JP3894193B2 - 無線送受信システム - Google Patents

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本発明は、少なくとも2機の送受信装置間で無線により送受信を行なうものであって少なくとも一方の送受信装置は電池を電源としている無線送受信システムに関するものである。
工場内設備(機器)の運転状況の把握については、設備管理担当者が設備を1日数回巡回して点検を行うのが一般的であったが、最近では人手不足や人件費削減等のため、人による情報収集ではなく設備にセンサを取付け、その運転情報を中央側に送信する方法がとられている。さらにセンサの情報を無線で送信する方法も注目されつつある。
この場合、送信側である無線端末は電池駆動としていることが多く、必ず電池交換の作業が発生する。交換作業に関わる手間を省けるように下記特許文献1では電池の残容量を無線で中央側に送信する工夫をしている。
特開2000−332644号公報
上記従来技術において、送信側である無線端末は電池で駆動しており、低消費電力化を計っているが、電池交換作業は1年に1回程度人手により行なう必要がある。台数が多ければ手間も増える。
また、電池を複数個持たせ、必要に応じて電池を切り換える方式をとる例もあるが、この場合でも電池交換の必要が生じる。
容易に人が出入りでき無いような場所に設備が設置されている場合は、作業の段取りをするだけでも時間とコストがかかる。
従って、本発明の目的は、電池の交換を不要とすることができる電池駆動の無線送受信システムを提供することにある。
上記目的を達成するため本発明の特徴とするところは、少なくとも2機の送受信装置間で無線により送受信を行なうものであって、一方の送受信装置は、センサとこのセンサに給電する前記電池とを有する無線端末と、電池に給電する給電ユニットとを備え、この給電ユニットは発電素子が接続されるダイオード及びコンデンサと、給電ユニットから無線端末への給電の制御指令を発生するタイミング監視器とを有し、このタイミング監視器の指令により、発電素子が発生しコンデンサに蓄えられた電力を、送受信の合間に電池に充電することにある。
本発明無線送受信システムによれば、発電手段での発電能力が低くても給電手段により電池を充電することができ、電池交換がなくなり人手を掛けなくてすむ。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1において、10は図示していない中継機と無線により送受信を行なう一方の送受信装置に相当する無線端末で、アンテナ10Raを備えている。
図示していない中継機は、無線で送受信をする他方の送受信装置に相当し、無線端末10から受信した情報を図示していない中央機側へ送信し、また逆に中央機側からの命令を無線端末10側に送信する。無線端末10は複数存在するが、1台のみを示している。
無線端末10は、中央処理装置(演算器またはCPU)11,タイマ12,電源としての電池13,送信回路(送信部)14,受信回路(受信部)15,スイッチボックス16,タイマ監視器17,機番設定器18,各種のセンサ19a〜19cを備えており、電池13は充電可能な2次電池である。
機番設定器18は、各無線端末10から送られてくる無線情報について、図示していない親機としての中継機が多数ある子機としての各無線端末10のどれから送られてきたものか区別し特定できるようにする号機番号(機番)を個別に設定するものである。
各種のセンサ19a〜19cは図示していない特定の設備に設置してその設備の動作状態を計測するもので、以下、センサ19と総称する。
電池13はスイッチボックス16を介しタイマ12およびタイマ監視器17と接続してあり、実線で示しているが、これは常時接続状態にあることを示している。
また、CPU11,送信回路14,受信回路15および各センサ19とスイッチボックス16とは接続してあることを点線で示しているが、これはタイマ12における時刻を監視するタイマ監視器17の指示に従って適時に接続し、その他の時は接続していないことを表している。
