JP3893738B2 - Tig溶接の欠陥判定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、TIG溶接の欠陥判定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
TIG溶接は、図3に示すように、TIG溶接機1と母材2とを相対移動(図3ではTIG溶接機1を矢印A方向に移動)させ、溶接トーチ3に電極4の外周を包囲するようにシールドガス5を供給しつつワイヤ6の送給と電極4への給電(電圧と電流の制御)を行いながら、溶接トーチ3のウィービング(図3中矢印Bで示すように溶接方向にAに対して左右の方向へ溶接トーチ3を往復移動させること)を行って溶接するようにしている。
【0003】
上記TIG溶接機1により溶接する際には、溶接欠陥を生じさせないように作業することが非常に重要である。
【0004】
一般に溶接に当たっては、溶接電圧、溶接電流、溶接速度、ワイヤ送給速度、ウィービング速度、ウィービング幅、シールドガス流量等のパラメータを監視して適宜制御することにより、良好な溶接品質が得られるように作業している。しかし、種々の要因によって溶接欠陥が発生しているのが現状である。
【0005】
溶接欠陥としては、ビード不揃い、ビードの大小、ビード高さの大小、ピット、酸化等の溶着金属表面欠陥、アンダーカット、オーバーラップ等の母材との境界部(表面)欠陥、ポロシティ、タングステン巻込み等の溶着金属内部欠陥、融合欠陥、溶込み不足等の母材との境界部(内部)欠陥等があげられる。
【0006】
従来のTIG溶接方法では、前記パラメータの各々が過大或いは過小になることによって溶接欠陥が発生するので、前記パラメータの夫々についてしきい値を設定し、何れかのパラメータがしきい値を越えた時に、そのパラメータが要因となる溶接欠陥が発生すると判断し、しきい値を越えそうなパラメータを修正する作業を行うようにしている。
【0007】
図4は、溶接速度がある値を越えて過大になることによってビード不揃いの溶接欠陥、及びビード小の溶接欠陥が生じる点をしきい値として設定した場合であり、溶接速度の標準値が例えば6cm/分である場合において、溶接速度9cm/分のしきい値を設定している。
【0008】
又、図5は、ウィービング速度がある値を越えて過小になることによってビード不揃いの欠陥を生じる点をしきい値として設定した場合であり、ウィービング速度の標準値が例えば100cm/分である場合において、ウィービング速度40cm/分のしきい値を設定している。
【0009】
図6は、ワイヤ送給速度がある値を越えて過小になることによってビード小の溶接欠陥を生じる点をしきい値として設定した場合であり、ワイヤ送給速度の標準値(ベース値)が例えば60cm/分である場合において、20cm/分のワイヤ送給速度をしきい値として設定している。
【0010】
従って、従来の溶接方法では、溶接速度がしきい値の9cm/分を越えて過大にならないように制御すると共に、ワイヤ送給速度が20cm/分を超えて過小にならないように制御することによって、ビード不揃いの溶接欠陥、及びビード小の溶接欠陥が生じないようにしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の制御方法では、夫々のパラメータについてしきい値を設定し、各パラメータに設定したしきい値を越えないように夫々のパラメータの値を単独で修正する制御を行っているために、次のような問題を生じていた。
【0012】
即ち、溶接速度がしきい値を越えて過大になっておらず、ウィービング速度もしきい値を越えて過小になっていないにも拘わらず、ビード不揃いの溶接欠陥が生じてしまうという問題がある。これは、溶接速度もウィービング速度もしきい値を越えてはいないが、溶接速度とウィービング速度の両方がしきい値に近い値になった場合であり、この場合には、溶接速度とウィービング速度の相互作用によってビード不揃いの溶接欠陥が生じてしまう。
【0013】
また、溶接速度がしきい値を越えて過大になっておらず、ワイヤ送給速度もしきい値を越えて過小になっていないにも拘わらず、ビード小の溶接欠陥が生じてしまうという問題がある。これは、溶接速度もワイヤ送給速度もしきい値を越えてはいないが、溶接速度とワイヤ送給速度の両方がしきい値に近い値になった場合であり、この場合には、溶接速度とワイヤ送給速度の相互作用によってビード小の溶接欠陥が生じてしまう。
