JP3894373B2 - 高硬度高耐食性刃物用鋼 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は刃物用鋼の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
包丁、剃刀、カスタムナイフ等の小さい刃先角を有する刃物やはさみ等相互に接触し合う実用的な刃物、または日本刀など美術的刃物用の材料に対して要求される特性としては、鋭い刃先を維持する高硬度が得られ、かつ錆難いことが第一であるが、その他、鍛錬やプレス、ワイヤカット、機械研磨などの各種の加工性に優れることが重要である。
特に高級刃物等は、刃物として前記の鋭い刃先を維持するとともに、生産量が少量であるため、刃物の粗形形状への成形方法として、打抜きや型鍛造等の多量生産方式が採用できず、コンターソーや手作業による研削等手作りによることが多い。このため、焼鈍材に対する被切削性や被研削性が特に重要である。また、熱処理がし易いこと、刃物となったのちの光沢など感覚的特性も重要である。
【0003】
従来、このような刃物素材としては、SUS系(例SUS440C)、ダイス鋼系、ハイス系の溶製材が主に用いられてきた。
また、粉末冶金法による高耐食高耐摩耗性工具部品用材料として、特開昭63−169358号、特開平3−277747号が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の溶製法による鋼では、例えばSUS系において、耐食性を維持し、かつ硬さ 63HRC以上の高硬度を得ようとすると、C,Cr量を多くする必要があり、その結果、巨大炭化物を生成して、靭性を害したり、刃こぼれを生じ易くなる。また、ダイス鋼系、ハイス鋼においては耐食性が劣ることや加工性が悪いなどの欠点がある。
【0005】
そこで、本発明者は本来、使用目的が高級刃物用とは大きく異なる前述の粉末法による高耐食高耐摩耗性工具部品用材料を試験的に高級刃物用に供し、種々の知見を得た。すなわち、これらの材料は微細な炭化物の分散により、巨大炭化物による靭性不足の問題点は解決され、高耐食、高硬度が得られること、しかし、被切削性や被研削性が劣り、また、高温焼入れを要する(刃物メーカは通常高温焼入れ設備を有しない)欠点があることがわかった。
【0006】
本発明は鋭い刃先を維持する高硬度と高い耐食性を備えるとともに、コンターソーによる切削や手作業による研削を阻害することのない高い被切削性や被研削性と、さらに高温焼入れを必要としない高硬度、高耐食性刃物用鋼を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前述の特開昭63−169358号および特開平3−277747号による粉末法による材料の高硬度、高耐食の特性に着目し、これらの材料で刃物を製造する場合の被切削性や被研削性さらには高温焼入れを要するという問題点を種々の実験検討により改善し本発明をなした。
すなわち、前記特開昭63−169358号および特開平3−277747号の材料において、Vを0.50%を越えて含むものでは硬質が難溶性のVC炭化物が多くなるため、切断加工、研磨作業などの加工性が悪くなり、また高硬度を得るためには、焼入れ硬度を1150℃またはそれ以上に高くする必要があり、通常の刃物メーカーには、このような熱処理設備がないという問題点がある。
【0008】
一方、Vを全く含有しない場合には、焼入れ性が劣化したり、焼入れ加熱時にオーステナイト結晶粒が粗大化し易く、靭性が低くなるため、刃欠けの原因となることがわかった。また、刃物用途に対しては焼入れ温度の低下のためには、Mo当量(1/2W+Mo)を低下するとともに、その範囲を十分狭くすべきことがわかった。
上記のように、本発明は高C,高Crの粉末法による高硬度、高耐食性材料を当該刃物鋼用途に供するに際し、特にV添加量が重要であるとの結論から、この添加量や、さらにMoやWの添加量を刃物用途に適合させたものである。
