りこの溝部に充填される。この溝48A、48B部に充填された樹脂5によりウエイト14は軸方向あるいは半径方向へ強固に一体化される。
その他の構成及び作用効果は上述と同様である。
ウエイト外周に設けられた外周段部4Cあるいは上側段部4b、下側段部4aと連続して貫通孔46あるいは溝48A、48Bを設けると、段部による空間を樹脂通過路に利用して上下方向の補強部と半径方向の補強部を同時に形成できる。そのため、特定の補強部を形成するための射出成型用ゲートを特段考慮しなくても良くなる。
【0025】
半径方向の補強部を形成するためのウエイトの形状は、これ以外にも図9に示すように、内周部48の先端50を軸受3を回り込むように形成しても良い。このようにするとウエイト24の平面部を大きく取ることができ、ウエイトの重量を大きくすることができる。
上記実施例ではコイルの配置を2個とし、載置領域を配置開角150度の部分としたが、コイルの数は3個でも可能である。コイルを3個近接して配置し、残った空間にウエイトを配しても、本願発明の構成でウエイトを強固に一体化できる。
また、コミュテータ基材としての印刷配線基板に、ガラスエポキシ系の剛性のある基板を用いてもフレキシブル基板のような柔軟性のある基板を用いても本願発明を構成することができる。
さらに、これまで説明した実施の形態は、軸をハウジングへ固定する軸固定型モータに関し説明したが、軸受けをハウジングに配し軸を偏心ロータに固定すれば軸回転型の振動モータにも適用できる。
さらに、これまで説明した実施の形態は軸をハウジングへ固定する軸固定型の振動モータに関し説明したが、軸受けをハウジングに配し軸をロータに固定すれば、本願発明を軸回転型の振動モータにも適用できる。
【0026】
【発明の効果】
本願発明は、請求項1の構成によりウエイトの大きさが印刷配線基板やコイルに比べて相対的に大きくなっても、軸受近傍や外周部に補強部を設け強度を保ちながら偏心ロータとして一体化できる。具体的には請求項2から5に記載の構成とすることで、印刷配線基板によるウエイトの支持がほとんど無い場合であってもウエイトを強度を保ちながら偏心ロータとして一体化できる。そのため全体として小さな偏心ロータの構成が可能となる。
【0027】
そして請求項6記載の構成のように、この偏心ロータを用いることにより振動量を保ちながら薄く外径の小さな振動モータが構成可能となる。
さらに、請求項7記載の構成とすればウエイトの大きさが印刷配線基板やコイルに対し相対的に大きくしながら回転損失が少ない振動モータとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の偏心ロータの実施の形態を示し、第2面から見た平面図である。
【図2】第1図に示す偏心ロータの、第1面から見た平面図である。
【図3】本発明の偏心ロータを用いた振動モータの、側方から見た要部断面図である。
【図4】本発明の偏心ロータを構成するウエイトの平面図(A)およびその断面図(B)である。
【図5】本発明の偏心ロータを構成する印刷配線基板を示す平面図である。
【図6】本発明の偏心ロータを用いた振動モータの動作原理図である。
【図7】本発明の偏心ロータを用いた振動モータの動作原理図である。
【図8】本発明の偏心ロータを構成するウエイトの他の実施の形態を示す平面図(A)およびその断面図(B)である。
【図9】本発明の偏心ロータを構成するウエイトの他の実施の形態を示す平面図である。
【符号の説明】
R 偏心ロータ
S 整流子片
1 印刷配線基板
2A、2B コイル
3 軸受
4 ウエイト
5 樹脂

Claims (7)

  1. 第1の面に複数の巻線空心電機子コイルを載置する領域と第2の面に複数の整流子片を形成する領域を有する印刷配線基板でできたコミュテータ基材と、前記印刷配線基板の外側で前記印刷配線基板の厚み部分まで厚みを有しかつ前記巻線空心電機子コイルより厚み方向で突出しない最大厚みを有するウエイトと、軸受けとが樹脂で一体成型され、このウエイトは最大厚みの部分が前記印刷配線基板の厚みを含んで前記第1の面側と第2の面側に露出されるとともに厚み方向が樹脂で覆われる段部がその外周に形成され、その段部と連続して樹脂充填部が形成され、前記樹脂によりこの偏心ロータを一体成形した際、その樹脂がこの樹脂充填部へ充填されると共にウエイトの半径方向への固定強度を補強する補強部となることを特徴とする偏心ロータ。
  2. 前記補強部は前記段部と連続して厚み方向へ貫通する貫通孔により形成されることを特徴とする請求項1記載の偏心ロータ。
  3. 前記補強部は上記段部と連続した凹状部により形成されることを特徴とする請求項1記載の偏心ロータ。
  4. 前記補強部は前記段部と連続して複数設けられていることを特徴とする請求項2乃至3のいずれかに記載の偏心ロータ。
  5. 前記ウエイトは略扇形に形成され、前記補強部はその芯部近傍に設けられたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の偏心ロータ。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の偏心ロータと、このロータを納めるハウジングと、この偏心ロータをハウジングに回転支持する軸と、このハウジングに設けられたブラシベース及びブラシベースに固定されたブラシと、前記偏心ロータに軸方向空隙を有して対向しハウジングに設けられたマグネットからなることを特徴とする軸方向空隙型振動モータ。
  7. 前記複数の空心電機子コイルは2個で180度未満の配置開角に配置され、上記ウエイトはその配置開角の広い方に配置され、前記マグネットが6極の磁極を有し、前記整流子片が9個のパターンで形成されるとともに、前記ブラシは180度の摺接角で前記整流子片に摺接するよう前記ブラシベースに固定されている請求項6記載の軸方向空隙型振動モータ。
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