【0014】
この問題は従来の方法では解決することができなかった。
【0015】
一方、TIG溶接時に前記パラメータの何れかがしきい値から大きく外れたような場合には、そのパラメータの変動を要因とする溶接欠陥が発生するが、これと同時に他のパラメータへも影響を与えて他のパラメータを大きく変動させて他の溶接欠陥を生じさせてしまうことがある。
【0016】
このような場合には、何れのパラメータの変動が主体となって溶接欠陥が生じているかを判断することができず、そのために溶接欠陥を回避しようとして、例えば変動の主体であるパラメータ以外のパラメータを修正してしまった場合には、更にパラメータが混乱して溶接不能に陥ってしまうことがある。
【0017】
本発明は、かかる従来の問題点を解決すべくなしたもので、パラメータの相互作用によって生じる溶接欠陥を判断し、しかも何れの溶接欠陥が主体に起こり得るかを判断するTIG溶接の欠陥判定方法を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、TIG溶接機と母材とを相対移動させ、シールドガスを供給しつつワイヤの送給と電極への給電を行いながら溶接トーチをウィービングさせて溶接を行う際に、1つの溶接欠陥を生じる要因となる第1のパラメータと第2のパラメータを選定し、更に少なくとも別の1つの溶接欠陥を生じる要因となる第3のパラメータと第4のパラメータを選定し、前記各パラメータの標準値に対して溶接欠陥を生じるしきい値を夫々について設定し、第1のパラメータのしきい値を標準化した第1の標準しきい値を第1のX−Y座標のX軸上にとり、更に第2のパラメータのしきい値を標準化した第2の標準しきい値を前記第1のX−Y座標のY軸上にとり、第3のパラメータのしきい値を標準化した第3の標準しきい値を第2のX−Y座標のX軸上にとり、更に第4のパラメータのしきい値を標準化した第4の標準しきい値を前記第2のX−Y座標のY軸上にとり、前記第1のX−Y座標における第1の標準しきい値と第2の標準しきい値とを結ぶ第1のしきい値線を求めると共に、前記第2のX−Y座標における第3の標準しきい値と第4の標準しきい値とを結ぶ第2のしきい値線を求め、前記第1のパラメータの測定信号を標準化した第1の標準測定信号と第2のパラメータの測定信号を標準化した第2の標準測定信号とにより前記第1のX−Y座標上に第1の座標点を取り、前記第3のパラメータの測定信号を標準化した第3の標準測定信号と第4のパラメータの測定信号を標準化した第4の標準測定信号とにより前記第2のX−Y座標上に第2の座標点を取り、前記第1のしきい値線と第1の座標点との距離と、第2のしきい値線と第2の座標点との距離を比較し、距離が最も大きいものがその時点の溶接欠陥であると判定することを特徴とするTIG溶接の欠陥判定方法、に係るものである。
【0019】
上記手段では、第1のパラメータと第2のパラメータの夫々の測定信号がしきい値を越えていないのに、第1のパラメータと第2のパラメータとの相互作用によって溶接欠陥が生じるといった問題の発生を判断することができ、また、第3のパラメータと第4のパラメータの夫々の測定信号がしきい値を越えていないのに、第3のパラメータと第4のパラメータとの相互作用によって溶接欠陥が生じるといった問題の発生を判断することができ、更に、複数の溶接欠陥が同時に発生した場合に、何れの溶接欠陥が主体に起こっているかを判断できるので、パラメータの修正を適切に行って、溶接品質が優れたTIG溶接を安定して行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態例を図面を参照して説明する。
【0021】
表1は、本発明のTIG溶接の各パラメータと溶接欠陥との関係を示したもので、表1から明らかなように、TIG溶接のパラメータとしては、溶接電圧V、溶接電流A、溶接速度cm/分、ワイヤ送給速度cm/分、ウィービング速度cm/分、ウィービング幅mm、シールドガス流量L/分等があげられる。
【0022】
また、溶接欠陥としては、ビード不揃い、ビードの大小、ビード高さの大小、ピット、酸化等の溶着金属表面欠陥、アンダーカット、オーバーラップ等の母材との境界部(表面)欠陥、ポロシティ、タングステン巻込み等の溶着金属内部欠陥、融合欠陥、溶込み不足等の母材との境界部(内部)欠陥等があげられる。
【0023】
表1の各パラメータを要因として生じる溶接欠陥の種類の欄に丸印が付してある。
