JP3893494B2 - 半導体モジュール用ケース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は半導体モジュール用ケースに関し、特に、複数の半導体回路基板と半導体素子を有する半導体モジュールを冷却する放熱用フィンを備えた大型の半導体モジュール用ケースに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、半導体モジュール用ケースには、半導体素子から発生する熱を放出するための放熱機能が備えられる。放熱手法としては種々あるが、最も有効な手段の一つはケースの表面に放熱用フィンを設けて、熱を周囲媒体へ放出する熱伝達を利用したものである。
【0003】
半導体モジュール用の放熱手段の例として、登録実用新案第3012318号公報に記載の冷却体を図7に示す。図7に示す半導体デバイス用の冷却体1は、ベース2と、すべてが同一の高さをもち、間隔を隔てて配置された複数個の放熱用フィン3とよりなる。ベース2の放熱用フィン3側の面を半導体デバイス側の面に対して放熱用フィン3の脚部が一定の温度の面に配置されるように凸面上に形成されている。これにより、半導体デバイスの発熱が放熱用フィン3に均等に配分され、冷却体1の全断面に沿って高い効率の放熱能力が得られる。上記の半導体デバイス用の冷却体1は単なる冷却装置であるが、これに半導体デバイス5の側面に半導体デバイスを囲むようにリブを設けると、高放熱性を有する半導体モジュール用ケースとなる。
【0004】
このような半導体モジュール用ケースの場合、ケースとしての冷却体は長手方向に形状が変化する三次元形状となるため、製造方法として押出し成形を選択すると二次的な機械加工の必要性が発生し、安価に製造することが困難になる。したがって、一度に成形できるダイカスト法が最も有効な製造方法となる。ダイカスト法であれば、放熱用フィン部分と半導体デバイスを囲むリブとを併せ持つ三次元形状であっても、二次的な機械加工を省き、安価に製造することが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、昨今の半導体デバイスにおける発熱量の増大により、半導体モジュールの放熱機能の向上に対する要求がますます高まっている。前記の半導体モジュール用ケースとしての冷却体1においても、放熱性能を高めるためには放熱用フィン3を薄肉、狭ピッチ化して周囲媒体への伝熱面積を拡大する必要がある。しかし、薄肉、狭ピッチのフィン3をもつ冷却体1をダイカスト法により形成するのは、次の理由から困難であった。
【0006】
図8は、冷却体1をダイカスト法により製造する場合の溶融材料の流動様式を表す模式図である。この冷却体1のように、ベース2にフィン3が立設する形状の製品をダイカスト法により製造する場合、その形状から湯口6は回路基板装着ベース7の側面となり、湯口6から高速で射出された溶融材料は、まず射出方向に平行方向のベース2に充填される。その後、射出方向とほぼ垂直方向に金型のキャビティ(図示せず)に溶融材料が充填されて放熱用フィン3をなすが、放熱用フィン3への充填は湯口6から遠い側、すなわち反湯口側のフィンから先に充填されていく。この結果、湯口6側の放熱用フィン3は、充填時間差による溶融材料の温度低下による粘性低下が起こり、充填性が悪くなるという問題点があった。
【0007】
特に、放熱用フィン3のフィン間を流れる空気への伝熱面積を大きくして放熱効率を高めるために、例えば、フィンの厚さ1mm程度、高さ10mm程度、フィンのピッチ3mm程度の高アスペクト比を有する薄肉、狭ピッチ構造にした場合、充填性が悪くなるのが顕著となる。その理由は、放熱用フィン3の体積に対する表面積の比が大きいため、充填過程における溶融材料と金型表面との接触による熱伝達により、溶融材料の温度が低下するためである。
【0008】
さらに、冷却体1は、半導体デバイス5の発熱を全てのフィン3に均一に伝達させるために、ベース2の放熱用フィン3側の面を半導体デバイス側の面に対して放熱用フィン3の脚部8が一定の温度の面に配置されるように凸面上に形成されている。したがって、射出された溶融材料は凸形状部Bと平面形状部Aとの境界で、放熱用フィン3への充填を阻害するような半導体デバイス5側への流れを生じるため、放熱用フィン3の充填が不完全となる不良が発生し、低い歩留まりとなり製造コストを下げることが困難であるという問題点があった。
【0009】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、放熱用フィンを備えた半導体モジュール用ケースをダイカスト法により製造する場合、充填材料の充填性のよい半導体モジュール用ケースを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係る半導体モジュール用ケースは、半導体素子を実装した複数の回路基板を装着する回路基板装着ベースを有する半導体モジュール用ケースであって、回路基板装着ベースが、上面と下面を有し、上面は回路基板を装着する回路基板装着面を所定の回路基板直下の肉厚が部分的に異なる段差形状に形成し、この段差形状に肉厚が変化する境界部分に回路基板を取り囲むようにリブを設け、回路基板装着面と反対側の下面に複数の放熱用フィンを形成したものである。