CPU11は、各センサ19からデータ(情報)を収集して送信回路14や受信回路15を介して中継機と無線で交信して送信を行う。中継機との無線交信の時間間隔は、中継機との初回交信時に中継機より指定される。
タイマ監視器17は、この指定された時間間隔に従いタイマ12における時刻を参照して、各部位への電源供給等を制御する。
無線端末10ではCPU11を適時に稼動させるので、タイマ監視器17をCPU11から分離させており、電池13の電力が消耗しない構成となっている。
20は温度差発電素子(発電素子)で、素子の両端に温度差が発生すると起電力が発生するゼーベック素子である。温度差発電素子20は各種のセンサ19を設置してある図示していない特定の設備に設置してあり、設備における発熱を利用する。温度差発電素子20は太陽電池や燃料電池、または各種発電素子でもよい。
30は給電ユニット(給電手段)であり、電池13が消耗し電圧が低下した場合に電力を供給し充電を行うもので、ダイオード31,コンデンサ32,昇圧器33,タイミング監視器34,電池電圧監視器35,給電器36を備えている。
以下、具体的に説明する。
ダイオード31は、温度差発電素子20が発電を行っていない時などにコンデンサ32の放電電流が温度差発電素子20側に逆流するのを防止する。
コンデンサ32は、温度差発電素子20が発電した電力を安定化させるとともに電力を蓄電し、またコンデンサ32自身が充電されることで昇圧器33が入力時に必要な電圧まで昇圧する。
昇圧器33は、コンデンサ32の充電による出力電圧をさらに所望な電圧まで昇圧するもので、昇圧器33としてはチャージポンプ回路と呼ばれるものを用いている。その基本構成と動作を、図2により説明する。
図2に示すチャージポンプ回路では、入力電圧Vinに対して2倍の2Vinの出力電圧を得ることができる。
先ず、図2(a)に示すように、スイッチS1,S3が閉じ、スイッチS2,S4が開いている時、入力電圧Vinは入力側のコンデンサC1に印加され、コンデンサC1にVinと等しい電圧値になるような充電が行われる。
次ぎに、図2(b)に示すように、スイッチS1,S3が開き、スイッチS2,S4が閉じている時、これまでコンデンサC1に充電されていた電圧Vinがさらに入力電圧Vinによって電圧が持ち上がるような接続となるため、コンデンサC1は最終的に入力電圧Vinの2倍の電圧2Vinが発生する。
コンデンサC1の+側端子は出力側のコンデンサC2とスイッチS2で繋がるため,コンデンサC2には入力電圧Vinの2倍の電圧2Vinが充電される。
実際には、スイッチS1〜S4を高速に開閉し、図2(a),(b)の状態となることを交互に繰り返して、一定の(安定した)出力電圧2Vinを得ている。なお、入力電圧Vinは、コンデンサ32が充電されたときの電圧である。
図1に戻り、タイミング監視器34は無線端末10内のタイマ監視器17のスイッチボックス16への電源接続信号を監視し、無線端末10が現在通常動作時か待機時かを判断する。そして、それにより昇圧器33や後述する電池電圧監視器35,給電器36を制御する。
電池電圧監視器35は,タイミング監視器34の指令により無線端末10内の電池13の電圧を監視する。
給電器36は,タイミング監視器34の指令により無線端末10内の電池13へ電力を供給する。常時給電を行っているものではないので、給電器36と電池13の両者間は接続してあることを点線で示している。同様の理由で、昇圧器33と給電器36の両者間も接続してあることを点線で示している。
図3は、給電ユニット30の動作フローを示している。動作フローのソフトプログラムはタイミング監視器34に内蔵させてある。
給電ユニット30が起動されると、先ずステップ(以下、『S』と略記する)101でタイミング監視器34により無線端末10の送信タイミングをチェックし、待機中であることを確認する。待機中であることは、上記したように、図1でタイマ監視器17からスイッチボックス16へ電源接続信号がでているかどうかで判断する。
無線端末10が送受信をしておらず待機中であることを確認すると、S102において無線端末10内の電池23の電圧をチェックする。具体的には、タイミング監視器34から電池電圧監視器35へ電圧チェックの指令をだす。