【0024】
【表1】
【0025】
前記各パラメータについては、良好な溶接を行うための標準値を予め設定している。表1では、溶接電圧の標準値は9.7/8.5V(ウィービングにより電極が左右端部に移動した時のピーク電圧が9.7V、左右中間部を移動する時のベース値が8.5Vであることを示す)、溶接電流の標準値は200/140A(同上)、溶接速度の標準値は6cm/分、ワイヤ送給速度の標準値は100/60cm/分(同上)、ウィービング速度の標準値は100cm/分、ウィービング幅の標準値は6mm、シールドガス流量の標準値は20L/分である場合を示している。
【0026】
表1によれば、例えば溶接速度が過大になると、ビード不揃い、ビード小、ビード高さ小の溶接欠陥を生じ、またウィービング速度が過小になると、ビード不揃いの溶接欠陥を生じる。
【0027】
このようにビード不揃いという1つの溶接欠陥を発生する要因となる溶接速度(第1のパラメータ)とウィービング速度(第2のパラメータ)において、溶接速度の標準値6cm/分に対して溶接不揃いの欠陥を生じる過大のしきい値9cm/分(第1のしきい値)を設定し、またウィービング速度の標準値100cm/分に対してビード不揃いの欠陥を生じる過小のしきい値40cm/分(第2のしきい値)を設定する。
【0028】
また、表1によれば、溶接速度が過大になると、ビード小の溶接欠陥を生じ、ワイヤ送給速度が過小になると、ビード小の溶接欠陥を生じる。
【0029】
このようにビード小という別の1つの溶接欠陥が発生する要因となる溶接速度(第3のパラメータ)とワイヤ送給速度(第4のパラメータ)において、溶接速度の標準値6cm/分に対してビード小の欠陥を生じる過大のしきい値9cm/分(第3のしきい値)を設定し、またワイヤ送給速度の標準値60(ベース値)cm/分に対してビード小の欠陥を生じる過小のしきい値20cm/分(第4のしきい値)を設定する。
【0030】
このように、表1において、更にビード大という溶接欠陥が生じる要因となる溶接速度過小とワイヤ送給速度過大、或いはピットという溶接欠陥が発生する要因となる溶接電圧過大とシールドガス流量過小、オーバーラップという溶接欠陥が生じる要因となる溶接電流過小とワイヤ送給速度過大などの夫々についても、しきい値を設定する。
【0031】
このように、1つの溶接欠陥或いは別の1つの溶接欠陥(複数)を生じる要因となる夫々のパラメータに設定したしきい値を標準化するために、夫々のしきい値について下記式(I)による計算を行う。
【0032】
【数1】
D=C/K−1…(I)
式中、D:標準化された標準しきい値,C:設定したしきい値,K:各パラメータの標準値である。
【0033】
また、パラメータの測定信号に対しても下記式(II)によって標準化する計算を行う。
【0034】
【数2】
G=F/K−1…(II)
式中、G:標準化した標準測定信号,F:各パラメータの測定信号,K:各パラメータの標準値である。
【0035】
1つの溶接欠陥がビード不揃いである場合の第1のパラメータが溶接速度であり、第2のパラメータがウィービング速度である場合を例にとって説明すると、第1のパラメータである溶接速度の標準値が6cm/分であるのに対して、ビード不揃いの溶接欠陥が発生する第1のしきい値が9cm/分であった場合には、この第1のしきい値を前記式(I)に代入することにより、9/6−1=0.5の第1の標準しきい値(D1)を求め、この第1の標準しきい値0.5を、図1に示すコンピュータ上の第1のX−Y座標S1のX軸上にとる。
【0036】
また、第2のパラメータであるウィービング速度の標準値が100cm/分であるのに対して、ビード不揃いの溶接欠陥が発生する第2のしきい値が40cm/分であった場合には、この第2のしきい値を前記式(I)に代入することにより、40/100−1=−0.6の第2の標準しきい値(D2)を求め、この第2の標準しきい値−0.6を図1に示す前記第1のX−Y座標S1のY軸上にとる。
【0037】
更に、前記溶接速度の第1の標準しきい値0.5とウィービング速度の第2の標準しきい値−0.6とを結ぶ直線、即ち、しきい値線M1を求める。
【0038】
このしきい値線M1は下記式(III)となる。
【0039】
【数3】
1/a・D1+1/b・D2=1…(III)
式中、a:X軸を切る点の座標,b:Y軸を切る点の座標,D1:第1の標準しきい値,D2:第2の標準しきい値である。