【0012】
また、回路基板装着ベースが所定の回路基板直下の肉厚が厚いベース部と肉厚が薄いベース部とを有しており、複数の放熱用フィンのうち、回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部に設置された放熱用フィンが、回路基板装着ベースの肉厚が薄いベース部に設置された放熱用フィンに比べて、フィンの肉厚が厚いものである。
【0013】
また、回路基板装着ベースが所定の回路基板直下の肉厚が厚いベース部と肉厚が薄いベース部とを有しており、複数の放熱用フィンのうち、回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部に設置された放熱用フィンが、回路基板装着ベースの肉厚が薄いベース部に設置された放熱用フィンに比べて、フィンの高さが低いものである。
【0014】
また、回路基板装着ベースが所定の回路基板直下の肉厚が厚いベース部と肉厚が薄いベース部とを有しており、複数の放熱用フィンのうち、回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部に設置された放熱用フィンが、回路基板装着ベースの肉厚が薄いベース部に設置された放熱用フィンに比べて、設置間隔が大きいものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1を示す半導体モジュール用ケースを用いた半導体モジュールの模式図であり、その(a)は斜視図、その(b)は矢視IB−IBの断面を表す。
【0016】
図1(a)および図1(b)において、アルミニウムなどの金属材料で一体成形されるケース11はベース11aを有している。ベース11aは、上面と下面を有し、上面には半導体素子12および半導体素子12を実装した回路基板13を装着する回路基板装着面11bを、特定の回路基板直下の肉厚が部分的に異なる段差形状(肉厚が厚いベース部11fと肉厚が薄いベース部11gからなる段差形状)としている。回路基板装着面11bには回路基板13を取り囲むように複数のリブ11cを設け、また、回路基板装着面11bと反対側の下面11dには複数の放熱用フィン11eを立設している。ベース11a、回路基板装着面11b、リブ11cおよび放熱用フィン11eから形成されるケース11並びに半導体素子12を実装した回路基板13で半導体モジュール14を構成している。
【0017】
次に、半導体モジュール用ケース11の放熱作用について説明する。半導体素子12に電力を供給して所定の動作をさせた際に熱が発生するが、半導体素子12を安定的に動作させるために、半導体素子12を一定温度以下に冷却、維持する必要がある。半導体素子12において発生した熱は、回路基板13と回路基板装着面11bとを介して、ベース11aに伝えられ、ベース11aの裏面11dに立設された放熱用フィン11eから、図示しない送風装置によって供給された放熱用フィン11e間を流れる空気に放出される。また、半導体素子12の発熱量に応じて、ベース11aの肉厚が部分的に異なる段差形状にすることにより、放熱用フィン11eに均等に熱を伝えることができるため、ケース11全体に亘って高効率の放熱性を得ることが可能となる。
【0018】
さらに、放熱用フィン11eを、例えばフィンの厚さ1mm程度、高さ10mm程度、ピッチ3mm程度の薄肉、狭ピッチ構造とし、フィン間を流れる空気への伝熱面積を大きくして放熱効率を高めることにより、半導体素子12の冷却効果を向上させることができる。
【0019】
図2は、半導体モジュール用ケース11をダイカスト法(溶融した金属材料を製品の形状に形成された金型内のキャビティに圧入し、凝固、冷却させて製品形状を得る方法)により製造する場合の、溶融材料の流動様式を表す模式図である。半導体モジュール用ケース11をダイカスト法により製造する場合、その形状から湯口15はベース11aの側面となる。湯口15から高速で射出された溶融材料は、まず射出方向に平行にベース11aに充填され、その後に、射出方向とほぼ垂直方向に金型のキャビティ(図示せず)に充填され、放熱用フィン11eを形成する。
【0020】
この実施の形態1においては、放熱用フィン11eが立設し、回路基板装着面11bが段差形状をなすように、回路基板装着ベース11aの肉厚を部分的に変化させている。キャビティ内に射出された溶融材料は、回路基板装着ベース11aの肉厚が変化している境界で射出方向と垂直方向への流れを生じるため、フィンへの充填が誘発される。このため、充填が困難な高アスペクト比を有する薄肉、狭ピッチの放熱用フィンをもつケースであっても、湯口15側のフィンと湯口15と反対側のフィンとの溶融材料の充填時間差を減少させ、放熱用フィン11e全体への溶融材料の充填性を向上させることができ、また、充填不良による歩留低下を回避することが可能となって安価に製品供給をすることができる。