【0009】
すなわち、本発明は、重量%で、C 2.00〜3.50%、Si 1.50%以下、Mn 1.50%以下、Cr 15.00〜25.00%、WとMoの1種または2種を1/2W+Moで0.50〜2.00%、V 0.05〜0.18%、またはさらにV 0.05〜0.20%の時はNi 1.50%以下を含有し、残部Feおよび不可避的な不純物からなり、粉末冶金法により製造したことを特徴とする高硬度高耐食性刃物用鋼である。
【0010】
次に本発明鋼の成分限定理由を説明する。
Cは、焼入れ焼戻しで基地に固溶して硬さを高める元素であると同時に、Cr,Mo,W,V等と結合して、高硬度の炭化物を形成し、その分散効果により、さらに硬さを高める元素である。このような効果を得るためには、2.00%以上が必要であるが、多すぎると脆化して刃こぼれの原因となり、また冷間および熱間加工性を低下するので、Cは2.00〜3.50%とする。Cの望ましい範囲は、2.30〜3.00%である。
Siは基質を強化し、また耐酸化性を高めるために添加するが、1.50%を越えると機械的性質を劣化させ、また、加工性を悪くするので1.50%以下とする。望ましくは1.20%以下である。
【0011】
Mnは焼入れ性改善元素として添加される。しかし、1.50%を越えるとオーステナイトを増加し硬さを低下させる傾向があり、さらにA1変態点を過度に低下させ、焼なまし硬さを高くして加工性を劣化するので1.50%以下とする。望ましくは1.30%以下とする。
CrはCと結合して硬質の炭化物を形成して硬さ、耐摩耗性を向上させると同時に基地中に固溶して耐食性も向上させる極めて重要な元素であり、本願の目的達成のためには、15.00%以上が必要である。しかし、25.00%を越えると固溶C量が減少して、逆に硬さを低下し、また熱間加工性を低下させるので、15.00〜25.00%とした。Crの望ましい範囲は17.00〜22.00%である。
【0012】
W,Moは、焼入れ性を高める効果と、Cと結合して特殊炭化物を形成して焼入れ焼戻しの硬さを上昇させる効果を有する。また、特にMoは基地中でCrと共に安定した強固な不働態被膜を形成する作用があり、耐食性を増大させる。
上記効果のために、W,Moは1種または2種を1/2W+Moで0.50以上とすることが必要であるが、多すぎると被切削性や被研削性等の加工性を劣化し、焼入れ温度を高める必要を生じて熱処理性を悪化し、また刃物鋼は低温焼戻しで使用されるから、前述の高耐食、高耐摩耗性工具材料のごとき高含有による2次硬化は発生しないので0.50〜2.00%とした。望ましくは、0.7〜1.5%である。
【0013】
Vは焼入れ性を増し、熱処理による歪みを防止するのに必要な元素であるが、同時にCとの結合力が強く、硬質難溶性のVC系炭化物を形成する元素であるため、多量に含有すると焼なまし時の硬さを下がり難くして、被切削性や被研削性等の加工性を著しく害し、また焼入れ温度を上昇して熱処理性を低下する欠点がある。しかし、Vを全く含有しない場合には、上述の焼入れ性低下、熱処理歪の増加、焼入れ時にオーステナイト結晶粒を粗大化して靭性を低下し刃欠けの原因となるなど、重大な問題を生ずる。
以上の観点からVの添加量は、0.05〜0.18%とし、Ni 1.50%以下を含有する時は0.05〜0.20%とした。Vの望ましい範囲は、0.07〜0.15%である。
Niは本発明鋼に対し、焼入れ性と靭性の向上に寄与するので、必要により添加するとよい。しかし、1.50%を越える添加は、残留オーステナイト生成による焼入れ硬さの低下をまねくので添加する場合は、1.50%以下に制限する。望ましくは1.30%以下である。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に実施例により本発明を説明する。表1に本発明鋼および比較鋼、従来鋼の化学成分を示す。それぞれの調査試験材は、表1に示すA〜Sの化学成分の粉末をガスアトマイズ法により製造し、32メッシュ以下に粒度調整した後、熱間静水圧プレスにより圧密化し、その後熱間加工、焼なましを経て製造した。試験は焼鈍状態の試験材に対する被切削性試験と被研削性試験および前記試験材を所定の形状に機械加工を施した後、焼入れ焼戻しを行ない、硬さ測定と耐食性試験を行なった。