【0040】
また、別の1つの溶接欠陥がビード小である場合の第3のパラメータが溶接速度であり、第4のパラメータがワイヤ送給速度である場合を例にとって説明すると、第3のパラメータである溶接速度の標準値が6cm/分であるのに対して、ビード小の溶接欠陥が発生する第3のしきい値が9cm/分であった場合には、この第3のしきい値を前記式(I)に代入することにより、9/6−1=0.5の第3の標準しきい値(D3)を求め、この第3の標準しきい値0.5を、図2に示すコンピュータ上の第2のX−Y座標S2のX軸上にとる。
【0041】
また、第4のパラメータであるワイヤ送給速度の標準値が60cm/分(ベース値)であるのに対して、ビード小の溶接欠陥が発生する第4のしきい値が20cm/分であった場合には、この第4のしきい値を前記式(I)に代入することにより、20/60−1=−0.67の第4の標準しきい値(D4)を求め、この第4の標準しきい値−0.67を図2に示す前記第2のX−Y座標S2のY軸上にとる。
【0042】
更に、前記溶接速度の第3の標準しきい値0.5とワイヤ送給速度の第4の標準しきい値−0.67とを結ぶ直線、即ち、しきい値線M2を求める。
【0043】
このしきい値線M2は下記式(IV)となる。
【0044】
【数4】
1/a・D3+1/b・D4=1…(IV)
式中、a:X軸を切る点の座標,b:Y軸を切る点の座標,D3:第1の標準しきい値,D4:第2の標準しきい値である。
【0045】
一方、前記第1のパラメータ及び第3のパラメータである溶接速度を実際に測定し、測定した第1及び第3の測定信号を前記式(II)に代入して標準化することにより、第1及び第3の標準測定信号G1,G3を得る。例えば、第1及び第3の測定信号が8cm/分であった場合には、第1及び第3の標準測定信号G1,G3は0.33である。
【0046】
同様に、第2のパラメータであるウィービング速度を実際に測定し、測定した第2の測定信号を前記式(II)に代入して標準化することにより、第2の標準測定信号G2を得る。例えば第2の測定信号が60cm/分であった場合には、第2の標準測定信号G2は−0.4である。
【0047】
更に、第4のパラメータであるワイヤ送給速度を実際に測定し、測定した第4の測定信号を前記式(II)に代入して標準化することにより、第4の標準測定信号G4を得る。例えば第4の測定信号(ベース値)が30cm/分であった場合には、第4の標準測定信号G2は−0.5である。
【0048】
上記によって求めた、第1の標準測定信号0.33と第2の標準測定信号−0.4とをコンピュータに入力し、前記第1のX−Y座標S1におけるX軸上の第1の標準測定信号0.33とY軸上の第2の標準測定信号0.4の第1の座標点P1を求める。
【0049】
また、第3の標準測定信号0.33と第4の標準測定信号−0.5とをX−Y座標上にとり、前記第2のX−Y座標S2におけるX軸上の第1の標準測定信号0.33とY軸上の第2の標準測定信号0.4の座標点P2を求める。
【0050】
この時、前記座標点P1,P2が、前記しきい値線M1,M2よりX−Y座標S1,S2の原点(0)側にある時を品質正常と判定し、前記座標点がしきい値線Mに対してX−Y座標S1,S2の原点と反対側にある時を品質異常と判定することができる。
【0051】
このとき、第1のしきい値線M1と第1の座標点P1との距離H1と、第2のしきい値線M2と第2の座標点P2との距離H2を比較し、距離が大きいものがその時点の溶接欠陥であると判定することができる。即ち、距離H1とH2を比較することにより、主体として発生する溶接欠陥の種類とその要因となっているパラメータを特定することができる。図1と図2の比較では、距離H1より距離H2の方が大きく、よって溶接速度とワイヤ送給速度を要因とするビード小の溶接欠陥が主体に発生していることが判断される。
【0052】
更に説明すると、前記式(III)及び式(IV)における左辺の値の絶対値が大きい方を主体として溶接欠陥が発生することが特定される。
【0053】
即ち、前記第1の標準測定信号0.33と第2の標準測定信号−0.4を前記式(III)に代入すると、0.33/0.5+(−0.4/−0.6)=0.67+0.67=1.34であるのに対し、前記第3の標準測定信号0.33と第4の標準測定信号−0.5を前記式(IV)に代入すると、0.33/0.5+(−0.5/−0.67)=0.67+0.74=1.41であり、式(IV)の第3の標準測定信号と第4の標準測定信号によるビード小の溶接欠陥が主体となって発生することが分かる。