【0021】
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2を示す半導体モジュール用ケースの断面図である。実施の形態2の半導体モジュール用ケースと実施の形態1の半導体モジュール用ケースとの異なる点は、回路基板装着面に設置された複数のリブが回路基板装着ベースの肉厚が変化する境界部分に設置されている点である。
【0022】
図3において、アルミニウムなどの金属材料で一体成形されるケース21は、ベース21aを有している。ベース21aは、上面と下面を有し、上面には半導体素子12および半導体素子12を実装した回路基板13を装着する回路基板装着面21bを、特定の回路基板直下の肉厚が部分的に異なる段差形状(肉厚が厚いベース部21fと肉厚が薄いベース部21gからなる段差形状)としている。回路基板装着面21bには回路基板13を取り囲むように、且つ、回路基板装着ベース21aの肉厚が変化する境界部分に複数のリブ21cを設置している。また、回路基板装着面21bと反対側の下面21dには、複数の放熱用フィン21eを立設している。ベース21a、回路基板装着面21b、リブ21cおよび放熱用フィン21eから形成されるケース21並びに半導体素子12を実装した回路基板13で半導体モジュール24を構成している。
【0023】
半導体モジュール用ケース21の放熱作用については、実施の形態1と同様なので、その説明を省略する。
【0024】
半導体モジュール用ケース21をダイカスト法により製造する場合、その形状から湯口(図示せず)はベース21aの側面となる。湯口から高速で射出された溶融材料は、まず射出方向に平行にベース21aに充填され、その後に、射出方向とほぼ垂直方向に金型のキャビティ(図示せず)に充填され、放熱用フィン21eを形成する。
【0025】
この実施の形態2においては、放熱用フィン21eが立設し、回路基板装着面21bが段差形状をなすように回路基板装着ベース21aの肉厚を部分的に変化させ、特定の回路基板をシールドするためのリブ21cを、回路基板装着ベース2の肉厚が変化する境界部分に設置している。このため、キャビティ内に射出された溶融材料は、回路基板装着ベース21aの肉厚が変化している境界で射出方向と垂直方向への流れを生じるため、リブ21cへの充填が誘発される。このため、リブ21cへの溶融材料の充填性を向上させることが可能となり、リブ21cの充填不良による歩留低下を回避することができる。
【0026】
実施の形態3.
図4は、この発明の実施の形態3を示す半導体モジュール用ケースの断面図である。実施の形態3の半導体モジュール用ケースと実施の形態1の半導体モジュール用ケースとの異なる点は、回路基板装着ベースの下面に設置された複数の放熱用フィンのうち、回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部に設置された放熱用フィンが、回路基板装着ベースの肉厚が薄いベース部に設置された放熱用フィンに比べて、フィンの肉厚が厚くなっている点である。
【0027】
図4において、アルミニウムなどの金属材料で一体成形されるケース31はベース31aを有している。ベース31aは、上面と下面を有し、上面には半導体素子12および半導体素子12を実装した回路基板13を装着する回路基板装着面31bを、特定の回路基板直下の肉厚が部分的に異なる段差形状としており、回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部31cと肉厚が薄いベース部31dとを有している。なお、肉厚が厚いベース部31c以外のベース31aの厚さは、肉厚が薄いベース部31dと同程度の薄さを有している。
【0028】
回路基板装着面31bには、回路基板13を取り囲むように複数のリブ31eを設置している。また、回路基板装着面31bと反対側の下面31fには、複数の放熱用フィンを立設している。この複数の放熱用フィンのうち、回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部31cに設置された放熱用フィン31gが、回路基板装着ベースの肉厚が薄いベース部31dに設置された放熱用フィン31hに比べて、フィンの肉厚が厚くなっている。ベース部31c,31dを有しているベース31a、回路基板装着面31b、リブ31e、放熱用フィン31g,31hから形成されたケース31並びに半導体素子12を実装した回路基板13で半導体モジュール34を構成している。
【0029】
半導体モジュール用ケース31をダイカスト法により製造する場合、その形状から湯口(図示せず)はベース31aの側面となる。湯口から高速で射出された溶融材料は、まず射出方向に平行にベース31aに充填され、回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部31cに充填された後に、射出方向とほぼ垂直方向に金型のキャビティ(図示せず)に充填され、フィンの肉厚が厚い放熱用フィン31gを形成する。そのため、ベースの肉厚が厚いベース部は肉厚が薄いベース部に比べて溶融材料の充填時間が長くなり、ベースの肉厚が厚いベース部31c設置された放熱用フィン31gは、ベースの肉厚が薄いベース部に設置された放熱用フィン31hに比べて、フィン部への溶融材料の充填開始時間が遅くなる。