その指令を受けて、電池電圧監視器35は前述のように電池13の電圧が、あらかじめ設定した電圧値より低下していないかをチェックする。電圧が低下してない場合は正常状態であることの信号を返し、S103の待機モードに進み、さらにS104で予め設定してある時間を待ってS101へ戻る。
S102において電池13の電圧が設定値以下であると判断した場合は、タイミング監視器34に電圧低下状態であることを信号で返し、S105に進む。
S105ではコンデンサ32の両端電圧を確認し温度差発電素子20が所望の電圧を発電しているか確認する。続いて、S106で昇圧器33の出力電圧を確認する。そしてS107においてS105,S106の結果から,昇圧器33の出力電圧が予め設定された所望の電圧になっていて給電可能かどうか判断する。 給電可能な場合はS108に進む。
S108では、タイミング監視器34の指令により昇圧器33と給電器36の接続や給電器36と電池13の接続を行ない、給電器36から無線端末10内の電池13へ電力を供給する。そしてS101へ戻る。
S107において給電不可と判断した場合はS105に戻って、給電可能状態となるまでS105〜S107の処理を繰り返す。
S105〜S107の処理を繰り返すことによって、温度差発電素子20における発電能力が低いことがあっても、コンデンサ32の両端電圧や昇圧器33の出力電圧が設定された電圧となるように電流の浪費(放電)を避けて、電池13への給電が充分な状態になることを確保することができる。無駄な放電の阻止は昇圧器33と給電器36の接続や給電器36と電池13の接続を給電(充電)に必要なときだけ行なうことで達成している。
電池13への充電は、無線端末10が送受信をしておらず、電池13の電力消費が少ない時期に行なうので、速やかに充電を完了することができる。
電池13の電力を消耗しても、給電ユニット30から適宜に充電が行なわれるので、電池13は交換する必要がなく、人手が掛からない。無線端末10を取り付けた情報収集の対象となっている設備が、電池13の交換のしづらい場所にあるほど、コスト低減に有効である。
発電素子20は、設備の設置状況に合わせて適宜に選択すればよい。また、昇圧器33は、図2に示したチャージポンプ回路以外のコッククロフト回路などでもよい。
本発明の一実施形態を示す一方の送受信装置の概略図である。 図1に示す昇圧器の構成と昇圧状況を説明するための図である。 図1に示す給電ユニットの動作フローを示す図である。
符号の説明
10…無線端末(子機)
11…CPU(演算器)
12…タイマ
13…電池
14…送信回路(送信部)
15…受信回路(受信部)
16…スイッチボックス
17…タイマ監視器
18…機番設定機
19,19a〜19c…センサ
20…温度差発電素子(発電素子)
30…給電ユニット
31…ダイオード
32,C1,C2…コンデンサ
33…昇圧器
34…タイミング監視器
35…電池電圧監視器
36…給電器
S1〜S4…スイッチ

Claims (3)

  1. 少なくとも2機の送受信装置間で無線により送受信を行ない、少なくとも一方の送受信装置が充電可能な電池を有する無線送受信システムにおいて、
    前記一方の送受信装置は、センサとこのセンサに給電する前記電池とを有する無線端末と、前記電池に給電する給電ユニットとを備え、この給電ユニットは発電素子が接続されるダイオード及びコンデンサと、前記給電ユニットから前記無線端末への給電の制御指令を発生するタイミング監視器とを有し、このタイミング監視器の指令により、発電素子が発生し前記コンデンサに蓄えられた電力を、送受信の合間に前記電池に充電することを特徴とする無線送受信システム。
  2. 上記請求項1に記載の無線送受信システムにおいて、前記給電ユニットは、前記電池の電圧が予め設定した電圧以下である場合に、前記コンデンサに蓄えられた電力を前記電池に充電することを特徴とする無線送受信システム。
  3. 上記請求項1に記載の無線送受信システムにおいて、前記給電ユニットは、前記コンデンサに蓄えられた電圧を昇圧する昇圧器を有し、この昇圧器はチャージポンプ回路であることを特徴とする無線送受信システム。
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