【0054】
上記ビード不揃い、ビード小以外の溶接欠陥の要因となっているパラメータについても上記と同じ演算を行って、比較することにより、何れのパラメータに基づく溶接欠陥が主体に発生しているかを特定することができ、従って、溶接品質の優れたTIG溶接が行えるように、前記判定結果に基づいて主体となっているパラメータを修正して適切に制御することができる。
【0055】
尚、本発明は上記形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、第1のパラメータと第2のパラメータの夫々の測定信号がしきい値を越えていないのに、第1のパラメータと第2のパラメータとの相互作用によって溶接欠陥が生じるといった問題の発生を判断することができ、また、第3のパラメータと第4のパラメータの夫々の測定信号がしきい値を越えていないのに、第3のパラメータと第4のパラメータとの相互作用によって溶接欠陥が生じるといった問題の発生を判断することができ、更に、複数の溶接欠陥が同時に発生した場合に、何れの溶接欠陥が主体に起こっているかを判断できるので、パラメータの修正を適切に行って、溶接品質が優れたTIG溶接を安定して行えるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のTIG溶接の欠陥判定方法を説明するための第1のX−Y座標線図である。
【図2】本発明のTIG溶接の欠陥判定方法を説明するための第2のX−Y座標線図である。
【図3】TIG溶接機の一例を示す概略断面図である。
【図4】従来のTIG溶接方法における溶接速度のしきい値を設定する例を示す線図である。
【図5】従来のTIG溶接方法におけるウィービング速度のしきい値を設定する例を示す線図である。
【図6】従来のTIG溶接方法におけるワイヤ送給速度のしきい値を設定する例を示す線図である。
【符号の説明】
1 溶接機
2 母材
3 溶接トーチ
4 電極
5 シールドガス
6 ワイヤ
D1 第1の標準しきい値
D2 第2の標準しきい値
D3 第3の標準しきい値
D4 第4の標準しきい値
G1 第1の標準測定信号
G2 第2の標準測定信号
G3 第3の標準測定信号
G4 第4の標準測定信号
A 矢印(相対移動方向)
B 矢印(ウィービング方向)
M1 第1のしきい値線
M2 第1のしきい値線
P1 第1の座標点
P2 第2の座標点
S1 第1のX−Y座標
S2 第2のX−Y座標
Claims (1)
- TIG溶接機と母材とを相対移動させ、シールドガスを供給しつつワイヤの送給と電極への給電を行いながら溶接トーチをウィービングさせて溶接を行う際に、1つの溶接欠陥を生じる要因となる第1のパラメータと第2のパラメータを選定し、更に少なくとも別の1つの溶接欠陥を生じる要因となる第3のパラメータと第4のパラメータを選定し、前記各パラメータの標準値に対して溶接欠陥を生じるしきい値を夫々について設定し、第1のパラメータのしきい値を標準化した第1の標準しきい値を第1のX−Y座標のX軸上にとり、更に第2のパラメータのしきい値を標準化した第2の標準しきい値を前記第1のX−Y座標のY軸上にとり、第3のパラメータのしきい値を標準化した第3の標準しきい値を第2のX−Y座標のX軸上にとり、更に第4のパラメータのしきい値を標準化した第4の標準しきい値を前記第2のX−Y座標のY軸上にとり、前記第1のX−Y座標における第1の標準しきい値と第2の標準しきい値とを結ぶ第1のしきい値線を求めると共に、前記第2のX−Y座標における第3の標準しきい値と第4の標準しきい値とを結ぶ第2のしきい値線を求め、前記第1のパラメータの測定信号を標準化した第1の標準測定信号と第2のパラメータの測定信号を標準化した第2の標準測定信号とにより前記第1のX−Y座標上に第1の座標点を取り、前記第3のパラメータの測定信号を標準化した第3の標準測定信号と第4のパラメータの測定信号を標準化した第4の標準測定信号とにより前記第2のX−Y座標上に第2の座標点を取り、前記第1のしきい値線と第1の座標点との距離と、第2のしきい値線と第2の座標点との距離を比較し、距離が最も大きいものがその時点の溶接欠陥であると判定することを特徴とするTIG溶接の欠陥判定方法。
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