【0030】
しかしながら、回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部31cに設置された放熱用フィン31gの肉厚は、回路基板装着ベースの肉厚が薄いベース部31dに設置された放熱用フィン31hの肉厚に比べて厚い。このため、金型キャビティにおける放熱用フィンを形成する部分の体積に対する表面積の比は、回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部31cに設置された放熱用フィン31gの方が小さくなっている。その結果、回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部31cに設置された放熱用フィン31g部のキャビティへ充填中の溶融材料は、金型との接触面積が小さくなっているため、金型への熱伝達が抑制され、充填過程における溶融材料の温度低下に伴う粘性低下が起こる前にフィンへ充填することが可能となる。したがって、フィン部への充填不足による歩留の低下を抑制し、高効率で製造できる。
【0031】
また、回路基板装着ベースの肉厚が薄いベース部31dに設置された放熱用フィン31hに比べて、回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部31cに設置された放熱用フィン31gは、その肉厚が厚くなっているので、フィン根元からフィン先端へ熱が伝わりやすく(いわゆるフィン効率が大きく)、放熱性能が高くなっている。したがって、回路基板装着面31bの回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部31cに、発熱量の大きい半導体素子12を実装した回路基板13を装着すれば、半導体素子12を効率よく冷却することができるという効果を奏する。
【0032】
実施の形態4.
図5は、この発明の実施の形態4を示す半導体モジュール用ケースの断面図である。実施の形態4の半導体モジュール用ケースと実施の形態3の半導体モジュール用ケースとの異なる点は、回路基板装着ベースの裏面に設置された複数の放熱用フィンのうち、回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部に設置された放熱用フィンが、回路基板装着ベースの肉厚が薄いベース部に設置された放熱用フィンに比べて、フィンの高さが低くなっている点である。
【0033】
図5において、図4と同じ符号は同一または相当を示し、その説明を省略する。回路基板装着面31bと反対側の下面31fには、複数の放熱用フィンを立設している。この複数の放熱用フィンのうち、回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部31cに設置された放熱用フィン41gが、回路基板装着ベースの肉厚が薄いベース部31dに設置された放熱用フィン41hに比べて、フィンの高さが低くなっている。ベース部31c,31dを有しているベース31a、回路基板装着面31b、リブ31e、放熱用フィン41g,41hから形成されたケース41並びに半導体素子12を実装した回路基板13で半導体モジュール44を構成している。
【0034】
半導体モジュール用ケース41の放熱作用については、実施の形態3と同様なので、その説明を省略する。
【0035】
半導体モジュール用ケース41をダイカスト法により製造する場合、その形状から湯口(図示せず)はベース31aの側面となる。湯口から高速で射出された溶融材料は、まず射出方向に平行にベース31aに充填され、その後に、射出方向とほぼ垂直方向に金型のキャビティ(図示せず)に充填され、放熱用フィン41hを形成する。そのため、ベースの肉厚が厚いベース部は肉厚が薄いベース部に比べて溶融材料の充填時間が長くなり、ベースの肉厚が厚いベース部31c設置された放熱用フィン41gは、ベースの肉厚が薄いベース部に設置された放熱用フィン41hに比べて、フィン部への溶融材料の充填開始時間が遅くなる。
【0036】
しかしながら、回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部31cに設置された放熱用フィン41gの高さが回路基板装着ベースの肉厚が薄いベース部31dに設置されたフィン41hの高さに比べて低い、すなわちキャビティ体積が小さくなっているので、溶融材料の充填時間が短くなり、充填時間差による温度低下が起こる前にフィンへの充填が可能となる。したがって、フィン部への充填不足による歩留の低下を抑制し、高効率で製造することができる。
【0037】
実施の形態5.