Tは溶製法による従来鋼 SUS440C相当材で高周波炉により溶製し、熱間加工後、A〜Sと同様な処理、試験を行なった。
焼入れは、1000℃〜1050℃に加熱し空冷したのち、ドライアイスによるサブゼロ処理(−75℃×30分)を実施し、焼戻しは160℃で1時間加熱した。耐食試験は、前記焼入れ焼戻し試験片面を1000#エメリー紙で研磨後、60℃、相対湿度90%のデシケータ中で10時間放置の温湿度試験を実施し、外観観察により判定した。
表2において、加工性は焼鈍材についての被切削試験結果(被研削性は被切削性とほぼ同傾向を示した)を代表して示し、また、焼入れ焼戻し硬さおよび耐食性は上述の結果を示す。
表1において、比較鋼Q,Rは成分的に特開平3−277747号に該当するものであり、このうちQはVを含まないもの、RはVを含むものである。
【0015】
【表1】
【0016】
本発明鋼および比較鋼は、粉末冶金法によるものであり、高C−高CrでMo,WとVを含む組成により炭化物を微細かつ均一に分散することができる。したがって、焼入焼戻しによる硬い基質と、硬質炭化物の分散により従来の溶製材(表1中T)では得られないHRC63以上の高硬度の材質を得ることができる。このうち、本発明鋼は適当な合金元素の添加により、加工性、耐食性を具備すると共に、HRC65以上の高い熱処理硬さを達成している。
【0017】
表1に示した本発明鋼で、A,BはそれぞれC量の上、下限付近を示すものであり、低Cの比較鋼Iに比べて高硬度、高CのJに比べて加工性と耐食性に優れている。CはMo,Wの上限付近、DはSiの上限付近のものをそれぞれ示すが、それぞれP,Kと比較して同程度の高硬度を維持しつつ、加工性が害されない成分鋼である。また、E,FはCr,Niの上限と同時にMo,Wの下限付近を示すが、硬さ65HRCが得られている。G,HはそれぞれVの下限および上限付近を示すが、Q,Rと比較して高硬度が得られ、かつQよりも耐食性でRよりも加工性でそれぞれすぐれている。
なお、表2の本発明鋼および比較鋼は、従来鋼(表2中T)のギラギラとした白っぽい光沢に対し、炭化物の面積率が大きいことによる灰白色、いぶし銀ないし超硬合金のような光沢を呈している。
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明鋼は、刃物に必要な高硬度、高耐食性の要求と、特に高級刃物等の製造における切削および研削の比重が多いことに基づく、被切削性等の加工性、さらに従来の設備で処理可能な熱処理性を粉末法による高C、高Cr鋼について、W,Moおよび特にVの添加量を適正値に規制することで達成した鋼である。
この材料を用いることにより、カスタムナイフ等の高級刃物の手作りが大幅に容易となり、産業上の効果が増進された。
Claims (2)
- 重量%で、C 2.00〜3.50%、Si 1.50%以下、Mn 1.50%以下、Cr 15.00〜25.00%、WとMoの1種または2種を1/2W+Moで0.50〜2.00%、V 0.05〜0.18%、残部Feおよび不可避的な不純物からなり、粉末冶金法により製造したことを特徴とする高硬度高耐食性刃物用鋼。
- 重量%で、C 2.00〜3.50%、Si 1.50%以下、Mn 1.50%以下、Cr 15.00〜25.00%、WとMoの1種または2種を1/2W+Moで0.50〜2.00%、V 0.05〜0.20%、Ni 1.50%以下、残部Feおよび不可避的な不純物からなり、粉末冶金法により製造したことを特徴とする高硬度高耐食性刃物用鋼。
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