図6は、この発明の実施の形態5を示す半導体モジュール用ケースの断面図である。実施の形態4の半導体モジュール用ケースと実施の形態3の半導体モジュール用ケースとの異なる点は、回路基板装着ベースの裏面に設置された複数の放熱用フィンのうち、回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部に設置された放熱用フィンが、回路基板装着ベースの肉厚が薄いベース部に設置された放熱用フィンに比べて、設置間隔が大きくなっている点である。
【0038】
図6において、図4と同じ符号は同一または相当を示し、その説明を省略する。回路基板装着面31bと反対側の下面31fには、複数の放熱用フィンを立設している。この複数の放熱用フィンのうち、回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部31cに設置された放熱用フィン51gが、回路基板装着ベースの肉厚が薄いベース部31dに設置された放熱用フィン51hに比べて、設置間隔が大きくなっている。ベース部31c,31dを有しているベース31a、回路基板装着面31b、リブ31e、放熱用フィン51g,51hから形成されたケース51並びに半導体素子12を実装した回路基板13で半導体モジュール54を構成している。
【0039】
半導体モジュール用ケース51の放熱作用については、実施の形態3と同様なので、その説明を省略する。
【0040】
半導体モジュール用ケース51をダイカスト法により製造する場合、その形状から湯口(図示せず)はベース31aの側面となる。湯口から高速で射出された溶融材料は、まず射出方向に平行にベース31aに充填され、その後に、射出方向とほぼ垂直方向に金型のキャビティ(図示せず)に充填され、放熱用フィン51hを形成する。そのため、ベースの肉厚が厚いベース部は肉厚が薄いベース部31dに比べて溶融材料の充填時間が長くなり、ベースの肉厚が厚いベース部31c設置された放熱用フィン51gは、ベースの肉厚が薄いベース部に設置された放熱用フィン51hに比べて、フィン部への溶融材料の充填開始時間が遅くなる。
【0041】
しかし、回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部31cに設置された放熱用フィン51gの設置間隔は、回路基板装着ベース2の肉厚が薄いベース部31dに設置された放熱用フィン51hの設置間隔に比べて大きい、すなわち、フィンを形成するキャビティ体積が小さくなっているので、溶融材料の充填時間が短くなり、充填時間差による温度低下が起こる前にフィンへの充填が可能となる。したがって、フィン部への充填不足による歩留の低下を抑制し、高効率で製造することができる。
【0042】
また、放熱用フィン51gの設置間隔が放熱用フィン51hの設置間隔に比べて大きいため、フィン間を流れる空気の圧力損失が小さくなり、通過風量が増加するので、フィンからの放熱量が大きくなる。したがって、半導体素子12の発熱を効率よく放出することができる。
【0043】
さらに、特に、回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部31cに設置された放熱用フィン51hの設置間隔が大きくなっているため、ダイカスト法により製造する際に用いる金型の肉厚が大きく取ることができるので、金型の強度が増し、寿命を伸ばすことができるという効果を奏する。
【0044】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので以下に示すような効果を奏する。
【0046】
この発明の半導体モジュール用ケースは、半導体素子を実装した複数の回路基板を装着する回路基板装着ベースが、上面と下面を有し、上面は回路基板を装着する回路基板装着面を所定の回路基板直下の肉厚が部分的に異なる段差形状に形成し、この段差形状に肉厚が変化する境界部分に回路基板を取り囲むようにリブを設け、回路基板装着面と反対側の下面に複数の放熱用フィンを形成している。このような構成により、ダイカスト法により製造する場合、充填材料は肉厚が変化している境界で射出方向と垂直方向への流れを生じるため、リブと放熱用フィンへの充填が誘発される。このため、溶融材料の充填時間差を減少させ、リブと放熱用フィン全体への溶融材料の充填性を向上させることができる。
【0047】
また、複数の放熱用フィンのうち、回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部に設置された放熱用フィンが、回路基板装着ベースの肉厚が薄いベース部に設置された放熱用フィンに比べて、フィンの肉厚が厚い。このような構成により、ダイカスト法により製造する場合、回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部に設置された放熱用フィンを形成するキャビティ部の体積に対する表面積の比が小さくなっている。このため、回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部に設置された放熱用フィン部のキャビティへ充填中の溶融材料は、金型との接触面積が小さくなっているため、溶融材料から金型への熱伝達が抑制され、充填過程における溶融材料の温度低下に伴う粘性低下が起こる前に放熱用フィンへ充填することが可能となり、溶融材料の充填性を向上させることができる。また、回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部に設置された放熱用フィンは、その肉厚が厚くなっているので、フィン根元からフィン先端へ熱が伝わりやすくなっているため、回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部に、発熱量の大きい半導体素子を実装した回路基板を装着すれば、半導体素子を効率よく冷却することができる。
【0048】
また、複数の放熱用フィンのうち、回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部に設置された放熱用フィンが、回路基板装着ベースの肉厚が薄いベース部に設置された放熱用フィンに比べて、フィンの設置間隔を大きくしている。このような構成により、ダイカスト法により製造する場合、放熱用フィンを形成するキャビティ体積が小さくなっているので、溶融材料の充填時間が短くなり、充填時間差による温度低下が起こる前にフィンへの充填が可能となる。また、フィン間を流れる空気の圧力損失が小さくなり、通過風量が増加するので、フィンからの放熱量が大きくなるため、半導体素子の発熱を効率よく放出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す半導体モジュール用ケースを用いた半導体モジュールの模式図であり、その(a)は斜視図、その(b)は矢視IB−IBの断面図である。
【図2】 図1の半導体モジュール用ケースをダイカスト法により製造する場合の溶融材料の流動様式を表す模式図である。
【図3】 この発明の実施の形態2を示す半導体モジュール用ケースの断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態3を示す半導体モジュール用ケースの断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態4を示す半導体モジュール用ケースの断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態5を示す半導体モジュール用ケースの断面図である。
【図7】 従来の半導体モジュール用の放熱手段の冷却体を図7に示す説明図である。
【図8】 図7の冷却体をダイカスト法により製造する場合の溶融材料の流動様式を表す模式図である。
【符号の説明】
11,21,31,41,51 半導体モジュール用ケース
12 半導体素子
13 回路基板
11a,21a,31a 回路基板装着ベース
11b,21b,31b 回路基板装着ベースの上面(回路基板装着面)
11d,21d,31f 回路基板装着ベースの下面(回路基板装着面の反対側)
11c,21c,31e リブ
11e,21e,31g,31h,41g,41h,51g,51h 放熱用フィン
11f,21f,31c 回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部
11g,21g,31d 回路基板装着ベースの肉厚が薄いベース部
Claims (4)
- 半導体素子を実装した複数の回路基板を装着する回路基板装着ベースを有する半導体モジュール用ケースであって、
前記回路基板装着ベースが、上面と下面を有し、前記上面は前記回路基板を装着する回路基板装着面を所定の回路基板直下の肉厚が部分的に異なる段差形状に形成し、この段差形状に肉厚が変化する境界部分に前記回路基板を取り囲むようにリブを設け、前記回路基板装着面と反対側の前記下面に複数の放熱用フィンを形成したことを特徴とする半導体モジュール用ケース。 - 回路基板装着ベースが所定の回路基板直下の肉厚が厚いベース部と肉厚が薄いベース部とを有しており、複数の放熱用フィンのうち、前記回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部に設置された放熱用フィンが、前記回路基板装着ベースの肉厚が薄いベース部に設置された放熱用フィンに比べて、フィンの肉厚が厚いことを特徴とする請求項1記載の半導体モジュール用ケース。
- 回路基板装着ベースが所定の回路基板直下の肉厚が厚いベース部と肉厚が薄いベース部とを有しており、複数の放熱用フィンのうち、前記回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部に設置された放熱用フィンが、前記回路基板装着ベースの肉厚が薄いベース部に設置された放熱用フィンに比べて、フィンの高さが低いことを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール用ケース。
- 回路基板装着ベースが所定の回路基板直下の肉厚が厚いベース部と肉厚が薄いベース部とを有しており、複数の放熱用フィンのうち、前記回路基板装着ベースの肉厚が厚いベース部に設置された放熱用フィンが、前記回路基板装着ベースの肉厚が薄いベース部に設置された放熱用フィンに比べて、設置間隔が大きいことを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール用ケース。
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